(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
ハイブリッドアンプ/レギュレータアーキテクチャの例示の実施形態を説明する。このアーキテクチャは、レギュレートされた動的負荷電圧及び関連する負荷電流を、信号(動的)帯域幅によって特徴付けられる動的負荷に供給するスイッチトモードアシストリニア(SMAL)レギュレータとして実装される。SMALレギュレータの実施形態は、負荷に結合される供給ノードにおいて(リニア)アンプに結合されるスイッチトモードコンバータ(スイッチトコンバータ又はスイッチャ)を含む。SMALアンプ/レギュレータは、動的負荷の信号帯域幅より狭くし得る信号経路帯域幅に対して構成され、この信号経路帯域幅によって特徴付けられる。また、SMALアンプ/レギュレータは、レギュレートされた(動的な)負荷電圧をリニアアンプが設定するように構成され、スイッチトコンバータ(信号経路帯域幅より狭いスイッチャ帯域幅によって特徴付けられる)は低周波数負荷電流を供給し、一方、(高帯域幅の)リニアアンプはスイッチトコンバータによって供給されない負荷電流を供給する。SMALレギュレータの例示実施形態を、RFパワーアンプ(PA)のためのエンベロープ変調(追従)電源としての例示応用例の文脈で説明する。エンベロープ変調及びエンベロープ追従という用語は交換可能に用いられる。
【0020】
SMALレギュレータの実施形態が、カップリングコンデンサを介して供給ノードに結合されるアンプを備えて構成され、容量性充電制御を用いたACカップリングを実装する。ここで、(a)アンプ回路は、動的入力信号に応答して、対応するレギュレートされた負荷電圧を信号経路帯域幅に基づいて供給し、(b)スイッチャ回路は、信号経路帯域幅より狭いスイッチャ帯域幅を有するスイッチング制御信号に応答して、スイッチャ負荷電流をスイッチャ帯域に基づいて供給し、(c)アンプ回路は、カップリングコンデンサを介して、スイッチャ負荷電流によって供給されない負荷電流に対応するアンプ負荷電流を供給する。スイッチャ回路は、(a)スイッチャ回路を制御してスイッチャ負荷電流を供給するスイッチング制御信号を提供するように構成される電流制御ループ、及び(b)カップリングコンデンサ両端の電圧と所定のDC平均カップリングコンデンサ電圧との差に対応するオフセットを電流制御ループに導入するように構成される入れ子充電制御ループを含み、(c)そのため、非ゼロオフセットに応答して、対応する調節されたスイッチング制御信号を電流制御ループが提供するようにする。調節されたスイッチング制御信号に応答して、スイッチャ回路は、対応する調節されたスイッチャ負荷電流を供給して、アンプ回路に、非ゼロオフセットに対応する非ゼロ平均を有する、調節されたアンプ負荷電流を出力させ、それによって、カップリングコンデンサ上の電圧を所定のDC平均カップリングコンデンサ電圧に調節する。他の実施形態では、SMALレギュレータは、(a)アンプ負荷電流を最小化するように、電流制御ループがスイッチャ負荷電流を最大にし得るように、(b)信号経路帯域幅を信号帯域幅より狭くし得るように、及び(c)電流制御ループが所定のヒステリシスウィンドウを用いるヒステリシス制御を実装し得るように構成され得、充電制御ループは、所定のカップリングコンデンサ電圧に対応するオフセットをヒステリシスウィンドウに導入するように構成される。
【0021】
SMALレギュレータの他の実装形態が、(リニア)アンプの出力インピーダンス帯域幅から信号経路帯域幅をデカップリングするように構成される。これら他の実施形態は下記構成を含む。(a)アンプ回路が、動的入力信号に応答して、対応するレギュレートされた負荷電圧を供給する。(b)スイッチャ回路が、信号経路帯域幅より狭いスイッチャ帯域幅を有するスイッチング制御信号に応答して、スイッチャ帯域幅に基づくスイッチャ負荷電流を供給する。(c)アンプ回路が、スイッチャ負荷電流によって供給されない負荷電流に対応するアンプ負荷電流を供給する。(d)アンプ回路が、第1及び第2のネガティブフィードバックループを備えて構成され、第1のフィードバックループが第2のフィードバックループより高速であるようにし、(i)第1のフィードバックループが、アンプの出力インピーダンス帯域幅を制御するように構成され、(ii)第2のフィードバックループが、出力インピーダンス帯域幅とは実質的に独立して信号経路帯域を制御するように構成される。
【0022】
1.RFエンベロープ変調
エンベロープ変調を用いるRFトランスミッタにおいて、PAに提供される供給電圧は、PAによって必要とされる出力電力変動に相応に追従するように動的に変調される。エンベロープ変調は、RF通信(例えば、モバイルハンドセットや基地局で用いられるものなど)に典型的な高いピーク対平均電力比(PAR)信号に対して大きな効率改善を提供する。
【0023】
図1Aは、RFパワーアンプ11と、概してRFIC(RF集積回路)と称するRFベースバンドサブシステム13とを含む、例示のRFトランスミッタシステム10の機能図である。RFIC13はベースバンド信号x(t)を生成し、ベースバンド信号x(t)は、RFにアップコンバート(15)され、PA(例えば、RFアンテナを駆動するためのもの)によって増幅される。
【0024】
エンベロープ変調器100が、RFIC13からのエンベロープ信号e(t)に応答して供給電圧を変調し、PA(PA供給レール)に電力を供給する。エンベロープ追従信号e(t)は、RFIC13によって決められるようなPAの出力電力変動/要件に追従する。すなわち、RFIC13は、ベースバンド信号を、エンベロープ(強度)情報を担持するエンベロープ追従信号e(t)と、位相情報を担持する定強度信号x(t)との2つの別個の経路に分割する。
e(t)=|s(t)| (1)
x(t)=s(t)/|s(t)| (2)
これら2つの信号はPAによって合成される。(1)の操作は非線形なので、s(t)が帯域幅制限されていても、エンベロープ信号e(t)は帯域制限されず、その結果、エンベロープ変調帯域幅は、典型的に、信号経路帯域幅よりかなり大きくなる。
【0025】
図1Bは、RFトランスミッタシステム10の代替の実施形態を図示し、RFIC13の後にローパスフィルタ17を含む。ローパスフィルタは、エンベロープ変調器100に入力されるエンベロープ信号e(t)の帯域幅を狭くするように構成され得る。ローパスフィルタによって導入されるレイテンシを補償するために、アップコンバージョン/ミキシング15の前に、符号調節19が用いられ得る。
【0026】
この代替実施形態は、エンベロープ変調器100を含む、RFトランスミッタシステム10の全体的な効率に関する設計トレードオフを表している。例えば、エンベロープ変調器100の帯域幅を狭めると(すなわち、エンベロープ変調器に入力されるエンベロープ追従信号e(t)の帯域幅を狭めると)、PA供給電圧の追従帯域幅が狭められるという点で或る種のPA効率が犠牲になるが、エンベロープ変調器の効率が改善されるという点で有利である。x(t)信号経路に符号調節を含めると、信号経路帯域幅が増大し、したがって、アップコンバータ/ミキサの帯域幅要件及びPAへの入力の帯域幅要件が広げられる。
【0027】
エンベロープ追従帯域幅を制限することの他の利点には、受信帯域ノイズの減少及びPA利得誤差の減少が含まれる。受信帯域ノイズは、RFトランシーバの受信帯域内のPAの出力において測定されるノイズである。エンベロープ追従帯域幅を狭めることによって、エンベロープ変調器が導入するノイズ及び/又は歪が小さくなり、受信帯域ノイズが低減される。PA利得誤差は、エンベロープ変調器を通したエンベロープ追従信号と実際のエンベロープ追従信号との差に比例し、エンベロープ追従帯域幅が狭められると、PA利得誤差が小さくなり、受信帯域ノイズが減少する。
【0028】
2.SMALレギュレータ、DCカップリングされる場合
図2は、レギュレートされた電力を負荷、すなわち、負荷電圧V
PA及び負荷電流I
PA、に提供するように構成されるSMALレギュレータ200の例示の実施形態を図示する。SMALレギュレータ200は、リニアアンプ210及びスイッチトモードコンバータ230を、電流供給源として構成される、関連するスイッチングコントローラ250とともに含む。リニアアンプ210とスイッチトモードコンバータ230は、電流加算出力ノードPA
OUT(パワーアンプの供給ピンに結合される)において並列に結合される。この例示の実施形態では、リニアアンプはノードPA
OUTにDC結合される。
【0029】
リニアアンプ段210は、動的入力電圧V
INに応答して動的負荷電圧V
PAを供給する。SMALレギュレータ200のための例示の一応用例は、RF PA(
図1A)のためのエンベロープ変調電源であり、動的入力電圧V
INが(RFICからの)エンベロープ追従信号であり、SMALレギュレータが、レギュレートされた動的負荷電圧V
PAと、必要とされる負荷電流I
PAとをPAに供給するようになっている。
【0030】
リニアアンプ210は、電圧をレギュレートするように構成され、PAに供給される動的負荷電圧V
PAを設定する。リニアアンプはまた、スイッチトコンバータ230によって供給されない、必要とされる負荷電流I
OPを供給する。SMALレギュレータ200は、スイッチトコンバータ230(電流供給)からの負荷電流I
SWを最大にするように構成され得、それによって、リニアアンプ210により供給される必要がある負荷電流I
OPを最小化する。この構成では、スイッチトコンバータの帯域幅が低いほど、スイッチトコンバータが供給する負荷電流I
SWの周波数が低くなり、リニアアンプの帯域幅が高いほど、リニアアンプが供給する負荷電流I
OPの周波数が高くなり、そのため、ノードPA
OUTにおけるI
SW+I
OPが、PAによって必要とされる負荷電流I
PAを供給する。
【0031】
リニアアンプ210の例示の実施形態を後述する(
図7A及び
図7B)。この実施形態は、SMALレギュレータ200のための信号経路帯域幅を確立するようにリニアアンプを構成すること、及び出力インピーダンス帯域幅の構成から信号経路帯域幅の構成をデカップリングすることを含む。信号経路帯域幅から出力インピーダンス帯域幅をデカップリングすることにより、信号経路帯域幅とは比較的独立して出力インピーダンス帯域幅が最大にされ得る。これは、リニアアンプ210が、スイッチトコンバータ230によって生成されるスイッチングノイズ及びリップルを排除するように構成され得るので、より高い周波数の負荷電流(I
OP)を供給することに加えて、重要な利点である。
【0032】
スイッチトコンバータ230の例示の実施形態は、電流供給/源として構成される降圧型コンバータとして実装される。スイッチトコンバータ230は、降圧インダクタ231を含むが、従来の降圧型電圧レギュレータの出力コンデンサは含まない。実際には、リニアアンプ210が従来の降圧出力コンデンサに取って代わる。この例示コンバータのトポロジは設計上の選択であり、スイッチトコンバータの代替の実装形態が、ブースト、降圧ブースト、及びフライバックを含む。
【0033】
従来の降圧型コンバータ設計によれば、制御型変調器回路233が、降圧スイッチ(FET)M1/M2のためのゲートドライバ235を制御する。スイッチングコントローラ250が、スイッチトコンバータ230のスイッチングデューティサイクルを制御するように構成される。
【0034】
スイッチングコントローラ250は、ヒステリシス電圧コンパレータ251を備えて実装される。コンパレータ251の一方の入力は、リニアアンプ210によって供給される負荷電流I
OPから導出され、他方の入力は、所定のオフセットV
OFFSETである。図に示すように、リニアアンプからのI
OP/Nは、レジスタ255によって電圧に変換され、ローパスフィルタリング(257)されてスイッチング周波数が低くなる。例示の実施形態では、I
OP/Nはリニアアンプ210のN個の出力トランジスタの1つによって提供され、そのため、リニアアンプによって供給される負荷電流I
OPは、N個の出力トランジスタのうちのN−1個によって形成される。
【0035】
スイッチングコントローラ250は、PAに電力を供給する際のSMALレギュレータ200の効率を最適化するように構成され得る。これは、典型的に、負荷電流I
PAのうち、(帯域幅制限の影響を受ける)スイッチトコンバータ230によって供給されるI
SW成分を最大にすること、及びそれに対応して、リニアアンプ210によって供給される必要がある負荷電流I
OP(及びしたがって、リニアアンプ内の電力消散)を最小にすることの結果である。すなわち、スイッチトコンバータ230によって供給/降下される電流I
SWが最大にされ、リニアアンプ210によって供給/降下される必要がある電流I
OPが最小にされて、高速だが効率の低いリニアアンプほど、動的負荷電流I
PAのうち、供給する成分I
OPの周波数が高くなり、一方、効率は高いが帯域幅が低いスイッチトコンバータほど、提供する成分I
SWの周波数が低くなるようにする。典型的に、この効率最適化は、コンパレータ251への入力V
OFFSETをゼロに設定することによる結果である。
【0036】
スイッチトコンバータ230の例示の降圧型実装では、主に、降圧型インダクタ231(インダクタンスLを有する)を介した電流の最大スルーレートによって帯域幅が制限される。スルーレートは下記の式で与えられる。
増加スルーレート=(V
CC−V
PA)/L
減少スルーレート=−V
PA/L
リニアアンプ210は、必要とされる負荷電流I
PAとスイッチトコンバータ230によって供給される負荷電流I
SWとの間の差を動的に供給/降下させる。降圧インダクタのインダクタンスは設計トレードオフを表す。
【0037】
図3は、SMALレギュレータ200に関する例示波形を図示する。(a)上のグラフでは、リニアアンプによって設定されるようなPAの出力電力変動/要件に追従する負荷電圧V
PAの波形、(b)下のグラフでは、関連する負荷電流I
PA=(I
SW+I
OP)の波形を、スイッチトコンバータによって供給される低周波数負荷電流I
SWのグラフと、リニアアンプによって供給される必要がある高周波数負荷電流I
OPとの個別のグラフと共に、示す。負荷電流I
PAの動的要件及びスイッチトコンバータの帯域幅制限に基づいて、リニアアンプ及びスイッチトコンバータの両方が電流を供給及び降下させ得ることに留意されたい。
【0038】
図2を参照して、先に言及したように、SMALレギュレータ200及びリニアアンプ210は、スイッチトコンバータ230の帯域幅よりかなり高い信号経路帯域幅を備えて構成され得る。例えば、本開示に従ったSMALレギュレータの実装が、コンバータスイッチング周波数が1〜15MHzの範囲であり(受動構成要素及び信号特性に依存する)、20MHzの範囲の信号経路帯域幅に対して構成され得る。
【0039】
3.容量性充電制御を用いるACカップリング
図4、
図5A、
図5B、及び
図6は、リニアアンプがACカップリング(DCデカップリング)コンデンサC
ACを介してノードPA
OUTにAC結合される、SMALレギュレータの実施形態を図示する。各実施形態では、カップリングコンデンサC
ACは、リニアアンプの(外部)フィードバックループ内で、リニアアンプの出力とノードPA
OUTとの間で結合される。
【0040】
ACカップリングでは、所定のDC−平均電圧が、カップリングコンデンサC
AC上で維持され、リニアアンプは、SMALレギュレータによって供給される負荷電圧V
PA(供給ノードPA
OUT)のAC成分を供給する。リニアアンプによって供給される負荷電流I
OPは、カップリングコンデンサC
ACを介してノードPA
OUTに結合され、そのため、C
AC上の所定のDC−平均電圧を維持するために、カップリングコンデンサC
ACを通る定常状態平均電流をゼロにする。
【0041】
SMALレギュレータは、C
AC上の所定のDC−平均電圧を維持するためリニアアンプからカップリングコンデンサC
ACへの平均電流入力を制御するように構成され得る。(a)
図4、
図5A、及び
図5Bの例示の実施形態は、スイッチトモードコンバータ段が、リニアアンプの出力電流を効果的に制御するように負荷電流I
SWを制御する容量性充電制御ループを含む、SMALレギュレータを図示し、(b)
図6の代替の例示実施形態は、リニアアンプ段が充電制御トランジスタを含み、充電制御トランジスタが、関連する容量性充電制御を用いてリニアアンプからカップリングコンデンサへの電流出力を制御するように構成される、SMALレギュレータを図示する。
【0042】
例示の実施形態では、容量C
ACは比較的大きく(例えば、5〜10μFの範囲に)し得る。この構成では、カップリングコンデンサC
ACは、スイッチトコンバータからのスイッチングノイズ/リップルをフィルタリングするように設計されず、その代わりに、DC電圧レベルシフタとして動作し、出力電圧V
PAの所定のDC平均電圧を蓄積する。カップリングコンデンサC
AC上のDC平均電圧の所定のレベルは、或るレジスタから、又は1つ又は複数のレジスタからの計算により、設定され得る。
【0043】
図4は、リニアアンプ410がACカップリングコンデンサC
ACを介してノードPA
OUTにAC結合される、SMALレギュレータ400の例示の実施形態を図示する。スイッチトモードコンバータ430が、容量性充電制御を実施にするように構成されるV
CAC制御ループ455を含み、入れ子制御ループを備えたスイッチングコントローラ450を含む。
【0044】
機能的には、V
CAC制御ループ455は、スイッチトコンバータ430によって供給される負荷電流I
SWを制御するI
SW制御ループ(I
OP/N)にV
CACオフセットを導入する。V
CACオフセットに応答して、スイッチトコンバータ430は、リニアアンプ410がその出力電流I
LAを調節して非ゼロ平均にするように、負荷電流I
SWを相応に調節する。その結果、カップリングコンデンサC
AC上の電圧は、カップリングコンデンサC
ACを介してノードPA
OUTに至る平均電流に基づいて変化して、カップリングコンデンサC
ACを充電/放電してDC平均電圧V
CACを維持する。
【0045】
SMALレギュレータ400のAC結合された実施形態の設計を考察することにより、リニアアンプ410の供給電圧に対するDC平均電圧V
CACが確立される。図を見やすくするためにDC平均電圧V
CACを無視すると、SMALレギュレータ400は、信号のピークツーピーク振幅が供給電圧未満である限り、供給(例えば、バッテリ)電圧を上回る出力電圧を供給し得る。例えば、供給電圧2.5Vに対して、PA負荷電圧V
PAが2Vから3.6Vまで振れる場合、LA供給レールをブーストする必要はない。これは、信号のピークツーピーク振幅(この例では1.6V)が2.5Vの供給電圧未満であるためである(そして、供給電圧が適度の余裕をもって1.6Vを上回ったままである限り、このままである)。すなわち、AC結合された例示の実施形態では、LAにおける設計制約は、V
PP(ピークツーピーク)及びV
PA−DC(平均出力電圧V
PA)がいずれも供給電圧よりいくらかの余裕をもって小さくなければならないことである(いくつかの実施形態では、V
PA−DCはゼロボルトとなり得る)。そのため、AC結合により、リニアアンプ410の供給レールをブーストする必要なく最大PA負荷電圧V
PAを指定する際の設計の自由度が得られる。具体的には、V
PP及びV
PA−DCの制約が遵守される限り、V
PAが供給電圧より大きくなり得る。V
PAが制約される
図2に示す例示のDC結合実装と対比されたい。
【0046】
スイッチングコントローラ450は、スイッチトコンバータ(降圧型)430を、(a)リニアアンプ410によって供給される必要がある負荷電流I
OPを最小にする負荷電流I
SWを供給するための定常状態動作について、及び、(b)必要に応じて、I
SWを調節してリニアアンプに、必要とされる負荷電流I
OPを供給することに加えて、DC平均カップリングコンデンサ電圧V
CACを維持するようにカップリングコンデンサC
ACを充電/放電する非ゼロ平均出力電流I
LAを出力させることの両方について制御するように構成される。
【0047】
スイッチングコントローラ450は、I
SW/I
OPヒステリシスウィンドウを定義するヒステリシス電流コンパレータ451を含む。ヒステリシス電流コンパレータ451は、2つの制御(入れ子)ループ、即ち、(a)リニアアンプ410によって供給される負荷電流I
OPに対応するI
OP/Nに基づくI
SW制御ループ、及び(b)カップリングコンデンサC
ACの両端の電圧に基づくV
CAC制御ループ455、から導出される入力を受け取る。
図2を参照すると、V
CAC制御ループは、基本的に、ヒステリシス電圧コンパレータ251へのV
OFFSET入力に取って代わるものである。
【0048】
I
SW制御ループは、降圧型スイッチトコンバータを駆動して負荷電流I
SWを供給して、I
OP/N(I
SW/I
OPヒステリシスウィンドウ内のローパスフィルタリングによって平均化される)を維持することによって、リニアアンプからの負荷電流I
OPを最小にするように動作する。その結果、リニアアンプは、カップリングコンデンサC
ACを介して加算ノードPA
OUTに結合される(定常状態の)ゼロ平均出力電流I
LAを、リニアアンプ410によって供給される負荷電流I
OPとして出力する。
【0049】
V
CAC制御ループ455は、トランスコンダクタンス(gm)アンプ457を備えて実装される。V
CAC制御ループは、所定のカップリングコンデンサ電圧V
CACに対応して、I
SW/I
OPヒステリシスウィンドウにV
CAC充電制御オフセットを導入する。トランスコンダクタンス(gm)アンプ457は、ヒステリシスコンパレータ451に、V
CAC:gm*[V
PA−(V
LA+V
CAC)]と参照されるカップリングコンデンサC
ACの両端の電圧に比例する電流入力を提供する。すなわち、V
CAC制御ループによって導入されるV
CACオフセットは、(a)PA負荷電圧V
PAと、(b)リニアアンプ出力電圧V
LAに所定のカップリングコンデンサ電圧V
CACを加えたものである(V
LA+V
CAC)との差に対応する。これらの入力をローパスフィルタリングすることにより、高周波数共通モード排除に対する要件が緩和される。
【0050】
カップリングコンデンサC
AC上の電圧が所定のV
CACから逸脱すると、I
SW/I
OPヒステリシスウィンドウはオフセットされ(V
PA−(V
LA+V
CAC)は非ゼロである)て、I
SW制御ループが、スイッチトコンバータ430を駆動して負荷電流I
SWを出力させ、この負荷電流I
SWがリニアアンプに相応に非ゼロ平均電流I
LAを出力させるように動作するようにする。この非ゼロ平均電流I
LAは、カップリングコンデンサC
ACを介して負荷電流I
OPを提供することに加えて、V
CACまで、即ち、[V
PA−(V
LA+V
CAC)]がゼロになるまで、C
ACを充電/放電する。この時点で、入れ子のI
SW制御ループは、リニアアンプ410によって供給される必要がある負荷電流I
OPを最小にする負荷電流I
SWを供給するようにスイッチトコンバータ430を駆動するため定常状態動作を継続する。この定常状態動作(カップリングコンデンサC
ACの電圧がV
CAC)では、リニアアンプは、C
ACを介して加算ノードPA
OUTにゼロ平均電流I
LAを負荷電流I
OPとして出力する。
【0051】
例えば、I
SW/I
OPヒステリシスウィンドウが+50/−50mA(ゼロ平均電流I
LA)になるように、スイッチトコンバータ430が、リニアアンプ(LA)410によって提供される負荷電流I
OPが50mAより大きいとき電流を供給し、I
OPが50mA未満のとき電流を降下させると仮定する。V
PAのDC平均が(V
LA+V
CAC)を上回る場合、gmのオフセット電流に[V
PA−(V
LA+V
CAC)]を乗じたものが、ヒステリシスコンパレータに入力される。例えば、この電流が20mAである場合、新たなI
SW/I
OPヒステリシスウィンドウは+70/−30mAになり、新たなLA非ゼロ平均出力電流I
LAは約20mAになり、所定の電圧V
CACに達する(V
PA−(V
LA+V
CAC)がゼロになる)まで、カップリングコンデンサ上の電圧を増大するようにC
ACを徐々に充電する。
【0052】
図5A及び
図5Bはそれぞれ、高周波数応用例に適合された、ACカップリングを用いるSMALレギュレータ500の例示の代替実施形態及びSMALレギュレータ500のための等価回路を示す。リニアアンプ510が、カップリングコンデンサC
ACを介してノードPA
OUTにAC結合される。この実施形態では、スイッチトモードコンバータ530が、降圧インダクタ531に加えて、降圧出力コンデンサ532を含む降圧型電圧供給源として実装される。スイッチングコントローラ550が、降圧型コンバータ530に電圧制御を施し、降圧型コンバータ530は、負荷電流I
SWのため降圧型電圧供給を電流供給に変換する大出力インダクタ539を含む。スイッチングコントローラ550は、容量性充電制御を実現するように構成されるV
CAC制御ループ555を含む。
【0053】
機能的には、V
CAC制御ループ555は、スイッチトコンバータ530によって供給される負荷電流I
SWを制御するI
SW制御ループ(V
IN)にV
CACオフセットを導入する。V
CACオフセットに応答して、スイッチトコンバータ530は、負荷電流I
SWを相応に調節して、リニアアンプ510は、その出力電流I
LAを非ゼロ平均電流まで調節するようにする。その結果、カップリングコンデンサC
AC上の電圧は、カップリングコンデンサC
ACを介してノードPA
OUTに至る平均電流に基づいて変化し、DC平均電圧V
CACを維持するようにカップリングコンデンサC
ACを充電/放電する。
【0054】
スイッチングコントローラ550は、2つの信号入力、(a)目標電圧V
INに基づくI
SW制御信号であって、リニアアンプ510にも入力されるI
SW制御信号、及び、(b)カップリングコンデンC
ACの両端の電圧に基づくV
CAC制御ループ555からのV
CAC制御信号、を受け取るコンバイナ551を含む。
【0055】
I
SW制御信号の場合、目標電圧V
INは、ローパスフィルタ553によって平均化され、リニアアンプ510によって設定される負荷電圧V
PAに対応するI
SW制御入力をスイッチトコンバータ530に提供する。スイッチトコンバータ530へのI
SW制御入力は、降圧出力コンデンサ532上の供給電圧を制御するように動作して、その結果の、出力インダクタ539を通る負荷電流I
SWがリニアアンプに(定常状態の)ゼロ平均出力電流I
LAを出力させるようにする。出力電流I
LAは、リニアアンプ510によって供給される必要がある負荷電流I
OPとして、カップリングコンデンサC
ACを介して加算ノードPA
OUTに結合される。
【0056】
V
CAC制御ループ555は、電圧アンプ557及び後続の補償回路網559を備えて実装される。得られるV
CAC制御信号は、所定のカップリングコンデンサ電圧V
CACに対応するV
CAC充電制御オフセット信号を導入する。アンプ557からの出力は、V
CAC:[V
PA−(V
LA+V
CAC)]と参照されるC
ACの両端の電圧に比例する。すなわち、V
CAC制御ループによって導入されるV
CACオフセット制御信号は、(a)PA負荷電圧V
PAと、(b)リニアアンプ出力電圧V
LAに所定のカップリングコンデンサ電圧V
CACを加えたものである(V
LA+V
CAC)との差に対応する。これらの入力をローパスフィルタリングすることにより、高周波数共通モード排除に対する要件が緩和される。
【0057】
カップリングコンデンサC
AC上の電圧が所定のV
CACから逸脱すると、V
CAC制御ループ555からのV
CACオフセット制御信号[V
PA−(V
LA+V
CAC)]は非ゼロになる。得られるI
SW制御信号及びV
CACオフセット制御信号は、コンバイナ551によって合成され、スイッチトコンバータ530を駆動して負荷電流I
SWを調節し、それによって、リニアアンプ510に、[V
PA−(V
LA+V
CAC)]に対応する非ゼロ平均電流I
LAを出力させる。この非ゼロ平均電流I
LAは、負荷電流I
OPを提供することに加えて、V
CACまで、即ち、[V
PA−(V
LA+V
CAC)]がゼロになるまで、カップリングコンデンサC
ACを充電/放電する。この時点で、I
SW制御信号は(ローパスフィルタリングされた目標電圧V
INに対応して)、リニアアンプ510からの負荷電流I
OPを最小にする負荷電流I
SWを供給するようにスイッチトコンバータ530を駆動する際の定常状態動作を継続する。リニアアンプは、カップリングコンデンサC
ACを介して加算ノードPA
OUTに、負荷電流I
OPに対応するゼロ平均電流I
LAを出力する。
【0058】
図5Bは、
図5Aに示したSMALレギュレータ500の実施形態のAC等価回路を示す。
図5Bでは、スイッチトモードコンバータ(降圧型)530を電圧制御型電圧供給源に近似している。制御ループの伝達関数は下記によって与えられる。
【数1】
図5Bには、カップリングコンデンサC
ACのESRであるR
C(伝達関数ではCと表す)及びLのESLであるR
Lを除いて、すべての量が示されている。極及びゼロは、P1=0、P2=−RL/L、P3=−2πf3dB、P4=−1/C1R11、Z1=−1CRC、Z2=−1/(C1(R12+R11))である。例えば、(P2)100mΩのESR及び100μHのLと仮定すると、この極は160Hzに位置し得る。(P3)この極は、リニアアンプ電流によって生じるコンデンサCの両端のいかなる高周波数ノイズもフィルタリング除去するための付加的な自由度を提供する。(P4)この極は、リニアアンプ電流によって生じるコンデンサCの両端のいかなる高周波数ノイズもフィルタリングして除去するための付加的な自由度を提供する。(Z1)20mΩのESR及び50μFのCと仮定すると、このゼロは166Hz(極めて高い周波数極)に位置し得る。(Z2)このゼロは、ループを安定化させるように及び位相マージンを大きくするように設定され得る。
【0059】
図6は、容量性充電制御がリニアアンプ段において実装される、ACカップリングを用いる代替のSMALレギュレータアーキテクチャ600の例示の実施形態を示す。具体的には、リニアアンプ段610が、V
CAC(充電)制御トランジスタM3及び関連するV
CAC制御回路660を含む。この例示の実施形態では、V
CAC制御トランジスタM3は、容量性充電制御を提供するように線形領域で動作する動作モードトランジスタである。本開示の主題ではない別の動作モードにおいて、V
CAC制御トランジスタM3は、カップリングコンデンサを(リニアアンプをイナクティブにして)接地するように用いられる。
【0060】
SMALレギュレータ600は、降圧型電流供給として実装されるスイッチトコンバータ630を含む。降圧型スイッチトコンバータ630は、降圧インダクタ631を介してノードPA
OUTに結合される。
【0061】
スイッチングコントローラ650が、リニアアンプ610によって供給される必要がある負荷電流I
OPを最小にする負荷電流I
SWを供給するようにスイッチトコンバータ630を制御するように構成される。スイッチングコントローラ650は、I
SW/I
OPヒステリシスウィンドウを定義するヒステリシス電流コンパレータ651を含む。ヒステリシス電流コンパレータ651は、リニアアンプ610によって供給される負荷電流I
OPに対応する電流I
OP/Nに基づいてI
SW制御ループから導出されるI
OP/N入力を受け取る。このI
OP/N入力は、負荷電流I
OP(AC結合される実装形態ではゼロ)のDC平均に対応するゼロ基準と比較される。I
SW制御ループは、I
SW/I
OPヒステリシスウィンドウ内で(ローパスフィルタリングされた)I
OP/Nを維持することによってリニアアンプからの負荷電流I
OPを最小にするために負荷電流I
SWを供給するようにスイッチトコンバータ630を駆動するように動作する。その結果、リニアアンプ610は、カップリングコンデンサC
ACを介して加算ノードPA
OUTに結合される(定常状態の)ゼロ平均出力電流I
LAを、リニアアンプ610によって供給される負荷電流I
OPとして出力する。
【0062】
V
CAC制御ループ660は、カップリングコンデンサC
ACの両端の電圧に基づいてV
CAC制御を実装するように構成されるカスケード差動アンプ661及び662を含む。アンプ662の出力は、M5制御ゲートにV
CAC制御信号を提供する。
【0063】
V
CAC制御ループ660は、[V
PA−(V
LA+V
CAC)]、又は、
図6の構成では[(V
PA−V
LA)−V
CAC]と表され得る。すなわち、アンプ661/662は、所定のDC平均電圧V
CACに対して、カップリングコンデンサの両端の電圧(V
PA−V
LA)に対応するV
CAC制御信号を生成する。特に、フィードバックにより、アンプ662の負入力に印加されるV
CACがカップリングコンデンサC
ACの両端に現れることが保証され、それによって、カップリングコンデンサ電圧V
CACの精確な制御が可能になる。
【0064】
カップリングコンデンサC
AC上の電圧が所定のV
CAC(非ゼロ[(V
PA−V
LA)−V
CAC])から逸脱すると、V
CAC制御ループ660(アンプ662)からのV
CAC制御信号は、[(V
PA−V
LA)−V
CAC]がゼロになるまで、カップリングコンデンサC
ACの充電/放電を実施するようにM3を制御する。別個のI
SW制御ループ650が定常状態動作を継続し、リニアアンプ610によって供給される必要がある負荷電流I
OPを最小にする負荷電流I
SWを供給するようにスイッチトコンバータ630を駆動する。この定常状態動作(カップリングコンデンサC
AC上の電圧がV
CAC)では、リニアアンプ610は、C
ACを介して加算ノードPA
OUTにゼロ平均電流I
LAを負荷電流I
OPとして出力する。
【0065】
出力インピーダンスと信号経路帯域幅のデカップリング
図7A及び
図7Bは、パワーアンプ701(
図1A/
図1Bに示すRFトランスミッタシステムで使用するものなど)を備えたシステム構成におけるSMALレギュレータ700の例示の実施形態を示す。SMALレギュレータ700は、PA701への出力ノードPA
OUTにおいて並列に結合される、リニアアンプ710及びスイッチトモードコンバータ730を含む。スイッチトモードコンバータの制御は、スイッチトモードコンバータに統合され、個別には示していない(例えば、
図2のコントローラ250と比較されたい)。
【0066】
図に示すように、SMALレギュレータ700の例示の実施形態は、DCカップリング(
図2にも示すものなど)を適切に改変したものを備えて構成され、これらの実施形態に関連する説明は、ACカップリングの実施形態/実装にも適用され得る。
【0067】
図に示すように、リニアアンプ710及びスイッチトコンバータ730は、個別の集積回路(IC)として実装され、本開示に従ったSMALレギュレータが単一IC実装に適合され得る。システム相互接続は、高周波数での動作に影響を及ぼし得る(
図7Bの実施形態に関連して説明する)トレースインダクタンスを含む必要がある。
【0068】
SMALレギュレータ700は、レギュレートされた電圧V
PA及び電流I
PAをPA(PA
OUT)に供給する。本開示に従って、(a)PA負荷電圧V
PAは、リニアアンプ710によって動的に設定され、(b)PA負荷電流I
PAはリニアアンプ710によって供給され、主電流アシストがスイッチトコンバータ730によって提供される。スイッチトコンバータ730は、低周波数の負荷電流I
SWを供給するように構成され、リニアアンプ710は、スイッチトコンバータによって供給されない負荷電流I
OPを供給する(すなわち、スイッチトコンバータによって供給されないPA負荷電流I
PAを供給/降下する)ように構成される。I
SW及びI
OPは、供給ノードPA
OUTで合算される。
【0069】
リニアアンプ710は、電圧V
LA及び電流I
LAを出力する。例示のDC結合の実装では、出力電圧V
LAは、PA 701に供給されるレギュレートされた負荷電圧V
PAに対応し、出力電流I
LAは、リニアアンプによって供給される負荷電流I
OPに対応する。例示のIC実装では、V
LA及びI
LAは、出力ピンOUT_PAにおいて利用可能である。
【0070】
リニアアンプ設計710は、出力インピーダンスと信号経路帯域幅をデカップリングして、信号経路帯域幅が出力インピーダンス帯域幅とは比較的独立して確立されるように構成され得る。リニアアンプは、出力インピーダンス帯域幅を制御するように構成されるローカル/内部(より高速な)フィードバックループと、信号経路帯域幅を独立して確立するように構成可能なグローバル/外部フィードバックネットワークとを含む。本開示において用いられるように、出力インピーダンス帯域幅とは、対象の周波数及び負荷に対して、SMALレギュレータの出力インピーダンスが低いままである帯域幅を指す。
【0071】
図8は、閉ループ出力インピーダンス(Z
OUT)と周波数(Hz)の関係を示す。この説明は、本開示に従ったSMALレギュレータで用いられるようなリニアアンプに関連する点で対応するネガティブフィードバックオペアンプの文脈でなされる。閉ループ出力インピーダンスZ
OUTは、アンプが大きなループ利得を有するより低い周波数における低抵抗R
DCによって特徴付けられる。より高い周波数では、アンプループ利得は減少し、出力インピーダンスZ
OUTは増加する。設計パラメータは、システム出力インピーダンスがゼロdB−Ω(非dB単位では1Ω)まで上昇する周波数として定義されるゼロデシベル交差周波数f0dB(ZCF)である。
【0072】
例示のRF応用例の文脈において、リニアアンプの出力インピーダンスに対するZCFが高いほど、出力インピーダンス帯域幅が高くなり、パワーアンプにおける受信帯域ノイズが小さくなる。すなわち、対象のRF周波数に対してZCFが高いリニアアンプが、スイッチトモードコンバータによってSMALレギュレータの内部で生じるか、又は、動的PA負荷(PA供給ピンからのノイズ出力)から外部的に生じる、高周波数電圧障害を能動的に排除する際に有利である。そのため、出力インピーダンス帯域幅を広く(ZCFを大きく)して受信帯域ノイズを減少させることが有利であり得る。しかし、効率を上げるために信号経路帯域幅を狭めること(すなわち、信号経路帯域幅をエンベロープ追従のための帯域幅要件に制限すること)、及び/又は(例えば、設計の複雑さを低減することにより)設計自由度を大きくすることが設計上のトレードオフとなり得る。
【0073】
図7A及び
図7Bは、信号経路帯域幅から出力インピーダンス帯域幅をデカップリングすることを含めて、リニアアンプ設計710のハイレベル機能を示すものを含む。本開示に従ったSMALレギュレータで用いるためのリニアアンプの具体的な実装は設計上の選択を表し、異なる動作条件の下での異なる応用例に対して効率を改善するための設計代替例及び/又はトレードオフを実装することを含め、他のアンプアーキテクチャを本開示に従ったリニアアンプとして適合することが可能である。
【0074】
図7Aを参照すると、リニアアンプ710は、RFICなどから差動エンベロープ追従信号(VCON+/−)を受け取る(この差動信号は、
図2、
図4、
図5A、
図5B、及び
図6のV
INに対応する)。応答して、リニアアンプ710は、レギュレートされたシングルエンド負荷電圧V
PA(V
LA)をPA701に供給する。
【0075】
リニアアンプ710は、対象の周波数での出力インピーダンスを小さくするように構成される内部(より高速の)フィードバックループ711と、信号経路帯域幅を確立するように構成される外部(より低速の)フィードバックネットワーク713とを含む。図示するIC実装では、外部フィードバックネットワーク713は、FB及びOUT_PAピンの間で、PA
OUTに接続される。
【0076】
ローカル/内部(より高速の)フィードバックループ711は、出力インピーダンス帯域幅を広くし得る。内部フィードバックループ711は、高周波数での出力インピーダンスを小さくしてゼロ交差周波数(
図8のZCF)を高くし、それによって、出力インピーダンス帯域幅を広くする。リニアアンプ710への反転入力VCON−における容量性分周器ネットワーク715が、高周波数でのさらなる制御を提供するために用いられ得る。
【0077】
グローバル/外部フィードバックネットワーク713は、信号経路帯域幅を狭くして効率を高めるためにSMALレギュレータ700を最適化することを含めて、信号経路帯域幅を確立するように構成され得る。例えば、外部フィードバックループ713に比較的大きな抵抗値を用いると、対象の周波数に対する出力インピーダンス帯域幅に明らかな影響を及ぼすことなく、フィードバックループが遅くなり、信号経路帯域幅が狭くなる。また、並列抵抗717が、OUT_PAとFBピンの間のフィードバックループにおける(トレース)インダクタンスを小さくすることによって、高周波数で外部フィードバックループ713を安定化するために用いられ得、それによって、位相マージンを改善する。
【0078】
図7Bは、
図7AのSMALレギュレータ700の例示の代替実施形態を示し、この実施例において、スイッチトコンバータ730がリニアアンプ710の出力に接続されて、ローカル/内部フィードバックループ711において効果的に、スイッチトコンバータ730とリニアアンプ710の間の寄生トレースインダクタンスを低減する。例示のIC実装では、スイッチトコンバータ730は、リニアアンプ710の個別ピンIN_SWに接続する。このシステム相互接続構成では、ノードPA
OUTが効果的にリニアアンプのところにあり、トレースインダクタンスの影響(スイッチング及びリップルノイズによって生じる歪)を低減する。
【0079】
スイッチトモードアシストリニアアンプ/レギュレータアーキテクチャの例示の実施形態を、RFパワーアンプのためのエンベロープ変調(又は追従)電源としての例示の応用例の文脈で説明してきた。本開示に従ったSMALアンプ/レギュレータアーキテクチャの他の応用例には、オーディオ電源、オーディオアンプ(統合電力を備える)、及び電力線通信が含まれる。
【0080】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施形態を改変することができ、また、多くの他の実施形態が可能であることが当業者には理解されよう。