特許第6315228号(P6315228)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6315228投影装置、支持板、及び、投影装置の投影方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6315228
(24)【登録日】2018年4月6日
(45)【発行日】2018年4月25日
(54)【発明の名称】投影装置、支持板、及び、投影装置の投影方法
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20180416BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20180416BHJP
【FI】
   G03B21/14 E
   H04N5/74 E
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-112815(P2013-112815)
(22)【出願日】2013年5月29日
(65)【公開番号】特開2014-232199(P2014-232199A)
(43)【公開日】2014年12月11日
【審査請求日】2016年5月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092646
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 清
(74)【代理人】
【識別番号】100083769
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100083002
【弁理士】
【氏名又は名称】伊丹 辰男
(72)【発明者】
【氏名】小川 教輔
【審査官】 小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第202812669(CN,U)
【文献】 特開2013−050478(JP,A)
【文献】 特開2008−033130(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0309229(US,A1)
【文献】 特開2008−113074(JP,A)
【文献】 特開2005−338236(JP,A)
【文献】 特開2008−250283(JP,A)
【文献】 特開2009−210821(JP,A)
【文献】 実開平03−098434(JP,U)
【文献】 特開2005−093629(JP,A)
【文献】 特開2006−237353(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0308251(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 21/00−21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影部を含み、複数の面からなる多面体の本体部と、
前記本体部の前記複数の面のうち第1の面と略同じ大きさで当該第1の面に着脱自在な支持板と、
を備え、
前記支持板は、
前記第1の面が磁力により固定される第1の固定部と、
略中央部に前記第1の面より小さい前記複数の面のうちの第2の面が固定される第2の固定部を有し、
前記本体部が前記第2の面を底面として前記支持板に設置される時に、前記本体部の前記第2の面が機構的な係合により前記支持板の前記第2の固定部に固定されて、前記本体部が自立することを特徴とする投影装置。
【請求項2】
前記支持板は、前記本体部の傾き調整用の調整部を有することを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【請求項3】
前記支持板と、前記本体部の前記第1の面と、の両面に相互に吸着する磁石を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の投影装置。
【請求項4】
前記支持板は、前記投影装置を使用していない収納時に、前記本体部の前記第1の面と磁力により着脱自在に保持されることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の投影装置。
【請求項5】
前記支持板は、本体部を遠隔操作するリモートコントローラの収納部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の投影装置。
【請求項6】
装置本体の複数の面のうち第1の面と略同じ大きさとされて当該第1の面に着脱自在とされる支持板であって、
当該支持板は、
前記第1の面が磁力により固定される第1の固定部と、
略中央に前記装置本体の前記第1の面より小さい前記複数の面のうちの第2の面が固定される第2の固定部を有し、
前記装置本体が前記第2の面を底面として設置されるときに、前記第2の面が機構的な係合により前記第2の固定部に固定可能とされて前記装置本体を立てるように保持可能とすることを特徴とする支持板。
【請求項7】
前記支持板は、略矩形の板状とされ、少なくとも当該支持板の1辺の両端近傍には、当該支持板の水平度を調整可能とする調整部を有することを特徴とする請求項6に記載の支持板。
【請求項8】
前記支持板は、高さ調整ねじを備えた脚部を前記調整部として有することを特徴とする請求項7に記載の支持板。
【請求項9】
前記調整部は、前記支持板の四隅近傍に設けられていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の支持板。
【請求項10】
前記支持板は、前記装置本体である装置を遠隔操作するためのリモートコントローラを収納する収納部を備えることを特徴とする請求項6乃至請求項9の何れかに記載の支持板。
【請求項11】
前記収納部は、前記リモートコントローラの略全体を収納可能な袋状に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の支持板。
【請求項12】
複数の面からなる多面体の本体部と、前記本体部の前記複数の面のうち第1の面と略同じ大きさで当該第1の面に着脱自在の支持板と、を備え、
前記本体部は、投影部を含み、
前記支持板は、
前記第1の面が磁力により固定される第1の固定部と、
略中央部に前記第1の面より小さい前記複数の面のうちの第2の面が固定される第2の固定部を有する、投影装置の投影方法であって、
前記支持板の前記第1の固定部から前記本体部を外す工程と、
前記支持板の略中央部の前記第2の固定部に、前記本体部の前記第1の面より小さい前記複数の面のうちの第2の面を機構的な係合により固定する工程と、
前記支持板を下にして設置して投影する工程と
を含むことを特徴とする投影装置の投影方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型の投影装置に関し、具体的には、机の上に置いて机上をスクリーンとすることを可能とする投影装置、該装置の支持板、及び、投影装置の投影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、展示会や学会、会議等のプレゼンテーションに、あるいはホームシアター等にプロジェクタが用いられている。近年では、店頭広告などにもプロジェクタの使用用途が広がっている。プロジェクタを用いると、ディスプレイなどの直視型表示装置よりも大画面表示が容易であるため、より多人数に対して同じ画像を見せることが可能であり利便性が高い。
【0003】
近年では、高品質な投写画像を求める市場要求に対して、様々な開発がなされている。また、プロジェクタの設置状態は、設置環境や用途に合わせてより制限のないものになりつつある。最近では、携帯が容易であって、机などに載置して壁やスクリーン又は机上に画像を投写するタイプの小型プロジェクタも提案され、使用されている。
【0004】
そして、下記に示す特許文献1には、前記投写面に対する投影装置の設置状態を検出する検出手段と、検出された設置状態に応じて、映像光の状態を制御する制御手段と、を備え、検出手段が投影装置の設置状態を検出し、映像光の向き等を制御して、ユーザビリティの向上を図ったプロジェクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−158522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1のプロジェクタは、縦置きとしたときに載置状態が不安定な場合に倒れる虞があった。
【0007】
そこで、本発明は、上述したような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、縦置き時に横置き時と同様に安定させた状態とさせる投影装置、本体部を安定させる支持板、及び、投影装置による机上を投影面とする投影方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る投影装置は、投影部を含み、複数の面からなる多面体の本体部と、前記本体部の前記複数の面のうち第1の面と略同じ大きさで当該第1の面に着脱自在の支持板と、を備え、前記支持板は、前記第1の面が磁力により固定される第1の固定部と、略中央部に前記第1の面より小さい前記複数の面のうちの第2の面が固定される第2の固定部を有し、前記本体部が前記第2の面を底面として前記支持板に設置される時に、前記本体部の前記第2の面が機構的な係合により前記支持板の前記第2の固定部に固定されて、前記本体部が自立することを特徴とする。
【0009】
発明に係る支持板は、装置本体の複数の面のうち第1の面と略同じ大きさとされて当該第1の面に着脱自在とされる支持板であって、当該支持板は、前記第1の面が磁力により固定される第1の固定部と、略中央に前記装置本体の前記第1の面より小さい前記複数の面のうちの第2の面が固定される第2の固定部を有し、前記装置本体が前記第2の面を底面として設置されるときに、前記第2の面が機構的な係合により前記第2の固定部に固定可能とされて前記装置本体を立てるように保持可能とすることを特徴とする。
【0010】
発明に係る投影装置の投影方法は、複数の面からなる多面体の本体部と、前記本体部の前記複数の面のうち第1の面と略同じ大きさで当該第1の面に着脱自在の支持板と、を備え、前記本体部は、投影部を含み、前記支持板は、前記第1の面が磁力により固定される第1の固定部と、略中央部に前記第1の面より小さい前記複数の面のうちの第2の面が固定される第2の固定部を有する、投影装置の投影方法であって、前記支持板の前記第1の固定部から前記本体部を外す工程と、前記支持板の略中央部の前記第2の固定部に、前記本体部の前記第1の面より小さい前記複数の面のうちの第2の面を機構的な係合により固定する工程と、前記支持板を下にして設置して投影する工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、縦置き時に横置き時と同様に安定させた状態とさせる投影装置、本体部を安定させて立てることのできる支持板、及び、投影装置による机上などを投影面とする投影方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る投影装置の上方から見た外観斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る投影装置の下方から見た外観斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る投影装置の本体部を下方から見た外観斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る投影装置の支持板を上方から見た外観斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る投影装置の投光口蓋を開口したときの外観斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る投影装置により壁に投写したときの説明図である。
図7】本発明の実施形態に係る投影装置により机上に投写したときの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳説する。なお、本発明の投影装置として小型のプロジェクタ10を適用して説明する。図1は、プロジェクタ10の上方から見た外観斜視図であり、図2は、プロジェクタ10の下方から見た外観斜視図である。なお、本実施形態において、上下とはプロジェクタ10の載置状態に基づいて定義され、図1に示す横置きのプロジェクタ10であれば、投光口蓋21の有る面を上、逆側の面を下とし、縦置きでは、投光口蓋21が近い端面を上、投光口蓋21が遠い端面を下とする。そして、プロジェクタ10における前後とは、投光口蓋21を開口して映像光が投写される方向を前方とし、逆側の方向を後方とする。
【0014】
本発明のプロジェクタ10は、映像光を生成する光源及び投影光学系などを収納し、複数の面からなる多面体の筐体を備え、筐体の上部に設けられた投光口蓋21を開口することにより映像光を投写可能とするものである。また、プロジェクタ10は、内部に当該投影装置であるプロジェクタ10が横置き状態か縦置き状態かを検出する検出部と、検出された状態に応じて映像光の天地の向きを制御する制御部と、を備えるものである。
【0015】
このプロジェクタ10は、図1に示すように、A5乃至A4サイズ程度の厚肉立方体とされる小型のプロジェクタ10であって、本体部20と支持板100とからなる。略直方体形状とされたプロジェクタ10(本体部20)の側面には、図2に示すようにUSB端子やアナログRGB映像信号が入力される映像信号入力用のD−SUB端子等の入出力コネクタ部やリモートコントローラ受信部及び電源アダプタプラグ等の各種端子(群)60が設けられている。
【0016】
また、プロジェクタ10の側面には、光源による内部温度の上昇を軽減させるための吸気孔や排気孔が形成されており、その内部に冷却ファン等を配置している。また、投光口蓋21から離れた側面の両端に位置するプロジェクタ10の隅角部には、夫々直線状とされる溝状の凹部41を設けている。
【0017】
そして、横置き時のプロジェクタ10の上面には、斜め上方に開口可能として投写窓を露出させる上述した投光口蓋21や音声出力用のスピーカ70を配備している。更に、プロジェクタ10の内部には、スクリーンや壁又は机上に向けて映像光を投写させる複数のレンズから構成される投写レンズ群や非球面ミラーなどによる投影部を備えている。
【0018】
また、プロジェクタ10は、図2に示すように、底面に分離可能で本体部の上面や下面の面積と略同等な矩形薄板状の支持板100を備える。支持板100は、硬質で平板状とされており、本体を横置き又は縦置き状態として支持する部材である。そして、支持板100は、四隅に本体の投写傾き調整用の調整部であり夫々に高さ調整を可能として円形の接地面が湾曲面となっている弾性材からなるチルトフット130を備える。また、支持板100には、側面からリモートコントローラ200を収納可能とする空間であるリモートコントローラ収納部120を設けている。
【0019】
このリモートコントローラ収納部120は、支持板100の側方に開口し、リモートコントローラ200の略全体を収納する袋状とされている。そして、リモートコントローラ収納部120は、内部に係止部を備えてリモートコントローラ200を挿入したとき、リモートコントローラ200を収納状態に固定する。また、開口から僅かに突出するリモートコントローラ200の側部を押し込むと、係止部による固定が外れると共に、バネによりリモートコントローラ200が僅かに押し出され、リモートコントローラ200の取り出しを可能とするものである。
【0020】
尚、図2では、高さ調整を可能とするチルトフット130は、支持板100の四隅にそれぞれ配置している例を示す。しかし、支持板100の一辺両端に各々チルトフット130を設けるようにチルトフット130を2個とする場合、又は、支持板100の一辺両端とこの一辺と対向する一辺の中間との3か所にチルトフット130を設けるようにチルトフット130を3個とする場合もある。
【0021】
そして、プロジェクタ10の本体部20は、底面に支持板100を容易に着脱自在で保持するようにすべく、例えば、図3に示すように、支持板100と対向する面の四隅の近傍に磁石31を設けるようにしている。そして、支持板100側にも、本体部20の底面30の対向する位置に対向する磁石を吸着する磁石131を設け、本体部20の磁石31と支持板100に設ける磁石131とを相互に吸着させ、本体部20と支持板100とを確実に一体とさせることができるようにしているものである。
【0022】
また、本体部20や支持板100の両者に磁石を設けるのではなく、何れか一方は、磁石により吸着される金属体プレートを配置するようにしても構わない。例えば、支持板100の磁石131により吸着される金属体プレートを本体部20の底面30の所定箇所又は全体に配置するか、本体部20の磁石31に対応する支持板100の所定個所又は全体に金属体プレートを配置するようにしても構わない。
【0023】
また、プロジェクタ10の本体部20の底面30には、支持板100と結合させるにあたって、位置合わせ可能なように半円棒状の凹凸をなす係合部35を設けている。この係合部35は、支持板100に固定部110として形成するプロジェクタ10の側面に合わせた窪みの両端位置に挿入され、本体部20の横置き時の底面30に支持板100を固定するに際し、プロジェクタ10の本体部20と支持板100との位置合わせを容易とするものである。
【0024】
なお、本体部20の底面30と支持板100の取り付けはマグネット式に限定されず、各々に爪部や凹凸等を設けて、機構的な係合により着脱自在に保持される方式としても構わない。
【0025】
支持板100は、図4に示すように、略中央に本体部20の横置き時における底面30と一辺が隣接して直交する第2の面を固定するための固定部110を有する。この第2の面は、本体部20の横置き時における底面30である第1の面より小さい本体部20の縦置き時における底面40(図1参照)となるものである。
【0026】
この固定部110は、上方から見て長方形の凹部とされており、短辺側の両壁面に縦置き時の本体部20を短辺側で固定させる係合突起111及び係合作動部112からなる機構的な構成を有し、本体部20が第2の面である側面を底面40として設置される時、第2の面を固定して本体部20を自立させるものである。
【0027】
係合突起111は、本体部20の縦置底面40の面取りされた短辺側の両端角部に設けた凹部41の内の片側の凹部41に係合し、縦置きの本体部20を支持板100の固定部110に自立させて保持させるための片側一方の突起である。
【0028】
係合作動部112は、縦置きの本体部20を支持板100の固定部110に自立させて保持させるための片側他方の突起であって、スライド式の操作レバー114の操作により作動可能とされ、弾性体により先端を固定部110の凹部内に突出させているものであり、本体部20の縦置底面40の面取りされた短辺側に設けた片側他方の凹部41にその先端で係合させるものである。
【0029】
従って、この係合突起111と係合作動部112とを備えた固定部110により、プロジェクタ10の本体部20における側面の隅角部に設けた凹部41の一方に係合突起111を位置させるようにして本体部20の一つの辺(隅角)を固定部110の短辺に位置決めし、本体部20の縦置き時の底面40とされる側面である第2の面を固定部110に挿入させるように本体部20を押し込むと、本体部20の側面における他方の凹部41を有する隅角が、隅角の面取りした丸味により係合作動部112を一旦押し込んで係合作動部112が他方の凹部41と係合され、本体部20を支持板100に立てて固定することができる。
【0030】
また、本体部20を支持板100から外すときは、まず、操作レバー114を操作して係合作動部112を凹部41から外すように係合作動部112の先端を固定部110とした凹部から引き込む。そして、係合作動部112から凹部41が外れ、本体部20の外れた側の隅角を持ち上げるように本体部20を傾け、他方の凹部41を係合突起111から外すようにして本体部20を持ち上げる。このようにして、本体部20を支持板100から容易に取り外すことができる。
【0031】
なお、固定部110は、縦置き状態とした本体部20を固定させるにあたって、矩形の凹部における短辺側の両壁面に機構的な構成を設けるものに限定されない。例えば、固定部110として、図4に示した本体部20の第2の面を収納する窪みとして形成した凹部内に磁石を設け、本体部20の縦置底面40の所定箇所には磁石により吸着される金属体プレート又は磁石を配置し、縦置底面40を凹部に挿入して本体部20の側面が不用意に外れないようにするようにしてもよい。
【0032】
そして、このプロジェクタ10は、横置きとして設置されて投光口蓋21を図5に示すように、開口することにより、壁やスクリーンに向けて映像光を投写することができる。
【0033】
プロジェクタ10は、主たる構成として、投写レンズ群と非球面ミラー51とからなる投影部と、表示素子としてのDMD(Digital Micromirror Device)と、DMDへ光を照射する照明部と、照明部を構成するLEDなどへ電源を供給するバッテリー等による電源部と、を備える。
【0034】
投影部は、投光口蓋内方に複数のレンズから構成される投写レンズ群と凹面の非球面ミラー51とから構成される光学系と映像光を出射する投写窓とを備える。
【0035】
投写レンズ群は、DMDにて変調された映像光を非球面ミラー51方向へと出射させ、非球面ミラー51は、投写レンズ群からの映像光を反射させて投写窓を介して外方に向けて照射する。そして、非球面ミラー51は、凹面レンズであって、映像光をスクリーンや壁面等に向けて拡大投写させるものである。
【0036】
即ち、図6に示すように、当該プロジェクタ10を机等の卓上に横置きとし、プロジェクタ10の近くの壁面やスクリーンに、例えば、最大60インチ程度まで拡大して投影することができる。
【0037】
そして、このプロジェクタ10では、DMDは、時分割で照射される青、緑、赤の光源光を、映像入力信号に応じて変調させるものである。また、プロジェクタ10は内部に、投影装置が横置き状態か縦置き状態かを検出する検出部と、検出された状態に応じて映像光の天地の向き、及び台形補正や歪みを抑止する制御を行う制御部と、を備えるものである。
【0038】
従って、図7に示すように、支持板100にプロジェクタ10の第2の面である側面を固定してプロジェクタ10を立てるように縦置き状態とし、卓上に、例えば、20インチ(WXGA相当)サイズ程度の画像として投影し、会議の資料などを卓上に表示することができる。
【0039】
このような構成とすることにより、プロジェクタ10は、横置き又は縦置きで設置されて投光口蓋21を斜めに開口することにより、壁やスクリーン又は机上に向けてユーザにとって見易い正常な天地の映像光を投写することとなる。
【0040】
そして、プロジェクタ10の縦置きでの投影方法は、支持板100を本体部20から外す工程と、支持板100の略中央の固定部110に、本体部20の第1の面より小さい複数の面のうちの第2の面を固定する工程と、縦置きで設置するにあたって支持板100を下にして設置して投影する工程と、を含み、実現させるものである。
【0041】
以上のように本実施形態であれば、縦置き時に横置き時と同様に安定させた状態とさせる投影装置、本体部を安定させる支持板、及び、投影装置による机上をスクリーンとする投影方法を提供することができる。
【0042】
なお、ここでは、プロジェクタ10の縦置き時に、机上等の設置面に投影する例で説明したが、光学系の仕様により、壁やスクリーンに投影するようにしてもよい。
【0043】
また、このプロジェクタ10は、横置き時のみでなく縦置き時にも安定して自立させられるとともに、支持板100の紛失を防止し、本体と一体で収納可能とし、形態を小型とすることができる。
【0044】
さらに、本実施形態であれば、支持板100に調整部としてのチルトフット130を設けることにより、横置き時と縦置き時に夫々投影角度を微小に調整する際、調整を容易とすることができる。
【0045】
そして、本実施形態であれば、本体部20の第1の面と支持板100の面積を同等としているため、第1の面に支持板100を取り付けたとき、その外観デザインを良好とし、且つ、マグネット式の着脱により、保持、取り外しが容易である。
【0046】
尚、第1の面や第2の面、支持板100の本体部20との接合面及び固定部110とする窪みの底面は、僅かに湾曲した状態とされる場合や凹凸を有することもある。尤も、第1の面である底面30や第2の面である縦置き時底面40が略平面形状である時、固定部110としては窪みである凹部を形成することなく、平坦面を本体部20との接合面とし、この平坦面に係合溝などの機械的結合部や磁石を設けることにより平坦面の中央に固定部110としての領域を形成することもある。
【0047】
また、本実施形態であれば、本体部20の第1の面と支持板100の両方の対向する面に磁石を設けることにより、本体部20と支持板100とを一体に接合する時、接合位置が相互に吸着する磁石によって定まると共に、接合状態の維持の信頼性を高めることができる。
【0048】
さらに、本実施形態であれば、本体の縦置き時に支持板100と本体部20の第1の面や第2の面とを機構的に結合させて確実に固定させることができる。
【0049】
また、縦置き時に支持板100と本体部20の第2の面とを磁力で結合させるようにすれば、プロジェクタ10の携帯時又は横置き使用時から縦置きとして使用する際の支持板100の取り外し取付けを容易に行うことができる。
【0050】
さらに、支持板100と本体部20の第2の面との両方に磁石を設けて結合させれば、さらに両者間の保持力を向上させることができる。
【0051】
そして、本実施形態であれば、横置き時での使用時又は、使用後の収納時にあたって、支持板100を本体部20の第1の面で確実に固定させておくことができるために、デザインをスッキリさせるとともに、支持板100を容易に固定させることができ、支持板100の紛失を防止することができる。
【0052】
そして、本実施形態であれば、支持板100を本体部20に結合させることができると共に、本体部20を遠隔操作するリモートコントローラも合わせて収納携帯することを可能とし、本体部20の使用後の整理を簡単とすることができる。
【0053】
さらに、本実施形態の支持板100は、縦置き時に本体部20を安定させる支持板100として本体部20の携帯時や収納時などに、本体の装置と一体として保管することができる。
【0054】
そして、本実施形態であれば、支持板100は、少なくとも支持板100の1辺の両端近傍に水平度を調整可能とする調整部を有することから、横置き時と縦置き時の両方の場面で、調整に利用することができる。
【0055】
また、本実施形態であれば、支持板100は、高さ調整ねじを備えた脚部を調整部として有することから、投影画像を見ながら容易に微調整することができる。
【0056】
さらに、本実施形態であれば、調整部が支持板100の四隅近傍に設けられていることから、調整しやすい構造とされている。
【0057】
また、本実施形態であれば、支持板100にリモートコントローラ収納部を有することから、付属品であるリモートコントローラの紛失を防止することができる。
【0058】
さらに、本実施形態であれば、リモートコントローラ収納部がリモートコントローラの略全体を収納可能な袋状に形成されていることから、不用意に操作ボタンが押下されることを防止することができる。
【0059】
そして、本実施形態であれば、縦置き時に横置き時に収容されていた支持板100を外して、その中央部の穴に本体部20を嵌めて安定させて、例えば、机上をスクリーンとする投影装置の投影方法を安全に提供することができる。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0061】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 投影部を含み、複数の面からなる多面体の本体部と、
前記本体部の前記複数の面のうち第1の面と略同じ大きさで当該第1の面に着脱自在な支持板と、
を備え、
前記支持板は略中央部に前記第1の面より小さい前記複数の面のうちの第2の面が固定される固定部を有し、
前記本体部が前記第2の面を底面として前記支持板に設置される時に、前記本体部の前記第2の面が前記支持板の前記固定部に固定されて、前記本体部が自立することを特徴とする投影装置。
[2] 前記支持板は、前記本体部の傾き調整用の調整部を有することを特徴とする前記[1]に記載の投影装置。
[3] 前記支持板は、前記本体部の前記第1の面と磁力により着脱自在に保持されることを特徴とする前記[1]又は前記[2]に記載の投影装置。
[4] 前記支持板と、前記本体部の前記第1の面と、の両面に相互に吸着する磁石を有することを特徴とする前記[3]に記載の投影装置。
[5] 前記支持板は、前記本体部の前記第1の面と機構的な係合により着脱自在に保持されることを特徴とする前記[1]乃至前記[4]の何れかに記載の投影装置。
[6] 前記支持板の固定部は、前記本体部の前記第2の面を機構的な係合により固定することを特徴とする前記[1]乃至前記[5]の何れかに記載の投影装置。
[7] 前記支持板の固定部は、前記本体部の前記第2の面を磁力により固定することを特徴とする前記[1]乃至前記[6]の何れかに記載の投影装置。
[8] 前記支持板の固定部と、前記第2の面と、の両面に相互に吸着する磁石を有することを特徴とする前記[7]に記載の投影装置。
[9] 前記本体部が前記第1の面を底面として設置される時に、前記支持板は、前記本体部に着けられた状態で設置されることを特徴とする前記[1]乃至前記[8]の何れかに記載の投影装置。
[10] 前記支持板は、本体部を遠隔操作するリモートコントローラの収納部を有することを特徴とする前記[1]乃至前記[9]の何れかに記載の投影装置。
[11] 装置本体の複数の面のうち第1の面と略同じ大きさとされて当該第1の面に着脱自在とされる支持板であって、
当該支持板は、略中央に前記装置本体の前記第1の面より小さい前記複数の面のうちの第2の面が固定される固定部を有し、
前記装置本体が前記第2の面を底面として設置されるときに、前記第2の面が前記固定部に固定可能とされて前記装置本体を立てるように保持可能とすることを特徴とする支持板。
[12] 前記支持板は、略矩形の板状とされ、少なくとも当該支持板の1辺の両端近傍には、当該支持板の水平度を調整可能とする調整部を有することを特徴とする前記[11]に記載の支持板。
[13] 前記支持板は、高さ調整ねじを備えた脚部を前記調整部として有することを特徴とする前記[12]に記載の支持板。
[14] 前記調整部は、前記支持板の四隅近傍に設けられていることを特徴とする前記[12]又は前記[13]に記載の支持板。
[15] 前記支持板は、前記装置本体である装置を遠隔操作するためのリモートコントローラを収納する収納部を備えることを特徴とする前記[11]乃至前記[14]の何れかに記載の支持板。
[16] 前記収納部は、前記リモートコントローラの略全体を収納可能な袋状に形成されていることを特徴とする前記[15に記載の支持板。
[17] 投影部を含み、複数の面からなる多面体の本体部と、前記本体部の前記複数の面のうち第1の面と略同じ大きさで当該第1の面に着脱自在の支持板と、を備える投影装置の投影方法であって、
前記支持板を前記本体部から外す工程と、
前記支持板の略中央部の固定部に、前記本体部の前記第1の面より小さい前記複数の面のうちの第2の面を固定する工程と、
前記支持板を下にして設置して投影する工程と
を含むことを特徴とする投影装置の投影方法。
【符号の説明】
【0062】
10 プロジェクタ
20 本体部 21 投光口蓋
30 底面 31 磁石
35 係合部
40 縦置底面 41 凹部
51 非球面ミラー 60 各種端子(群)
70 スピーカ
100 支持板 110 固定部
111 係合突起 112 係合作動部
114 操作レバー 115 係合部
120 リモートコントローラ収納部
130 チルトフット 200 リモートコントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7