(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一対の出力ノードの電圧は、前記一対の第1の入力トランジスタが前記差動入力信号に応じて動作するときに前記一対の変換用トランジスタを飽和領域で動作するように設定されること、を特徴とする請求項1に記載の受信回路。
前記差動入力信号の正相入力信号が制御端子に印加される前記一対の第1の入力トランジスタの一方の第1の入力トランジスタと前記一対の負荷トランジスタの一方の負荷トランジスタとが接続された出力ノードは、前記差動入力信号の逆相入力信号が制御端子に印加される前記一対の第2の入力トランジスタの一方の第2の入力トランジスタに並列接続された前記一対の変換用トランジスタの一方の変換用トランジスタの制御端子に接続され、
前記差動入力信号の逆相入力信号が制御端子に印加される前記一対の第1の入力トランジスタの他方の第1の入力トランジスタと前記一対の負荷トランジスタの他方の負荷トランジスタとが接続された出力ノードは、前記差動入力信号の正相入力信号が制御端子に印加される前記一対の第2の入力トランジスタの他方の第2の入力トランジスタに並列接続された前記一対の変換用トランジスタの他方の変換用トランジスタの制御端子に接続されること、
を特徴とする請求項1または2に記載の受信回路。
前記差動入力信号の正相入力信号が制御端子に印加される前記一対の第1の入力トランジスタの一方の第1の入力トランジスタと前記一対の負荷トランジスタの一方の負荷トランジスタとが接続された出力ノードは、前記差動入力信号の正相入力信号が制御端子に印加される前記一対の第2の入力トランジスタの一方の第2の入力トランジスタと前記ラッチ回路とが接続されたノードに接続され、
前記差動入力信号の逆相入力信号が制御端子に印加される前記一対の第1の入力トランジスタの他方の第1の入力トランジスタと前記一対の負荷トランジスタの他方の負荷トランジスタとが接続された出力ノードは、前記差動入力信号の逆相入力信号が制御端子に印加される前記一対の第2の入力トランジスタの他方の第2の入力トランジスタと前記ラッチ回路とが接続されたノードに接続されること、
を特徴とする請求項4または5に記載の受信回路。
前記一対の負荷トランジスタの制御端子に接続され、前記差動入力信号のコモンモード電圧に応じた制御電圧を前記一対の負荷トランジスタの制御端子に供給する検出回路を有すること、
を特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の受信回路。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態を説明する。
図2に示すように、2つの電子装置10,100は、互いに通信可能に接続されている。電子装置10は、たとえばメモリカードであり、電子装置100は、たとえばデジタルスチルカメラである。電子装置100は送信回路101を含み、電子装置10に差動信号DLIP,DLINを出力する。電子装置10は、受信回路11を含む。受信回路11は、差動信号DLIP,DLINに応じて相補出力信号QOP,QONを出力する。
【0014】
図1に示すように、受信回路11は、第1増幅回路12と第2増幅回路13を有している。
第1増幅回路12は、差動入力信号DLIP,DLINを受ける一対の入力トランジスタTP11,TP12を有している。本実施形態の入力トランジスタTP11,TP12は、たとえばPチャネルMOSトランジスタである。入力信号DLIPは入力トランジスタTP11のゲート端子(制御端子)に印加され、入力信号DLINは入力トランジスタTP12のゲート端子(制御端子)に印加される。
【0015】
入力トランジスタTP11,TP12のソース端子(第1端子)は互いに接続され、その接続点(ノードN10)はPチャネルMOSトランジスタTP13のドレイン端子に接続されている。トランジスタTP13のソース端子は高電位電圧VDDが供給される配線(以下、配線VDD)に接続されている。トランジスタTP13のゲート端子は低電位電圧VSS(たとえば、グランドレベル(=0V))の配線(以下、配線VSS)に接続されている。
【0016】
入力トランジスタTP11,TP12のドレイン端子(第2端子)は抵抗R11,R12を介してNチャネルMOSトランジスタTN11,TN12に接続されている。詳述すると、入力トランジスタTP11のドレイン端子は抵抗R11の第1端子に接続され、抵抗R11の第2端子はトランジスタTN11のドレイン端子に接続されている。トランジスタTN11のソース端子は配線VSSに接続されている。入力トランジスタTP12のドレイン端子は抵抗R12の第1端子に接続され、抵抗R12の第2端子はトランジスタTN12のドレイン端子に接続されている。トランジスタTN12のソース端子は配線VSSに接続されている。トランジスタTN11,TN12のゲート端子には、制御信号XPDが供給される。
【0017】
トランジスタTN11,TN12は、Lレベル(低電位電圧VSSレベル)の制御信号XPDに応答してオフし、Hレベル(たとえば高電位電圧VDDレベル)の制御信号XPDに応答してオンする。制御信号XPDは、たとえば、
図1に示す電子装置10の動作電圧(たとえば、高電位電圧VDD)を所定の電圧より低下または停止する制御信号(パワーダウン信号)のレベルを論理反転したレベルの信号である。たとえば、電子装置10が動作するとき、Hレベルの制御信号XPDがトランジスタTN11,TN12に供給される。
【0018】
入力トランジスタTP11のドレイン端子と抵抗R11の間のノードN11と、入力トランジスタTP12のドレイン端子と抵抗R12の間のノードN12は第2増幅回路13に接続されている。この第1増幅回路12は、差動入力信号DLIP,DLINの電位差に応じた電圧をノードN11、N12に発生する。そして、第1増幅回路12は、これらのノードN11,N12の電圧の差動出力信号S1P,S1Nを出力する。
【0019】
第2増幅回路13は、差動入力信号DLIP,DLINを受ける一対の入力トランジスタTN21,TN22を有している。これらの入力トランジスタTN21,TN22は、上記の第1増幅回路12の入力トランジスタTP11,TP12と異なる導電型のMOSトランジスタであり、たとえばNチャネルMOSトランジスタである。
【0020】
入力トランジスタTN21,TN22のソース端子(第1端子)は互いに接続され、その接続点(ノードN20)はNチャネルMOSトランジスタTN23のドレイン端子に接続されている。トランジスタTN23のソース端子は配線VSSに接続され、トランジスタTN23のゲート端子にはクロック信号CKが供給される。トランジスタTN23は、クロック信号CKに応答して間欠的にオンオフする。
【0021】
入力トランジスタTN21,TN22のドレイン端子はラッチ回路14に接続されている。
ラッチ回路14はインバータ回路15,16を含む。インバータ回路15は、PチャネルMOSトランジスタTP21とNチャネルMOSトランジスタTN24を含む。トランジスタTP21のソース端子は配線VDDに接続され、トランジスタTP21のドレイン端子はトランジスタTN24のドレイン端子に接続され、トランジスタTN24のソース端子は入力トランジスタTN21のドレイン端子に接続されている。したがって、インバータ回路15は、入力トランジスタTN21のドレイン端子と配線VDDの間に接続されている。
【0022】
同様に、インバータ回路16は、PチャネルMOSトランジスタTP22とNチャネルMOSトランジスタTN25を含む。トランジスタTP22のソース端子は配線VDDに接続され、トランジスタTP22のドレイン端子はトランジスタTN25のドレイン端子に接続され、トランジスタTN25のソース端子は入力トランジスタTN22のドレイン端子に接続されている。したがって、インバータ回路16は、入力トランジスタTN22のドレイン端子と配線VDDの間に接続されている。
【0023】
トランジスタTP21のドレイン端子とトランジスタTN24のドレイン端子の間のノードN23はインバータ回路15の出力端子であり、このノードN23はインバータ回路16の入力端子であるトランジスタTP22のゲート端子及びトランジスタTN25のゲート端子に接続されている。同様に、トランジスタTP22のドレイン端子とトランジスタTN25のドレイン端子の間のノードN24はインバータ回路16の出力端子であり、このノードN24はインバータ回路15の入力端子であるトランジスタTP21のゲート端子及びトランジスタTN24のゲート端子に接続されている。
【0024】
インバータ回路15の出力端子(ノードN23)にはPチャネルMOSトランジスタTP23のドレイン端子が接続され、トランジスタTP23のソース端子は配線VDDに接続されている。トランジスタTP23のゲート端子にはクロック信号CKが供給される。同様に、インバータ回路16の出力端子(ノードN24)にはPチャネルMOSトランジスタTP24のドレイン端子が接続され、トランジスタTP24のソース端子は配線VDDに接続されている。トランジスタTP24のゲート端子にはクロック信号CKが供給される。インバータ回路15,16の入力端子の間にはPチャネルMOSトランジスタTP25が接続され、そのトランジスタTP25のゲート端子にはクロック信号CKが供給される。トランジスタTP23,TP24,TP25は、クロック信号CKに基づいて、上記のトランジスタTN23に対して相補的にオンオフする。
【0025】
上記の入力トランジスタTN21にはNチャネルMOSトランジスタTN26が並列に接続されている。トランジスタTN26のソース端子は入力トランジスタTN21のソース端子に接続され、トランジスタTN26のドレイン端子は入力トランジスタTN21のドレイン端子とラッチ回路14(インバータ回路15)の間のノードN21に接続されている。トランジスタTN26のゲート端子は、第1増幅回路12のノードN12に接続され、出力信号S1Pが供給される。
【0026】
同様に、上記の入力トランジスタTN22にはNチャネルMOSトランジスタTN27が並列に接続されている。トランジスタTN27のソース端子は入力トランジスタTN22のソース端子(ノードN20)に接続され、トランジスタTN27のドレイン端子は入力トランジスタTN22のドレイン端子とラッチ回路14(インバータ回路16)の間のノードN22に接続されている。トランジスタTN27のゲート端子は、第1増幅回路12のノードN11に接続され、出力信号S1Nが供給される。
【0027】
そして、第2増幅回路13は、ノードN23,N24から相補出力信号QOP,QONを出力する。
次に、比較例を説明する。
【0028】
図3に示すように、2つの電子装置200,210は、互いに通信可能に接続されている。電子装置210は送信回路211を含み、電子装置200に差動信号DLIP,DLINを出力する。電子装置200は、たとえば
図10(a)に示す受信回路201を含む。受信回路201は、差動信号DLIP,DLINに応じて相補出力信号QOP,QONを出力する。
【0029】
電子装置200の受信回路201と、電子装置210の送信回路211は、キャパシタC201,C202を介して接続されている。キャパシタC201,C202は、差動信号DLIP,DLINの交流成分(AC成分)を通過させ、直流成分(DC成分)を除去する。つまり、受信回路201は、送信回路211にAC結合されている。受信回路201の2つの入力端子間には抵抗R201,R202が直列に接続され、抵抗R201と抵抗R202の間のノードにはバイアス電圧Vbが供給される。バイアス電圧Vbにより、受信回路201のコモンモード電圧を設定する。このような通信方法(接続方法)の電子装置200は、キャパシタC201,C202、抵抗R201,R201、バイアス電圧Vbを生成する回路を必要とする。キャパシタC201,C202等は、電子装置200の大きさを大きくする。
【0030】
また、上記の接続方法では、AC結合により「0」と「1」の間の適切なデータ遷移を行う必要がある。このため、電子装置200,210は、たとえば8B10B等の符号化/復号化やスクランブラ/デスクランブラ等の処理を行う回路を含む。これらの回路による処理時間や転送データの増加は、電子装置200,210間の実効的な転送レートを低下させる。
【0031】
本実施形態の受信回路11の作用を説明する。
第2増幅回路13のトランジスタTN24は、クロック信号CKに応答してオンオフする。第2増幅回路13のトランジスタTP23〜TP25は、クロック信号CKに応答して、トランジスタTN23に対して相補的にオンオフする。
【0032】
クロック信号CKがLレベルのとき、トランジスタTN23はオフし、トランジスタTP23〜TP25はオンする。オンしたトランジスタTP23〜TP25は、トランジスタTP21,TP22,TN24,TN25のゲート端子をHレベルにし、トランジスタTN24,TN25がオンする。オンしたトランジスタTP23,TN24はノードN21をHレベル(高電位電圧VDDレベル)にリセットする。同様に、オンしたトランジスタTP24,TN25は、ノードN22をHレベルにリセットする。
【0033】
クロック信号CKがHレベルのとき、受信回路11は、差動入力信号DLIP,DLINに応じて動作する。差動入力信号DLIP,DLINの中間電圧(コモンモード電圧)をVcmとする。
【0034】
1.コモンモード電圧Vcmが十分に高く、第1増幅回路12の入力トランジスタTP11,TP12がオフするとき。
このとき、第2増幅回路13のみが動作し、差動入力信号DLIP,DLINの電位差に応じて動作する。
【0035】
入力信号DLINが入力信号DLIPより高い(DLIN>DLIP)のとき、トランジスタTN22がオンし、ノードN22の電位を上記のリセット電位から低下させる。すると、ノードN24の電位が低下する。これにより、トランジスタTN24がオフし、ノードN23をHレベル(高電位電圧VDDレベル)とする。ラッチ回路14は、このレベルを保持する。
【0036】
入力信号DLINが入力信号DLIPより低い(DLIN<DLIP)のとき、トランジスタTN21がオンし、ノードN21の電位を上記のリセット電位から低下させる。すると、ノードN23の電位が低下する。これにより、トランジスタTN25がオフし、ノードN24をHレベル(高電位電圧VDDレベル)とする。ラッチ回路14は、このレベルを保持する。
【0037】
したがって、第2増幅回路13は、差動入力信号DLIP,DLINの大小に応じて、ノードN21,N22の電位を変化させ、ノードN23またはノードN24をHレベルとする。このように、受信回路11は、差動入力信号DLIP,DLINの大小を比較し、比較結果に応じたレベルを保持(ラッチ)する。
【0038】
2.コモンモード電圧Vcmが十分に低く、第2増幅回路23の入力トランジスタTN21,TN22がオフするとき。
入力信号DLINが入力信号DLIPより高い(DLIN>DLIP)のとき、第1増幅回路12において、トランジスタTP11がオンし、トランジスタTP12がオフする。これにより、ノードN11の電位がノードN12の電位よりも高くなる。すると、第2増幅回路13において、トランジスタTN27を流れる電流が、トランジスタTN26を流れる電流より多くなり、ノードN22の電位が低下する。すると、ノードN24の電位が低下する。これにより、トランジスタTN24がオフし、ノードN23をHレベル(高電位電圧VDDレベル)とする。ラッチ回路14は、このレベルを保持する。
【0039】
入力信号DLINが入力信号DLIPより低い(DLIN<DLIP)のとき、第1増幅回路12において、トランジスタTP12がオンし、トランジスタTP11がオフする。これにより、ノードN12の電位がノードN11の電位よりも高くなる。すると、第2増幅回路13において、トランジスタTN27を流れる電流が、トランジスタTN26を流れる電流より多くなり、ノードN21の電位が低下する。すると、ノードN23の電位が低下する。これにより、トランジスタTN25がオフし、ノードN24をHレベル(高電位電圧VDDレベル)とする。ラッチ回路14は、このレベルを保持する。
【0040】
したがって、第1増幅回路12は、差動入力信号DLIP,DLINの大小に応じて、第2増幅回路13のノードN21,N22の電位を変化させ、ノードN23またはノードN24をHレベルとする。このように、受信回路11は、差動入力信号DLIP,DLINの大小を比較し、比較結果に応じたレベルを保持(ラッチ)する。
【0041】
3.コモンモード電圧Vcmが中間レベルのとき。
入力信号DLINが入力信号DLIPより高い(DLIN>DLIP)のとき、第1増幅回路12において、トランジスタTP11がオンし、トランジスタTP12がオフする。そして、第2増幅回路13において、トランジスタTN22がオンし、トランジスタTN21がオフする。これにより、ノードN22の電位がリセット電位から低下する。すると、ノードN24の電位が低下する。これにより、トランジスタTN24がオフし、ノードN23をHレベル(高電位電圧VDDレベル)とする。ラッチ回路14は、このレベルを保持する。
【0042】
入力信号DLINが入力信号DLIPより低い(DLIN<DLIP)のとき、第1増幅回路12において、トランジスタTP12がオンし、トランジスタTP11がオフする。そして、第2増幅回路13において、トランジスタTN21がオンし、トランジスタTN22がオフする。これにより、ノードN21の電位がリセット電位から低下する。すると、ノードN23の電位が低下する。これにより、トランジスタTN25がオフし、ノードN24をHレベル(高電位電圧VDDレベル)とする。ラッチ回路14は、このレベルを保持する。
【0043】
したがって、第1増幅回路12と第2増幅回路13は、差動入力信号DLIP,DLINの大小に応じて、ノードN21,N22の電位を変化させ、ノードN23またはノードN24をHレベルとする。このように、受信回路11は、差動入力信号DLIP,DLINの大小を比較し、比較結果に応じたレベルを保持(ラッチ)する。
【0044】
なお、第1増幅回路12において、ノードN11,N12の電圧は、第2増幅回路13のトランジスタTN26,TN27のゲート−ソース間電圧Vgsを設定する。このゲート−ソース間電圧Vgsは、トランジスタTN26,TN27のしきい値電圧Vthnよりも小さく設定される。これにより、上記の(1.コモンモード電圧Vcmが十分に高い)ときに、トランジスタTN26,TN27をオフする。また、トランジスタTN26,TN27において、ゲート−ソース間電圧Vgsをしきい値電圧Vthnより大きく(Vgs>Vthn)、ソース−ドレイン間電圧Vdsをゲート−ソース間電圧Vgsとしきい値電圧Vthnの差よりも大きく(Vds>Vgs−Vthn)設定する。これにより、トランジスタTN26,TN27は、上記の(2.コモンモード電圧Vcmが十分に低い)とき、または(3.コモンモード電圧Vcmが中間レベル)のときに、飽和領域にて動作する。このような設定により、相補出力信号QOP,QONにおけるジッタが低減される。
【0045】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1−1)受信回路11の第1増幅回路12は、差動入力信号DLIP,DLINをゲート端子に受ける一対の入力トランジスタTP11,TP12を有している。入力トランジスタTP11,TP12のドレイン端子は、抵抗R11,R12、トランジスタTN11,TN12を介して低電位電圧VSSの配線に接続されている。受信回路11の第2増幅回路13は、差動入力信号DLIP,DLINをゲート端子における一対の入力トランジスタTN21,TN22を有している。入力トランジスタTN21,TN22のドレイン端子と高電位電圧VDDの配線(配線VDD)の間にはラッチ回路14が接続されている。また、入力トランジスタTN21,TN22には並列にトランジスタTN26,TN27が接続されている。トランジスタTN26,TN27のゲート端子は、第1増幅回路12の入力トランジスタTP11,TP12と抵抗R11,R12の間の出力ノードN11,N12に接続され、差動出力信号S1P,S1Nが印加される。トランジスタTN26,TN27は、差動出力信号S1P.S1Nの電圧に応じた電流を流す。
【0046】
差動入力信号DLIP,DLINが十分に高いとき、第1増幅回路12の入力トランジスタTP11,TP12がオフする。受信回路11は、第2増幅回路13の入力トランジスタTN21,TN22により差動入力信号DLIP,DLINを比較した結果をラッチ回路14にてラッチし、相補出力信号QOP,QONを出力する。差動入力信号DLIP,DLINが中間レベルのとき、第1増幅回路12の入力トランジスタTP11,TP12と、第2増幅回路13の入力トランジスタTN21,TN22とにより差動入力信号DLIP,DLINを比較した結果をラッチ回路14にてラッチし、相補出力信号QOP,QONを出力する。差動入力信号DLIP,DLINが低いとき、第2増幅回路13の入力トランジスタTN21,TN22がオフする。受信回路11は、第1増幅回路12の入力トランジスタTP11,TP12により差動入力信号DLIP,DLINを比較した結果をラッチ回路14にてラッチし、相補出力信号QOP,QONを出力する。
【0047】
したがって、この受信回路11は、入力可能な差動入力信号DLIP,DLINのコモンモード電圧Vcmの範囲が広い。このため、受信回路11を、差動信号のコモンモード電圧の範囲が、たとえば50mV〜400mVと広く設定された規格の通信に適用することができる。
【0048】
(1−2)受信回路11は、入力可能な差動入力信号DLIP,DLINのコモンモード電圧Vcmの範囲が広い。したがって、この受信回路11は、従来例にて示した前段のオペアンプを必要としないため、消費電力を低減することができる。
【0049】
(1−3)受信回路11は、入力可能な差動入力信号DLIP,DLINのコモンモード電圧Vcmの範囲が広い。したがって、AC結合のためのキャパシタや、コモンモード電圧を設定するための抵抗、バイアス電圧を設定するための回路、が不要である。このため、受信回路11を含む電子装置10の大きさを低減することができる。
【0050】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態を説明する。
図4に示すように、受信回路21は、第1増幅回路22と第2増幅回路23を有している。
【0051】
第1増幅回路22は、差動入力信号DLIP,DLINを受ける一対の入力トランジスタTP31,TP32を有している。本実施形態の入力トランジスタTP31,TP32は、たとえばPチャネルMOSトランジスタである。入力信号DLIPは入力トランジスタTP31のゲート端子(制御端子)に印加され、入力信号DLINは入力トランジスタTP32のゲート端子(制御端子)に印加される。
【0052】
入力トランジスタTP31,TP32のソース端子(第1端子)は互いに接続され、その接続点(ノードN30)はPチャネルMOSトランジスタTP33のドレイン端子に接続されている。トランジスタTP33のソース端子は高電位電圧VDDが供給される配線(配線VDD)に接続されている。トランジスタTP33のゲート端子には反転クロック信号XCKが供給される。反転クロック信号XCKは、後述するクロック信号CKを論理反転した信号である。
【0053】
入力トランジスタTP31,TP32のドレイン端子(第2端子)はNチャネルMOSトランジスタTN31,TN32に接続されている。入力トランジスタTP31のドレイン端子はトランジスタTN31のドレイン端子に接続されている。トランジスタTN31のソース端子は低電位電圧VSSが供給される配線(配線VSS)に接続されている。トランジスタTN31のゲート端子及びドレイン端子は互いに接続されている。同様に、入力トランジスタTP32のドレイン端子はトランジスタTN32のドレイン端子に接続されている。トランジスタTN32のソース端子は配線VSSに接続されている。トランジスタTN32のゲート端子及びドレイン端子は互いに接続されている。入力トランジスタTP31のドレイン端子とトランジスタTN31のドレイン端子の間のノードN31と、入力トランジスタTP32のドレイン端子とトランジスタTN32のドレイン端子の間のノードN32は第2増幅回路23に接続されている。
【0054】
第2増幅回路23は、差動入力信号DLIP,DLINを受ける一対の入力トランジスタTN41,TN42を有している。これらの入力トランジスタTN41,TN42は、上記の第1増幅回路22の入力トランジスタTP31,TP32と異なる導電型のMOSトランジスタであり、たとえばNチャネルMOSトランジスタである。
【0055】
入力トランジスタTN41,TN42のソース端子(第1端子)は互いに接続され、その接続点(ノードN40)はNチャネルMOSトランジスタTN43のドレイン端子に接続されている。トランジスタTN43のソース端子は配線VSSに接続され、トランジスタTN43のゲート端子にはクロック信号CKが供給される。トランジスタTN43は、クロック信号CKに応答して間欠的にオンオフする。
【0056】
入力トランジスタTN41,TN42のドレイン端子はラッチ回路24に接続されている。
ラッチ回路24はインバータ回路25,26を含む。インバータ回路25は、PチャネルMOSトランジスタTP41とNチャネルMOSトランジスタTN44を含む。トランジスタTP41のソース端子は配線VDDに接続され、トランジスタTP41のドレイン端子はトランジスタTN44のドレイン端子に接続され、トランジスタTN44のソース端子は入力トランジスタTN41のドレイン端子に接続されている。したがって、インバータ回路25は、入力トランジスタTN41のドレイン端子と配線VDDの間に接続されている。同様に、インバータ回路26は、PチャネルMOSトランジスタTP42とNチャネルMOSトランジスタTN45を含む。トランジスタTP42のソース端子は配線VDDに接続され、トランジスタTP42のドレイン端子はトランジスタTN45のドレイン端子に接続され、トランジスタTN45のソース端子は入力トランジスタTN42のドレイン端子に接続されている。したがって、インバータ回路26は、入力トランジスタTN42のドレイン端子と配線VDDの間に接続されている。
【0057】
トランジスタTP41のドレイン端子とトランジスタTN44のドレイン端子の間のノードN43はインバータ回路25の出力端子であり、このノードN43はインバータ回路26の入力端子であるトランジスタTP42のゲート端子及びトランジスタTN45のゲート端子に接続されている。同様に、トランジスタTP42のドレイン端子とトランジスタTN45のドレイン端子の間のノードN44はインバータ回路26の出力端子であり、このノードN44はインバータ回路25の入力端子であるトランジスタTP41のゲート端子及びトランジスタTN44のゲート端子に接続されている。
【0058】
インバータ回路25の出力端子(ノードN43)にはPチャネルMOSトランジスタTP43のドレイン端子が接続され、トランジスタTP43のソース端子は配線VDDに接続されている。トランジスタTP43のゲート端子にはクロック信号CKが供給される。同様に、インバータ回路26の出力端子(ノードN44)にはPチャネルMOSトランジスタTP44のドレイン端子が接続され、トランジスタTP44のソース端子は配線VDDに接続されている。トランジスタTP44のゲート端子にはクロック信号CKが供給される。インバータ回路25,26の入力端子の間にはPチャネルMOSトランジスタTP45が接続され、そのトランジスタTP45のゲート端子にはクロック信号CKが供給される。トランジスタTP43,TP44,TP45は、クロック信号CKに基づいて、上記のトランジスタTN43に対して相補的にオンオフする。
【0059】
上記の入力トランジスタTN41のソース端子とラッチ回路24(インバータ回路25)の間のノードN41は、第1増幅回路22のノードN31に接続されている。同様に、入力トランジスタTN42のソース端子とラッチ回路24(インバータ回路26)の間のノードN42は、第1増幅回路22のノードN32に接続されている。
【0060】
そして、第2増幅回路23は、ノードN43,N44から相補出力信号QOP,QONを出力する。
本実施形態の受信回路21の作用を説明する。
【0061】
第1増幅回路22のトランジスタTP33は、反転クロック信号XCKに応答してオンオフする。第2増幅回路23のトランジスタTN43は、クロック信号CKに応答してオンオフする。第2増幅回路23のトランジスタTP43〜TP45は、クロック信号CKに応答して、トランジスタTN43に対して相補的にオンオフする。
【0062】
クロック信号CKがLレベル(反転クロック信号XCKはHレベル)のとき、トランジスタTP33,TN43はオフし、トランジスタTP43〜TP45はオンする。オンしたトランジスタTP43〜TP45は、トランジスタTP41,TP42,TN44,TN45のゲート端子をHレベルにし、トランジスタTN44,TN45がオンする。
【0063】
すると、オンしたトランジスタTP43,TN44を介して、第1増幅回路22のトランジスタTN31に電流が流れる。この電流により、第2増幅回路23のノードN41の電位が、トランジスタTN31のしきい値電圧Vthnと有効ゲート電圧Veffに応じた電圧(=Vthn+Veff)にリセットする。同様に、オンしたトランジスタTP44,TN45を介して、第1増幅回路22のトランジスタTN32に電流が流れ、第2増幅回路23のノードN41の電位を(Vthn+Veff)にリセットする。
【0064】
クロック信号CKがHレベル(反転クロック信号XCKはLレベル)のとき、受信回路21は、差動入力信号DLIP,DLINに応じて動作する。差動入力信号DLIP,DLINの中間電圧(コモンモード電圧)をVcmとする。
【0065】
1.コモンモード電圧Vcmが十分に高く、第1増幅回路22の入力トランジスタTP31,TP32がオフするとき。
このとき、第2増幅回路23のみが動作し、差動入力信号DLIP,DLINの電位差に応じて動作する。
【0066】
入力信号DLINが入力信号DLIPより高い(DLIN>DLIP)のとき、トランジスタTN42がオンし、ノードN42の電位を上記のリセット電位から低下させる。すると、ノードN44の電位が低下する。これにより、トランジスタTN44がオフし、ノードN43をHレベル(高電位電圧VDDレベル)とする。ラッチ回路24は、このレベルを保持する。
【0067】
入力信号DLINが入力信号DLIPより低い(DLIN<DLIP)のとき、トランジスタTN41がオンし、ノードN41の電位を上記のリセット電位から低下させる。すると、ノードN43の電位が低下する。これにより、トランジスタTN45がオフし、ノードN44をHレベル(高電位電圧VDDレベル)とする。ラッチ回路24は、このレベルを保持する。
【0068】
したがって、第2増幅回路23は、差動入力信号DLIP,DLINの大小に応じて、ノードN41,N42の電位を変化させ、ノードN43,N44をHレベルとする。このように、受信回路21は、差動入力信号DLIP,DLINの大小を比較し、比較結果に応じたレベルを保持(ラッチ)する。
【0069】
2.コモンモード電圧Vcmが十分に低く、第2増幅回路23の入力トランジスタTN41,TN42がオフするとき。
入力信号DLINが入力信号DLIPより高い(DLIN>DLIP)のとき、第1増幅回路22において、トランジスタTP31がオンし、トランジスタTP32がオフする。これにより、ノードN32の電位が低くなり、第2増幅回路23のノードN42から、第1増幅回路22のトランジスタTN32を介して電流が流れ、ノードN42の電位が低下する。すると、ノードN44の電位が低下する。これにより、トランジスタTN44がオフし、ノードN43をHレベル(高電位電圧VDDレベル)とする。ラッチ回路24は、このレベルを保持する。
【0070】
入力信号DLINが入力信号DLIPより低い(DLIN<DLIP)のとき、第1増幅回路22において、トランジスタTP32がオンし、トランジスタTP31がオフする。これにより、ノードN31の電位が低くなり、第2増幅回路23のノードN41から、第1増幅回路22のトランジスタTN31を介して電流が流れ、ノードN41の電位が低下する。すると、ノードN43の電位が低下する。これにより、トランジスタTN45がオフし、ノードN44をHレベル(高電位電圧VDDレベル)とする。ラッチ回路24は、このレベルを保持する。
【0071】
したがって、第1増幅回路22は、差動入力信号DLIP,DLINの大小に応じて、第2増幅回路23のノードN41,N42の電位を変化させ、ノードN43,N44をHレベルとする。このように、受信回路21は、差動入力信号DLIP,DLINの大小を比較し、比較結果に応じたレベルを保持(ラッチ)する。
【0072】
3.コモンモード電圧Vcmが中間レベルのとき。
入力信号DLINが入力信号DLIPより高い(DLIN>DLIP)のとき、第1増幅回路22において、トランジスタTP31がオンし、トランジスタTP32がオフする。そして、第2増幅回路23において、トランジスタTN42がオンし、トランジスタTN41がオフする。これにより、ノードN42の電位がリセット電位から低下する。すると、ノードN44の電位が低下する。これにより、トランジスタTN44がオフし、ノードN43をHレベル(高電位電圧VDDレベル)とする。ラッチ回路24は、このレベルを保持する。
【0073】
入力信号DLINが入力信号DLIPより低い(DLIN<DLIP)のとき、第1増幅回路22において、トランジスタTP32がオンし、トランジスタTP31がオフする。そして、第2増幅回路23において、トランジスタTN41がオンし、トランジスタTN42がオフする。これにより、ノードN41の電位がリセット電位から低下する。すると、ノードN43の電位が低下する。これにより、トランジスタTN45がオフし、ノードN44をHレベル(高電位電圧VDDレベル)とする。ラッチ回路24は、このレベルを保持する。
【0074】
したがって、第1増幅回路22と第2増幅回路23は、差動入力信号DLIP,DLINの大小に応じて、ノードN41,N42の電位を変化させ、ノードN43,N44をHレベルとする。このように、受信回路21は、差動入力信号DLIP,DLINの大小を比較し、比較結果に応じたレベルを保持(ラッチ)する。
【0075】
なお、Lレベルのクロック信号CKに基づいて第2増幅回路23のラッチ回路24をリセットするとき、配線VDDからトランジスタTP43,TN43,TN31を介して配線VSSに向かって電流が流れる。この電流により、ラッチ回路24と入力トランジスタTN41,TN42の間のノードN41,N42を所定電位(=Vthn+Veff)にリセットする。このため、第1増幅回路22のトランジスタTN31,TN32のしきい値電圧を、第2増幅回路23のトランジスタ(たとえば、入力トランジスタTN41,TN42)のしきい値電圧より低く設定する。つまり、トランジスタTN31,TN32を低しきい値(Low−Vth)トランジスタとすることにより、高電位電圧VDDを低くすることが可能となる。つまり、低い高電位電圧VDDにて動作可能となる。
【0076】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(2−1)第1実施形態の(1−1)〜(1−3)と同様の効果を得ることができる。
(2−2)第1増幅回路22のトランジスタTN31,TN32を低しきい値(Low−Vth)トランジスタとすることにより、低い高電位電圧VDDにて動作可能とすることができる。
【0077】
(第2実施形態の変形例)
上記第2実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。各変形例において、上記第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0078】
図5に示す受信回路31は、第1増幅回路32と第2増幅回路33とを有している。第1増幅回路32は、上記の第1増幅回路22と同様に、トランジスタTP31〜TP33,TN31,TN32を有している。各端子における接続は、上記の第1増幅回路22と同様である。第2増幅回路33は、上記の第2増幅回路23と同様に、トランジスタTP41〜TP45,TN41〜TN45を有している。そして、第2増幅回路33は、上記の第2増幅回路23と同様に、ラッチ回路34(インバータ回路35,36)を含む。そして、この増幅回路33において、トランジスタTN43のゲート端子には制御信号XPDが印加される。
【0079】
図6に示す受信回路41は、第1増幅回路42と第2増幅回路43とを有している。第1増幅回路42は、上記の増幅回路22と同様に、差動入力信号DLIP,DLINを受ける一対の入力トランジスタTP31,TP32と、反転クロック信号XCKがゲート端子に供給されるトランジスタTP33を有している。入力トランジスタTP31,TP32のドレイン端子(第2端子)はNチャネルMOSトランジスタTN31,TN32に接続されている。入力トランジスタTP31のドレイン端子はトランジスタTN31のドレイン端子に接続されている。トランジスタTN31のソース端子は低電位電圧VSSが供給される配線(配線VSS)に接続されている。同様に、入力トランジスタTP32のドレイン端子はトランジスタTN32のドレイン端子に接続されている。トランジスタTN32のソース端子は配線VSSに接続されている。
【0080】
ノードN31とノードN32の間には、直列接続の抵抗R31,R32が接続されている。抵抗R31と抵抗R32の間のノードN33は、トランジスタTN31,TN32のゲート端子に接続されている。これらの抵抗R31,R32は、差動入力信号DLIP,DLINによって生じるノードN31の電位とノードN32の電位の中間の電位を、ノードN33に発生する。
【0081】
第2増幅回路43は、上記の第2増幅回路23と同様に、トランジスタTP41〜TP45,TN41〜TN45を有している。各端子における接続は、上記の第2増幅回路23と同様である。したがって、この第2増幅回路43は、上記の第2増幅回路23と同様に、ラッチ回路44(インバータ回路45,46)を含む。
【0082】
図7に示す受信回路51は、第1増幅回路52と第2増幅回路53とを有している。第1増幅回路52は、上記の第1増幅回路42と同様に、トランジスタTP31〜TP33,TN31,TN32を有している。各端子における接続は、上記の第1増幅回路42と同様である。第2増幅回路53は、上記の第2増幅回路33と同様に、トランジスタTP41〜TP45,TN41〜TN45を有し、トランジスタTN43のゲート端子には制御信号XPDが印加される。そして、第2増幅回路53は、上記の第2増幅回路33と同様に、ラッチ回路54(インバータ回路55,56)を含む。
【0083】
(第3実施形態)
以下、第3実施形態を説明する。
図8に示すように、受信回路61は、第1増幅回路62、第2増幅回路63、コモンモード検出回路64を有している。
【0084】
第1増幅回路62は、差動入力信号DLIP,DLINを受ける一対の入力トランジスタTP51,TP52を有している。本実施形態の入力トランジスタTP51,TP52は、たとえばPチャネルMOSトランジスタである。入力信号DLIPは入力トランジスタTP51のゲート端子(制御端子)に印加され、入力信号DLINは入力トランジスタTP52のゲート端子(制御端子)に印加される。
【0085】
入力トランジスタTP51,TP52のソース端子(第1端子)は互いに接続され、その接続点(ノードN50)はPチャネルMOSトランジスタTP53のドレイン端子に接続されている。トランジスタTP53のソース端子は高電位電圧VDDが供給される配線(配線VDD)に接続されている。トランジスタTP53のゲート端子には反転クロック信号XCKが供給される。
【0086】
入力トランジスタTP51,TP52のドレイン端子(第2端子)はNチャネルMOSトランジスタTN51,TN52に接続されている。入力トランジスタTP51のドレイン端子はトランジスタTN51のドレイン端子に接続されている。トランジスタTN51のソース端子は低電位電圧VSSが供給される配線(配線VSS)に接続されている。同様に、入力トランジスタTP52のドレイン端子はトランジスタTN52のドレイン端子に接続されている。トランジスタTN52のソース端子は配線VSSに接続されている。トランジスタTN51のゲート端子とトランジスタTN52のゲート端子は互いに接続され、その接続点(ノードN53)にはコモンモード検出回路64から検出電圧VCDが供給される。
【0087】
入力トランジスタTP51のドレイン端子とトランジスタTN51のドレイン端子の間のノードN51と、入力トランジスタTP52のドレイン端子とトランジスタTN52のドレイン端子の間のノードN52は第2増幅回路63に接続されている。
【0088】
第2増幅回路63は、差動入力信号DLIP,DLINを受ける一対の入力トランジスタTN61,TN62を有している。これらの入力トランジスタTN61,TN62は、上記の第1増幅回路62の入力トランジスタTP51,TP52と異なる導電型のMOSトランジスタであり、たとえばNチャネルMOSトランジスタである。
【0089】
入力トランジスタTN61,TN62のソース端子(第1端子)は互いに接続され、その接続点(ノードN60)はNチャネルMOSトランジスタTN63のドレイン端子に接続されている。トランジスタTN63のソース端子は配線VSSに接続され、トランジスタTN63のゲート端子にはクロック信号CKが供給される。トランジスタTN63は、クロック信号CKに応答して間欠的にオンオフする。
【0090】
入力トランジスタTN61,TN62のドレイン端子はラッチ回路65に接続されている。
ラッチ回路65はインバータ回路66,67を含む。インバータ回路66は、PチャネルMOSトランジスタTP61とNチャネルMOSトランジスタTN64を含む。トランジスタTP61のソース端子は配線VDDに接続され、トランジスタTP61のドレイン端子はトランジスタTN64のドレイン端子に接続され、トランジスタTN64のソース端子は入力トランジスタTN61のドレイン端子に接続されている。したがって、インバータ回路66は、入力トランジスタTN61のドレイン端子と配線VDDの間に接続されている。同様に、インバータ回路67は、PチャネルMOSトランジスタTP62とNチャネルMOSトランジスタTN65を含む。トランジスタTP62のソース端子は配線VDDに接続され、トランジスタTP62のドレイン端子はトランジスタTN65のドレイン端子に接続され、トランジスタTN65のソース端子は入力トランジスタTN62のドレイン端子に接続されている。したがって、インバータ回路67は、入力トランジスタTN62のドレイン端子と配線VDDの間に接続されている。
【0091】
トランジスタTP61のドレイン端子とトランジスタTN64のドレイン端子の間のノードN63はインバータ回路66の出力端子であり、このノードN63はインバータ回路67の入力端子であるトランジスタTP62のゲート端子及びトランジスタTN65のゲート端子に接続されている。同様に、トランジスタTP62のドレイン端子とトランジスタTN65のドレイン端子の間のノードN64はインバータ回路67の出力端子であり、このノードN64はインバータ回路66の入力端子であるトランジスタTP61のゲート端子及びトランジスタTN64のゲート端子に接続されている。
【0092】
インバータ回路66の出力端子(ノードN63)にはPチャネルMOSトランジスタTP63のドレイン端子が接続され、トランジスタTP63のソース端子は配線VDDに接続されている。トランジスタTP63のゲート端子にはクロック信号CKが供給される。同様に、インバータ回路67の出力端子(ノードN64)にはPチャネルMOSトランジスタTP64のドレイン端子が接続され、トランジスタTP64のソース端子は配線VDDに接続されている。トランジスタTP64のゲート端子にはクロック信号CKが供給される。インバータ回路66,67の入力端子の間にはPチャネルMOSトランジスタTP65が接続され、そのトランジスタTP65のゲート端子にはクロック信号CKが供給される。トランジスタTP63,TP64,TP65は、クロック信号CKに基づいて、上記のトランジスタTN63に対して相補的にオンオフする。
【0093】
上記の入力トランジスタTN61のドレイン端子とラッチ回路65(インバータ回路66)の間のノードN61は、第1増幅回路62のノードN51に接続されている。同様に、入力トランジスタTN62のドレイン端子とラッチ回路65(インバータ回路67)の間のノードN62は、第1増幅回路62のノードN52に接続されている。
【0094】
そして、第2増幅回路63は、ノードN63,N64から相補出力信号QOP,QONを出力する。
コモンモード検出回路64は、差動入力信号DLIP,DLINを受ける一対の入力トランジスタTP71,TP72(第3の入力トランジスタ)を有している。これらの入力トランジスタTP71、TP72は、上記の第1増幅回路62の入力トランジスタTP51,TP52と同じ導電型のMOSトランジスタ、つまりPチャネルMOSトランジスタである。入力信号DLIPは入力トランジスタTP71のゲート端子(制御端子)に印加され、入力信号DLINは入力トランジスタTP72のゲート端子(制御端子)に印加される。
【0095】
入力トランジスタTP71,TP72のソース端子(第1端子)は互いに接続され、その接続点(ノードN70)はPチャネルMOSトランジスタTP73のドレイン端子に接続されている。トランジスタTP73のソース端子は高電位電圧VDDが供給される配線(配線VDD)に接続され、トランジスタTP73のゲート端子は低電位電圧VSSが供給される配線(配線VSS)に接続されている。
【0096】
入力トランジスタTP71,TP72のドレイン端子(第2端子)は互いに接続され、その接続点(ノードN71)はNチャネルMOSトランジスタTN71(第4のトランジスタ)のドレイン端子に接続されている。トランジスタTN71のソース端子は配線VSSに接続されている。トランジスタTN71のゲート端子とドレイン端子は互いに接続されている。そして、トランジスタTN71のゲート端子における電圧は検出電圧VCDとして第1増幅回路62のトランジスタTN51,TN52のゲート端子に供給される。
【0097】
このコモンモード検出回路64において、入力トランジスタTP71,TP72の電気的特性は、第1増幅回路62の入力トランジスタTP51,TP52の電気的特性と同じである。また、トランジスタTP73の電気的特性は、トランジスタTP53の電気的特性と同じである。さらに、トランジスタTN71の電気的特性は、トランジスタTN51,TN52の電気的特性と同じである。
【0098】
本実施形態の受信回路61の作用を説明する。
なお、差動入力信号DLIP,DLINに係る第1増幅回路62と第2増幅回路63の基本的な動作は、上記第2実施形態の第1増幅回路22と第2増幅回路23と同じであるため、説明を省略する。
【0099】
上記のコモンモード検出回路64は、第1増幅回路62のレプリカ回路である。このコモンモード検出回路64において、差動入力信号DLIP,DLINを受ける入力トランジスタTP71,TP72は互いに並列に接続されている。したがって、入力トランジスタTP71,TP72のドレイン端子が接続されたノードN71の電圧は、差動入力信号DLIP,DLINの中間の電圧、つまりコモンモード電圧Vcmに応じて変化する。このノードN71の電圧は、検出電圧VCDとして、第1増幅回路62のトランジスタTN51,TN52のゲート端子に供給される。つまり、コモンモード検出回路64は、差動入力信号DLIP,DLINのコモンモード電圧Vcmに応じた検出電圧VCDを生成、第1増幅回路62のトランジスタTN51,TN52を制御する。
【0100】
1.コモンモード電圧Vcmが十分に高いとき。
コモンモード検出回路64の入力トランジスタTP71,TP72は、差動入力信号DLIP,DLINに基づいてオフする。つまり、コモンモード検出回路64は動作しない。このとき、第1増幅回路62のトランジスタTN51,TN52のソース−ゲート間電圧Vgsは、トランジスタTN51,TN52のしきい値電圧Vthn程度となり、トランジスタTN51,TN52に電流が流れない。したがって、第1増幅回路62は動作しないため、受信回路61は、第2増幅回路63により、差動入力信号DLIP,DLINを比較した結果に応じた相補出力信号QOP,QONを出力する。
【0101】
2.コモンモード電圧Vcmが十分に低いとき。
コモンモード検出回路64の入力トランジスタTP71,TP72は、差動入力信号DLIP,DLINに応じて、ノードN71の電位(検出電圧VCD)をトランジスタTN71のしきい値電圧Vthn以上とする。この検出電圧VCDにより、第1増幅回路62のトランジスタTN51,TN52がオン状態になり、第1増幅回路62が動作する。
【0102】
このとき、第2増幅回路63において、差動入力信号DLIP,DLINを受ける入力トランジスタTN61,TN62は、オフする。
したがって、第1増幅回路62に応じたレベルをラッチ回路65により保持する。これにより、受信回路61は、差動入力信号DLIP,DLINを比較した結果に応じた相補出力信号QOP,QONを出力する。
【0103】
3.コモンモード電圧Vcmが中間レベルのとき。
コモンモード検出回路64の入力トランジスタTP71,TP72は、差動入力信号DLIP,DLINに応じて、ノードN71の電位(検出電圧VCD)をトランジスタTN71のしきい値電圧Vthn以上とする。この検出電圧VCDにより、第1増幅回路62のトランジスタTN51,TN52がオン状態になり、第1増幅回路62が動作する。
【0104】
そして、第2増幅回路63において、差動入力信号DLIP,DLINを受ける入力トランジスタTN61,TN62は、差動入力信号DLIP,DLINに応じてオン,オフする。
【0105】
したがって、第1増幅回路62と第2増幅回路63に応じたレベルをラッチ回路65により保持する。これにより、受信回路61は、差動入力信号DLIP,DLINを比較した結果に応じた相補出力信号QOP,QONを出力する。
【0106】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(3−1)第1実施形態の(1−1)〜(1−3)と同様の効果を得ることができる。
(3−2)差動入力信号DLIP,DLINが十分に高いとき、入力トランジスタTP71,TP72がオフし、コモンモード検出回路64は動作しない。このとき、第1増幅回路62のトランジスタTN51,TN52のソース−ゲート間電圧Vgsは、しきい値電圧Vthn程度となり、トランジスタTN51,TN52がカットオフする。このため、受信回路61は、第2増幅回路63により高速な動作が可能となる。
【0107】
(3−4)また、差動入力信号DLIP,DLINが中間レベル、または低いとき、コモンモード検出回路64は、トランジスタTN51,TN52のしきい値電圧Vthnより高い検出電圧VCDを第1増幅回路62のトランジスタTN51,TN52のゲート端子に供給する。トランジスタTN51,TN52は検出電圧VCDに応答してオンする。したがって、ラッチ回路65をリセットするとき、配線VDDからトランジスタTP63,TN63,TN51を介して配線VSSに向かって電流が流れる。このとき、高電位電圧VDDは、トランジスタTN63をオンすることができる電位であればよい。このため、高電位電圧VDDを低くすることが可能となる。つまり、低い高電位電圧VDDにて動作可能となる。
【0108】
(第3実施形態の変形例)
上記第3実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
図9に示す受信回路71は、第1増幅回路72、第2増幅回路73、コモンモード検出回路74を有している。第1増幅回路72は、上記の第1増幅回路62と同様に、トランジスタTP51〜TP53,TN51,TN52を有している。各端子における接続は、上記の第1増幅回路62と同様である。第2増幅回路73は、上記の第2増幅回路63と同様に、トランジスタTP61〜TP65,TN61〜TN65を有している。そして、第2増幅回路73は、上記の第2増幅回路63と同様に、ラッチ回路75(インバータ回路76,77)を含む。そして、この増幅回路73において、トランジスタTN63のゲート端子には制御信号XPDが印加される。コモンモード検出回路74は、上記のコモンモード検出回路64と同様に、入力トランジスタTP71,TP72、トランジスタTP73,TN71を有している。各端子における接続は、上記のコモンモード検出回路64と同様である。
【0109】
(別の実施形態)
尚、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記実施形態において、PチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタとを入れ替えて実施してもよい。たとえば、第1増幅回路においてNチャネルMOSトランジスタを入力トランジスタとし、第2増幅回路においてPチャネルMOSトランジスタを入力トランジスタとしてもよい。その際、高電位電圧VDDと低電位電圧VSSとを入れ替えて供給することは言うまでもない。
【0110】
・上記第3実施形態および変形例において、コモンモード検出回路64,74のトランジスタTP71〜TP73,TN71の電気的特性を、第1増幅回路62,72のトランジスタTP51〜TP53,TN51,TN52の電気的特性に対して比例した値としてもよい。