特許第6311916号(P6311916)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本製紙クレシア株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6311916-包装体 図000003
  • 特許6311916-包装体 図000004
  • 特許6311916-包装体 図000005
  • 特許6311916-包装体 図000006
  • 特許6311916-包装体 図000007
  • 特許6311916-包装体 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6311916
(24)【登録日】2018年3月30日
(45)【発行日】2018年4月18日
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20180409BHJP
   A47K 7/00 20060101ALI20180409BHJP
【FI】
   B65D83/08 B
   A47K7/00 C
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-268476(P2013-268476)
(22)【出願日】2013年12月26日
(65)【公開番号】特開2015-123979(P2015-123979A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2016年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【弁理士】
【氏名又は名称】矢田 歩
(74)【代理人】
【識別番号】100189186
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】林 伸匡
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雅紀
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−113268(JP,U)
【文献】 実開平04−071678(JP,U)
【文献】 特開2008−001411(JP,A)
【文献】 特開2011−131932(JP,A)
【文献】 特開2004−299739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
A47K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェットティッシュを収納し、前記ウェットティッシュを取り出す開口部を有する包装袋と、
前記開口部を覆う開閉ラベルと、を備える包装体であって、
前記開閉ラベルは、長手方向の一端側に摘み部を有し、
前記摘み部の少なくとも一部の上面に、補強部材を設け、
前記補強部材の形状は、剥がし方向における前記補強部材の長さが前記補強部材の幅よりも大きい楕円形であり、
前記補強部材は、500μm以上2000μm以下の厚さを有し、
前記補強部材の幅は、7mm以上であり、
前記補強部材の長さは、7mm以上であり、かつ、補強部材の摘み部側の先端から開口部の最大幅を有する位置に達する長さ以下であり、
前記補強部材は、前記摘み部の先端部と0mm以上3mm以下の間隔を有し、
前記開閉ラベルは、表面が凹凸状に形成され、
前記補強部材は、前記摘み部を剥がすために、前記摘み部側の先端を指で持ち上げられるものであることを特徴とする包装体。
【請求項2】
請求項1に記載の包装体において、
前記補強部材は、前記開閉ラベルと異なる色を有することを特徴とする包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットティッシュを収容するとともに開口部から取り出すことができ、取り出した後に再封することができる包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばアルコール等の洗浄液や化粧水を繊維素材に含浸させたウェットティッシュを収容するとともに、取り出した後に再封し、乾燥を防止しながら何度もウェットティッシュを取り出すことができる包装体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図6に示すように、特許文献1に記載の包装体100は、気密性および液密性を有する柔軟なシートから形成され、内部にウェットティッシュ(図示省略)が封入される封入袋101を有する。
封入袋101は、ウェットティッシュを取出すための取出し口102およびこの取出し口102を覆う開閉ラベル103を有する。
【0003】
ウェットティッシュは、一度に消費しないで少しずつ繰返し封入袋101から取出されて使用可能であり、開閉ラベル103は、何度でも再封可能なものとなっている。開閉ラベル103は、封入袋101とは別体に形成され、取出し口102を覆うように、感圧接着剤により封入袋101に貼着されている。
開閉ラベル103は、両端にそれぞれ例えば半円状の摘み部104が設けられている。
【0004】
従って、開閉ラベル103の一端側の摘み部104を摘まんで、開閉ラベル103を引き剥がして開くことにより取出し口102が露出するので、ウェットティッシュを取り出すことができる。
また、ウェットティッシュを取り出した後は、開閉ラベル103で取出し口102を覆うように再封することにより、ウェットティッシュの乾燥を防止して保存することができる。これを繰り返すことにより、何度でもウェットティッシュを取り出して使用することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3182114号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したような軟包装タイプのウェットティッシュは、プラスチック容器入りタイプのものと比べて、安価に製造・販売できることから、近年、様々な用途で広く使用されている。
一般に、軟包装タイプのウェットティッシュでは、前述したようにフィルムを積層し、感圧接着剤を塗布した開閉ラベルが使用されているが、開閉ラベルの開け始めの際に、剥がし方向に対する幅方向の接着幅が広いため、剥がすのに力が必要である。
また、摘み部は開閉ラベルと一体的に形成されており、開閉ラベルは厚いものでも200〜300μm程度であり、薄いので摘み部が摘まみにくい場合がある。
さらに、デザインによっては、薄いことと相まって摘み部の視認性が悪く、一層摘まみにくい場合があり、改善が望まれていた。
【0007】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、視認性がよく摘み部を摘まんで開けやすい開閉ラベルを有する包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本願発明に係る1つの態様は、
ウェットティッシュを収納し、ウェットティッシュを取り出す開口部を有する包装袋と、
開口部を覆う開閉ラベルと、を備える包装体であって、
開閉ラベルは、長手方向の一端側に摘み部を有し、
摘み部の少なくとも一部の上面に、補強部材を設けたことを特徴とする包装体を提供する。
【0009】
(2)上記(1)に記載の包装体において、
補強部材は、500μm以上2000μm以下の厚さを有するものであってもよい。
【0010】
(3)上記(1)または(2)に記載の包装体において、
補強部材は、7mm以上の幅及び長さを有するものであってもよい。
【0011】
(4)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の包装体において、
補強部材は、摘み部の先端部と0mm以上3mm以下の間隔を有するものであってもよい。
【0012】
(5)上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の包装体において、
開閉ラベルは、表面が凹凸状に形成されるものであってもよい。
【0013】
(6)さらに、上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の包装体において、
補強部材は、開閉ラベルと異なる色を有するものであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、開閉ラベルに設けられている摘み部の少なくとも一部の上面に補強部材を設けたので、視認性が向上するとともに、摘み部の厚さが増して強度が増し、摘まみやすくなる。このため、収容されているウェットティッシュを取り出す際に、開閉ラベルを開けやすくなるという効果を有する包装体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る実施形態の包装体の全体斜視図。
図2】本発明に係る実施形態の包装体の平面図。
図3】(A)は図2中III−III位置の断面図であり、(B)は開閉ラベルを開けた状態を示す断面図。
図4】補強部材と開閉ラベルとの関係を示す平面図。
図5】具体的な実施例の開閉ラベルの平面図。
図6】従来の包装体の全体斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施形態の包装体について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明に係る実施形態の包装体10は、ウェットティッシュ(図示省略)を収納する包装袋20を有する。
包装袋20は、液密性および気密性等を有するシートから扁平な筒状に形成されており、長手方向両端において密に接合(接合部21)されている。なお、包装袋20の側面には、マチ部202が設けられており、包装袋20の厚さの変化に対応可能となっている。
【0017】
図1及び図2に示すように、包装袋20の上面201には、収容されているウェットティッシュ(図示省略)を取り出すための開口部22が設けられている。
開口部22は、初めから包装袋20の上面201を切欠いて設けることができるが、上面201に容易に切り取ることができる切り込み231を設けておいても良い。切り込み231を設けた場合には、後述する開閉ラベル30を最初に開けた際に蓋部23が切り離されて、開口部22が形成される(図3(B)参照)。そして、蓋部23は、開閉ラベル30と一体で開閉することになる。
開口部22の形状は特に限定するものではない。ここでは、幅の狭い長円形状の開口部22を設けている。
【0018】
包装袋20の上面201には、開口部22を覆う略矩形状あるいは略楕円形状の開閉ラベル30が、開閉可能に設けられている。
開閉ラベル30は、開口部22を覆う本体部31と、長手方向の一端側に設けた摘み部32と、長手方向の他端側に設けられ開閉時に開閉ラベル30を支持する基底部33とを有する。
なお、開閉ラベル30の上面(表面)301は、エンボス加工、梨地加工、シボ加工等により、凹凸状に形成されるのが望ましい。
【0019】
摘み部32の少なくとも一部の上面321には、摘み部32から開口部22に対応する位置にわたって、補強部材34が設けられている。
補強部材34の形状は問わないが、例えば、楕円形,三角形、四角形、円形、不定形等が可能である。補強部材34は、合成樹脂製の板状部材、例えば、PET,PP,PE,アクリル,ポリ塩化ビニル等の単一又は複合素材で形成されている。補強部材34は、500μm以上2000μm以下の厚さT(図3(A)参照)を有する。
なお、補強部材34は、開閉ラベル30の上面301と異なる色や模様にするのが望ましい。
【0020】
図4に示すように、補強部材34は、下面に接着力が強い接着剤を塗布して、開閉ラベル30の上面301に貼付けられている。補強部材34は、摘み部32の先端部と0〜3mmの間隔D1を有する。さらに、摘み部32の先端部との間隔D1は、0〜1mmであるのが一層望ましい。
なお、補強部材34を摘み部32に接着する接着剤が強力なので、摘み部32の先端部以外の場所でも、補強部材34が接着剤で包装袋20の上面201(図2参照)に直接接着されないような間隔D2を確保するようにする。
【0021】
補強部材34の幅W1は、7mm以上である。また、補強部材34の長さL1は、7mm以上であり、かつ、開口部22の最大幅を有する位置に達する長さL2以下である。
この場合、補強部材34の摘み部32側の先端を力点P1として指で持ち上げると、補強部材34の開口部22側端部が支点P2となり、強度(剛性)の高い補強部材34の途中部分が作用点P3となる。テコの原理(第2テコの原理)により、作用点は力点よりも作用する力が大きいため、補強部材34に接着されている摘み部32を容易に剥がし始めることができる。
その後は、補強部材34をしっかりと指で把持することにより、開閉ラベル30を容易に開けることができる。
なお、補強部材34を開口部22の最大幅を有する位置を越えて設けることは、特に効果がなく、材料の無駄になるため、好ましくない。
【0022】
次に、本発明に係る実施形態の包装体10の作用効果について説明する。
包装体10に収容されているウェットティッシュを取り出す際には、包装袋20の開口部22を覆う開閉ラベル30を開ける。このとき、開閉ラベル30の長手方向一端側に設けられている摘み部32を指で摘まんで引き剥がして、開閉ラベル30を開ける。
そして、摘み部32の少なくとも一部の上面321に補強部材34を設けたので、摘み部32の厚さが増して強度が増し、摘まみやすくなるため開閉ラベル30を開けやすくなる。また、摘み部32の厚さが増すため、視認性が向上する。
【0023】
また、本発明に係る実施形態の包装体10によれば、補強部材34は、500μm以上2000μm以下の厚さTを有するので、厚すぎて材料が無駄にならない程度に摘み部32の厚さを増して、摘まみやすくすることができる。
また、補強部材34は剛性が高いので、剥がし始めたときに、容易に剥がすことができる。
【0024】
また、本発明に係る実施形態の包装体10によれば、補強部材34は、7mm以上の幅W1及び長さL1を有するので、摘み部32の視認性を改善するとともに、摘まみやすくすることができる。
【0025】
また、本発明に係る実施形態の包装体10によれば、補強部材34は、摘み部32の先端部と0mm以上3mm以下の間隔D1を有するので、開閉ラベル30の開閉を容易に行うことができる。
すなわち、間隔D1が大きすぎると摘み易さの改善を図ることができず、小さすぎたりはみ出したりすると、補強部材34が直接包装袋20の上面201に強力に接着されるので、開閉が困難になる。
【0026】
また、本発明に係る実施形態の包装体10によれば、開閉ラベル30の上面301を凹凸状に形成したので、開閉ラベル30の剥がし始めのときにテコとして作用する補強部材34の支点近傍に、シワが生じにくくなる。
【0027】
また、本発明に係る実施形態の包装体10によれば、補強部材34を、開閉ラベル30と異なる色にしたので、摘み部32の視認性を改善することができる。
【実施例】
【0028】
次に、具体的な実施例について、比較例と比較しながら説明する。
図5に示すように、本実施例及び比較例では、開閉ラベル30の全長LA1が70mmである。包装袋20に設けられている開口部22は長径RA1が35mm、短径RA2が15mmの楕円形であり、包装袋20の上面201の中央に設けられている。補強部材34の摘み部32側の先端から開口部22の最大幅までの距離L2は、35mmである。
摘み部32に貼付けられる補強部材34は、PETで形成されており、円形状ないし楕円形状をしている。
【0029】
前述した補強部材34について、補強部材34の厚さT(図3(A)参照)、摘み部32の先端から補強部材までの間隔D1(図4参照)、補強部材34の長さL1及び幅W1を変えて、摘み易さ及び最初の剥がしやすさについて比較した。
表1において、比較例1は、補強部材34の厚さTが300μmであり、好ましい厚さTの下限である500μmよりも薄い場合である。このため、摘み易さ及び最初の剥がしやすさが十分に改善されていない。
また、比較例2は、摘み部32の先端から補強部材34の先端までの間隔D1が、10mmであり、好ましい範囲である0〜3mmよりも大きい場合である。このため、摘み易さ及び最初の剥がしやすさが十分に改善されていない。
【0030】
一方、参考例1及び実施例2は、補強部材34の厚さT、摘み部32の先端から補強部材34の先端までの間隔D1、及び補強部材34の長さL1×幅W1等の数値が好ましい範囲内である。このため、摘み易さ及び最初の剥がし易さが改善されている。
特に、実施例2は、補強部材34の長さL1が参考例1よりも長く、かつ、開口部22の最大幅までの距離L2よりも短いので、最初の剥がしやすさが一層向上することがわかる。
【0031】
【表1】

【0032】
本発明の包装体は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態においては、摘み部32を開閉ラベル30の長手方向一端側に設けた場合について例示したが、開閉ラベル30の長手方向両端に設けることも可能である。また、開閉ラベル30の短手方向に設けることも可能である。
【符号の説明】
【0033】
10 包装体
20 包装袋
22 開口部
30 開閉ラベル
32 摘み部
321 上面
34 補強部材
D1 間隔
L1 長さ
T 厚さ
W1 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6