特許第6312596号(P6312596)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6312596固体発光デバイス及びランプのためのフォトルミネセンス波長変換コンポーネント
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6312596
(24)【登録日】2018年3月30日
(45)【発行日】2018年4月18日
(54)【発明の名称】固体発光デバイス及びランプのためのフォトルミネセンス波長変換コンポーネント
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/58 20100101AFI20180409BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20180409BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20180409BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20180409BHJP
【FI】
   H01L33/58
   H01L33/50
   F21S8/02 400
   G02B5/02 B
【請求項の数】10
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2014-535907(P2014-535907)
(86)(22)【出願日】2012年10月12日
(65)【公表番号】特表2014-535167(P2014-535167A)
(43)【公表日】2014年12月25日
(86)【国際出願番号】US2012059892
(87)【国際公開番号】WO2013056009
(87)【国際公開日】20130418
【審査請求日】2015年10月5日
(31)【優先権主張番号】13/273,215
(32)【優先日】2011年10月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/273,212
(32)【優先日】2011年10月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/273,217
(32)【優先日】2011年10月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506358764
【氏名又は名称】インテマティックス・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTEMATIX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100136858
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100179903
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】ダイ ビーン
(72)【発明者】
【氏名】ユエン シアーンローン
(72)【発明者】
【氏名】ワーン ガーン
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ エドワーズ
【審査官】 村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−129661(JP,A)
【文献】 特開2009−272634(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/005300(WO,A1)
【文献】 米国特許第06653765(US,B1)
【文献】 国際公開第2010/038097(WO,A1)
【文献】 特表2009−524914(JP,A)
【文献】 特表2012−521066(JP,A)
【文献】 特開2009−16779(JP,A)
【文献】 特開2000−31547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光デバイスであって、
青色励起光を生成するように動作可能な少なくとも1つの固体発光体と、
波長変換コンポーネントであって、
前記青色励起光によって励起されることが可能な少なくとも1つのフォトルミネセンス材料の粒子を含み、前記青色励起光によって励起されることが可能な波長変換層と、
光散乱材料の粒子を含む光拡散層であって、前記光散乱材料は、前記光散乱材料が、前記少なくとも1つのフォトルミネセンス材料によって生成される光を散乱するよりも青色励起光を比較的多く散乱する平均粒径を有する、光拡散層と、
を有する波長変換コンポーネントと、
を備え、
前記波長変換コンポーネントは、前記少なくとも1つの固体発光体に対して遠隔に配置されており、
前記光散乱材料は100nm〜150nmの平均粒径を有し
前記光拡散層は、外的発生源からの光子が前記少なくとも1つのフォトルミネセンス材料と相互作用する可能性低減され、それによって前記発光デバイスのオフ状態の白色の外観を改善するように、前記外的発生源からの光子と前記波長変換層との間に配置されていることを特徴とする発光デバイス。
【請求項2】
前記波長変換層と前記光拡散層とが互いに直接接触している、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記波長変換層が第2の光散乱材料をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
バインダに対する前記光散乱材料の重量分率が、7%〜35%及び10%〜20%からなる群から選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記光散乱材料が、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、及び酸化アルミニウムからなる群から選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記光散乱材料が、前記少なくとも1つのフォトルミネセンス材料によって生成される光の少なくとも2倍、前記励起光を散乱させる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記波長変換コンポーネントは平坦な形状を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記波長変換コンポーネントはドーム形の形状を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記波長変換コンポーネントは細長いドーム形の形状を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記光散乱材料が、出射軸から±60°の範囲にかけての出射角度について前記発光デバイスから放出される光が実質的に均一の色を得るように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔配置されたフォトルミネセンス波長変換コンポーネントを使用して所望の光の色を生成する固体発光デバイス及びランプに関する。
【背景技術】
【0002】
白色光放出LED(「白色LED」)は公知であり、比較的最近の技術革新である。電磁スペクトル中の青色/紫外線部分において発光するLEDが開発されるまでは、LEDに基づく白色光源の開発は実際的ではなかった。例えば米国特許第5,998,925号に教示されているように、白色LEDは、LEDが放出した放射線の一部を吸収して異なる色(波長)の光を再び放出する1つ以上のフォトルミネセンス材料(例えば蛍光体材料)を含む。典型的には、LEDチップ又はダイは青色光を生成し、蛍光体はその青色光の一部(百分率)を吸収して、黄色光又は、緑色と赤色、緑色と黄色、緑色と橙色若しくは黄色と赤色の組み合わせを再び放出する。LEDによって生成された青色光の部分のうち、蛍光体が放出した光と組み合わされ、蛍光体材料によって吸収されなかった部分は、目にほぼ白色に見える光を提供する。あるいは、LEDチップ又はダイは、紫外(UV)光を生成し得、この場合、蛍光体は紫外線を吸収し、人の目に白色に見える、フォトルミネセンス光の異なる色の組み合わせとして再び放出する。
【0003】
それらの長い稼動寿命(>50,000時間)及び高い発光効率(1ワット当たり70ルーメン以上)のために、従来の蛍光、コンパクト蛍光及び白熱灯の光源の代わりに高輝度の白色LEDがますます使用されるようになっている。
【0004】
典型的には、蛍光体材料をシリコーン又はエポキシ材料のような光透過性材料と混合し、その混合物をLEDダイの発光表面に適用する。また、LEDダイに遠隔に配置された蛍光体波長変換コンポーネント(「遠隔蛍光体」LEDデバイス)である光学コンポーネントの上に蛍光体材料を層として提供するか、又はその内部に蛍光体材料を組み入れることも公知である。
【0005】
遠隔蛍光体デバイスに伴う1つの問題は、それがオフの状態のときに白色に見えないことである。LEDデバイスがオンの状態の間は、LEDチップ又はダイは青色光を生成し、蛍光体がその青色光の一部分(百分率)を吸収して、黄色光又は、緑色と赤色、緑色と黄色、緑色と橙色若しくは黄色と赤色の組み合わせを再び発光する。LEDによって生成された青色光のうち、蛍光体が放出した光と組み合わされ、蛍光体材料によって吸収されなかった部分は、人の目にほぼ白色に見える光を提供する。しかし、遠隔蛍光体デバイスがそのオフ状態にあると、オン状態であればLEDによって放出されるであろう青色光が欠如するために、デバイスは黄色、黄色−橙色、又は橙色の見た目になる。店舗の棚ではデバイスはオフの状態にあるので、見た目に白色の光を求めている、そのようなデバイスの潜在消費者又は購買者は、市場におけるそのようなデバイスの黄色、黄色−橙色、又は橙色の見た目によって混乱させられる。これは潜在購買者にとって失望させられること又は望ましくないことであり得るので、対象顧客への販売を失う原因となり得る。
【0006】
遠隔蛍光体デバイスに伴うもう1つの問題は、出射角度に伴う発光色の変化であり得る。具体的には、異なる角度から見られたときにそのようなデバイスは知覚的に不均一な色をもたらす場合がある。そのような視覚的に区別できる色の違いは、多くの商業用途において、特にLED照明デバイスをしばしば使用する高級照明において、許容されない。
【0007】
蛍光体材料の使用に伴うまた別の問題は、それらが比較的費用のかかるものであることであり、したがって、蛍光体に基づくLEDデバイスの生産コストの大きい部分をそれらが占めていることである。非遠隔蛍光体デバイスでは、LED照明の蛍光体材料は、通常、シリコーン又はエポキシ材料のような光透過性の材料と混合され、その混合物が直接、LEDダイの発光表面に適用される。これは、LEDダイ上に直接配置された蛍光体材料の比較的小さい層を結果的にもたらすが、それでもなお生産コストがかかる理由として、かなり高い蛍光体材料コストが挙げられる。遠隔蛍光体デバイスは、典型的には、非遠隔蛍光体デバイスと比較してはるかに大きい蛍光体材料の層を使用する。そのより大きいサイズのために、そのような遠隔蛍光体LEDデバイスを製造するには、はるかに多くの量の蛍光体が通常必要とされる。結果として、そのような遠隔蛍光体LEDデバイスのために必要とされるより多くの量の蛍光体材料を提供するために、それに対応してコストもまた高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、先行技術の方法で必要とされている大量のフォトルミネセンス材料(例えば、蛍光体材料)を必要とせずにデバイスに所望される色特性を維持するLED照明装置を具現化する改善された方法が必要とされている。加えて、出射角度に伴う発光色の知覚的なばらつきに対処し、かつまた、オフ状態の間のLED照明装置の白色でない外観にも対処する、LED照明装置を具現化する改善された方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、励起放射線(典型的には青色光)を生成するように動作可能な、典型的にはLEDである、1つ以上の固体光源と、励起放射線の少なくとも一部分を異なる波長の光に変換するように動作可能な1つ以上の励起可能なフォトルミネセンス材料(例えば蛍光体材料)を包含する遠隔波長変換コンポーネントと、を備える発光デバイス及びランプに関する。青色光放射線源を使用するとき、デバイスの発光産物は、その光源及び波長変換コンポーネントによって生成された光の組み合わせを含み、典型的には、見た目に白色であるように構成される。UV源を使用するとき、波長変換コンポーネントは、青色波長変換コンポーネントと黄色波長変換コンポーネントとを含むことができ、これらのコンポーネントの出力が組み合わされて、発光産物が形成される。波長変換コンポーネントは、励起可能なフォトルミネセンス材料(例えば蛍光体)の粒子を含む波長変換層と、光回折物質(二酸化チタンなど)の粒子を含む光拡散層とを有する、ポリマー又はガラスのような光透過性の基板を備える。本発明のいくつかの実施形態にしたがって、波長変換層及び光拡散層は互いに直接接触しており、かつ好ましくは、スクリーン印刷又はスロットダイコーティングによって堆積される。本明細書で使用するとき、「直接接触」は、介在する層又は空隙がないことを意味する。
【0010】
この方法の1つの利益は、光回折材料の適切な粒径及び単位面積当たりの濃度を選択することによって、LEDデバイスがそのオフ状態にあるときの白色の外観における改善が得られることである。もう1つの利益は、発射軸から±60°の出射角度範囲にかけてLEDデバイスから放出される光の色の均一性の改善である。更に、光拡散層は、光を波長変換層に戻すことによって、光子がフォトルミネセンス光の生成につながる可能性を増すので、光回折材料の適切な粒径及び単位面積当たりの濃度を有する光拡散層の使用は、選択された発光色を生成するために必要とされる蛍光体材料の量を実質的に減少させることができる。したがって、波長変換層と直接接触する拡散層を含めることで、所与の色の発光産物を生成するために必要とされる蛍光体材料の量を、例えば最高40%低減することができる。一実施形態では、光回折材料の粒径は、そのソースによって生成される励起放射線が、1つ以上の蛍光体材料によって生成される光よりも多く散乱されるように選択される。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によると、発光デバイスのための波長変換コンポーネントは、少なくとも1つのフォトルミネセンス材料と、光散乱材料とを含み、この光散乱材料は、少なくとも1つのフォトルミネセンス材料によって生成される光を光散乱材料が散乱するよりも光散乱材料が放射線源からの励起光を比較的多く散乱するように選択された平均粒径を有する。好ましくは、励起光は青色光を含む。あるいは、励起光は、紫外光を含み得る。好ましくは、光散乱材料は、少なくとも1つのフォトルミネセンス材料によって生成される光の少なくとも2倍の励起光を散乱させる。励起光が青色光を含む場合、光散乱材料は、有利には、約150nm未満の平均粒径を有する。
【0012】
光散乱材料は、有利には、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、又は酸化アルミニウムを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフォトルミネセンス材料は波長変換層に配置され、光散乱材料は拡散層に配置される。好ましくは、波長変換層と光拡散層は互いに直接接触して、層間の光の損失を最小限にする。
【0014】
典型的には、波長変換層は、少なくとも1つの蛍光体材料と光透過性バインダの混合物を含み、光拡散層は、光散乱材料と光透過性バインダの混合物を含む。光の損失を最小限にするために、両方の層に同じ光透過性材料が使用される。光透過性バインダは、ポリマー樹脂、モノマー樹脂、アクリルポリマー、エポキシ、シリコーン、又はフッ化ポリマーのような硬化性液体ポリマーを含み得る。波長変換層及び光拡散層は、スクリーン印刷、スロットダイコーティング、スピンコーティング、ローラーコーティング、ドローダウンコーティング、及びドクターブレーディングからなる群から選択される方法を使用して堆積される。
【0015】
出射角度に伴う発光色のばらつきを低減するために、バインダへの光回折材料の重量分率は、7%〜35%の範囲であり、より好ましくは10%〜20%の範囲である。
【0016】
いくつかの実施形態では、波長変換層及び光拡散層は実質的に平坦である。他の実施形態では、波長変換層及び/又は光拡散層は、三次元形であり得、ドーム形又は細長いドーム形を含み得る。また更なる実施形態において、光拡散層は中空の三次元形を含み、波長変換層は、ドーム形又は細長いドーム形の下に形成された容積を満たしている。
【0017】
フォトルミネセンス材料の使用量を減少するために、少なくとも1つのフォトルミネセンス材料及び光散乱材料の両方を波長変換層に配置する。
【0018】
光散乱材料は、有利には、1μm〜50μmの範囲、好ましくは10μm〜20μmの範囲の平均粒径を有する。
【0019】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフォトルミネセンス材料は、光透過性基板上に堆積される。他の実施形態において、少なくとも1つのフォトルミネセンス材料は、光透過性基板に組み込まれ、基板の容積全体に均一に分布され得る。光透過性基板は、ポリカーボネート又はアクリル材料のようなポリマー、若しくはガラス材料を含み得る。
【0020】
本発明の別の実施形態によると、励起光を生成するように動作可能な少なくとも1つの固体発光体と、少なくとも1つのフォトルミネセンス材料と、光散乱材料とを含む発光デバイスにおいて、光散乱材料は、少なくとも1つのフォトルミネセンス材料によって生成される光を光散乱材料が散乱させるよりも放射線源からの励起光を光散乱材料が比較的多く散乱させるように選択された平均粒径を有する。
【0021】
好ましい実施形態において、光散乱材料の平均粒径は、発光デバイスのオフ状態の白色の外観を改善するように選択される。代替的に、及び/又は追加的に、光散乱材料の平均粒径は、発射軸から±60°の範囲の出射角度にかけて発光デバイスから放出される光が実質的に均一の色で得られるように選択され得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、バインダへの光散乱材料の重量分率は、7%〜35%の範囲であり、好ましくは10%〜20%の範囲である。
【0023】
励起光が青色光を含む場合、光散乱材料は、有利には、少なくとも1つのフォトルミネセンス材料によって生成される光の少なくとも2倍の青色光をそれが散乱させるように選択される。そのようなデバイスにおいて典型的には、光散乱材料は約150nm未満の平均粒径を有する。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態によると、少なくとも1つの発光固体放射線源を含む発光デバイスのための波長変換コンポーネントは、少なくとも1つのフォトルミネセンス材料の粒子を含む波長変換層と、光回折材料の粒子を含む光拡散層とを有する光透過性基板を含み、それらの層は互いに直接接触している。好ましくは、波長変換層は、少なくとも1つの蛍光体材料と光透過性バインダとの混合物を含み、一方、光拡散層は、光回折材料と光透過性バインダとの混合物を含む。それらの層のインターフェイスでの光の損失を最小限にするために、それらの層は同じ透過性バインダを含むことが好ましい。バインダは、ポリマー樹脂、モノマー樹脂、アクリルポリマー、エポキシ、シリコーン、又はフッ化ポリマーのような、硬化性液体ポリマーを含み得る。バインダは好ましくはUV硬化性又は熱硬化性である。
【0025】
出射角度に伴う発光色のばらつきを低減するために、バインダへの光回折材料の重量分率は、7%〜35%の範囲であり、より好ましくは10%〜20%の範囲である。波長変換層及び光拡散層はスクリーン印刷によって堆積されるのが好ましいが、それらは、スピンコーティング又はドクターブレーディングのような他の堆積手法を用いて堆積されてもよい。光拡散性材料は二酸化チタン(TiO)を含むのが好ましいが、それは、硫酸バリウム(BaSO)、酸化マグネシウム(MgO)、二酸化ケイ素(SiO)、又は酸化アルミニウム(Al)のような他の材料を含んでもよい。
【0026】
1つの構成では、光回折材料は、1μm〜50μmの範囲の、より好ましくは10μm〜20μmの範囲の平均粒径を有する。他の構成においては、光回折材料は、それらの粒子が、少なくとも1つのフォトルミネセンス材料によって生成される光を散乱させるよりも比較的多くの励起放射線を散乱させるように選択される。例えば、青色放射線源では、光回折粒子の粒径は、それらの粒子が、少なくとも1つの蛍光体材料によって生成される光を散乱させるよりも、それらの粒子が、少なくとも比較的に2倍の青色光を散乱させるように選択され得る。そのような光拡散層は、波長変換層から放出される青色光のより多くの部分が光回折材料によって散乱され、波長変換層に戻るように方向付けられて、光子が蛍光体材料粒子と相互作用し、フォトルミネセンス光の生成をもたらす可能性を確実に増す。同時に、蛍光体が生成した光は散乱される可能性がより低くなり、拡散層を通過することができる。拡散層は青色光子が蛍光体材料粒子と相互作用する可能性を増すので、選択された発光色を生成するために使用される蛍光体材料の減少が可能となる。そのような構成は、波長変換コンポーネント/デバイスの発光効率もまた増すことができる。励起放射線が青色光を含む場合、好ましくは、光回折材料は約150nm未満の平均粒径を有する。励起放射線がUV光を含むとき、光回折材料は約100nm未満の平均粒径を有し得る。
【0027】
光透過性基板は、可視光(380nm〜740nm)に対して実質的に透過性である任意の材料を含むことができ、典型的には、ポリカーボネート又はアクリルのようなポリマー材料を含む。あるいは、基板はガラスを含み得る。
【0028】
蛍光体材料によって生成される波長の光よりもLEDによって生成される波長に相当する光を優先的に散乱する光回折粒子で構成された光拡散層を有する波長変換コンポーネントの概念は、それ自体が発明とみなされる。本発明の更なる態様によると、少なくとも1つの青色光発光固体光源を含む発光デバイスのための波長変換コンポーネントは、少なくとも1つの蛍光体材料の粒子を含む波長層と、光回折材料の粒子を含む光拡散層とを含み、光回折粒子の粒径は、それらの粒子が少なくとも1つの蛍光体材料によって生成される光を散乱するよりも比較的多くの励起放射線を散乱するように選択される。
【0029】
デバイスによって生成される光のCRI(演色評価数)を増すために、デバイスは、赤色光を生成するように動作可能な少なくとも1つの固体光源を更に含み得る。
【0030】
本発明の更なる実施形態によると、発光デバイスのための波長変換コンポーネントは、光散乱材料の粒子を含む光拡散層において、光拡散層が内部容積を画定する内面を有する形を有する光拡散層と、その内部容積の内部に少なくとも1つのフォトルミネセンス材料の粒子を含む波長変換層とを含む。このコンポーネントは、有利には、ドーム形又は細長いドーム形を備える。
【0031】
いくつかの実施形態では、波長変換層は、光拡散層の形の内部容積を実質的に満たす。あるいは、波長変換層は、光拡散層と同じ形を備える。
【0032】
本発明の他の実施形態と同じように、この波長変換層も、少なくとも1つの蛍光体材料と光透過性バインダとの混合物を含み、この光拡散層も、光散乱材料と、同じ光透過性バインダとの混合物を含む。
【0033】
フォトルミネセンス材料の使用量を低減するために、波長変換層は、第2の光散乱材料を更に含み得る。光散乱材料と第2の光散乱材料は、異なる材料特性を有し得る。あるいは、それらの2つの材料は同じ材料を含み得る。
【0034】
光透過性バインダは、ポリマー樹脂、モノマー樹脂、又はアクリルポリマー、エポキシ、シリコーン、又はフッ化ポリマーのような硬化性液体ポリマーを含み得る。
【0035】
バインダへの光散乱材料の重量分率は、7%〜35%の範囲であり、好ましくは10%〜20%の範囲である。
【0036】
光散乱材料は、好ましくは1μm〜50μmの範囲を有し、有利には、10μm〜20μmの範囲の平均粒径を有する。
【0037】
光拡散層は、真空成形又は射出成形プロセスのような成形プロセスを使用して成形され得る。波長変換層は、成形プロセスを用いて拡散層上に成形されてもよく、又は、バインダ材料とともに蛍光体材料を光拡散層の内部容積に堆積することによって成形されてもよい。
【0038】
光散乱材料は、好ましくは、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、又は酸化アルミニウムを含む。好ましくは、光散乱材料は、少なくとも1つのフォトルミネセンス材料によって生成される光を光散乱材料が散乱させるよりも比較的多くの励起光を光散乱材料が散乱させるように選択された平均粒径を有する。好ましい実施形態では、光散乱材料は、少なくとも1つのフォトルミネセンス材料によって生成される光の少なくとも2倍の励起光を散乱させる。励起光が青色光を含む場合、光散乱材料は、好ましくは、約150nm未満の平均粒径を有する。あるいは、励起光が紫外光を含む場合、光散乱材料は、好ましくは、約100nm未満の平均粒径を有する。
【0039】
本発明の他の実施形態によると、発光デバイスは励起光を生成するように動作可能な少なくとも1つの固体発光体と、光散乱材料の粒子を含む光拡散層において、光拡散層が内部容積を画定する内面を有する形を有する光拡散層と、その内部容積内に、励起光によって励起可能な少なくとも1つのフォトルミネセンス材料の粒子を含む波長変換層と、を備えている。
【0040】
光拡散層内の光散乱材料は、有利には、発光デバイスのオフ状態の白色の外観を改善する平均粒径に相当する。
【0041】
本発明の態様、物体及び利点の更なる詳細を、以下の詳細な説明、図、及び請求項に記載する。前述の概要及び以下の詳細な説明は、いずれも例示的かつ説明的なものであり、本発明の範囲を限定する意図のものではない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明をよりよく理解するために、例示としてのみ、同様の参照番号が同様の部品を表すために使われている添付の図面を参照して、本発明によるLEDに基づく発光デバイス及び蛍光体波長変換コンポーネントを説明する。
図1】本発明の実施形態による固体発光デバイスの一部が切り取られた概略図及び部分図を示す。
図2】本発明の実施形態による蛍光体波長変換コンポーネントの概略図である。
図3】本発明の別の実施形態による蛍光体波長変換コンポーネントの概略図である。
図4】光回折材料を重量分率0%、7%、12%、16%、23%、及び35%で含む蛍光体波長変換コンポーネントに関する、図1のデバイスについての発射角に対する発光色の変化のプロットを示す。
図5図1のデバイスについての、発射角θ=60°での発光色の変化に対する発光効率(正規化)のプロットである。
図6】光回折材料を0%、10%、15%、及び20%の異なる重量分率で含む波長変換コンポーネントに関する、本発明による暖白色(約2727℃(3000K))固体発光デバイスについての、発射角に対する発光色の変化のプロットを示す。
図7】光回折材料を0%、10%、15%、及び20%の異なる重量分率で含む波長変換コンポーネントに関する、暖白色発光デバイスについての、θ=60°の発射角での発光色の変化に対する発光効率(正規化)のプロットを示す。
図8】光回折材料を0%、10%、15%、及び20%の重量分率で含む波長変換コンポーネントに関する、暖白色発光デバイスについての、発射角θ=0°、15°、30°、45°及び60°での発光色を示す、1931 CIE(国際照明委員会)の色度図ある。
図9】本発明の別の実施形態による高CRI固体発光デバイスの一部が切り取られた概略図及び部分図を示す。
図10】赤色光、緑色光、及び青色光に関する、光回折粒子の粒径(nm)に対する相対光散乱率のプロットを示す。
図11】既知の発光デバイスの動作原理を図示する概略図である。
図12】本発明の実施形態による、蛍光体粒子と混ざり合った散乱粒子を有する発光デバイスの動作原理を図示する概略図である。
図13】異なる重量充填百分率の光反射材料に対する、本発明によるLEDに基づく発光デバイスについての、色度CIE xに対する光度のプロットである。
図14】本発明の実施形態による、波長変換層及び拡散層の双方の内部に散乱粒子を有する発光デバイスを示す概略図である。
図15】それぞれ、いくつかの実施形態による波長変換コンポーネントの適用例を示す斜視図及び断面図である。
図16】それぞれ、いくつかの実施形態による波長変換コンポーネントの適用例を示す斜視図及び断面図である。
図17】ドーム形の外郭として形成された拡散層を有する発光デバイスを示す概略図であり、波長変換層は、本発明の実施形態にしたがって、そのドーム形の拡散層の内表面上に内側層を形成している。
図18】ドーム形の外郭として形成された拡散層を有する発光デバイスを示す概略図であり、波長変換層は、本発明の実施形態にしたがって、そのドーム形の拡散層の内表面によって形成された内部容積を実質的に満たしている。
図19】ドーム形の外郭として形成された拡散層を有する発光デバイスを示す概略図であり、波長変換層は、本発明の実施形態にしたがって、そのドーム形の拡散層の内表面によって形成された内部容積を実質的に満たす散乱粒子を有する。
図20A】いくつかの実施形態による波長変換コンポーネントの適用例を示す。
図20B】いくつかの実施形態による波長変換コンポーネントの適用例を示す。
図20C】いくつかの実施形態による波長変換コンポーネントの適用例を示す。
図21A】いくつかの実施形態による波長変換コンポーネントの別の適用例を示す。
図21B】いくつかの実施形態による波長変換コンポーネントの別の適用例を示す。
図21C】いくつかの実施形態による波長変換コンポーネントの別の適用例を示す。
図22】いくつかの実施形態による波長変換コンポーネントの別の適用例を示す。
図23A】いくつかの実施形態による波長変換コンポーネントの別の適用例を示す。
図23B】いくつかの実施形態による波長変換コンポーネントの別の適用例を示す。
図24】いくつかの実施形態による波長変換コンポーネントの別の適用例の斜視図示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明のいくつかの実施形態は、青色光励起性の蛍光体材料又はUV励起性の蛍光体材料のようなフォトルミネセンス材料(例えば蛍光体材料)の粒子を含有する波長変換コンポーネントを励起するために使用される励起光(典型的には青色又はUV)を発生するように動作可能な、典型的にはLEDである1つ以上の固体発光体を備える発光デバイスを目的とする。追加的に、波長変換コンポーネントは、光回折材料(本明細書では「光散乱材料」とも呼ばれる)の粒子を含む光拡散層を備える。この構成の1つの利益は、光回折材料の単位面積当たりの適切な粒径及び粒子濃度を選択することによって、発射軸から±60°の範囲にかけての発射角で実質上均一な発光色を有するデバイスを作製することが可能なことである。更に、光拡散層の使用は、選択された発光色を生成するために必要とされる蛍光体材料の量を実質的に低減することができる。加えて、光拡散層は、オフ状態にある発光デバイスの白色の外観を有意に改善し得る。
【0044】
例示のみを目的とし、具体的に蛍光体材料として具現化されるフォトルミネセンス材料に関して、以下に説明する。しかし、本発明は、蛍光体材料又は量子ドットのいずれかのような任意のタイプのフォトルミネセンス材料に適用され得る。量子ドットは、特定の波長又は波長範囲の光を放出するように放射エネルギーによって励起され得る、3つの全ての空間次元において拘束されている励起子を有する物質(例えば半導体)の一部である。加えて、以下の説明は、特に青色光源として具現化される放射線源に関する説明である。しかし、本発明は、青色光源及びUV光源を含む任意のタイプの放射線源に適用可能である。
【0045】
ここで、デバイスの一部が切り取られた概略図及び部分図を示す図1を参照して、本発明の実施形態による固体発光デバイス10を説明する。デバイス10は、約2727℃(3000K)のCCT(相関色温度)及び約1000ルーメンの光束を有する暖白色光を発生するように構成されている。
【0046】
デバイス10は、円盤形ベース14と、中空の円筒壁部分16と、取り外し可能な環状上部18とで構成されている中空の円筒体12を備えている。熱の放散を助けるために、ベース14は、好ましくは、アルミニウム、アルミニウム合金、又は、例えば銅、マグネシウム合金、若しくは金属が負荷されたプラスチック材料のような、高い熱伝導性(好ましくは≧200Wm−1−1)を有する任意の材料で製作される。低コストの生産のために、壁16及び上部18は、好ましくは、HDPP(高密度ポリプロピレン)、ナイロン、又はPMA(ポリメチルアクリレート)のような熱可塑性材料で製作される。あるいは、それらは、アルミニウム又はアルミニウム合金のような熱伝導性材料で製作されてもよい。図1に示すように、ベース14は、ねじ又はボルト20によって、若しくは他の締結具によって、又は接着剤を手段として、壁部分16に取り付けられ得る。図1に更に示すように、上部18は、周方向に延在するつめ22が上部18において対応する環状溝と係合するバヨネット型式の装着を用いて壁部分16に取り外し可能に装着され得る。
【0047】
デバイス10は、更に、円形のMCPCB(金属コアプリント基板)26と熱連通するように装着された複数(例示では4つ)の青色光発光LED 24(青色LED)を備えている。この青色LED 24は、カリフォルニア州FremontのIntematix Corporationからのセラミックデバイス上の4.8W Cetus(商標)C1109チップを備えることができ、それぞれのデバイスは、12個の0.4W GaN系(ガリウム窒化物系)が3×4列の長方形の配列として構成されている青色LEDチップのセラミックパッケージアレイを備える。各青色LED 24は、400nm〜480nm(典型的には450nm〜470nm)の波長範囲でλのピーク波長を有する青色光28を発生するように動作可能である。周知のように、MCPCBは、望ましい回路構成において電気コンポーネントを電気的に接続するために、典型的にはアルミニウムである金属コアベースと、熱伝導性/電気的絶縁性の層と、銅回路層とで構成されている層状構造を含む。MCPCB 26は、例えば、酸化ベリリウム又は窒化アルミニウムを含有する標準ヒートシンク化合物を含有する接着剤のような熱伝導性の化合物の助けによって、ベース14と熱連通するように装着される。図1に示すように、MCPCBはねじ又はボルト30を用いてベースに取り付けることができる。
【0048】
光の放出を最大限にするために、デバイス10は、更に、MCPCB 26の面と上部18の湾曲した内面をそれぞれ覆う光反射面32、34を更に備え得る。典型的には、光反射面32、34は、米国イリノイ州NilesのA.L.P.lighting Components,IncからのWhiteOptics(商標)「White 97」(高密度ポリエチレン繊維系の合成フィルム)のような、高度に光反射性のシート材を備え得る。図1に示すように、この材料の円盤32を使用して、MCPCBの面を覆うことができ、円筒スリーブ34として構成された光反射性材料をハウジングに挿入し、ハウジングの壁部分16の内面を覆うことができるように構成する。
【0049】
デバイス10は、更に、蛍光体波長変換コンポーネント36を備えており、このコンポーネントは、LED 24が発した青色光28(λ)の一部分を吸収し、フォトルミネセンス36のプロセスによってそれを異なる波長(λ)の光38に変換するように動作可能である。デバイス10の発光産物40は、LED 24及び蛍光体波長変換コンポーネント36によって生成される波長λ、λが組み合わされた光を含む。波長変換コンポーネントは、LED 24に対して遠隔に配置され、通常、少なくとも1cmの距離dにかけてLEDから空間的に分離されている。本特許では、「遠隔に」及び「遠隔」は、離間された又は分離された関係を意味する。波長変換コンポーネント36は、ランプによって放出される光の全てがコンポーネント36を通過するように、ハウジング12開口部を完全に覆うように構成される。図のように、波長変換コンポーネント36は、ランプのコンポーネント及び発光色を容易に変えることができるように、上部18を用いて壁部分16の上に取り外し可能に装着され得る。
【0050】
図2に示すように、波長変換コンポーネント36は、順に、光透過性基板42と、光回折粒子を含有する光拡散層44と、1つ以上のフォトルミネセンス(例えば蛍光体)材料を含有する波長変換層46と、を備えている。図2に示すように、波長変換コンポーネント36は、動作中に波長変換層46がLEDに面するように構成される。
【0051】
光透過性基板42は、波長範囲380nm〜740nmの光に対して実質的に透過性の任意の材料でよく、ポリカーボネート又はアクリルポリマー、若しくはボロシリケートガラスのようなガラスなどの光透過性ポリマーを含み得る。図1のランプ10では、基板42は、直径φ=62mm、典型的に0.5mm〜3mmの厚さtの平坦な円盤を備える。他の実施形態では、基板は、例えばドーム形又は円筒形のような形状の凹面又は凸面などの他の外形を備え得る。
【0052】
拡散層44は、好ましくは二酸化チタン(TiO)である光回折材料の粒子の均一な厚さの層を備える。代替的な構成では、光回折材料は、硫酸バリウム(BaSO)、酸化マグネシウム(MgO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、又はできるだけ高い反射率の、典型的には反射率0.9以上の粉末材料を含み得る。懸濁液を生成するために光回折材料粉末を光透過性液体バインダ材料と既知の割合で完全に混合し、得られた混合物を、好ましくはスクリーン印刷によって、基板42の面上に堆積して、基板の前面を覆う(典型的には10μm〜75μmの)厚さtの均一な層を形成する。光拡散層44における単位面積当たりの光拡散材料の量は、典型的には、10μg.cm−2〜5mg.cm−2の範囲内である。
【0053】
光回折拡散層44の堆積のために好ましい方法はスクリーン印刷であるが、例えばスロットダイコーティング、スピンコーティング、ローラーコーティング、ドローダウンコーティング、又はドクターブレーディングのような他の手法を用いて堆積してもよい。バインダ材料は、ポリマー樹脂、モノマー樹脂、又はアクリル、エポキシ(ポリエポキシド)、シリコーン、若しくはフッ化ポリマーのような硬化性液体ポリマーを含み得る。硬化した状態でのバインダ材料が、蛍光体材料及びLED 24によって生成された光の全ての波長に対して実質的に透過性であること、及び可視スペクトル(380nm〜800nm)にわたって好ましくは少なくとも0.9の透過率を有することは、重要である。バインダ材料はUV硬化性であることが好ましいが、熱硬化性のもの、溶剤に基づくもの、又はそれらの組み合わせであってもよい。UV硬化性又は熱硬化性のバインダは、溶剤に基づく材料と異なり重合中に「脱ガス」しないので、好ましい場合がある。1つの構成では、光回折材料の平均粒径は5μm〜15μmの範囲であるが、以下に説明するように、ナノメートル(nm)範囲であってもよく、有利には、100nm〜150nmである。液体バインダへの光回折材料の重量分率は、典型的には7%〜35%の範囲である。
【0054】
波長変換層46は、いかなる介在層も空隙も介さずに直接接触により光拡散層44に堆積される。粉末形状である蛍光体材料を液体の光透過性バインダ材料と既知の割合で完全に混合して懸濁液を形成し、得られた蛍光体組成物すなわち「蛍光体インク」を拡散層44上に直接堆積する。波長変換層はスクリーン印刷によって堆積するのが好ましいが、スロットダイコーティング、スピンコーティング、又はドクターブレーディングのような他の堆積手法を使用してもよい。波長変換層46と拡散層44の間の光インターフェイスを除去し、層間の光の透過を最大限にするために、ポリマー樹脂、モノマー樹脂、アクリル、エポキシ、シリコーン、又はフッ化ポリマーといった同じ液体バインダ材料を、両方の層の作製に使用するのが好ましい。
【0055】
蛍光体波長変換層46は、好ましくは、スクリーン印刷によって堆積されるが、例えばスロットダイコーティング、スピンコーティング、ローラーコーティング、ドローダウンコーティング、又はドクターブレーディングのような他の堆積手法を使用してもよい。バインダ材料は、溶剤に基づくものよりむしろUV又は熱硬化性のものが好ましい。溶剤の体積が蒸発し、組成物の粘性が変化すると、蛍光体材料の濃度が高くなり、デバイスの発光産物の色に影響を及ぼす場合がある。UV硬化性のポリマーでは、堆積加工中のその粘性及び固体の比率がより安定しており、堆積が完了した後に、層を重合及び固化するためにUV硬化が使用される。更には、蛍光体インクのスクリーン印刷の場合、必要とされる層の厚さを達成するために複数のパスの印刷が必要となる場合があり、このため、次の層の印刷の前に、印刷の実質的に直後に各層が硬化され得るUV硬化性バインダの使用が好ましい。
【0056】
波長変換コンポーネントが産出する発光産物の色は、蛍光体材料の組成及び波長変換層46における単位面積当たりの蛍光体材料の量に依存する。単位面積当たりの蛍光体材料の量が、波長変換層46の厚さt及び、蛍光体インクにおけるバインダに対する蛍光体材料の重量分率に依存することは理解されるであろう。発光産物が白色である用途、又は発光産物が高い飽和色を有する(すなわち、フォトルミネセンスによって生成された実質的に全ての光を発光産物が含む)用途では、波長変換層46における単位面積当たりの蛍光体材料の量は、典型的には、10mg.cm−2〜40mg.cm−2であろう。最少数の印刷パスで波長変換層46を印刷することを可能にするために、蛍光体インクは、好ましくはバインダ材料に対してできるだけ高い固体充填率で蛍光体材料を有し、好ましくは、バインダ材料に対する蛍光体材料の重量分率は40%〜75%の範囲である。約40%未満の重量分率では、単位面積当たりに必要とされる蛍光体材料を達成するために5回以上の印刷パスが必要であり得ることが見出された。蛍光体材料は、10μm〜20μm及び典型的には約15μmの平均粒径を有する粒子を含む。
【0057】
汎用照明用途では、発光産物40は典型的には白色光であり、蛍光体材料は、緑色(510nm〜550nm)、黄緑色(550nm〜570nm)、黄色(570nm〜590nm)、橙色(590nm〜630nm)、又は赤色(630nm〜740nm)の光を放出する1種類以上の青色光励起性の蛍光体材料を備え得る。波長変換層の厚さt、蛍光体材料の組成、及び単位面積当たりの蛍光体材料の密度(重量分率)が、ランプの発光色を決定することになる。
【0058】
蛍光体材料は、例えば、一般組成式がASi(O,D)又はASi(O,D)であるケイ酸塩系の蛍光体のような無機又は有機蛍光体を含むことができ、式中、Siは珪素、Oは酸素、Aはストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、マグネシウム(Mg)又はカルシウムを含み、Dは塩素(Cl)、フッ素(F)、窒素(N)又は硫黄(S)を含む。ケイ酸塩系の蛍光体の例は、米国特許第US 7,575,697号(B2)「Silicate−based green phosphors」、同第US 7,601,276号(B2)「Two phase silicate−based yellow phosphors」、同第US 7,655,156号(B2)「Silicate−based orange phosphors」及び同第US 7,311,858号(B2)「Silicate−based yellow−green phosphors」に開示されている。蛍光体は、同時係属特許出願第US2006/0158090号(A1)「Novel aluminate−based green phosphors」及び特許第US 7,390,437号(B2)「Aluminate−based blue phosphors」に教示されているようなアルミネート系の材料、同時係属特許出願第US2008/0111472号(A1)「Aluminum−silicate orange−red phosphor」に教示されているようなアルミニウムシリケート蛍光体、又は、同時係属特許出願第US2009/0283721号(A1)「Nitride−based red phosphors」及び国際特許出願第WO2010/074963号(A1)「Nitride−based red−emitting in RGB (red−green−blue) lighting systems」に教示されているような窒化物系の赤色蛍光体材料もまた含み得る。理解されるように、蛍光体材料は、記載した例に限定されず、窒化物及び/又は硫酸塩蛍光体材料、オキシ窒化物及びオキシ硫酸塩蛍光体、又はガーネット材料(YAG)を含む任意の蛍光体材料を含み得る。
【0059】
本発明による蛍光体波長変換コンポーネント36の更なる例を図3に示す。図2の波長変換コンポーネントと同じく、このコンポーネントも光透過性基板42と、光拡散層44と、波長変換層46とを備えている。本発明にしたがって、この光拡散層44と波長変換層46は、互いに直接接触して堆積される。この場合も、動作中に光拡散層44がLED 24に面するように波長変換コンポーネントが構成されるようにコンポーネントが構成される。
【0060】
動作中に、LED 24によって生成された青色光28は、蛍光体材料の粒子に衝突するまで波長変換層46を通って移動する。平均すると、光子と蛍光体材料粒子の相互作用のわずか1000分の1が、フォトルミネセンス光38の吸収及び生成をもたらすと考えられる。蛍光体粒子と光子の相互作用の大半すなわち約99.9%が、光子の散乱につながる。散乱プロセスの等方性の性質のために、平均すると、光子の約半分が、LEDに向かって戻る方向に散乱される。典型的には、入射青色光28の合計の約10%が散乱され、波長変換コンポーネント36からLEDに向かって戻る方向に放出されることが、試験で示されている。冷白色発光デバイスでは、入射青色光の合計の約10%が波長変換コンポーネントから放出され、視認者21によって見られる発光産物40に寄与することができるように蛍光体材料の量が選択される。入射光の大半すなわち約80%は、蛍光体材料によって吸収され、フォトルミネセンス光38として再び放出される。フォトルミネセンス光の生成の等方性の性質のために、蛍光体材料によって生成された光38の約半分は、LEDに向かう方向に放出される。結果として、合計入射光のわずか約40%までが波長λの光38として放出され、発光産物38に寄与することになり、合計入射光の残り(最高約40%まで)が、LEDに向かって戻る方向への波長λの光38として放出されることになる。波長変換コンポーネント36からLEDに向かって放出される光は、光回折表面32、34によって再び方向づけられて、発光産物に寄与し、デバイスの総合効率を増す。
【0061】
本発明の実施形態が対処する、従来のLED照明デバイスに伴う1つの問題は、オフ状態でのデバイスの非白色の外観である。上述のように、オン状態の間は、LEDチップ又はダイは青色光を生成し、その青色光のいくらかがその後に1つ又は複数の蛍光体によって吸収されて、黄色光(又は緑色と赤色の光、緑色と黄色の光、緑色と橙色の光、若しくは黄色と赤色の光の組み合わせ)として再び放出される。LEDによって生成された青色光のうち、蛍光体が放出した光と組み合わされた、蛍光体材料によって吸収されなかった部分は、人の目にほぼ白色に見える光を提供する。
【0062】
しかし、オフ状態では、LEDチップ又はダイは、青色光を全く生成しない。代わりに、遠隔蛍光体照明装置によって生成される光は、波長変換コンポーネントの蛍光体材料を励起する外部の光(例えば太陽光又は室内照明)に少なくとも部分的に基づくものであるために、黄色っぽい色、黄色−橙色、又は橙色をフォトルミネセンス光にもたらす。LEDチップ又はダイが全く青色光を生成しないということは、残りの青色光が波長変換コンポーネントのフォトルミネセンス光からの黄色/橙色の光と混ざり合って白色に見える光を生成することが全くないことを意味する。結果として、照明デバイスは、黄色っぽい色、黄色−橙色、又は橙色に見える。これは、白色の外観の照明を求めている潜在購買者又は顧客にとって望ましくない場合がある。
【0063】
いくつかの実施形態によると、光拡散層44は、オフ状態のデバイスの視認者21に対する視覚的外観を改善することによってこの問題に対処するという付加的な利益を提供する。部分的には、これは、さもなくば波長変換コンポーネントが黄色/橙色を有する波長の光を再び放出する原因となるであろう外的な励起光の通過を実質的に減少し得る光回折材料の粒子を光拡散層44が含むことによる。
【0064】
光拡散層44の光回折材料の粒子は、例えば、それが青色光を散乱させる可能性を増す粒径範囲を有するように選択され、これはつまり、光拡散層44を通過して波長変換層46を励起する外的な青色光が減少することを意味する。したがって、波長変換コンポーネントが黄色っぽい光をより少なく放出することになるので、遠隔蛍光体照明装置は、オフ状態でより白色の外観を有することになる。
【0065】
光回折粒子の粒径は、それらの粒子が蛍光体材料によって生成される光を散乱させるよりも少なくとも2倍の青色光を散乱させるように選択され得る。そのような光拡散層44は確実に、オフ状態の間、デバイスが受け取った外的な青色光のより多くの部分を光回折材料によって散乱させて波長変換層46から離れるように方向づけ、外的発生源からの光子が蛍光体材料粒子と相互作用する可能性を下げ、黄色っぽい色/橙色のフォトルミネセンス光の生成を最低限にする。しかし、オン状態の間は、LED光源からの励起光によって引き起こされる、蛍光体が生成する光は、それにもかかわらず拡散層44を通過することができ、散乱される可能性は比較的低い。好ましくは、オフ状態での照明デバイスの白色の外観を強めるために、光拡散層44内の光回折材料は、約150nm未満の平均粒径を有する「ナノ粒子」である。他の色を有する光を放出する光源に関しては、他の平均粒径に相当するナノ粒子であり得る。例えば、UV光源に対する光拡散層44内の光回折材料は、約100nm未満の平均粒径を有し得る。
【0066】
したがって、光散乱材料の平均粒径の適切な選択によって、光拡散層が、フォトルミネセンス材料によって放出される他の色、具体的には緑色及び赤色よりも容易に励起光(例えば青色光)を散乱するように、光拡散層を構成することが可能である。図10は、赤色、緑色、及び青色に関する、TiOの平均粒径(nm)に対する相対光散乱率のプロットを示す。図10に見られるように、100nm〜150nmの平均粒径を有するTiO粒子は、緑色光(510nm〜550nm)又は赤色光(630nm〜740nm)を散乱するよりも青色光(450nm〜480nm)を散乱する可能性が2倍以上高い。例えば、平均粒径が100nmのTiO粒子は、緑色又は赤色光を散乱するよりもほぼ3倍多くの(2.9=0.97/0.33)青色光を散乱するであろう。平均粒径が200nmのTiO粒子は、緑色又は赤色光を散乱するよりも2倍以上多くの(2.3=1.6/0.7)青色光を散乱するであろう。本発明のいくつかの実施形態によると、光回折粒子の粒径は、好ましくは、蛍光体材料によって生成される光の比較的に少なくとも2倍の青色光をそれらの粒子が散乱するように選択される。
【0067】
本明細書の実施形態により対処され得る遠隔蛍光体デバイスに伴う別の問題は、発射角に伴う発光色の変化である。具体的には、遠隔蛍光体デバイスは、しばしば、異なる角度から見たときに知覚的に不均一な色となりやすい。
【0068】
波長変換層46と直接接触させて光拡散層44を追加することは発射角θに伴う発光色の均一性を有意に増すので、本発明の実施形態はこの問題を是正する。発射角θは、発射軸48(図1)に対して測定される。図4は、本発明のいくつかの実施例による、バインダ材料に対する光回折材料の重量充填百分率(%)が0%、7%、12%、16%、23%、及び35%の拡散層44を備える波長変換コンポーネント36に関する、図1のランプでの発射角θに対するCIE色変化測定値のプロットを示す。平均粒径約5μmのTiOの光回折粒子を備える光拡散層を備える波長変換コンポーネントに関する全ての発光色測定値は、ランプ10から10mの距離で測定した。比較のための、Ti0の重量充填百分率0%でのデータは、光拡散層を含まない波長変換コンポーネントに対応する。
【0069】
色変化測定値は、次の関係から導出したものであり、
【0070】
【数1】
ここで、CIE xθ°は発射角θ°での測定されたCIE色度x値であり、CIE x0°は、発射角θ=0°での測定されたCIE色度x値であり、CIE yθ°は、発射角θ°での測定されたCIE色度y値であり、CIE y0°は、発射角θ=0°での測定されたCIE色度y値である。理解されるように、CIE変化は、発射角θ=0°での光の色に正規化される(すなわち、θ=0°ではCIE変化は常に0である)。
【0071】
図4に見られるように、光拡散層のない波長変換コンポーネント(すなわちTi0重量充填百分率が0%)では、そのようなランプによって生成される光の色は、θ=60°までの発射角に関して、ほぼ0.07のCIE変化で変わる場合がある。これに対して、重量充填百分率わずか7%のTiOを有する光拡散層44を含む本発明による波長変換コンポーネント36では、60°範囲にかけての発光色の変化は、約0.045にまで低下する。この図からわかるように、TiOの重量充填百分率の増加は、60°の角度範囲にかけての発光色の変化を減少させる。例えば、TiO重量充填百分率35%では、CIE色変化は0.001未満である。発射角に伴う発光色の変化はTiO充填率の増加とともに減少するが、合計光度もまた減少する。
【0072】
図5は、本発明の実施例の、バインダ材料に対するTiOの重量充填百分率(%)0%、7%、12%、16%、23%、及び35%の拡散層44を備える波長変換コンポーネント36に関する、発光角θ=60°でのCIE色変化に対する測定された発光効率を示す。発光効率値は、光拡散層を含まない(すなわち、TiOの重量分率が0%の)ランプに対して正規化されている。θ=60°でのCIE色変化は、次の関係から決定される。
【0073】
【数2】
ここで、CIE x60°は、発射角60°で測定されたCIE色度x値であり、CIE x0°は、発射角0°で測定されたCIE色度x値であり、CIE y60°は、発射角60°で測定されたCIE色度y値であり、CIE y0°は、発射角0°で測定されたCIE色度y値である。図5からわかるように、重量分率35%のTiOを含有する光拡散層を有する波長変換コンポーネントでは、発光効率は最大25%減少し得る。理解されるように、光拡散層における光回折材料の重量分率を選択するときは、発射角に伴う発光色の均一性の改善と、ランプの発光効率の減少との間の適切なバランスを取るべきである。本発明のいくつかの実施形態による波長変換コンポーネントは、好ましくは、バインダ材料に対する光回折材料の重量充填百分率が10%〜20%の範囲である光拡散層を有する。
【0074】
図6は、バインダ材料に対するTiOの重量充填百分率(%)が0%、10%、15%、及び20%の拡散層44を備える変換コンポーネント36に関する、2727℃(3000K)白色発光ランプ10の実施例での発射角θに対する測定されたCIE色変化のプロットを示し、図7は、それに対応する、発射角θ=60°でのCIE色変化に対する測定された発光効率を示す。
【0075】
図8は、重量分率0%、10%、15%、及び20%のTiOを含有する波長変換コンポーネントに関する、本発明による実施例の2727℃(3000K)白色発光LEDに基づくランプの、発射角θ=0°、15°、30°、45°及び60°での放出光の色CIE x、CIE yを示す1931色度図である。比較のために、図8は、黒体放射曲線及び、3227℃(3500K)及び2727℃(3000K)のそれぞれの白色光の、ANSI C78.377A「白色固体照明製品の色度の仕様」のS四角形及びR四角形もまた含んでいる。それぞれの四角形は、約7つのマクアダム楕円に相当し、それぞれの下位四角形(S02、S03、S06、S07、R02、R03、R06、R07)は、約4つのマクアダム楕円に相当する。周知のように、マクアダム楕円は、平均的な人の目21には楕円の中央の色との見分けがつかない全ての色を含む色度図上の領域である。図8からわかるように、光拡散層のない(TiOが0%の)ランプでは、θ=0°〜60°の範囲にかけての発射角の発光色の変化は、およそ3つのマクアダム楕円に相当する。重量分率10%のTiOを有する光拡散層を含むランプでは、発射角に伴う発光色の変化はマクアダム楕円2つ分未満であり、それに対応する約2%の発光効率の減少が伴う(図7)。重量分率15%のTiOを有する光拡散層を含むランプでは、発射角に伴う発光色の変化はマクアダム楕円約1つ分未満であり、それに対応する約5%の発光効率の減少が伴う(図7)。そのようなランプでは、平均的な人21は、発射角による発光色の変化を知覚することができないであろう。重量分率20%のTiOを有する光拡散層を含むランプでは、発射角に伴う発光色の変化はマクアダム楕円1つ分未満であり、それに対応する約9%の発光効率の減少が伴う(図7)。本発明による光拡散層44を含めることは、発射角による発光色の変化の影響を実質的に除去する一方で、許容可能な発光効率を維持することができることが理解される。
【0076】
本発明の実施形態は、LED照明製品の製造に必要とされる蛍光体材料の量を低減するためにも使用することができ、それによって、蛍光体材料の比較的高価な性質が影響するそのような製品の製造費を低減することができる。具体的には、光回折材料の粒子で構成されている光拡散層44の追加は、選択された発光色を生成するために必要とされる蛍光体材料の量を実質的に低減することができる。これは、同等な先行技術の方法と比較して、波長変換コンポーネントを製造するために比較的少ない蛍光体が必要であることを意味する。結果として、そのような波長変換コンポーネントを使用する照明装置、特に遠隔蛍光体照明デバイスの製造コストは、はるかに低減される。
【0077】
動作中、拡散層44は、光を波長変換層46に反射して戻すことによって光子がフォトルミネセンス光の生成をもたらす可能性を増す。したがって、波長変換層と直接接触する拡散層を含めることで、所与の色の発光産物を生成するために必要とされる蛍光体材料の量を例えば最高40%低減することができる。
【0078】
既に述べたように、光拡散層44は、それが蛍光体材料によって生成された光を散乱するよりも、LED(例えば、青色光)によって生成される励起光をより多く選択的に散乱するように構成され得る。そのような光拡散層44は、波長変換層から放出される青色光のより多くの部分が光回折材料によって散乱され、波長変換層に戻るように方向付けられて、光子が蛍光体材料粒子と相互作用し、フォトルミネセンス光の生成につながる可能性を確実に増す。同時に、蛍光体が生成した光は拡散層を通過することができ、散乱される可能性はより低くなる。拡散層は青色光子が蛍光体材料粒子と相互作用する可能性を増すので、選択された発光色を生成するために使用される蛍光体材料を少なくすることができる。そのような構成は、波長変換コンポーネント/デバイスの発光効率もまた増すことができる。
【0079】
光拡散層44は、放出光の選択された色を生成するために必要とされる蛍光体材料の量を更に低減するために、波長変換コンポーネントにおいて、追加の散乱(又は反射/回折)粒子と組み合わせて使用することができる。米国特許出願番号第13/253,031号(その全体が参照により本明細書に援用される)に開示されているように、波長変換コンポーネントは、蛍光体材料によるフォトルミネセンス光の生成を改善するために蛍光体材料に組み込まれる光散乱材料(本明細書で「光反射材料」とも呼ばれる)の粒子を含む。この改善された光の生成は、発光体によって生成される光と蛍光体材料の粒子との衝突数を増す光反射材料によるものである。その正味の結果は、発光デバイスのための蛍光体材料の使用量の低減である。
【0080】
本実施形態のこの態様を説明するために、蛍光体を散乱粒子と混合しない先行技術の方法についてまず説明することは有用である。図11は、蛍光体と混合された散乱粒子を有さない蛍光体波長変換を使用する、LEDに基づく発光デバイスの概略図を示す。図11のこの周知のデバイスは、光透過性バインダ124の体積全体に均一に分布された蛍光体材料粒子120を含む波長変換コンポーネントを含む。本発明のデバイスと異なり、この周知のデバイスは光散乱材料粒子を含んでいない。LEDからの青色光126は、動作中、蛍光体材料粒子に衝突するまで光透過性バインダ124を透過する。平均すると、光子と蛍光体材料粒子の相互作用のわずか10,000分の1が、フォトルミネセンス光の吸収及び生成につながると考えられる。蛍光体粒子と光子の相互作用の大半すなわち約99.99%が、光子の散乱につながる。散乱プロセスの等方性の性質のために、平均すると、光子の約半分が、LEDに向かって戻る方向に散乱される。典型的には、合計入射青色光の約10%が散乱され、波長変換コンポーネントからLEDに向かって戻る方向に放出されることが、試験で示されている。冷白色発光デバイスでは、入射青色光の合計の約10%が窓を通じて放出され、発光産物に寄与することができるように、蛍光体材料の量が選択される。入射光の大半すなわち約80%は、蛍光体材料によって吸収され、フォトルミネセンス光128として再び放出される。フォトルミネセンス光の生成の等方性の性質のために、蛍光体材料によって生成された光128の約半分は、LEDに向かう方向に放出される。結果として、合計入射光の最高約40%が波長λの光128として放出され、発光産物130に寄与することになり、一方、合計入射光の最高(↑)約40%までが、LEDに向かって戻る方向への波長λの光128として放出されることになる。典型的には、LEDに向かって放出された光は、デバイスの総合効率を増すために反射板(図示せず)によって方向変換される。
【0081】
図12は、図11と同様のデバイスの動作の概略図を示すが、追加的に、光反射/散乱材料の粒子による光(波長λ及びλ)の反射又は散乱を含んでいる。蛍光体材料とともに光反射材料の粒子を含めることによって、いくつかの実施形態では、所与の発光色産物を生成するために必要な蛍光体材料の量を、例えば最高33%低減することができる。光反射材料粒子は、光子が蛍光体材料粒子と衝突する可能性を増すので、所与の色の発光産物に必要とされる蛍光体材料は減少する。
【0082】
図13は、◆−0%、黒四角−0.4%、黒三角−1.1%、及び●−2%の重量充填百分率の光反射材料での、本発明のいくつかの実施形態による発光デバイスに関する色度CIE xに対する光度のプロットである。このデータは、バインダ材料がNazdar’s(登録商標)UV硬化性リトクリアオーバープリントPSLC−294を含み、蛍光体材料が15μmの平均粒径を有するIntematix Corporationの蛍光体EY4453を含む、スクリーン印刷された蛍光体変換層に関する。蛍光体材料対クリアインクの比率は、重量比で2:1である。光反射材料は、Norcote International IncのスーパーホワイトインクGN−027SAを含む。光反射材料の充填率に関する図は、スーパーホワイトインク対クリアインクの重量百分率を指す。各データポイントに関連づけられる小さい参照番号は、蛍光体の層を形成するために用いられた印刷パス回数「n」を示す。
【0083】
粉末状であり得る蛍光体材料と光散乱材料とを、例えばポリマー材料(例えば、熱硬化性又はUV硬化性のシリコーン又はエポキシ材料)若しくは例えばNazdar’s(登録商標)UV硬化性リトクリアオーバープリントPSLC−294などのクリアインクのような光透過性バインダ材料とともに、周知の割合で完全に混合する。この混合物を、均一な厚さの1つ以上の層として、基板の面に適用する。好ましい実施形態では、混合物はスクリーン印刷によって光透過性窓に適用され、層の厚さtは印刷パスの回数によって調整される。この蛍光体/反射材料混合物は、インクジェット印刷又はスピンコーティングを含む他の方法を用いて、若しくはスクイージーのようなブレードを用いて表面の上に混合物を掃き塗りすること(例えば、ドクターブレーディング)によって、適用され得る。
【0084】
印刷パスの回数が蛍光体層118の厚さ及び蛍光体の質に直接比例することは理解されるであろう。楕円132、134、136、138は、実質的に同じ光度及びCIE x値を有する発光産物に関するデータポイントを集合するために使用されている。例えば、楕円132は、i)光反射材料を用いない3回の印刷パス及びii)充填率2%の光反射材料を用いる2回の印刷パスを含む蛍光体変換層118に関して、類似した光度及び色の発光産物が生産され得ることを示している。これらのデータは、重量分率2%の光反射材料を含めることによって、約33%少ない蛍光体材料を含む蛍光体変換層118を用いて、同じ色及び光度を生成することが可能であることを示している。楕円134は、i)光反射材料を用いない4回の印刷パス及びii)充填率0.4%の光反射材料を用いる3回の印刷パスを含む蛍光体変換層に関して、同じ光度及び色の発光産物が生産されることを示している。これらのデータは、この実施形態については、重量分率0.4%の光反射材料を含めることによって、約25%少ない蛍光体を含む蛍光体変換層を用いて、同じ光の色及び光度を生成することが可能であることを示している。楕円136は、i)光反射材料を用いない4回の印刷パス及びii)充填率1.1%の光反射材料を用いる3回の印刷パスを含む蛍光体変換層に関して、同じ光度及び色の発光産物が生産されることを示している。これらのデータは、重量分率1.1%の光反射材料を含めることによって、約25%少ない蛍光体を含む蛍光体変換層を用いて、同じ光の色及び光度を生成することが可能であることを示している。楕円138は、i)重量分率0.4%の光反射材料を用いる4回の印刷パス及びii)重量分率2%の光反射材料を用いる3回の印刷パスを含む蛍光体変換層に関して、同じ光度及び色の発光産物が生産されることを示している。これらのデータは、重量分率0.4%の光反射材料を含めることによって、約25%少ない蛍光体を含む蛍光体変換層を用いて、同じ光の色及び光度を生成することが可能であることを示している。ポイント140(n=4、1.1%充填率)及び142(n=4、2%充填率)は、飽和点が存在することを示唆しており、それを超えると、光反射材料の充填率の増加は色にほとんど影響を及ぼさずに光度の減少をもたらす。
【0085】
更なる実施形態において、蛍光体と光反射材料の混合物を光透過性の窓の中に組み入れることが企図される。例えば、蛍光体と光反射材料の混合物を光透過性ポリマーと混合してもよく、そのポリマー/蛍光体混合物を押出成形又は射出成形して、蛍光体と光反射材料がコンポーネントの体積全体に均一に分布された波長変換コンポーネント36を形成し得る。
【0086】
光散乱材料122は、典型的には0.9以上の高反射率の粉末材料を備える。光反射材料122の粒径は、典型的には0.1μm〜10μmの範囲であり、好ましい実施形態では0.1μm〜10μmの範囲内である。光反射材料の重量充填百分率は、0.1%〜10%の範囲であり、好ましい実施形態では1〜2%の範囲である。光反射材料の例としては、酸化マグネシウム(MgO)、二酸化チタン(TiO)、硫酸バリウム(BaSO)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。光反射材料はまた、典型的にはTiOである光反射性の高い材料の粒子を既に含んでいる例えばNorcote International IncのスーパーホワイトインクGN−027SAのような白色インクもまた含み得る。
【0087】
図14は、本発明の実施形態によるLEDに基づく白色発光デバイスの図を示し、これは、光透過性バインダ材料124の体積全体に分布されている蛍光体材料粒子120と光散乱材料粒子122の混合物を含む波長変換層46を有する波長変換コンポーネント36を含む。光散乱材料粒子122は、光子が蛍光体材料粒子120と衝突する可能性を増すので、所与の色の発光産物に必要とされる蛍光体材料は少なくなる。
【0088】
波長変換コンポーネント36はまた、バインダ材料150内に光散乱粒子152を含む光拡散層44も含む。光拡散層44内の光散乱粒子152は、蛍光体材料120によって生成される光128よりも、LEDによって生成される青色光126を選択的に散乱する。そのような光拡散層44は、波長変換層46から放出される青色光126のより多くの部分が光散乱材料152によって散乱され、波長変換層46に戻るように方向付けられて、光子が蛍光体材料粒子120と相互作用し、フォトルミネセンス光の生成につながる可能性を確実に増す。同時に、蛍光体が生成した光は拡散層44を通過することができ、散乱される可能性はより低い。拡散層44は蛍光体材料粒子120と青色光子が相互作用する可能性を増すので、視認者21の目に見える選択された発光色の放出光130の生成に使用される蛍光体材料を減らすことができる。
【0089】
したがって、散乱粒子152を有する拡散層44と、波長変換層46もまた光散乱粒子122を含む波長変換層46との組み合わせは、所与の色の発光産物を生成するために必要とされる蛍光体材料120がはるかに少ない波長変換コンポーネントをもたらす。双方の散乱粒子のセット122及び152は組み合わせとして作用して、光子が蛍光体材料120の粒子に衝突する可能性を増し、したがって、所与の色のために必要な蛍光体材料を減少する。
【0090】
双方の散乱粒子のセット122及び152は、異なる材料特性を有し得る。例えば、比較的大きい平均粒径を有する波長変換層46内の散乱粒子122が選択され得る。一方で、散乱粒子152が、フォトルミネセンス(蛍光体)材料によって生成される光を散乱するよりも比較的多くの励起(典型的に青色)光を散乱するように、拡散層44内の散乱粒子152としては、比較的小さい平均粒径を有するナノ粒子を選択し得る。したがって、いくつかの実施形態が使用する光散乱材料152は、約150nm未満の平均粒径を有し、100nm〜150nmの範囲の平均粒径を典型的に有する。代替実施形態は、双方の散乱粒子のセット122及び152が同じ又は実質的に同じ粒径を有するように実施して、例えば波長変換層46と拡散層44の双方にナノ粒子を使用することができる。
【0091】
本明細書に開示されている発明の概念は、任意の好適な形を包含する波長変換コンポーネントに適用され得る。例えば、いくつかの実施形態による波長変換コンポーネントを使用するLED電球の用途の斜視図及び断面図を図示する図15及び16に図示されているLED電球200を考慮する。LED電球200は、従来の白熱灯又は蛍光灯電球に代わるエネルギー効率のよい代替品として使用することを目的とする。
【0092】
電球200は、例えばエジソンねじ込み口金規格として実施される、規格電球ソケットに嵌るように構成されるねじ込み口金206を備える。電球200は更に、例えばアルミニウムダイキャスト製の熱伝導体204を備え得る。本体204は、ヒートシンクとして機能し、MCPCB(金属コアプリント回路基板)上に取り付けられている発光体112が発生した熱を放散する。電球200からの熱放射を増加させ、それによって、電球200の冷却を高めるために、本体204は、緯度方向に放射状に延びる一連の放熱フィン207を含むことができる。
【0093】
電球200は、三次元形状を有する波長変換コンポーネント36を更に備え、これは例えば、内部容積内で発光体112を囲む内面によって画定された内部容積を有する細長いドーム形の外郭である。三次元形の波長変換コンポーネント36は、三次元の波長変換層701と熱接触している三次元の光透過性熱伝導性基板703を含む。
【0094】
エンベロープ208はLED電球200の上部の周囲に延在し、LED 112及び波長変換コンポーネント36を囲んでいる。エンベロープ208は、LED電球200に保護及び/又は拡散性を提供する光透過性材料(例えばガラス又はプラスチック)である。
【0095】
青色LEDデバイス112は、光拡散層44及び波長変換層46の両方を備える波長変換コンポーネント36の下の照明ベース204の上面に置かれる。波長変換コンポーネント36の三次元の性質は、LED 112の周囲及び上の周囲の内部容積を囲む比較的大きい形を作り出す。照明デバイス200内の波長変換コンポーネント36に三次元形を使用することは、照明デバイス200によって放出された光に形を与える能力のような特定の機能的利点を可能にする。
【0096】
しかし、波長変換コンポーネント36のこれらのタイプの三次元形は、比較的大きい体積の波長変換コンポーネントにも相当し、これは、十分な量の蛍光体材料を投入することを必要とする。したがって、先行技術の方法では、そのような波長変換コンポーネント36を製造するために、かなり多くの量の蛍光体材料を必要とすることになる。
【0097】
本発明の実施形態を使用して、そのような波長変換コンポーネント36を製造するために必要とされる蛍光体の量を低減することができる。具体的には、波長変換コンポーネント36は、波長変換層46に隣接した光拡散層44を備え、これらの層の一方又は両方が光散乱材料を含み得る。波長変換コンポーネント36の内部の散乱材料は光散乱性を有するので、波長変換コンポーネント36に必要とされる蛍光体材料の量を低減する。
【0098】
加えて、光拡散層44は、少なくとも部分的には拡散層44内の回折材料の粒子の特性に基づいて、LED照明デバイス200のオフ状態の色の外観を改善する役割も果たす。
【0099】
図17は、波長変換層46に隣接した光拡散層44を含む、ドーム形状の波長変換コンポーネント36を備える本発明の実施形態を図示し、図の光拡散層44及び波長変換層46の一方又は両方が光散乱粒子を含んでいる。他の記載されている実施形態と同じく、光拡散層44内の光散乱粒子は、波長変換層46内の蛍光体材料によって生成される光128よりも、LED 112によって生成される青色光126をより多く散乱し、これにより確実に、波長変換層46から放出される青色光126がより高い割合で光散乱材料152によって散乱され、波長変換層46に戻るように方向付けられるようになり、蛍光体材料粒子と光子が相互作用し、フォトルミネセンス光の生成をもたらす可能性が増す。同時に、蛍光体が生成した光は拡散層44を通過することができ、散乱される可能性はより低い。拡散層44は蛍光体材料粒子と青色光子が相互作用する可能性を増すので、視認者21の目に見える選択された発光色の放出光130の生成に使用される蛍光体材料を減らすことができる。
【0100】
図15〜17の三次元波長変換コンポーネントは、任意の好適な手段を用いて製造され得る。例えば、光拡散層44及び波長変換層46の2つの層を製造するために、成形プロセス(例えば射出成形)を使用し得る。光拡散層44に関しては、光回折材料を固体光透過性ポリマー材料と混合してもよく、この場合、蛍光体材料と光透過性ポリマー材料は、蛍光体材料をポリマー材料とともに溶融して液化して混合した後に鋳型に射出し、冷却して光拡散層44の最終の形に形成する加熱プロセスを経る。波長変換層46に関しては、同様のプロセスを使用でき、この場合、蛍光体材料及び光透過性ポリマー材料を加熱し、鋳型でドロー成形する(例えば、光拡散層44)。加熱プロセスは、ポリマー材料とともに蛍光体材料を溶融し、混合してから後に冷却して、波長変換層46の最終形状を形成する。ホットランナーは、成形プロセスの構成成分の効率的な使用を確実にするために使用することができる。また、真空成形を使用して三次元の波長変換コンポーネントを製造してもよい。加えて、光散乱粒子を波長変換層46の材料に導入して、必要とされる蛍光体材料の量を低減してもよい。
【0101】
図18は、ドーム形の光拡散層44を含む三次元の波長変換コンポーネント36を備える本発明の代替実施形態を図示する。この実施形態では、波長変換層46’は、図17に記載したような光拡散層44に直接隣接した薄層として具現化されるのではなく、光拡散層44の内面によって画定される容積の実質的な部分を満たす。図17の方法を図18の方法より勝ったものにし得る1つの可能な利点は、LED 112によって生成された青色光126を波長変換層46’内の蛍光体材料によって生成された光128に変換するための、変換効率の改善である。しかし、可能な欠点は、波長変換層46’がLED 112の近くに位置するために、波長変換層46’内の蛍光体材料が過度に熱せられるために生じ得る性能の低下である。
【0102】
図19は、ドーム形の光拡散層44を有する波長変換コンポーネント36を備える本発明の別の実施形態を図示する。この実施形態では、波長変換層46”は光拡散層44が画定する容積の実質的な部分を満たしているが、散乱粒子もまた、波長変換層46”内に分配されている。波長変換コンポーネント46”の内部の散乱粒子は光散乱性を有し、波長変換コンポーネント36に必要とされる蛍光体材料の量を低減する。加えて、光拡散層44内の光回折材料は、LED照明デバイス200のオフ状態の色の外観を改善する役割を果たす一方で、波長変換層46”に必要とされる蛍光体材料の量もまた低減する。
【0103】
図18〜19の波長変換コンポーネントは、任意の好適な手段を用いて製造され得る。例えば、成形プロセス(例えば、射出成形又は真空成形)を使用して、光拡散層44を製造し得る。光拡散層44に関しては、加熱されて光拡散層44に望ましい形の鋳型に射出される固体光透過性ポリマー材料(例えば、ポリマーペレットの形状)と光回折材料を混合してもよい。加熱プロセスは、光回折材料をポリマー材料とともに鋳型内で溶融、混合し、次いでそれを冷却して光拡散層44の最終的な形を形成する。波長変換層に関しては、蛍光体材料を液体のバインダ材料と混合し、得られた混合物を、光拡散層44の内面が形成する内部容積に注ぎ入れることができる。次いで、硬化プロセスを使用して、波長変換層をその最終的な形に硬化する。必要とされる蛍光体の量を低減するために散乱粒子を蛍光体/バインダ混合物に投入してもよい。
【0104】
ここで、デバイスの一部が切り取られた概略図及び部分図を示す図9を参照して、本発明の別の実施形態による高CRI固体発光デバイス10について説明する。デバイス10は、CCT約2727℃(3000K)、光束約1100ルーメン、CRI(演色評価数)>90の暖白色光を生成するように構成される。デバイス10は図1のそれと本質的に同じであるが、追加的に1つ以上の赤色光発光LED(赤色LED)50を備える。図9に示すように、赤色LEDは赤色LEDチップのパッケージアレイを備え得る。赤色LEDチップは、610nm〜670nmの波長範囲でピーク波長λを有する赤色光52を生成するように動作可能なAlGaAs(アルミニウムガリウム砒素)、GaAsP(ガリウム砒素リン)、AlGaInP(アルミニウムガリウムインジウムリン)、又はGaP(ガリウムリン)のLEDを備え得る。デバイス10の発光産物38は、LED 24、50によって生成される青色28(λ)及び赤色52(λ)光と、蛍光体波長変換コンポーネント36によって生成されるフォトルミネセンス光38との組み合わせを含む。図9のデバイス10の動作は図1のデバイスのそれと類似しているため、更なる説明はしない。図9のデバイスの初期試験は、光拡散層44が、赤色光、青色光、及び蛍光体の生成する光を混合することにより、デバイスの角度のついた発光の色の均一性を増すことを示した。
【0105】
図20A、20B及び20Cは、本発明のいくつかの実施形態による波長変換コンポーネントの適用例を示す。図20A、20B及び20Cは、いくつかの実施形態による遠隔波長変換を使用するLEDダウンライト1000を図示する。図20Aは、LEDダウンライト1000の分解斜視図であり、図20Bはダウンライト1000の端面図であり、図20Cはダウンライト1000の一部の図である。ダウンライト1000は、650〜700ルーメンの光度及び名目ビーム広がり60°(ワイドフラッド)を有する光を生成するように構成される。それは、従来の白熱6インチダウンライトに代わるエネルギー効率のよい代替品としての使用を目的とする。
【0106】
ダウンライト1000は、例えばアルミニウムダイキャスト製の中空の概ね円筒形の熱伝導体1001を備える。本体1001はヒートシンクとして機能し、LED 1007が発生する熱を放散する。ダウンライト1000からの熱放射を増し、それによって発光デバイス1000の冷却を高めるために、本体1001は、本体1001のベースに向かって位置づけられた緯度方向に螺旋状に延在する一連の熱放射フィン1003を含み得る。熱放射を更に増すために、例えば黒塗装又は陽極酸化処理で本体の外面を処理して、その放射率を増すことができる。本体1001は、更に、本体の正面から本体の長さの約3分の2の深さまで延びている概ね円錐台形(円錐体の頂部がベースに平行な平面によって切り取られている形)の軸方向チャンバ1005を備える。本体1001の形状因子は、米国で一般的に使用されている6インチ規格ダウンライト固定具(缶)にダウンライトが直接そのまま嵌められるように構成される。
【0107】
円形のMCPCB 1009上に、4つの固体発光体1007が正方形の配列で実装される。周知のように、MCPCBは、望ましい回路構成において電気コンポーネントを電気的に接続するために、典型的にはアルミニウムである金属コアベースと、熱伝導性/電気的絶縁層と、銅回路層とで構成されている。MCPCB 1009は、例えば、酸化ベリリウム又は窒化アルミニウムを含有する標準的なヒートシンク化合物のような電熱性化合物の助けによって、チャンバ1005の床を介して本体と熱連通するように装着される。MCPCB 1009は、1つ以上のねじ、ボルト、又は他の機械的締結具によって本体の床に機械的に固定され得る。
【0108】
ダウンライト1000は、更に、発光体1007の配列を取り囲む中空の概ね円筒形の光反射チャンバ壁マスク1015を備える。このチャンバ壁マスク1015は、プラスチック材料で作成され得、好ましくは、白色又は他の光反射性の仕上げを有する。例えば、対応する本体の開口と係合する弾力的に変形可能な棘を有する環状のスチールクリップを用いて、波長変換コンポーネント36をチャンバ壁マスク1015の前に重ねて装着することができる。波長変換コンポーネント36は、発光デバイス1007に対して遠隔である。
【0109】
波長変換コンポーネント36は、上述のように、波長変換層46に隣接した光拡散層44を備える。波長変換層46が光拡散層44に隣接して配置されることによって、光拡散層44内の光散乱粒子は、波長変換層46内の蛍光体材料によって生成される光よりも発光体1007によって生成される青色光をより多く散乱する。これは、波長変換層46から放出される青色光がより高い割合で光散乱材料によって散乱され、波長変換層に戻るように方向付けられて、光子が蛍光体材料粒子と相互作用し、フォトルミネセンス光の生成をもたらす可能性を確実に増す。同時に、蛍光体が生成した光は拡散層44を通過することができ、散乱される可能性はより低い。蛍光体材料粒子と青色光子が相互作用する可能性を拡散層44が増すので、選択された発光色の放出光の生成に使用される蛍光体材料は低減され得る。加えて、そのオフ状態の間、拡散層44は、光1000の白色を改善する役割もまた果たす。
【0110】
ダウンライト1000は、更に、選択された発射角(ビームの広がり)(この例においては60°)のダウンライトを画定するように構成される光反射フッド1025を備える。フッド1025は、3つの切れ目なく連続する(ともに接合された)光反射性の円錐台形の内面を有する概ね円筒形の外郭を備える。フッド1025は、好ましくは、金属被覆層を有するアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)で作られる。最後に、ダウンライト1025は環状トリム(斜面)1027を備えることができ、これもまたABS製であり得る。
【0111】
図21A、21B及び21Cは、いくつかの実施形態による波長変換コンポーネントの別の適用例を示す。図21A、21B及び21Cは、いくつかの実施形態による遠隔波長変換を使用するLEDダウンライト1100を図示する。図21Aは、LEDダウンライト1100の分解斜視図であり、図21Bはダウンライト1100の端面図であり、図21Cはダウンライト1100の一部の図である。ダウンライト1100は、650〜700ルーメンの光度及び名目ビーム広がり60°(ワイドフラッド)を有する光を生成するように構成される。それは、従来の白熱6インチダウンライトに代わるエネルギー効率のよい代替品としての使用を目的とする。
【0112】
図21A、21B、及び21Cのダウンライト1100は、図20A、20B、及び20Cのダウンライト1000と実質的に同じである。説明の目的で、図20A、20B、及び20Cの実施形態と比較して新しいダウンライト1100の機構のみを説明する。
【0113】
図20A、20B、及び20Cの波長変換コンポーネント36は二次元の形(例えば、実質的に平坦)を有するが、図21A、21B、及び21Cの波長変換コンポーネント700は三次元形(例えば細長いドーム形の外郭)を有する。三次元の波長変換コンポーネント700は、図7において上述した波長変換コンポーネント700のような三次元の波長変換層701と熱接触している三次元の光透過性熱伝導基板703を含む。この波長変換コンポーネントは、チャンバ壁マスク1015の前を封止するように装着され得る。
【0114】
上述のように、波長変換層701が光拡散層703に隣接して配置されることによって、光拡散層703内の光散乱粒子は、波長変換層701内の蛍光体材料によって生成される光よりも発光体1007によって生成される青色光をより多く散乱する。これは、波長変換層701から放出される青色光がより高い割合で光散乱材料によって散乱され、波長変換層700に戻るように方向付けられて、光子が蛍光体材料粒子と相互作用し、フォトルミネセンス光の生成をもたらす可能性を確実に増す。したがって、選択された発光色の放出光を生成するために必要とされる蛍光体材料は減少する。加えて、そのオフ状態の間、拡散層703はまた、光1100の白色を改善する。
【0115】
図22は、いくつかの実施形態による波長変換コンポーネントの別の適用例を図示し、いくつかの実施形態による遠隔波長変換を使用するレフレクターランプ1200の分解斜視図を示す。レフレクターランプ1200は、650〜700ルーメンの光度及び名目ビーム広がり60°(ワイドフラッド)を有する光を生成するように構成される。それは、従来の白熱6インチダウンライトに代わるエネルギー効率のよい代替品としての使用を目的とする。
【0116】
レフレクターランプ1200は、例えばアルミニウムダイキャスト製の中空の概ね矩形の熱伝導体1201を備える。本体1201はヒートシンクとして機能し、発光デバイス10”によって生成される熱を放散してレフレクターランプ1000からの熱放射を増し、それにより、発光デバイス10”の冷却を高める。本体1201は、本体1201の側面に配置された一連の熱放射フィン1203を含み得る。本体1201の形状因子は、米国で一般的に使用されている6インチ規格ダウンライト固定具(「缶」)にレフレクターランプが直接そのまま嵌められるように構成される。
【0117】
波長変換コンポーネント36は、光拡散層内の光散乱粒子が波長変換層内の蛍光体材料によって生成される光を散乱するよりも青色光をより多く散乱するように、光拡散層に隣接した波長変換層を有するように実施され得る。したがって、選択された発光色の放出光を生成するために必要とされる蛍光体材料は減少する。加えて、そのオフ状態の間、拡散層はまた、光1200の白色を改善する。
【0118】
レフレクターランプ1200は、ダウンライトの選択された発射角(ビーム拡がり)(すなわちこの例では60°)を画定するように構成された放物面の光反射内面を有する概ね円錐台形の光反射体1205を更に備える。この光反射体1205は、好ましくは、金属被覆層を有するアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)で作られる。
【0119】
図23A及び23Bは、いくつかの実施形態による波長変換コンポーネントの別の適用例を示す。図23A及び23Bは、いくつかの実施形態による遠隔波長変換を使用するLED直線ランプ1300を図示する。図23Aは、直線ランプ1300の三次元斜視図であり、図23Bは直線ランプ1300の断面図である。LED直線ランプ1300は、従来の白熱灯又は蛍光灯電球に代わるエネルギー効率のよい代替品としての使用を目的とする。
【0120】
直線ランプ1300は、例えば押出成形されたアルミニウム製の細長い熱伝導体1301を備える。本体1301の形状因子は、規格直線ランプハウジングとともに実装されるように構成され得る。本体1301は、更に、直線ランプ1300のいくつかの電気コンポーネント(例えば電線)を包含している矩形の管状ケース1307が配置され得る第1の凹部チャネル1304を備える。ケース1307は、更に、本体1301の長さを超えて延びる電気コネクタ1309(例えばプラグ)を一端に備え、もう一方の端に、コネクタを受容するように構成される凹状の相補形のソケット(図示せず)を備え得る。これは、望ましい面積を覆うためにいくつかの直線ランプ1300を直列に接続することを可能にする。個々の直線ランプ1300は、1〜6フィートの長さ範囲であり得る。
【0121】
本体1301はヒートシンクとして機能し、発光体1303が発生する熱を放散する。直線ランプ1300からの熱放射を増し、それによって発光体1303の冷却を高めるために、本体1301は、本体1301の側面に位置づけられた一連の熱放射フィン1302を含み得る。直線ランプ1300からの熱放射を更に増すために、本体1301の外面を例えば黒塗装又は陽極酸化などで処理して、その放射率を増すことができる。
【0122】
発光体1303は、第1の凹部チャネル1304の上に配置されるように構成される一片の(矩形の)MCPCB 1305に装着されている。MCPCB 1305の下表面は、傾斜壁1302を含む第2の凹部チャネル1306に熱的に接触して配置されている。
【0123】
概ね半球形の細長い波形変換コンポーネント1311は、発光体1303に対して遠隔に位置づけることができる。波長変換コンポーネント1311は、波長変換コンポーネント1311が傾斜壁1308と係合するように、傾斜壁1308の下に波長変換コンポーネント1311をスライドさせて第2の凹部チャネル1306内に固定され得る。
【0124】
波長変換コンポーネント1311は、半球形の細長い光拡散層1313と、半球形の細長い波長変換層1315とを含み得る。上述のように、選択された発光色の放出光を生成するために必要とされる蛍光体材料は減少する。加えて、そのオフ状態の間、拡散層はまた、光1300の白色を改善する。
【0125】
代替実施形態では、直線ランプの波長変換コンポーネントは、概ね平坦な片の形に構成され得る。そのような実施形態では、第2の凹部チャネルは、波長変換コンポーネントが第2の凹部チャネルに受容され得るように延在する縦の壁を代わりに有し得ることを理解されたい。
【0126】
図24は、いくつかの実施形態による波長変換コンポーネントの別の適用の斜視図を示す。図24は、遠隔波長変換を使用するLEDランタン1500を図示する。LED光ランタン1500は、従来のガスランタン及び蛍光ランタン(例えばキャンプ用ランタン)のエネルギー効率の良い代替品としての使用を目的とする。
【0127】
ランタン1500は、例えばプラスチック材料又はプレス加工金属で製作される概ね円筒形の熱伝導体1501を備える。本体1501は更に、円形のMCPCB 1505に取り付けられている発光体1503によって生成された熱を放散する内部ヒートシンクを含む。MCPCB 1505は、本体1501と熱接触し得る。
【0128】
ランタン1500は、図17、18又は19で上述したような、MCPCB 1505から延出している三次元の(例えば細長いドーム形外郭の)波長変換コンポーネント700を備える。波長変換コンポーネント700の外面のみが描かれているが、三次元の波長変換コンポーネント700は、三次元の波長変換層に隣接する三次元の光拡散層を含み得ることに留意することが重要である。上述のように、この構成は、選択された発光色の放出光を生成するのに使用される蛍光体材料を減少することを可能にする。加えて、そのオフ状態の間、拡散層はまた、光の白色を改善する。
【0129】
光透過性カバー(例えば、プラスチック)1507は、LED 1503及び波長変換コンポーネント900を囲んで、ランタンの上部の周りに延在し得る。光透過性カバー1507は、LEDランタン1500に保護及び/又は拡散性を提供する光透過性材料(例えばガラス又はプラスチック)を含む。ランタン1500は、更に、発光体1503及び波長変換コンポーネント700を包囲するようにガラスのレセプタクルの上に置かれる蓋を備え得る。
【0130】
発光デバイスの上記の適用は、波長変換コンポーネントが1つ以上の発光体に対して遠隔に置かれる遠隔波長変換構成の説明である。波長変換コンポーネント及びそれらの発光デバイスの本体が内部容積を画定し、そこに発光体が位置づけられる。内部容積は、光混合チャンバともまた呼ばれ得る。例えば、図20A、20B、20C、21A、21B、及び21Cのダウンライト1000、1100において、内部容積1029は、波長変換コンポーネント36’、700と、光反射チャンバマスク1015と、ダウンライトの本体1001とによって画定されている。図23A及び23Bの直線ランプ1300では、内部容積1325は、波長変換コンポーネント1311と直線ランプ1301の本体とによって画定されている。図15及び16の電球200では、内部容積1415は、波長変換コンポーネント36と電球204の本体とによって画定されている。そのような内部容積は、発光体からの波長変換コンポーネントの物理的分離(空隙)を提供し、発光デバイスの熱特性を改善する。フォトルミネセンス光生成の等方性の性質のために、蛍光体材料によって生成される光の約半分は発光体の方に向かって放出され得、光混合チャンバ内で終わる可能性がある。平均すると、光子と蛍光体材料粒子の相互作用のわずか10,000分の1が、フォトルミネセンス光の吸収及び生成につながると考えられている。蛍光体粒子と光子の相互作用の大半すなわち約99.99%が、光子の散乱につながる。散乱プロセスの等方性の性質のために、平均すると、散乱した光子の約半分が、発光体に向かって戻る方向になる。結果として、蛍光体材料によって吸収されない、発光体により生成された光の最高半分が、光混合チャンバに最終的に戻り得る。デバイスからの発光を最大限にし、発光デバイスの全体的な効率を向上させるために、混合チャンバの内部容積は、内部容積内の光を波長変換コンポーネントに向かわせ、デバイスの外に出るように方向づける光反射面を含む。光混合チャンバは、チャンバ内の光を混合するように動作し得る。光混合チャンバは、デバイス本体又はハウジングのようなデバイスの別のコンポーネントとの関係において波長変換コンポーネントによって画定されてもよい(例えば、ドーム形の波長変換コンポーネントが、デバイス本体のベース上に位置づけられた発光体を囲んで、光混合チャンバを画定する、又は、チャンバ形のコンポーネントの上に置かれた平坦な波長変換コンポーネントが、デバイス本体のベース上に置かれた発光体を囲み、チャンバ形のコンポーネントによって囲まれて、光混合チャンバを画定する)。例えば、図20A、20B、20C、21A、21B、及び21Cのダウンライト1000、1100は、光反射材料と光反射チャンバ壁マスク1015を備える、発光体1007が上に取り付けられているMCPCB 1009を含むことによって、光が波長変換コンポーネント36’、700に向かって戻り内部容積に入るように光の方向づけを促進する。例えば、図23A及び23Bの直線ランプ1300は、光反射材料を備える、発光体1303が上に取り付けられているMCPCB 1305を含むことによって、光が反射されて波長変換コンポーネント、1311に向かって戻り内部容積に入るように光の方向づけを促進する。図12A及び12Bの電球200もまた、光を反射して波長変換コンポーネント36に向かって内部容積に戻るように方向づけるのを促進するために、発光体112が上に取り付けられているMCPCB 1405を含む。
【0131】
発光デバイスの上記の適用は、請求されている本発明が適用され得るいくつかの実施形態の記述に過ぎない。請求されている本発明が、壁ランプ、ペンダントランプ、シャンデリア、リセスドライト、トラックライト、アクセントライト、舞台照明、映画照明、街灯、フラッドライト、ビーコンライト、防犯灯、交通信号灯、ヘッドライト、テールライト、標識等を含むがこれらに限定されない、他のタイプの発光デバイス用途に適用されてもよいことに留意することが重要である。
【0132】
このように、光拡散層を備える新規な波長変換コンポーネントについて記述してきた。光拡散層内の光回折粒子の粒径は、それらの粒子が、例えば、約150nm未満の平均粒径の粒子を有する波長変換層によって生成される光を散乱するよりもLEDによって生成される青色光をより多く散乱するように選択される。波長変換層との組み合わせとしての光拡散層を使用するこの方法は、発射角に伴う発光色のばらつき又は不均一性の問題を解決する。加えて、光拡散層を波長変換層との組み合わせとして実装することによって、そのオフ状態における照明装置の色の外観を改善し得る。更に、蛍光体に基づくLEDデバイスを実装するために必要とされる蛍光体材料の量の有意な低減を達成し得る。
【0133】
本発明が、記述されている例示の実施形態に限定されず、本発明の範囲内で変更を加えることができることを理解されたい。例えば、本発明のデバイスは1つ以上のLEDを備えるものとして記述されているが、デバイスは、例えばレーザーダイオード又はレーザーのような他の固体光源を備えてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図21C
図22
図23A
図23B
図24