(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の反応段階の後の反応において、塩素の残りの量が、前記第1の反応段階で使用された実際の温度及び照度よりも高い反応温度及び高い照度で供給され、前記反応温度が350℃以下であり、前記照度が100000ルクス以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
第1の反応段階の後の反応が、第2の反応段階と第3の反応段階とに分割され、前記第2の反応段階が、160℃以下であり前記第1の反応で実際に使用された反応温度よりも高い反応温度、かつ70000ルクス以下であり前記第1の反応段階で実際に使用された照度よりも高い照度で行われ、前記第3の反応段階が、350℃以下であり前記第2の反応段階で実際に使用された反応温度よりも高い反応温度、かつ100000ルクス以下であり前記第2の反応で実際に使用された照度よりも高い照度で行われる、請求項6に記載の方法。
ステップi)における触媒が、ルイス酸、例えば三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、三塩化鉄であり、前記触媒がステップi)で水と反応した場合、少量のフタル酸が前記反応において存在する、請求項31に記載の方法。
純度が99%超のビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを請求項25又は26の方法により調製し、調製されたビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンと、純度が99.5%の工業用グレードのフタル酸とを反応させるステップ
を含む、ビス−(クロロホルミル)−ベンゼンの調製方法。
【背景技術】
【0002】
光塩素化反応は、ペンダントフリーラジカルの塩素化を開始するのに、光子を使用する。いくつかの反応において、フリーラジカル光開始剤は、単独で、又は複合開始系が形成されるようにフリーラジカル熱開始剤と組み合わせて使用される。時々、第2の成分及び第3の成分をも添加して、副反応としてのベンゼン環上の塩素置換を防止してもよい。一般に、水銀ランプが光源として使用される。トリクロロメチル置換ベンゼンの純度は理想的ではないので、工業的な大量生産を実現するのに、この技法を使用することは大変難しい。
【0003】
本発明者らは、従来技術において光塩素化によりトリクロロメチル置換ベンゼンを調製する方法には、下記の方法により欠点があると認識した。
【0004】
1)光塩素化反応は、ラジカル連鎖反応であり、副反応のために塩素化部位及び塩素化度(chlorination depth)を制御することが比較的難しい。複合光塩素化生成物を分離するために、DE3146868及び特開昭
57−130931号公報においては多数の精留操作を行わなければならず、そのような生成物の生産コストを大幅に増大させる。ベンゼン環上の塩素置換を防止するには、米国特許第1,345,373号明細書においては硫黄及び塩化アセチルを添加し、米国特許第1,384,909号明細書においては金属炭酸塩を添加し、米国特許第1,733,268号明細書においてはリン及び硫黄を添加し、米国特許第2,034,962号明細書においては有機塩基を添加し、米国特許第2,695,873号明細書においてはアミドを添加し、米国特許第2,817,632号明細書及び米国特許第2,844,635号明細書においてはアミンを使用し、米国特許第3,363,013号明細書においてはトリフェニルホスフィンを使用する。これらの追加の成分は、トリクロロメチル置換ベンゼンの純度及びその後の精製に、必ず影響を及ぼす。米国特許第4029560号明細書及び米国特許第4048033号明細書において、塩素化では、副反応としてのベンゼン環上の塩素置換を阻害するために目標生成物が溶媒として使用され、例えば1,3−ジメチルベンゼンの塩素化では、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンが溶媒として使用され、これには多量の1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを繰り返し使用する必要があることが報告されている。したがって、この方法には複雑なプロセスがあり高コストになる。
【0005】
まとめると、従来技術におけるベンゼン環上の水素原子の塩素化がない状態で、ペンダントメチル基上の全ての水素原子の塩素化を実現するために、多数のアジュバント成分を導入する必要があり、それが目標生成物のトリクロロメチル置換ベンゼンを「汚染する」ことになり、したがって高純度生成物の調製には適していない。
【0006】
2)フリーラジカル開始剤も、光塩素化反応を開始させるのに必要である。
【0007】
Wang Lumin et al. (Journal of Tonghua Normal University, 2005, 26(4):46-47)は、フリーラジカル開始剤が、1,3−ジメチルベンゼンを光塩素化するための反応を維持するのに必要であることを見出した。
【0008】
3つの温度段階における光塩素化によりo−キシレンからテトラクロロ−o−キシレンを調製する方法が、中国特許出願公開第102211975号明細書に開示されている。この方法において、光塩素化は、塩素の総量の1/3、1/2、及び1/6の、導入された塩素の量にそれぞれ対応する、120〜125℃、125〜130℃、及び130〜135℃の3つの温度段階を含む。同様に、過酸化ベンゾイルが、この反応における感光性触媒として添加される。3つの温度段階でのこの反応が終了した後、テトラクロロ−o−キシレンの収率はわずか65%であり、ペンタクロロ−o−キシレンの収率は10%である。この反応における感光性触媒の添加により、得られるテトラクロロ−o−キシレンの純度は、さらなる精製を行った場合であっても90%にしか到達しない。
【0009】
3)水銀ランプは、光塩素化反応における光源として一般に使用される。しかし、前記光源には数多くの欠点がある。
【0010】
本発明者らは、低圧水銀ランプの短波長光が、その他の光化学副反応を引き起こして生成物純度の低減をもたらす可能性があり、高圧又は中圧水銀ランプの長波長光は、塩素ラジカル反応を引き起こすのに不十分であり高いエネルギー消費量をもたらすことを見出した。さらに、水銀ランプが光源として使用される場合、より多くの熱が発生し;したがって、対応する冷却デバイスを設ける必要があり、反応器構造を複雑にする。
【0011】
中国特許出願公開第1948245号明細書において、300〜600nmの波長範囲及び0.1W〜1000Wの電力範囲を有する発光ダイオード(LED、light emitting diode)は、塩化ベンジルを生成する光塩素化反応での光源として使用され、反応温度が90〜150℃で維持されることが開示されている。文書には、解決されるその技術的課題は、光源からの電力消費量が低く、発熱量が低い光塩素化方法を提供することであり;光源の利用率は、光源として発光ダイオードを選択することにより改善することができると記録されている。この文書は、m−ジメチルベンゼンを原材料として使用してもよいことを述べたが、この文書の全ての実施例は、生成物の純度及び収率を開示していない。
【0012】
出願人は、この反応に関する光源の照度が、従来技術では研究されていないことも見出した。
【0013】
さらに、トリクロロメチル置換ベンゼン中のビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンは、水又はフタル酸と反応して、アラミド繊維の中間体、ビス−(クロロホルミル)−ベンゼンを調製することができる。アラミド繊維を生成するために、高純度のビス−(クロロホルミル)−ベンゼンが出発材料として必要であり、そうでない場合、アラミド繊維の品質は、指定された要件を満たすのが難しい。さらに、ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの精製に関する、関連ある研究は、出願人によって行われた。大気圧下での蒸留及び精留などの従来のプロセスにおいて、分離及び精製は、化合物の異なる沸点に応じて実現され、長期にわたり高温環境で維持される必要がある。この場合、部分重合が発生することになる。したがって、そのような精製プロセスの使用はコークスの形成をもたらし、装置への損傷を引き起こし、次いで周期的に清浄化する必要がある。一方、コークスは環境に有害であり、適正に扱う必要があり、その結果、高い環境コストになる。真空精留の場合、分離に必要な温度は低下させることができるが、分離させる材料は、静圧差を発生させるようにリボイラ内である特定のレベルに維持しなければならず、したがってカラム反応器内の材料の気化温度は上昇し、そのため材料の熱分解は、場合によっては避けるのが難しいと考えられる。不活性ガスの存在は、感熱性材料の精留に有益であるが、凝縮又は冷却という問題を引き起こす。再結晶プロセスの場合、かなりの量の溶媒の消費が必要であり、それが環境への汚染を引き起こし、溶媒によって運ばれる不純物が生成物を汚染する。
【0014】
従来技術におけるビス−(クロロホルミル)−ベンゼンの調製方法の中で、フタル酸を原材料として用いる塩化チオニル法が最も一般的に使用される(例えば、中国特許出願公開第102516060号明細書、中国特許出願公開第102344362号明細書参照)。しかしプロセスでは、99.99%という高純度のフタル酸が、所望のビス−(クロロホルミル)−ベンゼンを得るのに必要であり、その結果、調製コストが著しく増大し、より困難なプロセスになる。
【0015】
さらに、光塩素化反応用の装置に関する関連ある研究は、出願人によって行われた。光塩素化反応器は、化学生成の分野で広く使用される。光塩素化反応用の既存の装置のほとんどは、3つの部分、即ち反応器、光源、及びジャケット付き凝縮器で構成される。例えば、特許、中国実用新案第200942338号明細書及び中国特許第101456788号明細書に開示された光塩素化反応器は本質的に等しく、共に、シリンダの外側の冷却ジャケット、シリンダを裏打ちする耐蝕性材料、噴霧器、及びある角度で配置構成された光源を含む。しかし、2つの光塩素化反応器において、照明の強度及び範囲の所望の増大は実現されず、不均等な照明分布が反応器内に存在し、それが光塩素化において副反応を容易に引き起こす。さらに、開示された技術的解決策では、内部に光源が配置されている管の両端が、反応器シリンダを通って延びており;したがって実際の生産プロセスでは、反応温度がより高くなると、管の不均等な加熱が容易に引き起こされる可能性があり、その結果、管が損傷する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
光塩素化によってトリクロロメチル置換ベンゼンを調製するための従来技術の既存の方法では、目標生成物に加え、得られた生成物は、この目標生成物から分離することが難しいいくつかの副生成物を含む。分離するのが難しいこれらの副生成物を除去するために、多数の精留操作が必要とされる。これは、従来技術のトリクロロメチル置換ベンゼンを調製するための方法を高価なものにし、それが、なぜこの方法がビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの大規模生産のために工業で使用されないかの主な理由である。
【0029】
本発明者らは研究を通して、従来技術の光塩素化方法で分離するのが難しい副生成物が、精留操作で軽質成分に濃縮されることを見出した。研究を通して、本発明者らは、軽質成分としてのこれらの副生成物が、ベンゼン環上の塩素化から、例えばベンゼン環上の一塩素化であってペンダントメチル基上に四塩素化又は五塩素化を持つものから、主に得られることを見出した。ベンゼン環上の塩素化からのこれらの副生成物は、ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの沸点に近い沸点を有し、したがって高コストの多数の精留操作が分離プロセスには必要である。
【0030】
また本発明者らは、光化学反応の際、ベンゼン環上の塩素化からの副生成物が、第1の反応段階でのある特定の温度及び照度で芳香族化合物と制御された量の塩素とを反応させることによるトリクロロメチル置換ベンゼンの調製において、大幅に低減できることも革新的に見出した。
【0031】
したがって、一態様において、本発明は、トリクロロメチル置換ベンゼンを断続的に又は連続的に調製するための光化学的方法であって、原材料としての式(X)
aC
6H
6−a−b(CH
3)
bの芳香族化合物又はそのペンダントアルキル塩化物を、照明条件下で塩素と反応させて、トリクロロメチル置換ベンゼンを調製することを特徴とし、この照明が、約350nm〜700nmの範囲内の光源波長及び約200nm以下の範囲内の波長振幅を有し、塩素供給が、約0℃〜85℃の範囲内の出発反応温度及び約2000ルクス〜約55000ルクスの範囲内の出発照度の条件下で開始され、第1の反応段階では、反応温度がこの照度の下で約120℃以下に制御され;次いで塩素の残りの量が、より高い反応温度及び/又はより高い照度の下で、反応が終了するまで供給され;式中、Xは、塩素、臭素、又はフッ素原子であり、「a」は、0、1、2、3、4、及び5から選択される整数であり、「b」は、1、2、3、及び4から選択される整数であり、a+b≦6である、方法に関する。方法の好ましい態様において、光源は、好ましくはLEDランプである。
【0032】
本発明者らは、高純度(精製前)の反応混合物を得るために、第1の反応段階で、出発反応温度及び照度を制御することが極めて必要であることを見出した。特に、上述の条件に従って第1の反応段階の反応を行うことによって、ベンゼン環上の塩素化からの副生成物は、反応温度及び/又は照度が塩素化度(depth of chlorination)と共に増大する限り、後の反応条件を厳密に制御することなく大幅に低減させることができる。さらに、第1の反応段階に関する反応条件が厳密に制御される場合、反応混合物中の目標生成物が反応終了後に低純度の値を有するとしても、このプロセスの特徴に起因していくつかの実施形態において、低純度の塩素化反応混合物を従来の方法によって、例えば単一精留又は分子蒸留によって、99%超の生成物純度に到達するまで容易に精製することができる。
【0033】
本発明の方法は、断続的な又は連続的なプロセスで行ってもよい。連続プロセスでは、操作を容易にするために、温度、照度、波長振幅、又は光源波長を、特定の範囲内で別々に変化させてもよい。
【0034】
第1の反応段階の、最小限の程度又は持続時間は、最終反応混合物中の不純物の量又は目標生成物であるトリクロロメチル置換ベンゼンの純度が制御されるよう、単純な実験による特定の反応系に応じて決定されてもよい。第1の反応段階の最大限の程度又は持続時間に関しては、特に制限はない。塩素化反応の初期段階では、発熱反応に起因して、反応温度が120℃よりも低く保たれるように塩素の供給速度を制御することが必要である。しかし、塩素化反応が進行し、塩素化度が増大するにつれ、第1の反応段階の条件下にある反応速度はより遅くなり、したがって、合理的な又は経済的に実現可能な反応速度に到達するよう温度及び/又は照度を上昇させる必要がある。したがって、第1の反応段階の後期において、温度及び/又は照度は増大させるべきである。
【0035】
本発明者らは、第1の反応段階において、温度及び照度を増大させる前に、反応に必要とされる塩素の総量の好ましくは少なくとも約1/6を消費するのが有利であることを見出した。本発明のいくつかの好ましい態様において、反応に必要とされる塩素の総量の約1/6、1/5、1/4、1/3、2/5、又は1/2以上が、温度及び照度を増大させる前に、第1の反応段階で消費される。本発明のいくつかの好ましい態様において、反応による塩素の全体的な必要量の約1/6〜1/5、1/6〜1/4、1/6〜1/3、1/6〜2/5、1/6〜1/2、1/5〜1/4、1/5〜1/3、1/5〜2/5、1/5〜1/2、1/4〜1/3、1/4〜2/5、1/4〜1/2、1/3〜2/5、1/3〜1/2、又は2/5〜1/2が、温度及び照度を増大させる前に、第1の反応段階で消費される。
【0036】
本発明のいくつかの好ましい態様において、第1の反応段階における照度は適切に調節されてもよい。本発明のいくつかの好ましい態様において、第1の反応段階における照度は、好ましくは約2000ルクス〜約10000ルクス、約2000ルクス〜約20000ルクス、約2000ルクス〜約30000ルクス、約2000ルクス〜約40000ルクス、約2000ルクス〜約50000ルクス、約2000ルクス〜約55000ルクス、約5000ルクス〜約10000ルクス、約5000ルクス〜約20000ルクス、約5000ルクス〜約30000ルクス、約5000ルクス〜約40000ルクス、約5000ルクス〜約50000ルクス、約5000ルクス〜約55000ルクス、約10000ルクス〜約20000ルクス、約10000ルクス〜約30000ルクス、約10000ルクス〜約40000ルクス、約10000ルクス〜約50000ルクス、約10000ルクス〜約55000ルクス、約15000ルクス〜約20000ルクス、約15000ルクス〜約30000ルクス、約15000ルクス〜約40000ルクス、約15000ルクス〜約50000ルクス、約15000ルクス〜約55000ルクス、約20000ルクス〜約25000ルクス、約20000ルクス〜約30000ルクス、約20000ルクス〜約35000ルクス、約20000ルクス〜約40000ルクス、約20000ルクス〜約45000ルクス、約20000ルクス〜約50000ルクス、約20000ルクス〜約55000ルクス、約25000ルクス〜約30000ルクス、約25000ルクス〜約35000ルクス、約25000ルクス〜約40000ルクス、約25000ルクス〜約45000ルクス、約25000ルクス〜約50000ルクス、約25000ルクス〜約55000ルクス、約30000ルクス〜約35000ルクス、約30000ルクス〜約40000ルクス、約30000ルクス〜約45000ルクス、約30000ルクス〜約50000ルクス、約30000ルクス〜約55000ルクス、約35000ルクス〜約40000ルクス、約35000ルクス〜約45000ルクス、約35000ルクス〜約50000ルクス、約35000ルクス〜約55000ルクス、約40000ルクス〜約45000ルクス、約40000ルクス〜約50000ルクス、約40000ルクス〜約55000ルクス、約45000ルクス〜約50000ルクス、約45000ルクス〜約55000ルクス、又は約50000ルクス〜約55000ルクスである。本発明者らは、本発明では上述の手法で行われるよう第1の反応段階を制御することが極めて重要であることを見出した。所与の温度及び照度での第1の反応段階の後、温度、照度、及び塩素供給量が反応結果に及ぼす影響は、主に、第2、第3の反応段階のような後続の反応段階の反応時間に関係する。
【0037】
本発明のいくつかの好ましい態様において、第1の反応段階の反応温度は適正に調節されてもよい。本発明のいくつかの好ましい態様において、第1の反応段階の反応温度は、好ましくは約0℃〜約10℃、約0℃〜約20℃、約0℃〜約30℃、約0℃〜約40℃、約0℃〜約55℃、約0℃〜約60℃、約0℃〜約70℃、約0℃〜約80℃、約0℃〜約85℃、約10℃〜約20℃、約10℃〜約30℃、約10℃〜約40℃、約10℃〜約50℃、約10℃〜約55℃、約10℃〜約60℃、約10℃〜約70℃、約10℃〜約80℃、約10℃〜約85℃、約20℃〜約30℃、約20℃〜約40℃、約20℃〜約50℃、約20℃〜約55℃、約20℃〜約60℃、約70℃〜約55℃、約20℃〜約80℃、約20℃〜約85℃、約30℃〜約40℃、約30℃〜約50℃、約30℃〜約55℃、約30℃〜約60℃、約30℃〜約70℃、約30℃〜約80℃、約30℃〜約85℃、約40℃〜約55℃、約40℃〜約60℃、約40℃〜約70℃、約40℃〜約80℃、約40℃〜約85℃、約55℃〜約60℃、約55℃〜約65℃、約55℃〜約70℃、約55℃〜約75℃、約55℃〜約80℃、約55℃〜約85℃、約60℃〜約65℃、約60℃〜約70℃、約60℃〜約75℃、約60℃〜約80℃、約60℃〜約85℃、約65℃〜約70℃、約65℃〜約75℃、約65℃〜約80℃、約65℃〜約85℃、約70℃〜約75℃、約70℃〜約70℃、約70℃〜約85℃、約75℃〜約80℃、約75℃〜約85℃、又は約80℃〜約85℃である。本発明のいくつかの好ましい態様において、第1の反応段階の反応温度は、好ましくは約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、又は約85℃である。
【0038】
好ましくは、本出願の別の態様において、第1の反応段階に続くプロセスでは、残りの量の塩素を、出発温度120℃よりも高い任意の温度(好ましくは、約350℃以下)及び第1の反応段階の照度よりも高い約10000ルクス〜約100000ルクスの範囲内の任意の照度で供給する。本出願の方法による第1の反応段階に続くプロセスは、単一の反応段階であってもよく、又は2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10の反応段階のようにいくつかの反応段階に分割されてもよい。第1の反応段階に続くプロセスにおいて、照度は、温度が各段階で上昇したときに増大させてもよい。本発明者らは、第1の反応段階に続くプロセスの反応条件が、柔軟であり、必要に応じて選択されてもよいことを見出した。第1の反応段階に続くプロセスにおける様々な温度及び照度の調節は、主に、反応の終了を容易にするものである。本発明者らは、本発明による第1の反応段階を厳密に制御することに基づいて、第1の反応段階に続くプロセスの反応条件の変動が最終生成物の純度にそれほど影響を及ぼさないことを見出した。
【0039】
好ましくは、本発明の光塩素化反応における第1の反応段階に続くプロセスは、第2及び第3の反応段階にさらに分割されてもよい。第2の反応段階において、反応温度は約120〜約160℃の範囲になるよう制御され、入射照度は約10000〜約70000ルクスの範囲内であり、第1の反応段階で実際に使用される照度よりも大きく、塩素の全体的な必要量の1/4〜2/5が供給される。第3の反応段階では、温度が約160℃より高くなるように(好ましくは、約350℃以下)制御され、入射照度は約50000〜約100000ルクスの範囲内であり、第2の反応段階で実際に使用される照度よりも大きく、塩素の残りの量が供給される。第2及び第3の反応段階では、温度の上昇及び照度の増大が任意の順序で行われてもよい。
【0040】
芳香族化合物の光塩素化における全ての段階の条件に関し、反応温度及び照度は共に、1つの段階から次の段階に向けて増大している。本発明の様々な段階の間には照度範囲にいくらかの重複が存在するが、当業者なら、第2の反応段階で実際に使用される温度及び照度は、記述される範囲内にあり、第1の反応段階における温度及び照度よりも高く;第3の反応段階で実際に使用される温度及び照度は、記述される範囲内にあり、第2の反応段階における温度及び照度よりも高い等、ということを理解することができる。
【0041】
本発明者らは、本発明では、上述の手法で行われるよう第1の反応段階を制御することが極めて重要であることも見出した。所与の温度及び照度での第1の反応段階の後、反応結果に対する温度、照度、及び塩素供給量の影響は、主に、第2及び第3の反応段階のような後続の反応段階の反応時間に関係する。第2及び第3の反応段階のような後続の反応段階における様々な温度及び照度の組合せは、第1の反応段階の後、反応時間を明らかに延ばし又は短縮し得るが、塩素化生成物の純度などのそのような値を著しく変化させるものではない。例えば、第1の反応段階に続き、第2及び第3の反応段階の温度を120℃〜130℃に維持した場合、照度が70000ルクスに増大したとしても、反応は完全に行うことはできず;70000ルクスの照度に基づいて、温度を140℃に上昇させた場合、反応は約30時間で終了することができ;温度をさらに180℃まで上昇させた場合、反応時間は約30時間から約10時間に短縮される。さらに、第2、第3の反応段階が160℃の温度で、30000〜40000ルクスの照度を有する条件下で制御される場合、反応は完全に行うことはできず;160℃の温度に基づいて、照度が50000ルクスまで増大した場合、反応を約36時間で終了することができ;照度がさらに90000ルクスまで増大した場合、反応時間は約36時間から約10時間に短縮される。
【0042】
本発明の反応に関する第2及び第3の反応段階で温度及び照度を調節する順序には、特定の要件はない。例えば、温度が最初に調節されてもよく、又は照度が最初に調節されてもよく;塩素の供給は、温度若しくは照度の調節と同時に行ってもよく、又は別々に行ってもよい。本出願の第1の反応段階に続く反応は、温度及び照度を徐々に増大させながら一定の率で塩素を供給する条件下で行ってもよい。
【0043】
本明細書の「塩素供給が開始される」という表現は、反応系における塩素の量が、反応系の温度が0℃〜85℃の範囲に調節される前に、塩素の全体的な必要量の5%以下に制御されることを意味する。好ましい初期状態において、反応系内の塩素の量は、反応系の温度が0℃〜85℃の範囲に調節される前に、塩素の全体的な必要量の4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.1%以下に制御される。最も好ましい初期状態において、反応系の温度が0℃〜85℃の範囲に調節される前に、本質的に塩素は供給されず、塩素は反応系に含有されない。
【0044】
本明細書の「反応による塩素の全体的な必要量」という表現は、芳香族化合物中のペンダントアルキル基上の水素原子の完全な塩素化に必要な塩素の量を意味し、これは少なくとも、原材料である芳香族化合物の塩素化に関する理論モル量である。例としてキシレンを採ると、本発明の方法における塩素の総量は、キシレンのモル数の約6倍超のモル量である。過剰な量の塩素は、従来通り決定されてもよい。好ましくは、反応時間を短縮するために、本明細書のそれぞれの段階における塩素の供給量は、モニタした反応結果に応じて調節されてもよい。
【0045】
本発明者らは、特定の波長振幅を持つ光源の使用には、キシレンの光塩素化における副生成物の量を低減させるという追加の利点があることを見出した。いくつかの実施形態において、本出願で使用される光源は、好ましくはLEDランプである。本出願で使用されるLED光源は、350nm〜700nm、好ましくは350nm〜490nm、又は好ましくは460nm〜490nmに及ぶピーク波長を有し;本出願におけるLED光源のピーク波長は、例えば、265nm、280nm、310nm、360〜365nm、365〜370nm、375〜380nm、385〜390nm、又は405〜410nmであってもよい。本出願におけるLED光源の波長振幅は、200nm以下、好ましくは100nm以下、好ましくは50nm以下、好ましくは30nm以下、最も好ましくは10nm以下であってもよい。本出願において、LED光源は、合計電力が15W、30W、45W、60W、75W、又は90Wなどである、多数の点光源で構成されてもよい。本出願におけるLED光源は、好ましくは410〜470nmの青色LEDランプ、586〜596nmの黄色LEDランプ、又は502〜574nmの緑色LEDランプであってもよい。いくつかの実施形態において、本出願で使用される光源は、より好ましくは460〜490nmの青色LEDランプである。いくつかの実施形態において、本出願で使用される光源は、約50nm以下、好ましくは約10〜約30nm、より好ましくは約10〜約25nmの波長振幅を有する。
【0046】
本出願における「波長振幅」という用語は、光のピーク波長ではなく、光源による光放出の半分のピーク高さでの波長範囲を意味する。例えば、50nmの波長振幅は、光源による光放出の半分のピーク高さでの波長範囲が50nm以下であることを意味する。本出願におけるLED光源のピーク波長は、350nmから700nmまで変化してもよく、任意の所与の波長の場合、本出願における入射光の光源は、波長振幅を50nm以内に、例えばピーク波長465nmで波長振幅50nm、ピーク波長360nmで波長振幅50nm、ピーク波長586nmで波長振幅50nmに制御できるようにする。本発明者らは、LED光源には熱の発生が少ないという利点があり、したがって製造設備のコストを削減することができ、例えば追加の冷却デバイスが必要ではないことも見出した。対照的に、光源として高圧水銀ランプを使用する光塩素化反応の場合、対応する冷却デバイスが必要である(例えば、米国特許第5514254号明細書参照)。
【0047】
本出願における照度は、当技術分野の照度計など、従来の機器によって決定されてもよい。本出願における波長は、当技術分野のモノクロメータなど、従来の機器によって決定されてもよい。
【0048】
本出願における「約」という用語の意味は、下記の通り定義することができる:温度に関し、記述される値の正又は負の変分は、2.5℃以下であり(記述される値±2.5℃と表される)、好ましくは記述される値±2.5℃、±2℃、又は±1℃であり;照度に関し、記述される値の正又は負の変分は、2500ルクス以下であり(記述される値±2500ルクスと表される)、好ましくは記述される値±2500ルクス、±2000ルクス、±1500ルクス、±1000ルクス、±500ルクス、±200ルクス、又は±100ルクスであり;波長に関し、記述される値の正又は負の変分は5nm以下であり(記述される値±5nmと表される)、好ましくは記述される値±4nm、±3nm、又は±1nmであり;波長振幅に関し、記述される値の正又は負の変分は3nm以下であり(記述される値±3nmと表される)、好ましくは記述される値±2nm又は±1nmである。
【0049】
本出願における「ペンダントアルキル塩化物」という用語は、芳香族化合物中のアルキル基上の水素原子が塩素原子によって完全には置換されていない化合物を意味する。本出願における光塩素化反応の目標生成物は、芳香族化合物中のアルキル基上の水素原子が塩素原子によって完全に置換された生成物を意味する。
【0050】
本出願におけるトリクロロメチル置換ベンゼンは、式(X)
aC
6H
6−a−b(CCl
3)
bを有し、式中、Xは、塩素、臭素、又はフッ素原子であり、「a」は、0、1、2、3、4、及び5から選択される整数であり、「b」は、1、2、3、及び4から選択される整数であり、a+b≦6である。
【0051】
本出願の方法による反応系において、好ましくは溶媒及び開始剤を添加せず、より好ましくは、反応物以外の成分を添加しない。本出願における、特に実施例における生成物の純度は、反応混合物を分離に供する前に、ガスクロマトグラフィにより定量的に決定される(相対面積比較法)。本出願の光塩素化における収率は、粗製トリクロロメチル置換ベンゼンから変換された純粋なトリクロロメチル置換ベンゼンと原材料である芳香族化合物の塩素化反応により、理論上得ることが可能なトリクロロメチル置換ベンゼンとの、質量比を意味する。本出願の精製(例えば、分子蒸留又は精留)における収率は、精製後の収率を意味する。
【0052】
本出願の方法の様々な段階で、反応の進行は、上述のパラメータが適切に調節されるよう、従来のサンプリング及び検出方法、例えばガスクロマトグラフィによってモニタされてもよく、それによって反応時間が節約される。3段階の持続時間に関する記述は制限されておらず、各段階での反応時間は、塩素化の進行をモニタした結果に応じて自由に調節されてもよい。本明細書の塩素供給速度は、特定の供給速度に限定されない。遅い、徐々になどの表現が、塩素供給速度について記述するのに使用される場合、塩素供給速度は反応をモニタリング結果に応じて当業者により調節され得るので、その意味は明確である。
【0053】
本出願の方法により調製された生成物は、高純度の値を有する。いくつかの実施形態において、約70.0%、71.0%、72.0%、73.0%、74.0%、75.0%、76.0%、77.0%、78.0%、79.0%、80.0%、81.0%、82.0%、83.0%、84.0%、85.0%、86.0%、87.0%、88.5%、89.0%、89.5%、90.0%、約90.5%、約91.0%、約91.5%、約92.0%、約92.5%、約93.0%、約93.5%、約94.0%、約94.5%、約95.0%、約95.5%、約96.0%、約96.5%、約97.0%、約97.5%、約98.0%、約98.5%、約99.0%、約99.1%、約99.2%、約99.3%、約99.4%、約99.5%、約99.6%、約99.7%又は約99.8%の純度を持つ混合物が、反応後に直接得られる。いくつかの実施形態において、約90.0%、約90.5%、約91.0%、約91.5%、約92.0%、約92.5%、約93.0%、約93.5%、約94.0%、約94.5%、約95.0%、約95.5%、約96.0%、約96.5%、約97.0%、約97.5%、約98.0%、約98.5%、約99.0%、約99.1%、約99.2%、約99.3%、約99.4%、約99.5%、約99.6%、約99.7%、約99.8%又は約99.9%超の純度を持つ混合物が、反応後に直接得られる。いくつかの実施形態において、好ましくは、95.0%、95.5%、96.0%、96.5%、97.0%、97.5%、98.0%、98.5%、99.0%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、又は99.9%の純度を持つ混合物が、反応後に直接得られる。いくつかの実施形態において、好ましくは、約90.0%〜約90.5%、約90.0%〜約91.0%、約90.0%〜約91.5%、約90.0%〜約92.0%、約90.0%〜約92.5%、約90.0%〜約93.0%、約90.0%〜約93.5%、約90.0%〜約94.0%、約90.0%〜約94.5%、約90.0%〜約95.0%、約90.0%〜約95.5%、約90.0%〜約96.0%、約90.0%〜約96.5%、約90.0%〜約97.0%、約90.0%〜約97.5%、約90.0%〜約98.0%、約90.0%〜約98.5%、約90.0%〜約99.0%、約90.0%〜約99.1%、約90.0%〜約99.2%、約90.0%〜約99.3%、約90.0%〜約99.4%、約90.0%〜約99.5%、約90.0%〜約99.6%、約90.0%〜約99.7%、約90.0%〜約99.8%、又は約90.0%〜約99.9%の純度を持つ混合物が、反応後に得られる。
【0054】
本発明におけるトリクロロメチル置換ベンゼンは、再結晶、精留、又は分子蒸留によりさらに精製されてもよい。さらに本発明者は、塩素化によって得られたトリクロロメチル置換ベンゼンが感熱性であり;特に、そのような物質が金属製装置を使用して長時間にわたり工業的に加熱されると、そのような物質は容易に2量体化し、高沸点不純物に変換され、それによって目標生成物の合計収率が低下することも見出した。この問題は、分子蒸留を使用する本発明によって十分解決することができる。
【0055】
本発明の分子蒸留法は、下記のステップ(1)〜(3)を含む:
(1)粗製トリクロロメチル置換ベンゼン(例えば、ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン)を前処理して、その中の軽質成分を除去するステップ;
(2)ステップ(1)で前処理したトリクロロメチル置換ベンゼン(例えば、ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン)を、75℃〜135℃の制御された分子蒸留温度及び3Pa〜90Paの絶対圧力で、1次分子蒸留器内での蒸留による分離に供して、1次留出物及び1次残渣を得るステップ;及び
(3)ステップ(2)の1次留出物を収集して、精製されたトリクロロメチル置換ベンゼン(例えば、ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン)を得、これをさらに任意で精製するステップ。
【0056】
本発明の分子蒸留法の、ステップ(1)における前処理は、薄膜蒸発、蒸留、又は精留の1つである。本発明の分子蒸留法の実施形態において、ステップ(2)では、1次分子蒸留器内の残渣を、必要に応じて2次又は多段階分子蒸留に供して、そこから留出物及び残渣を得;したがってステップ(3)では、ステップ(2)の段階の留出物が、収集され、合わされ、精製されてもよく、精製されたトリクロロメチル置換ベンゼン(例えば、ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン)が得られる。
【0057】
好ましい実施形態において、本発明の分子蒸留法は、下記のステップ(1)〜(3)を含む:
(1)粗製トリクロロメチル置換ベンゼン(例えば、ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン)を前処理して、その中の軽質成分を除去するステップ;
(2)操作a):ステップ(1)で前処理したトリクロロメチル置換ベンゼン(例えば、ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン)を、75℃〜135℃の制御された分子蒸留温度及び3Pa〜90Paの絶対圧力で、1次分子蒸留器内での蒸留による分離に供して、1次留出物及び1次残渣を得るステップ;
操作b):操作a)における1次留出物を、80℃〜145℃の制御された分子蒸留温度及び3Pa〜90Paの絶対圧力で、2次分子蒸留塔内に供して、2次留出物及び2次残渣を得るステップ;
(3)ステップ(2)の操作a)及び操作b)から1次留出物及び2次留出物を収集し、合わせて、精製されたトリクロロメチル置換ベンゼン(例えば、ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン)を得、これをさらに任意で精製するステップ。
【0058】
本発明の分子蒸留法の実施形態において、トリクロロメチル置換ベンゼン(例えば、ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン)は、90℃〜150℃の温度及び0.080MPa〜0.098MPaの真空度で、薄膜蒸発を使用して前処理する。
【0059】
好ましい実施形態において、本出願の分子蒸留による精製方法は、トリクロロメチル置換ベンゼンとしてビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを使用し、下記のステップ(1)〜(3)を含む:
(1)ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの粗製物を前処理して、その中の軽質成分を除去するステップ;
(2)ステップ(1)で前処理したビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを、85℃〜135℃の制御された分子蒸留温度及び10Pa〜70Paの絶対圧力で、1次分子蒸留器内での蒸留による分離に供して、1次留出物及び1次残渣を得るステップ;及び
(3)ステップ(2)の1次留出物を収集して、精製されたビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを得、これをさらに任意で精製するステップ。
【0060】
好ましい実施形態において、本出願の分子蒸留による精製方法は、トリクロロメチル置換ベンゼンとしてビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを使用し、下記のステップ(1)〜(3)を含む:
(1)粗製ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを前処理して、その中の軽質成分を除去するステップ;
(2)操作a):(1)で前処理したビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを、85℃〜135℃の制御された分子蒸留温度及び10Pa〜70Paの絶対圧力で、1次分子蒸留器内での蒸留による分離に供して、1次留出物及び1次残渣を得るステップ;
操作b):操作a)における1次留出物を、95℃〜145℃の制御された分子蒸留温度及び10Pa〜70Paの絶対圧力で、2次分子蒸留塔内に供して、2次留出物及び2次残渣を得るステップ;
(3)ステップ(2)の操作a)及び操作b)から1次留出物及び2次留出物を収集し、合わせて、精製されたビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを得、これをさらに任意で精製するステップ。
【0061】
本発明のビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの分子蒸留法の、ステップ(1)におけるビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの粗製物の前処理は、薄膜蒸発、蒸留、又は精留の1つである。
【0062】
本発明のビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの分子蒸留法において、ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンは、90℃〜150℃の制御された温度及び0.080MPa〜0.098MPaの真空度で、薄膜蒸発を使用して前処理される。
【0063】
本出願の分子蒸留法において、ステップ(3)の留出物は、例えばさらなる分子蒸留及び再結晶などにより、必要に応じてさらに精製されてもよい。
【0064】
本出願の分子蒸留法において、前処理ステップで除去された軽質成分が、分離され精製されてもよく、その組成及び純度に応じて適切に使用されてもよい。
【0065】
本出願の分子蒸留法において、分子蒸留プロセスは分子蒸留装置上で実現され、分子蒸留装置の完全なセットは、主に、供給システム、分子蒸留器、留出物収集システム、加熱システム、冷却システム、真空システム、及び制御システムを含む。
【0066】
本出願の蒸留方法において、ワイプトフィルム分子蒸留器が好ましい。ワイプトフィルム分子蒸留器の主な特徴は、組込み式凝縮器を有し、ワイパを備えることであり、したがって、分離される物質が分子蒸留装置に進入した後、ワイパの動作の下で均一な液体被膜が形成され、次いで軽質成分が、中心の組込み式凝縮器に向かって分子状態で直接浮動し、液体に凝縮されて、軽質成分トラップに進入し、一方、重質画分は、蒸発器シリンダの内壁に沿って重質画分トラップに進入する。
【0067】
本出願の蒸留方法において、薄膜蒸発が、真空薄膜蒸留装置で実現される。
【0068】
本出願の分子蒸留法は、本出願における全ての塩素化反応混合物の精製に適用可能である。
【0069】
いくつかの実施形態において、反応混合物を分子蒸留又は単一精留により精製した後、約99.0%、約99.1%、約99.2%、約99.3%、約99.4%、約99.5%、約99.6%、約99.7%、約99.8%、約99.9%、又は約99.95%の純度を持つトリクロロメチル置換ベンゼン化合物を得ることができる。本発明の方法により直接得られたトリクロロメチル置換ベンゼン混合物、例えばビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン混合物は、少しの低沸点不純物を含み、したがって分子蒸留又は精留により精製して、高純度のトリクロロメチル置換ベンゼン生成物を得ることができる。それらは、トリクロロメチル置換ベンゼン化合物が得られるよう、再結晶によって精製されてもよい。
【0070】
上述のように、「a」が0であり「b」が2である場合、ジメチルベンゼンは原材料であり、高純度のビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンは、本出願の光塩素化の方法により得ることができる。高純度の、得られたビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンは、高純度のビス−(クロロホルミル)−ベンゼンが調製されるように、精製して又は精製することなく、工業化された反応規模でフタル酸と反応することができる。好ましくは、高純度の精製されたビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンは、高純度のビス−(クロロホルミル)−ベンゼンが調製されるよう、フタル酸又は水と反応させるために本出願では使用される。
【0071】
このように、本出願のさらに別の態様は、下記のステップを含む、ビス−(クロロホルミル)−ベンゼンの調製方法に関する:
a)反応が終了した後に精留若しくは再結晶などの精製をして又は精製することなく、本出願の方法のいずれかによりビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを調製するステップ;
b)ステップa)のビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを反応させてビス−(クロロホルミル)−ベンゼンを調製するステップ。ステップb)において、ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンは、好ましくは水又はフタル酸と反応させ、より好ましくはフタル酸と反応させる。
【0072】
本出願の好ましい態様において、ステップb)はさらに下記のステップを含む:
i)高温でビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを完全に融解させ、水又はフタル酸及び触媒を添加し、均一に撹拌するステップ;
ii)反応系を、例えば90〜125℃の範囲まで加熱して、生成物ビス−(クロロホルミル)−ベンゼンを得るステップ;
iii)精留又は再結晶などの精製を行ってもよいステップ。
【0073】
好ましくは、ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを精製するステップは、ステップa)にある。ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン及びフタル酸は、化学量論的モル比、例えば好ましくは1:1.01〜1.03で、ステップi)において投与される。ステップi)における触媒はルイス酸、例えば三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、三塩化鉄、好ましくは三塩化鉄であり、ステップi)で水と反応するとき、好ましくは少量のフタル酸が存在する。ステップi)で添加される触媒の量は、ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの質量の好ましくは0.2%〜0.3%である。
【0074】
ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンとフタル酸とを反応させることによってビス−(クロロホルミル)−ベンゼンの調製方法は、下記の有益な効果を有する:この方法は単純なプロセス、短い生成サイクルを有し、溶媒などの媒体を添加せず、環境汚染が少ない;ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンはそれ自体が非常に高純度であるので、別の原材料は、塩化チオニルプロセスで使用される原材料と同様に高純度(99.99%以上、99.5%の一般的な工業用グレードではない)のフタル酸である必要はなく、それが生産コストを著しく削減する。さらに生成物は、単一精留又は再結晶などの従来の方法によって精製することができる;反応条件は、光塩素化反応において厳密に制御されるので、沸点がビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの沸点に近い軽質成分及び不純物は大幅に低減し、したがって、ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンから調製された生成物ビス−(クロロホルミル)−ベンゼンは、非常に高純度であり、例えば最大約99.95%、約99.96%、約99.97%、約99.98%、又は約99.99%であり、即ち得られたビス−(クロロホルミル)−ベンゼンはポリマーグレードに到達する。
【0075】
このように、別の態様において、本出願は、純度が99%超の、好ましくは99.2%超のビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン(例えば、本出願により調製されたビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン)と、純度が99.5%の工業用グレードのフタル酸とを反応させるステップを含む、ビス−(クロロホルミル)−ベンゼンの調製方法に関する。方法の技術的効果は、最大99.95%のポリマーグレードのビス−(クロロホルミル)−ベンゼンを、単一精留などの単純な精製によって得られた生成物から得ることができることである。
【0076】
さらに本発明は、反応器シリンダ(単に、シリンダと呼ぶ)と、このシリンダに固定された、その中に光源を配置するための透明管(単に、管と呼ぶ)とを含み、シリンダが透明な場合、反射層がシリンダの外壁に配置され;シリンダが透明でない場合、反射層がシリンダの内壁に配置され;管が閉鎖端及び開放端を有する場合、閉鎖端が反応器シリンダ内に位置付けられ、開放端は、外に向いて反応器シリンダを通って半径方向に延び;管が2つの開放端を有する場合、両端が反応器シリンダを通って半径方向に延びることを特徴とする、光塩素化反応器にも関する。
【0077】
本出願において、隣接する管同士の距離は、シリンダの直径の0.5〜5倍、好ましくは1〜2倍であり;隣接する管同士の角度は0度〜90度、好ましくは90度であり;管は、溶接又は固定具によって反応器シリンダに固定されていてもよく;シリンダが透明な場合、反射層が、シリンダの外壁を裏打ちする反射膜、スズ箔、若しくはアルミ箔であり、又は反射効果を有する金属、例えば銀、亜鉛、鉄がめっきされ;シリンダが透明でない場合、反射層は、シリンダの内壁を裏打ちするガラス又は石英である。
【0078】
耐蝕性顆粒状充填材が、本出願の反応器シリンダ内に配置され;反応器シリンダ内の耐蝕性顆粒状充填材の充填高さは、反応器シリンダの高さの1/3〜2/3であり;耐蝕性顆粒状充填材の材料は、ガラス、石英、又はポリテトラフルオロエチレンなどから選択されてもよい。反応器シリンダは、材料入口、塩素入口、生成物出口、オフガス出口、及び温度計ソケットを含む。そのような温度計ソケットの数は、反応器のサイズ又は温度モニタリング要件に応じて設定されてもよい。
【0079】
さらに、本出願の塩素入口はガス分配器を備え;ガス分配器は、例えば、通気口を備えた線形又は環状分配器として選択されてもよく;オフガス出口は凝縮器に接続される。オフガスが凝縮器を通過した後、オフガスによって運ばれた反応材料及び/又は反応生成物の一部は凝縮し、反応器に戻ってもよい。
【0080】
本出願において、シリンダが透明な場合、このシリンダはガラス又は石英で作製されていてもよく;シリンダが透明でない場合、このシリンダは鋼若しくはその他の金属、又はガラスが裏打ちされた鋼の成型材料で作製されていてもよく;管は、ガラス又は石英で作製されていてもよい。
【0081】
本出願において、熱交換ジャケットが反応器シリンダの外壁に配置され、及び/又は熱交換デバイスが反応器シリンダ内に配置され、例えばコイルである。
【0082】
本出願において、弁、封止リングなどの、反応器で使用される部品及び構成要素は、好ましくはポリテトラフルオロエチレンで作製される。
【0083】
本出願において、「反応器を通って延びる」という表現は、シリンダの外壁を通過し外壁から露出すること、又はシリンダの外壁に単に埋め込まれることを意味する。
【0084】
本出願において、反応器内の管の閉鎖端に関し、この閉鎖は、製造において一体的に実現されてもよく、又はその他の手段を使用することにより、例えばフランジカバーを使用して、後に実現されてもよい。
【0085】
本出願において、反応器内の管が1つの開放端又は2つの開放端を有する場合、開放端は、必要に応じて閉鎖されていてもよい。
【0086】
本出願において、不透明な反応器シリンダの材料が、ガラスで裏打ちされた鋼である場合、ガラスは、シリンダの内壁を裏打ちする必要がない場合がある。
【0087】
従来技術と比較すると、本出願の光塩素化反応器は、下記の有益な効果を有する:
【0088】
シリンダは、透明な又は不透明な材料から構成されてもよい。シリンダが透明な場合、反射層は透明なシリンダの外壁に配置され、シリンダが透明でない場合、反射層は不透明なシリンダの内壁に配置され;したがって両方の場合、管内の光源により放出された光は反応シリンダ内で反射することができ、その結果、シリンダ内での照明の強度及び範囲が増強され、そのため反応器全体にわたる照明の強度及び均一分布が十分確実になり、それによって光塩素化反応中の副反応の出現が低減する。透明であってもなくても、反応物に接触する反応器シリンダの内壁は耐蝕性能を有し、それによって反応器の寿命が延びる。例えば、透明なシリンダの場合、反射層は外壁上にあり、内壁は石英又はガラスであり、不透明なシリンダの場合、反射層は内壁上にあり、内壁はガラス又は石英である。このように、反応物に接触する内壁は、両方の場合に耐蝕性能を有する。
【0089】
さらに反射層は、光の損失及び照明の損失を効果的に低減させるよう、反応器シリンダの外壁に設けられ、それによって、従来技術に比べてエネルギー消費量が削減される。
【0090】
その中に光源を配置するための管が閉鎖端及び開放端を有する場合、閉鎖端は反応器シリンダ内に位置付けられ、シリンダを通って延びず;開放端は、外に向いて反応器シリンダを通って延び、したがって不均一な膨張及び収縮に起因する管の損傷を回避することができる。管は、使用中に耐久性があり、定期的なメンテナンスのコストが削減され、これは高い反応温度を有する光塩素化反応に特に適している。反応温度が低い場合、管は一般に、膨張及び収縮に起因した損傷を受けなくなり、したがって管の一方の端部又は両端は、反応器シリンダを通って延びるように作製される。
【0091】
塩素は、ガス分配器を通して導入され、反応器シリンダ内に配置された耐蝕性顆粒状充填材は、液体中の塩素の滞留時間を延ばし、それによって、より良好な反応効果が得られる。
【0092】
オフガス出口は、さらに凝縮器に接続され、オフガスによって運ばれる反応材料及び/又は反応生成物の一部は、凝縮後に反応器に戻されてもよく、そのため材料の損失が低減し、後続のオフガス処理が容易になる。
【0093】
本出願の光塩素化反応器は、本出願のトリクロロメチル置換ベンゼンを調製するために、光化学的方法で使用することができる。
【0094】
以下、特定の実施形態により本出願について記述する。これらの特定の実施形態は例示的なものであり、限定するものではない。
【0095】
材料及び方法
生成物1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン、1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン、ビス−(クロロホルミル)−ベンゼン、1−クロロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン、及びトリフルオロメチルベンゼンの純度を、ガスクロマトグラフィによって決定した。
【0096】
下記の実施例における生成物1,3,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンの純度を、液体クロマトグラフィによって決定した。
【0097】
実施例における照度を、照度計によって決定した。
【0098】
実施例で使用される単一のLEDランプは、20〜50nmの波長振幅を有し、同一又は異なる波長を有する2個又は3個以上のLEDランプを、一体化光源を形成するのに使用してもよい。
【0099】
実施形態1
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン212.32gを添加し、60℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は460nmであり照度は49000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は290gであり、第1の反応段階は4時間35分を要した。照度を61000ルクスに調節し、系の温度を145℃に上昇させた後、塩素を供給し続けた。消費した塩素の量は290gであり、第2の反応段階は3時間30分を要した。さらに、照度を87000ルクスに調節し、塩素を供給しながら系の温度を180℃まで上昇させた。塩素は、温度を180℃で維持しながら供給し続けた。消費した塩素の量は300gであり、第3の反応段階は5時間55分を要した。反応で消費した塩素の総量は、880gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルを、ガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は97.61%(クロマトグラム1参照)であり、生成物の収率は95.45%であった。
【0100】
実施形態2
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン206.17gを添加し、80℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は360nmであり照度は49000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は280gであり、第1の反応段階は4時間30分を要した。照度を60000ルクスに調節し、系の温度を140℃に上昇させた後、塩素を供給し続けた。消費した塩素の量は280gであり、第2の反応段階は3時間55分を要した。照度を60000ルクスで維持し、系の温度を160℃に上昇させた後、塩素320gを供給し続けた。第3の反応段階は16時間35分を要した。反応で消費した塩素の総量は、880gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルを、ガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は96.28%であり、生成物の収率は94.01%であった。
【0101】
実施形態3
温度測定デバイス、凝縮還流デバイス、及び溶媒回収デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン201.50g、及び四塩化炭素100gを溶媒として添加し、60℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は465nmであり照度は43000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は270gであり、第1の反応段階は4時間30分を要した。照度を66000ルクスに調節し、系の温度を145℃に上昇させた後、塩素を供給し続けた。消費した塩素の量は270gであり、第2の反応段階は3時間30分を要した。照度を91000ルクスに調節し、系の温度を180℃に上昇させた後、塩素300gを供給し続けた。第3の反応段階は4時間50分を要した。反応で消費した塩素の総量は、840gであった。回収された四塩化炭素溶媒は74gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルを、ガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は95.89%であった。
【0102】
実施形態4
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン202.12gを添加し、60℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は405nmであり照度は31000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は135gであり、第1の反応段階は3時間20分を要した。照度を58000ルクスに調節し、系の温度を160℃に上昇させた後、塩素を供給し続けた。消費した塩素の量は405gであり、第2の反応段階は4時間30分を要した。照度を86000ルクスに調節し、系の温度を170℃に上昇させた後、塩素300gを供給し続けた。第3の反応段階は4時間45分を要した。反応で消費した塩素の総量は、840gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルを、ガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は95.03%であった。
【0103】
実施形態5
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン200.37gを添加し、60℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は465nmであり照度を49000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は270gであり、反応は4時間30分を要した。次いで、照度を70000ルクスに増大させ、系の温度を160℃に上昇させた後、塩素を供給し続けた。消費した塩素の量は570gであり、反応は25時間35分を要した。反応で消費した塩素の総量は、840gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルを、ガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は95.17%であった。
【0104】
実施形態6
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン202.40gを添加し、60℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は586nmであり照度は20000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は270gであり、第1の反応段階は4時間50分を要した。照度を67000ルクスに調節し、塩素を供給しながら系の温度を135℃に上昇させた。ある時間にわたって塩素を供給した後、消費した塩素の量は270gであった。次いで系の温度を、塩素を供給しながら180℃に上昇させ、次いで照度を86000ルクスに調節した。次いで塩素を、温度を180℃で維持しながら供給し続けた。消費した塩素の量は330gであり、第2及び第3の反応段階は、合計で10時間35分を要した。反応で消費した塩素の総量は、870gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルを、ガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は91.32%であった。
【0105】
実施形態7
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン203.10gを添加した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は505nmであり照度は43000ルクスであった。系の温度を55℃から徐々に上昇させ、塩素を徐々に供給して系の温度を120℃以下に制御するようにした。消費した塩素の量は270gであり、第1の反応段階は4時間50分を要した。照度を66000ルクスに調節し、系の温度を142℃に上昇させた。ある時間にわたって塩素を供給した後、消費した塩素の量は270gであった。次いで系の温度を、塩素を供給しながら180℃に上昇させ、次いで照度を96000ルクスに調節した。次いで塩素を、温度を180℃で維持しながら供給し続けた。消費した塩素の量は310gであり、第2及び第3の反応段階は、合計で9時間40分を要した。反応で消費した塩素の総量は、850gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルを、ガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は93.28%であった。
【0106】
例示的実施形態8
実施例1〜7の反応混合物を単一精留によって精製して、精製された1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを得た。精製された1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンは、ガスクロマトグラフィにより、それぞれ99.42%、99.28%、99.26%、99.24%、99.28%、99.06%、又は99.20%の純度を有することが分析された。
【0107】
例示的実施形態9
温度測定デバイス、凝縮還流デバイス、及び撹拌デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、純度99.42%の1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン402.45gを添加し、加熱して完全に融解させた。純度99.50%のm−フタル酸216.94gを、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンのモル数の1.01倍量で添加し、次いで塩化第二鉄触媒1.21gを、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの重量の0.30%に添加した。温度を60分間で110℃に上昇させ、その温度で反応を終了させた。得られた生成物を精留に供して、精製された1,3−ビス−(クロロホルミル)−ベンゼンを得た。ガスクロマトグラフィからの結果は、精製された1,3−ビス−(クロロホルミル)−ベンゼンが99.97%の純度を有することを示す(クロマトグラム2)。
【0108】
例示的実施形態10
温度測定デバイス、凝縮還流デバイス、及び撹拌デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、純度99.20%の1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン400.16gを添加し、加熱して完全に融解させた。純度99.50%のm−フタル酸219.98gを、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンのモル数の1.03倍量で添加し、次いで塩化第二鉄触媒0.80gを、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの重量の0.20%に添加した。温度を30分間で105℃に上昇させ、その温度で反応を終了させた。得られた生成物を精留に供して、精製された1,3−ビス−(クロロホルミル)−ベンゼンを得た。ガスクロマトグラフィからの結果は、精製された1,3−ビス−(クロロホルミル)−ベンゼンが99.95%の純度を有することを示す。
【0109】
例示的実施形態11
温度測定デバイス、凝縮還流デバイス、及び撹拌デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、純度99.28%の1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン400.12gを添加し、加熱して完全に融解させた。純度99.50%のm−フタル酸217.82gを、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンのモル数の1.02倍量で添加し、次いで塩化第二鉄触媒1.00gを、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの重量の0.25%に添加した。温度を45分間で100℃に上昇させ、その温度で反応を終了させた。得られた生成物を精留に供して、精製された1,3−ビス−(クロロホルミル)−ベンゼンを得た。ガスクロマトグラフィからの結果は、精製された1,3−ビス−(クロロホルミル)−ベンゼンが99.96%の純度を有することを示す。
【0110】
例示的実施形態12
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,4−ジメチルベンゼン208.4gを添加し、60℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は460nmであり照度は49000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は280gであり、第1の反応段階は4時間を要した。照度を56000ルクスに調節し、系の温度を155℃に上昇させた後、消費した塩素の量は280gであり、第2の反応段階は3時間20分を要した。系の温度を、塩素を供給しながら180℃に上昇させ、照度を97000ルクスに調節した。塩素を、温度を180℃で維持しながら供給し続けた。消費した塩素の量は300gであり、第3の反応段階は6時間10分を要した。反応で消費した塩素の総量は860gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は97.75%であり(クロマトグラム3参照)、生成物の収率は95.20%であった。
【0111】
例示的実施形態13
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,4−ジメチルベンゼン200.00gを添加し、60℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は465nmであり照度は49000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は270gであり、第1の反応段階は5時間を要した。照度を66000ルクスに調節し、系の温度を143℃に上昇させた後、消費した塩素の量は270gであり、第2の反応段階は3時間50分を要した。系の温度を、塩素を供給しながら180℃に上昇させ、次いで照度を90000ルクスに調節した。塩素を、温度を180℃で維持しながら供給し続けた。消費した塩素の量は300gであり、第3の反応段階は5時間25分を要した。反応で消費した塩素の総量は840gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は97.04%であり、生成物の収率は94.11%であった。
【0112】
例示的実施形態14
温度測定デバイス、凝縮還流デバイス、及び溶媒回収デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,4−ジメチルベンゼン200.16g、及び四塩化炭素100gを溶媒として添加し、60℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は405nmであり照度は43000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は270gであり、第1の反応段階は4時間50分を要した。照度を66000ルクスに調節し、系の温度を150℃に上昇させた後、消費した塩素の量は270gであり、第2の反応段階は3時間55分を要した。照度を97000ルクスに調節し、系の温度を180℃に上昇させた後、塩素310gを供給し続けた。第3の反応段階は5時間を要した。反応で消費した塩素の総量は、850gであった。回収された四塩化炭素溶媒は63gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルを、ガスクロマトグラフィにより分析し、1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は96.02%であった。
【0113】
例示的実施形態15
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,4−ジメチルベンゼン200.21gを添加し、60℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は505nmであり照度は31000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は135gであり、第1の反応段階は3時間55分を要した。照度を58000ルクスに調節し、系の温度を150℃に上昇させた後、消費した塩素の量は405gであり、第2の反応段階は4時間55分を要した。照度を86000ルクスに調節し、系の温度を170℃に上昇させた後、消費した塩素の量は310gであり、第3の反応段階は5時間20分を要した。反応で消費した塩素の総量は850gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は95.52%であった。
【0114】
例示的実施形態16
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,4−ジメチルベンゼン203.21gを添加し、60℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は360nmであり照度は49000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は270gであり、反応は4時間25分を要した。次いで照度を70000ルクスに調節し、系の温度を140℃に上昇させた。消費した塩素の量は650gであり、反応は、合計で31時間を要した。反応で消費した塩素の総量は920gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は96.64%であった。
【0115】
例示的実施形態17
実施例12〜16の反応混合物を単一精留によって精製して、精製された1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを得た。精製された1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンは、ガスクロマトグラフィにより、それぞれ99.45%、99.38%、99.36%、99.22%、又は99.32%の純度を有すると分析された。
【0116】
例示的実施形態18
温度測定デバイス、凝縮還流デバイス、及び撹拌デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、純度99.45%の1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン400.32gを添加し、加熱して完全に融解させた。純度99.50%のp−フタル酸215.79gを、1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンのモル数の1.01倍量で添加し、次いで塩化第二鉄触媒1.00gを、1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの重量の0.25%に添加した。温度を60分間で125℃に上昇させ、その温度で反応を終了させた。得られた生成物を精留に供して、精製された1,4−ビス−(クロロホルミル)−ベンゼンを得た。ガスクロマトグラフィからの結果は、精製された1,4−ビス−(クロロホルミル)−ベンゼンが99.96%の純度を有することを示す(クロマトグラム4参照)。
【0117】
例示的実施形態19
温度測定デバイス、凝縮還流デバイス、及び撹拌デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、純度99.22%の1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン402.36gを添加し、加熱して完全に融解させた。純度99.50%のp−フタル酸219.04gを、1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンのモル数の1.02倍量で添加し、次いで塩化第二鉄触媒1.21gを、1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの重量の0.30%に添加した。温度を45分間で120℃に上昇させ、その温度で反応を終了させた。得られた生成物を精留に供して、精製された1,4−ビス−(クロロホルミル)−ベンゼンを得た。ガスクロマトグラフィからの結果は、精製された1,4−ビス−(クロロホルミル)−ベンゼンが99.95%の純度を有することを示す。
【0118】
例示的実施形態20
温度測定デバイス、凝縮還流デバイス、及び撹拌デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、純度99.32%の1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼン405.12gを添加し、加熱して完全に融解させた。純度99.50%のp−フタル酸222.70gを、1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンのモル数の1.03倍量で添加し、次いで塩化第二鉄触媒0.81gを、1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの重量の0.20%に添加した。温度を30分間で115℃に上昇させ、その温度で反応を終了させた。得られた生成物を精留に供して、精製された1,4−ビス−(クロロホルミル)−ベンゼンを得た。ガスクロマトグラフィからの結果は、精製された1,4−ビス−(クロロホルミル)−ベンゼンが99.96%の純度を有することを示す。
【0119】
例示的実施形態21
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン201.00gを添加した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は465nmであり照度は60000ルクスであった。温度を20℃から上昇させ、系の温度が120℃以下に制御されるよう塩素を徐々に供給した。反応は20時間を要し、消費した塩素の量は1200gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、結果は、1次反応生成物が、4〜5個の塩素置換基を有する、混合物としての1,3−ジメチルベンゼンの塩素化生成物であったことを示す(クロマトグラム5参照)。
【0120】
例示的実施形態22
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン200.30gを添加した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は460nmであり照度は43000ルクスであった。温度を20℃から上昇させ、系の温度が120℃以下に制御されるよう塩素を徐々に供給した。消費した塩素の量は270gであり、第1の反応段階は5時間55分を要した。照度を63000ルクスに調節し、系の温度を142℃に上昇させた。消費した塩素の量は270gであった。系の温度を、塩素を供給しながら180℃に上昇させ、次いで照度を91000ルクスに調節した。塩素を、温度を180℃で維持しながら供給し続けた。消費した塩素の量は360gであった。第2及び第3の反応段階は合計で12時間15分を要した。反応で消費した塩素の総量は900gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は88.93%であった(クロマトグラム6参照)。
【0121】
例示的実施形態23
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン201.46gを添加した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は505nmであり照度は43000ルクスであった。温度を30℃から上昇させ、系の温度が120℃以下に制御されるよう塩素を徐々に供給した。消費した塩素の量は270gであり、第1の反応段階は5時間40分を要した。照度を61000ルクスに調節し、系の温度を145℃に上昇させた。ある時間にわたって塩素を供給した後、消費した塩素の量は270gであった。次いで系の温度を、塩素を供給しながら180℃に上昇させ、次いで照度を89000ルクスに調節した。次いで塩素を、温度を180℃で維持しながら供給し続けた。消費した塩素の量は300gであり、第2及び第3の反応段階は合計で11時間5分を要した。反応で消費した塩素の総量は840gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は89.44%であった。
【0122】
例示的実施形態24
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン200.90gを添加した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は465nmであり照度は43000ルクスであった。温度を40℃から上昇させ、系の温度が120℃以下に制御されるよう塩素を徐々に供給した。消費した塩素の量は270gであり、第1の反応段階は5時間10分を要した。照度を63000ルクスに調節し、系の温度を142℃に上昇させた。ある時間にわたって塩素を供給した後、消費した塩素の量は270gであった。系の温度を、塩素を供給しながら180℃に上昇させ、次いで照度を93000ルクスに調節した。塩素を、180℃で維持しながら供給し続けた。消費した塩素の量は320gであった。第2及び第3の反応段階は合計で10時間を要した。反応で消費した塩素の総量は860gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は89.51%であった。
【0123】
例示的実施形態25
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン199.08gを添加し、60℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は405nmであり照度は10000ルクスであった。次いで系の温度が120℃以下になるよう制御しながら、塩素を徐々に供給して反応を開始させた。消費した塩素の量は270gであり、第1の反応段階は4時間55分を要した。照度を56000ルクスに調節し、系の温度を133℃に上昇させた。ある時間にわたって塩素を供給した後、消費した塩素の量は270gであった。次いで系の温度を、塩素を供給しながら180℃に上昇させ、次いで照度を97000ルクスに調節した。次いで塩素を、温度を180℃で維持しながら供給し続けた。消費した塩素の量は300gであり、第2及び第3の反応段階は合計で15時間20分を要した。反応で消費した塩素の総量は840gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は88.03%であった。
【0124】
例示的実施形態26
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン200.60gを添加し、60℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は586nmであり照度は5000ルクスであった。次いで系の温度が120℃以下になるよう制御しながら、塩素を供給して反応を開始させた。消費した塩素の量は270gであり、第1の反応段階は5時間5分を要した。照度を69000ルクスに調節し、系の温度を147℃に上昇させた。ある時間にわたって塩素を供給した後、消費した塩素の量は270gであった。次いで系の温度を、塩素を供給しながら180℃に上昇させ、次いで照度を98000ルクスに調節した。次いで塩素を、180℃で維持しながら供給し続けた。消費した塩素の量は300gであり、第2及び第3の反応段階は合計で18時間30分を要した。反応で消費した塩素の総量は840gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は78.70%であった。
【0125】
例示的実施形態27
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン200.05gを添加し、60℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は465nmであり照度は500ルクスであった。次いで系の温度が120℃以下になるよう制御しながら、塩素を供給して反応を開始させた。消費した塩素の量は270gであり、第1の反応段階は5時間30分を要した。次いで照度を69000ルクスに調節し、系の温度を150℃に上昇させた。ある時間にわたって塩素を供給した後、消費した塩素の量は270gであった。次いで系の温度を、塩素を供給しながら180℃に上昇させ、次いで照度を98000ルクスに調節した。次いで塩素を、温度を180℃で維持しながら供給し続けた。消費した塩素の量は300gであり、第2及び第3の反応段階は合計で20時間25分を要した。反応で消費した塩素の総量は940gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は70.12%であった(クロマトグラム7参照)。
【0126】
例示的実施形態28
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン200.00gを添加し、110℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は405nmであり照度は60000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させた。ある時間の経過後、反応の温度は劇的に上昇し、120℃よりも低く制御することができず、その結果、急速な炭化/黒変が生じ、したがって反応が不全であった。
【0127】
例示的実施形態29
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン202.10gを添加し、120℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は360nmであり照度は43000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させた。ある時間の経過後、反応の温度は劇的に上昇し、120℃よりも低く制御することができず、その結果、急速な炭化/黒変が生じ、したがって反応が不全であった。
【0128】
例示的実施形態30
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、p−クロロトルエン171gを添加し、65℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は412nmであり照度は30000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は156gであり、第1の反応段階は3時間45分を要した。照度を54000ルクスに調節し、系の温度を150℃に上昇させた後、塩素を供給し続けた。消費した塩素の量は171gであり、第2の反応段階は3時間10分を要した。反応で消費した塩素の総量は327gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、p−クロロ−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は95.17%であった。
【0129】
例示的実施形態31
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、メチルベンゼン250gを添加し、60℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は465nmであり照度は41000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は305gであり、第1の反応段階は3時間15分を要した。照度を58000ルクスに調節し、系の温度を135℃に上昇させた後、温度を135℃で維持しながら塩素を供給し続けた。消費した塩素の量は296gであり、第2の反応段階は2時間5分を要した。反応で消費した塩素の総量は601gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は96.83%であった。
【0130】
例示的実施形態32
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、sym−トリメチルベンゼン185.2gを添加し、80℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は405nmであり照度は11000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は325gであり、第1の反応段階は5時間10分を要した。照度を50000ルクスに調節し、系の温度を160℃に上昇させた後、温度を180℃で維持しながら塩素を供給し続けた。消費した塩素の量は311gであり、第2の反応段階は13時間10分を要した。次いで照度を55000ルクスに調節し、系の温度を、塩素を供給しながら300℃に上昇させた。塩素を、完全な塩素化が実現されるまで供給し続けた。消費した塩素の量は449gであり、第3の反応段階は15時間10分を要した。反応で消費した塩素の総量は1085gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルを液体クロマトグラフィにより分析し、sym−トリス(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は91.7%であった。
【0131】
例示的実施形態33
温度測定デバイス、還流凝縮器、LEDランプの照明デバイス、及び加熱/冷却デバイスを備えた、ガラスで裏打ちされた3つの反応カラムを直列に配置構成して、連続光塩素化反応装置を形成し、このガラスで裏打ちされた反応カラムは、順に第1のカラム、第2のカラム、及び第3のカラムであった。反応装置を、圧力試験、漏れ試験、清浄化、及び乾燥などの予備段階に供した後、初期始動を行い、供給量を徐々に増加させた。光塩素化反応が安定した後、1,3−ジメチルベンゼンを95kg/時の速度で第1のカラムに連続的に添加した。第1のカラムは、加熱/冷却デバイスによって80℃〜120℃の温度に制御し、このときの入射光の中心ピーク波長は460nmであり、平均照度は20000〜39000ルクスであり、一方、塩素は、連続光塩素化反応のために底部から135kg/時の流量で供給し、この加熱又は冷却速度は、第1のカラムの温度が120℃以下になるように制御した。第1のカラム内の反応溶液は、底部から第2のカラムに流出し、このときの入射光の中心ピーク波長は505nmであり、平均照度は40000〜61000ルクスであった。第2のカラムは135〜145℃の温度に制御し、塩素は、128kg/時の流量で第2のカラムに供給した。第2のカラム内の反応溶液は、底部から第3のカラムに流出し、このときの入射光の中心ピーク波長は586nmであり、平均照度は60000〜86000ルクスであった。第3のカラムを170〜180℃の温度に制御し、塩素は、148kg/時の流量で第3のカラムに供給した。3つのカラムからなる反応系に供給された塩素の総量は、411kg/時であった。サンプルを、第3のカラムの出口で、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は93.1%であった。
【0132】
粗製1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの一部を、精留によって精製した。得られた粗製1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを100℃に予熱し、3つの連続精留カラムの群から第1のカラムの中間部に300kg/時の速度で連続的に添加した。第1のカラムの底部(釜)を伝熱油で加熱し、カラム−底部温度を165〜175℃に、カラム−中間部温度を100〜130℃に、カラム−頂部温度を85〜110℃に維持するようにした。第1のカラムは、0.09MPaの真空度を有していた。低沸点成分及び少量の1次成分1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンが、第1のカラムの凝縮器から流れ、その一部が第1のカラムの頂部に戻り、その一部が第2のカラムの中間部に連続して送られた。第2のカラムの底部(釜)も伝熱油で加熱し、カラム−底部温度を165〜175℃に、カラム−中間部温度を80〜100℃に、カラム−頂部温度を75〜95℃に維持するようにした。第2のカラムは、0.09MPaの真空度を有していた。1次成分1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを本質的に含まない軽質成分は、第2のカラムの頂部で得られた。第1のカラム内の塔底液及び第2のカラム内の塔底液を混合し、第3のカラムの中間部に送った。第3のカラムの底部を伝熱油で加熱し、カラム−底部温度を270℃〜290℃に、カラム−中間部温度を180〜190℃に、カラム−頂部温度を150〜160℃に維持するようにした。第3のカラムは、0.098MPaの真空度を有していた。第3のカラムの頂部の凝縮器から出た凝縮物は、第3のカラムの頂部に部分的に戻され、凝縮物の一部は、精留済みの1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンとして受容タンクに流入し、このときの8時間平均流量は236kg/時であった。第3のカラムの残留液を底部から放出して処理を行った。サンプルを、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの受容タンクから採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は99.3%であり、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンに関する8時間精留での平均収率は84%であった。
【0133】
粗製1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンのさらに一部を、分子蒸留によって精製した。得られた粗製1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを50℃に予熱し、ガラスで裏打ちされた真空薄膜蒸発器に300kg/時の速度で連続的に添加した。蒸発器を、95℃の温度及び0.090MPaの真空度に制御した。1次成分1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの一部及び少量の低沸点成分を気化させ、凝縮器に進入させて、軽質成分として回収した。1次成分及び高沸点不純物のほとんどを、さらに連続して1次分子蒸留器に送った。1次分子蒸留器は、絶対圧力20Pa及び蒸留温度95℃を有していた。カラム内のシェルアンドチューブ凝縮器は、冷却温度40℃を有し、その温度で、カラム壁に沿って流れる材料は逃げ、捕捉されて、蒸留された1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンが得られた。蒸留をより完全にするために、1次分子蒸留器の底部からの1次成分を含有している蒸留残渣スチルを、さらに2次分子蒸留器に送った。2次分子蒸留器は、1次分子蒸留器と同じ圧力、105℃の蒸留温度、及び40℃の冷却温度を有しており、蒸留残渣は、流量20kg/時で下部カラムから放出されて処理がなされた。1次分子蒸留器内の留出物及び2次分子蒸留器内の留出物を合わせて、蒸留された1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを、252kg/時の流量で得た。サンプルを採取し、ガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は99.12%であり、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンに基づいた8時間分子蒸留では、平均収率は89%であった。
【0134】
例示的実施形態34
温度測定デバイス、還流凝縮器、LEDランプの照明デバイス、及び加熱/冷却デバイスを備えた、ガラスで裏打ちされた3つの反応カラムを直列に配置構成して、連続光塩素化反応装置を形成し、このガラスで裏打ちされた反応カラムは、順に第1のカラム、第2のカラム、及び第3のカラムであった。反応装置を、圧力試験、漏れ試験、清浄化、及び乾燥などの予備段階に供した後、初期始動を行い、供給量を徐々に増加させた。光塩素化反応が安定した後、1,4−ジメチルベンゼンを100kg/時の速度で第1のカラムに連続的に添加した。第1のカラムは、加熱/冷却デバイスによって80℃〜120℃の温度に制御し、このときの入射光の中心ピーク波長は470nmであり、平均照度は25000〜37000ルクスであり、一方、塩素は、連続光塩素化反応のために底部から140kg/時の流量で供給し、この加熱又は冷却速度は、第1のカラムの温度が120℃以下になるように制御した。第1のカラム内の反応溶液は、底部から第2のカラムに流出し、このときの入射光の中心ピーク波長は502nmであり、平均照度は45000〜61000ルクスであった。第2のカラムは135〜145℃の温度に制御し、塩素は、150kg/時の流量で第2のカラムに供給した。第2のカラム内の反応溶液は、底部から第3のカラムに流出し、このときの入射光の中心ピーク波長は555nmであり、平均照度は70000〜85000ルクスであった。第3のカラムを170〜180℃の温度に制御し、塩素は、145kg/時の流量で第3のカラムに供給した。3つのカラムからなる反応系に供給された塩素の総量は、435kg/時であった。サンプルを、第3のカラムの出口で、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は92.5%であった。
【0135】
粗製1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの一部を、精留によって精製した。得られた粗製1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを120℃に予熱し、3つの連続精留カラムの群から第1のカラムの中間部に300kg/時の速度で連続的に添加した。第1のカラムの底部(釜)を伝熱油で加熱し、カラム−底部温度を175〜195℃に、カラム−中間部温度を120〜140℃に、カラム−頂部温度を110〜120℃に維持するようにした。第1のカラムは、0.09MPaの真空度を有していた。低沸点成分及び少量の1次成分1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンが、第1のカラムの凝縮器から流れ、その一部が第1のカラムの頂部に戻り、その一部が第2のカラムの中間部に連続して送られた。第2のカラムの底部(釜)も伝熱油で加熱し、カラム−底部温度を165〜175℃に、カラム−中間部温度を100〜110℃に、カラム−頂部温度を95〜105℃に維持するようにした。第2のカラムは、0.09MPaの真空度を有していた。1次成分1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを本質的に含まない軽質成分は、第2のカラムの頂部で得られた。第1のカラム内の塔底液及び第2のカラム内の塔底液を混合し、第3のカラムの中間部に送った。第3のカラムの底部を伝熱油で加熱し、カラム−底部温度を280℃〜300℃に、カラム−中間部温度を180〜190℃に、カラム−頂部温度を150〜160℃に維持するようにした。第3のカラムは、0.098MPaの真空度を有していた。第3のカラムの頂部の凝縮器から出た凝縮物は、第3のカラムの頂部に部分的に戻され、凝縮物の一部は、精留済みの1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンとして受容タンクに流入し、このときの8時間平均流量は230kg/時であった。第3のカラムの残留液を底部から放出して処理を行った。サンプルを、1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの受容タンクから採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は99.19%であり、1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンに関する8時間精留での平均収率は82.2%であった。
【0136】
粗製1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンのさらに一部を、分子蒸留によって精製した。得られた粗製1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを120℃に予熱し、ガラスで裏打ちされた真空薄膜蒸発器に300kg/時の速度で連続的に添加した。蒸発器を、125℃の温度及び0.090MPaの真空度に制御した。1次成分1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの一部及び少量の低沸点成分を気化させ、凝縮器に進入させて、軽質成分として回収した。1次成分及び高沸点不純物のほとんどを、さらに連続して1次分子蒸留器に送った。1次分子蒸留器は、絶対圧力20Pa及び蒸留温度115℃を有していた。カラム内のシェルアンドチューブ凝縮器は、冷却温度100℃を有し、その温度で、カラム壁に沿って流れる材料は逃げ、捕捉されて、蒸留された1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンが得られた。蒸留をより完全にするために、1次分子蒸留器の底部からの1次成分を含有する材料液体スチルを、さらに2次分子蒸留器に送った。捕捉のために、2次分子スチルは、1次分子スチルと同じ圧力、127℃の蒸留温度、及び100℃の冷却温度を有し、蒸留残渣は下部カラムから放出されて処理がなされた。1次分子蒸留器内の留出物及び2次分子蒸留器内の留出物を合わせて、蒸留された1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを、8時間平均流量245kg/時で得た。サンプルを採取し、ガスクロマトグラフィにより分析し、1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は99.23%であり、1,4−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンに関する8時間分子蒸留の平均収率は87.6%であった。
【0137】
例示的実施形態35
光源:360nm〜586nmの波長を有するいくつかのLEDランプビーズからなる一体化光源、例えば、360nm、430nm、468nm、470nm、502nm、505nm、523nm、555nm、560nm、565nm、574nm、及び585nmの波長を有するいくつかのLEDランプビーズからなる一体化光源。
【0138】
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン182gを添加し、60℃に加熱した。LED一体化光源をオンにして照射を行い、このときの照度は10000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は268gであり、第1の反応段階は4時間50分を要した。照度を50000ルクスに調節し、系の温度を143℃に上昇させた後、塩素を供給し続けた。消費した塩素の量は271gであり、第2の反応段階は11時間10分を要した。さらに、照度を50000ルクスに調節し、系の温度を、塩素を供給しながら179℃に上昇させた。塩素は、温度を179℃で維持しながら供給し続けた。消費した塩素の量は211gであり、第3の反応段階は12時間30分を要した。反応で消費した塩素の総量は750gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は91.7%であった。
【0139】
例示的実施形態36
光源:430nm〜586nmの波長を有するいくつかのLEDランプビーズからなる一体化光源、例えば、430nm、468nm、470nm、502nm、505nm、523nm、555nm、560nm、565nm、574nm、及び585nmの波長を有するいくつかのLEDランプビーズからなる一体化光源。
【0140】
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン208gを添加し、71℃に加熱した。LED一体化光源をオンにして照射を行い、このときの照度は20000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は280gであり、第1の反応段階は5時間10分を要した。照度を45000ルクスに調節し、系の温度を140℃に上昇させた後、塩素を供給し続けた。消費した塩素の量は290gであり、第2の反応段階は10時間5分を要した。さらに、照度を55000ルクスに調節し、系の温度を、塩素を供給しながら181℃に上昇させた。塩素は、温度を181℃で維持しながら供給し続けた。消費した塩素の量は280gであり、第3の反応段階は12時間5分を要した。反応で消費した塩素の総量は850gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は93%であった。
【0141】
例示的実施形態37
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン185gを添加した。反応物の温度が0℃である場合、LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長を465nm及び照度を20000ルクスにした。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は260gであり、第1の反応段階は10時間10分を要した。照度を35000ルクスに調節し、系の温度を135℃に上昇させた後、塩素を供給し続けた。消費した塩素の量は270gであり、第2の反応段階は12時間10分を要した。さらに、照度を55000ルクスに調節し、系の温度を、塩素を供給しながら180℃に上昇させた。塩素は、温度を180℃で維持しながら供給し続けた。消費した塩素の量は228gであり、第3の反応段階は12時間20分を要した。反応で消費した塩素の総量は758gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は87.3%であった。
【0142】
例示的実施形態38
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン210gを添加し、10℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長を460nm及び照度を18000ルクスにした。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は290gであり、第1の反応段階は9時間10分を要した。照度を33000ルクスに調節し、系の温度を140℃に上昇させた後、塩素を供給し続けた。消費した塩素の量は290gであり、第2の反応段階は11時間10分を要した。さらに、照度を50000ルクスに調節し、系の温度を、塩素を供給しながら180℃に上昇させた。塩素は、温度を180℃で維持しながら供給し続けた。消費した塩素の量は285gであり、第3の反応段階は12時間30分を要した。反応で消費した塩素の総量は865gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は87.8%であった。
【0143】
例示的実施形態39
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン201gを添加し、60℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は465nmであり照度は2000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は280gであり、第1の反応段階は6時間10分を要した。照度を10000ルクスに調節し、系の温度を140℃に上昇させた後、塩素を供給し続けた。消費した塩素の量は290gであり、第2の反応段階は12時間10分を要した。さらに、照度を50000ルクスに調節し、系の温度を、塩素を供給しながら180℃に上昇させた。塩素は、温度を180℃で維持しながら供給し続けた。消費した塩素の量は250gであり、第3の反応段階は12時間10分を要した。反応で消費した塩素の総量は820gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は73.4%であった。
【0144】
例示的実施形態40
温度測定デバイス及び凝縮還流デバイスを備えた500mlの4つ口フラスコに、1,3−ジメチルベンゼン203gを添加し、60℃に加熱した。LEDランプをオンにして照射を行い、このときの入射光の中心ピーク波長は460nmであり照度は4000ルクスであった。次いで塩素を供給して反応を開始させ、それと共に塩素の供給速度は、系の温度が120℃以下になるように制御した。消費した塩素の量は286gであり、第1の反応段階は5時間50分を要した。照度を15000ルクスに調節し、系の温度を140℃に上昇させた後、塩素を供給し続けた。消費した塩素の量は280gであり、第2の反応段階は12時間20分を要した。さらに、照度を55000ルクスに調節し、系の温度を、塩素を供給しながら180℃に上昇させた。塩素は、温度を180℃で維持しながら供給し続けた。消費した塩素の量は264gであり、第3の反応段階は11時間30分を要した。反応で消費した塩素の総量は830gであった。サンプルを、反応が終了した後に、得られた反応混合物から採取した。サンプルをガスクロマトグラフィにより分析し、1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンの純度は76.1%であった。
【0145】
例示的実施形態41
実施例22〜27の反応混合物を単一精留により精製して、それぞれ純度が99.02%、99.1%、99.18%、99.12%、99.01%、及び89.7%の精製された1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを得た。
【0146】
実施例30〜32の反応混合物を単一精留により精製して、それぞれ純度が99.8%、99.9%、及び99.43%の精製されたp−クロロ(トリクロロメチル)−ベンゼン、(トリクロロメチル)−ベンゼン、及びsym−トリス(トリクロロメチル)−ベンゼンを得た。
【0147】
実施例35〜40の反応混合物を単一精留により精製して、それぞれ純度が99.42%、99.31%、99.14%、99.19%、99.11%、及び99.08%の精製された1,3−ビス−(トリクロロメチル)−ベンゼンを得た。
【0148】
例示的実施形態42
本発明の光塩素化反応器(
図8に示される)は、反応器シリンダ1と、その中に光源を配置するための管2とを含む。
【0149】
反応器シリンダ1は透明であり、反射層は、反応器シリンダ1の外壁に配置される。反射層は反射材料で裏打ちされ、例えば反射膜、スズ箔、若しくはアルミ箔を付着させ、又は反射効果を有する金属、例えば銀、亜鉛、鉄をめっきする。
【0150】
光源を配置するための管2は反応器シリンダ1に固定され、それぞれ閉鎖端及び開放端を有する。
【0151】
閉鎖端3は、反応器シリンダ内に位置付けられ、開放端は外に向いて反応器シリンダ1を通って半径方向に延びる。管2は、溶接又は固定具によって反応器シリンダ1に固定されてもよい。
【0152】
任意の隣接する管同士の角度は、0度〜90度であり、本実施形態では90度である。
【0153】
隣接する管同士の距離は、シリンダの直径の0.5〜5倍であり、本実施形態では1倍である。
【0154】
耐蝕性顆粒状充填材が反応器シリンダ内に配置され;反応器シリンダ内の顆粒状充填材の充填高さは、好ましくは反応器シリンダの高さの1/3〜2/3であり;耐蝕性顆粒状充填材の材料は、ガラス、石英、又はポリテトラフルオロエチレンなどから選択されてもよい。本実施形態における耐蝕性顆粒状充填材は、ガラスビーズとして選択され、充填高さはシリンダの高さの半分である。
【0155】
反応器シリンダ1は、材料入口5、塩素入口6、生成物出口7、オフガス出口8、及び温度計ソケット9を含む。材料入口5及び温度計ソケット9は、反応器シリンダ1の側壁に位置付けられ、生成物出口7は反応器シリンダ1の底部に位置付けられ、塩素入口6は、生成物出口7の上方の、反応器シリンダの底部に位置付けられる。
【0156】
温度計ソケットの数は、反応器サイズ又は温度モニタリング要件に応じて設定されてもよく、本実施形態では1つである。
【0157】
塩素入口6は、ガス分配器10を備え;ガス分配器10は、例えば、必要に応じて通気口を備えた線形又は環状分配器として選択されてもよい。
【0158】
反応器シリンダ1と、その中に光源を配置するための管2との材料は、ガラス又は石英である。
【0159】
熱交換のため、熱交換ジャケットが反応器シリンダの外壁に配置され、及び/又はコイルが反応器シリンダ内に配置される。
【0160】
反応器で使用される部品及び構成要素、例えば弁、封止リングは、好ましくはポリテトラフルオロエチレンで作製される。
【0161】
本実施例の操作プロセスは、下記の通りである:p−ジメチルベンゼンなどの反応材料を、材料入口5から反応器シリンダ1に供給し;LEDランプなどの光源を管2内に配置してオンにし;反応が開始した後、塩素を、塩素入口6からガス分配器10を経て反応器シリンダ1に供給し、ガラスビーズ内を通してp−ジメチルベンゼンと反応させ;反応生成物を生成物出口7から引き出し;オフガスをオフガス出口8から放出させて収集及び処理を行った。
【0162】
例示的実施形態43
本発明の光塩素化反応器は、
図9に示されるような構造を有し、本実施例は、管のそれぞれの一端(23)と他端(24)との両方が開放し、反応器シリンダを通って半径方向に延びる点のみ、実施例42とは異なっている。
【0163】
本実施例の反応器を使用する場合、管はそれぞれ、光源の配置又は除去が容易になるように、閉鎖した一端と開放した他端とを有していてもよく;或いは、管の両端は、光源を配置した後に閉鎖されていてもよい。
【0164】
例示的実施形態44
本実施例は、オフガス出口8が凝縮デバイスに接続され、隣接する管同士の角度が45度であり、耐蝕性顆粒状充填材が石英顆粒であり、充填高さがシリンダの高さの2/3である点のみ、実施例42とは異なっている。
【0165】
本実施例の操作プロセスは、下記の通りである:m−ジメチルベンゼンなどの反応材料を、材料入口5から反応器シリンダ1に供給し;LEDランプなどの光源を管内に配置してオンにし;反応が開始した後、塩素を、塩素入口6からガス分配器10を経て反応器シリンダ1に供給し、石英顆粒内を通してp−ジメチルベンゼンと反応させ;反応生成物を生成物出口7から引き出し;オフガスをオフガス出口8から放出させ、凝縮デバイス内に通して収集及び処理を行い;凝縮物を反応器シリンダ1に戻してさらに反応を行った。
【0166】
例示的実施形態45
本実施例は、反応器シリンダが透明でない点が、実施例42とは異なっている。鋼又はその他の金属がシリンダ材料として使用され、ガラス又は石英の層がシリンダの内壁に裏打ちされ;或いは、ガラスが裏打ちされた鋼を、シリンダの内壁を裏打ちする反射層なしで、シリンダ材料として直接使用する。
【0167】
本実施例において、光源を配置するための管は、一端がシリンダを通って延びる実施形態42の管に、若しくは両端がシリンダを通って延びる実施形態43の管に、又はこれら2つの組合せに類似していてもよい。
【0168】
本実施例において、凝縮デバイスは、必要に応じてオフガス出口に配置されても配置されなくてもよい。
【0169】
本発明の光塩素化反応器の特定の実施形態を、実施形態42〜45に記述する。本発明の光塩素化反応器は、上記これら特定の実施形態に限定するものではなく、当業者なら特許請求の範囲内で様々な変更又は修正を行うことができることを理解すべきであり、例えば、反応器のサイズ、関連ある反応器の設定を変化させることにより:その中に光源を配置するための透明な管及び温度計ソケットの数をそれに応じて変化させてもよく;材料産業の発達により、反応器シリンダ及びその中に光源を配置するための管に適した新しい透明材料が開発され;その中に光源を配置するための管の位置を変化させるなどが可能である。これらの変化の全ては、本発明の本質的な内容に影響を及ぼすことなく本発明の範囲に属する。