(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
[第1実施形態]
情報処理システム1は、
図1に示すように、サーバ装置100と、クライアント端末200とを備える。それらの機器は通信ネットワークNを介して接続されている。通信ネットワークNは、専用線や既存の一般公衆回線を利用して構築された通信ネットワークNであり、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の様々な回線形態を適用することが可能である。また、通信ネットワークNには、例えば、電話回線網、ISDN回線網、専用線、移動体通信、通信衛星回線、CATV回線網等の各種通信ネットワーク網と、IPネットワーク、VoIP(Voice over Internet Protocol)ゲートウェイ、インターネットサービスプロバイダ等が含まれる。
【0011】
先ず、
図2を参照して、サーバ装置100の機能構成を説明する。
図2に示すように、サーバ装置100は、機器の全体的な制御を行うCPU(Central Processing Unit)110と、複数の操作キーを有する入力部120と、CPU110に作業用のメモリ空間を提供するRAM(Random Access Memory)130と、表示部140と、CPU110が実行する制御プログラムや制御データを格納した記憶部150と、通信部160と、を備える。CPU110、入力部120、RAM130、表示部140、記憶部150、通信部160は、バス170を介して接続されている。
【0012】
CPU110は、記憶部150に記憶されているシステムプログラムを読み出し、読み出したプログラムをRAM130のワークエリアに展開し、該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU110は、記憶部150のプログラム記憶部151に記憶されている各種処理プログラムを読み出してワークエリアに展開して処理を実行する。例えば、CPU110は、後述する画像変形処理を実行することで、画像制御手段として機能する。
【0013】
入力部120は、カーソルキー、文字、数字入力キー及び各種機能キーなどを備えたキーボードを含む構成とし、操作者による各キーの押下入力を受け付けてその操作情報をCPU110に出力する。また、入力部120は、マウス等のポインティングデバイスを含み、位置入力を受け付けて操作情報としてCPU110に出力する。
【0014】
RAM130は、揮発性のメモリである。また、RAM130は、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納するワークエリアを有する。
【0015】
表示部140は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成され、CPU110から入力される表示情報に応じて各種表示を行う。
【0016】
記憶部150は、磁気記録媒体を有するHDD(Hard Disk Drive)、不揮発性の半導体メモリ等により構成される。記憶部150には、
図2に示すように、プログラム記憶部151、画像記憶部153、材料特性記憶部154等が設けられている。
【0017】
プログラム記憶部151には、CPU110で実行されるシステムプログラムやサーバ処理プログラム152等の各種プログラムおよびこれらのプログラムの実行に必要なデータ等が記憶されている。
これらのプログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態でプログラム記憶部151に格納されている。CPU110は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0018】
サーバ処理プログラム152は、対象物体(以下、オブジェクトという。)の画像に加えられた圧力に基づいて対象物体の画像の変形をシミュレーションするプログラムである。
【0019】
画像記憶部153には、オブジェクトの画像データ、および、基準物体(以下、硬さ基準オブジェクトという。)の画像データが記憶されている。
【0020】
硬さ基準オブジェクトとは、材料特性の基準、言い換えると、硬さの比較のための基準となるオブジェクトである。
【0021】
材料特性記憶部154には、画像記憶部153に記憶されている画像データに対応した材料特性テーブルT1が記憶されている。
ここで、材料特性記憶部154は、対象物体の材料特性を記憶する記憶手段として機能する。
【0022】
材料特性テーブルT1は、
図6に示すように、画像番号T11と、画像名T12と、材質T13と、硬さデータT14と、のフィールドを有する。材料特性テーブルT1には、オブジェクトおよび硬さ基準オブジェクトの材料特性データが格納されている。
【0023】
画像番号T11は、画像データを識別する識別情報である。画像名T12は、画像番号T11の画像の名称である。材質T13は、画像番号T11の画像に係るオブジェクトの材質である。硬さデータT14は、画像番号T11の画像に係るオブジェクトの硬さデータであり、ビッカース硬度、ヤング率、剛性率、ポアソン比等である。
【0024】
サーバ側通信手段としての通信部160は、モデム、ルータ、ネットワークカード等により構成され、通信ネットワークNに接続されて、通信ネットワークN上のクライアント端末200との通信を行う。
【0025】
次に、
図3〜
図5を参照して、クライアント端末200の機能構成を説明する。
クライアント端末200は、機器の全体的な制御を行うCPU(Central Processing Unit)210と、入力部221と表示部225とを有するタッチパネル220と、タッチパネル220に加えられた圧力を検出する圧力センサ部230と、複数の操作キーを有するキーボード260と、CPU210に作業用のメモリ空間を提供するRAM(Random Access Memory)270と、CPU210が実行する制御プログラムや制御データ等を格納した記憶部280と、通信部295と、を備える。CPU210、タッチパネル220、圧力センサ部230、キーボード260、RAM270、記憶部280、通信部295は、バス296を介して接続されている。
【0026】
CPU210は、記憶部280に記憶されているシステムプログラムを読み出し、RAM270のワークエリアに展開し、該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU210は、記憶部280のプログラム記憶部281に記憶されている各種処理プログラムを読み出してワークエリアに展開して処理を実行する。
例えば、CPU210は、後述する画像変形処理の内、クライアント端末200側の処理を実行することで、表示制御手段として機能する。
【0027】
タッチパネル220は、入力部221と、表示部225とを備えて構成される。表示部225は、LCD(Liquid Crystal Display)、ELD(Electro Luminescent Display)等により構成され、CPU210から入力される表示信号の指示に従って、文字入力画像等の表示画像を表示する。入力部221は、ユーザの指等の接触(押下)による表示部225に表示された画面上の位置入力を受け付け、その位置(座標)情報をCPU210に出力する。入力部221は、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式である。
【0028】
圧力センサ部230は、印加された圧力を、歪ゲージ抵抗式、半導体ピエゾ抵抗式、静電容量式、シリコンレゾナント式などの方式の感圧素子で計測し、電気信号に変換し出力する。ここで、圧力センサ部230は、タッチパネル220に加えられた圧力を検出する圧力検出手段として機能する。
【0029】
キーボード260は、カーソルキー、文字、数字入力キー及び各種機能キーなどを備えた構成であり、ユーザによる各キーの押下入力を受け付けてその操作情報をCPU210に出力する。
【0030】
RAM270は、揮発性のメモリである。また、RAM270は、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納するワークエリアを有する。
【0031】
記憶部280は、磁気記録媒体を有するHDD(Hard Disk Drive)、不揮発性の半導体メモリ等により構成される。記憶部280には、
図5に示すように、プログラム記憶部281が設けられている。
【0032】
プログラム記憶部281には、CPU110で実行されるシステムプログラムや第1の端末処理プログラム282等の各種プログラムおよびこれらのプログラムの実行に必要なデータ等が記憶されている。
これらのプログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態でプログラム記憶部281に格納されている。CPU210は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0033】
端末側通信手段としての通信部295は、モデム、ルータ、ネットワークカード等により構成され、通信ネットワークNに接続されて、通信ネットワークN上のクライアント端末200との通信を行う。
【0034】
次に、第1実施形態の情報処理システム1において実行される画像変形処理の動作について、
図7を参照して説明する。
画像変形処理におけるクライアント端末200側の処理は、CPU210と記憶部280に記憶されている第1の端末処理プログラム282との協働により実行される。画像変形処理におけるサーバ装置100側の処理は、CPU110と記憶部150に記憶されているサーバ処理プログラム152との協働により実行される。
【0035】
先ず、クライアント端末200のCPU210は、入力部221への入力指示により、通信部295を介してサーバ装置100へのアクセスを行い、サーバ装置100に対し、画像変形処理条件入力画面の生成およびその画面の送信を要求する(ステップS1)。
【0036】
サーバ装置100のCPU110は、通信部160よりクライアント端末200から画像変形処理条件入力画面の生成およびその画面返信の要求を受信すると、画像変形処理条件入力画面を生成し、その画面を通信部160により要求元のクライアント端末200に送信する(ステップS2)。
【0037】
クライアント端末200のCPU210は、通信部295によりサーバ装置100からの送信を受信すると、クライアント端末の表示部225に画像変形処理条件入力画面2251を表示する(ステップS3)。
【0038】
画像変形処理条件入力画面2251には、
図8に示すように、画像選択欄2251Aと、圧力印加形状選択欄2251Bと、圧力印加位置選択欄2251Cと、硬さ基準オブジェクト選択欄2251Dと、実行ボタン2251Eとが表示されている。
【0039】
画像選択欄2251Aは、変形処理を実行したいオブジェクトの画像を選択する欄である。画像選択欄2251Aのプルダウンメニューによりオブジェクトの画像を選択する。圧力印加形状選択欄2251Bは、オブジェクトの画像に対して圧力を印加する場合の印加形状を選択する欄である。圧力印加形状選択欄2251Bのチェックボタンにより、欄中に表示された印加形状を選択する。デフォルト設定は標準設定である。圧力印加位置選択欄2251Cは、オブジェクトの画像のどの位置に圧力を印加するかを、チェックボタンにより選択する欄である。デフォルト設定は標準設定であり、例えば、画像の中心に設定されている。硬さ基準オブジェクト選択欄2251Dは、チェックボタンにより硬さ基準オブジェクトを選択する欄である。デフォルト設定は標準設定であり、予め定められた硬さ基準オブジェクトが設定されている。実行ボタン2251Eは、選択された条件で変形処理を実行するためのボタンである。
【0040】
ここで、硬さ基準オブジェクトは、ユーザの手元に保有して、硬さ基準オブジェクトを介してオブジェクトの硬さを擬似的に体感できるようにするためのものである。硬さ基準オブジェクトは、予め定められたものを標準に設定するが、オブジェクト画像との比較の観点から、複数種類用意してユーザ指定できるようにされている。具体的には、硬さ基準オブジェクトは、調達容易性等を考慮して、例えば、粘土、スポンジ等からユーザが指定できるようにされている。
【0041】
次に、クライアント端末200のCPU210は、画像変形処理条件入力画面2251を介してユーザにより圧力印加形状、オブジェクトの画像等が選択されて実行ボタンが押下されると、圧力印加形状、オブジェクトの画像等を選択する(ステップS4)。ここで、CPU210、圧力印加形状選択欄2251Bを表示する表示部225、入力部221は、圧力が加わる範囲の形状を示す圧力印加形状を選択する選択手段として機能する。
【0042】
次に、クライアント端末200のCPU210は、通信部295を介してサーバ装置100へのアクセスを行い、サーバ装置100に対し、シミュレーション画面の生成およびその画面の返信を要求する(ステップS5)。
【0043】
サーバ装置100のCPU110は、通信部160よりクライアント端末200からシミュレーション画面の生成およびその画面返信の要求を受信すると、シミュレーション画面を生成し、その画面を通信部160により要求元のクライアント端末200に送信する(ステップS6)。
【0044】
次に、クライアント端末200のCPU210は、シミュレーション画面を表示させる(ステップS7)。
シミュレーション画面2252には、
図9(A)に示すように、選択されたオブジェクトの画像Pが表示される。また、硬さ基準オブジェクト表示欄2252Aに硬さ基準オブジェクトの画像Sが表示される。
【0045】
次に、クライアント端末200のCPU210は、タッチパネル220への接触が検出されたか否か判断する(ステップS8)。CPU110は、タッチパネル220への接触が検出されないと判断すると(ステップ84;NO)、接触検出を継続する。一方、
図9(B)に示すように、ユーザの手Hの指にてタッチパネル220上のオブジェクトの画像Pに対して指などで圧力が加えられることにより、CPU210が、タッチパネル220への接触を検出した場合(ステップS8;YES)、加えられた接触の位置データを取得して、通信部295を介してサーバ装置100にその位置データを送信する(ステップS9)。圧力印加位置選択が標準設定である場合には、その旨のデータを送信する。また、その圧力データを取得して、通信部295を介してサーバ装置100そのデータを送信する(ステップS10)。
【0046】
サーバ装置100のCPU110は、通信部160よりクライアント端末200から位置データ、圧力データを受信すると、オブジェクトの画像に対するシミュレーションを実行して、その結果を通信部160により要求元のクライアント端末200に送信する(ステップS11)。また、サーバ装置100のCPU110は、硬さ基準オブジェクトの画像Sに対するシミュレーションを実行して、その結果を通信部160により要求元のクライアント端末200に送信する(ステップS12)。
【0047】
選択されたオブジェクトの画像Pに対するシミュレーションは以下のように行われる。サーバ装置100のCPU110は、先ず、材料特性テーブルT1を参照して、オブジェクトの画像Pと基準オブジェクトの画像Sに係る硬さデータを
図6に示す材料特性テーブルT1から取得する。
次に、圧力データ、その位置データ、圧力印加形状に基づいてオブジェクトの画像Pに対する変形シミュレーションを実施する。材料特性としては、材質T13または/および硬さデータT14(例えばヤング率等の弾性率)を用いることができる。
【0048】
ここで、シミュレーションには、サーバ処理プログラム152に含まれるシミュレーションプログラムが用いられる。
【0049】
次に、クライアント端末200のCPU210は、シミュレーション結果により、変形されたオブジェクトの画像PAを表示する(ステップS13)。
【0050】
次に、クライアント端末200のCPU210は、シミュレーション結果により、変形された硬さ基準オブジェクトの画像SAを表示する(ステップS14)。
【0051】
具体的には、クライアント端末200のCPU210は、
図9(C)に示すように、オブジェクトの画像と、硬さ基準オブジェクトの画像の双方に対してシミュレーション結果に係る変形された画像PA、SAを表示する。
【0052】
そして、次に、クライアント端末200のCPU210は、ステップS15において、画面に表示されたオブジェクトの画像に関してタッチパネル220上への接触を検出しないと(ステップS15;NO)、本処理を終了する。一方、ステップS15にて、接触を検出すると(ステップS15;YES)、ステップS9に移行し、ステップS9以降の処理を行うことで、位置データと圧力データを取り込み、サーバ装置100と通信しつつ、シミュレーションを継続する。このようにして、最初はユーザがオブジェクトの画像Pに対応してタッチパネル220上に指などで小さな圧力を加えると、サーバ装置100のCPU110は変形シミュレーションを行い、クライアント端末200の表示部225に変形画面が表示され、更に大きな圧力が加えられると、変形がさらに進行するように構成されている。
【0053】
以上のように、第1実施形態に係る情報処理システム1によれば、クライアント端末200と、クライアント端末200と通信ネットワークNを介してデータ送受信可能に接続されるサーバ装置100と、を備える情報処理システム1において、クライアント端末200は、タッチ入力機能を有する入力部221と、入力部221の下面に配置された表示部225と、を有するタッチパネル220と、タッチパネル220に加えられた圧力を検出する圧力検出手段としての圧力センサ部230を備え、クライアント端末のCPU210は、対象物体の画像を表示部225に表示し、クライアント端末200は、選択された対象物体に関する情報、および、タッチパネル220に加えられた圧力に関する情報をサーバ装置100に送信する端末側通信手段としての通信部295、を備え、サーバ装置100のCPU110は、画像制御手段として、圧力検出手段としての圧力センサ部230により検出された圧力に基づいて、表示部225に表示された対象物体の材料特性に応じた変形後の対象物体の画像を生成し、サーバ装置100は、その生成された変形後の対象物体の画像をクライアント端末200に送信するサーバ側通信手段としての通信部160を備え、クライアント端末200のCPU210は、表示制御手段として、サーバ装置100から送信された変形後の対象物体の画像を表示部225に表示する。
これにより、画像に係る対象物体に圧力を加えた場合に、その対象物体の材料特性に応じた変形を表現することができるので、ユーザは加えた圧力と対象物体の変形とを対応付けて認識することができることとなって、対象物体の材料特性を体感することができる。
【0054】
また、情報処理システム1によれば、表示制御手段としてのCPU210は、材料特性の基準を示す基準物体の画像を表示部225に表示し、画像制御手段としてのCPU110は、検出された圧力に基づいて、基準物体の材料特性に応じた変形後の前記基準物体の画像を生成し、表示制御手段としてのCPU210は、画像制御手段としてのCPU110により生成された変形後の基準物体の画像を表示部225に表示する。
これにより、対象物体の画像に加えられた圧力に基づいて、対象物体の画像が変形されると共に、基準物体の画像が変形されるので、基準物体を介して対象物体の硬さを擬似的に体感することができる。すなわち、基準物体に係る現物を手元で触って変形させ、シミュレーション結果と比較することで、対象物体の硬さを把握することができる。
【0055】
また、情報処理システム1によれば、サーバ装置100は、対象物体の材料特性を記憶する記憶手段としての材料特性記憶部154を備え、画像制御手段としてのCPU110は、対象物体の材料特性を材料特性記憶部154から取得し、圧力センサ部230により検出された圧力に基づいて、取得した対象物体の材料特性に応じて対象物体の変形をシミュレーションし、シミュレーションした結果に基づいて変形後の対象物体の画像を生成する。
したがって、圧力に応じた対象物体の変形を連続的に表現できることとなって、対象物体の材料特性をより確実に実感することができる。
【0056】
また、情報処理システム1によれば、タッチパネル220の入力部221は、圧力が加えられた対象物体の画像上の位置を検出し、画像制御手段としてのCPU110は、入力部221により検出された対象物体の画像上の位置に基づいて、変形後の対象物体の画像を生成する。
これにより、対象物体の画像における変形位置を任意に設定できることとなって、対象物体の材料特性をより確実に実感することができる。
【0057】
また、情報処理システム1によれば、対象物体の画像に対して圧力を加える際に、圧力が加わる範囲の形状を示す圧力印加形状を選択する選択手段としての、CPU210、圧力印加形状選択欄2251Bを表示する表示部225、入力部221を具備し、画像制御手段としてのCPU110は、その選択された圧力印加形状に基づいて、変形後の対象物体の画像を生成する。
これにより、圧力を加える際の形状を変更することができることとなって、対象物体の材料特性をより確実に実感することができる。
【0058】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る情報処理システム2について説明する。
第2実施形態に係る情報処理システム2は、以下に詳細に説明する以外の点で上記実施形態1の情報処理システム1と略同様の構成をなしている。よって、共通する構成部には対応する符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0059】
第2実施形態に係る情報処理システム2は、図示を省略するが、
図1のサーバ100と、クライアント端末300とを備え、それらの機器は通信ネットワークを介して接続されている。クライアント端末300は、その平面図は省略するが、
図10の概略断面図は、
図4と同じ場所の断面図である。クライアント端末300は、
図10に示すように、第1実施形態に係るクライアント端末200と同様、筐体290の第1の面部228、すなわち、クライアント端末300の表面側にタッチパネル220(入力部221および表示部225)および圧力センサ部230が設けられている。それに加えて、筐体290の第2の面部238、すなわち、装置の裏面側に第2入力部240および第2圧力センサ部250が設けられている。
【0060】
また、第2実施形態に係る情報処理システム2のクライアント端末300は、
図11に示すように、第1実施形態の情報処理システム1のクライアント端末200の構成に加え、第2入力部240と、第2入力部240に加えられた圧力を検出する第2圧力センサ部250と、を備える。また、プログラム記憶部281には、第2の端末処理プログラム283が記憶されている。ここで、第2圧力センサ部250は、前記第2入力部240に加えられた圧力を検出する第2圧力検出手段として機能する。
【0061】
次に、第2実施形態の情報処理システム2において実行される画像変形処理の動作について、
図12を参照して説明する。
第2実施形態における画像変形処理におけるクライアント端末200側の処理は、CPU210と記憶部280に記憶されている第2の端末処理プログラム283との協働により実行される。画像変形処理におけるサーバ装置100側の処理は、CPU110と記憶部150に記憶されているサーバ処理プログラム152との協働により実行される。
【0062】
情報処理システム2において実行される画像変形処理のフローチャートにおけるステップS21〜ステップS36は、情報処理システム1において実行される画像変形処理のフローチャートにおけるステップS1〜ステップS15に対応している処理である。以下、異なる処理を中心に説明する。
【0063】
先ず、ステップ23において表示される画像変形処理条件入力画面が、実施形態1におけるものと異なる。
画像変形処理条件入力画面2253には、
図13に示すように、画像選択欄2253Aと、硬さ基準オブジェクト選択欄2253Bと、実行ボタン2253Cとが表示されている。
【0064】
ステップS27では、クライアント端末300のCPU210は、
図14(A)、
図15(A)に示すように、表示部225にシミュレーション画面2254を表示する。
【0065】
次に、ステップS28にて、クライアント端末300のCPU210は、表裏の入力部への接触が検出されたか否か判断する。表裏の入力部とは、筺体290の第1の面部に設けられている入力部221、および、第1の面部の反対側の第2の面部に設けられている第2入力部240である。
クライアント端末300のCPU210は、表裏の入力部への接触が検出されないと判断すると(ステップS28;NO)、接触検出を継続する。一方、
図14(B)、
図15(B)に示すように、オブジェクトの画像Pが表示されているタッチパネル220の部分および対応する第2入力部240の部分に指などで圧力が加えられることにより、クライアント端末300のCPU210が、接触を検出したと判断した場合(ステップS28;YES)、加えられた表裏の入力部における接触の位置データを取得するともに、表裏の入力部のいずれか一方においてなぞる操作(ドラッグ操作)を検出した場合には、表裏の入力部での画面上をなぞる操作(ドラッグ操作)の操作量を取得し、通信部295を介してサーバ装置100にその位置データ等を送信する(ステップS29)。また、その表裏の入力部での圧力データを取得し、通信部295を介してサーバ装置100にその圧力データを送信する(ステップS30)。
【0066】
次に、ステップS31にて、CPU210は、ユーザにより行われた入力動作を判定する。具体的には、ステップS29にてなぞる操作(ドラッグ操作)の操作量が送信された場合には、CPU210は、その動作をひねり動作であると判定する。ひねり動作は、ねじり動作ともいう。一方、ステップS29にてなぞる操作(ドラッグ操作)の操作量が送信されなかった場合には、CPU210は、その動作をつまみ動作と判定する。
【0067】
図14は、シミュレーション画面2254において、ユーザが、ひねり動作を行う場合を示している。
図15は、シミュレーション画面2254において、ユーザが、つまみ動作を行う場合を示している。
図14(B)、
図15(B)は、タッチパネル220上のオブジェクトの画像Pに対して表裏の入力部を介して、ユーザの手Hの2本の指により圧力を加えている様子を示している。
図15(B)の例ではオブジェクトの画像Pの近傍に矢印が表示され、表裏の入力部への接触が検出されると、オブジェクト画像Pに対して矢印の方向に圧力が加えられたと見なされる。
【0068】
次に、クライアント端末300のCPU210は、サーバ装置100から受信したシミュレーション結果により、
図14(C)、
図15(C)に示すように、変形されたオブジェクトの画像PAおよび変形された硬さ基準オブジェクトの画像SAを表示する(ステップS34、ステップS35)。
【0069】
そして、次に、クライアント端末300のCPU210は、ステップS36において、画面に表示されたオブジェクトの画像に関して表裏の入力部への接触を検出しないと(ステップS36;NO)、本処理を終了する。一方、ステップS36にて、接触を検出すると(ステップS36;YES)、ステップS29に移行し、ステップS29以降の処理を行うことで、位置データ等と圧力データ等を取り込み、サーバ装置100と通信しつつ、シミュレーションを継続する。
【0070】
以上のように、第2実施形態に係る情報処理システム2によれば、クライアント端末300と、クライアント端末300と通信ネットワークNを介してデータ送受信可能に接続されるサーバ装置100と、を備える情報処理システム2において、第1実施形態に係る情報処理システム1の構成に加え、タッチパネル220が第1の面部228に配置される筺体290において、その第1の面部228と反対側の第2の面部238に配置され、タッチ入力機能を有する第2の入力部240と第2の入力部240に加えられた圧力を検出する第2圧力検出手段である第2圧力センサ部250を備え、
サーバ装置100の画像制御手段としてのCPU110は、圧力検出手段としての圧力センサ部230及び第2圧力検出手段としての第2圧力センサ部250により検出されたそれぞれの圧力に基づいて、変形後の対象物体の画像を生成する。
これにより、つまみ動作の入力が可能となり、その入力がされた場合に、その対象物体の材料特性に応じた変形を体感することができる。また、圧力データに加え位置データ、操作量を検出することで、ひねり動作(ねじり動作)の入力が可能となり、その入力がされた場合に、その対象物体の材料特性に応じた変形を体感することができる。
【0071】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係る情報処理装置400について
図16を参照して説明する。
【0072】
第3実施形態に係る情報処理装置400は、
図16に示すように、第1実施形態におけるサーバ装置100の機能と、クライアント端末200の機能を統合して構成されている。第3実施形態に係る情報処理装置400は、第1実施形態におけるクライアント端末200と略同様の構成をなしている。よって、情報処理装置400の平面図、概略断面図は
図3、
図4を援用し、
図16において、
図5と共通する構成部には対応する符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0073】
CPU210は、記憶部280に記憶されているシステムプログラムを読み出し、読み出したシステムプログラムをRAM270のワークエリアに展開し、該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU210は、記憶部280のプログラム記憶部281に記憶されている各種処理プログラムを読み出してワークエリアに展開して処理を実行する。
例えば、CPU210は、後述する画像変形処理を実行することで、表示制御手段、画像制御手段として機能する。
【0074】
情報処理装置400の記憶部280には、画像記憶部286、材料特性記憶部287が記憶されている。また、プログラム記憶部281には、第3の処理プログラム284が記憶されている。
ここで、材料特性記憶部287は、対象物体の材料特性を記憶する記憶手段として機能する。
【0075】
次に、第3実施形態の情報処理装置400において実行される画像変形処理の動作について、
図17を参照して説明する。かかる画像変形処理は、CPU210と記憶部280に記憶されている第3の処理プログラム284との協働により実行される。
【0076】
先ず、CPU210は、画像変形処理が開始されると、表示部225に画像変形処理条件入力画面2251を表示する(ステップS41)。
情報処理装置400の表示部225に表示される画像変形処理条件入力画面は、第1の実施形態における
図8の画像変形処理条件入力画面2251と同じである。
【0077】
次に、CPU210は、画像変形処理条件入力画面2251を介してユーザにより圧力印加形状、オブジェクトの画像等が選択されて実行ボタンが押下されると、圧力印加形状、オブジェクトの画像等を選択する(ステップS42)。ここで、CPU210、圧力印加形状選択欄2251Bを表示する表示部225、入力部221は、圧力が加わる範囲の形状を示す圧力印加形状を選択する選択手段として機能する。
【0078】
次に、CPU210は、シミュレーション画面を表示する(ステップS43)。
ステップS43において情報処理装置400の表示部225に表示されるシミュレーション画面は
図9に示すシミュレーション画面2252と同じである。
【0079】
次に、CPU210は、タッチパネル220への接触が検出されたか否か判断する(ステップS44)。CPU210は、タッチパネル220への接触が検出されないと判断すると(ステップS44;NO)、接触検出を継続する。一方、オブジェクトの画像Pが表示されているタッチパネル220上の部分に指などで圧力が加えられることにより、CPU210が、タッチパネル220への接触を検出した場合(ステップS44;YES)、加えられた接触の位置データを取得し(ステップS45)、その圧力データを取得する(ステップS46)。
【0080】
次に、CPU210は、選択されたオブジェクトの画像Pに対するシミュレーションを実施する(ステップS47)。
【0081】
次に、CPU210は、オブジェクトの画像Pに対する条件と同じ条件で硬さ基準オブジェクトの画像Sに対するシミュレーションを実施する(ステップS48)。
【0082】
次に、CPU210は、シミュレーション結果により、変形されたオブジェクトの画像PAを表示する(ステップS49)。
【0083】
次に、CPU210は、シミュレーション結果により、変形された硬さ基準オブジェクトの画像SAを表示する(ステップS50)。
【0084】
そして、CPU210は、ステップS51において、画面に表示されたオブジェクトの画像に関してタッチパネル220上への接触を検出しないと判断すると(ステップS51;NO)、本処理を終了する。一方、ステップS51にて、接触を検出したと判断すると(ステップS51;YES)、ステップS45に移行し、ステップS45以降の処理を行うことで、位置データと圧力データを取り込みながらシミュレーションを継続する。
【0085】
以上のように、第3実施形態に係る情報処理装置400は、タッチ入力機能を有する入力部221と、入力部221の下面に配置された表示部225と、を有するタッチパネル220と、タッチパネル220に加えられた圧力を検出する圧力検出手段としての圧力センサ部230、を備え、表示制御手段としてのCPU210は、対象物体の画像を表示部225に表示し、画像制御手段としてのCPU210は、検出された圧力に基づいて、表示部225に表示された対象物体の材料特性に応じた変形後の対象物体の画像を取得し、表示制御手段としてのCPU210は、その取得された変形後の対象物体の画像を表示部225に表示する。
これにより、画像に係る対象物体に圧力を加えた場合に、その対象物体の材料特性に応じた変形を表現することができるので、ユーザは加えた圧力と対象物体の変形とを対応付けて認識することができることとなって、対象物体の材料特性を体感することができる。
【0086】
また、表示制御手段としてのCPU210は、材料特性の基準を示す基準物体の画像を表示部225に表示し、画像制御手段としてのCPU210は、検出された圧力に基づいて、基準物体の材料特性に応じた変形後の基準物体の画像を取得し、表示制御手段としてのCPU210は、その取得された変形後の基準物体の画像を表示部225に表示する。
これにより、対象物体の画像に加えられた圧力に基づいて、対象物体の画像が変形されると共に、基準物体の画像が変形されるので、基準物体を介して対象物体の硬さを擬似的に体感することができる。すなわち、基準物体に係る現物を手元で触って変形させ、シミュレーション結果と比較することで、対象物体の硬さを把握することができる。
【0087】
また、情報処理装置400は、対象物体の材料特性を記憶する記憶手段としての材料特性記憶部287を備え、画像処理手段としてのCPU210は、対象物体の材料特性を材料特性記憶部287から取得し、検出された圧力に基づいて、取得した対象物体の材料特性に応じて対象物体の変形をシミュレーションし、シミュレーションした結果に基づいて変形後の対象物体の画像を生成して取得する。
したがって、圧力に応じた対象物体の変形を連続的に表現できることとなって、対象物体の材料特性をより確実に実感することができる。
【0088】
また、タッチパネル220の入力部221は、圧力が加えられた対象物体の画像上の位置を検出し、画像処理手段としてのCPU210は、入力部221により検出された対象物体の画像上の位置に基づいて、変形後の対象物体の画像を生成して取得する。
これにより、対象物体の画像における変形位置を任意に設定できることとなって、対象物体の材料特性をより確実に実感することができる。
【0089】
また、情報処理装置400は、対象物体の画像に対して圧力を加える際に、圧力が加わる範囲の形状を示す圧力印加形状を選択する選択手段としての、CPU210、圧力印加形状選択欄2251Bを表示する表示部225、入力部221を具備し、画像処理手段としてのCPU210は、その選択された圧力印加形状に基づいて、変形後の対象物体の画像を生成して取得する。
これにより、圧力を加える際の形状を変更することができることとなって、対象物体の材料特性をより確実に実感することができる。
【0090】
[第4実施形態]
次に本発明の第4実施形態に係る情報処理装置500について
図18を参照して説明する。
【0091】
第4実施形態に係る情報処理装置500は、
図18に示すように、第2実施形態におけるサーバ装置100の機能と、クライアント端末300の機能を統合して構成されている。第4実施形態に係る情報処理装置500は、第2実施形態のクライアント端末200と略同様の構成をなしている。よって、情報処理装置500の平面図、概略断面図は
図3、
図10を援用し、
図18において、
図11と共通する構成部には対応する符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0092】
CPU210は、記憶部280に記憶されているシステムプログラムを読み出し、読み出したシステムプログラムをRAM270のワークエリアに展開し、該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU210は、記憶部280のプログラム記憶部281に記憶されている各種処理プログラムを読み出してワークエリアに展開して処理を実行する。
例えば、CPU210は、後述する画像変形処理を実行することで、表示制御手段、画像制御手段として機能する。
【0093】
情報処理装置500の記憶部280には、画像記憶部286、材料特性記憶部287が記憶されている。また、プログラム記憶部281には、第4の処理プログラム285が記憶されている。
ここで、材料特性記憶部287は、対象物体の材料特性を記憶する記憶手段として機能する。
【0094】
次に、第4実施形態の情報処理装置500において実行される画像変形処理の動作について、
図19を参照して説明する。かかる、画像変形処理は、CPU210と記憶部280に記憶されている第4の処理プログラム285との協働により実行される。
【0095】
情報処理装置500において実行される画像変形処理のフローチャートにおけるステップS61〜ステップS72は、情報処理装置400において実行される画像変形処理のフローチャートにおけるステップS41〜ステップS51に対応している処理である。以下、異なる処理を中心に説明する。
【0096】
先ず、CPU210は、画像変形処理が開始されると、表示部225に画像変形処理条件入力画面を表示する(ステップS61)。情報処理装置500の表示部225に表示される画像変形処理条件入力画面は、第2の実施形態における
図13の画像変形処理条件入力画面2253と同じである。
【0097】
また、ステップS63において情報処理装置500の表示部225に表示されるシミュレーション画面は
図14、
図15に示すシミュレーション画面2254と同じである。
【0098】
ステップS64にて、CPU210は、表裏の入力部への接触が検出されたか否か判断する。表裏の入力部とは、筺体290の第1の面部に設けられている入力部221、および、第1の面部の反対側の第2の面部に設けられている第2入力部240である。
CPU210は、表裏の入力部への接触が検出されないと判断すると(ステップS64;NO)、接触検出を継続する。一方、オブジェクトの画像Pが表示されているタッチパネル220の部分および対応する第2入力部240の部分に指などで圧力が加えられることにより、CPU210が、接触を検出したと判断すると(ステップS64;YES)、加えられた表裏の入力部における接触の位置データを取得するともに、表裏の入力部のいずれか一方においてなぞる操作(ドラッグ操作)を検出した場合には、表裏の入力部での画面上をなぞる操作(ドラッグ操作)の操作量を取得する(ステップS65)。また、その表裏の入力部での圧力データを取得する(ステップS66)。
【0099】
次に、ステップS67にて、CPU210は、ユーザにより行われた入力動作を判定する。具体的には、ステップS65にてなぞる操作(ドラッグ操作)の操作量が送信された場合には、CPU210は、その動作をひねり動作であると判定する。ひねり動作は、ねじり動作ともいう。一方、ステップS65にてなぞる操作(ドラッグ操作)の操作量が送信されなかった場合には、CPU210は、その動作をつまみ動作と判定する。
【0100】
ステップS70、S71にてCPU210は、変形されたオブジェクトの画像PAおよび変形された硬さ基準オブジェクトの画像SAを表示する。
【0101】
そして、CPU210は、ステップS72において、画面に表示されたオブジェクトの画像に関して表裏の入力部への接触を検出しないと判断すると(ステップS72;NO)、本処理を終了する。一方、ステップS72にて、接触を検出したと判断すると(ステップS72;YES)、ステップS65に移行し、ステップS65以降の処理を行うことで、位置データ等と圧力データを取り込み、シミュレーションを継続する。
【0102】
以上のように、第4実施形態に係る情報処理装置500によれば、第3実施形態に係る情報処理装置400の構成に加え、タッチパネル220が第1の面部228に配置される筺体290において、その第1の面部228と反対側の第2の面部238に配置され、タッチ入力機能を有する第2の入力部240と第2の入力部240に加えられた圧力を検出する第2圧力検出手段である第2圧力センサ部250を備え、画像制御手段としてのCPU210は、圧力検出手段としての圧力センサ部230及び第2圧力検出手段としての第2圧力センサ部250により検出されたそれぞれの圧力に基づいて変形後の対象物体の画像を生成する。
これにより、つまみ動作の入力が可能となり、その入力がされた場合に、その対象物体の材料特性に応じた変形を体感することができる。また、圧力データに加え位置データ、操作量を検出することで、ひねり動作(ねじり動作)の入力が可能となり、その入力がされた場合に、その対象物体の材料特性に応じた変形を体感することができる。
【0103】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。たとえば、本実施形態において、画像制御手段が変形された画像を生成する例として、所定の圧力印加条件に基づいて、その都度シミュレーションを行い変形後の対象物体の画像を生成する構成を示している。これに対して、複数の圧力印加条件に対応してあらかじめ段階的に変形された複数画像データを用意しておき、入力された圧力印加条件に近い画像を採用して変形された画像とするように構成することができる。具体的には、圧力印加形状、圧力印加位置、圧力等を変化させた複数の条件に対する変形されたオブジェクトの画像Pと硬さ基準オブジェクトの画像Sを予め用意しておく。そして、取得した圧力データ等に近い条件の画像を選択して、オブジェクトの画像Pおよび硬さ基準オブジェクトの変形された画像を表示することができる。このような画像の生成も、本願の請求項1、請求項7における画像の生成に含まれる。
これによって、応力印加条件に基づいて、その都度シミュレーションを行う場合に比べて簡易に処理することができ、処理時間も短くすることができる。
また、硬さ基準オブジェクトの選択は、ユーザが任意に指定できる構成としたが、複数の硬さ基準オブジェクトの中から対象物体の材料特性により近い硬さ基準オブジェクトを自動的に選択する構成であってもよい。このように構成することで、対象物体の材料特性をより確実に実感することができる。
【0104】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記]
<請求項1>
タッチ入力機能を有する入力部と、前記入力部の下面に配置された表示部と、を有するタッチパネルと、
対象物体の画像を前記表示部に表示する表示制御手段と、
前記タッチパネルに加えられた圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段により検出された圧力に基づいて、前記表示部に表示された前記対象物体の材料特性に応じた変形後の前記対象物体の画像を生成する画像制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記画像制御手段により生成された変形後の前記対象物体の画像を前記表示部に表示することを特徴とする情報処理装置。
<請求項2>
前記表示制御手段は、材料特性の基準を示す基準物体の画像を前記表示部に表示し、
前記画像制御手段は、前記圧力検出手段により検出された圧力に基づいて、前記基準物体の材料特性に応じた変形後の前記基準物体の画像を生成し、
前記表示制御手段は、前記画像制御手段により生成された変形後の前記基準物体の画像を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
<請求項3>
対象物体の材料特性を記憶する記憶手段を備え、
前記画像制御手段は、
前記対象物体の材料特性を前記記憶手段から取得し、前記圧力検出手段により検出された圧力に基づいて、取得した前記対象物体の材料特性に応じて前記対象物体の変形をシミュレーションし、シミュレーションした結果に基づいて変形後の前記対象物体の画像を生成することを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
<請求項4>
前記入力部は、圧力が加えられた対象物体の画像上の位置を検出し、
前記画像制御手段は、前記入力部により検出された対象物体の画像上の位置に基づいて、変形後の前記対象物体の画像を生成することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
<請求項5>
前記対象物体の画像に対して圧力を加える際に、圧力が加わる範囲の形状を示す圧力印加形状を選択する選択手段を具備し、
前記画像制御手段は、前記選択手段により選択された圧力印加形状に基づいて、変形後の前記対象物体の画像を生成することを特徴とする請求項3又は4に記載の情報処理装置。
<請求項6>
前記タッチパネルが第1の面部に配置される筺体と、
前記筺体の前記第1の面部と反対側の第2の面部に配置され、タッチ入力機能を有する第2の入力部と前記第2の入力部に加えられた圧力を検出する第2圧力検出手段と、を有し、
前記画像制御手段は、前記圧力検出手段及び前記第2圧力検出手段により検出されたそれぞれの圧力に基づく前記対象物体の変形後の画像を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
<請求項7>
クライアント端末と、前記クライアント端末と通信ネットワークを介してデータ送受信可能に接続されるサーバ装置と、を備える情報処理システムにおいて、
前記クライアント端末は、
タッチ入力機能を有する入力部と、前記入力部の下面に配置された表示部と、を有するタッチパネルと、
前記タッチパネルに加えられた圧力を検出する圧力検出手段と、
対象物体の画像を前記表示部に表示する表示制御手段と、
前記対象物体に関する情報、および、前記タッチパネルに加えられた圧力に関する情報を前記サーバ装置に送信する端末側通信手段と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記圧力検出手段により検出された圧力に基づいて、前記表示部に表示された前記対象物体の材料特性に応じた変形後の前記対象物体の画像を生成する画像制御手段と、
前記画像制御手段により生成された変形後の前記対象物体の画像をクライアント端末に送信するサーバ側通信手段と、を備え、
前記クライアント端末の前記表示制御手段は、前記サーバ装置から送信された変形後の前記対象物体の画像を前記表示部に表示する、 ことを特徴とする情報処理システム。
<請求項8>
前記表示制御手段は、材料特性の基準を示す基準物体の画像を前記表示部に表示し、
前記画像制御手段は、前記圧力検出手段により検出された圧力に基づいて、前記基準物体の材料特性に応じた変形後の前記基準物体の画像を生成し、
前記表示制御手段は、前記画像制御手段により生成された変形後の前記基準物体の画像を前記表示部に表示することを特徴とする請求項7記載の情報処理システム。
<請求項9>
前記サーバ装置は、
対象物体の材料特性を記憶する記憶手段を備え、
前記画像制御手段は、
前記対象物体の材料特性を前記記憶手段から取得し、前記圧力検出手段により検出された圧力に基づいて、取得した前記対象物体の材料特性に応じて前記対象物体の変形をシミュレーションし、シミュレーションした結果に基づいて変形後の前記対象物体の画像を生成することを特徴とする請求項7又は8記載の情報処理システム。
<請求項10>
前記入力部は、圧力が加えられた対象物体の画像上の位置を検出し、
前記画像制御手段は、前記入力部により検出された対象物体の画像上の位置に基づいて、変形後の前記対象物体の画像を生成することを特徴とする請求項9に記載の情報処理システム。
<請求項11>
前記クライアント端末は、
前記対象物体の画像に対して圧力を加える際に、圧力が加わる範囲の形状を示す圧力印加形状を選択する選択手段を具備し、
前記画像制御手段は、前記選択手段により選択された圧力印加形状に基づいて、変形後の前記対象物体の画像を生成することを特徴とする請求項9又は10に記載の情報処理システム。
<請求項12>
前記クライアント端末は、
前記タッチパネルが第1の面部に配置される筺体と、
前記筺体の前記第1の面部と反対側の第2の面部に配置され、タッチ入力機能を有する第2の入力部と前記第2の入力部に加えられた圧力を検出する第2圧力検出手段と、を有し、
前記画像制御手段は、前記圧力検出手段及び前記第2圧力検出手段により検出されたそれぞれの圧力に基づいて、変形後の前記対象物体の画像を生成することを特徴とする請求項7または8に記載の情報処理システム。
<請求項13>
タッチ入力機能を有する入力部と、前記入力部の下面に配置された表示部と、を有するタッチパネルと、
前記タッチパネルに加えられた圧力を検出する圧力検出手段と、
を備えた情報処理装置のコンピュータを、
対象物体の画像を前記表示部に表示する表示制御手段、
前記圧力検出手段により検出された圧力に基づいて、前記表示部に表示された前記対象物体の材料特性に応じた変形後の前記対象物体の画像を生成する画像制御手段、
として機能するためのプログラムであって、
前記表示制御手段は、前記画像制御手段により生成された変形後の前記対象物体の画像を前記表示部に表示するプログラム。