(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6312699
(24)【登録日】2018年3月30日
(45)【発行日】2018年4月18日
(54)【発明の名称】調光対応発光ダイオードドライバ
(51)【国際特許分類】
H05B 37/02 20060101AFI20180409BHJP
【FI】
H05B37/02 J
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-547213(P2015-547213)
(86)(22)【出願日】2013年12月2日
(65)【公表番号】特表2015-537361(P2015-537361A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(86)【国際出願番号】IB2013060548
(87)【国際公開番号】WO2014091356
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2016年12月1日
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2012/086588
(32)【優先日】2012年12月13日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2013/072190
(32)【優先日】2013年3月5日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】チャオ ハーイボー
(72)【発明者】
【氏名】クレサン デニス ヨハネス アントニウス
(72)【発明者】
【氏名】ジアン ホン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ジイン
(72)【発明者】
【氏名】タン シティアン
(72)【発明者】
【氏名】イェ チー フォン
【審査官】
山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−023010(JP,A)
【文献】
特開2012−023001(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02 − 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバの入力電圧信号の瞬時値の検出に応じて、及び前記入力電圧信号の平均値の検出に応じてランプに出力電流を提供するためのアレンジメントであって、当該検出平均値によって除算された当該検出瞬時値の各々が比率を形成する、アレンジメントと、
前記入力電圧信号が前記ランプを調光するための調光器を介して提供されることを可能にするために、前記比率のうちの少なくとも一部を調整するための、前記入力電圧信号を受信する端子と前記アレンジメントとの間にある調整回路と、
を含む、1以上の発光ダイオードを含む、前記ランプを駆動するためのドライバ。
【請求項2】
前記調整回路は、前記入力電圧信号の周期の様々な部分の間、様々な態様で前記比率を調整する、請求項1に記載のドライバ。
【請求項3】
前記調整回路は、前記ドライバの入力電流信号が閾値よりも大きな瞬時値を有する時間間隔が増大されるように前記比率を調整する、請求項1に記載のドライバ。
【請求項4】
前記調整回路は、
前記入力電圧信号の前記検出瞬時値を調整するための第1の回路
を含む、請求項1に記載のドライバ。
【請求項5】
前記第1の回路は、前記入力電圧信号の周期の様々な部分の間、様々な態様で前記入力電圧信号の前記検出瞬時値を調整する、請求項4に記載のドライバ。
【請求項6】
前記第1の回路は、
前記入力電圧信号の周期の0度前後及び180度前後で前記入力電圧信号の第1のグループの前記検出瞬時値の急峻度を増大させるためのエッジ整形器、
前記入力電圧信号の周期の1度以上179度以下の間で前記入力電圧信号の第2のグループの前記検出瞬時値にタイムラグを導入するための遅延導入器、及び/又は、
前記入力電圧信号の周期の90度前後で前記入力電圧信号の第3のグループの前記検出瞬時値をより正弦波にするための頂点整形器、
を含む、請求項4に記載のドライバ。
【請求項7】
前記エッジ整形器は第1のダイオードと第1の抵抗器との第1の並列接続を含み、前記遅延導入器は第1のキャパシタと第2の抵抗器との第2の並列接続を含み、前記頂点整形器は第3の抵抗器を含み、前記第1の並列接続の一方側は第1の基準電位に結合される第1の端子に結合され、前記第2の並列接続の一方側は前記第1の並列接続の他方側に結合され、前記第3の抵抗器の一方側は前記第2の並列接続の他方側に結合され、第4の抵抗器の一方側が前記第3の抵抗器の他方側と第5の抵抗器の一方側とに結合され、前記第4の抵抗器の他方側は前記入力電圧信号を受信するための第2の端子に結合され、前記第5の抵抗器の他方側は、第6の抵抗器と第2のキャパシタとの第3の並列接続の一方側と、前記アレンジメントに前記入力電圧信号の調整された前記検出瞬時値を提供するための前記アレンジメントの第1の入力とに結合され、前記第3の並列接続の他方側は前記第1の端子に結合される、請求項6に記載のドライバ。
【請求項8】
前記調整回路は、
前記入力電圧信号の前記検出平均値を調整するための第2の回路
を含む、請求項1に記載のドライバ。
【請求項9】
前記第2の回路は、
前記入力電圧信号の前記検出平均値の最小値を制限するためのリミッタ
を含む、請求項8に記載のドライバ。
【請求項10】
前記リミッタは第7の抵抗器と第2のダイオードと第3のダイオードとを含み、前記第7の抵抗器の一方側は第2の基準電位に結合される第3の端子に結合され、前記第2のダイオードの一方側は前記第7の抵抗器の他方側と前記第3のダイオードの一方側とに結合され、前記第2のダイオードの他方側は第1の基準電位に結合される第1の端子に結合され、前記第3のダイオードの他方側は、第3のキャパシタの一方側と、第8の抵抗器の一方側と、第9の抵抗器の一方側とに結合され、前記第8の抵抗器の他方側は前記入力電圧信号を受信するための第2の端子に結合され、前記第3のキャパシタの他方側は前記第1の端子に結合され、前記第9の抵抗器の他方側は、第10の抵抗器と第4のキャパシタとの第4の並列接続の一方側と、前記アレンジメントに前記入力電圧信号の調整された前記検出平均値を提供するための前記アレンジメントの第2の入力とに結合され、前記第4の並列接続の他方側は前記第1の端子に結合される、請求項9に記載のドライバ。
【請求項11】
前記調整回路は、
前記入力電圧信号の前記検出平均値を変調するための第3の回路
を含む、請求項1に記載のドライバ。
【請求項12】
前記第3の回路は、第1のトランジスタと第2のトランジスタとを含み、第11の抵抗器の一方側が前記入力電圧信号を受信するための第2の端子に結合され、前記第11の抵抗器の他方側は、前記第1のトランジスタの制御電極と、第12の抵抗器を介して、第1の基準電位に結合される第1の端子とに結合され、前記第1のトランジスタの第1の主電極は前記第1の端子に結合され、前記第1のトランジスタの第2の主電極は、前記第2のトランジスタの制御電極と、第13の抵抗器を介して、第2の基準電位に結合される第3の端子とに結合され、前記第2のトランジスタの第1の主電極は前記第1の端子に結合され、前記第2のトランジスタの第2の主電極は、第14の抵抗器を介して、前記アレンジメントに前記入力電圧信号の変調された前記検出平均値を提供するための前記アレンジメントの第2の入力に結合される、
請求項11に記載のドライバ。
【請求項13】
前記調整回路は、
前記入力電圧信号の前記検出瞬時値を変調するための第4の回路
を含む、請求項1に記載のドライバ。
【請求項14】
前記第4の回路は、第3のトランジスタと第4のダイオードとを含み、第15の抵抗器の一方側が前記入力電圧信号を受信するための第2の端子に結合され、前記第15の抵抗器の他方側は、前記第3のトランジスタの制御電極と、第16の抵抗器を介して、第1の基準電位に結合される第1の端子とに結合され、前記第3のトランジスタの第1の主電極は前記第1の端子に結合され、前記第3のトランジスタの第2の主電極は、前記第4のダイオードの一方側と、第17の抵抗器を介して、第2の基準電位に結合される第3の端子とに結合され、前記第4のダイオードの他方側は、前記アレンジメントに前記入力電圧信号の変調された前記検出瞬時値を提供するための前記アレンジメントの第1の入力に結合される、請求項13に記載のドライバ。
【請求項15】
請求項1に記載のドライバを含み、前記ランプ及び/又は前記調光器を更に含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1以上の発光ダイオードを含むランプを駆動するためのドライバに関する。更に、本発明は装置に関する。
【0002】
こうした装置の例は、ランプ及び調光器並びにこれらの部品である。
【背景技術】
【0003】
米国特許出願公開第2011/0285301A1号は、トライアック調光対応のスイッチングモード電源を開示する。こうしたスイッチングモード電源は、1以上の発光ダイオードを含むランプを駆動するために用いられる。このスイッチングモード電源は、力率補正コントローラを含み、1次側レギュレーション及び/又は2次側レギュレーションのためにフィードバックを用いる。
【0004】
部品を節約し、コストを低減させるために1次側レギュレーションに基づくと同時に、比較的高い力率、及び比較的低い総高調波歪みを有するアレンジメントが市販されているが、これらのアレンジメントのうちの少なくとも一部は調光対応ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、改善されたドライバを提供することである。本発明の更なる目的は、改善された装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によると、
ドライバの入力電圧信号の瞬時値の検出に応じて、及び入力電圧信号の平均値の検出に応じてランプに出力電流を提供するためのアレンジメントであって、検出平均値によって除算された検出瞬時値の各々が比率を形成するアレンジメントと、
入力電圧信号がランプを調光するための調光器を介して提供されることを可能にするために、比率のうちの少なくとも一部を調整するための調整回路と、
を含む、1以上の発光ダイオードを含むランプを駆動するためのドライバが提供される。
【0007】
アレンジメントは、ドライバの入力電圧信号の瞬時値を例えば第1の抵抗分圧器を介して検出し、入力電圧信号の平均値を例えば第2の抵抗分圧器を介して検出する。これらの検出に応じて、アレンジメントはランプに比較的一定の出力電流を提供する。
【0008】
受信された平均値によって除算された、受信された瞬時値の各々は、比率であるとして規定される。入力電圧信号の周期毎に数個〜多数の瞬時値が検出されるという事実のために、数個〜多数の比率がある。ドライバを例えばトライアック調光対応等といった調光対応とするために、ドライバは、比率のうちの少なくとも一部を調整するための調整回路を備え、入力電圧信号がランプを調光するための調光器を介して提供されることを可能にする。
【0009】
結果として、アレンジメント自体は調光対応ではないアレンジメントでさえ、今や調光対応のドライバにおいて用いられることができ、これは大きな利点である。
【0010】
入力電圧信号は、例えば調光器を介してメイン電源に結合される整流器からの整流された正弦波であってよいが、他の種類の入力電圧信号は除外されるべきでない。アレンジメントは、集積回路の形式のアレンジメントであってよく、又は別の種類のアレンジメントであってもよい。アレンジメントは、1次側レギュレーションを有してよいが、他の種類のアレンジメントは除外されるべきでない。通常、アレンジメント自体は調光対応ではないが、アレンジメント自体が既に調光対応であるアレンジメントの性能を改善するために調整が用いられることを除外していない。ランプは任意の種類の、及び任意の組合せでの1以上の発光ダイオードを含む。
【0011】
ドライバの実施形態は、入力電圧信号の周期の様々な部分の間、様々な態様で比率を調整する調整回路によって規定される。アレンジメント自体が調光対応ではないアレンジメントを調光器との組合せで用いるとき、入力電圧信号の周期の様々な部分の間、ドライバの調光対応性を改善するために様々な手段が導入される必要がある。したがって、調整回路は、入力電圧信号の周期の様々な部分の間、様々に挙動しなければならない。
【0012】
ドライバの実施形態は、時間間隔の間、ドライバの入力電流信号が閾値よりも大きい瞬時値を有する当該時間間隔が増大されるように比率を調整する調整回路によって規定される。少なくとも一部の調光器は、ドライバの入力電流信号が比較的長い時間間隔の間、比較的低い値を有するのを好まない。
【0013】
ドライバの実施形態は、入力電圧信号の検出瞬時値を調整するための第1の回路を含む調整回路によって規定される。比率のうちの少なくとも一部を調整するための1つの態様は、入力電圧信号の対応する検出瞬時値を調整することである。
【0014】
ドライバの実施形態は、入力電圧信号の周期の様々な部分の間、様々な態様で入力電圧信号の検出瞬時値を調整する第1の回路によって規定される。前述のとおり、調整回路は、入力電圧信号の周期の様々な部分の間で、様々に挙動すべきである。
【0015】
ドライバの実施形態は、
入力電圧信号の周期の0度前後及び180度前後で入力電圧信号の第1のグループの検出瞬時値の急峻度を増大させるためのエッジ整形器、
入力電圧信号の周期の1度以上179度以下の間で入力電圧信号の第2のグループの検出瞬時値にタイムラグを導入するための遅延導入器、及び/又は
入力電圧信号の周期の90度前後で入力電圧信号の第3のグループの検出瞬時値をより正弦波にするための頂点整形器、
を含む第1の回路によって規定される。入力電圧信号の周期の0度前後及び180度前後の第1の部分と、入力電圧信号の周期の1度以上、好ましくは10度以上、かつ179度以下、好ましくは170度以下の間の第2の部分と、入力電圧信号の周期の90度前後の第3の部分との、入力電圧信号の周期の3つの異なる部分が区別され得る。第1の部分の間、エッジ整形器が入力電圧信号の検出瞬時値の急峻度を増大させる。第2の部分の間、遅延導入器が入力電圧信号の検出瞬時値にタイムラグを導入する。第3の部分の間、頂点整形器が入力電圧信号の検出瞬時値をより正弦波にする。
【0016】
ドライバの実施形態は、第1のダイオードと第1の抵抗器との第1の並列接続を含むエッジ整形器と、第1のキャパシタと第2の抵抗器との第2の並列接続を含む遅延導入器と、第3の抵抗器を含む頂点整形器とによって規定され、第1の並列接続の一方側は第1の基準電位に結合される第1の端子に結合され、第2の並列接続の一方側は第1の並列接続の他方側に結合され、第3の抵抗器の一方側は第2の並列接続の他方側に結合され、第4の抵抗器の一方側が第3の抵抗器の他方側と第5の抵抗器の一方側とに結合され、第4の抵抗器の他方側は入力電圧信号を受信するための第2の端子に結合され、第5の抵抗器の他方側は、第6の抵抗器と第2のキャパシタとの第3の並列接続の一方側と、アレンジメントに入力電圧信号の調整された検出瞬時値を提供するための当該アレンジメントの第1の入力とに結合され、第3の並列接続の他方側は第1の端子に結合される。
【0017】
ドライバの実施形態は、入力電圧信号の検出平均値を調整するための第2の回路を含む調整回路によって規定される。比率のうちの少なくとも一部を調整するための別の態様は、入力電圧信号の検出平均値を調整することである。好ましくは、入力電圧信号の検出平均値は、入力電圧信号の検出瞬時値の調整と併せて、しかし互いに異なる態様で調整される。
【0018】
ドライバの実施形態は、入力電圧信号の検出平均値の最小値を制限するためのリミッタを含む第2の回路によって規定される。動作中の調光器は、入力電圧信号の平均値を低減させる。少なくとも一部のアレンジメントは、入力電圧信号の検出平均値の最小値が上げられ、及び/又はある最小値を下回らないときに、改善された調光対応性を示す。
【0019】
ドライバの実施形態は、第7の抵抗器と第2のダイオードと第3のダイオードとを含むリミッタにより規定され、第7の抵抗器の一方側は第2の基準電位に結合される第3の端子に結合され、第2のダイオードの一方側は第7の抵抗器の他方側と第3のダイオードの一方側とに結合され、第2のダイオードの他方側は第1の基準電位に結合される第1の端子に結合され、第3のダイオードの他方側は、第3のキャパシタの一方側と、第8の抵抗器の一方側と、第9の抵抗器の一方側とに結合され、第8の抵抗器の他方側は入力電圧信号を受信するための第2の端子に結合され、第3のキャパシタの他方側は第1の端子に結合され、第9の抵抗器の他方側は、第10の抵抗器と第4のキャパシタとの第4の並列接続の一方側と、アレンジメントに入力電圧信号の調整された検出平均値を提供するためのアレンジメントの第2の入力とに結合され、第4の並列接続の他方側は前記第1の端子に結合される。
【0020】
ドライバの実施形態は、入力電圧信号の検出平均値を変調するための第3の回路を含む調整回路によって規定される。この第3の回路は、入力電圧信号の検出平均値を変調することによって、ドライバにブリーダ機能を追加する。
【0021】
ドライバの実施形態は、第1のトランジスタと第2のトランジスタとを含む第3の回路によって規定され、第11の抵抗器の一方側が入力電圧信号を受信するための第2の端子に結合され、第11の抵抗器の他方側は、第1のトランジスタの制御電極と、第12の抵抗器を介して、第1の基準電位に結合される第1の端子とに結合され、第1のトランジスタの第1の主電極は第1の端子に結合され、第1のトランジスタの第2の主電極は、第2のトランジスタの制御電極と、第13の抵抗器を介して、第2の基準電位に結合される第3の端子とに結合され、第2のトランジスタの第1の主電極は第1の端子に結合され、第2のトランジスタの第2の主電極は、第14の抵抗器を介して、アレンジメントに入力電圧信号の変調された検出平均値を提供するためのアレンジメントの第2の入力に結合される。
【0022】
ドライバの実施形態は、 入力電圧信号の検出瞬時値を変調するための第4の回路を含む調整回路によって規定される。この第4の回路は、入力電圧信号の検出瞬時値を変調することによって、ドライバにブリーダ機能を追加する。
【0023】
ドライバの実施形態は、第3のトランジスタと第4のダイオードとを含む第4の回路によって規定され、第15の抵抗器の一方側が入力電圧信号を受信するための第2の端子に結合され、第15の抵抗器の他方側は、第3のトランジスタの制御電極と、第16の抵抗器を介して、第1の基準電位に結合される第1の端子とに結合され、第3のトランジスタの第1の主電極は前記第1の端子に結合され、第3のトランジスタの第2の主電極は、第4のダイオードの一方側と、第17の抵抗器を介して、第2の基準電位に結合される第3の端子とに結合され、第4のダイオードの他方側は、入力電圧信号の変調された検出瞬時値をアレンジメントに提供するためのアレンジメントの第1の入力に結合される。
【0024】
第2の態様によると、上述のドライバを含み、ランプ及び/又は調光器を更に含む装置が提供される。
【0025】
利用可能なアレンジメントは、入力電圧信号の瞬時値及び平均値の検出に応じてランプに出力電流を提供する。基本的な発想は、比率を形成する検出平均値によって除算された検出瞬時値の各々に対して、入力電圧信号がランプを調光するための調光器を介して提供されることを可能にするために、比率のうちの少なくとも一部が調整されることである。
【0026】
改善されたドライバを提供するための課題が解決される。更なる利点は、ドライバが、ロバストかつ低コストである利用可能なアレンジメント、及びロバストかつ低コストである調整回路に基づくことである。
【0027】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施形態から明らかとなり、これらの実施形態を参照して解明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】メイン電源、調光器、整流インターフェース、ドライバ、及びランプを示す。
【
図5】入力電圧信号の従来技術の波形及び改善された波形を示す。
【
図6】入力電流信号のシミュレートされた波形を示す。
【
図9】入力電圧信号の検出平均値を変調するための第3の回路を示す。
【
図10】入力電圧信号の検出瞬時値を変調するための第4の回路を示す。
【
図11】市販されている従来技術のアレンジメントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1において、メイン電源4、調光器3、整流インターフェース5、ドライバ1、及びランプ2が示される。メイン電源4は、例えば50Hzで220ボルト、又は60Hzで110ボルトのメイン電圧信号を提供するが、他の電圧及び周波数を除外していない。調光器3は、例えば、動作の際メイン電圧信号の周期(の半分)の一部分の間は導通し、メイン電圧信号の周期(の当該半分)の他の部分の間は非導通するトライアック調光器であるが、他の種類の調光器を除外していない。整流インターフェース5は、例えば変圧器と、整流器と、1以上のフィルタとを含む。ドライバ1の実施形態は、
図2においてより詳細に示される。ランプ2は、1以上の発光ダイオードを含む。
【0030】
図2において、ドライバ1の実施形態が示される。ランプ2を駆動するためのこのドライバ1は、ドライバ1の入力電圧信号の瞬時値の検出に応じて、及び入力電圧信号の平均値の検出に応じてランプ2に出力電流を提供するためのアレンジメント11を含む。ドライバ1の入力電圧信号は、整流インターフェース5の出力電圧信号である。アレンジメント11は、例えば、
図11においてより詳細に示されるようなSOIC‐8のパッケージにおいて利用可能なAP1682である。ドライバ1は、例えば、米国特許出願公開第2011/0285301A1号においても示されるようなスイッチと変圧器とを含む出力インターフェース13を更に含む。出力インターフェース13の入力は、アレンジメント11の出力16に結合される。
【0031】
従来技術の状況では、アレンジメント11の第1の入力14と第2の入力15とは、抵抗分圧器(示されていない)を介して整流インターフェース5の出力に結合される。第1の入力14は、ドライバ1の入力電圧信号の瞬時値の検出を受信し、第2の入力15は、入力電圧信号の平均値の検出を受信する。
【0032】
このアレンジメント11は、部品を節約し、コストを低減させ、かつ、比較的高い力率、及び比較的低い総高調波歪みを有する1次側レギュレーションを有する。不都合にも、このアレンジメント11は、一部の他のアレンジメントと同様に調光対応ではない。
【0033】
ドライバ1がアレンジメント11を含むときにドライバ1を調光対応とするために、調整回路12が導入されるべきである。この調整回路12は、ドライバ1の入力電圧信号がランプ2を調光するための調光器3を介して提供されることを可能にするために、検出のうちの少なくとも一部を調整する。このために、検出平均値によって除算された検出瞬時値の各々は比率であると規定され、比率のうちの少なくとも一部が調整回路12によって調整されるべきである。好ましくは、調整回路12は、ドライバ1の入力電圧信号の周期の様々な部分の間、様々な態様で比率を調整する。更に好ましくは、調整回路12は、
図6及び
図7においても示されるように、時間間隔の間、ドライバ1の入力電流信号が閾値よりも大きい瞬時値を有する当該時間間隔が増大されるように比率を調整する。
【0034】
図2において、最後に、接地等の第1の基準電位に結合される第1の端子17が示され、ドライバ1の入力電圧信号を受信するための第2の端子18が示され、電源電圧等の第2の基準電位に結合される第3の端子19が示される。調整回路12及び出力インターフェース13の各々は、端子17〜19の各々に結合され、アレンジメント11は、端子17及び19に結合される。
【0035】
図3において、調整回路12の実施形態が示される。調整回路12のこの実施形態は、入力電圧信号の検出瞬時値を調整するための第1の回路21〜29と、入力電圧信号の検出平均値を調整するための第2の回路31〜38とを含む。好ましくは、第1の回路21〜29は、入力電圧信号の周期の様々な部分の間、様々な態様で入力電圧信号の検出瞬時値を調整する。
【0036】
第1の回路21〜29は、例えば、入力電圧信号の周期の0度前後及び180度前後で入力電圧信号の第1のグループの検出瞬時値の急峻度を増大させるためのエッジ整形器21、22と、入力電圧信号の周期の1度以上179度以下の間で入力電圧信号の第2のグループの検出瞬時値にタイムラグを導入するための遅延導入器23、24と、入力電圧信号の周期の90度前後で入力電圧信号の第3のグループの検出瞬時値をより正弦波にするための頂点整形器とを含む。
【0037】
エッジ整形器21、22は、例えば第1のダイオード21と第1の抵抗器22との第1の並列接続を含み、遅延導入器23、24は、例えば第1のキャパシタ23と第2の抵抗器24との第2の並列接続を含み、頂点整形器は、例えば第3の抵抗器25を含む。第1の並列接続の一方側は、接地等の第1の基準電位に結合される第1の端子17に結合され、第2の並列接続の一方側は、第1の並列接続の他方側に結合される。第3の抵抗器25の一方側は、第2の並列接続の他方側に結合され、第4の抵抗器26の一方側が、第3の抵抗器25の他方側と第5の抵抗器29の一方側とに結合される。第4の抵抗器26の他方側は、ドライバ1の入力電圧信号を受信するための第2の端子18に結合され、第5の抵抗器29の他方側は、第6の抵抗器28と第2のキャパシタ27との第3の並列接続の一方側と、アレンジメント11に入力電圧信号の調整された検出瞬時値を提供するためのアレンジメント11の第1の入力14とに結合される。第3の並列接続の他方側は、第1の端子17に結合される。この実施形態によると、第3の抵抗器25は、総高調波歪みを低減させ、力率を改善させる。
【0038】
第2の回路31〜38は、例えばドライバ1の入力電圧信号の検出平均値の最小値を制限するためのリミッタ31〜33を含む。リミッタ31〜33は、例えば第7の抵抗器31と第2のダイオード32と第3のダイオード33とを含む。第7の抵抗器31の一方側は、例えば電源電圧等の第2の基準電位に結合される第3の端子19に結合され、第2のダイオード32の一方側は、第7の抵抗器31の他方側と第3のダイオード33の一方側とに結合される。第2のダイオード32の他方側は、第1の端子17に結合され、第3のダイオード33の他方側は、第3のキャパシタ34の一方側と、第8の抵抗器35の一方側と、第9の抵抗器36の一方側とに結合される。第8の抵抗器35の他方側は、第2の端子18に結合され、第3のキャパシタ34の他方側は、第1の端子17に結合される。第9の抵抗器36の他方側は、第10の抵抗器37と第4のキャパシタ38との第4の並列接続の一方側と、アレンジメント11に入力電圧信号の調整された検出平均値を提供するためのアレンジメント11の第2の入力15とに結合される。第4の並列接続の他方側は、第1の端子17に結合される。この実施形態によると、第2の回路31〜38は、ランプ2(の光強度)が調光器3(の導通角)に対してどのように反応するかを改善する。
【0039】
当業者は、上述の第1の回路及び第2の回路を構築するために多くの様々な実施形態が可能であることを理解するであろう。
【0040】
図4において、従来技術のドライバの入力電流信号の従来技術の波形が示される。時間間隔43は、従来技術のドライバの入力電流信号が、(例えば調光器の保持電流閾値等といった)閾値45よりも大きい時間の量を規定する。
【0041】
図5において、入力電圧信号の従来技術の波形51及び改善された波形52が示される。改善された波形52は、調整回路12の導入の結果である。
【0042】
図6において、入力電流信号のシミュレートされた波形が示される。従来技術の入力電流61及び改善された入力電流62が示される。また、時間間隔の間、従来技術の入力電流61及び改善された入力電流62が閾値65よりも大きい、従来技術の当該時間間隔63及び改善された当該時間間隔64が示される。
【0043】
図7において、入力電流信号の測定波形が示される。従来技術の入力電流71及び改善された入力電流72が示される。また、時間間隔の間、従来技術の入力電流71及び改善された入力電流72が閾値75よりも大きい、従来技術の当該時間間隔73及び改善された当該時間間隔74が示される。
【0044】
図6及び
図7の両方に対して、改善された時間間隔64及び74は、従来技術の時間間隔63及び73よりも明らかに長い。少なくとも一部の調光器は、ドライバの入力電流信号が比較的長い時間間隔の間、比較的低い値を有するのを好まない。調整回路12はこの問題を軽減させる。
【0045】
図8において、調光曲線が示される。縦軸はランプ2の光強度を規定し、横軸は調光器3の導通角を規定する。この導通角は、メイン電圧信号の周期(の半分)の一部分の間、調光器3が導通する当該一部分を規定する。
【0046】
図9において、入力電圧信号の検出平均値を変調するための第3の回路91〜96が示される。この第3の回路91〜96は、ブリーダ機能を導入し、例えば第1のトランジスタ91と第2のトランジスタ92とを含む。第11の抵抗器93の一方側が、第2の端子18に結合され、第11の抵抗器93の他方側は、第1のトランジスタ91の制御電極と、第12の抵抗器94を介して第1の端子17とに結合される。第1のトランジスタ91の第1の主電極は、第1の端子17に結合され、第1のトランジスタ91の第2の主電極は、第2のトランジスタ92の制御電極と、第13の抵抗器95を介して第3の端子19とに結合される。第2のトランジスタ92の第1の主電極は、第1の端子17に結合され、第2のトランジスタ92の第2の主電極は、第14の抵抗器96を介して、アレンジメント11に入力電圧信号の変調された検出平均値を提供するためのアレンジメント11の第2の入力15に結合される。
【0047】
図10において、入力電圧信号の検出瞬時値を変調するための第4の回路101〜105が示される。この第4の回路101〜105は、ブリーダ機能を導入し、例えば第3のトランジスタ103と第4のダイオード104とを含む。第15の抵抗器101の一方側が、第2の端子18に結合され、第15の抵抗器101の他方側は、第3のトランジスタ103の制御電極と、第16の抵抗器102を介して第1の端子17とに結合される。第3のトランジスタ103の第1の主電極は、第1の端子17に結合され、第3のトランジスタ103の第2の主電極は、第4のダイオード104の一方側と、第17の抵抗器105を介して第3の端子19とに結合される。第4のダイオード104の他方側は、アレンジメント11に入力電圧信号の変調された検出瞬時値を提供するためのアレンジメント11の第1の入力14に結合される。
【0048】
図11において、SOIC‐8のパッケージにおいて利用可能なAP1682の形式の従来技術のアレンジメント11が示される。第1の入力14及び第2の入力15並びに出力16を表すピンは、既に上述されている。第1の端子17及び第3の端子19を表すピンは、既に上述されている。ピン111は、無接続ピンである。ピン112は、電流感知ピンである。ピン113は、電流/電圧フィードバックピンである。
【0049】
要約すると、入力電圧信号の瞬時値及び平均値の検出に応じて出力電流を提供するためのアレンジメント11を有する、発光ダイオードを含むランプ2を駆動するためのドライバ1が提供される。検出平均値によって除算された検出瞬時値は比率を形成する。一部の比率を調整するための調整回路12が、ドライバ1を調光対応にする。調光回路12は、検出瞬時値を調整するための第1の回路21〜29と、検出平均値を調整するための第2の回路31〜38と、ブリーダ機能を追加するために検出平均値及び検出瞬時値をそれぞれ変調するための第3の回路91〜96及び第4の回路101〜105とを含む。調整回路12は、入力電圧信号の周期の様々な部分の間、様々な態様で比率を調整し、また、時間間隔の間、ドライバ1の入力電流信号が閾値よりも大きい瞬時値を有する当該時間間隔が増大されるように、比率を調整し得る。
【0050】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に例示され説明されたが、こうした例示及び説明は、例示的又は典型的であると考えられるべきであり、限定と考えられるべきではなく、本発明は、開示された実施形態に限定されない。当業者によって、特許請求された発明を実施するにあたり、図面、明細書、及び添付の請求項の研究から、開示された実施形態の他のバリエーションが理解され達成されることができる。請求項で、「含む」の文言は他の要素又はステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外するものではない。特定の手段が、相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用できないことを意味するわけではない。請求項のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。