【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
カチオン性二環式アミジニウム基を含むメタロサレネート錯体であって、前記カチオン性二環式アミジニウム基が、遊離アミンを有しない、メタロサレネート錯体。
(項目2)
前記メタロサレネート錯体が、式I:
【化31】
のものであり、式中、
R1aおよびR1a’が、独立して、水素であるか、またはC1−12脂肪族;C1−12ヘテロ脂肪族;フェニル;3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和複素環式環からなる群から選択される任意に置換されたラジカルであり、
各Rdが、独立して、−L−CA基、ハロゲン、−OR、−NR2、−SR、−CN、−NO2、−SO2R、−SOR、−SO2NR2;−CNO、−CO2R、−CON(R)2、−OC(O)NR2、−OC(O)OR、−NRSO2R、−NCO、−N3、−SiR3であるか、またはC1−20脂肪族;C1−20ヘテロ脂肪族;フェニル;3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環、7〜14員飽和、部分不飽和、または芳香族多環式炭素環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和複素環式環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する6〜12員多環式飽和もしくは部分不飽和複素環;または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環からなる群から選択される任意に置換されたラジカルであり、2つ以上のRd基が、介在する原子と一緒になって1つ以上のヘテロ原子を任意に含有する1つ以上の任意に置換された環を形成し得、Rdの少なくとも1つの事象が、−L−CA基であり、
各−L−が、独立して、共有結合であるか、または任意に置換された飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分枝の二価C1−12炭化水素鎖であり、−L−の1つ以上のメチレン単位が、任意にかつ独立して、−Cy−、−CR2−、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO2−、−SO2N(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−OC(O)O−、−C(O)O−、−N(R)C(O)O−、−SiR2−、−S−、−SO−、または−SO2−によって置換され、
各−CAが、独立して、遊離アミンを有しないカチオン性二環式アミジニウム基であり、各Cyが、独立して、フェニレン、3〜7員飽和もしくは部分不飽和カルボシクリレン(carbocyclylene)、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜7員飽和もしくは部分不飽和単環式ヘテロシクリレン(heterocyclylene)、または窒素、酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリーレンから選択される、任意に置換された二価環であり、
R4bが、
【化32】
からなる群から選択され、
各事象でRcが、独立して、水素、ハロゲン、−OR、−NR2、−SR、−CN、−NO2、−SO2R、−SOR、−SO2NR2;−CNO、−CO2R、−CON(R)2、−OC(O)NR2、−OC(O)OR、−NRSO2R、−NCO、−N3、−SiR3であるか、またはC1−20脂肪族;C1−20ヘテロ脂肪族;フェニル;3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環、7〜14員飽和、部分不飽和、または芳香族多環式炭素環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和複素環式環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する6〜12員多環式飽和もしくは部分不飽和複素環;または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環からなる群から選択される任意に置換されたラジカルであり、2つ以上のRc基が、それらが結合する炭素原子および任意の介在する原子と一緒になって1つ以上の任意に置換された環を形成し得、
各事象でRが、独立して、水素であるか、アシル;C1−20脂肪族;C1−20ヘテロ脂肪族;カルバモイル;アリールアルキル;フェニル;3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環、7〜14員飽和、部分不飽和、または芳香族多環式炭素環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和複素環式環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する6〜12員多環式飽和もしくは部分不飽和複素環;または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環からなる群から選択される任意に置換されたラジカル、酸素保護基、および窒素保護基であり、同じ窒素原子上の2つのR基が、任意に、一緒になって任意に置換された3〜7員環を形成することができ、
Tが、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)NR−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO2−、−SiR2−、−C(=S)−、−C(=NR)−、または−N=N−からなる群から選択される二価リンカー、ポリエーテル、C3〜C8置換または非置換炭素環、およびC1〜C8置換または非置換複素環であり、
Mが、金属原子であり、
各Xが、独立して、好適な対イオンであり、
kが、0〜2(両端を含む)であり、
mが、0〜6(両端を含む)であり、
m’が、0〜4(両端を含む)であり、
qが、0〜4(両端を含む)であり、
xが、0〜2(両端を含む)である、項目1に記載のメタロサレネート錯体。
(項目3)
前記メタロサレネート錯体が、式IIまたはII−a:
【化33】
である、項目2に記載のメタロサレネート錯体。
(項目4)
メタロサレネート錯体が、式:
【化34-1】
【化34-2】
である、項目3に記載のメタロサレネート錯体。
(項目5)
R1aおよびR1a’が、水素である、項目1に記載のメタロサレネート錯体。
(項目6)
Mが、Cr、Mn、V、Fe、Co、Mo、W、Ru、Al、およびNiからなる群から選択される、項目2〜4のいずれか一項に記載のメタロサレネート錯体。
(項目7)
Rdの1つの事象が、−L−CA基であり、任意の他のRd基が、任意に置換されたC1−20脂肪族基かまたは任意に置換されたフェニル基である、項目6に記載のメタロサレネート錯体。
(項目8)
−L−が、任意に置換された飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分枝の二価C1−6炭化水素鎖であり、Lの1つ、2つ、または3つのメチレン単位が、任意にかつ独立して、−Cy−、−CR2−、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO2−、−SO2N(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−OC(O)O−、−C(O)O−、−N(R)C(O)O−、−SiR2−、−S−、−SO−、または−SO2−によって置換される、項目2〜4のいずれか一項に記載のメタロサレネート錯体。
(項目9)
−L−が、任意に置換された飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分枝の二価C1−6炭化水素鎖であり、Lの1つまたは2つのメチレン単位が、任意にかつ独立して、−NR−、−O−、または−C(O)−によって置換される、項目8に記載のメタロサレネート錯体。
(項目10)
−L−が、−(CH2)1−6−である、項目9に記載のメタロサレネート錯体。
(項目11)
−L−が、
【化35】
からなる群から選択され、
式中、*が、サレンリガンドへの結合の部位を表し、各#が、結合アミジニウム基の部位を表し、Ryが、−H、またはC1−6脂肪族、3〜7員複素環式、フェニル、および8〜10員アリールからなる群から選択される任意に置換されたラジカルである、項目2〜4のいずれか一項に記載のメタロサレネート錯体。
(項目12)
CAが、
【化36】
からなる群から選択される、項目8に記載のメタロサレネート錯体。
(項目13)
前記金属錯体の前記リガンド部分が、
【化37】
からなる群から選択される部分構造を含む、項目2〜4のいずれか一項に記載のメタロサレネート錯体。
(項目14)
前記金属錯体が、式III:
【化38】
のものであり、式中、
各Xは、独立して、好適な対イオンであり、
Yは、存在する場合、好適な対イオンであり、
kが2である場合、Yは存在せず、Xは、2つの単座部分または単一の二座部分を含み、
kが1である場合、Xは1つの単座部分を含むか、
またはXおよびYが一緒になって好適なジアニオンを含む、項目2に記載のメタロサレネート錯体。
(項目15)
前記金属錯体が、式III−a:
【化39】
である、項目14に記載のメタロサレネート錯体。
(項目16)
Yが、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、アルキルスルホン酸塩、およびアリールスルホン酸塩からなる群から選択される、項目14に記載のメタロサレネート錯体。
(項目17)
Yが、クロロ、ブロモ、またはヨードである、項目16に記載のメタロサレネート錯体。
(項目18)
Yが、クロロである、項目17に記載のメタロサレネート錯体。
(項目19)
Xが、−ORx、−O(C=O)Rx、−O(C=O)ORx、−O(C=O)N(Rx)2、−NC、−CN、−NO3、ハロゲン、−N3、−O(SO2)Rx、および−OPRx3からなる群から選択され、各Rxが、独立して、水素、任意に置換された脂肪族、任意に置換されたヘテロ脂肪族、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリールから選択される、項目2〜4または14のいずれか一項に記載のメタロサレネート錯体。
(項目20)
kが、1である、項目2〜4または14のいずれか一項に記載のメタロサレネート錯体。
(項目21)
kが、2である、項目2〜4または14のいずれか一項に記載のメタロサレネート錯体。
(項目22)
Xが、炭酸塩である、項目21に記載のメタロサレネート錯体。
(項目23)
Mが、コバルトである、項目2〜4または14のいずれか一項に記載のメタロサレネート錯体。
(項目24)
構造
【化40】
を有する、項目14に記載のメタロサレネート錯体。
(項目25)
エポキシドおよび二酸化炭素を項目1〜24のいずれか一項に記載のメタロサレネート錯体と接触させて、ポリカーボネートポリマー組成物を形成するステップを含む方法であって、前記ポリカーボネートポリマー組成物が、共有結合した金属錯体またはそれらの任意の部分を実質的に含まない、方法。
(項目26)
i.エポキシドおよび二酸化炭素を項目1〜24のいずれか一項に記載の金属錯体と接触させて、ポリカーボネートポリマー組成物を形成するステップと、
ii.クロマトグラフィー、濾過、または沈殿を実施して、単離されたポリカーボネートポリマー組成物を獲得するステップと、を含む、方法。
(項目27)
前記単離されたポリカーボネートポリマー組成物が、純粋である、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記単離されたポリカーボネートポリマー組成物が、金属錯体またはそれらの任意の部分を実質的に含まない、項目26に記載の方法。
(項目29)
i.エポキシドおよび二酸化炭素を項目1〜24のいずれか一項に記載の金属錯体と接触させて、ポリカーボネートポリマー組成物を形成するステップと、
ii.クロマトグラフィーを実施して、実質的に、単離された無傷の金属錯体を獲得するステップと、を含む、方法。
本発明は、とりわけ、カチオン性二環式アミジニウム基を含むメタロサレネート錯体を提供し、このカチオン性二環式アミジニウム基は、遊離アミンを有しない。いくつかの実施形態では、そのようなメタロサレネート錯体は、式I:
【化1】
のものであり、式中、各R
1a、R
1a’、R
d、R
4b、k、M、およびXは、本明細書に記載の通りである。
【0005】
[定義]
特定の官能基および化学用語の定義が、以下により詳細に記載される。本発明の目的のため、化学元素は、CAS版のHandbook of Chemistry and Physics,75
th Ed.の表紙裏にある元素周期表に従って特定され、特定の官能基が、概して、その中に記載されるように定義される。加えて、有機化学の一般原理、ならびに特定の官能部分および反応性は、Organic Chemistry,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito,1999、Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry,5
th Edition,John Wiley&Sons,Inc.,New York,2001、Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989、Carruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3
rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987において記載され、その各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
本発明のある化合物は、1つ以上の不斉中心を含むことができ、よって、様々な立体異性形態、例えば、鏡像異性体および/またはジアステレオマーで存在することができる。よって、発明の化合物およびその組成物は、個々の鏡像異性体、ジアステレオマーまたは幾何異性体の形態で存在することができ、または立体異性体の混合物の形態で存在することができる。ある実施形態では、本発明の化合物は、エナンチオピュア化合物である。ある実施形態では、鏡像異性体またはジアステレオマーの混合物が提供される。
【0007】
さらに、本明細書に記載される化合物は、別様に示されない限り、ZまたはE異性体のいずれかとして存在することができる1つ以上の二重結合を有し得る。本発明は加えて、化合物を、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体として、または、様々な異性体の混合物、例えば、鏡像異性体のラセミ混合物として含む。上記化合物それ自体に加えて、本発明はまた、1つ以上の化合物を含む組成物を含む。
【0008】
本明細書で使用される、「異性体」という用語は、任意のおよび全ての幾何異性体および立体異性体を含む。例えば、「異性体」は、本発明の範囲内にある、シス−およびトランス−異性体、E−およびZ−異性体、R−およびS−鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、そのラセミ混合物、およびその他の混合物を含む。例えば、立体異性体は、いくつかの実施形態では、1つ以上の対応する立体異性体を実質的に含まずに提供することができ、「立体化学的に富化されている」とも呼ばれ得る。
【0009】
特定の鏡像異性体が好ましい場合、いくつかの実施形態では、反対の鏡像異性体を実質的に含まずに提供することができ、「光学的に富化されている」とも呼ばれ得る。「光学的に富化されている」は、本明細書では、化合物またはポリマーが著しくより大きな割合の1つの鏡像異性体から構成されることを意味する。ある実施形態では、化合物は、少なくとも約90重量%の好ましい鏡像異性体から構成される。他の実施形態では、化合物は、少なくとも約95%、98%、または99重量%の好ましい鏡像異性体から構成される。好ましい鏡像異性体は、ラセミ混合物から、当業者に知られている任意の方法、例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)およびキラル塩の形成および結晶化により単離することができ、または不斉合成により調製され得る。例えば、Jacques,et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley Interscience,New York,1981)、Wilen,S.H.,et al.,Tetrahedron 33:2725(1977)、Eliel,E.L.Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw−Hill,NY,1962)、Wilen,S.H.Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268(E.L.Eliel,Ed.,Univ. of Notre Dame Press,Notre Dame,IN 1972)を参照されたい。
【0010】
本明細書で使用される、「エポキシド」という用語は、置換または非置換オキシランを指す。そのような置換オキシランとしては、一置換オキシラン、二置換オキシラン、三置換オキシラン、および四置換オキシランが挙げられる。そのようなエポキシドは、本明細書に定義されるように更に任意に置換され得る。ある実施形態では、エポキシドは、単一のオキシラン部分を含む。ある実施形態では、エポキシドは、2つ以上のオキシラン部分を含む。
【0011】
「ポリマー」という用語は、本明細書では、高い相対分子量の分子を指し、その構造は、低い相対分子量の分子から実際にまたは概念的に誘導される単位の複数の繰り返しを含む。ある実施形態では、ポリマーは、CO
2およびエポキシドから誘導される実質的に交互の単位から構成される(例えば、ポリ(エチレンカーボネート)。ある実施形態では、本発明のポリマーはコポリマー、ターポリマー、ヘテロポリマー、ブロックコポリマー、または2つ以上の異なるエポキシドモノマーを組み込んだテーパ状ヘテロポリマーである。
【0012】
本明細書で使用される「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、およびヨウ素(ヨード、−I)から選択される原子を指す。
【0013】
本明細書で使用される、「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、直鎖(すなわち、非分枝)、分枝、または環状(縮合、架橋、およびスピロ縮合多環式を含む)であってもよく、完全に飽和されてもよいか、または1つ以上の不飽和ユニットを含んでもよいが、芳香族ではない炭化水素部分を示す。別様に指定されない限り、脂肪族基は1〜40個の炭素原子を含む。ある実施形態では、脂肪族基は1〜20個の炭素原子を含む。ある実施形態では、脂肪族基は3〜20個の炭素原子を含む。ある実施形態では、脂肪族基は1〜12個の炭素原子を含む。ある実施形態では、脂肪族基は1〜8個の炭素原子を含む。ある実施形態では、脂肪族基は1〜6個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、脂肪族基は1〜5個の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、脂肪族基は1〜4個の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では脂肪族基は1〜3個の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、脂肪族基は1または2個の炭素原子を含む。好適な脂肪族基としては、直鎖または分枝、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基、およびそれらの混成物、例えば(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキル、または(シクロアルキル)アルケニルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0014】
本明細書で使用される、「ヘテロ脂肪族」という用語は、1つ以上の炭素原子が、独立して、酸素、硫黄、窒素、またはリンからなる群から選択される1つ以上の原子によって置換された脂肪族基を指す。ある実施形態では、1〜6個の炭素原子が、独立して、1つ以上の酸素、硫黄、窒素、またはリンによって置換される。ヘテロ脂肪族基は、置換または非置換、分枝または非分枝、環状または非環状であってもよく、飽和、不飽和もしくは部分不飽和基を含み得る。
【0015】
本明細書で使用される、「不飽和」という用語は、部分が1つ以上の二重または三重結合を有することを意味する。
【0016】
「脂環式」、「炭素環」、または「炭素環式」という用語(単独で、またはより大きな部分の一部として使用される)は、本明細書に記載されるように、3〜12員を有する飽和もしくは部分不飽和環状脂肪族単環式または多環式環系を指し、脂肪族環系は、上記で定義され、本明細書に記載されるように、任意に置換される。脂環式基としては、限定はされないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、ノルボルニル、アダマンチル、およびシクロオクタジエニルが挙げられる。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは3〜6個の炭素を有する。「脂環式」、「炭素環」または「炭素環式」という用語はまた、例えばデカヒドロナフチルまたはテトラヒドロナフチルなどの、1つ以上の芳香族または非芳香族環に縮合された脂肪族環であり、ラジカルまたは結合点は、脂肪族環上にある脂肪族環を含む。ある実施形態では、「3〜7員炭素環」という用語は、3〜7員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環を指す。
【0017】
本明細書で使用される、「アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を含む脂肪族部分から、単一の水素原子の除去によって誘導される飽和の直鎖または分枝鎖炭化水素ラジカルを指す。別様に指定されない限り、アルキル基は1〜12個の炭素原子を含む。ある実施形態では、アルキル基は1〜8個の炭素原子を含む。ある実施形態では、アルキル基は1〜6個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1〜5個の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、アルキル基は、1〜3個の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、アルキル基は、1〜2個の炭素原子を含む。アルキルラジカルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、ドデシル等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0018】
本明細書で使用される、「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖脂肪族部分から、単一の水素原子の除去によって誘導される一価基を示す。別様に指定されない限り、アルケニル基は2〜12個の炭素原子を含む。ある実施形態では、アルケニル基は2〜8個の炭素原子を含む。ある実施形態では、アルケニル基は2〜6個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2〜5個の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2〜4個の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2〜3個の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2個の炭素原子を含む。アルケニル基としては、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イル等が挙げられる。
【0019】
本明細書で使用される、「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖脂肪族部分から、単一の水素原子の除去によって誘導される一価基を指す。別様に指定されない限り、アルキニル基は2〜12個の炭素原子を含む。ある実施形態では、アルキニル基は2〜8個の炭素原子を含む。ある実施形態では、アルキニル基は2〜6個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルキニル基は2〜5個の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、アルキニル基は2〜4個の炭素原子を含み、いくつかの実施形態ではアルキニル基は2〜3個の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、アルキニル基は2個の炭素原子を含む。代表的なアルキニル基としては、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニル等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0020】
本明細書で使用される、「アルコキシ」という用語は、酸素原子を介して親分子に結合された、前に定義されたアルキル基を指す。アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、ネオペントキシ、およびn−ヘキソキシが挙げられるが、それらに限定されない。
【0021】
本明細書で使用される、「アシル」という用語は、カルボニル含有官能基、例えば、−C(=O)R’を指し、式中、R’は、水素または任意に置換された脂肪族、ヘテロ脂肪族、複素環式、アリール、ヘテロアリール基であり、または(例えば、水素または脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、またはヘテロアリール部分で)置換された酸素または窒素含有官能基(例えば、カルボン酸、エステル、またはアミド官能基を形成する)である。本明細書で使用される、「アシルオキシ」という用語は、酸素原子を介して親分子に結合されたアシル基を指す。
【0022】
「アリール」という用語(単独で、または、「アラルキル」、「アラルコキシ」、または「アリールオキシアルキル」におけるようにより大きな部分の一部として使用される)は、合計5〜20の環員を有する単環式および多環式環系を指し、系中の少なくとも1つの環は芳香族であり、系中の各環は3〜12の環員を含む。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と同じ意味で使用され得る。本発明のある実施形態では、「アリール」は、芳香族環系を指し、これは、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラシル等を含むが、それらに限定されず、これらは1つ以上の置換基を有し得る。本明細書では、例えばベンゾフラニル、インダニル、フタルイミジル、ナフチミジル、フェナントリイジニル(phenantriidinyl)、またはテトラヒドロナフチル等の、芳香環が1つ以上の追加の環に縮合されている基もまた「アリール」という用語の範囲内に含められる。ある実施形態では、「6〜10員アリール」という用語は、フェニルまたは8〜10員多環式アリール環を指す。
【0023】
単独で、またはより大きな部分、例えば、「ヘテロアラルキル」、または「ヘテロアラルコキシ」の一部として使用される「ヘテロアリール」および「ヘテロアル−」という用語は、5〜14個の環原子、好ましくは5、6、または9個の環原子を有し、環状アレイにおいて共有される6、10、または14個のπ電子を有し、炭素原子に加えて、1〜5個のヘテロ原子を有する基を示す。「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素、もしくは硫黄を指し、窒素または硫黄の任意の酸化形態、および塩基性窒素の任意の四級化形態を含む。ヘテロアリール基としては、限定はされないが、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、ベンゾフラニルおよびプテリジニルが挙げられる。「ヘテロアリール」および「ヘテロアル−」という用語はまた、本明細書では、芳香族複素環が1つ以上のアリール、脂環式、またはヘテロシクリル環に縮合された基を含み、ラジカルまたは結合点は、芳香族複素環上にある。非制限的な例としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、およびピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4H)−オンが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環または二環であり得る。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、または「複素芳香族」という用語と同じ意味で使用することができ、これらの用語のいずれも、任意に置換された環を含む。「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリールによって置換されたアルキル基を指し、アルキルおよびヘテロアリール部分は、独立して、任意に置換される。ある実施形態では、「5〜12員ヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜12員二環式ヘテロアリール環を指す。
【0024】
本明細書で使用される、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環式ラジカル」、および「複素環式環」という用語は同じ意味で使用され、飽和もしくは部分不飽和され、炭素原子に加えて、1つ以上の、好ましくは1〜4個の、上記で定義されるヘテロ原子を有する安定した5〜7員単環式または7〜14員多環式複素環部分を示す。複素環の環原子に関連して使用される場合、「窒素」という用語は、置換された窒素を含む。一例として、酸素、硫黄または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和もしくは部分不飽和環では、窒素はN(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにおける場合)、NH(ピロリジニルにおける場合)、または
+NR(N−置換ピロリジニルにおける場合)であってもよい。いくつかの実施形態では、「3〜7員複素環式」という用語は、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜7員飽和もしくは部分不飽和単環式複素環を示す。
【0025】
複素環式環は、安定した構造が得られる任意のヘテロ原子または炭素原子でそのペンダント基に結合させることができ、環原子のいずれも任意に置換させることができる。そのような飽和もしくは部分不飽和複素環ラジカルの例としては、限定はされないが、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、およびキヌクリジニルが挙げられる。「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環式基」、「複素環式部分」、および「複素環式ラジカル」という用語は、本明細書では同じ意味で使用され、これらはまた、例えばインドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロキノリニル等の、ヘテロシクリル環が1つ以上のアリール、ヘテロアリール、または脂環式環に縮合された基であり、ラジカルまたは結合点は、ヘテロシクリル環上にある基を含む。ヘテロシクリル基は、単環または二環であってもよい。任意に置換された「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、ヘテロシクリルによって置換されたアルキル基を指し、アルキルおよびヘテロシクリル部分は、独立して、任意に置換される。
【0026】
本明細書で使用される、「部分不飽和」という用語は、少なくとも1つの二重または三重結合を含む環部分を指す。「部分不飽和」という用語は、複数の不飽和の部位を有する環を含むことが意図されるが、本明細書に定義されるような、アリールまたはヘテロアリール部分を含むことは意図されない。
【0027】
本明細書に記載されるように、本発明の化合物は、「任意に置換された」部分を含み得る。概して、「置換された」という用語は、「任意に」という用語が前に付いていてもいなくても、指定された部分の1つ以上の水素が好適な置換基で置換されることを意味する。別様に示されない限り、「任意に置換された」基は、好適な置換基を、基の各置換可能な位置に有してもよく、任意のある構造内の2つ以上の位置が、特定の基から選択される2つ以上の置換基で置換され得る場合、置換基は、全ての位置で同じかたまたは異なり得る。この発明により想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定したまたは化学的に実行可能な化合物が形成されるものである。本明細書で使用される、「安定した」という用語は、本明細書で開示される1つ以上の目的のために、それらの生成、検出、および、あるある実施形態では、それらの回収、精製、および使用を可能にする条件に供せられても実質的に変化しない化合物を指す。
【0028】
「任意に置換された」基の置換可能な炭素原子上の好適な一価置換基は、独立して、ハロゲン;−(CH
2)
0−4R
°;−(CH
2)
0−4OR
°;−O−(CH
2)
0−4C(O)OR°;−(CH
2)
0−4CH(OR
°)
2;−(CH
2)
0−4SR
°;−(CH
2)
0−4Ph(R°で置換されてもよい);−(CH
2)
0−4O(CH
2)
0−1Ph(R
°で置換されてもよい);−CH=CHPh(R
°で置換されてもよい);−NO
2;−CN;−N
3;−(CH
2)
0−4N(R
°)
2;−(CH
2)
0−4N(R
°)C(O)R
°;−N(R
°)C(S)R
°;−(CH
2)
0−4N(R
°)C(O)NR
°2;−N(R
°)C(S)NR
°2;−(CH
2)
0−4N(R
°)C(O)OR
°;−N(R
°)N(R
°)C(O)R
°;−N(R
°)N(R
°)C(O)NR
°2;−N(R
°)N(R
°)C(O)OR
°;−(CH
2)
0−4C(O)R
°;−C(S)R
°;−(CH
2)
0−4C(O)OR
°;−(CH
2)
0−4C(O)N(R
°)
2;−(CH
2)
0−4C(O)SR
°;−(CH
2)
0−4C(O)OSiR
°3;−(CH
2)
0−4OC(O)R
°;−OC(O)(CH
2)
0−4SR−,SC(S)SR
°;−(CH
2)
0−4SC(O)R
°;−(CH
2)
0−4C(O)NR
°2;−C(S)NR
°2;−C(S)SR°;−SC(S)SR°,−(CH
2)
0−4OC(O)NR
°2;−C(O)N(OR
°)R
°;−C(O)C(O)R
°;−C(O)CH
2C(O)R
°;−C(NOR
°)R
°;−(CH
2)
0−4SSR
°;−(CH
2)
0−4S(O)
2R
°;−(CH
2)
0−4S(O)
2OR
°;−(CH
2)
0−4OS(O)
2R
°;−S(O)
2NR
°2;−(CH
2)
0−4S(O)R
°;−N(R
°)S(O)
2NR
°2;−N(R
°)S(O)
2R
°;−N(OR
°)R
°;−C(NH)NR
°2;−P(O)
2R
°;−P(O)R
°2;−OP(O)R
°2;−OP(O)(OR
°)
2;SiR
°3;−(C
1−4直鎖または分枝アルキレン)O−N(R
°)
2;または−(C
1−4直鎖または分枝アルキレン)C(O)O−N(R
°)
2であり、各R
°は、下に定義されるように置換されてもよく、独立して、水素、C
1−8脂肪族、−CH
2Ph、−O(CH
2)
0−1Phであるか、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0−4のヘテロ原子を有する5−6員飽和、部分不飽和もしくはアリール環であり、あるいは、上の定義にかかわらず、R
°の2つの独立した事象が、それらの介在原子(複数可)と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する3〜12員飽和、部分不飽和、もしくはアリール単または多環式環を形成し、これらは下で定義されるように置換されてもよい。
【0029】
R
°上(R
°の2つの独立した事象をそれらの介在原子と一緒にすることにより形成される環上)の好適な一価置換基は、独立して、ハロゲン、−(CH
2)
0−2R
●、−(ハロR
●)、−(CH
2)
0−2OH、−(CH
2)
0−2OR
●、−(CH
2)
0−2CH(OR
●)
2;−O(ハロR
●)、−CN、−N
3、−(CH
2)
0−2C(O)R
●、−(CH
2)
0−2C(O)OH、−(CH
2)
0−2C(O)OR
●、−(CH
2)
0−4C(O)N(R
°)
2;−(CH
2)
0−2SR
●、−(CH
2)
0−2SH、−(CH
2)
0−2NH
2、−(CH
2)
0−2NHR
●、−(CH
2)
0−2NR
●2、−NO
2、−SiR
●3、−OSiR
●3、−C(O)SR
●、−(C
1−4直鎖または分枝アルキレン)C(O)OR
●であるか、または−SSR
●であり、各R
●は、非置換であり、または「ハロ」が前に付いている場合、1つ以上のハロゲンでのみ置換され、独立して、C
1−4脂肪族、−CH
2Ph、−O(CH
2)
0−1Phであるか、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環から選択される。R
°の飽和炭素原子上の好適な二価置換基としては、=Oおよび=Sが挙げられる。
【0030】
「任意に置換された」基の飽和炭素原子上の好適な二価置換基としては、以下のもの:=O、=S、=NNR
*2、=NNHC(O)R
*、=NNHC(O)OR
*、=NNHS(O)
2R
*、=NR
*、=NOR
*、−O(C(R
*2))
2−3O−であるか、または−S(C(R
*2))
2−3S−が挙げられるが、R
*の各独立した事象は、水素、C
1−6脂肪族(下に定義されるように置換されてもよい)、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換5〜6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環から選択される。「任意に置換された」基の近接する置換可能な炭素に結合される好適な二価置換基としては、−O(CR
*2)
2−3O−が挙げられるが、R
*の各独立した事象は、水素、C
1−6脂肪族(下に定義されるように置換されてもよい)、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換5〜6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環から選択される。
【0031】
R
*脂肪族基上の好適な置換基としては、ハロゲン、−R
●、−(ハロR
●)、−OH、−OR
●、−O(ハロR
●)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR
●、−NH
2、−NHR
●、−NR
●2であるか、または−NO
2が挙げられるが、各R
●は、非置換であり、または「ハロ」が前に付いている場合、1つ以上のハロゲンでのみ置換され、独立して、C
1−4脂肪族、−CH
2Ph、−O(CH
2)
0−1Phであるか、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環である。
【0032】
「任意に置換された」基の置換可能な窒素上の好適な置換基としては、−R
†、−NR
†2、−C(O)R
†、−C(O)OR
†、−C(O)C(O)R
†、−C(O)CH
2C(O)R
†、−S(O)
2R
†、−S(O)
2NR
†2、−C(S)NR
†2、−C(NH)NR
†2であるか、または−N(R
†)S(O)
2R
†が挙げられるが、各R
†は、独立して、水素、C
1−6脂肪族(下に定義されるように置換されてもよい)、非置換−OPhであるか、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換5〜6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環であり、あるいは、上の定義にかかわらず、R
†の2つの独立した事象は、それらの介在原子(複数可)と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、非置換3〜12員飽和、部分不飽和、もしくはアリール単環または二環を形成する。置換可能な窒素は、3つのR
†置換基で置換されて、荷電アンモニウム部分−N
+(R
†)
3を提供し得、アンモニウム部分は、更に、好適な対イオンと錯体形成される。
【0033】
R
†の脂肪族基上の好適な置換基は、独立して、ハロゲン、−R
●、−(ハロR
●)、−OH、−OR
●、−O(ハロR
●)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR
●、−NH
2、−NHR
●、−NR
●2であるか、または−NO
2であり、各R
●は、非置換であり、または「ハロ」が前に付いている場合、1つ以上のハロゲンでのみ置換され、独立して、C
1−4脂肪族、−CH
2Ph、−O(CH
2)
0−1Phであるか、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環である。
【0034】
置換基が本明細書に記載される場合、「ラジカル」または「任意に置換されたラジカル」という用語が、時として使用される。このような状況では、「ラジカル」は、置換基が結合される構造への結合のために有効な位置を有する部分または官能基を意味する。概して、結合点は、置換基が、置換基ではなくむしろ、独立した中性分子である場合、水素原子を有するであろう。「ラジカル」または「任意に置換されたラジカル」という用語は、このような状況では、よって、「基」または「任意に置換された基」と同じ意味で使用可能である。
【0035】
本明細書で使用される、物質および/または実体は、他の成分を実質的に含まない場合、「純粋」である。そのような成分の相対評価は、モル比、乾燥重量、体積、様々な分析技術(例えば、測光、分光法、分光光度法、分光測定)等により決定することができる。いくつかの実施形態では、約75%超の特定の物質および/または実体を含む調製物は、純粋調製物であると考えられる。いくつかの実施形態では、物質および/または実体は、少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%純粋である。
【0036】
本明細書で使用される、「単離された」という用語は、最初に生成された時に関連していた成分のうちの少なくともいくらかから分離された、物質または実体を指す(自然にか、実験的設定においてかに関係なく)。単離された物質および/または実体は、それらが最初に関連していた少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約99%以上の他の成分から分離され得る。いくつかの実施形態では、単離された薬剤は、約80%超、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99%超純粋である。
【0037】
本明細書で使用される、「触媒」という用語は、その存在は、化学反応の速度および/または程度を増加させるが、消費されず、またはそれ自体永久的な化学変化を受けない物質を指す。