特許第6312862号(P6312862)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6312862共形コーティングされた照明又はイルミネーションシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6312862
(24)【登録日】2018年3月30日
(45)【発行日】2018年4月18日
(54)【発明の名称】共形コーティングされた照明又はイルミネーションシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/48 20100101AFI20180409BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20180409BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20180409BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180409BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20180409BHJP
【FI】
   H01L33/48
   F21S2/00 482
   F21S8/04 310
   F21Y115:10
   F21Y115:30
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-568611(P2016-568611)
(86)(22)【出願日】2015年5月8日
(65)【公表番号】特表2017-522720(P2017-522720A)
(43)【公表日】2017年8月10日
(86)【国際出願番号】EP2015060158
(87)【国際公開番号】WO2015176972
(87)【国際公開日】20151126
【審査請求日】2016年11月18日
(31)【優先権主張番号】14169071.9
(32)【優先日】2014年5月20日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】デ サンバー マーク アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】バン グルンスベン エリック コーネリス エグベルトゥス
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブス エグベルトゥス レイニエル
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン エスター アンナ ウィルヘルミナ ゲラルダ
【審査官】 當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−192605(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0135844(US,A1)
【文献】 特表2011−517010(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/030281(WO,A1)
【文献】 特開平05−259510(JP,A)
【文献】 特開2009−272344(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0056749(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/48
F21S 2/00
F21S 8/04
F21V 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティそれぞれがテンプレートの上面に開口部を有する前記テンプレート全体に分布された複数のキャビティを有する当該テンプレートと、
光源パッケージそれぞれが光源を有し、前記複数のキャビティ内に配置された複数の光源パッケージであって、前記光源パッケージそれぞれが対応するキャビティの形状とマッチする形状を有し、前記光源パッケージそれぞれが当該光源パッケージの上面に配置された第1電極及び第2電極を有し、前記第1電極及び前記第2電極が前記キャビティの前記開口部で露出され、前記光源に電気的に接続された、当該光源パッケージと、
前記テンプレートの前記上面に付与され、前記光源パッケージに電気的に接続するために前記光源パッケージの前記第1電極及び前記第2電極と接触する導電体と、
を含み、
前記光源パッケージ又は前記複数のキャビティは、反射底層を有し、前記光源の発光面が前記反射底層と対向する、照明デバイス。
【請求項2】
前記テンプレートは支持構造体の一部である、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項3】
前記光源パッケージは磁気要素を有する、請求項1又は2に記載の照明デバイス。
【請求項4】
前記光源パッケージの前記第1電極及び前記第2電極は前記テンプレートの前記上面上に延在する、請求項1乃至3の何れか一項に記載の照明デバイス。
【請求項5】
前記光源パッケージの上部は前記光源パッケージの下部に対して非対称であり、前記光源パッケージのそれぞれの前記形状は上下軸周りに回転対称である、請求項1乃至4の何れか一項に記載の照明デバイス。
【請求項6】
前記光源パッケージの前記形状が上下軸周りに回転非対称である、請求項1乃至の何れか一項に記載の照明デバイス。
【請求項7】
前記光源パッケージの前記第1電極及び前記第2電極は前記テンプレートの前記上面上に延在する、請求項1乃至に記載の照明デバイス。
【請求項8】
前記テンプレートは支持構造体に配置される別個のテンプレート層である、請求項1乃至の何れか一項に記載の照明デバイス。
【請求項9】
前記光源パッケージそれぞれが、
第1上部電極及び第2上部電極に電気的に接続された上部光源と、第1下部電極及び第2下部電極に電気的に接続された下部光源とを含み、
前記第1下部電極及び前記第2下部電極は、前記第1上部電極及び前記第2上部電極が配置された面と反対側の前記光源パッケージの面に配置される、請求項1乃至の何れか一項に記載の照明デバイス。
【請求項10】
前記光源パッケージの第1光源パッケージの第1電極は、少なくとも一つの導電体によって、前記光源パッケージの第2光源パッケージの第2電極に電気的に接続される、請求項1乃至9の何れか一項に記載の照明デバイス。
【請求項11】
前記照明デバイスは非平面延長部を有し、前記テンプレートは非平面である、請求項1乃至10の何れか一項に記載の照明デバイス。
【請求項12】
照明デバイスを製造する方法であって、当該方法は、
キャビティそれぞれがテンプレートの上面に開口部を有する前記テンプレート全体に分布された複数のキャビティを有するテンプレートを設けるステップと、
光源パッケージそれぞれが光源を有する複数の光源パッケージを前記キャビティ内に配置するステップであって、前記光源パッケージそれぞれは対応するキャビティの形状とマッチする形状を有し、前記光源パッケージそれぞれは前記光源に電気的に接続された第1電極及び第2電極を有し、前記第1電極及び前記第2電極は、前記光源パッケージの第1面に配置され、前記複数の光源パッケージが前記キャビティ内に配置される時、前記キャビティの前記開口部で露出される、当該配置するステップと、
前記複数の光源パッケージを前記キャビティ内に配置した後、前記光源パッケージに電気的に接続するために前記光源パッケージの前記第1電極及び前記第2電極と接触する導電体を前記テンプレートの前記上面に付与するステップと、を含み、
前記光源パッケージ又は前記複数のキャビティは、反射底層を有し、前記光源の発光面が前記反射底層と対向する、方法。
【請求項13】
前記光源パッケージそれぞれが前記対応するキャビティ内に配置される前に、前記光源パッケージそれぞれを前記対応するキャビティに取り付ける接着要素を前記キャビティ内に設けるステップを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記光源パッケージは磁気要素を含み、前記複数の光源パッケージを配置するステップは、前記光源パッケージが前記テンプレートの前記キャビティの方に引きつけられるように磁場を加えるステップを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記導電体を付与するステップは、印刷プロセスを用いて導体線を形成するステップを含む、請求項12、13又は14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明デバイス、及びそのような照明デバイスを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光照明及び白熱照明は、例えばオフィス空間やショッピングモールの照明等の種々の照明アプリケーションに一般的に用いられる照明技術である。しかしながら、白熱照明はエネルギー効率に優位性がなく、蛍光灯管は、一般的に廃棄が容易ではない環境に良くない要素を含んでいる。近年、照明アプリケーションの市場には、有力な競合品として他の既存の技術に比べて主にエネルギー効率が優れているという理由で、発光ダイオード(LED)が台頭してきている。
【0003】
近年、例えば特殊な形状、又は斬新な形状を有するカスタマイズされた発光デバイスに対する関心が高まってきている。そのような一般的に大量に作られることはないカスタマイズされた発光デバイスにとっての課題は、顧客の要求を満たしながら製造単位当たりのコストを低く抑えることである。そのような照明デバイスの実現には、通常、比較的小型に製造可能な多数のLEDと、発光デバイスの所望の形状にわたって、LEDにより放射される光を分配するための誘導素子とが利用される。
【0004】
米国特許出願公開第2009/0114928号は、LEDアレイを有する発光構造体を開示している。この発光構造体では、LEDアレイは、LEDの電極を形成する導体材料層の間、及び光が透過するガラス板の間に配置される。各LEDは、この構造体の中間層の孔部に配置される。
【0005】
米国特許出願公開第2013/056749号は、発光素子を光学素子と位置合わせすること、及び/又は、光変換材料を発光素子上に配置すること、並びに発光素子との電気接続性を与えることにより形成される照明システムを開示している。
【0006】
しかしながら、米国特許出願公開第2009/0114928号を含む従来技術には、カスタマイズされた発光デバイスの要求を十分に満たすための知識がまだ欠落している。例えば、開示された米国特許出願公開第2009/0114928号の発光構造体は、例えば比較的複雑な接触及び接続形態、並びに比較的複雑な組み立て手順のため、特殊な形状の照明デバイスを製造するためには満足していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術の上述の欠点及び他の欠点に鑑み、本発明の一般的な目的は、特殊な形状の照明デバイスを製造するための改善された方法を提供すること、及びそのような照明デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様によると、キャビティそれぞれがテンプレートの上面に開口部を有するテンプレート全体に分布された複数のキャビティを有する当該テンプレートと、光源パッケージそれぞれが光源を有し、複数のキャビティ内に配置された複数の光源パッケージであって、光源パッケージそれぞれが対応するキャビティの形状とマッチする形状を有し、光源パッケージそれぞれが当該光源パッケージの上面に配置された第1及び第2電極を有し、第1及び第2電極がキャビティの開口部で露出され、光源に電気的に接続された光源パッケージと、テンプレートの上面に付与され、光源パッケージに電気的に接続するために光源パッケージの第1及び第2電極と接触する導電体と、を有し、光源パッケージ又は複数のキャビティは、反射底層を有し、光源の発光面が反射底層と対向する、照明デバイスが提供される。
【0009】
本発明の第2態様によると、キャビティそれぞれがテンプレートの上面に開口部を有するテンプレート全体に分布された複数のキャビティを有するテンプレートを設けるステップと、光源パッケージそれぞれが光源を有する複数の光源パッケージをキャビティ内に配置するステップであって、光源パッケージそれぞれは対応するキャビティの形状とマッチする形状を有し、光源パッケージそれぞれは光源に電気的に接続された第1及び第2電極を有し、第1及び第2電極は、光源パッケージの第1面に配置され、複数の光源パッケージがキャビティ内に配置される時、キャビティの開口部で露出されるステップと、複数の光源パッケージをキャビティ内に配置した後、光源パッケージに電気的に接続するために光源パッケージの第1及び第2電極と接触する導電体をテンプレートの上面に付与するステップと、を含み、光源パッケージ又は複数のキャビティは、反射底層を有し、光源の発光面が反射底層と対向する、照明デバイスを製造する方法が提供される。
【0010】
本発明の両態様の効果及び特徴は、ほぼ類似している。
【0011】
キャビティを有するテンプレートは、照明デバイスの光源パッケージのレイアウトを規定する。したがって、テンプレートのキャビティは、光源パッケージが配置されるテンプレート内の位置を示す。実施形態では、1つの光源パッケージが1つのキャビティ内に配置され、各キャビティには1つの光源パッケージが配置される。さらに、テンプレートの上面は、各キャビティのための開口部を有する。光源パッケージをキャビティ内に配置する時、光源パッケージは開口部を通ってキャビティに挿入される。光源パッケージの第1面は、キャビティの開口部の外、すなわち、テンプレートの上面よりも上に突出するか、又は、光源パッケージは、完全にキャビティの内部にあり、光源パッケージの第1面は、テンプレートの上面よりも下に配置される。
【0012】
各光源パッケージの電極は、キャビティの開口部、すなわちテンプレートの上面に露出されるように配置され、このことは、光源パッケージの第1面上の電極は、テンプレートの上面から接触できることを意味する。導電体は、光源パッケージの電極へのガルバニック電気接続をもたらす。
【0013】
本発明によると、導電体は、光源パッケージがキャビティ内に配置された後に、テンプレートの上面に配置される。これは、光源パッケージがキャビティの所定の位置に配置された後に付与された導電体が、光源パッケージの第1及び第2電極と電気的に接触するように、光源パッケージの電極が上面に露出されることを意味する。
【0014】
本発明は、ほぼ任意形状の照明デバイスが、光源を有する光源パッケージが配置された後に電気接続を形成することを含む方法により製造されるという理解に基づいている。さらに、発明者らは、光源パッケージのための所定の位置となるキャビティを有するテンプレートを用いることにより、改善された簡単な製造方法及び照明デバイスが可能になることに気付いた。また、光源パッケージの形状をキャビティの形状とマッチさせることにより、光源パッケージをキャビティにぴったり合わせるための改善された自己組み立てタイプのプロセスが実現される。これにより、カスタマイズされた照明デバイスのためのコスト効率の良い製造方法が実現される。
【0015】
反射底層は、底層が層に入射する光の大部分を反射することを意味する。この場合、動作中の光源は、主に底層に向けて光を放出する。さらに、底層は、光源パッケージがキャビティ内に配置される時、対応するキャビティの内面に底層が隣接するように、光源パッケージの底層として配置される。つまり、光源パッケージの底層は、光源パッケージがキャビティ内に配置される時、底層がキャビティの内面と光源との間に配置されるように配置される。底層は、光源パッケージの輪郭のような形をしている。別法として、底層は、キャビティの底層として配置される。さらに、光源の発光面は、反射底層と対向する。したがって、光源は、上面に垂直な角度から見た場合に、光源が光源パッケージの第1又は第2電極の後ろに隠れ、電極の反対側から見えないように、第1又は第2電極の下に配置される。このように光源が第1又は第2電極の下に配置される場合、光源の取り付け位置によるダークスポットが生じないため、隠れた光源により、出力光がより均一で、美的に魅力的になる。このような構成では、光源は光を反射底層に向けて放出し、反射底層は、放出された光をテンプレートの上面に向けて反射し、キャビティから外へ放出する。
【0016】
本発明の実施形態によると、テンプレートは支持構造体の一部である。支持構造体は、照明デバイスを機械的に支持する構造体である。例えば支持構造体は、照明デバイスの本体である。支持構造体の一部であるテンプレートを有するということは、光源パッケージが配置されるキャビティが支持構造体に設けられることを意味する。したがって、この場合、上面は支持構造体の上面である。キャビティを支持構造体に直接配置することの利点は、湾曲した構造、或いは非平面構造を有する照明デバイスが円滑に製造されることである。例えば、支持構造体は、照明デバイスの全体形状を部分的に規定する。支持構造体は、第1ステップとして製造される。照明デバイスの全体形状は、例えば、照明デバイスのあるデザイン別個のを所望するユーザにより選択される。続いてキャビティは、非平面形状を有する(テンプレートとして機能する)支持構造体に配置される。かかる形状は、光源パッケージがキャビティ内に配置され得る限り、湾曲部、球面部、又は他のほぼ任意の形状を含む。当然ながら、平面形状も考えられる。
【0017】
支持構造体は、支持構造体及びキャビティの形状がデジタル処理で設計される印刷方法を含む積層造形法を用いて製造される。印刷方法は、例えば3次元印刷法である。
【0018】
また、反射底層は、V字型又はU字型の断面を有する。断面は、底層を有する光源パッケージがキャビティ内に配置される時、テンプレートに垂直な面に規定される。U字型又はV字型の断面は、光源パッケージの形状にマッチする形状を有するキャビティに光源パッケージを正確に配置することを容易にする。この場合、キャビティの形状は、底層の形状にほぼマッチする。一実施形態では、各光源パッケージは細長い半円筒の形に形成される。
【0019】
本発明の別の実施形態では、光源パッケージの上部は、光源パッケージの下部に対して非対称で、光源パッケージそれぞれの形状は、上下軸周りに回転対称である。上部は、例えば電極及び電極に隣接する部分を含む。下部は、上部を除いた光源パッケージの残りの部分を含む。例えば、上部は光源パッケージの上半分であり、下部は光源パッケージの下半分である。さらに、上下軸周りの回転対称性により、光源パッケージのマッチする形状を有するキャビティへの取り付け及び位置合わせが容易になる。回転対称性は、対称性のレベルに応じて2つ、3つ、4つ、又は5つ以上の異なる形態を可能にするが、それでもなお照明デバイスの適切な組み立てが可能である。有利なことに、これによって例えば自己組み立てプロセスの捕捉効率が改善される。回転対称の例は、例えば180°回転又は90°回転等であるが、他も考えられる。
【0020】
本発明の実施形態では、光源パッケージは2つの光源を有する。
【0021】
本発明の一実施形態では、各光源パッケージは2つの光源を有し、各光源は2つの電極に接続される。
【0022】
本発明の別の実施形態では、各光源パッケージは、逆平行に2つの電極に接続されて、AC電源による光源パッケージの駆動が可能になる、例えばLED等の2つの固体光源を有する。
【0023】
本発明の実施形態によると、光源パッケージの第1及び第2電極は、テンプレートの上面上に延在する。したがって、電極は上面上に延在し、上面と光源パッケージの電極との間に重なりがある。このように、例えば導電体と光源パッケージの電極との間の接触面が増大することにより、光源を導電体と接触させることが容易になる。さらに、光源パッケージの電極がテンプレートの上面上に延在できることで、導電体を付与する際に、より余裕のある幾何公差が可能になる。
【0024】
本発明の一実施形態によると、テンプレートは、支持構造体に配置された別個のテンプレート層である。つまり、この場合テンプレートは、支持構造体に配置された別の部品である。支持構造体はまた、この場合湾曲しているか又は非平面であるが、平面の支持構造体も考えられる。独立したテンプレート層では、キャビティは支持構造体にではなくテンプレート層に形成される。テンプレート層は、別個の層として付与される時、例えばシリコン、エポキシ樹脂又はPUR(ポリウレタン)等から作られるか、又は、テンプレートの材料がリフローし、材料と光源パッケージとの間の隙間を埋めることができるホットメルトタイプである。別個のテンプレート層を有することにより、少数の異なる開始支持構造体、テンプレート層、及び光源パッケージをベースとする特定のカスタマイズされた照明製品を少量(すなわち少ない製造単位数)だけ製造できる。支持構造体は、機械的構造を与えるが、例えばサーマルヒートシンキングのような他の機能も提供する。テンプレート層は、(一連の設計ルール及び可能な回路の組み合わせの範囲内で)カスタマイズされた製品形状及び照明設計を提供する。光源パッケージは、発光ダイオードを含む標準化された部品を含む。支持構造体、テンプレート層、及び光源パッケージの組み合わせは、カスタマイズされた設計(設計の自由度)をもたらし、少数の組立部品をベースにした、(ユーザの好みを満足する)多数の最終製品が可能になる。
【0025】
本発明の一実施形態では、各光源パッケージの光源は、第1上部電極及び第2上部電極に電気的に接続された上部光源と、第1及び第2下部電極に電気的に接続された下部光源とを含み、第1及び第2下部電極は、第1及び第2上部電極が配置された面と反対側の光源パッケージの面に配置される。このように、光源パッケージをキャビティ内に配置する時、光源パッケージはどちらかの側を上か下にしてキャビティ内に配置されるが、光源の電極をキャビティの開口部に向けて配置したままであるため、改善された自己組み立てが行われる。したがって、光源パッケージの形状とキャビティの形状とがマッチするように光源パッケージがキャビティ内に配置される限り、光源の電極は、キャビティの開口部を向くように配置される。これにより、容易に光源パッケージをキャビティ内に配置するやり方が提供される。
【0026】
実施形態では、光源パッケージをキャビティ内に取り付けるために、キャビティに接着要素が設けられる。接着要素は、各光源パッケージが対応するキャビティ内に配置される前にキャビティに設けられる。接着要素は、各光源パッケージをキャビティに取り付けるように構成される。接着要素は、例えば液滴や層の形をしている。液滴の場合、液滴は、光源パッケージをキャビティ内に配置する前にキャビティに置かれる。層の場合、層は、キャビティの底部に配置される。例えば接着剤の形態の接着要素は、接着要素が硬化される前に光源パッケージがキャビティに正確に位置付けられるように、付与後、最初は粘着しない。つまり、接着要素は、正しく配向及び位置付けられた光源パッケージのみを捕捉して固める。一実施形態では、接着要素は、光源パッケージがキャビティにぴったり合った時にのみ接着要素及び光源パッケージが接触するように配置される。例えば、キャビティは追加のキャビティ延長部を有し、光源パッケージは追加のパッケージ延長部を有する。光源パッケージがキャビティに正確に配置され、かつ光源パッケージの追加のパッケージ延長部がキャビティの追加のキャビティ延長部に延在する場合にのみ、光源パッケージ及び接着要素が接触し合うように、接着要素はキャビティの追加のキャビティ延長部に配置される。この場合、接着要素は粘着性のある接着要素である。層の形をした接着要素の場合、接着要素は、例えば、中間Bステージレベル硬化、予め付与されたBステージ接着剤、例えばテンプレート層を付与する前である場合には、光源パッケージに予め付与されたBステージ接着剤による視覚ベースの容量噴射を用いて、又はテンプレート層材料を用いて付与される。
【0027】
本発明の実施形態によると、光源パッケージは、磁気要素を有する。実施形態では、光源パッケージは、(永久)磁力によってキャビティに適切に嵌合され、強固に取り付けられる。実施形態では、光源パッケージをキャビティ内に配置する時、光源パッケージがテンプレートのキャビティの方に引き付けられるように磁場が加えられる。磁気要素は、例えば光源パッケージの底層の一部として、リードフレームの一部として、又は光源パッケージ内部に配置された追加の磁気要素として配置される。磁気要素が底層の一部である場合、底層は、例えば磁気(強磁性)反射材料から作られる。さらにリードフレームは、部分的に例えばFeやNiのような磁性材料から作られる。さらに、有利にはテンプレート及び光源パッケージは、磁場を加える前に流体中に置かれる。つまり、光源パッケージ及びテンプレートは、磁場が光源パッケージ及びテンプレートに加えられる時、流体中に位置する。これにより、加えられた磁場がオンの時、光源パッケージの動きをより制御できる。流体は液体であるが、当然ながら、液体は光源パッケージに損傷を与えるものであってはならない。
【0028】
他の実施形態では、光源パッケージをキャビティ内に配置する時、周期的磁場が加えられる。この場合、第1段階で対応するキャビティが不正確に取り付けられた光源パッケージは、キャビティから除去され、周期的磁場により再取り付けが行われる。周期的磁場は、オンオフ式、又は磁場の方向が繰り返し反転して作用するように構成される。
【0029】
さらに、一実施形態では、光源パッケージを組み立てるための機械的手段が考えられる。この実施形態では、例えばスキージーのようなスライドツールが、光源パッケージをキャビティに再取り付けするために使用される。例えば、取り付け不良の光源パッケージはキャビティから突き出る。例えばスキージーを上面で摺動させることにより、スキージーは取り付け不良の光源パッケージを所定の位置に押す。正しく配置及び取り付けられた光源パッケージは、テンプレートの上面とほぼ同一平面で、したがって、上面より上にキャビティから突き出ることはなく、よって、キャビティ内に収まる。
【0030】
本発明の実施形態によると、各光源パッケージの形状は、上下軸周りに回転非対称である。上下軸は、テンプレートの上面に垂直に規定される。光源パッケージの回転非対称な形状により、マッチするキャビティとの回転取り付け位置が1つだけ存在し得る。これにより、光源パッケージをキャビティ内に配置する際の自己組み立て及び自己整列プロセスが改善される。さらに、これにより光源パッケージの電極の位置予測が可能になり、電極の位置を予め知っていることにより、導電体を付与するプロセスを容易にする。
【0031】
導電体を付与するステップは、印刷プロセスを用いて導体線を形成することを含む。導体線は、光源パッケージ同士を接続する、及び/又は光源パッケージを電源から光源パッケージに電力を供給するように構成された入出力導線に接続する。
【0032】
例えば、光源パッケージの第1光源パッケージの第1電極は、導電体により光源パッケージの第2光源パッケージの第2電極に電気的に接続される。上記において、電気接続は、ガルバニック電気接続である。
【0033】
様々な実施形態によると、キャビティは、第1及び第2形状を有する第1及び第2タイプのキャビティであり、第1キャビティにマッチする形状を有する第1光源パッケージは、第1キャビティのうちの1つに配置され、第2キャビティにマッチする形状を有する第2光源パッケージは、第2キャビティのうちの1つに配置される。第1及び第2形状は異なる形状である。このように、異なる特性を有する光源パッケージを含む、より複雑な照明デバイスが製造され、光源パッケージの各形状は、異なる特性に対応する。例えば、第1光源パッケージは、第1の色の(例えば、赤色範囲の)光を発する第1光源を含み、第2光源パッケージは、第2の色の(例えば、青色範囲の)光を発する第2光源を含む。当然ながら、3つ以上の異なるタイプの光源パッケージを可能にする3つ以上の異なるタイプのキャビティも考えられる。異なる光源パッケージは、光源パッケージの1つのタイプ(例えば第1タイプ)のみ、2つ以上のタイプ(例えば、第1及び第2タイプ)、又は、組み合わせ(例えば、光源パッケージの第1タイプのいくつかと第2タイプのいくつか)と接触する導電体により接触される。
【0034】
様々な実施形態によると、電気部品を含む1つ以上の電気部品パッケージが、1つ以上のキャビティに追加的に配置される。電気部品は、例えば能動又は受動電気部品である。電気部品の例は、抵抗器、0オーム抵抗器、コンデンサ、スイッチ、スプリッタ、光ダイオード等である。このように、光源パッケージを構成する回路全体をさらに変化させることが所与の開始テンプレートで可能である。一例示的実施形態では、電気部品パッケージは能動スイッチを有する。能動スイッチは、光源パッケージの第1部分の光源が、光源パッケージの第2部分の光源とは独立に光を放出する制御が行われるように配置される。このように、例えば光源パッケージの第1部分及び/又は光源パッケージの第2部分から放出される光により与えられる光学的パターンは、能動的に変更される。実施形態では、光源パッケージと電気部品パッケージとはその形状が異なり、これに応じた異なる形状のキャビティ内に配置される。このように、キャビティの形状は、キャビティ内に配置されるパッケージのタイプを規定する。
【0035】
一実施形態では、印刷導電体はAg充填ポリマートラックから作られる。
【0036】
本発明の様々な実施形態によると、光源パッケージはシリアル電気的に接続される。
【0037】
本発明の実施形態によると、上層は、テンプレート及び導電体を覆う。上層は、光学的透過性を有し、発光デバイスにより放出された光の少なくとも一部が上層の材料を通過できるようにする。光学的透過性を有するとは、例えば透明、半透明、透光性を有する、又はこれらの組み合わせである。上層は下層の構造体を保護し、例えば上層は、スクラッチ保護、湿気バリアを与える。さらに上層は、光源パッケージの固定を行う。また、上層は、例えば散光を生成する、光の色を(例えば青から白に)変換する、色を混合する等の、光学機能性を提供する。上層は、3次元印刷法を用いて作られる。
【0038】
上層の1つの考えられる機能は、ビーム成形又はビーム操作である。例えば、光源パッケージの位置にある上層の開口部は、光源パッケージから放出される光ビームを成形するのに使用される。上層の別の機能は、導波機能である。例えば上層は、組成(例えば、屈折率、散乱、色変換のための埋め込まれた蛍光体等)及び構造(例えば、マイクロレンズ、光取り出しマイクロ構造、フレネル光学素子、メソ構造光学素子等)の局所(3次元)変化を含む追加の構造(この場合は主に光学機能性)を有する。
【0039】
有利には、本発明に係る光源は、電子と正孔の再結合を通して光が生成される固体発光デバイスである。固体光源の例には、発光ダイオード(LED)及び半導体レーザが含まれる。
【0040】
本発明の更なる特徴及び利点は、特許請求の範囲及び以下の説明を参照するとき明らかになるであろう。当業者は、本発明の異なる特徴を組み合わせることにより、本発明の範囲から逸脱することなく、下記で説明されるもの以外の実施形態が作成されることを認識する。
【0041】
以下、本発明の例示的な実施形態を示す添付の図面を参照しながら、本発明の上記及び他の態様をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1a】本発明の実施形態による例示的な照明デバイス及び照明デバイスを製造するステップを概略的に示す。
図1b】本発明の実施形態による例示的な照明デバイス及び照明デバイスを製造するステップを概略的に示す。
図2a】本発明の例示的な実施形態を示す。
図2b】本発明の例示的な実施形態を示す。
図2c】本発明の例示的な実施形態を示す。
図2d】本発明の例示的な実施形態を示す。
図3】本発明の例示的な実施形態を示す。
図4a】本発明の実施形態による例示的な照明デバイス及び照明デバイスを製造するステップを概略的に示す。
図4b】本発明の実施形態による例示的な照明デバイス及び照明デバイスを製造するステップを概略的に示す。
図4c】本発明の実施形態による例示的な照明デバイス及び照明デバイスを製造するステップを概略的に示す。
図4d】本発明の実施形態による例示的な照明デバイス及び照明デバイスを製造するステップを概略的に示す。
図5】本発明の実施形態による、光源パッケージをキャビティ内に配置する例示的な方法を概略的に示す。
図6】本発明の例示的な実施形態を示す。
図7】本発明の例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の現在好適な実施形態を示す添付の図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明は多様な形態で具現化され、本明細書に記載される実施形態に限定されると解されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は徹底さ及び完全さのために提供され、本発明の範囲を十分に当業者に伝える。同様の参照符号は、全体を通して、同様の要素を指している。
【0044】
図1a〜図1bは、照明デバイス100の製造プロセスを示す。最終的な照明デバイス100は図1bに示される。図1aは、複数のキャビティ104を全体に分布させたテンプレート102を示す。キャビティ104は、それぞれテンプレート102の上面108に開口部106を有する。さらに、図1aには、複数の光源パッケージ110が示され、そのうちの1つの光源パッケージ110の断面図が拡大図で示されている。光源パッケージ110は、光源112と、光源112に電気的に接続された第1電極116及び第2電極118を有する。この例示的な実施形態では、第2電極118は、光源にボンドワイヤ120を介して接続される。さらに、光源パッケージ110の形状とキャビティ104の形状とはマッチし、ここではピラミッド形状である。ここで、光源パッケージ110がキャビティ104に配置された図1bを参照する。第1電極116及び第2電極118は、キャビティ104の開口部106に露出される。光源パッケージ110がキャビティ104に配置された後、導電体122がテンプレート102の上面108に付与される。導電体122は、第1電極116及び第2電極118と接触する。さらに、導電体は電力入力導線124と接触する。また、導電体122は、ガルバニック接触をもたらす。テンプレートは、例えば湾曲或いは非平面等、任意の形状をとる。
【0045】
一実施形態では、テンプレート102は、支持構造体130の一部である。支持構造体130は、例えば最終的な照明デバイス製品の主たる機械的担体である。この実施例では、キャビティ104は、支持構造体130に直接形成される。キャビティ104を有する支持構造体130は、例えばポリマー/ABS印刷に基づく、例えば3次元印刷により製造される。
【0046】
さらに、一例示的実施形態では、反射底層132が、各光源パッケージ110に含まれる。図1a〜図1bに示すように、光源はキャビティに「逆さまに」配置され、光源112の発光面は、反射底層及びキャビティ104の内面に対向する。したがって、反射底層132は、光源112により放出された光をキャビティ104の開口部106に向けて反射するのに使用される。さらに、光源112は第1電極116の下に配置される。当然ながら、光源112は、同様に第2電極118の下に配置される。このように、光源112は、光源112が放出された光から「見えない」ように、第1電極116の後ろに隠れる。実施形態では、光源パッケージの第1及び/又は第2電極は、少なくとも部分的に透明である。
【0047】
図2aは、光源パッケージ110の断面図を示し、図2b〜図2dは、異なる回転位置における光源パッケージ110の上面図を示す。図2bには、共に第1電極116及び第2電極118に接続された2つの光源112が示される。図1a〜図1bと同様に、ボンドワイヤ120が示される。図2aでは、光源パッケージ110の上部140及び下部142が、仮想線136で分けられているのを見ることができる。光源パッケージ110の上部140及び下部142は、互いに非対称である。このように、光源パッケージ110をキャビティ104に配置する間、光源パッケージ110はキャビティに正しく配置される、すなわち、光源パッケージ110は逆さまに配置されず、所要の向きでキャビティ内に配置されることが保証される。線136は、上部140及び下部142を規定し、非対称条件が満たされる限りどこに引かれてもよいことに留意されたい。さらに、一連の図2b〜図2dに示されるように、光源パッケージは、図2aにも示される上下軸144周りに沿って回転対称である。図2cは、図2bに示された光源パッケージと比較して、上下軸144周りに90°回転した後の光源パッケージを示し、図2dは、図2bに示された光源パッケージと比較して、上下軸144周りに180°回転した後の光源パッケージを示す。上下軸144周りに対称であることは、光源パッケージ110が、図2b〜図2dの回転位置のいずれか1つに配置され、さらに、導電体122が電極116、118と位置合わせされるように光源パッケージ110を適切に位置付けることを保証する。したがって、図2b〜図2dの位置のいずれもが、光源パッケージを導電体122と接触させるのに適している。実際、機能的には、図2b〜図2dに示される異なる回転位置の間に差異はない。さらに、図2b〜図2dは、2つの光源112を有する光源パッケージを示しているが、光源パッケージ110は同様に光源112を1つだけ有してもよい。
【0048】
さらに、図1図2に示される実施形態では、光源パッケージ110の第1電極116及び第2電極118は、テンプレート102の上面108上に延在する。このように、光源112は、「トレンチ交差」プロセスを必要とせずに導電体122により容易に接触される。これらの延在させた第1及び第2電極116、118は、延在させたリードフレームパッドとも呼ばれる。
【0049】
図1図2に示される実施形態に示されるように、光源パッケージ110は、V字型を有する断面を有する。例えば図1に示されるように、光源パッケージ110はピラミッド形状を有する。当然ながら、他の形状も考えられる。例えば、図3に示されるように、U字型は、光源パッケージ300に半円筒形状を与える。図3に示される実施形態では、光源パッケージ300の1つの光源306が電極302及び304に接続される。このような半円筒形状と電極302及び304の配置とにより、上下軸309周りの180°回転対称が可能になる。さらに、上部310及び下部312が仮想線308により規定される。上部310及び下部312は、互いに非対称である。このように、光源パッケージ300を、光源パッケージ300の形状とマッチする形状を有する対応するキャビティ内に配置する間、光源パッケージ300がキャビティに正しく配置されること、すなわち、光源パッケージ300が所要かつ所望の正しい向きに従って配置され、逆さまに配置されないことが保証される。線308は、上部310及び下部312を規定し、非対称条件が満たされる限りどこに引かれてもよいことに留意されたい。
【0050】
図4aは、図4dに示される照明デバイス200の実施形態の断面を示し、図4b〜図4dは、照明デバイス200を製造する概略ステップを示す。この実施形態では、テンプレート202が、別個のテンプレート層202として設けられる。テンプレート層202は、支持構造体204上に配置される。テンプレート層202は、テンプレート層202の上面209に開口部207を有するキャビティ206を有する。光源パッケージ208が、例えば図4a又は図4c〜図4dに示すように、各キャビティ206に配置される。光源パッケージ208は、第1上部電極212及び第2上部電極214を有する光源210を含む。光源パッケージ208がキャビティ206に配置された後、導電体216がテンプレート層202の上面209に付与される。導電体216は、光源パッケージ208の上部電極212、214と接触する。さらに、導電体216は、電力入力パッド217と接触する。導電体はガルバニック接続をもたらす。
【0051】
テンプレート層202は、例えば濡れ/脱濡れプロセス、又はパターン形成プロセスを用いて付与される。また、テンプレート層202は、例えばシリコン、エポキシ樹脂、ポリウレタン(PUR)から作られるか、又は、材料がリフローして、テンプレート層202と光源パッケージ208等との間の隙間を埋めることができるホットメルトタイプの材料である。
【0052】
また、キャビティ206の形状は、光源パッケージ208の形状とマッチする。一実施形態では、各光源パッケージ208の形状は、上下軸222周りに回転非対称である。このように、光源パッケージ208は、1つのはっきりと区別できる回転位置でのみキャビティに嵌合する。さらに、上下軸222周りに非対称であることにより、光源パッケージは1つのはっきりと区別できる方向及び向きでのみ取り付け可能であるため、光源パッケージ206をキャビティに取り付けるための自己組み立て及び自己整列アプローチが促進される。光源パッケージ208は、例えば二等辺三角形の形状を有する。さらに、一部の実施形態では、光源パッケージ208は、第1光源が上部光源で、第2光源が下部光源となるように配置された2つの光源を含む。例えば、下部光源は、下部電極226及び228を有し、上部光源は、上部電極212及び214を有し、下部電極226、228は、上部電極212、214が配置される光源パッケージの面とは反対側の光源パッケージ210の面に配置される。2つの光源を有することにより、光源パッケージの上下方向の向きが無視される。なぜなら、上下の向きと関係なく、(キャビティの開口部に露出され)正しい方向を向き、導電体216と接触可能な電極を有する光源が常に存在するためである。したがって、光源パッケージ208は、下部電極226、228をキャビティの開口部に露出させた状態、又は上部電極212、214をキャビティの開口部に露出させた状態でキャビティ内に配置される。
【0053】
キャビティ206にはさらに、光源パッケージ208をキャビティに取り付けるための接着要素224が配置される。接着要素224は、光源パッケージが正しい位置に配置されない場合に、キャビティから除去される又は離れることができるように構成される。例えば、光源パッケージ208をキャビティ206に最終的に接着させる場合、接着要素224は、圧力により再溶融又は活性化される。
【0054】
さらに、キャビティには、テンプレート層202の下、すなわちテンプレート層202と支持構造体204との間に反射底層220が配置される。反射底層220は、テンプレート層202を支持構造体204に配置する前に付与される。
【0055】
また、この実施形態では、上層236が後続ステップで付与される。上層の機能は、図6図7を参照して説明される。
【0056】
図5は、光源パッケージ110をキャビティ104に配置することを概略的に示す。光源パッケージ110は、図1図2の光源パッケージとして示されているが、図示された方法は、図4a〜図4dに示された光源パッケージ208、キャビティ206及びテンプレート層202にも同様に適用できる。図5において、磁場発生器500が、光源パッケージ110がキャビティ104の方に引き付けられるように磁場を加えるように配置される。磁場は、磁場発生器500の向かい合う磁場発生部502間に加えられる。加えられた磁場が光源パッケージ110をキャビティ104の方に引き付けるように、光源パッケージ110は磁気要素を有する。第1の例示的な実施形態では、光源パッケージの電極116及び118は、磁気要素を有する。例えば、電極116、118は、磁気表面コーティングを有するか、又は、全体が例えばFe又はNiのような磁気材料から作られる。別の例示的な実施形態では、反射底層132は強磁性層をさらに含む。さらに別の実施形態では、独立の磁気要素510が光源パッケージ110に配置される。他の実施形態では、テンプレート及び/又は支持構造体の1つ以上の永久磁石により発生される永久磁場が存在する。
【0057】
磁場が加えられると、光源パッケージ110はキャビティ104に引き込まれる。さらに、前のステップで接着要素512がキャビティ内に置かれる。接着要素512は、光源パッケージ110がキャビティ104にぴったりと嵌合される場合、光源パッケージ110をキャビティ104内に取り付けるように構成される。例えば、光源パッケージ110をキャビティ104内に最終的に接着させる場合は、接着要素512は、圧力により再溶融又は活性化される。一実施形態では、周期的磁場が加えられる。周期的磁場により、向きが悪い、及び/又はキャビティに嵌合されない光源パッケージは、テンプレート102又は202から除去され、次の周期で再嵌合が行われる。一実施形態では、光源パッケージ110及びテンプレートは、磁場を加える時、流体中に配置される。これにより、加えられた磁場がオンの時、光源パッケージの動きをより制御できる。流体は液体であるが、当然ながら、液体は光源パッケージに損傷を与えるものであってはならない。
【0058】
図6図7は、図1図2に示されるものと同様、照明デバイスの一部の断面図である。ただし、図6及び図7では、各上層602及び702は、光源パッケージ110がキャビティ内に配置された後に付与される。図6において、上層602は、光源パッケージ110の位置に貫通孔604を有する。貫通孔604は、ビーム成形又はビーム操作用に構成される。つまり、上層602は、光源112により放出される光が光源パッケージ110から外へ放出される部分を除く、すべての部分(導電体122、電極116、118、支持構造体130)を隠す。
【0059】
図7において、上層702の、組成(例えば、屈折率、散乱、色変換のための埋め込まれた蛍光体等)及び構造(例えば、マイクロレンズ、光取り出しマイクロ構造、フレネル光学素子、メソ構造光学素子等)の局所(3次元)変化を含む追加の構造704が、光学機能性をもたらす。説明された図6図7の上層の機能性は、図4aの上層236にも適用される。
【0060】
上述の本発明の例示的な各実施形態において、光源パッケージの光源は、有利には発光ダイオード(LED)である。さらに、光源パッケージは、2つ以上の光源、例えば逆平行に電気的に接続された2つの光源、又は直列又は並列に接続された光源の配列を含む。さらに、導電体を付与することは、印刷プロセスを用いることを含む。導電体216、122は、例えば、金属ペーストから作られる。金属は、例えば銀(Ag)である。
【0061】
また、当業者によって、特許請求された発明を実施するにあたり、図面、明細書、及び添付の請求項の研究から、開示された実施形態のバリエーションが理解され達成されることができる。例えば、本発明は、同様に平面に適用することができる。
【0062】
請求項で、「comprising(含む)」の文言は他の要素又はステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外するものではない。特定の手段が、相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用できないことを意味するわけではない。
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図2d
図3
図4a
図4b-4d】
図5
図6
図7