(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置は、前記サービス提供装置から、利用者識別情報の登録を指示する登録指示情報を受信した場合に、受信された登録指示情報によって示される利用者識別情報を前記第6記憶手段に登録する登録手段
を更に備え、
前記第4受信手段は、前記管理者端末から、前記制御装置を識別する装置識別情報と前記利用者識別情報を登録する旨を示す指示情報とを受信し、
前記サービス実行手段は、前記第4受信手段によって受信された装置識別情報によって識別される制御装置へ、前記第4受信手段によって受信された利用者識別情報の登録を指示する登録指示情報を送信する
請求項8に記載のセキュリティ管理システム。
前記サービス実行手段は、前記読取装置が前記利用者識別情報を読み取った場合、当該読取装置によって当該利用者識別情報を読み取らせた利用者を撮影する撮影手段から出力される画像データを、前記ユーザ端末へ送信する
請求項1ないし9のいずれか1項に記載のセキュリティ管理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1や特許文献2に記載のシステムでは、利用者に提供するセキュリティサービスを、利用者毎のニーズに合わせて異ならせることはできなかった。
本発明は上述した背景に鑑みてなされたものであり、利用者に提供するセキュリティサービスを、利用者毎のニーズに合わせて異ならせることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明は、複数の制御装置と、サービス提供装置とを有し、前記制御装置は、施設を利用する利用者を識別する利用者識別情報を読み取る読取装置から出力される利用者識別情報および前記施設の施錠を行う電気錠
が施錠状態および解錠状態のいずれの状態であるかを示す施錠情報を記憶する第1記憶手段と、前記利用者識別情報および
前記施錠情報を、予め定められたタイミングにおいて通信回線を介して前記サービス提供装置へ送信する第1送信手段とを備え、前記サービス提供装置は、前記施設に
対し提供されるセキュリティサービス
を識別する識別情報のリストを記憶する第2記憶手段と、前記利用者識別情報および
前記施錠情報を、通信回線を介して前記制御装置から受信する第1受信手段と、前記受信された利用者識別情報および施錠情報を記憶する第3記憶手段と、通信回線を介して接続されたユーザ端末から、前記施設に関するセキュリティサービスの提供の指示を受信する第2受信手段と、
前記第2記憶手段に記憶された施設の各々について、前記記憶された利用者識別情報および施錠情報に基づいて、
該記憶された施設の各々に対応付けられたリストにより識別されるセキュリティサービスおよび前記受信された指
示に対応する処理を実行し、前記処理に応じた情報を前記ユーザ端末に送信するサービス実行手段とを備えるセキュリティ管理システムを提供する。
【0006】
本発明の好適な態様において、
前記第1受信手段は、前記施設に対し利用者が入室または退室を行った際に前記読取装置により読み取られた利用者識別情報および前記施錠情報を受信し、前記サービス実行手段は、前記
第1受信手段により受信された利用者識別情報および施錠情報に基づいて、前記施設内に居る利用者を特定し、特定した利用者を示す在室者情報を、通信回線を介して接続されたユーザ端末へ送信してもよい。
【0007】
また、本発明は、複数の制御装置と、サービス提供装置とを有し、前記制御装置は、施設を利用する利用者を識別する利用者識別情報を読み取る読取装置から出力される利用者識別情報および前記施設の施錠を行う電気錠が施錠状態および解錠状態のいずれの状態であるかを示す施錠情報を記憶する第1記憶手段と、前記利用者識別情報および前記施錠情報を、予め定められたタイミングにおいて通信回線を介して前記サービス提供装置へ送信する第1送信手段とを備え、前記サービス提供装置は、前記施設に対し提供されるセキュリティサービスを識別する識別情報のリストを記憶する第2記憶手段と、前記利用者識別情報および前記施錠情報を、通信回線を介して前記制御装置から受信する第1受信手段と、前記受信された利用者識別情報および施錠情報を記憶する第3記憶手段と、通信回線を介して接続されたユーザ端末から、前記施設に関するセキュリティサービスの提供の指示を受信する第2受信手段と、前記記憶された利用者識別情報および施錠情報に基づいて、前記リストにより識別されるセキュリティサービスおよび前記受信された指示に対応する処理を実行し、前記処理に応じた情報を前記ユーザ端末に送信するサービス実行手段と、前記電気錠の解錠が許可される時間帯を示す時間帯情報を、前記制御装置毎および/または前記利用者毎に記憶する第4記憶手段
とを備え、前記サービス実行手段は、前記受信された利用者識別情報、前記受信された施錠情報および前記時間帯情報に基づいて、前記電気錠の解錠が許可されていない時間帯に当該電気錠が施錠されていない場合に、通信回線を介して接続されたユーザ端末にその旨を通知してもよい。
【0008】
また、本発明は、複数の制御装置と、サービス提供装置とを有し、前記制御装置は、施設を利用する利用者を識別する利用者識別情報を読み取る読取装置から出力される利用者識別情報および前記施設の施錠を行う電気錠が施錠状態および解錠状態のいずれの状態であるかを示す施錠情報を記憶する第1記憶手段と、前記利用者識別情報および前記施錠情報を、予め定められたタイミングにおいて通信回線を介して前記サービス提供装置へ送信する第1送信手段とを備え、前記サービス提供装置は、前記施設に対し提供されるセキュリティサービスを識別する識別情報のリストを記憶する第2記憶手段と、前記利用者識別情報および前記施錠情報を、通信回線を介して前記制御装置から受信する第1受信手段と、前記受信された利用者識別情報および施錠情報を記憶する第3記憶手段と、通信回線を介して接続されたユーザ端末から、前記施設に関するセキュリティサービスの提供の指示を受信する第2受信手段と、前記記憶された利用者識別情報および施錠情報に基づいて、前記リストにより識別されるセキュリティサービスおよび前記受信された指示に対応する処理を実行し、前記処理に応じた情報を前記ユーザ端末に送信するサービス実行手段とを備え、前記第1受信手段は、前記施設に対し利用者が入室または退室を行った際に前記読取装置により読み取られた利用者識別情報および前記施錠情報を受信し、前記サービス実行手段は、前記
第1受信手段により受信された利用者識別情報および施錠情報に基づいて、前記施設内に居る利用者の人数を特定し、該施設内の利用者の人数がゼロになった場合に、通信回線を介して接続されたユーザ端末にその旨を通知してもよい。
【0009】
また、本発明は、複数の制御装置と、サービス提供装置とを有し、前記制御装置は、施設を利用する利用者を識別する利用者識別情報を読み取る読取装置から出力される利用者識別情報および前記施設の施錠を行う電気錠が施錠状態および解錠状態のいずれの状態であるかを示す施錠情報を記憶する第1記憶手段と、前記利用者識別情報および前記施錠情報を、予め定められたタイミングにおいて通信回線を介して前記サービス提供装置へ送信する第1送信手段とを備え、前記サービス提供装置は、前記施設に対し提供されるセキュリティサービスを識別する識別情報のリストを記憶する第2記憶手段と、前記利用者識別情報および前記施錠情報を、通信回線を介して前記制御装置から受信する第1受信手段と、前記受信された利用者識別情報および施錠情報を記憶する第3記憶手段と、通信回線を介して接続されたユーザ端末から、前記施設に関するセキュリティサービスの提供の指示を受信する第2受信手段と、前記記憶された利用者識別情報および施錠情報に基づいて、前記リストにより識別されるセキュリティサービスおよび前記受信された指示に対応する処理を実行し、前記処理に応じた情報を前記ユーザ端末に送信するサービス実行手段と、時間帯を示す第2時間帯情報を前記制御装置毎および/または前記利用者毎に記憶する第5記憶手段
とを備え、
前記第1受信手段は、前記施設に対し利用者が入室または退室を行った際に前記読取装置により読み取られた利用者識別情報および前記施錠情報を受信し、前記サービス実行手段は、前記
第1受信手段により受信された利用者識別情報、前記受信された施錠情報および前記第2時間帯情報に基づいて、当該第2時間帯情報の示す時間帯に前記電気錠が解錠された場合に、前記施設内に居る利用者および当該解錠を行った利用者の少なくともいずれか一方を特定し、特定した利用者を示す情報を、通信回線を介して接続されたユーザ端末に送信してもよい。
【0010】
また、本発明は、複数の制御装置と、サービス提供装置とを有し、前記制御装置は、施設を利用する利用者を識別する利用者識別情報を読み取る読取装置から出力される利用者識別情報および前記施設の施錠を行う電気錠が施錠状態および解錠状態のいずれの状態であるかを示す施錠情報を記憶する第1記憶手段と、前記利用者識別情報および前記施錠情報を、予め定められたタイミングにおいて通信回線を介して前記サービス提供装置へ送信する第1送信手段とを備え、前記サービス提供装置は、前記施設に対し提供されるセキュリティサービスを識別する識別情報のリストを記憶する第2記憶手段と、前記利用者識別情報および前記施錠情報を、通信回線を介して前記制御装置から受信する第1受信手段と、前記受信された利用者識別情報および施錠情報を記憶する第3記憶手段と、通信回線を介して接続されたユーザ端末から、前記施設に関するセキュリティサービスの提供の指示を受信する第2受信手段と、前記記憶された利用者識別情報および施錠情報に基づいて、前記リストにより識別されるセキュリティサービスおよび前記受信された指示に対応する処理を実行し、前記処理に応じた情報を前記ユーザ端末に送信するサービス実行手段とを備え、前記第1受信手段は、前記施設に対し利用者が入室または退室を行った際に前記読取装置により読み取られた利用者識別情報および前記施錠情報を受信し、前記サービス実行手段は、前記
第1受信手段により受信された利用者識別情報および施錠情報に基づいて、前記利用者が前記施設内に居る時間を示す在室時間情報を、前記利用者毎に算出し、算出した在室時間情報が予め定められた閾値を超える利用者を示す情報を、前記通信回線を介して接続されたユーザ端末に送信してもよい。
【0011】
本発明の好適な態様において、前記サービス提供装置は、管理者によって操作される管理者端末から、前記制御装置を識別する装置識別情報と前記電気錠を解錠する旨の指示とを受信する第3受信手段を更に備え、前記サービス実行手段は、前記第3受信手段によって受信された装置識別情報によって識別される制御装置へ、前記電気錠の解錠を指示する解錠指示情報を送信し、前記制御装置は、前記サービス提供装置から前記解錠指示情報を受信した場合に、受信された解錠指示情報に基づいて前記電気錠を解錠するための制御情報を、前記電気錠に送信する第2送信手段を更に備えてもよい。
【0012】
本発明の好適な態様において、前記制御装置は、前記施設を利用可能な利用者の利用者識別情報を記憶する第6記憶手段と、前記読取装置から出力される利用者識別情報を前記第6記憶手段に記憶されている利用者識別情報と照合し、照合された場合に、解錠を指示する制御情報を前記電気錠に送信する第3送信手段と、前記サービス提供装置から、利用者識別情報の削除を指示する削除指示情報を受信した場合に、受信された削除指示情報によって示される利用者識別情報を前記第6記憶手段から削除する削除手段とを更に備え、前記サービス提供装置は、管理者によって操作される管理者端末から、前記制御装置を識別する装置識別情報と前記利用者識別情報を削除する旨を示す指示情報とを受信する第4受信手段を更に備え、前記サービス実行手段は、前記第4受信手段によって受信された装置識別情報によって識別される制御装置へ、前記第4受信手段によって受信された利用者識別情報の削除を指示する削除指示情報を送信してもよい。
【0013】
本発明の好適な態様において、前記制御装置は、前記サービス提供装置から、利用者識別情報の登録を指示する登録指示情報を受信した場合に、受信された登録指示情報によって示される利用者識別情報を前記第6記憶手段に登録する登録手段を更に備え、前記第4受信手段は、前記管理者端末から、前記制御装置を識別する装置識別情報と前記利用者識別情報を登録する旨を示す指示情報とを受信し、前記サービス実行手段は、前記第4受信手段によって受信された装置識別情報によって識別される制御装置へ、前記第4受信手段によって受信された利用者識別情報の登録を指示する登録指示情報を送信してもよい。
【0014】
本発明の好適な態様において、前記サービス実行手段は、前記読取装置が前記利用者識別情報を読み取った場合、当該読取装置によって当該利用者識別情報を読み取らせた利用者を撮影する撮影手段から出力される画像データを、前記ユーザ端末へ送信してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、利用者に提供するセキュリティサービスを、利用者毎のニーズに合わせて異ならせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.構成
図1は、本実施形態に係るシステム1の全体構成を示す図である。システム1は、施設40A、40Bおよび40Cの利用に関するセキュリティを管理するシステムである。システム1は、サービス提供装置10と、管理者端末20と、ユーザ端末30A、30Bおよび30Cと、制御装置50と、読取装置60A、60Bおよび60Cと、CAN70A、70Bおよび70Cと、アダプタ80A、80Bおよび80Cと、電気錠90A、90Bおよび90Cとを備える。サービス提供装置10は、各種のセキュリティサービスを提供する装置である。このサービスは、いわゆるクラウドサービスであってもよい。管理者端末20は、本実施形態に係るセキュリティサービスの管理者によって操作される端末である。ユーザ端末30A、30Bおよび30Cは、セキュリティサービスの利用者によって操作される端末である。なお、以下の説明では、ユーザ端末30A、30Bおよび30Cを区別する必要がない場合には、これらを総称して「ユーザ端末30」という。
【0018】
施設40A、40Bおよび40Cは、利用者によって利用される施設である。施設40A、40Bおよび40Cにはそれぞれ、制御装置50と、読取装置60A、60Bおよび60Cと、CAN70A、70Bおよび70Cと、アダプタ80A、80Bおよび80Cと、電気錠90A、90Bおよび90Cとが設けられている。制御装置50は、施設40に設置され、サービス提供装置10から提供されるセキュリティサービスに関する制御を行う。特に、制御装置50は、電気錠90A、90Bおよび90Cの施錠および解錠を制御する。サービス提供装置10、管理者端末20、ユーザ端末30および制御装置50は、インターネットなどの通信回線2を介して接続される。読取装置60A、60Bおよび60Cは、利用者を識別するIDが埋め込まれたタグ(例えばRFタグやICタグ、など)やIDが埋め込まれたカードからIDを接触または非接触により読み取る。読取装置60A、60Bおよび60Cは、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)リーダやバーコードリーダなどのリーダである。この実施形態では、施設40の利用者は、電気錠90を施錠および解錠するためのICカード3を予め有している。利用者は、自身が所有するICカード3を読取装置60で読み取らせることによって、電気錠90A、90Bおよび90Cを施錠および解錠する。読取装置60A、60Bおよび60Cを区別する必要がない場合には、これらを総称して「読取装置60」という。
【0019】
読取装置60Aは、CAN70Aおよびアダプタ80Aを介して電気錠90Aと接続されている。読取装置60Bは、CAN70Bおよびアダプタ80Bを介して電気錠90Bと接続されている。読取装置60Cは、CAN70Cおよびアダプタ80Cを介して電気錠90Cと接続されている。CAN70A、70Bおよび70Cは、CAN(Controller Area Network)に準拠したデータ転送を機器間で行う装置である。アダプタ80A、80Bおよび80Cは、CAN70A、70Bおよび70Cから出力されるデータを予め定められた形式の信号として電気錠90A、90Bおよび90Cに供給する。この信号により、電気錠90A、90Bおよび90Cの施錠および解錠が行われる。CAN70A、70Bおよび70Cを区別する必要がない場合には、これらを総称して「CAN70」という。アダプタ80A、80Bおよび80Cを区別する必要がない場合には、これらを総称して「アダプタ80」という。
【0020】
施設40には、施設40を利用する利用者が施設40から退出するまたは利用者が施設40に入るための扉(図示略)が複数設けられている。扉には、電気錠90A、90Bおよび90Cが設けられている。電気錠90A、90Bおよび90Cにより扉の施錠および解錠が行われる。なお、以下の説明では、電気錠90A、90Bおよび90Cを区別する必要がない場合には、これらを総称して「電気錠90」という。
【0021】
図2は、サービス提供装置10および制御装置50の機能構成を示す図である。制御装置50は、第1記憶手段51、第1送信手段52、第2送信手段53、第6記憶手段54、第3送信手段55、削除手段56および登録手段57を有する。第1記憶手段51は、施設40を利用する利用者を識別する利用者識別情報を読み取る読取装置60から出力される利用者識別情報および施設40の施錠および解錠を行う電気錠90から出力される施錠情報を記憶する。第1送信手段52は、読取装置60から出力された利用者識別情報および電気錠90から出力された施錠情報を、予め定められたタイミングにおいて通信回線2を介してサービス提供装置10に送信する。
【0022】
第2送信手段53は、電気錠90の解錠を指示する解錠指示情報をサービス提供装置10から受信した場合に、受信された解錠指示情報に基づいて電気錠90を解錠するための制御情報を、電気錠90に送信する。
【0023】
第6記憶手段54は、施設40を利用可能な利用者の利用者識別情報を記憶する。第3送信手段55は、読取装置60から出力される利用者識別情報を第6記憶手段54に記憶されている利用者識別情報と照合し、照合に成功した場合に、解錠を指示する指示情報を電気錠90に送信する。削除手段56は、サービス提供装置10から、利用者識別情報の削除を指示する削除指示情報を受信した場合に、受信された削除指示情報によって示される利用者識別情報を第6記憶手段54から削除する。登録手段57は、サービス提供装置10から、利用者識別情報の登録を指示する登録指示情報を受信した場合に、受信された登録指示情報によって示される利用者識別情報を第6記憶手段54に登録する。
【0024】
サービス提供装置10は、第2記憶手段11、第1受信手段12、第3記憶手段13、第2受信手段14、サービス実行手段15、第4記憶手段16、第5記憶手段17、第3受信手段18、第4受信手段19および第7記憶手段21を有する。第2記憶手段11は、施設40に関するセキュリティサービスの提供に関する設定情報を記憶する。第1受信手段12は、制御装置50から利用者識別情報および施錠情報を受信する。第3記憶手段13は、受信された利用者識別情報および施錠情報を記憶する。第2受信手段14は、施設40に関するセキュリティサービスの提供の指示を、ユーザ端末30から受信する。サービス実行手段15は、第3記憶手段13に記憶された利用者識別情報および施錠情報に基づいて、第2記憶手段11に記憶された設定情報および第2受信手段14によって受信された指示の少なくともいずれか一方に対応する処理を実行し、実行した処理に応じた情報をユーザ端末30に送信する。
【0025】
第4記憶手段16は、電気錠の解錠が許可される時間帯を示す時間帯情報を、制御装置50ごとに記憶する。第5記憶手段17は、時間帯を示す第2時間帯情報を制御装置50ごとに記憶する。
【0026】
第3受信手段18は、管理者端末20から、制御装置50を識別する装置識別情報と、電気錠90を解錠する旨の指示とを受信する。第4受信手段19は、制御装置50を識別する装置識別情報と、利用者識別情報を削除または登録する旨を指示する指示情報とを受信する。第7記憶手段21は、制御装置50を識別する装置識別情報と、施設の平面図を表す平面図情報とを対応付けて記憶する。
【0027】
図3は、サービス提供装置10のハードウェア構成を例示する図である。サービス提供装置10は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、ストレージ104と、通信IF105とを有するコンピュータ装置である。CPU101は、サービス提供装置10の各部を制御する制御装置(プロセッサ)である。ROM102は、プログラムおよびデータを記憶する不揮発性の記憶装置である。RAM103は、CPU101がプログラムを実行する際の作業領域として機能する揮発性の主記憶装置である。ストレージ104は、プログラムおよびデータを記憶する不揮発性の補助記憶装置である。ストレージ104は、サービス管理テーブル106と、ユーザ管理テーブル107とを記憶する。サービス管理テーブル106は、施設40に提供されるセキュリティサービスに関する管理に用いられるテーブルである。ユーザ管理テーブル107は、利用者(ユーザ)の管理に用いられるテーブルである。通信IF105は、通信回線2を介した通信を行うためのインターフェースであり、この例では特に、通信回線2を介して管理者端末20、ユーザ端末30および制御装置50と通信を行うためのインターフェースである。
【0028】
この例で、ストレージ104(またはROM102)に記憶されているプログラムをCPU101が実行することにより、
図2に示される機能が実装される。ストレージ104は、第2記憶手段11、第3記憶手段13、第4記憶手段16、第5記憶手段17および第7記憶手段21の一例である。上記プログラムを実行しているCPU101、またはCPU101および通信IF105は、第1受信手段12、第2受信手段14、サービス実行手段15、第3受信手段18および第4受信手段19の一例である。
【0029】
図4は、制御装置50のハードウェア構成を例示する図である。制御装置50は、CPU501と、ROM502と、RAM503と、ストレージ504と、第1通信IF505と、第2通信IF506と、撮影部507とを有するコンピュータ装置である。CPU501は、制御装置50の各部を制御する制御装置(プロセッサ)である。ROM502は、プログラムおよびデータを記憶する不揮発性の記憶装置である。RAM503は、CPU501がプログラムを実行する際の作業領域として機能する揮発性の主記憶装置である。ストレージ504は、プログラムおよびデータを記憶する不揮発性の補助記憶装置である。ストレージ504は、利用者IDリスト508を記憶する。利用者IDリスト508は、施設40の利用が許可されている利用者の利用者IDのリストである。第1通信IF505は、通信回線2を介した通信を行うためのインターフェースであり、この例では特に、通信回線2を介してサービス提供装置10と通信を行うためのインターフェースである。第2通信IF506は、読取装置60と通信を行うためのインターフェースである。撮影部507は、画像を撮影する撮影手段である。撮影部507は、読取装置60にICカード3を読み取らせる利用者を撮影する位置に設けられており、撮影した画像(静止画像および/または動画像)を表す画像データを出力する。
【0030】
この例で、ストレージ504(またはROM502)に記憶されているプログラムをCPU501が実行することにより、
図2に示される機能が実装される。上記プログラムを実行しているCPU501、またはCPU501およびストレージ504は、第1記憶手段51の一例である。上記プログラムを実行しているCPU501、またはCPU501および第1通信IF505は、第1送信手段52および削除手段56の一例である。上記プログラムを実行しているCPU501、または、CPU501、第1通信IF505および第2通信IF506は、第2送信手段53の一例である。上記プログラムを実行しているCPU501、またはCPU501およびCPU501および第2通信IF506は、第3送信手段55の一例である。ストレージ504は、第6記憶手段の一例である。
【0031】
なお、管理者端末20およびユーザ端末30のハードウェア構成についての詳細な説明は省くが、管理者端末20およびユーザ端末30は、CPU、ROM、RAM、ストレージおよび通信インターフェースを有するコンピュータ装置である。
【0032】
2.動作
次に、システム1の動作について説明する。サービス提供装置10は、複数のセキュリティサービスを提供する。この例で、サービス提供装置10が提供するセキュリティサービスとしては、「在室者管理・平面図表示サービス」、「異常通知サービス」、「時間外入室通知サービス」、「残業時間通知サービス」、「遠隔インターフォンサービス」、「利用者IDの登録・抹消サービス」および「ICカードの仮発行サービス」がある。「在室者管理・平面図表示サービス」は、施設40の利用者の在室状況や平面図を利用者に通知するサービスである。「異常通知サービス」は、施設40への入室が禁止されている時間帯に電気錠90が解錠された場合など、施設40において異常が発生した場合に、その旨を通知するサービスである。「時間外入室通知サービス」は、予め定められた時間外に施設40への入室があった場合に、その旨を通知するサービスである。「残業時間通知サービス」は、施設40を利用する利用者の残業時間を集計し、管理者および/または利用者に通知するサービスである。「遠隔インターフォンサービス」は、遠隔操作によって電気錠90の施錠および解錠を行うサービスである。「利用者IDの登録・抹消サービス」は、施設40を利用可能な利用者の利用者IDの登録や抹消を行うサービスである。「ICカードの仮発行サービス」は、利用者がICカード3を所持し忘れた場合、他のICカード、または他の照合媒体を一時的に利用可能な状態とするサービスである。
【0033】
施設40の管理者は、サービス提供装置10が提供する複数のサービスの中から、施設40において利用したいサービスを選択し、契約する。契約内容は、サービス提供装置10のストレージ104のサービス管理テーブル106に登録される。
【0034】
図5は、サービス管理テーブル106の一例を示す図である。サービス管理テーブル106には、「施設ID」と、「制御装置ID」と、「平面図データ」と、「利用者IDリスト」と、「サービスIDリスト」と、「在室者リスト」と、「入室禁止時間帯」と、「アラート時間帯」との各項目が互いに関連付けて記憶される。これらの項目のうち、「施設ID」の項目には、施設40を識別する識別情報である施設IDが格納される。「制御装置ID」の項目には、施設40に設置された制御装置50を識別する識別情報である制御装置IDが格納される。「平面図データ」の項目には、セキュリティサービスが利用される施設40の平面図を示すデータが格納される。「利用者IDリスト」の項目には、施設40を利用する利用者を識別する利用者IDのリストが格納される。
【0035】
「サービスIDリスト」の項目には、施設40において利用されるセキュリティサービスを識別するサービスIDのリストが格納される。このリストは、施設40の管理者が選択し、契約したサービスのリストである。
【0036】
「在室者リスト」の項目には、施設40に在室している利用者の利用者IDのリストが格納される。「入室禁止時間帯」の項目には、各施設40において入室が禁止されている時間帯を示す禁止時間帯情報が格納される。「アラート時間帯」の項目には、各施設40において入室があった場合にアラートを行う時間帯を示すアラート時間帯情報が格納される。
【0037】
「利用者IDリスト」、「サービスIDリスト」、「入室禁止時間帯」および「アラート時間帯」の各項目に格納される情報は、施設40の管理者の要求に基づいて予め登録される情報である。一方、「在室者リスト」の項目に格納される情報は、制御装置50から通知される情報である。
【0038】
制御装置50のCPU501は、読取装置60Aから受信される情報に基づいて、施設40に在室している利用者をリアルタイムで管理し、在室している利用者の利用者IDのリストを自装置のストレージ504に利用者IDリスト508として保持する。CPU501は、定期的に(予め定められたタイミングにおいて)、保持している利用者IDリストをサービス提供装置10へ送信する。サービス提供装置10のCPU101は、制御装置50から受信される利用者IDリストに基づいて、サービス管理テーブル106の「在室者リスト」を更新する。すなわち、サービス管理テーブル106の「在室者リスト」は定期的に更新され、ほぼリアルタイムの情報が格納される。
【0039】
また、制御装置50のCPU501は、電気錠90の施錠や解錠がなされたり、利用者が入室または退出する毎に、その旨をサービス提供装置10に通知する。この通知には、電気錠90の施錠または解錠を行った利用者や、入室または退室を行った利用者の利用者ID、アダプタ80(または電気錠90)を識別するIDなどが含まれる。この場合、例えば、アダプタ80が電気錠90の種類や施解錠状態などを認識し、CAN通信で認識した情報を読取装置60に送信してもよい。
【0040】
さて、サービス提供装置10のCPU101は、サービス管理テーブル106に登録されている「サービスIDリスト」の記憶内容に基づいて各種のサービスを提供する。以下、各サービスについて順に説明する。
【0041】
2−1.在室者管理・平面図表示サービス
図6は、サービス提供装置10が提供する在室者管理・平面図表示サービスの動作を示すシーケンス図である。まず、施設40の利用者(例えば、施設40の管理者)は、ユーザ端末30を用いて、在室者と平面図の表示を行うための操作を行う。ステップS101において、ユーザ端末30のCPUは、ユーザ端末30の操作部から出力される情報に基づいて、在室者と平面図の表示のリクエストをサービス提供装置10へ送信する。このリクエストには、施設ID、制御装置IDまたは利用者IDが含まれる。
【0042】
サービス提供装置10は、ユーザ端末30からリクエストを受信すると、受信されたリクエストに応じた処理を実行する。この例で、サービス提供装置10のCPU101は、受信されたリクエストに含まれる識別情報(施設ID、制御装置IDまたは利用者ID)に対応する在室者リストと平面図データとを、サービス管理テーブル106から読み出す。ステップS102において、CPU101は、読み出した在室者リストと平面図データとを、受信されたリクエストに対するレスポンスとしてユーザ端末30へ送信する。
【0043】
ステップS103において、ユーザ端末30は、サービス提供装置10から受信されるレスポンスに基づいて自装置の表示部に表示を行う。この例で、ユーザ端末30のCPUは、受信されたレスポンスに含まれる平面図データの示す平面図を表示部に表示させるとともに、在室者リストの示す内容を表示部に表示する。
【0044】
図7は、ユーザ端末30の表示部に表示される画面の一例を示す図である。ユーザ端末30の表示部には、施設40の平面図が表示されるとともに、施設40に在室している利用者のリストが表示される。
なお、ユーザ端末30のCPUは、在室者を単にリスト表示するだけでなく、電気錠90の入退室記録からユーザの居るエリアを特定し、各エリアに何人いるかわかるように表示してもよい。例えば、エリア内に人型のアイコンが配置されて表示されてもよい。より具体的には、例えば、フロア毎に電気錠90が設けられている場合は、ユーザ端末30のCPUは、1Fに3人、2Fに5人のアイコンを表示してもよい。また、他の例として、例えば、部屋毎に電気錠90が設けられている場合は、ユーザ端末30のCPUは、部屋Aに1人、部屋Bに3人のアイコンを表示してもよい。
【0045】
2−2.異常通知サービス
次いで、異常通知サービスの動作について説明する。上述したように、制御装置50のCPU501は、電気錠90の施錠や解錠がなされたり、施設40へ利用者が入室したり退出したりする毎に、その旨をサービス提供装置10に通知する。この通知には、電気錠90の施錠または解錠を行った利用者や、入室または退室した利用者の利用者IDが含まれる。サービス提供装置10のCPU101は、制御装置50から電気錠90の解錠または利用者の入室が通知されると、通知された時刻が、サービス管理テーブル106においてその施設に対応する「入室禁止時間帯」に格納されている禁止時間帯情報の示す時間帯に含まれるか否か、および/または、ユーザ管理テーブル107においてその利用者に対応する「入室禁止時間帯」に格納されている禁止時間帯情報の示す時間帯に含まれているか否かを判定する。解錠が通知された時刻が入室禁止時間帯に含まれていると判定された場合は、CPU101は、電気錠90のIDと、入出した利用者の利用者IDとを含む情報を施設40の管理者が所有するユーザ端末30に通知する。
【0046】
また、サービス提供装置10のCPU101は、入室が禁止されている時間帯であるにも係わらず施錠がなされていない場合や、制御装置50において異常が検知された場合(例えば、電気錠90が不正に解錠された場合)などにおいても、制御装置50から送信されてくる情報に基づいて、異常が発生したと判定する。異常が発生したと判定された場合は、CPU101は、電気錠90のIDを含む情報を施設40の管理者が所有するユーザ端末30に通知する。
【0047】
また、このサービスにおいて、解錠が通知された時刻が入室禁止時間帯に含まれていると判定された場合、解錠を行った利用者を撮影した画像を、サービス提供装置10が記録したり通知したりしてもよい。この場合、制御装置50のCPU501は、電気錠90の施錠や解錠がなされたり、施設40へ利用者が入室したり退出したりする毎に、撮影部507から出力される画像データをサービス提供装置10へ送信する。サービス提供装置10のCPU101は、解錠が通知された時刻が入室禁止時間帯に含まれていると判定された場合、制御装置50から受信される画像データを、履歴として自装置のストレージ104に蓄積したり、ユーザ端末30に通知したりする。
【0048】
2−3.時間外入室通知サービス
次いで、時間外入室通知サービスについて説明する。サービス提供装置10のCPU101は、制御装置50から電気錠90の解錠または利用者の入室が通知されると、通知された時刻が、サービス管理テーブル106においてその施設に対応する「アラート時間帯」に格納されているアラート時間帯情報の示す時間帯に含まれているか否か、および/または、ユーザ管理テーブル107においてその利用者に対応する「アラート時間帯」に格納されているアラート時間帯情報の示す時間帯に含まれているか否かを判定する。解錠が通知された時刻がアラート時間帯に含まれていると判定された場合は、CPU101は、電気錠90のIDを含む情報を、施設40の管理者が所有するユーザ端末30に通知する。なお、この通知に、アラート時間帯の開始時刻からどの程度経過しているか(例えば、5分、1時間、など)を示す情報が含まれてもよい。
【0049】
また、このサービスにおいて、解錠が通知された時刻がアラート時間帯に含まれていると判定された場合、解錠を行った利用者を撮影した画像を、サービス提供装置10が記録したり通知したりしてもよい。この場合、制御装置50のCPU501は、電気錠90の施錠や解錠がなされたり、施設40へ利用者が入室したり退出したりする毎に、撮影部507から出力される画像データをサービス提供装置10へ送信する。サービス提供装置10のCPU101は、解錠が通知された時刻がアラート時間帯に含まれていると判定された場合、制御装置50から受信される画像データを、履歴として自装置のストレージ104に蓄積したり、ユーザ端末30に通知したりする。
【0050】
2−4.残業時間通知サービス
次いで、残業時間通知サービスについて説明する。上述したように、制御装置50は、電気錠90が施錠または解錠されたり、施設40への入室または退室がなされたりする毎に、その旨をサービス提供装置10に通知する。この通知には、電気錠90を施錠または解錠した利用者や、入室または退出した利用者の利用者IDが含まれる。サービス提供装置10のCPU101は、制御装置50から通知を受信すると、受信された通知に基づいてユーザ管理テーブル107の記憶内容を更新する。
【0051】
図8は、ユーザ管理テーブル107の内容の一例を示す図である。ユーザ管理テーブル107には、「利用者ID」と、「入室禁止時間帯」と、「アラート時間帯」と、「入退出情報」と、「在室時間」と、「閾値」と、「顔写真データ」と、「仮発行用認証データ」と、「仮発行用カードデータ」と、「フラグ」との各項目が互いに関連付けて記憶されている。これらの項目のうち、「利用者ID」の項目には、利用者を識別する識別情報である利用者IDが格納される。この利用者IDは、ICカード3に記憶されている。「入室禁止時間帯」の項目には、利用者毎に入室が禁止されている時間帯が設定されている場合のその利用者の入室禁止時間帯を示す禁止時間帯情報が格納される。「アラート時間帯」の項目には、その利用者が入室した場合にアラートを行う時間帯を示すアラート時間帯情報が格納される。
【0052】
「入退出情報」の項目には、利用者が施設40に入室した時刻や、施設40から退出した時刻を示す情報が蓄積される。「在室時間」の項目には、予め定められた単位期間における在室時間のトータルを示す情報が格納される。「閾値」の項目には、予め定められた閾値が格納される。この閾値は、施設40の管理者によって予め設定される。
【0053】
「顔写真データ」の項目には、その利用者の顔を撮影した画像データ(以下「顔写真データ」という)が格納される。「仮発行用認証データ」の項目には、後述するICカードの仮発行処理を行う際に、認証用に用いられる認証データが格納される。「仮発行用カードデータ」の項目には、後述するICカードの仮発行処理で一時的に利用可能となるICカードに記憶されているデータ(以下「仮カードデータ」という)が格納される。仮カードデータは、利用者が一時的に用いるICカード(以下「仮カード」という)として予め登録されている。なお、仮カードデータは予め登録されている必要はない。仮カードデータが予め登録されていない場合、読取装置60で照合できる媒体があれば、ユーザの本人確認がとれた時点で、その媒体のデータが仮カードデータとして登録される構成であってもよい。「フラグ」の項目には、仮カードを利用可能であるか否かを示すフラグが格納されている。格納されているフラグの値が「ON」である場合、仮カードは利用可能である。フラグの値が「OFF」である場合、仮カードは利用できない。通常の状態では、このフラグには「OFF」が設定されている。後述する仮カード発行サービスが利用された場合、このフラグの値は一時的に「ON」となる。
【0054】
サービス提供装置10のCPU101は、予め定められたタイミング(例えば、一日に1回、1週間に1回、など)において、ユーザ管理テーブル107に記憶された利用者毎の入退出情報から、在室時間を利用者毎に算出し、算出した在室時間をユーザ管理テーブル107に記憶する。また、CPU101は、予め定められたタイミングにおいて、ユーザ管理テーブル107に記憶された利用者毎の在室時間と閾値とを比較し、比較結果が予め定められた条件を満たす場合(例えば、在室時間が閾値を超える場合)に、その旨を施設40の管理者が所有するユーザ端末30に通知する。また、CPU101は、ユーザ管理テーブル107に基づいて各利用者の勤怠管理用の一覧を作成して出力してもよい。
【0055】
2−5.遠隔インターフォンサービス
図9は、サービス提供装置10が提供する遠隔インターフォンサービスの動作の流れを示すシーケンス図である。このサービスは、例えば、施設40の利用者がICカード3を忘れてしまった場合などに利用される。まず、施設40の利用者は、ユーザ端末30を用いて、遠隔インターフォンサービスを利用するための操作を行う。ステップS201において、ユーザ端末30のCPUは、操作部から出力される情報に基づいて、遠隔インターフォンサービスの利用要求をサービス提供装置10に送信する。
【0056】
サービス提供装置10のCPU101は、ユーザ端末30から利用要求を受信する。ステップS202において、CPU101は、遠隔インターフォンサービスの利用要求を、管理者端末20に送信する。
【0057】
管理者端末20は、サービス提供装置10から利用要求を受信する。ステップS203において、管理者端末20のCPUは、受信された利用要求に基づいてユーザ端末30との間でVoIPなどを用いた音声通信やテレビ電話通信を行う。この通信において、管理者端末20の利用者(すなわちサービスの提供者)は、ユーザ端末30の利用者(すなわちサービスの利用者)に対して照合情報(例えば、誕生日、電話番号など)の確認を行い、その利用者が正規の利用者であるかを検証する。管理者端末20の利用者は、ユーザ端末30の利用者が正規の利用者であると判断した場合は、電気錠90の解錠を指示するための操作を管理者端末20の操作部を用いて行う。一方、管理者端末20の利用者は、ユーザ端末30の利用者が正規の利用者でないと判断した場合は、電気錠90の解錠を指示するための操作を行わない。
図9に示す例では、ユーザ端末30の利用者が正規の利用者であると判断された場合の動作の流れが図示されている。
【0058】
ステップS204において、管理者端末20のCPUは、操作部から出力される情報に基づいて、電気錠90の解錠を指示するリクエストを、サービス提供装置10に送信する。サービス提供装置10は、管理者端末20からリクエストを受信する。ステップS205において、サービス提供装置10のCPU101は、電気錠90の解錠を指示するリクエストを制御装置50に送信する。
【0059】
このとき、CPU101は、1周期内にサービス提供装置10に対して複数のリクエストがあった場合、サービス提供装置10に複数のリクエストがたまるため、これら複数のリクエストを加工してもよい。例えば、CPU101は、これらのリクエストを緊急度の高い順に並び替えてもよく、また、リクエストが重複している場合(例えば、或るユーザAが電気錠90Aの解錠を要求した1分後にユーザBが同じ電気錠90Aの解錠を要求した場合、など)、重複しているリクエストを1つに纏めてもよい。
【0060】
制御装置50は、サービス提供装置10からリクエストを受信すると、ステップS206において、受信したリクエストに従って、電気錠90に解錠を指示する情報を送信する。電気錠90は、制御装置50から送信されてくる情報に基づいて解錠される。
【0061】
2−6.利用者IDの登録・抹消サービス
次いで、利用者IDの登録・抹消サービスについて説明する。このサービスは、施設40の利用者を追加したい場合や、利用のためのICカードを紛失してしまったためにICカードの登録を抹消したい場合などに用いられる。施設40の利用者(例えば、施設40の管理者)は、登録または抹消したい利用者IDをサービスの提供者に依頼する。サービスの提供者は、管理者端末20を用いて、登録または抹消したい利用者IDを含む登録または抹消のリクエストをサービス提供装置10に送信する。利用者IDを登録する場合には、このリクエストには利用される施設40を識別する施設IDが含まれる。
【0062】
サービス提供装置10のCPU101は、管理者端末20からリクエストを受信すると、受信したリクエストに基づいて、利用者IDの登録または抹消処理を行う。具体的には、利用者IDの登録を行う場合には、CPU101は、サービス管理テーブル106の、リクエストに含まれる施設IDに対応する利用者IDリストの項目に記憶されている利用者IDのリストに、受信されたリクエストに含まれる利用者IDを追加する。また、利用者IDの抹消を行う場合には、CPU101は、サービス管理テーブル106から、受信されたリクエストに含まれる利用者IDを削除する。
【0063】
2−7.ICカードの仮発行サービス
図10は、サービス提供装置10が提供するICカードの仮発行サービスの動作の流れの一例を示すシーケンス図である。このサービスは、例えば、施設40の利用者がICカード3を忘れてしまった場合などに利用される。まず、施設40の利用者は、ユーザ端末30を用いて、仮発行サービスを利用するための操作を行う。ステップS301において、ユーザ端末30のCPUは、操作部から出力される情報に基づいて、仮発行サービスの利用要求をサービス提供装置10に送信する。
【0064】
サービス提供装置10のCPU101は、ユーザ端末30から利用要求を受信する。ステップS302において、CPU101は、仮発行サービスの利用要求を、管理者端末20に送信する。
【0065】
管理者端末20は、サービス提供装置10から利用要求を受信する。ステップS303において、管理者端末20のCPUは、受信された利用要求に基づいてユーザ端末30との間でVoIPなどを用いた音声通信やテレビ電話通信を行う。この通信において、管理者端末20の利用者(すなわちサービスの提供者)は、ユーザ端末30の利用者(すなわちサービスの利用者)に対して照合情報(例えば、誕生日、電話番号など)の確認を行い、その利用者が正規の利用者であるかを検証する。管理者端末20の利用者は、ユーザ端末30の利用者が正規の利用者であると判断した場合は、仮のICカードを発行するための操作を管理者端末20の操作部を用いて行う。一方、管理者端末20の利用者は、ユーザ端末30の利用者が正規の利用者でないと判断した場合は、仮のICカードを発行するための操作を行わない。
図10に示す例では、ユーザ端末30の利用者が正規の利用者であると判断された場合の動作の流れが図示されている。
【0066】
ステップS304において、管理者端末20のCPUは、操作部から出力される情報に基づいて、仮のICカードの発行を指示するリクエストをサービス提供装置10に送信する。サービス提供装置10は、管理者端末20からリクエストを受信する。ステップS305において、サービス提供装置10のCPU101は、ユーザ管理テーブル107のフラグの値を「ON」に変更する。なお、CPU101は、フラグの値を「ON」にしたタイミングにおいてタイマを発行し、タイマが切れたタイミングで、このフラグの値を「OFF」に変更する。
【0067】
フラグが「ON」になることにより、ユーザ管理テーブル107に登録されている仮カードが一時的に利用可能となる。利用者は、予め登録した仮カードを読取装置60に読み取らせることによって電気錠90の解錠を行う。ステップS306において、制御装置50のCPU501は、読取装置60から供給されるデータをサービス提供装置10に送信する。ステップS307において、サービス提供装置10のCPU101は、制御装置50から受信されたデータをユーザ管理テーブル107に登録されているデータと照合し、読み取られたデータが仮カードデータとして登録されており、かつ、その仮カードデータに対応するフラグの値が「ON」である場合に、解錠を許可すると判定し、その旨を示すデータを制御装置50へ送信する(ステップS308)。この場合、制御装置50は、受信されたデータに基づいて電気錠90に解錠を指示する情報を送信する。一方、読取装置60によって読み取られたデータが仮カードデータとしてユーザ管理テーブル107に登録されていない場合、または、その仮カードデータに対応するフラグの値が「OFF」である場合、CPU101は、解錠を許可しないと判定し、その旨を示すデータを制御装置50へ送信する。この場合、制御装置50は、受信されたデータに基づき、電気錠90に解錠を指示する情報を送信しない。
【0068】
図11は、サービス提供装置10が提供するICカードの仮発行サービスの他の動作の流れの一例を示すシーケンス図である。
図11に示す動作が
図10に示す動作と異なる点は、ステップS301ないしステップS304の処理に代えて、ステップS401およびステップS402の処理が行われる点である。この動作例では、施設40の利用者は、ユーザ端末30の操作部を用いて、仮発行サービスを利用するための操作を行う。このとき、利用者は、ユーザ端末30の操作部を用いて仮発行を行うための認証データ(パスワードなど)を入力する。ステップS401において、ユーザ端末30のCPUは、操作部から出力される情報に基づいて、入力された認証データを含む、仮発行サービスの利用要求をサービス提供装置10に送信する。
【0069】
サービス提供装置10のCPU101は、ユーザ端末30から利用要求を受信する。ステップS402において、CPU101は、受信された利用要求に含まれる認証データをユーザ管理テーブル107に格納されている仮発行用認証データと照合し、仮発行を行うか否かを判定する。照合に成功した場合、仮カードの利用が許可され、CPU101はステップS305以降の処理に進む。一方、照合に失敗した場合、仮カードの利用は許可されず、CPU101はステップS305以降の処理を行わない。
【0070】
また、仮カードデータはユーザ管理テーブル107に予め登録されていなくてもよい。仮カードデータがユーザ管理テーブル107に予め登録されていない場合、例えば、CPU101が、ステップS306において制御装置50から送信されてくる、読取装置60によって読み取られた仮カードデータを、ユーザ管理テーブル107に登録するようにしてもよい。
【0071】
また、CPU101は、ユーザ管理テーブル107に登録された仮カードデータを、登録してから予め定められた期間が経過したタイミングでテーブルから削除してもよい。
【0072】
ところで、上述の実施形態では、サービス提供装置10を利用者の施設40内に設置するのではなく、施設40内には制御装置50を設置し、インターネットなどの通信回線2を介して接続されたサービス提供装置10が各種のセキュリティサービスを提供する。このように、この実施形態では、利用者の環境(施設40)にサーバ(サービス提供装置10)を設置する必要がないため、サーバの故障の心配がなくなり、定期的なメンテナンスも必要ない。これにより、メンテナンスなどに係る費用が削減される。
【0073】
また、この実施形態では、利用者の環境にサーバを設置しないため、サーバのハードディスク容量を或る程度充分に確保することができる。そのため、入退室の履歴などのバックアップのサービスも提供することができる。
【0074】
3.変形例
上述した実施形態は、本発明の一例である。これらの実施形態は、以下のように変形してもよい。また、以下の変形例は、互いに組み合わせてもよい。
【0075】
3−1.変形例1
上述の実施形態では、「在室者管理・平面図表示サービス」において、
図7に示した画面がユーザ端末30の表示部に表示される場合を例示したが、このサービスにおいてユーザ端末30の表示部に表示される画面は、
図7に示したものに限られない。例えば、ユーザ端末30の表示部に、施設40に在室している利用者の顔写真のリストが表示されてもよい。
【0076】
この場合、利用者が電気錠90を解錠するために読取装置60にICカード3を読み取らせる操作を行うと、撮影部507により、読取装置60にICカード3を読み取らせる操作を行った利用者が撮影される。制御装置50のCPU501は、撮影部507から出力される画像データをサービス管理テーブル106の在室者リストに登録する。すなわち、この例では、電気錠90を解錠する操作が行われる毎に、解錠する操作を行った利用者が撮影され、撮影された利用者の画像データがサービス管理テーブル106の在室者リストに蓄積される。
【0077】
サービス提供装置10のCPU101は、ユーザ端末30から在室者と平面図の表示のリクエストを受信すると、受信されたリクエストに含まれる識別情報(施設ID、制御装置IDまたは利用者ID)に対応する在室者の画像データのリストと平面図データとを、サービス管理テーブル106から読み出す。また、CPU101は、在室者の顔写真データをユーザ管理テーブル107から読み出す。CPU101は、読み出した画像データのリストと、平面図データと、顔写真データとを、ユーザ端末30へ送信する。ユーザ端末30のCPUは、サービス提供装置10から受信される画像データのリスト、顔写真データおよび平面図データに基づいて表示部に表示を行う。
【0078】
図12は、ユーザ端末30の表示部に表示される画面の一例を示す図である。この例では、ユーザ端末30の表示部には、施設40の平面図が表示されるとともに、施設40に在室している利用者の顔写真のリストが表示される。また、各利用者が電気錠90を解錠した際に撮影された画像データが、顔写真に対応付けて表示される。施設40の管理者は、ユーザ端末30表示部を確認することにより、施設40の在室者を把握することができる。
【0079】
この態様において、CPU101が、解錠時に撮影部507によって撮影された画像データとユーザ管理テーブル107に予め登録されていた顔写真データとを照合し、両者の一致度が予め定められた閾値以下である場合、その旨を通知するデータをユーザ端末30へ送信してもよい。この場合、施設40の管理者は、その通知を確認することにより、施設40において不正な入室がなされた可能性があることを把握することができる。
【0080】
3−2.変形例2
上述の実施形態に係るシステム1は、サービス提供装置10と、管理者端末20と、ユーザ端末30A、30Bおよび30Cとを備えていた。サービス提供装置10、管理者端末20およびユーザ端末30の台数はシステム1で示した台数に限られない。
【0081】
3−3.変形例3
上述の実施形態に係る施設40には、制御装置50と、読取装置60A、60Bおよび60Cと、CAN70A、70Bおよび70Cと、アダプタ80A、80Bおよび80Cと、電気錠90A、90Bおよび90Cとを備えていた。制御装置50、読取装置60、CAN70、アダプタ80および電気錠90の数は上述した数に限られない。
【0082】
3−4.変形例4
上述の実施形態では、制御装置50とサービス提供装置10とが、インターネットなどの通信回線2を介して接続された。制御装置50が設置されている施設40内にサービス提供装置10が設置され、サービス提供装置10と制御装置50とがLANや専用回線で接続されてもよい。また、サービスの利用者が、サービス提供装置10を自身の施設内に設置するか、通信回線2を介して接続して利用するか、を選択できるようにしてもよい。
【0083】
3−5.変形例5
上述の実施形態では、利用者がICカード3を読取装置60に読み取らせることによって利用者IDが入力された。利用者IDの入力方法はこれに限られない。例えば、利用者が操作パネルを操作することによって利用者IDを入力してもよい。また、例えば、読取装置60にバーコードリーダを設ける構成とし、利用者に割り当てられたバーコードを読み取ることによって利用者IDが入力されてもよい。また、例えば、利用者がICカード3を読取装置60に読み取らせるとともに、操作パネルを操作して利用者IDと入力する、といったように、複数の入力方法が組み合わされて用いられてもよい。また、例えば、読取装置60が指紋認証機能等の生体(バイオ)認証機能を備え、制御装置50のCPU501が、ストレージ504に記憶された生体データ(指紋データなど)と利用者IDとの対応関係を参照することによって、利用者を認証して利用者IDを特定してもよい。別の例で、読取装置60が、利用者IDを示す信号を出力するタグを遠隔から読み取ってもよい。この場合、タグは、電磁波等により、利用者IDを示す信号を出力している。タグを読取装置60にかざす等の行為が行われなくても、読取装置60は、タグから利用者IDを読み取ることができる。
【0084】
3−6.変形例6
上述の実施形態において、サービス提供装置10のCPU101および制御装置50のCPU501により実行されるプログラムは、インターネットなどの通信回線を介してダウンロードされてもよい。また、このプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。