(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6313040
(24)【登録日】2018年3月30日
(45)【発行日】2018年4月18日
(54)【発明の名称】レンズ駆動装置
(51)【国際特許分類】
G02B 7/04 20060101AFI20180409BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G02B7/04 D
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-272494(P2013-272494)
(22)【出願日】2013年12月27日
(65)【公開番号】特開2015-127724(P2015-127724A)
(43)【公開日】2015年7月9日
【審査請求日】2016年7月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118898
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 立昌
(72)【発明者】
【氏名】内山 良治
(72)【発明者】
【氏名】渡部 博之
【審査官】
高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】
実開平03−124327(JP,U)
【文献】
特開2008−090008(JP,A)
【文献】
特開2008−122470(JP,A)
【文献】
特開2009−210863(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ枠と、前記レンズ枠の周囲に配置される支持枠と、前記支持枠に対して前記レンズ枠を光軸方向に沿って駆動する駆動手段とを備え、
前記駆動手段は、光軸の左右対称位置にそれぞれコイルが配置されると共に該コイルと対向する位置にマグネットが配置され、
前記レンズ枠における光軸方向の一端縁上に、左右の前記コイルの一方と他方を直列に繋ぐ導電部材を設け、
前記コイルは、前記支持枠の一端縁に形成された溝部に引き出し線を通して、前記支持枠の内側から外側に引き出されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
前記レンズ枠は、光軸に平行なガイドシャフトに沿って移動することを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
前記弾性支持部材は、前記レンズ枠における光軸方向の一端縁に取り付けられる内側取付部と、前記支持枠における光軸方向の一端縁に取り付けられる外側取付部と、前記内側取付部と前記外側取付部を連結する弾性変形部を備えることを特徴とする請求項2記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記レンズ枠における光軸方向の他端縁を前記支持枠における光軸方向の他端縁に弾性支持する下弾性支持部材を備え、
前記下弾性支持部材は、電気的に絶縁されて左右に一対設けられ、それぞれに前記コイルの引き出し端が接続されると共に外部引き出し端子が接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記コイルは前記レンズ枠に固定されており、前記マグネットは前記支持枠に固定されていることを特徴とする請求項記1〜4のいずれか1項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記コイルは前記支持枠に固定されており、前記マグネットは前記レンズ枠に固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載されたレンズ駆動装置を備えたカメラ装置。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載されたレンズ駆動装置を備えた電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ枠を光軸方向に駆動するレンズ駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フォーカス調整などのためにレンズ枠を光軸方向に沿って駆動させるレンズ駆動装置が知られている。このレンズ駆動装置は、レンズを備えたレンズ枠と、このレンズ枠の周囲に配置される固定枠と、固定枠に対してレンズ枠を駆動する駆動手段と、レンズ枠を固定枠に弾性支持する弾性支持部材とを備えている。駆動手段は、コイルとマグネットの組み合わせで一組の電磁駆動式アクチュエータを構成しており、例えば、レンズ枠の左右対称位置にそれぞれコイル(2個のコイル)を固定し、このコイルにそれぞれ対向するように固定枠にマグネット(2個のマグネット)を固定している(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3120599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来例のように、2個のコイルと2個のマグネットを備える駆動手段を採用する場合には、2個のコイルへの通電を個別に行うと、制御回路と接続する外部引き出し端子を合計4箇所設けることが必要になり、制御回路との接続が煩雑になる問題がある。
【0005】
これに対して、2個のコイルを直列に接続すると、外部引き出し端子は2箇所で済むが、予め2個のコイル間の引き出し線が繋がっている二連のコイルを使用するか、レンズ枠の周辺に別途コイルの引き出し線を半田などで接続するためのランドなどのスペースを設けることが必要になる。二連のコイルを使用する場合は、2個のコイルが予め繋がっているため組み付け時の作業性が悪い問題があり、ランドなどの接続スペースを別途設ける場合は、レンズ枠の周囲にそのためのスペースを確保する必要があり、小型・薄型化の要求がある電子機器に搭載するために実装スペースが制限されているレンズ駆動装置としてはスペース確保が困難な問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、駆動手段として一対のコイルを備えるレンズ駆動装置において、外部引き出し端子の数を最小限に抑えること、簡易な組み付け時の作業性が得られること、2個のコイルを直列に繋ぐために余計な接続スペースを必要としないこと、等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明によるレンズ駆動装置は、以下の構成を具備するものである。
レンズ枠と、前記レンズ枠の周囲に配置される支持枠と、前記支持枠に対して前記レンズ枠を光軸方向に沿って駆動する駆動手段とを備え、前記駆動手段は、光軸の左右対称位置にそれぞれコイルが配置されると共に該コイルと対向する位置にマグネットが配置され、前記レンズ枠における光軸方向の一端縁上に、左右の前記コイルの一方と他方を直列に繋ぐ導電部材を設け、
前記コイルは、前記支持枠の一端縁に形成された溝部に引き出し線を通して、前記支持枠の内側から外側に引き出されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置の概略構成を模式的に示した説明図((a)がムービングコイル型レンズ駆動装置、(b)がムービングマグネット型レンズ駆動装置を示している。)である。
【
図2】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置の概略構成を模式的に示した説明図((a)がムービングコイル型レンズ駆動装置、(b)がムービングマグネット型レンズ駆動装置を示している。)である。
【
図3】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置の具体的な構成例を示した説明図(全体斜視図)である。
【
図4】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置の具体的な構成例を示した説明図((a)が平面図、(b)が要部の背面図)である。
【
図5】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置の具体的な他の構成例を示した説明図(全体斜視図)である。
【
図6】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置の具体的な他の構成例を示した説明図((a)が平面図、(b)が要部の背面図)である。
【
図7】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置を備えた電子機器を示した説明図(全体斜視図)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置は、レンズ枠と、レンズ枠の周囲に配置される支持枠、支持枠に対してレンズ枠を光軸方向に沿って駆動する駆動手段を備えている。駆動手段は、光軸の左右対称位置にそれぞれコイルが配置されると共にコイルと対向する位置にマグネットが配置されている。そして、レンズ枠における光軸方向の一端縁上に、左右のコイルの一方と他方を直列に繋ぐ導電部材を設けている。
【0010】
このようなレンズ駆動装置によると、2個のコイルを直列に繋いでいることでコイルに通電するための外部引き出し端子を最小限の2つにすることができる。また、左右のコイルの一方と他方をレンズ枠における光軸方向の一端縁上に設けた導電部材で接続するので、レンズ枠の周囲にコイル接続のための余分なスペースを確保する必要が無い。各コイルは予め繋げること無く個別に設置することができるので、組み付け時の作業性が煩雑になることがない。
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下の各図において、同一の部位には同一符号を付して重複説明を一部省略する。
図1及び
図2は、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置の概略構成を模式的に示している。
【0012】
図1において、レンズ駆動装置1は、レンズ枠2、支持枠3、駆動手段4を備えている。支持枠3はレンズ枠2の周囲に配置され、レンズ枠2を光軸Oに沿って移動自在に支持している。支持枠3は、ベース30上に支持されている。ベース30は、レンズ駆動装置1の一部とすることもできるし、レンズ駆動装置1が搭載されるカメラモジュール(カメラ装置)の一部とすることもできる。カメラモジュールは、ベース30の背面側に、撮像素子(CCD,CMOSなど)31Aが実装された制御回路基板31が配備される。レンズ枠2は、図示省略したレンズが装着される開口2Lを備えており、ベース30には、レンズ枠2のレンズを通った光が撮像素子31Aに達するように開口30Lが形成されている。
【0013】
駆動手段4は、2個のコイル40(40A,40B)と2個のマグネット41(41A,41B)によって電磁駆動式のアクチュエータを構成している。
図1(a)に示した例は、コイル40(40A,40B)がレンズ枠2に固定されており、マグネット41(41A,41B)が支持枠3に固定されている。また、
図1(b)に示した例は、コイル40(40A,40B)が支持枠3に固定されており、マグネット41(41A,41B)がレンズ枠2に固定されている。ここで、2個のコイル40A,40Bは光軸Oの左右対称位置に配置されており、2個のマグネット41A,41Bは、コイル40A,40Bに対向する位置に配置されている。
【0014】
図1(a),(b)において、レンズ枠2における光軸O方向の一端縁(上端縁)2Aには導電部材5を設けている。導電部材5は導電性の金属片や導電性の塗布材などで構成することができる。図示の例では、レンズ枠2を支持枠3に弾性的に支持する弾性支持部材6によって導電部材5を構成しているが、導電部材5を弾性支持部材6とは別に設けることもできる。ここでの弾性支持部材6は導電性金属によって形成された板バネなどによって構成される。
【0015】
コイル40A,40Bは、それぞれ一方の引き出し端が接続端部42A,42Bにて導電部材5に接続されている。接続端部42A,42Bは、コイル40A,40Bの引き出し端を半田などの接続材で導電部材5に接続したものである。コイル40A,40Bの他方の引き出し端は、制御回路基板31に接続される外部引き出し端子43(43A,43B)に接続されている。
【0016】
図1(a),(b)に示したレンズ駆動装置1(1A)は、制御回路基板31から矢印で示した給電経路でコイル40(40A,40B)に電流が供給される。すなわち、外部引き出し端子43Aから供給された電流は、コイル40A,導電部材5,コイル40Bを経由して、外部引き出し端子43Bに流れることになり、また、外部引き出し端子43Bから供給された電流は、コイル40B,導電部材5,コイル40Aを経由して、外部引き出し端子43Aに流れることになる。
【0017】
図2においては、レンズ枠2を支持枠3に弾性的に支持する上弾性支持部材60と下弾性支持部材61を備えている。ここでは、上弾性支持部材60は、一体の部材であって、レンズ枠2の一端縁(上端縁)2Aを左右の支持枠3の一端縁(上端縁)3Aに支持している。下弾性支持部材61は、レンズ枠2における光軸方向の他端縁(下端縁)2Bを左右の支持枠3における光軸方向の他端縁(下端縁)3Bに弾性的に支持している。この下弾性支持部材61は、2個の下弾性支持部材61A,61Bを備えており、これらが電気的に絶縁されて左右に一対設けられている。上弾性支持部材60は、前述した弾性支持部材6と同等な部材であって導電部材5を兼ねるものであり、下弾性支持部材61(61A,61B)は導電性部材によって構成されている。
【0018】
図2においても、
図2(a)に示した例は、コイル40(40A,40B)がレンズ枠2に固定されており、マグネット41(41A,41B)が支持枠3に固定されている。また、
図2(b)に示した例は、コイル40(40A,40B)が支持枠3に固定されており、マグネット41(41A,41B)がレンズ枠2に固定されている。
【0019】
コイル40A,40Bは、それぞれ一方の引き出し端が接続端部42A,42Bにて導電部材5として機能する上弾性支持部材60に接続されている。また、コイル40A,40Bの他方の引き出し端は、導電性部材によって構成される下弾性支持部材61(61A,61B)に接続端部44A,44Bにて接続されている。
【0020】
図2(a),(b)に示したレンズ駆動装置1(1B,1C)は、制御回路基板31から矢印で示した給電経路でコイル40(40A,40B)に電流が供給される。すなわち、外部引き出し端子43Aから供給された電流は、下弾性支持部材61A,コイル40A,上弾性支持部材60(導電部材5),コイル40B,下弾性支持部材61Bを経由して、外部引き出し端子43Bに流れることになり、また、外部引き出し端子43Bから供給された電流は、下弾性支持部材61B,コイル40B,上弾性支持部材60(導電部材5),コイル40A,下弾性支持部材61Aを経由して、外部引き出し端子43Aに流れることになる。
【0021】
図3及び
図4は、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置の具体的な構成例を示している(
図3が全体斜視図、
図4(a)が平面図、
図4(b)が要部の背面図)。レンズ駆動装置1(1D)は、ベース30に対して、ガイドシャフト7A,7Bが光軸Oと平行に立設されている。レンズ枠2は、光軸Oに対して対称の位置にガイド孔2Cとガイド溝2Dを備えており、ガイド孔2C内にガイドシャフト7Bが挿入されており、ガイド溝2Dにガイドシャフト7Aが挿入されている。
【0022】
レンズ枠2は、弾性支持部材6(上弾性支持部材60)と下弾性支持部材61によって支持枠3に弾性的に支持されている。弾性支持部材6(上弾性支持部材60)は、レンズ枠2における光軸O方向の一端縁(上端縁)2Aに取り付けられる内側取付部6Aと、一対の支持枠3における光軸O方向の一端縁(上端縁)3Aに取り付けられる一対の外側取付部6Bと、内側取付部6Aと外側取付部6Bを連結する弾性変形部6Cを備えている。弾性支持部材6(上弾性支持部材60)は、導電部材5を構成するものであり、内側取付部6Aと一対の外側取付部6Bと弾性変形部6Cが一体の板バネによって構成されている。
【0023】
下弾性支持部材61は、光軸Oに対して左右対称位置に2つの下弾性支持部材61A,61Bが配置されており、2つの下弾性支持部材61A,61Bは、互いに電気的に絶縁されており、それぞれが、レンズ枠2における光軸O方向の他端縁(下端縁)2Bに取り付けられる内側取付部6Aと、支持枠3における光軸O方向の他端縁(下端縁)3Bに取り付けられる外側取付部6Bと、内側取付部6Aと外側取付部6Bを連結する弾性変形部6Cを備えている。
【0024】
駆動手段4は、光軸Oに平行なガイドシャフト7A,7Bに沿って移動自在なレンズ枠2に2個のコイル40A,40Bが固定され、レンズ枠2の左右両側に配置される2個の支持枠3の一方にマグネット41Aが固定され他方に41Bが固定されるムービングコイル駆動方式である。
【0025】
コイル40A,40Bの一方の引き出し端は、それぞれレンズ枠2の一端縁(上端縁)2A上で弾性支持部材6(上弾性支持部材60)の内側取付部6Aに接続端部42A,42Bにて接続されている。これによって、2個のコイル40A,40Bは弾性支持部材6(上弾性支持部材60)の内側取付部6Aを介して直列に接続されている。
【0026】
コイル40Aの他方の引き出し端は、レンズ枠2の他端縁(下端縁)2B上で下弾性支持部材61Aの内側取付部6Aに接続端部44Aにて接続されている。コイル40Bの他方の引き出し端は、レンズ枠2の他端縁(下端縁)2B上で下弾性支持部材61Bの内側取付部6Aに接続端部44Bにて接続されている。また、下弾性支持部材61A,61Bは、それぞれ外側取付部6Bに端子接続部6B1を備えており、下弾性支持部材61Aの外側取付部6Bにおける端子接続部6B1には外部引き出し端子43Aが接続されており、下弾性支持部材61Bの外側取付部6Bにおける端子接続部6B1には外部引き出し端子43Bが接続されている。
【0027】
これによって、駆動手段4のコイル40A,40Bへの給電経路は、外部引き出し端子43A→下弾性支持部材61Aの外側取付部6B→下弾性支持部材61Aの弾性変形部6C→下弾性支持部材61Aの内側取付部6A→コイル40A→上弾性支持部材60の内側取付部6A→コイル40B→下弾性支持部材61Bの内側取付部6A→下弾性支持部材61Bの弾性変形部6C→下弾性支持部材61Bの外側取付部6B→外部引き出し端子43B、或いはその逆向きの給電経路となっている。
【0028】
図5及び
図6は、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置の具体的な他の構成例を示している(
図5が全体斜視図、
図6(a)が平面図、
図6(b)が要部の背面図)。レンズ駆動装置1(1E)は、駆動手段4が、光軸Oに平行なガイドシャフト7A,7Bに沿って移動自在なレンズ枠2に2個のマグネット41A,41Bが固定され、レンズ枠2の左右両側に配置される2個の支持枠3の一方にコイル40Aが固定され他方に40Bが固定されるムービングマグネット駆動方式である。
【0029】
コイル40A,40Bの一方の引き出し端は、それぞれ支持枠3の一端縁(上端縁)3A上で弾性支持部材6(上弾性支持部材60)の外側取付部6Bに接続端部42A,42Bにて接続されている。これによって、2個のコイル40A,40Bは弾性支持部材6(上弾性支持部材60)を介して直列に接続されている。
【0030】
コイル40A,40Bの他方の引き出し端は、引き出し線40Lが支持枠3の外側に沿って引き出されており、下弾性支持部材61A,61Bの外側取付部6Bに接続端部44A,44Bにて接続されている。引き出し線40Lは、支持枠3の一端縁(上端縁)3Aに形成された溝部3A1を通して支持枠3の外側に沿って引き出されている。
【0031】
これによって、駆動手段4のコイル40A,40Bへの給電経路は、外部引き出し端子43A→下弾性支持部材61Aの外側取付部6B→引き出し線40L→コイル40A→上弾性支持部材60→コイル40B→引き出し線40L→下弾性支持部材61Bの外側取付部6B→外部引き出し端子43B、或いはその逆向きの給電経路となっている。
【0032】
このようなレンズ駆動装置1(1C,1E)は、図示省略した制御部から出力されるフォーカス制御信号に応じてコイル40A,40Bに電流が供給され、マグネット41A,41Bの磁場内でコイル40A,40Bに流れる電流によって生じる駆動力と上弾性支持部材60,下弾性支持部材61の弾性規制力が釣り合うフォーカス位置にレンズ枠2が制御される。この際、コイル40A,40Bへの給電は2つの外部引き出し端子43(43A,43B)から行うことができ、給電経路は下弾性支持部材61と上弾性支持部材60を介して行われるので、レンズ枠2の周囲に別途配線や接続スペースを設けることが不要になる。
【0033】
図7は、レンズ駆動装置1を備えた電子機器100(携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、携帯カメラなど)を示している。このような電子機器100は、レンズ駆動装置1において2個のコイル40A,40Bを直列に接続するためのスペースや給電のための配線スペースを別途設ける必要が無いので、レンズ駆動装置1の設置占有スペースの省スペース化が可能であり、これによって電子機器100の小型化・薄型化が可能になる。
【0034】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0035】
1(1A,1B,1C,1D,1E):レンズ駆動装置,2:レンズ枠,
2A:一端縁,(上端縁),2B:他端縁,(下端縁),
2C:ガイド孔,2D:ガイド溝,2L:開口
3:支持枠,3A:一端縁(上端縁),3A1:溝部,3B:他端縁(下端縁),
30:ベース,30L:開口,31:制御回路基板,31A:撮像素子,
4:駆動手段,40(40A,40B):コイル,40L:引き出し線,
41(41A,41B):マグネット,42A,42B:接続端部,
43(43A,43B):外部引き出し端子,44A,44B:接続端部,
5:導電部材,6:弾性支持部材,
6A:内側取付部,6B:外側取付部,6C:弾性変形部,
6B1:端子接続部,
60:上弾性支持部材,61(61A,61B):下弾性支持部材,
7A,7B:ガイドシャフト,O:光軸