特許第6311246号(P6311246)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6311246登録装置、通信装置及びネットワーク登録システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6311246
(24)【登録日】2018年3月30日
(45)【発行日】2018年4月18日
(54)【発明の名称】登録装置、通信装置及びネットワーク登録システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/02 20090101AFI20180409BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20180409BHJP
【FI】
   H04W48/02
   H04W84/12
【請求項の数】12
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-190598(P2013-190598)
(22)【出願日】2013年9月13日
(65)【公開番号】特開2015-56850(P2015-56850A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2016年5月17日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】八百 健嗣
(72)【発明者】
【氏名】野崎 正典
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 譲
(72)【発明者】
【氏名】中野 義久
(72)【発明者】
【氏名】福井 潔
【審査官】 米倉 明日香
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−523551(JP,A)
【文献】 特開2007−135760(JP,A)
【文献】 特開昭63−108848(JP,A)
【文献】 特開2008−17141(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0008889(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークの登録装置が通信装置を上記ネットワークへ登録するネットワーク登録システムにおいて、
上記通信装置及び上記登録装置の一方が、
登録者が登録処理対象としている通信装置が、当該ネットワーク登録システムの登録処理対象となっていることを登録者に確認させるための確認情報に応じた確認情報信号を生成する確認情報生成手段と、
上記確認情報信号を登録者が知覚できるように出力する確認情報出力手段とを備え、
上記確認情報出力手段は、上記確認情報信号の出力タイミングを指示する入力インタフェースを有し、出力指示があった場合には直ちに上記確認情報信号を出力し、
上記通信装置及び上記登録装置の他方が、
上記確認情報出力手段から出力された確認情報の適否を判断可能な適否判断材料情報を提供する適否判断材料情報提供手段を備え、
上記適否判断材料情報提供手段は、上記適否判断材料情報を表示する適否判断材料情報表示部を有し、
上記適否判断材料情報は、上記確認情報生成手段が生成する確認情報信号に係る確認情報が、登録処理対象となっている通信装置を識別可能な情報であり、
上記確認情報は、外部から入力された情報を含む
ことを特徴とするネットワーク登録システム。
【請求項2】
上記登録装置が、上記確認情報生成手段及び上記確認情報出力手段を備えると共に、上記通信装置が適否判断材料情報提供手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク登録システム。
【請求項3】
上記通信装置が、上記確認情報生成手段及び上記確認情報出力手段を備えると共に、上記登録装置が適否判断材料情報提供手段を備え、
上記確認情報生成手段が生成する確認情報信号に係る確認情報が、登録処理を行っているネットワークを識別可能な情報である
ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク登録システム。
【請求項4】
上記適否判断材料情報提供手段は、上記確認情報に応じた第2の確認情報信号を生成する確認情報生成部と、上記第2の確認情報信号を登録者が知覚できるように出力する確認情報出力部とをさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のネットワーク登録システム。
【請求項5】
上記通信装置及び上記登録装置が上記確認情報を共有し、
上記確認情報生成手段が、共有する上記確認情報に応じた確認情報信号を生成し、
上記適否判断材料情報提供手段が、共有する上記確認情報を適否判断材料情報として提供する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のネットワーク登録システム。
【請求項6】
共有する上記確認情報は、上記通信装置と上記登録装置とが協働して行う登録処理中に生じた共有情報を適用していることを特徴とする請求項に記載のネットワーク登録システム。
【請求項7】
上記登録装置は、登録対象となっている上記通信装置の登録実施又は拒否を判断する第1の登録判断入力手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のネットワーク登録システム。
【請求項8】
上記通信装置は、登録しようとする上記ネットワークの登録実施又は拒否を判断する第2の登録判断入力手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のネットワーク登録システム。
【請求項9】
上記確認情報出力手段は、上記確認情報信号を視覚に訴えるように出力することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のネットワーク登録システム。
【請求項10】
上記確認情報出力手段は、上記確認情報信号を聴覚に訴えるように出力することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のネットワーク登録システム。
【請求項11】
ネットワークの登録装置が通信装置を上記ネットワークへ登録するネットワーク登録システムにおける通信装置において、
登録者が登録処理対象としている当該通信装置が、上記ネットワーク登録システムの登録処理対象となっていることを登録者に確認させるための確認情報に応じた確認情報信号を生成する確認情報生成手段と、
上記確認情報信号を登録者が知覚できるように出力する確認情報出力手段と
上記確認情報出力手段から出力された確認情報の適否を判断可能な適否判断材料情報を提供する適否判断材料情報提供手段とを備え、
上記確認情報出力手段は、上記確認情報信号の出力タイミングを指示する入力インタフェースを有し、出力指示があった場合には直ちに上記確認情報信号を出力し、
上記適否判断材料情報提供手段は、上記適否判断材料情報を表示する適否判断材料情報表示部を有し、
上記適否判断材料情報は、上記確認情報生成手段が生成する確認情報信号に係る確認情報が、登録処理対象となっている通信装置を識別可能な情報であり、
上記確認情報は、外部から入力された情報を含む
ことを特徴とする通信装置。
【請求項12】
ネットワークの登録装置が通信装置を上記ネットワークへ登録するネットワーク登録システムにおける登録装置において、
登録者が登録処理対象としている上記通信装置が、上記ネットワーク登録システムの登録処理対象となっていることを登録者に確認させるための確認情報に応じた確認情報信号を生成する確認情報生成手段と、
上記確認情報信号を登録者が知覚できるように出力する確認情報出力手段と
上記確認情報出力手段から出力された確認情報の適否を判断可能な適否判断材料情報を提供する適否判断材料情報提供手段とを備え、
上記確認情報出力手段は、上記確認情報信号の出力タイミングを指示する入力インタフェースを有し、出力指示があった場合には直ちに上記確認情報信号を出力し、
上記適否判断材料情報提供手段は、上記適否判断材料情報を表示する適否判断材料情報表示部を有し、
上記適否判断材料情報は、上記確認情報生成手段が生成する確認情報信号に係る確認情報が、登録処理対象となっている通信装置を識別可能な情報であり、
上記確認情報は、外部から入力された情報を含む
ことを特徴とする登録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、登録装置、通信装置及びネットワーク登録システムに関し、例えば、簡易な外部インタフェースしか備えない通信装置を、無線ネットワークに登録する作業を、ユーザ(登録者)がパソコン等のIT機器を利用することなく簡易に実現する場合に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話網や公衆無線網等のネットワークに接続する無線通信装置が広く普及している。現状の当該無線通信装置には、ノートパソコン、携帯電話、スマートフォン等のグラフィカルユーザインタフェースを備える通信装置が多いが、今後は、無線センサ装置等の簡易な外部インタフェースしか備えない通信装置(例えば、ボタンや表示ランプ等のみを備える無線組込み通信装置)も広く普及すると考えられる。
【0003】
このような無線通信装置を無線ネットワークに初めて接続設定するためには、無線通信装置の識別情報や当該無線通信装置を認証するための認証情報を無線ネットワークのアクセスポイント装置(又は認証サーバ)に登録し、また、無線ネットワークの識別情報や、無線ネットワークに参加させるための認証情報を、無線通信装置に登録する必要がある。しかし、このような登録作業は、パソコン等のIT機器やネットワークにあまりなじみのない一般ユーザには煩雑な作業となる。当該無線通信装置を一般家庭においても広く普及させるためには、上記無線通信装置のネットワーク初期接続設定を簡単に実現する方法が必要である。
【0004】
上記の問題を解決する方法として、特許文献1には、アクセスポイント装置及びネットワークに加入させる端末のボタンを押下するだけで、アクセスポイント装置及び端末間でネットワーク設定のための情報を交換し、簡単にネットワーク登録できる方法が説明されている。
【0005】
当該方法は、アクセスポイント装置のボタン押下後、任意の期間(初期登録を許す限定受信モード)のみ、新規端末からの登録要求を受け入れることにより、第3者端末の不正な登録を排除する方法である。当該方法では、アクセスポイント装置が備える表示ランプの点滅/点灯によって、現在の通信モード(初期登録を許す限定受信モード/通常時の無線交信モード)を識別することができ、ネットワーク初期設定の完了を知ることができる。
【0006】
一方、アクセスポイント装置のボタン押下後の任意の期間に、たまたま第3者端末からのみ登録要求があった場合には、アクセスポイント装置は、上記第3者端末を不正に登録してしまう可能性がある。この場合、ユーザは参加端末リストの閲覧等により誤登録を検知し、不正に登録してしまった第3者端末を事後で排除する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−142907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、近年普及が期待される無線メッシュネットワークにおいては、誤登録してしまった第3者端末の事後排除が課題となる可能性がある。
【0009】
無線メッシュネットワークは、現在広く普及している無線LAN等の(アクセスポイント装置と端末が1対1の通信形態をとる)ネットワークとは異なり、通信装置が任意の隣接ノードと通信リンクを確立し、自律的に最適な通信経路を構築するネットワークである。それ故、無線メッシュネットワークを形成する各通信装置には、任意の隣接ノードといつでも通信リンクを確立できるように、ネットワーク共通の認証情報が設定されることが一般的である。すなわち、従来の1対1の通信形態における誤登録では、当該1対1のリンクを無効にするだけで済み、他の端末への影響が少ないのに対して、無線メッシュネットワークにおける誤登録では、ネットワーク共通の認証情報が誤って接続してしまった第3者端末に漏洩することになるため、他の端末への影響が大きくなる。例えば、ネットワークを形成する全ての正規端末に対して認証情報の更新作業が必要になる。
【0010】
そのため、簡単にネットワークに登録できながら、誤登録を抑制することができる登録装置、通信装置及びネットワーク登録システムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の本発明は、ネットワークの登録装置が通信装置を上記ネットワークへ登録するネットワーク登録システムにおいて、(1)上記通信装置及び上記登録装置の一方が、(1−1)登録者が登録処理対象としている通信装置が、当該ネットワーク登録システムの登録処理対象となっていることを登録者に確認させるための確認情報に応じた確認情報信号を生成する確認情報生成手段と、(1−2)上記確認情報信号を登録者が知覚できるように出力する確認情報出力手段とを備え、(1−3)上記確認情報出力手段は、上記確認情報信号の出力タイミングを指示する入力インタフェースを有し、出力指示があった場合には直ちに上記確認情報信号を出力し、(2)上記通信装置及び上記登録装置の他方が、上記確認情報出力手段から出力された確認情報の適否を判断可能な適否判断材料情報を提供する適否判断材料情報提供手段を備え、上記適否判断材料情報提供手段は、上記適否判断材料情報を表示する適否判断材料情報表示部を有し、上記適否判断材料情報は、上記確認情報生成手段が生成する確認情報信号に係る確認情報が、登録処理対象となっている通信装置を識別可能な情報であり、(3)上記確認情報は、外部から入力された情報を含むことを特徴とする。
【0012】
第2の本発明は、ネットワークの登録装置が通信装置を上記ネットワークへ登録するネットワーク登録システムにおける通信装置において、(1)登録者が登録処理対象としている当該通信装置が、上記ネットワーク登録システムの登録処理対象となっていることを登録者に確認させるための確認情報に応じた確認情報信号を生成する確認情報生成手段と、(2)上記確認情報信号を登録者が知覚できるように出力する確認情報出力手段と、(3)上記確認情報出力手段から出力された確認情報の適否を判断可能な適否判断材料情報を提供する適否判断材料情報提供手段とを備え、(4)上記確認情報出力手段は、上記確認情報信号の出力タイミングを指示する入力インタフェースを有し、出力指示があった場合には直ちに上記確認情報信号を出力し、(5)上記適否判断材料情報提供手段は、上記適否判断材料情報を表示する適否判断材料情報表示部を有し、(6)上記適否判断材料情報は、上記確認情報生成手段が生成する確認情報信号に係る確認情報が、登録処理対象となっている通信装置を識別可能な情報であり、(7)上記確認情報は、外部から入力された情報を含むことを特徴とする。
【0014】
第4の本発明は、ネットワークの登録装置が通信装置を上記ネットワークへ登録するネットワーク登録システムにおける登録装置において、(1)登録者が登録処理対象としている上記通信装置が、上記ネットワーク登録システムの登録処理対象となっていることを登録者に確認させるための確認情報に応じた確認情報信号を生成する確認情報生成手段と、(2)上記確認情報信号を登録者が知覚できるように出力する確認情報出力手段と、(3)上記確認情報出力手段から出力された確認情報の適否を判断可能な適否判断材料情報を提供する適否判断材料情報提供手段とを備え、(4)上記確認情報出力手段は、上記確認情報信号の出力タイミングを指示する入力インタフェースを有し、出力指示があった場合には直ちに上記確認情報信号を出力し、(5)上記適否判断材料情報提供手段は、上記適否判断材料情報を表示する適否判断材料情報表示部を有し、(6)上記適否判断材料情報は、上記確認情報生成手段が生成する確認情報信号に係る確認情報が、登録処理対象となっている通信装置を識別可能な情報であり、(7)上記確認情報は、外部から入力された情報を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単に通信装置をネットワークに登録できながら、誤登録を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態の通信装置の内部構成を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態の登録装置の内部構成を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態のネットワーク登録システムの動作を示すシーケンス図である。
図4】第1の実施形態のネットワーク登録システムにおける登録されたことを確認させる通知方法の説明図である。
図5】第2の実施形態の通信装置の内部構成を示すブロック図である。
図6】第2の実施形態の登録装置の内部構成を示すブロック図である。
図7】第2の実施形態のネットワーク登録システムにおける登録されたことを確認させる通知方法の説明図である。
図8】第3の実施形態の通信装置の内部構成を示すブロック図である。
図9】第3の実施形態の登録装置の内部構成を示すブロック図である。
図10】第3の実施形態のネットワーク登録システムにおける登録されたことを確認させる通知方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による登録装置、通信装置及びネットワーク登録システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。第1の実施形態のネットワーク登録システムは、例えば、無線メッシュネットワークにおける無線端末(通信装置)の登録に適用し得るものである。
【0019】
第1の実施形態は、無線ネットワークの登録装置(例えば、アクセスポイント装置)が出力する信号により、当該無線ネットワークに登録しようとしている通信装置(被登録装置)を識別させることを特徴としている。
【0020】
(A−1)第1の実施形態の構成
第1の実施形態のネットワーク登録システムは、登録対象の通信装置と、その通信装置を登録する登録装置とを有する。
【0021】
図1は、第1の実施形態における通信装置の内部構成を示すブロック図である。第1の実施形態における通信装置は、ハードウェア的に各部を構成して接続して構築されたものであっても良く、また、CPU、ROM、RAMなどを用いてプログラムを実行することで該当する機能を実現するように構築されたものであっても良く(この場合であっても、後述する受信部や送信部の一部などはハードウェアで構成することを要する)、いずれの構築方法が適用された場合であっても、機能的には、図1で表すことができる。
【0022】
図1において、第1の実施形態の通信装置1は、初期登録モード起動部10、ネットワーク登録処理部11、登録判断入力部12、ネットワーク情報管理部13、装置確認情報管理部14、装置確認情報表示部15、装置確認情報生成部16、装置確認情報出力部17、送信部18及び受信部19を有する。
【0023】
初期登録モード起動部10は、当該通信装置1が参加するネットワーク情報を新たに設定するための初期登録モードを起動するものである。初期登録モードの起動判断方法は特に限定されるものではない。例えば、工場出荷時の状態で電源がONされることにより、初期登録モード起動部10は起動されたと判断しても良く、当該通信装置1が備える「起動」ボタンが押下されることにより、初期登録モード起動部10は起動されたと判断しても良く、「起動」ボタンが押下された状態で電源がONされることにより、初期登録モード起動部10は起動されたと判断しても良い。初期登録モード起動部10は、初期登録モードの起動開始メッセージをネットワーク登録処理部11へ与える。
【0024】
ネットワーク登録処理部11は、ネットワークの登録装置2との間で新たに登録処理を実施し、当該ネットワークを、参加しても良いネットワークとして登録するか否かを判断するものである。ネットワーク登録処理部11は、初期登録モード起動部10から起動開始メッセージを与えられることにより、ネットワーク登録処理を開始する。ネットワーク登録処理は、例えば、近隣のネットワークに対して参加要求を送信し、近隣のネットワークから参加許可又は拒否の応答を受信することにより実施される。ネットワーク登録処理には、当該通信装置1とネットワークの登録装置2との間の認証処理を伴っても良い。認証処理は、特に限定されるものではない。例えば、共通鍵暗号又は公開鍵暗号に基づく、認証・鍵交換を実施するものであっても良い。ネットワーク登録処理において、当該通信装置1は、装置確認情報管理部14による装置確認情報を、送信部18を介してネットワークの登録装置2に与え、また、ネットワークの識別情報等のネットワーク情報が登録装置2から与えられる。
【0025】
ネットワーク登録処理部11は、例えば、上記ネットワークから参加許可の応答を受信することにより、上記ネットワークへの登録を判断する。また、ネットワーク登録処理部11は、例えば、上記ネットワークから参加拒否の応答を受信したときや、参加許可の応答を受信できないときなどに、上記ネットワークの登録処理を中止する。さらに、ネットワーク登録処理部11は、登録判断入力部12から、登録実施又は登録拒否のメッセージが与えられることによっても登録の実行又は中止を判断する。
【0026】
ネットワーク登録処理部11は、登録を判断したネットワーク情報をネットワーク情報管理部13へ与える。ここで、ネットワーク情報には、ネットワークの識別情報の他に、ネットワーク情報登録後の再参加時の認証処理に利用する認証情報を含んでいても良い。
【0027】
ネットワーク情報管理部13は、当該通信装置1が参加することが登録されたネットワーク情報を管理するものである。ネットワーク情報管理部13は、ネットワーク登録処理部11から、参加が許可されたネットワーク情報を与えられることにより、当該ネットワーク情報を管理する。ネットワーク情報は、例えば、ネットワークの識別情報であるが、さらに、ネットワークの認証情報を含んでいても良い。
【0028】
登録判断入力部12は、当該通信装置1が、新たに参加するネットワークを登録するか否かを判断するものである。登録判断入力部12は、例えば、当該通信装置1が備える「登録実施」ボタンが予め決められた期間内に押下されることによって登録実施を判断しても良く、また、登録判断入力部12は、例えば、「登録実施」ボタンが予め決められた期間までに押下されないこと、若しくは、「登録拒否」ボタンが押下されることによって登録拒否を判断しても良い。登録判断入力部12は、登録実施、又は、登録拒否のメッセージをネットワーク登録処理部11へ与える。
【0029】
装置確認情報管理部14は、登録者が当該通信装置1を識別するための装置確認情報を管理するものである。装置確認情報は、例えば、MACアドレス等の、登録者が当該通信装置1を識別するための識別情報である。装置確認情報管理部14は、管理する装置確認情報をネットワーク登録処理部11へ与える。また、装置確認情報管理部14は、当該通信装置1が装置確認情報出力部17を備える場合には、管理する装置確認情報を装置確認情報生成部16へ与える。また、装置確認情報表示部15が装置確認情報管理部14からの入力インタフェースを備える場合には、装置確認情報管理部14は、管理する装置確認情報を装置確認情報表示部15へ与える。
【0030】
装置確認情報表示部15は、当該通信装置1が登録処理を実施したことを、登録者に識別させるための識別情報を表示するものである。表示する識別情報は、例えば、MACアドレス等の、登録者が当該通信装置1を識別するための識別情報である。また、表示する識別情報は、例えば、装置確認情報に応じた信号を識別するための識別情報である。さらに、表示する識別情報は、例えば、装置確認情報に応じた信号そのものである。
【0031】
ここで、装置確認情報に応じた信号は特に限定されるものではない。例えば、当該通信装置1が登録処理を実施したことを、登録者にランプの点灯パターンで識別させる場合には、「この機器はパターン1で光ります。」といった表示や、「この機器は『ピッ、ピッ、ピッ、…』と光ります。」、「この機器はランプが5回点滅します。」といった表示である。また例えば、登録者に音パターンで識別させる場合には、「この機器はパターン1の音が出ます。」といった表示や、「この機器は『ププッ、ププッ、…』と音が鳴ります。」といった表示や、「この機器は『15番です。』と音声が流れます。」といった表示である。
【0032】
装置確認情報表示部15は、例えば、通信装置1に貼り付けられた表示部(シール)であっても良く、通信装置1に添付された書類等に記載された表示部(文章)であっても良い。また、装置確認情報表示部15が、装置確認情報管理部14からの入力インタフェースを備えた電気的な表示構成であれば、装置確認情報管理部14から与えられた装置確認情報、又は、装置確認情報に応じた信号、又は、装置確認情報に応じた信号を識別するための情報を電気的に表示するものである。
【0033】
装置確認情報生成部16は、当該通信装置1が登録処理を実施したこと(若しくは実施中であること)を、登録者に識別させるための識別情報を生成するものである。装置確認情報生成部16は、装置確認情報管理部14から装置確認情報が与えられ、登録者が当該通信装置1を識別するための信号を生成する。
【0034】
通信装置1を識別するための信号は、特に限定されるものではない。例えば、登録者にランプの点灯パターンで識別させる場合には、通信装置1を識別するための信号として、通信装置1のMACアドレス等の識別情報から導出可能な点灯パターンを適用できる。この場合、例えば、MACアドレスの下位4ビットに対応する16個の点灯パターンを予め定義し、いずれかの点灯パターンを規定する出力信号を装置確認情報出力部17へ与えるようにすれば良い。また例えば、MACアドレスの値を、点灯パターン数で除算した余り(=mod(MACアドレス値/点灯パターン数))を求め、その余りに対応する点灯パターンを規定する出力信号を装置確認情報出力部17へ与えるようにすれば良い。ランプの点灯パターンに代えて、若しくは、ランプの点灯パターンに加えて、音パターンで識別させるようにしても良い。例えば、MACアドレスの下位4ビットの16進表記値を音声データ化し、「15番です。」(1番から16番のいずれかの代表として「15番」を記載している)という音声出力信号を装置確認情報出力部17へ与えるようにしても良い。
【0035】
装置確認情報出力部17は、当該通信装置1が登録処理を実施したこと(若しくは実施中であること)を、登録者に判定させるための信号を出力するものである。装置確認情報出力部17は、当該装置確認情報出力部17が保有する出力手段に応じた出力信号が、装置確認情報生成部16から与えられることにより、上記信号を出力する。上記信号は、例えば、ランプの点灯パターンであっても良く、音パターンや音声であっても良い。また、装置確認情報出力部17は、出力タイミングが指示される入力インタフェースを備え、出力指示があった場合に直ちに装置確認のための信号を出力するようにしても良い。例えば、装置確認情報出力部17は、通信装置1に備え付けの「出力」ボタンが押下されたタイミングで、装置確認のための信号を出力する。
【0036】
当該装置確認情報出力部17が保有する出力手段としては、ランプや小形の液晶ディスプレイ等の視覚的な出力手段や、ブザーやスピーカ等の聴覚的な出力手段を挙げることができる。
【0037】
送信部18は、ネットワークの登録処理において、ネットワーク登録処理部11から与えられた情報を送信するものである。
【0038】
受信部19は、登録処理を実施するネットワークから受信した情報を、ネットワーク登録処理部11へ与えるものである。
【0039】
図2は、第1の実施形態における登録装置の内部構成を示すブロック図である。第1の実施形態における登録装置は、ハードウェア的に各部を構成して接続して構築されたものであっても良く、また、CPU、ROM、RAMなどを用いてプログラムを実行することで該当する機能を実現するように構築されたものであっても良く(この場合であっても、後述する受信部や送信部の一部などはハードウェアで構成することを要する)、いずれの構築方法が適用された場合であっても、機能的には、図2で表すことができる。
【0040】
図2において、登録装置2は、初期登録モード起動部30、通信装置登録処理部31、通信装置情報管理部32、装置確認情報生成部33、装置確認情報出力部34、登録判断入力部35、送信部36及び受信部37を有する。
【0041】
初期登録モード起動部30は、通信装置1の新規接続を許容し、設定するための初期登録モードを起動するものである。初期登録モードの起動判断方法は、特に限定されるものではない。例えば、当該登録装置2が備える「起動」ボタンが押下されることにより、初期登録モード起動部30が起動されたと判断しても良く、外部装置を介して初期登録モードの起動開始信号を与えられることにより、初期登録モード起動部30が起動されたと判断しても良い。初期登録モード起動部30は、初期登録モードの起動開始メッセージを通信装置登録処理部31へ与える。
【0042】
通信装置登録処理部31は、通信装置1との間で新たに登録処理を実施し、当該通信装置1を参加させても良い通信装置として登録するか否かを判断するものである。通信装置登録処理部31は、初期登録モード起動部30から起動開始メッセージを与えられることにより、通信装置1の登録処理を実施する。通信装置1の登録処理を、例えば、起動開始メッセージを与えられたときから任意の期間内で実施し、任意の期間の終了後には、実施しないように制御しても良い。また例えば、登録装置2が備える「登録終了」ボタンの押下により、通信装置登録処理の実施を終了するようにしても良い。通信装置登録処理では、例えば、任意の通信装置からの参加要求を受信し、当該通信装置に対して参加許可又は拒否の応答を送信する。通信装置登録処理は、上記通信装置1と当該登録装置2との間の認証処理を伴っても良い。認証処理は、特に限定されるものではない。例えば、共通鍵暗号又は公開鍵暗号に基づく、認証・鍵交換を実施するようにしても良い。通信装置登録処理において、当該登録装置2は、例えばネットワークの識別情報等のネットワーク情報を、送信部36を介して上記通信装置1に与え、また、上記通信装置1からの装置確認情報を受信部37を介して取り込む。
【0043】
通信装置登録処理部31は、与えられた上記通信装置1の装置確認情報を装置確認情報生成部33へ与える。
【0044】
通信装置登録処理部31は、登録判断入力部35から登録実施又は登録拒否のメッセージを与えられたときは、上記通信装置1の登録の実行又は中止を判断する。また、上記通信装置1がブラックリストに記載の装置であったり、上記通信装置1との認証処理に失敗したりする場合には、通信装置登録処理部31は、上記登録判断入力部35からのメッセージを待たずに登録中止と判断するようにしても良い。
【0045】
通信装置登録処理部31は、登録を判断した通信装置1の装置確認情報を通信装置情報管理部32へ与える。ここで、装置確認情報は、通信装置の識別情報の他に、当該通信装置1からの再参加要求時の認証処理に利用する認証情報を含むようにしても良い。
【0046】
通信装置情報管理部32は、当該登録装置2が参加することを許可した通信装置の情報を管理するものである。通信装置情報管理部32は、通信装置登録処理部31より与えられた参加を許可した通信装置の情報を管理する。ここで、通信装置の情報とは、例えば、MACアドレス等の通信装置を識別する情報であり、さらに、通信装置1を認証するための認証情報を含んでいても良い。
【0047】
装置確認情報生成部33は、当該登録装置2が、登録処理中の通信装置1を、登録者に識別させるための識別情報を生成するものである。装置確認情報生成部33は、通信装置登録処理部31より、登録処理中の通信装置1の装置確認情報を与えられ、その通信装置1を登録者が識別するための信号を生成する。
【0048】
通信装置1を識別するための信号は、特に限定されるものではない。例えば、登録者にランプの点灯パターンで識別させる場合には、通信装置のMACアドレス等の識別情報から導出可能な点灯パターンであっても良い。この場合、例えば、MACアドレスの下位4ビツトに対応する16個の点灯パターンを予め定義し、登録処理中の通信装置のMACアドレスに対応する点灯パターンを規定する出力信号を装置確認情報出力部34へ与えるようにしても良い。また例えば、MACアドレスの値を点灯パターン数で除算した余りを求め、その余りに対応する点灯パターンを規定する出力信号を装置確認情報出力部34へ与えるようにしても良い。ランプの点灯パターンに代えて、若しくは、ランプの点灯パターンに加えて、音パターンで識別させるようにしても良い。例えば、MACアドレスの下位4ビットの16進表記値を音声データ化し、「15番です。」(1番から16番のいずれかの代表として「15番」を記載している)という音声出力信号を装置確認情報出力部34へ与えるようにしても良い。
【0049】
装置確認情報出力部34は、当該登録装置2が、登録処理中の通信装置1を、登録者に判定させるための信号を出力するものである。装置確認情報出力部34は、装置確認情報出力部34が保有する出力手段に応じた出力信号が、装置確認情報生成部33より与えられることにより、上記信号を出力する。上記信号は、例えば、ランプの点灯パターンであっても良く、例えば、音パターンや音声信号であっても良い。
【0050】
登録判断入力部35は、当該登録装置2が、登録処理中の通信装置1をネットワークに参加しても良い通信装置として登録するか否かを判断するものである。例えば、当該登録装置2が備える「登録実施」ボタンが押下されることにより、登録判断入力部35は、登録実施を判断するようにしても良く、「登録実施」ボタンが予め決められた期間までに押下されないこと、若しくは、「登録拒否」ボタンが押下されることにより、登録判断入力部35は、登録拒否を判断するようにしても良い。また、登録判断入力部35は、外部装置から、登録実施又は拒否の信号を与えられることによって、登録実施又は登録拒否を判断するようにしても良い。登録判断入力部35は、登録実施又は登録拒否のメッセージを通信装置登録処理部31へ与える。
【0051】
送信部36は、通信装置1の登録処理において、通信装置登録処理部31から与えられた情報を送信するものである。
【0052】
受信部37は、登録処理を実施する通信装置1から受信した情報を、通信装置登録処理部31へ与えるものである。
【0053】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する通信装置1と登録装置2とを有する、第1の実施形態のネットワーク登録システム3の動作を説明する。
【0054】
図3は、ネットワーク登録システム3の動作を示すシーケンス図である。図4は、ネットワーク登録システム3における、登録されたことを確認させる通知方法の説明図である。
【0055】
第1の実施形態のネットワーク登録システム3における動作は、大きくは、初期登録モードの起動動作(ステップS101)、登録確認動作(ステップS102)、ネットワーク接続設定動作(ステップS103)の3つの動作で構成される。
【0056】
[ステップS101]初期登録モードの起動
登録装置2の初期登録モード起動部30において、初期登録モードの起動が判断され、初期登録モードを開始する。また、通信装置の初期登録モード起動部10において、初期登録モードの起動が判別され、初期登録モードを開始する。
【0057】
通信装置11のネットワーク登録処理部11と、登録装置2の通信装置登録処理部31との間で、通信装置1のMACアドレス等の装置確認情報と、ネットワークの識別情報等のネットワーク情報が交換される。この際、通信装置1及び登録装置2間で認証処理を行なっても良く、この場合において、認証処理に失敗したときは、登録処理を中止する。
【0058】
[ステップS102]登録確認
登録装置2の装置確認情報生成部33において、登録処理中の通信装置1を、登録者に識別させるための識別情報が生成され、生成された信号が装置確認情報出力部34に出力される。例えば、出力信号は、図4に記載のような表示ランプ(ネーミングは「確認ランプ」)34Lの点灯パターン34ptnであり、登録処理中の通信装置1に応じた点灯パターンが、登録装置2の装置確認情報出力部34を経由して登録者に通知される。
【0059】
また、登録処理中の通信装置1も装置確認情報出力部17を備え、登録装置2の装置確認情報出力部34に出力される信号と同じ信号を出力する機能を有していても良い。図4は、この場合を示している。通信装置1の装置確認情報出力部17に係る表示ランプ(ネーミングは「確認ランプ」)17Lが、上述した点灯パターン34ptnと同じ点灯パターン17ptnで点滅する。例えば、通信装置1の表面の一部には、装置確認情報表示部15として機能するシールが貼付されており、そのシールには、当該通信装置1のMACアドレスと、登録されたときに点滅する点灯パターン17ptnの説明が記述されている。
【0060】
登録装置2の登録判断入力部35において、登録処理中の通信装置1を「登録実施」するか、「登録拒否」するかのメッセージが生成され、通信装置登録処理部31へ与えられる。「登録実施」か「登録拒否」かの判断は、例えば、登録装置2の装置確認情報出力部34に出力される信号が、現在登録処理中の通信装置1の装置確認情報表示部15に表示される情報と合致するか否かによってなされる。登録装置2の通信装置登録処理部31において、参加許可若しくは参加拒否の応答メッセージが生成され、送信部36を介して、通信装置1へ送信される。
【0061】
例えば、登録判断入力部35に関連して「登録実施」ボタンや「登録拒否」ボタンが備えられ、登録者が、登録処理中の通信装置1に応じた点灯パターンが、自己が意図している通信装置1の点灯パターンか否かを装置確認情報の表示に照らして確認して、「登録実施」ボタン又は「登録拒否」ボタンを押下し、これに応じて、登録判断入力部35が、登録処理中の通信装置1を「登録実施」するか「登録拒否」するかのメッセージを生成するようにしても良い。
【0062】
通信装置1のネットワーク登録処理部11において、参加許可若しくは参加拒否の応答メッセージが与えられ、現在登録処理中のネットワークに登録されたか否かが判断される。なお、通信装置1のネットワーク登録処理部11は、登録判断入力部12から、登録実施又は登録拒否のメッセージを与えられることにより、登録が実行され、又は、中止されたと判断するようにしても良い。
【0063】
[ステップS103]ネットワーク接続設定
登録装置2の通信装置情報管理部32において、新たに登録された通信装置1の情報が管理される。ここでは、MACアドレス等の通信装置を識別する情報の他に、当該通信装置登録後の再参加時の認証処理に利用する認証情報を含んでも良い。
【0064】
通信装置1のネットワーク情報管理部13において、登録されたネットワークの情報が管理される。ここでは、ネットワークの識別情報の他に、ネットワーク情報登録後の再参加時の認証処理に利用する認証情報も管理される。
【0065】
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、登録処理中の通信装置に表示される当該通信装置を確認するための情報と、無線ネットワークの登録装置が出力する信号とを照らし合わせることにより(図4参照)、当該無線ネットワークに登録しようとしている通信装置が、登録者が意図する無線ネットワークに本当に登録されようとしているか否かを、確認することができる。
【0066】
これにより、例えば、簡易な外部インタフェースしか備えない通信装置(例えば、ボタンや表示ランプ等のみを備える無線組込み通信装置)を、無線ネットワークに登録する場合でも、登録者がパソコン等のIT機器を利用することなく、誤登録を抑制することができる。
【0067】
(B)第2の実施形態
次に、本発明による登録装置、通信装置及びネットワーク登録システムの第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。第2の実施形態のネットワーク登録システムも、例えば、無線メッシュネットワークにおける無線端末(通信装置)の登録に適用し得るものである。
【0068】
第2の実施形態は、無線ネットワークに登録しようとしている通信装置(被登録装置)が出力する信号により、当該通信装置を登録しようとしている無線ネットワーク(の登録装置)を識別させることを特徴としている。
【0069】
(B−1)第2の実施形態の構成
第2の実施形態のネットワーク登録システムも、登録対象の通信装置と、その通信装置を登録する登録装置とを有する。
【0070】
図5は、第2の実施形態における通信装置の内部構成を示すブロック図であり、上述した第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0071】
図5において、第2の実施形態の通信装置1Aは、初期登録モード起動部10、ネットワーク登録処理部11、登録判断入力部12、ネットワーク情報管理部13、ネットワーク確認情報生成部20、ネットワーク確認情報出力部21、送信部18及び受信部19を有する。
【0072】
以下では、第1の実施形態の通信装置1の内部構成と異なる、ネットワーク登録処理部11、ネットワーク確認情報生成部20及びネットワーク確認情報出力部21について機能を説明する。
【0073】
ネットワーク登録処理部11は、第1の実施形態の通信装置1のネットワーク登録処理部11とほぼ同様であるが、登録装置2Aから与えられたネットワーク情報をネットワーク確認情報生成部20へ与える点が第1の実施形態のものと異なる。ネットワーク情報は、例えば、当該ネットワークに割り当てられたネットワークの識別情報であっても良く、また、ネットワークに存在する登録装置2Aの識別情報(例えば、MACアドレス等)であっても良い。
【0074】
ネットワーク確認情報生成部20は、当該ネットワークが登録処理したことを、登録者に識別させるための識別情報を生成するものである。ネットワーク確認情報生成部20は、ネットワーク登録処理部11よりネットワーク情報が与えられ、登録者が当該ネットワークを識別するための信号を生成する。
【0075】
登録者がネットワークを識別するための信号は、特に限定されるものではない。例えば、登録者にランプの点灯パターンで識別させる場合には、登録者がネットワークを識別するための信号は、ネットワーク内の登録装置2AのMACアドレス等の識別情報やネットワークの識別情報から、導出可能な点灯パターンであっても良い。MACアドレスを参照する場合であれば、例えば、MACアドレスの下位4ビットに対応する16個の点灯パターンを予め定義し、各点灯パターンを規定する出力信号をネットワーク確認情報出力部21へ与えるようにすれば良い。また例えば、MACアドレスの値を点灯パターン数で除算した余りを求め、その余りに対応する点灯パターンを規定する出力信号をネットワーク確認情報出力部21へ与えるようにしても良い。ランプの点灯パターンに代えて、若しくは、ランプの点灯パターンに加えて、音パターンで識別させるようにしても良い。例えば、MACアドレスの下位4ビットの16進表記値を音声データ化し、「15番です。」(1番から16番のいずれかの代表として「15番」を記載している)という音声出力信号をネットワーク確認情報出力部21へ与えるようにしても良い。
【0076】
ネットワーク確認情報出力部21は、当該ネットワークが登録処理を実施したことを、登録者に判定させるための信号を出力するものである。ネットワーク確認情報出力部21は、当該ネットワーク確認情報出力部21が保有する出力手段(例えば、ランプやブザーなど)に応じた出力信号を、ネットワーク確認情報生成部20より与えられることにより、登録者に判定させるための信号を出力する。この信号は、例えば、ランプの点灯パターンであっても良く、音パターンや音声信号であっても良い。
【0077】
図6は、第2の実施形態における登録装置の内部構成を示すブロック図であり、上述した第1の実施形態に係る図2との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0078】
図6において、第2の実施形態の登録装置2Aは、初期登録モード起動部30、通信装置登録処理部31、通信装置情報管理部32、ネットワーク確認情報管理部38、ネットワーク確認情報表示部39、ネットワーク確認情報生成部40、ネットワーク確認情報出力部41、登録判断入力部35、送信部36及び受信部37を有する。
【0079】
以下では、第1の実施形態の登録装置2の内部構成と異なる、通信装置登録処理部31、ネットワーク確認情報管理部38、ネットワーク確認情報表示部39、ネットワーク確認情報生成部40及びネットワーク確認情報出力部41について説明する。
【0080】
通信装置登録処理部31は、第1の実施形態における登録装置2の通信装置登録処理部31とほぼ同様なものであるが、ネットワーク確認情報管理部38より与えられたネットワーク情報を、送信部36を介して通信装置1Aへ与える点が第1の実施形態のものと異なっている。ここで、ネットワーク情報は、例えば、当該ネットワークに割り当てられたネットワークの識別情報であっても良く、当該ネットワーク内に存在する登録装置2Aの識別情報(例えば、MACアドレス等)であっても良い。
【0081】
ネットワーク確認情報管理部38は、登録者が当該ネットワークを識別するためのネットワーク確認情報を管理するものである。ネットワーク確認情報は、例えば、当該ネットワークに割り当てられたネットワークの識別情報であっても良く、当該登録装置2Aの識別情報(例えば、MACアドレス等)であっても良い。ネットワーク確認情報管理部38は、管理するネットワーク確認情報を通信装置登録処理部31へ与える。また、ネットワーク確認情報管理部38は、当該登録装置2Aがネットワーク確認情報出力部41を備える場合には、管理するネットワーク確認情報をネットワーク確認情報生成部40へ与える。さらに、ネットワーク確認情報管理部38は、ネットワーク確認情報表示部39が、ネットワーク確認情報管理部38からの入力インタフェースを備える場合には、管理するネットワーク確認情報をネットワーク確認情報表示部39へ与える。
【0082】
ネットワーク確認情報表示部39は、当該ネットワークが登録処理したことを、登録者に識別させるための識別情報を表示するものである。ネットワーク確認情報は、例えば、ネットワークに割り当てられたネットワークの識別情報や、ネットワーク内に存在する登録装置2AのMACアドレス等の識別情報であり、登録者が当該ネットワークを識別するための識別情報である。また例えば、ネットワーク確認情報に応じた信号を識別するための識別情報を、表示又は出力するネットワーク確認情報として適用するようにしても良い。さらに例えば、ネットワーク確認情報に応じた信号そのものを、表示又は出力するネットワーク確認情報として適用するようにしても良い。
【0083】
当該ネットワーク確認情報に応じた信号は、特に限定されるものではない。例えば、当該ネットワーク(の登録装置2A)が登録処理を実施したことを、登録者にランプの点灯パターンで識別させる場合には、「このネットワークはパターン1で光ります。」といった表示や、「このネットワークは『ピッ、ピッ、ピッ、…』と光ります。」、「このネットワークはランプが5回点滅します。」といった表示である。また例えば、登録者に音パターンで識別させる場合には、「このネットワークはパターン1の音が出ます。」といった表示や、「このネットワークは『ププッ、ププッ、…』と音が鳴ります。」といった表示や、「このネットワークは『15番です。』と音声が流れます。」といった表示である。
【0084】
ネットワーク確認情報表示部39は、例えば、登録装置2Aに貼り付けられた表示部(シール)であっても良く、登録装置2Aに添付された書類等に記載された表示部(文章)であっても良い。また、ネットワーク確認情報表示部39が、ネットワーク確認情報管理部38からの入力インタフェースを備えた電気的な表示構成であれば、ネットワーク確認情報管理部38から与えられたネットワーク確認情報、又は、ネットワーク確認情報に応じた信号、又は、ネットワーク確認情報に応じた信号を識別するための情報を電気的に表示するものである。さらにまた、ネットワーク確認情報表示部39は、例えば、ブラウザを介してアクセス可能なネットワーク保守画面の表示部である。
【0085】
ネットワーク確認情報生成部40は、当該ネットワークが登録処理を実施したことを、登録者に識別させるための識別情報を生成するものである。ネットワーク確認情報生成部40は、ネットワーク確認情報管理部38より、ネットワーク確認情報が与えられ、登録者が当該ネットワークを識別するための信号を生成する。
【0086】
登録者が当該ネットワークを識別するための信号は、特に限定されるものではない。例えば、登録者にランプの点灯パターンで識別させる場合には、当該ネットワークを識別するための信号として、登録装置2AのMACアドレスや、ネットワークの識別情報等の識別情報から導出可能な点灯パターンを適用できる。この場合、例えば、識別情報の下位数桁(例えば、識別情報がMACアドレスであれば下位4ビット;識別情報が文字列であれば最下位の文字)に対応する16個の点灯パターンを予め定義し、いずれかの点灯パターンを規定する出力信号をネットワーク確認情報出力部41へ与えるようにしても良い。また例えば、識別情報を数値化した数値を、点灯パターン数で除算した余り(=mod(識別情報数値/点灯パターン数))を求め、その余りに対応する点灯パターンを規定する出力信号をネットワーク確認情報出力部41へ与えるようにしても良い。ランプの点灯パターンに代えて、若しくは、ランプの点灯パターンに加えて、音パターンで識別させるようにしても良い。例えば、識別情報の下位数桁を音声データ化し、「15番です。」(1番から16番のいずれかの代表として「15番」を記載している)という音声出力信号をネットワーク確認情報出力部41へ与えるようにしても良い。
【0087】
ネットワーク確認情報出力部41は、当該ネットワークが登録処理したことを、登録者に判定させるための信号を出力するものである。ネットワーク確認情報出力部41は、当該ネットワーク確認情報出力部41が保有する出力手段に応じた出力信号が、ネットワーク確認情報生成部40から与えられることにより、上記信号を出力する。上記信号は、例えば、ランプの点灯パターンであっても良く、音パターンや音声であっても良い。また、ネットワーク確認情報出力部41は、出力タイミングが指示される入力インタフェースを備えており、出力指示があった場合には、直ちにネットワーク確認のための信号を出力するようにすれば良い。例えば、ネットワーク確認情報出力部41は、登録装置2Aに備え付けの「出力」ボタンが押下されたタイミングで、ネットワーク確認のための信号を出力する。
【0088】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する通信装置1Aと登録装置2Aとを有する、第2の実施形態のネットワーク登録システム3Aの動作を説明する。
【0089】
図7は、第2の実施形態のネットワーク登録システム3Aにおける、登録されたことを確認させる通知方法の説明図である。
【0090】
第2の実施形態のネットワーク登録システム3Aにおける動作も、大きくは、初期登録モードの起動動作、登録確認動作、ネットワーク接続設定動作の3つの動作で構成される(上述した図3参照)。このうち、初期登録モードの起動動作及びネットワーク接続設定動作は、上述した第1の実施形態のネットワーク登録システム3の動作と同様である。そこで、以下では、第1の実施形態のネットワーク登録システム3の動作とは異なる登録確認動作のみを説明する。なお、第1の実施形態と相違することを強調するため、第2の実施形態における「登録確認」のステップには、符号S202を用いることとする。
【0091】
[ステップS202]登録確認
通信装置1Aのネットワーク確認情報生成部20において、登録処理中のネットワークを、登録者に識別させるための識別情報が生成され、生成された信号がネットワーク確認情報出力部21に出力される。例えば、出力信号は、図7に記載のような表示ランプ(ネーミングは「確認ランプ」)21Lの点灯パターン21ptnであり、登録処理中のネットワークに応じた点灯パターンが、通信装置1Aのネットワーク確認情報出力部21を経由して登録者に通知される。
【0092】
また、登録処理中のネットワーク(の登録装置2A)もネットワーク確認情報出力部41を備え、通信装置1Aのネットワーク確認情報出力部21に出力される信号と同じ信号を出力する機能を有していても良い。図7は、この場合を示している。登録装置2Aのネットワーク確認情報出力部41に係る表示ランプ(ネーミングは「確認ランプ」)41Lが、上述した点灯パターン21ptnと同じ点灯パターン41ptnで点滅する。例えば、登録装置2Aの一側面の一部には、ネットワーク確認情報表示部39として機能するシールが貼付されており、そのシールには、ネットワークの識別情報としての当該登録装置2AのMACアドレスと、登録されたときに点滅する点灯パターン41ptnの説明が記述されている。
【0093】
なお、登録装置2Aに対して、保守端末4がケーブル接続されているような場合には、登録者に識別させる識別情報の登録装置2Aにおける通知動作に代え、若しくは、登録装置2Aにおける通知動作に加え、保守端末4の表示画面等を用いて識別情報の通知を行うようにしても良い。
【0094】
登録装置2Aの登録判断入力部35において、登録処理中の通信装置1Aを「登録実施」するか、「登録拒否」するかのメッセージが生成され、通信装置登録処理部31へ与えられる。「登録実施」か「登録拒否」かの判断は、例えば、通信装置1Aのネットワーク確認情報出力部21に出力される信号が、現在登録処理中のネットワークにおける登録装置2Aのネットワーク確認情報表示部39に表示される情報と合致するか否かによってなされる。登録装置2Aの通信装置登録処理部31において、参加許可若しくは参加拒否の応答メッセージが生成され、送信部36を介して、通信装置1Aへ送信される。
【0095】
通信装置1Aのネットワーク登録処理部11において、参加許可若しくは参加拒否の応答メッセージが与えられ、現在登録処理中のネットワークに登録されたか否かが判断される。なお、通信装置1Aのネットワーク登録処理部11は、登録判断入力部12から、登録実施又は登録拒否のメッセージを与えられることにより、登録が実行され、又は、中止されたと判断するようにしても良い。
【0096】
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、登録処理中の無線ネットワークにおける登録装置に表示される当該ネットワークを確認するための情報と、登録処理中の通信装置が出力する信号とを照らし合わせることにより(図7参照)、通信装置が、本当に登録者が意図する無線ネットワークに登録されようとしているか否かを、確認することができる。
【0097】
これにより、例えば簡易な外部インタフェースしか備えない通信装置(例えば、ボタンや表示ランプ等のみを備える無線組込み通信装置)を、無線ネットワークに登録する場合でも、登録者がパソコン等のIT機器を利用することなく、簡易に誤登録を抑制することができる。
【0098】
(C)第3の実施形態
次に、本発明による登録装置、通信装置及びネットワーク登録システムの第3の実施形態を、図面を参照しながら説明する。第3の実施形態のネットワーク登録システムも、例えば、無線メッシュネットワークにおける無線端末(通信装置)の登録に適用し得るものである。
【0099】
第3の実施形態は、無線ネットワークの登録装置及び通信装置が登録処理による共有する固有の情報を元に出力される信号により、当該通信装置と当該無線ネットワーク間で登録処理がなされていることを識別させることを特徴とする。
【0100】
(C−1)第3の実施形態の構成
第3の実施形態のネットワーク登録システムも、登録対象の通信装置(被登録装置)と、その通信装置を登録する登録装置とを有する。
【0101】
図8は、第3の実施形態における通信装置の内部構成を示すブロック図であり、上述した第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0102】
図8において、第3の実施形態の通信装置1Bは、初期登録モード起動部10、ネットワーク登録処理部11、登録判断入力部12、ネットワーク情報管理部13、登録確認情報生成部22、登録確認情報出力部23、送信部18及び受信部19を有する。
【0103】
以下では、第1の実施形態の通信装置1の内部構成と異なる、ネットワーク登録処理部11、登録確認情報生成部22及び登録確認情報出力部23について機能を説明する。
【0104】
ネットワーク登録処理部11は、第1の実施形態における通信装置1のネットワーク登録処理部11とほぼ同様であるが、登録処理において、登録装置2Bとの間で共有する固有の情報を登録確認情報として登録確認情報生成部22へ与える点が第1の実施形態のものと異なる。登録確認情報は、例えば、通信装置1Bの識別情報や登録装置2Bの識別情報であっても良く、また、ネットワークの識別情報であっても良い。さらに、登録確認情報は、例えば、認証処理中に鍵交換によって生成された共有鍵であっても良く、通信装置1B又は登録装置2Bが生成し、他方の装置へ送信することで共有した乱数情報であっても良い。さらにまた、登録確認情報は、例えば、通信装置1Bに備え付けのボタンを押下した回数を、登録装置2Bに送付することで共有するカウント値であっても良い。また、登録確認情報は、上記の情報の組み合わせや、上記情報を入力として変換した値であっても良い。
【0105】
登録確認情報生成部22は、当該通信装置1Bと登録処理中のネットワークとが登録処理していることを、登録者に識別させるための識別情報を生成するものである。登録確認情報生成部22は、ネットワーク登録処理部11から登録確認情報を与えられ、当該通信装置と上記ネットワークとが登録処理していることを登録者が識別するための信号を生成する。
【0106】
登録者が識別するための信号は、特に限定されるものではない。例えば、登録者にランプの点灯パターンで識別させる場合には、登録確認情報から導出可能な点灯パターンであっても良い。この場合、例えば、登録確認情報が「3」という値を持つ場合、ランプを3回点滅させても良い。また例えば、登録確認情報のハッシュ値やmod値に対応する有限個の点灯パターンを予め定義しておき、今回の登録確認情報に対応する点灯パターンに応じた出力信号を登録確認情報出力部23へ与えるようにしても良い。また例えば、ランプの点灯パターンに代え若しくは加え、音パターンで識別させるようにしても良い。例えば、登録確認情報を音声化し、「15回です。」という音声出力信号を登録確認情報出力部23へ与えるようにしても良い。
【0107】
登録確認情報出力部23は、当該通信装置1Bと登録処理中のネットワークとが登録処理していることを、登録者に識別させるための信号を出力するものである。登録確認情報出力部23は、当該登録確認情報出力部23が保有する出力手段に応じた出力信号を、登録確認情報生成部22より与えられることにより、上記信号を出力する。上記信号は、例えば、ランプの点灯パターンや音パターンや音声である。
【0108】
図9は、第3の実施形態における登録装置の内部構成を示すブロック図であり、上述した第1の実施形態に係る図2との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0109】
図9において、登録装置2Bは、初期登録モード起動部30、通信装置登録処理部31、通信装置情報管理部32、登録判断入力部35、登録確認情報生成部42、登録確認情報出力部43、送信部36及び受信部37を有する。
【0110】
以下では、第1の実施形態の登録装置2の内部構成と異なる通信装置登録処理部31、登録確認情報生成部42及び登録確認情報出力部43について説明する。
【0111】
通信装置登録処理部31は、第1の実施形態の登録装置2の通信装置登録処理部31とほぼ同様であるが、登録処理において、通信装置1Bとの間で共有する固有の情報を登録確認情報として登録確認情報生成部42へ与える点が異なる。登録確認情報は、例えば、通信装置1Bの識別情報や登録装置2Bの識別情報であっても良く、また、ネットワークの識別情報であっても良い。また、登録確認情報は、認証処理中に鍵交換によって生成された共有鍵であっても良く、通信装置1B又は登録装置2Bが生成し、他方の装置へ送信することで共有した乱数情報であっても良い。登録確認情報は、例えば、登録装置2Bに備え付けのボタンを押下した回数を、通信装置1Bに送付することで共有するカウント値であっても良い。また、登録確認情報は、上記の情報の組み合わせや、上記情報を入力として変換した値であっても良い。
【0112】
登録確認情報生成部42は、当該登録装置2Bと登録処理中の通信装置1Bとが登録処理していることを、登録者に識別させるための識別情報を生成するものである。登録確認情報生成部42は、通信装置登録処理部31から登録確認情報を与えられ、当該登録装置2Bと通信装置1Bとが登録処理していることを登録者が識別するための信号を生成する。
【0113】
この信号は、図8に記載の通信装置1Bの登録確認情報生成部22で生成される信号と同じであっても良い。
【0114】
登録確認情報出力部43は、当該登録装置2Bと登録処理中の通信装置1Bとが登録処理していることを、登録者に識別させるための信号を出力するものであり、図8に記載の通信装置1Bの登録確認情報出力部23と同様の動作をする。
【0115】
(C−2)第3の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する通信装置1Bと登録装置2Bとを有する、第3の実施形態のネットワーク登録システム3Bの動作を説明する。
【0116】
図10は、第3の実施形態のネットワーク登録システム3Bにおける、登録されたことを確認させる通知方法の説明図である。
【0117】
第3の実施形態のネットワーク登録システム3Bにおける動作も、大きくは、初期登録モードの起動動作、登録確認動作、ネットワーク接続設定動作の3つの動作で構成される(上述した図3参照)。このうち、ネットワーク接続設定動作は、上述した第1の実施形態のネットワーク登録システム3の動作と同様である。そこで、以下では、第1の実施形態のネットワーク登録システム3の動作とは異なる初期登録モードの起動動作及び登録確認動作のみを説明する。なお、第1の実施形態と相違することを強調するため、第2の実施形態における「初期登録モードの起動」及び「登録確認」のステップにはそれぞれ、符号S301、S302を用いることとする。
【0118】
[ステップS301]初期登録モードの起動
第1の実施形態における初期登録モードの起動動作(ステップS101)に加えて、通信装置1Bのネットワーク登録処理部11と登録装置2Bの通信装置登録処理部31との間で登録確認情報を共有することが行われる。登録確認情報は、上述したように、例えば、通信装置1Bと登録装置2Bとの間の認証・鍵交換処理によって生成された共有鍵であっても良く、通信装置1B又は登録装置2Bが生成し、他方の装置へ送信することで共有した乱数情報であっても良い。また、登録確認情報は、上述したように、例えば、通信装置1Bに備え付けのボタンを押下した回数を、登録装置2Bに送付することで共有するカウント値であっても良い。さらに、登録確認情報は、上述したように、上記情報の組み合わせや、上記情報を入力として変換した値であっても良い。
【0119】
図10は、通信装置1Bに備え付けのボタンを押下した回数を、登録装置2Bに送付することでカウント値(回数)を共有する場合を示している。
【0120】
通信装置1Bは、登録確認情報生成部22の構成要素として「確認」ボタン22Bを有し、この「確認」ボタン22Bが押下された回数に応じた点灯パターンの登録確認情報を生成して登録確認情報出力部23に与え、登録確認情報出力部23は自己が備える「確認」ランプ23Lを与えられた登録確認情報の点灯パターン23ptnで点滅する。
【0121】
通信装置1Bのネットワーク登録処理部11は、「確認」ボタン22Bの押下回数を、送信部18を介して登録装置2Bに送信する。登録装置2Bの通信装置登録処理部31が、受信部37を介して、「確認」ボタン22Bの押下回数を受信することにより、登録確認情報を、通信装置1B及び登録装置2Bが共有する。
【0122】
[ステップS302]登録確認
登録装置2Bの登録確認情報生成部42において、登録処理中の通信装置1B及びネットワークを、登録者に識別させるための識別情報が生成され、生成された信号が登録確認情報出力部43に出力される。例えば、出力信号は、図10に記載のような「確認」ランプ43Lの点灯パターン43ptnであり、登録処理中に通信装置1Bに備え付けの「確認」ボタン22Bを押下した回数に応じた点灯パターン43ptnが、登録装置2Bの登録確認情報出力部43を経由して登録者に通知される。
【0123】
ここで、上述したように、登録処理中の通信装置1Bも登録確認情報出力部23を備え、登録装置2Bの登録確認情報出力部43に出力される信号と同じ信号を出力する機能を有していることが好ましい。
【0124】
登録装置2Bの登録確認情報生成部42が生成する登録確認情報は、上述したように、ボタンの押下回数に限定されない。例えば、登録確認情報が通信装置1Bと登録装置2Bとの認証・鍵交換処理によって共有された鍵情報であり、この鍵情報に応じた点灯パターンが、登録装置2Bの登録確認情報出力部43、及び、通信装置1Bの登録確認情報出力部23へ出力されるようにしても良い。
【0125】
なお、通信装置1Bの登録確認情報出力部23に出力される信号と、登録装置2Bの登録確認情報出力部43に出力される信号は必ずしも完全に同じである必要はなく(対応していることは要する)、例えば、通信装置1Bの登録確認情報出力部23では、表示ランプが5回点滅し、登録装置2Bの登録確認情報出力部43では、「ランプが5回点滅します。」と音声で知らせたり、テキスト表示したりしても良い。上述した第1の実施形態や第2の実施形態も、この点は同様である。
【0126】
登録装置2Bの登録判断入力部35において、登録処理中の通信装置1Bを「登録実施」するか、「登録拒否」するかのメッセージが生成され、通信装置登録処理部31へ与えられる。この登録有無の判断は、例えば、通信装置1Bの登録確認情報出力部23に出力される信号が、現在登録処理中のネットワークの登録装置2Bの登録確認情報出力部43に出力される情報と一致するか否かによって登録者が行い、通信装置登録処理部31へ入力するようにしても良い。登録装置2Bの通信装置登録処理部31において、参加許可若しくは参加拒否の応答メッセージが生成され、送信部36を介して通信装置1Bへ送信される。
【0127】
通信装置1Bのネットワーク登録処理部11において、参加許可若しくは参加拒否の応答メッセージが与えられ、現在登録処理中のネットワークへ登録出来たか否かが判断される。また、通信装置1Bのネットワーク登録処理部11は、登録判断入力部12より、登録実施又は登録拒否のメッセージを与えられることにより、登録の実行又は中止を判断しても良い。
【0128】
(C−3)第3の実施形態の効果
第3の実施形態によれば、登録処理中の無線ネットワークの登録装置及び通信装置が登録処理により共有する固有の情報を元に出力される信号により、当該通信装置と当該無線ネットワークとが本当に登録処理を行っているか否かを、登録が確認することができる。
【0129】
これにより、例えば簡易な外部インタフェースしか備えない通信装置(例えば、ボタンや表示ランプ等のみを備える無線組込み通信装置)を、無線ネットワークに登録する場合でも、登録者がパソコン等のIT機器を利用することなく、簡易に誤登録を抑制することができる。
【0130】
(D)他の実施形態
上記各実施形態の説明においても、種々変形実施形態に言及したが、さらに以下に例示するような変形実施形態を挙げることができる.
上記実施形態では、登録者による登録確認の判断は、無線ネットワークの登録装置が、通信装置を無線ネットワークに参加させても良いかどうかを判断する前に行ったが、これに限定するものではない。
【0131】
例えば、無線ネットワークに一度参加させた後で、登録確認の判断を行うようにしても良い。この場合、ネットワークの参加によって通信装置に認証鍵等の秘密情報を既に付与してしまった場合には、登録拒否を判断することで、上記認証鍵等の秘密情報を無効にしたり、上記無線ネットワークに参加する他の通信装置に対して鍵更新処理を実施したりすることを、登録拒否の判断に伴って実施するようにしても良い。
【0132】
上記各実施形態の説明では、装置確認情報、ネットワーク確認情報、登録確認情報を出力するタイミングを厳密には説明しなかったが、登録処理中であればタイミングは限定されるものではない。例えば、通信装置又は登録装置に設けられた「出力」ボタンの押下時に出力するようにしても良く、登録処理の予め定められているフェーズにおいて自動的に出力するようにしても良い。後者の場合において、例えば、登録要件を満足しているときに移行する仮登録というフェーズを設け、仮登録フェーズで出力し、出力後、所定時間以内に「登録中止」が指示されない場合に本登録を行うようにしても良い。
【0133】
上記第1及び第2の実施形態では、照らし合わせるための装置確認情報又はネットワーク確認情報の提供を表示で行うものを示したが、発音出力など、他の提供方法を適用するようにしても良い。
【0134】
上記第3の実施形態では、共通な登録確認情報を登録装置及び通信装置が出力するものを示したが、これに加え、第1の実施形態や第2の実施形態に記載のような装置確認情報やネットワーク確認情報をも出力するようにしても良い。
【0135】
本発明は、無線メッシュネットワークに適用した場合の課題に鑑みなされたものであるが、本発明における技術思想は、無線メッシュネットワーク以外のネットワーク(無線ネットワークに限定されない)に対しても適用することができる。
【符号の説明】
【0136】
1、1A、1B…通信装置、
10…初期登録モード起動部、11…ネットワーク登録処理部、12…登録判断入力部、13…ネットワーク情報管理部、14…装置確認情報管理部、15…装置確認情報表示部、16…装置確認情報生成部、17…装置確認情報出力部、18…送信部、19…受信部、20…ネットワーク確認情報生成部、21…ネットワーク確認情報出力部、22…登録確認情報生成部、23…登録確認情報出力部、
2、2A、2B…登録装置、
30…初期登録モード起動部、31…通信装置登録処理部、32…通信装置情報管理部、33…装置確認情報生成部、34…装置確認情報出力部、35…登録判断入力部、36…送信部、37…受信部、38…ネットワーク確認情報管理部、39…ネットワーク確認情報表示部、40…ネットワーク確認情報生成部、41…ネットワーク確認情報出力部、42…登録確認情報生成部、43…登録確認情報出力部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10