(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6315280
(24)【登録日】2018年4月6日
(45)【発行日】2018年4月25日
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
F24F 13/20 20060101AFI20180416BHJP
H05K 7/14 20060101ALI20180416BHJP
H05K 7/00 20060101ALI20180416BHJP
F24F 1/20 20110101ALI20180416BHJP
H05K 1/14 20060101ALI20180416BHJP
【FI】
F24F1/00 401E
H05K7/14 G
H05K7/14 C
H05K7/00 H
F24F1/20
H05K1/14 G
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-16937(P2015-16937)
(22)【出願日】2015年1月30日
(65)【公開番号】特開2016-142428(P2016-142428A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2017年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100083194
【弁理士】
【氏名又は名称】長尾 常明
(72)【発明者】
【氏名】辻 康雅
【審査官】
河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−070791(JP,A)
【文献】
特開平08−285331(JP,A)
【文献】
特開2005−016741(JP,A)
【文献】
特開2011−191030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00−1/02,1/20−1/22,13/20
H05K 1/14,7/00,7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに向かい合う第1側壁と第2側壁および互いに向かい合う第3側壁と第4側壁で形成された側壁並びに底板を有し上面側が開放された直方体形状の筐体本体と、
前記筐体本体の前記側壁と前記底板で囲まれる空間を閉じる筐体蓋と、
前記筐体本体の前記底板に取り付けられたメイン基板と、
前記メイン基板における前記第2側壁の内側と前記第3側壁の内側の近傍の領域に搭載された電源端子台と、
前記メイン基板における前記第2側壁の内側と前記第4側壁の内側の近傍の領域に搭載された第1制御端子台と、
前記メイン基板における前記電源端子台と前記第1制御端子台との間で且つ前記第2側壁の近傍の領域に搭載された第2制御端子台と、
前記メイン基板における前記電源端子台と前記第1制御端子台と前記第2制御端子台とで囲まれる領域に搭載された基板固定具と、を備え、
前記基板固定具は操作部を有する操作基板が取り付けられる基板取付面を備え、該基板取付面は前記メイン基板から所定のスペースをあけて前記筐体蓋側に配置されている、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置において、
前記基板固定具には、前記基板取付面と前記メイン基板の間に前記所定のスペースを確保するための2個の脚部が、前記基板取付面の向かい合う一対の辺から折り曲げられて形成されていることを特徴とする制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の制御装置において、
前記メイン基板における前記基板固定具の前記基板取付面に対応する位置に、配線コードを配線するためのクランプが取り付けられていることを特徴とする制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の制御装置において、
前記操作部は、前記メイン基板からの高さが前記電源端子台の端子の前記メイン基板からの高さよりも高くなるように配置されていることを特徴とする制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機の制御装置として、電源部品や操作部等の電装部品を搭載するために電装品箱を用いた制御装置が使用される。この制御装置は正面からのアクセスが可能となるように構成される。例えば、正面からアクセス可能にした制御装置として特許文献1に記載がある。この制御装置は、製造コストの関係からできるだけ小型化する必要がある。このためには、その制御装置に搭載する電装部品の配置スペースを最小にする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−166116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、電装部品の配置スペースを最小にすると、各々の電装部品の間や、電装部品と外部とを接続するための配線コードの配線スペースも少なくなる。また、電装部品の配置スペースを最小にした際に、スイッチ等の人が操作する操作部が電源端子台の近くに配置されると、制御装置の正面からその操作部を操作する際の安全性が問題となる。
【0005】
本発明の目的は、電装部品の配置スペースを最小にしても配線コードの配線スペースを確保でき、また、人が操作する操作部が電源端子台の近くに配置されても操作部の操作時の安全性を確保できるようにした制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明の制御装置は、互いに向かい合う第1側壁と第2側壁および互いに向かい合う第3側壁と第4側壁で形成された側壁並びに底板を有し上面側が開放された直方体形状の筐体本体と、前記筐体本体の前記側壁と前記底板で囲まれる空間を閉じる筐体蓋と、前記筐体本体の前記底板に取り付けられたメイン基板と、前記メイン基板における前記第2側壁の内側と前記第3側壁の内側の近傍の領域に搭載された電源端子台と、前記メイン基板における前記第2側壁の内側と前記第4側壁の内側の近傍の領域に搭載された第1制御端子台と、前記メイン基板における前記電源端子台と前記第1制御端子台との間で且つ前記第
2側壁の近傍の領域に搭載された第2制御端子台と、前記メイン基板における前記電源端子台と前記第1制御端子台と前記第2制御端子台とで囲まれる領域に搭載された基板固定具と、を備え、前記基板固定具は操作部を有する操作基板が取り付けられる基板取付面を備え、該基板取付面は前記メイン基板から所定のスペースをあけて前記筐体蓋側に配置されている、ことを特徴とする。
【0007】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の制御装置において、前記基板固定具には、前記基板取付面と前記メイン基板の間に前記所定のスペースを確保するための2個の脚部が、前記基板取付面の向かい合う一対の辺から折り曲げられて形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の制御装置において、前記メイン基板における前記基板
固定具の前記基板取付面に対応する位置に、配線コードを配線するためのクランプが取り付けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の制御装置において、前記操作部は、前記メイン基板からの高さが前記電源端子台の端子の前記メイン基板からの高さよりも高くなるように配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電源端子台と第1制御端子台と第2制御端子台とで囲まれるメイン基板の領域に、操作基板の配置と配線コードの配線の両方を行うことが可能となり、電装部品の配置スペースを最小にしても配線コードの配線スペースを確保できる。
【0011】
また、配線コードの配線用のクランプを取り付けることで、その配線コードが基板固定具の脚部に当接することを防止でき、その配線コードの被覆が破損することを防止できる。
【0012】
また、操作基板の操作部のメイン基板からの高さが電源端子台の端子のメイン基板からの高さよりも高くなるように配置することで、操作部の操作時に電源端子台の端子に触れることを防止でき安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】本発明の実施例の基板固定具と操作基板の斜視図であって、(a)は左側斜視図、(b)は右側斜視図である。
【
図4】本発明の実施例の基板固定具と操作基板の平面図である。
【
図5】本発明の実施例の一部配線コード配線済の制御装置の平面図である。
【
図6】本発明の実施例の制御装置のメイン基板の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例の制御装置について説明する。
図1はその制御装置の平面図、
図2は正面図である。
【0015】
10は直方体形状で有底の板金製の筐体本体であり、第1側壁11、その第1側壁11と対向する第2側壁12、第1側壁11と第2側壁のそれぞれの一方(
図1では左側)の端部間を接続する第3側壁13、第1側壁11と第2側壁12のそれぞれの他方(
図1では右側)の端部間を接続する第4側壁14で形成される側壁15、およびその側壁15の底部に接続される底板16を備える。
【0016】
20は板金製の筐体蓋であり、筐体本体10の上面を覆うように筐体本体10に着脱自在に取り付けられる。
【0017】
30はメイン基板であり、筐体本体10の底板16に取り付けられる。このメイン基板30には、電源端子台40、第1制御端子台50、第2制御端子台60、操作部71を有する操作基板70が取り付けらる基板固定具80、電源基板90、制御基板100、電子部品110、電子部品120等が、それぞれ搭載される。
【0018】
電源端子台40は、電源コードが接続される端子41と電源コードを固定するバンド42を備え、第3側壁13と第2側壁12の内角近傍のメイン基板30の領域31に搭載される。
【0019】
第1制御端子台50は、下段端子51、中段端子52、上段端子53を備え、第2側壁12と第4側壁14の内角近傍のメイン基板30の領域32に搭載される。
【0020】
第2制御端子台60は、端子61、62を備え、電源端子台40と第1制御端子台50の間で、且つ第2側壁12に近いメイン基板30の領域33に搭載される。
【0021】
操作基板70が取り付けられる基板固定具80は、板金製であり、電源端子台40と第1制御端子台50と第2制御端子台60で囲まれるメイン基板30の領域34に搭載される。
【0022】
電源基板90は第1側壁11と第3側壁13の内角近傍のメイン基板30の領域35に、制御基板100は第1側壁11の近傍でメイン基板30の中央の領域36に、電子部品110は第1側壁11と第4側壁14の内角近傍のメイン基板30の領域37に、電子部品120は電第4側壁14の近傍で電子部品110と第1制御端子台50との間のメイン基板30の領域38に、それぞれ搭載される。
【0023】
基板固定具80は、
図3(a),(b)に示すように、長方形の平面である基板取付面81と、その基板取付面81の向かい合う一対の長辺81a,81bのうちの一方の長辺81aの端部から直角に折り曲げられて下方向に伸び先端に外側に折り曲げられた取付片82aを有する脚部82と、他方の長辺81bの中央から直角に折り曲げられて下方向に伸び先端に外側に折り曲げられた取付片83aを有する脚部83とで形成されている。脚部82,83は同じ長さで同じ向きに折り曲げられているが、その配置位置は基板取付面81に対して非対称になっている。
【0024】
上記した基板固定具80は、
図4に示すように、基板固定具80の取付片82a,83aをネジA1,A2によりメイン基板30に対して取り付けたとき、その基板固定具80の長手方向の一方の端80a(
図4では下端)が、メイン基板30に対してネジB1により同様に取り付けられた第2の制御端子台60の上端60aに近接した状態となるように、取り付けられる。なお、脚部82,83が非対称となっているので、この基板固定具80を上下反転してメイン基板30に取り付けることは、ねじ穴の位置が違うので取り付けられない。つまり、基板固定具80は
図4に示す姿勢以外ではメイン基板30に取り付けることができない。
【0025】
このようにして、基板固定具80は
図4で示す姿勢でのみメイン基板80に取り付けられ、その基板取付面81の上に操作基板70が取り付けられる。
【0026】
そして、
図2に示すように、基板固定具80の上に固定される操作基板70の操作部71のメイン基板30の上面からの高さH1が、電源端子台40のメイン基板30の上面からの高さH2よりも十分に高くなっている。例えば、H1=85mm、H2=52mmであり、その差分は33mmとなっている。
【0027】
このため、電源端子台40の端子41と操作部71の距離は、作業者が操作部71を操作する際に、電源端子台40の端子41に誤って触れるおそれのない距離となり、作業の安全性を確保することができる。
【0028】
ところで、上記したように、制御基板100は筐体本体10の第1側壁11の内側近傍のメイン基板30の領域36に搭載され、第2制御端子台60は筐体本体10の第2側壁12の内側近傍のメイン基板30の領域34に搭載されるので、
図5に示すように、制御基板100の端子101と第2制御端子台60の端子61の間を配線コード130で配線するとき、この配線の最短経路は、電源端子台40と第1制御端子台50との間のメイン基板30の領域34を通過する経路となる。この領域34には基板固定具80が配置されており、その基板固定具80の基板取付面81は脚部82,83によってメイン基板30の領域34から配線コード130が通せるだけの所定のスペースであるスペースSPをあけて上方(筐体蓋20側)に配置されている。よって、そのスペースSPに配線コード130を配線させることができる。
【0029】
このため、電源端子台40と第1制御端子台50との間に配線コード130を配線させるための特別なスペースを、メイン基板30の上に設ける必要がなくなる。つまり、電装部品の配置スペースを最小にしても、配線コード130の配線距離が最短の配線スペースを確保できる。
【0030】
ただ、基板固定具80は板金製であり、製造時にカットされたエッジが鋭利となっているので、脚部82,83のエッジに配線コード130の被覆が当たると、その被覆に傷が付き破損する恐れがある。
【0031】
そこで、本実施例では、
図5、
図6に示すように、基板固定具80の下面側のメイン基板30の領域34にクランプ140を配置し、配線コード130がそのクランプ140によって基板固定具80の脚部82,83の中央を通るようにガイドすることで、その配線コード130が基板固定具80の脚部82,83に当たることなくスペースSPを通過できるようにしている。150は配線コード130における他の部分をメイン基板30の上面に浮かせて配線させるための高足クランプである。
【0032】
以上から本実施例によれば、電源端子台40と第1制御端子台50と第2制御端子台60とで囲まれるメイン基板の領域34に搭載された基板固定具80を備え、その基板固定具80は操作基板70が取り付けられる基板取付面81を有し、その基板取付面81はメイン基板30からスペースSPを空けて上方に配置されているので、そのスペースSPに配線コード130を配線することができる。つまり、メイン基板30の領域34に、操作基板70の配置と配線コード130の配線の両方を行うことが可能となり、電装部品の配置スペースを最小にしても配線コードの配線スペースを確保できる。
【0033】
また、基板固定具80の2個の脚部82,83を基板取付面81に対して非対称の位置に形成することによって、基板取付具80を逆姿勢でメイン基板30に搭載することを防止できる。
【0034】
また、メイン基板30における基板取付面81に対応する領域34に配線コード130の配線用のクランプ140を取り付けることで、その配線コード130が基板固定具80の脚部82,83に当接することを防止でき、基板取付具80が板金製の場合にその配線コード130が破損されることを防止できる。
【0035】
また、操作基板70の操作部71のメイン基板30からの高さH1を、電源端子台40の端子41のメイン基板30からの高さH2よりも高くすることで、操作部71の操作時に電源端子台40の端子41に触れることを防止でき、安全性を高めることができる。
【符号の説明】
【0036】
10:筐体本体、11:第1側壁、12:第2側壁、13:第3側壁、14:第4側壁、15:側壁、16:底板
20:筐体蓋
30:メイン基板、31〜38:領域
40:電源端子台、41:端子
50:第1制御端子台、51:下段端子、52:中段端子、53:上段端子
60:第2制御端子台、61,62:端子
70:操作基板、71:操作部
80:基板固定具、81:基板取付面、82,83:脚部、82a,83a:取付片
90:電源基板
100:制御基板
110、120:電子部品
130:配線コード
140:クランプ
150:高足クランプ