【実施例】
【0057】
本発明は、以下の実施例によって更に具体的に説明されるが、これらはいかなる意味でも本発明を限定する意図と解してはならない。
【0058】
実施例1:γ−Glu−Val−Glyとコハク酸の併用による「コク味」付与効果の評価
本実施例では、γ−Glu−Val−Glyとコハク酸二ナトリウムを飲食品に添加し、「コク味」付与効果について評価した。
【0059】
市販ミネストローネスープ(キャンベル社製)を評価系とし、何も添加しないサンプルをコントロールとした。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Glyを喫食濃度1.65μmol/100g(5ppm)、及びコハク酸二ナトリウムを喫食濃度15.43μmol/100g(25ppm)となるように、それぞれ単独で、または組み合わせて添加し、表1に示す評価サンプルS1〜S3を調製した。
【0060】
評価サンプルの「厚み」及び「持続性」の強さについて、専門パネル3名により官能評価を行った。官能評価は、「−;変化なし」〜「+++++;非常に強い」の6段階で評点を付けることにより行った。尚、ここでいう「厚み」は調和が取れた状態で呈味全体が強まること、「持続性」は口に含んで5秒以降の呈味の強さを意味する。「厚み」及び「持続性」の強さ共に、コントロールサンプルにγ−Glu−Val−Glyを喫食濃度1.65μmol/100gとなるように単独で添加した際の強さを「+」として、評点付けを行った。
【0061】
結果を表1に示す。官能評価の結果、γ−Glu−Val−Glyを単独で添加した場合と比較して、コハク酸二ナトリウムを併用した場合には、相乗的に「厚み」及び「持続性」の強さが上昇することが明らかとなった。
【0062】
【表1】
【0063】
実施例2:γ−Glu−Val−Glyとコハク酸(フリー体および塩)の併用による「コク味」付与効果の評価
本実施例では、γ−Glu−Val−Glyとコハク酸(フリー体)またはコハク酸二ナトリウムを飲食品に添加し、「コク味」付与効果について評価した。
【0064】
市販の果汁20%リンゴジュース(コカコーラ社製)を評価系とし、何も添加しないサンプルをコントロールとした。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Glyを喫食濃度1.65μmol/100g(5ppm)、コハク酸を喫食濃度21.18μmol/100g(25ppm)、及びコハク酸二ナトリウムを喫食濃度15.43μmol/100g(25ppm)となるように、それぞれ単独で、または組み合わせて添加し、表2に示す評価サンプルS1〜S5を調製した。
【0065】
評価サンプルの「厚み」及び「持続性」の強さについて、専門パネル3名により官能評価を行った。官能評価は、「−;変化なし」〜「+++++;非常に強い」の6段階で評点を付けることにより行った。尚、ここでいう「厚み」は調和が取れた状態で呈味全体が強まること、「持続性」は口に含んで5秒以降の呈味の強さを意味する。「厚み」及び「持続性」の強さ共に、コントロールサンプルにγ−Glu−Val−Glyを喫食濃度1.65μmol/100gとなるように単独で添加した際の強さを「+」として、評点付けを行った。
【0066】
結果を表2に示す。官能評価の結果、γ−Glu−Val−Glyを単独で添加した場合と比較して、コハク酸またはコハク酸二ナトリウムを併用した場合には、相乗的に「厚み」及び「持続性」の強さが上昇することが明らかとなった。以上より、フリー体のコハク酸及びコハク酸塩のいずれについても、γ−Glu−Val−Glyと併用することによって、相乗的に「コク味」が強まることが示された。
【0067】
【表2】
【0068】
実施例3:γ−Glu−Val−Gly、コハク酸、およびプロリンの併用による「コク味」付与効果の評価
本実施例では、γ−Glu−Val−Glyとコハク酸(フリー体)に加えて、さらにプロリンを飲食品に添加し、「コク味」付与効果について評価した。
【0069】
市販の果汁20%リンゴジュース(コカコーラ社製)を評価系とし、何も添加しないサンプルをコントロールとした。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Glyを喫食濃度1.65μmol/100g(5ppm)、コハク酸を喫食濃度21.18μmol/100g(25ppm)、及びプロリンを喫食濃度43.44μmol/100g(50ppm)となるように、それぞれ単独で、または組み合わせて添加し、表3に示す評価サンプルS1〜S5を調製した。
【0070】
評価サンプルの「厚み」及び「持続性」の強さについて、専門パネル3名により官能評価を行った。官能評価は、「−;変化なし」〜「+++++;非常に強い」の6段階で評点を付けることにより行った。尚、ここでいう「厚み」は調和が取れた状態で呈味全体が強まること、「持続性」は口に含んで5秒以降の呈味の強さを意味する。「厚み」及び「持続性」の強さ共に、コントロールサンプルにγ−Glu−Val−Glyを喫食濃度1.65μmol/100gとなるように単独で添加した際の強さを「+」として、評点付けを行った。
【0071】
結果を表3に示す。官能評価の結果、γ−Glu−Val−Glyとコハク酸のみを併用した場合と比較して、さらにプロリンを併用した場合には、相乗的に「厚み」の強さが上昇することが明らかとなった。以上より、γ−Glu−Val−Glyとコハク酸およびプロリンとを併用することによって、相乗的に「コク味」が強まることが示された。
【0072】
【表3】
【0073】
実施例4:γ−Glu−Val−Glyとコハク酸の併用による「コク味」付与効果の評価
本実施例では、γ−Glu−Val−Glyとコハク酸二ナトリウムを種々の濃度で飲食品に添加し、「コク味」付与効果について評価した。
【0074】
市販トマトソース(カゴメ社製)を評価系とし、何も添加しないサンプルをコントロールとした。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Glyを喫食濃度0.017μmol/100g(0.05ppm)〜1.65μmol/100g(5ppm)、およびコハク酸二ナトリウムを喫食濃度0.6μmol/100g(1.0ppm)〜1543μmol/100g(2500ppm)となるように添加し、表4に示す評価サンプルS1〜S18を調製した。
【0075】
評価サンプルの「厚み」及び「持続性」の強さについて、専門パネル2名により官能評価を行った。官能評価は、「−;変化なし」〜「+++++;非常に強い」の6段階で評点を付けることにより行った。尚、ここでいう「厚み」は調和が取れた状態で呈味全体が強まること、「持続性」は口に含んで5秒以降の呈味の強さを意味する。「厚み」及び「持続性」の強さ共に、コントロールサンプルにγ−Glu−Val−Glyを喫食濃度1.65μmol/100gとなるように単独で添加した際の強さを「++」として、評点付けを行った。
【0076】
結果を表4に示す。官能評価の結果、γ−Glu−Val−Glyを単独で添加した場合と比較して、コハク酸二ナトリウムを喫食濃度0.6μmol/100g〜1543μmol/100gとなるように併用した場合には、相乗的に「厚み」及び「持続性」が上昇することが明らかとなった。なお、コハク酸の呈味の観点では、コハク酸二ナトリウムの喫食濃度が1235[μmol/100g]以下の場合に好ましい結果が得られた。また、コハク酸の呈味の観点では、γ−グルタミルペプチドに対するジカルボン酸のモル比(ジカルボン酸/γ−グルタミルペプチド[mol/mol])が約75000以下の場合に好ましい結果が得られた。
【0077】
【表4】
【0078】
実施例5:各種γ−グルタミルペプチドとコハク酸の併用による「コク味」付与効果の評価
本実施例では、各種γ−グルタミルペプチドとコハク酸二ナトリウムを飲食品に添加し、「コク味」付与効果について評価した。
【0079】
市販の果汁20%リンゴジュース(コカコーラ社製)を評価系とし、何も添加しないサンプルをコントロールとした。コントロールサンプルに、コハク酸二ナトリウム、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Abu、γ−Glu−Nva−Gly、及びγ−Glu−Nvaを表5に示す喫食濃度となるように添加し、評価サンプルS1〜S13を調製した。
【0080】
評価サンプルの「厚み」及び「持続性」の強さについて、専門パネル2名により官能評価を行った。官能評価は、「−;変化なし」〜「+++++;非常に強い」の6段階で評点を付けることにより行った。尚、ここでいう「厚み」は調和が取れた状態で呈味全体が強まること、「持続性」は口に含んで5秒以降の呈味の強さを意味する。「厚み」及び「持続性」の強さ共に、コントロールサンプルにγ−Glu−Val−Glyを喫食濃度1.65μmol/100gとなるように単独で添加した際の強さを「+」として、評点付けを行った。
【0081】
結果を表5に示す。官能評価の結果、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Abu、γ−Glu−Nva−Gly、またはγ−Glu−Nvaを単独で添加した場合と比較して、コハク酸二ナトリウムを併用した場合には、相乗的に「厚み」及び「持続性」の強さが上昇することが明らかとなった。以上より、γ−Glu−Val−Glyのみならず、その他のγ−グルタミルペプチドについても、コハク酸と併用することによって、相乗的に「コク味」が強まることが示された。
【0082】
【表5】
【0083】
実施例6:γ−Glu−Val−Glyと各種ジカルボン酸の併用による「コク味」付与効果の評価
本実施例では、γ−Glu−Val−Glyとコハク酸に類似する各種ジカルボン酸(フリー体)を飲食品に添加し、「コク味」付与効果について評価した。
【0084】
市販の果汁20%リンゴジュース(コカコーラ社製)を評価系とし、何も添加しないサンプルをコントロールとした。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Gly、コハク酸、マレイン酸、及びメチルマロン酸を表6に示す喫食濃度となるように添加し、評価サンプルS1〜S9を調製した。
【0085】
評価サンプルの「厚み」及び「持続性」の強さについて、専門パネル2名により官能評価を行った。官能評価は、「−;変化なし」〜「+++++;非常に強い」の6段階で評点を付けることにより行った。尚、ここでいう「厚み」は調和が取れた状態で呈味全体が強まること、「持続性」は口に含んで5秒以降の呈味の強さを意味する。「厚み」及び「持続性」の強さ共に、コントロールサンプルにγ−Glu−Val−Glyを喫食濃度1.65μmol/100gとなるように単独で添加した際の強さを「+」として、評点付けを行った。
【0086】
結果を表6に示す。官能評価の結果、γ−Glu−Val−Glyを単独で添加した場合と比較して、コハク酸、マレイン酸、またはメチルマロン酸を併用した場合には、相乗的に「厚み」及び「持続性」の強さが上昇することが明らかとなった。以上より、コハク酸のみならず、コハク酸に類似する各種ジカルボン酸についても、γ−Glu−Val−Glyと併用することによって、相乗的に「コク味」が強まることが示された。
【0087】
【表6】
【0088】
実施例7:ポタージュスープにおけるγ−Glu−Val−Glyとコハク酸の併用による「コク味」付与効果の評価
本実施例では、γ−Glu−Val−Glyとコハク酸二ナトリウムをポタージュスープに添加し、「コク味」付与効果について評価した。
【0089】
市販ポタージュスープ(クノール食品社製:製品の指示通りに調製したもの)を評価系とし、何も添加しないサンプルをコントロールとした。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Glyを喫食濃度0.0005g/100g(1.65μmol/100g)、及びコハク酸二ナトリウムを喫食濃度0.0025g/100g(15.43μmol/100g)となるように、それぞれ単独で、または組み合わせて添加し、表7に示す評価サンプルS1〜S3を調製した。
【0090】
評価サンプルの「厚み」及び「持続性」の強さについて、専門パネル3名により官能評価を行った。官能評価は、「−;変化なし」〜「+++++;非常に強い」の6段階で評点を付けることにより行った。尚、ここでいう「厚み」は調和が取れた状態で呈味全体が強まること、「持続性」は口に含んで5秒以降の呈味の強さを意味する。「厚み」及び「持続性」の強さ共に、コントロールサンプルにγ−Glu−Val−Glyを喫食濃度0.0005g/100gとなるように単独で添加した際の強さを「+」として、評点付けを行った。
【0091】
結果を表7に示す。官能評価の結果、γ−Glu−Val−Glyを単独で添加した場合と比較して、コハク酸二ナトリウムを併用した場合には、相乗的に「厚み」及び「持続性」の強さが上昇することが明らかとなった。
【0092】
【表7】
【0093】
実施例8:チキンコンソメスープにおけるγ−Glu−Val−Glyとコハク酸の併用による「コク味」付与効果の評価
本実施例では、γ−Glu−Val−Glyとコハク酸二ナトリウムをチキンコンソメスープに添加し、「コク味」付与効果について評価した。
【0094】
市販チキンコンソメスープ(クノール社製)1キューブを300mLの熱湯に溶解したものを評価系とし、何も添加しないサンプルをコントロールとした。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Glyを喫食濃度0.0005g/100g(1.65μmol/100g)、及びコハク酸二ナトリウムを喫食濃度0.0025g/100g(15.43μmol/100g)となるように、それぞれ単独で、または組み合わせて添加し、表8に示す評価サンプルS1〜S3を調製した。
【0095】
評価サンプルの「厚み」及び「持続性」の強さについて、専門パネル3名により官能評価を行った。官能評価は、「−;変化なし」〜「+++++;非常に強い」の6段階で評点を付けることにより行った。尚、ここでいう「厚み」は調和が取れた状態で呈味全体が強まること、「持続性」は口に含んで5秒以降の呈味の強さを意味する。「厚み」及び「持続性」の強さ共に、コントロールサンプルにγ−Glu−Val−Glyを喫食濃度0.0005g/100gとなるように単独で添加した際の強さを「+」として、評点付けを行った。
【0096】
結果を表8に示す。官能評価の結果、γ−Glu−Val−Glyを単独で添加した場合と比較して、コハク酸二ナトリウムを併用した場合には、相乗的に「厚み」及び「持続性」の強さが上昇することが明らかとなった。
【0097】
【表8】
【0098】
実施例9:醤油ラーメンスープにおけるγ−Glu−Val−Glyとコハク酸の併用による「コク味」付与効果の評価
本実施例では、γ−Glu−Val−Glyとコハク酸二ナトリウムを醤油ラーメンスープに添加し、「コク味」付与効果について評価した。
【0099】
市販の即席醤油ラーメン(「麺職人」醤油味:日清食品社製)の別添スープ1袋を450mLの熱湯に溶解したものを評価系とし、何も添加しないサンプルをコントロールとした。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Glyを喫食濃度0.0005g/100g(1.65μmol/100g)、及びコハク酸二ナトリウムを喫食濃度0.0025g/100g(15.43μmol/100g)となるように、それぞれ単独で、または組み合わせて添加し、表9に示す評価サンプルS1〜S3を調製した。
【0100】
評価サンプルの「厚み」及び「持続性」の強さについて、専門パネル3名により官能評価を行った。官能評価は、「−;変化なし」〜「+++++;非常に強い」の6段階で評点を付けることにより行った。尚、ここでいう「厚み」は調和が取れた状態で呈味全体が強まること、「持続性」は口に含んで5秒以降の呈味の強さを意味する。「厚み」及び「持続性」の強さ共に、コントロールサンプルにγ−Glu−Val−Glyを喫食濃度0.0005g/100gとなるように単独で添加した際の強さを「+」として、評点付けを行った。
【0101】
結果を表9に示す。官能評価の結果、γ−Glu−Val−Glyを単独で添加した場合と比較して、コハク酸二ナトリウムを併用した場合には、相乗的に「厚み」及び「持続性」の強さが上昇することが明らかとなった。
【0102】
【表9】
【0103】
実施例10:豚骨ラーメンスープにおけるγ−Glu−Val−Glyとコハク酸の併用による「コク味」付与効果の評価
本実施例では、γ−Glu−Val−Glyとコハク酸二ナトリウムを豚骨ラーメンスープに添加し、「コク味」付与効果について評価した。
【0104】
市販即席豚骨ラーメン(マルちゃん「正麺」とんこつ味:東洋水産社製)の別添スープ1袋を500mLの熱湯に溶解したものを評価系とし、何も添加しないサンプルをコントロールとした。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Glyを喫食濃度0.0005g/100g(1.65μmol/100g)、及びコハク酸二ナトリウムを喫食濃度0.0025g/100g(15.43μmol/100g)となるように、それぞれ単独で、または組み合わせて添加し、表10に示す評価サンプルS1〜S3を調製した。
【0105】
評価サンプルの「厚み」及び「持続性」の強さについて、専門パネル3名により官能評価を行った。官能評価は、「−;変化なし」〜「+++++;非常に強い」の6段階で評点を付けることにより行った。尚、ここでいう「厚み」は調和が取れた状態で呈味全体が強まること、「持続性」は口に含んで5秒以降の呈味の強さを意味する。「厚み」及び「持続性」の強さ共に、コントロールサンプルにγ−Glu−Val−Glyを喫食濃度0.0005g/100gとなるように単独で添加した際の強さを「+」として、評点付けを行った。
【0106】
結果を表10に示す。官能評価の結果、γ−Glu−Val−Glyを単独で添加した場合と比較して、コハク酸二ナトリウムを併用した場合には、相乗的に「厚み」及び「持続性」の強さが上昇することが明らかとなった。
【0107】
【表10】
【0108】
実施例11:中華スープにおけるγ−Glu−Val−Glyとコハク酸の併用による「コク味」付与効果の評価
本実施例では、γ−Glu−Val−Glyとコハク酸二ナトリウムを中華スープに添加し、「コク味」付与効果について評価した。
【0109】
市販即席中華スープ(クノール食品社製:1袋を180mLの熱湯で溶解したものから具材を除いたもの)を評価系とし、何も添加しないサンプルをコントロールとした。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Glyを喫食濃度0.0005g/100g(1.65μmol/100g)、及びコハク酸二ナトリウムを喫食濃度0.0025g/100g(15.43μmol/100g)となるように、それぞれ単独で、または組み合わせて添加し、表11に示す評価サンプルS1〜S3を調製した。
【0110】
評価サンプルの「厚み」及び「持続性」の強さについて、専門パネル3名により官能評価を行った。官能評価は、「−;変化なし」〜「+++++;非常に強い」の6段階で評点を付けることにより行った。尚、ここでいう「厚み」は調和が取れた状態で呈味全体が強まること、「持続性」は口に含んで5秒以降の呈味の強さを意味する。「厚み」及び「持続性」の強さ共に、コントロールサンプルにγ−Glu−Val−Glyを喫食濃度0.0005g/100gとなるように単独で添加した際の強さを「+」として、評点付けを行った。
【0111】
結果を表11に示す。官能評価の結果、γ−Glu−Val−Glyを単独で添加した場合と比較して、コハク酸二ナトリウムを併用した場合には、相乗的に「厚み」及び「持続性」の強さが上昇することが明らかとなった。
【0112】
【表11】
【0113】
実施例12:味噌汁におけるγ−Glu−Val−Glyとコハク酸の併用による「コク味」付与効果の評価
本実施例では、γ−Glu−Val−Glyとコハク酸二ナトリウムを味噌汁に添加し、「コク味」付与効果について評価した。
【0114】
市販即席みそ汁(永谷園社製「あさげ」:製品の指示通りに調製したものから具材を除いたもの)を評価系とし、何も添加しないサンプルをコントロールとした。コントロールサンプルに、γ−Glu−Val−Glyを喫食濃度0.0005g/100g(1.65μmol/100g)、及びコハク酸二ナトリウムを喫食濃度0.0025g/100g(15.43μmol/100g)となるように、それぞれ単独で、または組み合わせて添加し、表12に示す評価サンプルS1〜S3を調製した。
【0115】
評価サンプルの「厚み」及び「持続性」の強さについて、専門パネル3名により官能評価を行った。官能評価は、「−;変化なし」〜「+++++;非常に強い」の6段階で評点を付けることにより行った。尚、ここでいう「厚み」は調和が取れた状態で呈味全体が強まること、「持続性」は口に含んで5秒以降の呈味の強さを意味する。「厚み」及び「持続性」の強さ共に、コントロールサンプルにγ−Glu−Val−Glyを喫食濃度0.0005g/100gとなるように単独で添加した際の強さを「+」として、評点付けを行った。
【0116】
結果を表12に示す。官能評価の結果、γ−Glu−Val−Glyを単独で添加した場合と比較して、コハク酸二ナトリウムを併用した場合には、相乗的に「厚み」及び「持続性」の強さが上昇することが明らかとなった。
【0117】
【表12】