(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6313462
(24)【登録日】2018年3月30日
(45)【発行日】2018年4月18日
(54)【発明の名称】スイングトレーニング機器
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20180409BHJP
【FI】
A63B69/36 501B
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-550495(P2016-550495)
(86)(22)【出願日】2015年3月19日
(65)【公表番号】特表2017-507700(P2017-507700A)
(43)【公表日】2017年3月23日
(86)【国際出願番号】US2015021446
(87)【国際公開番号】WO2015143143
(87)【国際公開日】20150924
【審査請求日】2017年7月21日
(31)【優先権主張番号】14/220,458
(32)【優先日】2014年3月20日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516232346
【氏名又は名称】イェッツステッド、ガブリエル
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】イェッツステッド、ガブリエル
【審査官】
青山 玲理
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭49−102433(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3065192(JP,U)
【文献】
実開昭62−074856(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3135674(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイングトレーニング補助具であって、
a 第1の端部と第2の端部とを有するシャフトであって、前記シャフトは前記第1の端部近傍から前記第2の端部近傍へ延びる経路を形成するものである、前記シャフトと、
b 前記シャフトによって形成される前記経路に配置される往復運動部材と、
c 前記シャフトの前記第1の端部に取り付けられたグリップと、
d 前記グリップに着脱自在に固定され、前記シャフトの前記第1の端部と協動するように配置された端部キャップと
e 前記端部キャップに固定されたインサートであって、前記往復運動部材が前記シャフトの前記第1の端部近傍にある時に前記往復運動部材と協動するように配置され且つ前記往復運動部材が当該インサートに接触した時に聞き取り可能な音を立てるように構成されているものである、前記インサートと、
f 前記シャフトによって形成される前記経路に着脱自在に固定されるストッパーであって、それにより、前記経路の全長が短くなるものである、前記ストッパーと、
を有するスイングトレーニング補助具。
【請求項2】
ゴルフ用スイングトレーニング補助具であって、
a 第1の端部と第2の端部とを有するシャフトであって、前記シャフトは前記第1の端部近傍から前記第2の端部近傍へ延びる経路を形成するものである、前記シャフトと、
b 前記シャフトによって形成される前記経路に配置される往復運動部材と、
c 前記シャフトの前記第1の端部に取り付けられたグリップと、
d 前記シャフトの前記第1の端部と協動するように配置され、前記往復運動部材が前記シャフトの前記第1の端部近傍にある時に前記往復運動部材と協動し且つ前記往復運動部材が接触した時に聞き取り可能な音を立てるように構成されている端部キャップと、
e 前記シャフトの第2の端部に取り付けられたヘッドであって、当該ヘッドはゴルフボールを打つように構成されているものである、前記ヘッドと、
f 前記シャフトの前記第2の端部と協動するように配置され、前記往復運動部材が前記シャフトの前記第2の端部近傍にある時に前記往復運動部材と協動し且つ前記往復運動部材が接触した時に聞き取り可能な音を立てるように構成されているインサートと、
g 前記シャフトによって形成される前記経路に少なくとも部分的に配置されることにより、作用時に前記往復運動部材が往復運動するのを阻止するロック装置と
を有するスイングトレーニング補助具。
【請求項3】
請求項2に記載のスイングトレーニング補助具において、このスイングトレーニング補助具はさらに、前記シャフトによって形成される前記経路に着脱自在に固定されるストッパーを有するものであり、それにより、前記経路の全長が短くなるものである、スイングトレーニング補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2014年3月20日付で出願された米国特許出願第14/220,458号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、スポーツトレーニング補助具、より具体的には、使用者のゴルフスイングを改善するためのスイングトレーニング補助具に関する。
【背景技術】
【0003】
ゴルフという競技では、ゴルフクラブを用いてゴルフボールを打つ。ゴルフクラブは、長尺シャフトと、一端にあるグリップと、他端にある重り付きヘッドとから構成される。ゴルフクラブのヘッドはゴルフボールに上方向の軌道を与える傾向がある。初期のゴルフクラブは全体が木材で作られ、またゴルフボールは詰め物をした皮で作られていた。そのうちに、ゴルフボールはより耐久性のある材料から作られるようになり、またゴルフクラブは、特に、より短く高い軌道のショット用に設計されたものは、鉄製ヘッドによる改良が加えられた。1920年代までに、ゴルフクラブはスチール製シャフトの導入により再び改良が加えられ、1970年代には、繊維補強複合材料のシャフトを有するゴルフクラブが導入された。現在、ゴルフクラブは、金属、プラスチック、セラミックス、複合物、及び木材を含む幅広い多様な原料で作られている。ゴルフクラブの設計者は、米国ゴルフ協会(United States Golf Association: USGA)およびロイヤル・アンド・エンシェント(Royal & Ancient: R&A)などの運営機関の規則を順守しながら、ゴルフクラブの材料や寸法、機構を改良するのに継続的に励む。
【0004】
ゴルフクラブが徐々に着実に改良されてきたのと同じように、ゴルファーも彼らのゴルフスイング技巧を向上しようとしてきた。スイング技巧は、その者のグリップ、足の位置及び姿勢、体軸、テイクアウェイ、バックスイングおよびダウンスイング中の腰および肩回転、インパクト時の体位、フォロースルー、タイミング及びテンポ、終了時の体位、及び全体のバランスに関係する。スイング技巧を向上させることによって、ゴルファーはより良いショットおよびより低いスコアを達成することを望む。特に、或るゴルファーは、より遠く且つより正確にボールを飛ばすことができる。スイング技巧を向上させるには、一般的に相当の時間の練習を必要とするが、それは1若しくはそれ以上のスイングトレーニング補助具の利用により加速させることができる。
【0005】
現在人気のスイングトレーニング補助具としては、重み付きシャフト、ヒンジ付きシャフト、および磁気タイミングボールを有するシャフトが含まれる。重み付きシャフトを有するトレーニング補助具は、一般的に、一端にグリップと、逆端に重りとを有するシャフトから構成される。前記重み付きシャフトをスイングすることにより力とスピードが生まれる。ヒンジ付きシャフトを有するトレーニング補助具は、一般的に、一端にグリップと、逆端にヘッドと、ヒンジとを有するシャフトから構成され、前記ヒンジが前記シャフトに沿って位置することで、前記クラブが適切なスイング面外を移動する場合に前記シャフトが曲がり又は折れる。前記ヒンジ付きシャフトのスイングはテンポとスイングする体軸を改善する。磁気タイミングボールを有するトレーニング補助具は、一般的に、一端にグリップと逆端にストッパーとを有するシャフトと、磁気タイミングボールとから構成され、前記磁気タイミングボールが、前記グリップの底部、および幾つかの場合ではストッパーにも位置する磁石と協動する。前記磁気タイミングボールをその位置から前記グリップの端部で最適に開放するために、ゴルファーはスイングアークの底で前記クラブヘッドを開放しなければならず、それはゴルファーのタイミングを向上させる。スイングトレーニング補助具の更なる種類としては、スイング中ゴルファーに特定のグリップを維持させるように設計された成型グリップ、ゴルファーの手首を最適な位置に保つように設計されたリストスリーブ、前記ゴルフクラブを前記最適なゴルフスイング面にガイドするように設計された調整自在なフープまたはスタンドおよびストラップの組み合わせ、前記使用者の姿勢を調整および維持またはその他の体の位置の間違いを矯正するためのストラップが含まれる。
【0006】
残念ながら、現在入手可能なスイングトレーニング補助具は、不便で、扱いにくい場合があり、また、しばしばゴルファーのスイングの1若しくは2要素のみを向上させることが狙いである。その上、力とタイミングを増加させる幾つか目的では、ゴルファーがボールを前記補助具により打つことができない。その他のものは単純に前記クラブを適切なスイング面に沿ってガイドするものである。ゴルファーがスイング技巧を向上させることができる装置であって、使用および運搬するのに便利であり、タイミングと適切なスイング技術を教え、且つ、ゴルファーにゴルフボールを打つことを可能にする装置は望ましいであろう。ゴルファーが適切なゴルフスイングを行う時に触知可能で肯定的なフィードバックを提供する装置を供給することはさらに望ましいであろう。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許第4,969,921号明細書
(特許文献2) 米国特許第7,704,160号明細書
(特許文献3) 米国特許第1,676,270号明細書
(特許文献4) 米国特許第3,137,504号明細書
(特許文献5) 米国特許第3,498,616号明細書
(特許文献6) 米国特許第4,027,886号明細書
(特許文献7) 米国特許第5,634,856号明細書
(特許文献8) 米国特許第5,711,718号明細書
(特許文献9) 米国特許第6,461,163号明細書
(特許文献10) 米国特許第6,500,074号明細書
(特許文献11) 米国特許出願公開第2012/0094780号明細書
(特許文献12) 米国特許出願公開第2010/0184526号明細書
(特許文献13) 米国特許出願公開第2004/0009824号明細書
(特許文献14) 米国特許出願公開第2005/0009618号明細書
(特許文献15) 米国特許出願公開第2005/0192112号明細書
(特許文献16) 米国特許出願公開第2012/0244957号明細書
(特許文献17) 米国特許出願公開第2002/0193187号明細書
(特許文献18) 米国特許出願公開第2005/0026711号明細書
(特許文献19) 国際公開第2005/082473号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
スイングトレーニング補助具は、シャフトと往復運動部材とを少なくとも有するクラブを有する。付加的に、好ましくは、前記スイングトレーニング補助具はさらに、グリップとクラブヘッドとを有する。前記シャフトは、第1の端部と第2の端部と、前記シャフトの第1の端部に取り付けられたグリップとを有する。前記ヘッドは前記シャフトの前記第2の端部に取り付けられ、前記シャフトは内壁を有し、当該内壁は前記シャフトの長軸に沿って延びる経路を定義する。前記往復運動部材は、前記シャフトによって定義される前記経路内に配置され、前記経路内で第1の位置と第2の位置間を往復運動する。また、前記グリップは、一端で、固定された又は着脱自在な端部キャップと協動する開口を定義することができる。前記端部キャップまたはグリップはさらに、例えば前記往復運動部材を引き付ける磁石および前記往復運動部材に打たれた時に聞き取り可能な音を生むインサートなどの1若しくはそれ以上の追加の機構を有することができる。また、前記クラブヘッドまたは前記シャフトの前記第2の端部も、前記往復運動部材によって打たれた時に聞き取り可能な音を生むインサートを含む1若しくはそれ以上の追加の機構を含んでもよい。更なる追加の機構としては、前記経路長を短くするストッパーや、不使用時に前記往復運動部材を固定するロック機構を含む。
【0008】
スイングトレーニング補助具を使用するために、ゴルファーは当該トレーニング補助具を握り、適切な姿勢をとり、そして、クラブヘッドのフェースをゴルフボールに対して位置調整する。続いて、前記スイングトレーニング補助具がスイングバックされ、前記ゴルフボールから離れるように、ゴルファーは、手および腕を一緒に体から離れる方向に動かすテイクアウェイ運動を開始する。前記バックスイング中、前記往復運動部材が前記シャフトの前記経路内を移動する。ゴルファーが前記トレーニング補助具を適切なスイング面で維持していれば、ゴルファーがバックスイングの理想的なトップに到達した時、前記往復運動部材は、前記シャフトの前記第1の端部に到達し、また、インサートがあれば、聞き取り可能な音を生む。多くのゴルファーは、前記往復運動部材が前記シャフトの前記第1の端部を打つのを感じることができるであろうし、好ましくは聞き取り可能な音も聞こえるであろう。前記バックスイングのトップで往復運動部材により与えられた前記合図を聞き、また感じると、ゴルファーは、前記トレーニング補助具を解放し、ダウンスイングを開始する。ゴルファーは、前記クラブヘッドでボールを打ち、その後、最終の位置へスイングを続ける。スイングトレーニング補助具がダウンスイングを通じボールとのインパクトを経て移動するにつれ、往復運動部材が前記シャフトの一端から他端へ移動する。前記バックスイングと同様に、多くのゴルファーは、適切にスイングしている場合、前記往復運動部材が前記シャフト内を滑らかに移動するので、肯定的なフィードバックを感じるであろう。ゴルファーは、ボールを打つ時に前記スイングトレーニング補助具から前記肯定的なフィードバックを感じ、また聞こえる可能性があるので、改善されたスイングについての肯定的な成果を理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明のスイングトレーニング補助具の斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明のスイングトレーニング補助具の上面図である。
【
図3】
図3は、本発明のスイングトレーニング補助具の一実施形態の
図2の線A−Aで切断した時の側面断面図である。
【
図4】
図4は、本発明のスイングトレーニング補助具の代替的な実施形態の
図2の線A−Aで切断した時の側面断面図である。
【
図5】
図5は、本発明のスイングトレーニング補助具のクラブヘッドの一実施形態の斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明のスイングトレーニング補助具の
図2の線A−Aで切断した時の側面断面図であり、任意選択的な機構を示す。
【
図7】
図7は、本発明のスイングトレーニング補助具の一部の
図2の線A−Aで切断した時の側面断面図であり、任意選択的な機構を示す。
【
図8】
図8は、本発明のスイングトレーニング補助具の好適な実施形態の
図2の線A−Aで切断した時の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1〜3は、本発明のスイングトレーニング補助具10の好適な実施形態を示す。スイングトレーニング補助具10は、クラブ、バット、または類似の用具をスイングする趣味若しくはプロのアスリートのスイング技巧を向上させるのに役立てることができる。スイングトレーニング補助具10は、前記ゴルフクラブをスイングしている時に聞き取りおよび触知可能な応答を提供するので、前記趣味若しくはプロのゴルファーにとって特に便利である。特に、それはゴルファーが、バックスイングの際オーバースイングするのを回避し、前記スイングのトップで滑らか且つ力強い方向転換をし、多くのプロゴルファーにより使用されるようなスリークォーターバックスイングを利用し、短く力強いスイングの利益を得ることを教示する。さらに、本発明のスイングトレーニング補助具10によって、ゴルファーは、スイングスピードを上げ、トップのプロゴルファー間で見られるように体をより多く使い腕の位置を縮めることを学び、タイミングを向上させ、コントロールを向上させ、そして適切な負荷および開放のシーケンスを学ぶことができる。
【0011】
スイングトレーニング補助具10は、シャフト若しくは同等の構造と、当該シャフト内に配置された往復運動部材とを少なくとも有する。
図1〜3に示すように、好適なスイングトレーニング補助具10は、シャフト12と、グリップ14と、ヘッド16と、往復運動部材20とを少なくとも有するゴルフクラブを有する。一般的に、シャフト12は、円形の断面と、滑らか若しくは堅い内壁12aと、滑らか若しくは堅い外壁12bと、第1の端部12cと、第2の端部12dとを有する長尺管状要素である。内壁12aは、経路を好ましくは前記シャフト12の長軸に沿って延びる円形断面により形成する。内壁12aにより形成された前記経路は、前記シャフトの長さ全体で均一であってよく、または、その直径が前記シャフトの長さに沿って変化してもよい。直径が変化する場合、それは、第1の端部12c近傍の第1の直径から第2の端部12d近傍の第2の直径へ徐々に先細りしてもよい。代替的に、それは、前記シャフトの長さに沿って様々な増加量でサイズが下げられても良い。好ましくは、内壁12aは滑らかであり、当該内壁12aによって形成された前記経路の直径は具体的に
図3で示すように前記シャフトの長さの実質的な部分に沿って一定である。シャフト12は、任意の従来の段階の剛度を有してよく、またゴルフクラブシャフトに典型的に使用される任意の材料から構成されてよい。この任意の材料には、これに限られないが、スチールおよびグラファイト繊維補強複合材料が含まれる。グリップ14をシャフト12に取り付けるのを容易にするために、シャフト12の第1の端部12cに追加の部品または機構があってもよい。例えば、ねじ山または溝が第1の端部12cの外壁12bにあってもよい。同様に、ヘッド16をシャフト12に取り付けるのを容易にするために、シャフト12の第2の端部12dに追加の部品または機構があってもよい。
【0012】
グリップ14は成形されたゴム、プラスチック、紐、または複合材料を有する。グリップ14は、堅くまたは柔らかく、粘着性のある外面を有し、ゴルファーの手の位置をガイドする機構を含む。グリップ14は、当技術分野において一般に知られるようなゴルフクラブおよびスイングトレーニング補助具に共通する任意の機構を有することができる。グリップ14は、
図1〜3に示すようにシャフト12を囲むようにサイズが定められ形づくられる。グリップ14は、任意の在来手段によってシャフト12の第1の端部12cに取り付けられてよく、好ましくは、市販の両面テープおよび実質的に永久的な接着ボンドを形成するグリップ溶剤を用いて取り付けられる。代替的に、グリップは、シャフト12と一体的に形成されてもよく、それは、本発明の範囲を変えることなく、オーバーサイズ若しくはアンダーサイズ、または最小にする、または無くすことができる。
【0013】
グリップ14は、
図4に示すように端部キャップ15と協動する第1のグリップ端14aで開口を任意選択的に定義することができる。グリップ14が存在しない場合、前記端部キャップが隠され、または部分的に前記グリップによって見えないようにされることが望ましい場合、あるいは、前記グリップと独立して前記端部キャップを有することが望ましい場合、任意選択的な端部キャップ15はシャフト12の第1の端部12cに直接的に取り付けることができる。端部キャップ15は、任意の剛性材料から作られてよく、好ましくはゴムタイプのプラグを有する。端部キャップ15は、グリップ14の端部に、またはシャフト12の第1の端部12cに、当技術分野で知られる任意の種類のコネクタによって配置し固定することができる。例えば、グリップ14またはシャフト12の第1の端部12cは、第1のグリップ端14aで形成され、端部キャップ15の外面に形成されるねじ山(不図示)と協動する溝(不図示)を有することができる。代替的に、端部キャップ15は、グリップ14の第1のグリップ端14aで形成される開口内、またはシャフト12の第1の端部12cにより形成される前記経路内に、摩擦接続することができる。端部キャップ15は、シャフト12の第1の端部12cまたはグリップ14にしっかりと永久的に固定されてよく、または着脱自在であってよい。好ましくは、端部キャップ15は、シャフト12とその第1の端部12cで一体的であるか、または、当該シャフト12の第1の端部12cに成形若しくは溶接され、それにより、
図8に示すように、当該端部キャップ15が前記シャフト12によって形成される前記経路に少なくとも部分的に合わさり、または突出し、往復運動部材20と協動する。また、好ましくは、端部キャップ15は、これと往復運動部材20が接触する時に聞き取り可能な音を発する材料を有する。例えば、往復運動部材20が端部キャップ15を打つ時、"ピーン"という音がゴルファーに聞こえる。
【0014】
グリップ14、端部キャップ15、またはシャフト12の第1の端部12cは、任意選択的に、1若しくはそれ以上の追加の機構を含んでもよく、例えば、往復運動部材20を引きつける磁石21、または往復運動部材20がそれに接触したときに聞き取り可能な音を生むグリップインサート22などを含むことができる。
図4は、磁石21が永久的に端部キャップ15内に入れられ、且つ、グリップインサート22が永久的且つ付着的に端部キャップ15に配置され、それにより当該グリップインサート22が往復運動部材20と直接的に接触することができる場合の一実施形態を示す。代替的に、磁石21は着脱自在に端部キャップ15に固定または入れられてもよい。また、代替的に、グリップインサート22は、部分的に端部キャップ15に入れられ、または、当該端部キャップ15と一体的であるか、あるいは、当該グリップインサート22を他のインサートと交換できるように着脱自在に端部キャップ15に取り付けられてもよい。例えば、グリップインサート22は、フックおよびループ型のコネクタ(不図示)を用いて端部キャップ15に取り付けることができ、または、ねじ山および溝(不図示)の協動により固定することができる。グリップインサート22は、シャフト12によって形成される前記経路内に合い且つ往復運動部材22と協動する限り任意の形状にすることができる。例えば、グリップインサートは、管状、球状、角状であってよく、その表面または面は、平面、凹面、または凸面とすることができる。端部キャップが無い場合、本発明の範囲を変更することなく任意選択的な機構を、グリップ15の第1のグリップ端15a内に、または直接的にシャフト12の第1の端部12c内に組み込むことができる。
【0015】
ヘッド16は、入手可能な任意の種類のゴルフクラブヘッドであってよい。例えば、それは、木材、鉄、チタニウム、スチール、その他の合金または混成材料から作ることができ、非中空または中空にすることができ、中心重み付けまたは周囲重み付けされ、キャビティバックまたはマッスルバックを有し、鍛造または鋳造され、および/または、大きく、小さく、またはオーバーサイズにすることができる。ヘッド16は、シャフト12の第2の端部12dに取り付けるものであり、またそれは前記シャフトと一直線または当該シャフトからオフセットするように取り付けることができる。ヘッド16は、
図5に示すように、任意選択的な溝(ラベルされていない)を有するフェース16aと、バック16bと、ソール16cと、ヒール16dと、トゥ16eと、リーディングエッジ16fと、トレーリングエッジ16gと、トップエッジ16hと、ホーゼル18とを有する。ホーゼル18は、
図1〜3に示すように、シャフト12の第2の端部12dと協動するように設計されている。ホーゼル18は、好ましくは、シャフト12の第2の端部12dと協動するサイズのソケットまたは穴を定義する。ホーゼル18によって定義されるソケットまたは穴の深さは、当技術分野で一般に理解されているように協動するシャフトの長さおよび種類に適した任意の深さにすることができる。ヘッド16は、当業者に一般に知られる任意の従来様式によって永久的または着脱自在にシャフト12の第2の端部12dに固定される。例えば、ヘッド16は、接着剤、およびヘッド16やシャフト14中の協動する穴を通じて配置された小さな金属ピンにより取り付けられてよく、それは前記シャフトに接着剤により付着され、または協動するねじ山および溝により固定されてよい。好ましくは、シャフト12の第2の端部12dは、ゴルフクラブを作る当業者に一般に理解されるように、ホーゼル18によって定義された前記穴に接着剤により永久的に配置される。
【0016】
任意選択的に、ヘッド16は、さらにヘッドインサート23を有してもよく、当該ヘッドインサート23はホーゼル18によって定義される前記穴内に配置される。ヘッドインサート23は、例えばグリップインサート22に関する上述したものなど可聴式インディケータとすることができ、または、
図4に示すように往復運動部材よりわずかに大きく且つシャフト12の第2の端部12dにおいて摩擦で嵌合するサイズのボールベアリングとすることができる。ヘッドインサート23はヘッド16に永久的または着脱自在に取り付けることができる。代替的に、任意選択的なヘッドインサート23が、シャフト12の第2の端部12d内に永久的または着脱自在に配置されてもよい。
【0017】
往復運動部材20は、スライド、回転、または、中空シャフトの一端と他端間におけるその他の移動を可能にする任意の種類の装置とすることができる。往復運動部材20は、シャフト12の内壁12aによって形成された前記経路内に緩合する任意のサイズおよび形状にすることができる。例えば、往復運動部材20は、ゴルフスイング中、シャフト12内でスライドするように管形状を有することができる。代替的に、それは、ゴルフスイング中、シャフト12内でスライドするように砂時計形状または楕円形状であってもよく、あるいはそれは、ゴルフスイング中、シャフト12内でスライドし且つ転がるように球状であってもよい。好ましくは、往復運動部材20は、シャフト12の内壁12aによって形成された前記経路の直径よりわずかに小さい直径の球状を有する。より好ましくは、往復運動部材20はボールベアリングである。任意選択的に、往復運動部材20はまた、磁気を帯びて、シャフト12の何れかの端部、グリップ14、端部キャップ15またはヘッド16に配置された1若しくは複数の磁石と協動することもできる。スイングトレーニング補助具10が着脱自在な端部キャップ15を有する場合、往復運動部材20は、異なる重さ、サイズおよび形状の複数の交換可能な往復運動部材の1つであってよく、それによりスイングトレーニング補助具10は容易にカスタマイズ可能である。
【0018】
スイングトレーニング補助具10内に組み込むことができる更なる機構としては、移動可能かつ着脱可能なインサートまたはストッパー30があり、それは、
図6に示すようにシャフト12によって形成された前記経路内に配置される。ストッパー30は、往復運動部材20がシャフト12によって形成された前記経路に沿って移動する距離を縮めるように調整されてよい。ストッパー30は、任意の長さであってよく、また、ゴルファーの特定のトレーニングニーズに応じて挿入または除去されてよい。例えば、ゴルファーにより短いまたはより長いバックスイングをさせるトレーニングのため適切なストッパーが挿入される。
図6は、この機構の一実施形態を示す。
【0019】
スイングトレーニング補助具10内に組み込むことができるその他の更なる機構としては、ゴルファーが前記トレーニング機構なしに前記クラブを使用したいと望む場合に、作動されて、往復運動部材20が前記経路内で平行移動するのを実質的に阻止する物理的機構またはロック装置がある。例えば、
図7に示すように1若しくはそれ以上のピン32が対向する穴に前記シャフトの前記経路を横切って挿入される。代替的に、前記スイング中、前記往復運動部材を保持するために強い磁石が挿入されてもよいし、または、トグルまたはボタン(不図示)を押すことにより蓋(flap)が上がるようにすることができる。
【0020】
本発明のスイングトレーニング補助具10を使用するために、ゴルファーは、ゴルフをする時に一般的に行なっているように、当該トレーニング補助具10のグリップ14を握り、適切な姿勢をとり、そして、クラブヘッド16の前記フェースをゴルフボールに対して位置調整する。続いて、スイングトレーニング補助具10がスイングバックされ、ゴルフボールから離れるように、ゴルファーは、手および腕を一緒に体から離れる方向に動かすテイクアウェイ運動を開始する。前記バックスイング中、ゴルファーは、往復運動部材20がシャフト20に沿って移動しシャフト端部12cまたはグリップインサート22を打つことにより受けるフィードバックを予測する。ゴルファーがトレーニング補助具10を適切なスイング面で維持していれば、ゴルファーがバックスイングの理想的なトップに到達した時、往復運動部材がシャフト端部12cまたはグリップインサート22を打つ。多くのゴルファーは、前記往復運動部材がシャフト端部12cまたはグリップインサート22を打つのを感じることができるであろう。また、好ましくは聞き取り可能な音も聞こえるであろう。前記バックスイングのトップで往復運動部材により与えられた前記合図を聞き、また感じると、ゴルファーは、スイングの準備が整い、従ってダウンスイングを開始する。ゴルファーは、前記クラブヘッドでボールを打ち、その後、最終の位置へスイングを続ける。スイングトレーニング補助具10がダウンスイングを通じて移動するので、往復運動部材はシャフト12の第1の端部12aでその位置から開放されてシャフト12の第2の端部12bへ移動するが、この場合、それは、ヘッドインサート23がもし存在すれば打つこととなる。前記バックスイングと同様に、多くのゴルファーは、適切にスイングしている場合、ボールとのインパクト時に往復運動部材20がシャフト12の第1の端部12aから第2の端部12bへ滑らかに移動するので、肯定的なフィードバックを感じるであろう。さらに、ゴルファーはまた、適切にスイングしている時、スイングトレーニング補助具10から前記肯定的なフィードバックを感じ且つ聞こえる可能性があるので、ボールを最適に打つことができ、また改善されたスイングについての肯定的な成果を理解することができるであろう。
【0021】
スイングトレーニング補助具10の使用は、ゴルフボールを打つことと関連して説明されているが、スイングトレーニング補助具は、また、ゴルフボール無しでも使用することができる。スイングの繰り返しの練習は、ゴルファーに、適切にクラブに負荷をかけ、また開放している時を教示する。特に、それは、ゴルファーのテンポが適切であり、また、ゴルファーが前記スイングのトップにおいて滑らかで力強い方向転換を達成したときに、当該ゴルファーに肯定的なフィードバックを提供する。さらに、スイングトレーニング補助具10からの肯定的なフィードバックは、ゴルファーに、多くのプロゴルファーにより利用されるようなスリークォーターバックスイングの利用、および短く力強いスイングの利益の実現を教えることができる。またさらに、スイングトレーニング補助具10からの肯定的なフィードバックを経験することを通じて、ゴルファーは、スイングスピードを上げ、トップのプロゴルファー間で見られるように体をより多く使い腕の位置を縮めることを学び、タイミングを向上させ、コントロールを向上させ、そして適切な負荷および開放のシーケンスを学ぶことができる。
【0022】
本発明の好適な実施形態と現在考えられるものを例示し説明してきたが、様々な変更や修正形態が可能であり、また、開示される本発明の真の範囲を逸脱することなく均等物がそれらの要素に代替することができ、しかしながら本発明は請求項の範囲内である限り全ての実施形態を含むものであることを、当業者であれば理解されるであろう。