【実施例】
【0015】
図1〜
図8に、実施例の仕分けシステム2を示す。
図1、
図2は、仕分けシステム2のレイアウトを示す。4は自動倉庫で、その天井5に天井レール6が設けられ、天井レール6から成る走行経路は分岐合流部8を複数備え、自立的に分岐と合流とを行いながら、複数台の天井搬送車10が天井レール6に沿って走行する。天井レール(以下「レール」)6は双方向通行でも良いが、実施例では一方向のみに天井走行車10が走行する。レール6に面してラック20が複数個設けられ、天井搬送車10は任意のラック20の任意の間口にアクセスできる。
【0016】
仕分けシステム2の地上階には、自動倉庫4の一端に隣接するように入荷エリア22が設けられ、また同じく地上階に、自動倉庫4の他端に隣接するように出荷エリア24が設けられている。エリア22,24は天井レール6から成る走行経路の外周に沿って設けられ、自動倉庫4の側面に接していても良く、ステーション28を複数個並べたステーションアレイ26が設けられている。そして天井搬送車10は、各ステーション28でパレット、ケース等の受け渡しが自在である。またエリア22,24にはトラックのバース30が設けられ、入荷エリア22の入荷端末32から入荷データを入力すると共に、入荷した商品をラック20へ搬送することを要求でき、出荷エリア24の出荷端末34から出荷データを入力する。36は仕分けシステム2のコントローラで、単一のコンピュータで構成しても、分散配置された複数のコンピュータで構成しても良い。
【0017】
全ての天井搬送車10を常時稼動させる必要はないので、退避レーン12を設けて稼動させない天井搬送車10を退避させ、消費電力を小さくすることが好ましい。また退避レーン12内にメンテナンスデッキ14を設けると、天井搬送車の昇降台、台車等のメンテナンスが容易になる。退避レーン12は例えばラック20に面しない位置に設ける。
【0018】
天井搬送車10では、台車40が天井レール6に沿って走行し、前後のマスト42,42が図示しないピン等により、台車40から走行方向に揺動自在に吊り下げられている。マスト42,42に沿って昇降台44が昇降し、下部の連結部46により前後のマスト42,42を連結する。天井搬送車10は、走行と昇降の駆動部を天井側の台車40に配置し、マスト42を揺動自在にしたスタッカークレーンとすることもできる。
【0019】
エリア22,24の上階には、天井レール6から成る走行経路の外周に沿って、仕分けエリア50が複数階に渡って設けられ、ステーション28を介して天井搬送車10はパレット、ケース等を仕分けエリア50へ搬入搬出する。仕分けエリア50では、パレット上の荷物を例えば段ボール箱から成るケース単位で仕分けて、出荷先毎のパレット等に積み替え、あるいはパレットから個々の商品を取り出してバケット等のケースへ仕分ける。51は仕分け端末で、仕分けに関する指示をコントローラ36から受信して表示し、仕分け結果をコントローラ36へ返信する。仕分けエリア50には適宜の仕分け装置を設置しても良く、例えばソーター52により、パレットから段ボール箱を1箱ずつ取り出し、例えば
図7のケースパレット86へ積み替える。
【0020】
仕分けシステム2は順次拡張することができ、この状況を
図3に示す。
図3において、記号'は拡張後の要素であることを示し、2,2'等での数字2等は同じ種類の要素であることを表す。例えば
図3の上段の当初の仕分けシステム2を拡張して、仕分けシステム2'とし、これをさらに拡張して仕分けシステム2''とすることができる。
【0021】
図4,
図5に、天井搬送車(以下「搬送車」)10の構造を示す。自立式のラック20を連結した建屋の天井5にレール6が固定され、レール6内には、搬送車10の走行方向に沿って、永久磁石54が配列され、非接触給電線56が設置されている。レール6の底部には、分岐と直進を選択し、かつ合流時の姿勢を制御するために、左右のガイドレール58,58が設けられている。搬送車10の台車40は走行ユニット59を備え、走行ユニット59のコイル60とレール6側の永久磁石54とによりリニアモータを構成し、受電コイル62により非接触給電線56から受電し、車輪64により搬送車10の重量を支持する。さらに走行ユニット59は左右のガイドローラ66,66を備え、進退制御68はガイドローラ66,66をガイドレール58にガイドされる位置とされない位置との間で進退させる。このようにして搬送車10は自立的に分岐と合流とができるが、特許文献1に記載のように、レール6側の可動部により分岐と合流を制御しても良い。
【0022】
走行ユニット59の鉛直軸70に台車40のシャーシ71が取り付けられ、図示しないピン等により、前後のマスト42が走行方向に沿って揺動自在にシャーシ71に取り付けられている。シャーシ71のモータ72とスプロケット74によりチェーン76を駆動して、昇降台44と図示しないカウンターウェイトとを昇降させる。昇降台44のガイドローラ78はマスト42にガイドされて、昇降台44の揺れと捻れとを制限し、昇降台44上のスライドフォーク等の移載装置81はパレット80等を移載する。84はパレット82上の荷物である。チェーンに代えてベルト等の駆動媒体を用いても良く、またカウンターウェイトは設けなくても良い。
【0023】
前後のマスト42の下端を例えば水平な連結部46により連結し、搬送車10の荷重の一部を車輪47を介して地上レール48に支持させ、図示しないガイドローラを地上レール48によりガイドし、マスト42の揺れと捻れを制限する。マスト42は走行方向に沿って揺動自在で、その固有振動数付近での加減速を行わないように、走行ユニット59を制御し、マスト42を制振する。また図示しないダンパー、制振ゴム等をマスト42のシャーシ71への取付部に設けて、非常停止時の揺れを小さくする。なお連結部46と地上レール48は設けなくても良く、マスト42の本数、構造等は任意である。
【0024】
仕分けシステム2では、パレット82からケースへの仕分けを行うので、パレット単位で搬送する天井搬送車10以外に、ケース単位で搬送する天井搬送車を設け、これらを同じ天井レール6に沿って走行させることが好ましい。この状況を
図6に示す。10'はケース単位で搬送する天井搬送車で、走行ユニット59の数がパレット用の天井搬送車10よりも少なく、レール6の走行方向に沿っての昇降台44'の幅は昇降台44よりも狭い。また移載装置68'は、移載装置68よりも、レール6の走行方向に沿っての物品を支持する幅が狭い。しかしレール6の走行方向に水平面内で直角な方向に沿っては、移載装置68,68'の長さを等しくし、ラック20の各間口と各ステーション28とに対し、天井搬送車10,10'が共に物品を受け渡しできるようにすることが好ましい。また天井搬送車10'は、他の点では天井搬送車10と同様である。なお天井搬送車10'の昇降台44'に、移載装置68'を複数配置し、同時に複数個のケースを搬送できるようにしても良い。
【0025】
図7に、ケースパレット86を示す。ケースパレット86は、パレット82と同様に天井搬送車10により搬送され、ラック20の各間口に載置され、ステーション28を介して仕分けエリア50,出荷エリア24等へ搬送される。ケースパレット86では、ベース87からの支柱89に複数の棚受88が固定され、各棚受88に段ボール箱、バケット等のケース90を載置する。
【0026】
図2のソーター52等により、パレット82からケースパレット86へケースを移し替え、ラック20,ステーション28等に載置する。天井搬送車10'によりケースパレット86,86間でケース90を仕分けると仕分けが完成し、天井搬送車10によりケースパレット86を出荷する。
【0027】
図8に、仕分けシステム2の制御系を示す。コントローラ36は端末32,34,51と通信すると共に、上位コントローラ92からの仕分けに関する指示を受け付け、天井搬送車10,10'、ソーター52等を制御して仕分けを実行させ、実行結果を上位コントローラ92へ報告する。
【0028】
実施例には以下の特徴がある。
1) 地上階に入荷エリア22と出荷エリア24を、上階に仕分けエリア50を設け、分岐と合流とが自在な走行経路に沿って、天井搬送車10を走行させる。この結果、コンパクトな仕分けシステム2が得られる。
2) 天井搬送車10,10'は分岐と合流とが自在で、任意のラック20と任意のステーション28へ走行できるので、基本的に一種類の搬送装置で足りる。
3) 天井搬送車10,10'は、マスト42に加わる垂直荷重のみを支持できれば良く、走行方向に沿っての剛性を必要としない。また地上側の台車は簡素なもので良く、設けなくても良い。従って在来のスタッカークレーンに比べ軽量にできる。天井搬送車10,10'を軽量化できるので、天井レール6も軽量化できる。
4) リニアモータを用いると、レール6には走行方向の力が加わらない。このためレール6をさらに軽量化できる。
5) 退避レーン12を設けることにより省電力化でき、メンテナンスデッキ14を設けることにより天井搬送車10、10'のメンテナンスが容易になる。
6) 仕分けシステム2は拡張性に富んでいる。
7) 走行ユニット59を天井搬送車10,10'間で共通化できる。
8) 天井搬送車10によりパレットを搬送し、天井搬送車10'によりケースの搬送とケース単位での仕分けとができる。
【0029】
実施例では、天井搬送車10'によりケース単位での仕分けを行ったが、パレット82用の移載装置68とケース90用の移載装置68'の双方を昇降台に備える、天井搬送車を用いても良い。この天井搬送車は、天井搬送車10,10'の双方の機能を備えている。また仕分けエリア50に配置する仕分け装置の種類、仕分け作業の内容、仕分け作業を作業者と装置とに分配する仕方、等は任意である。