(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
一般に、車室内の空調制御を行う車両用空調制御装置は、空調動作モード選択スイッチの操作より、自動制御モードと、フェイス吹出口・フット吹出口・デフロスタ吹出口の開閉状態を切り替えるための吹出モード切替スイッチの操作に基づくマニュアル制御モードのいずれか制御モードが選択され、自動制御モードが選択されると、車室内が設定温度になるように自動制御モードでの制御を実行し、マニュアル制御モードが選択されると、吹出モード切替スイッチの操作ごとに、乗員の上半身に向けて空調風をフェイス吹出口のみから吹き出すフェイスモード、乗員の上半身および乗員の足元に向けてフェイス吹出口およびフット吹出口の両方から空調風を吹き出すバイレベルモード、乗員の足元に向けてフット吹出口のみから空調風を吹き出すフットモード、乗員の足元およびフロイントガラスに向けてフット吹出口およびデフロスタ吹出口の両方から空調風を吹き出すフットデフモードに、吹出モードが順次に切り替える制御を実行するようになっている。
【0003】
また、この種の制御装置を備えたオートエアコンでは、自動制御モードでの制御のときに、フロントガラスの曇り対策として、車両のフロントガラスの内面側に温湿度センサを配置してフロントガラスの相対湿度を検出し、外気温センサにより外気温(車室外温度)を検出するとともに、内気センサにより内気温(車室内温度)を検出し、予め準備した湿り空気線図から、フロントガラスの温度が露点温度を超えているかどうかによりフロントガラスの曇りの有無を判定し、フロントガラスが曇っていると判定した場合には、自動的に換気することが一般に行われるが(例えば、特許文献1)、基本的に暖房時には窓曇り(除湿)の観点から、強制的に外気導入状態に切替設定されるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、例えば寒冷地において、外気導入のままで暖房制御を行うと、外の冷たい空気を取り入れつつ暖かな空気を車室内に送ることになり、暖房効率が非常に悪く、内気循環の場合に比べて車室内の温度上昇が遅いという問題がある。
【0006】
本発明は、寒冷地対策として、エンジン始動後、暖房制御状態において車室内にドライバ不在であれば強制的に空気導入口を内気循環に切り替えて、暖房時の空調性能および燃費性能の向上を図れるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明の車両用空調制御装置は、車室内の空調制御を行う車両用空調制御装置において、
ドライバが携帯する携帯リモコンとの間で識別信号の送受信を行い、前記識別信号の受信により当該携帯リモコンが正規であることかどうかを認識してドアの解錠・施錠制御を行うキーフリー制御手段と、車室内にドライバが不在であることを検知する非乗車検知手段と、エンジンが始動されたことを検知するエンジン始動検知手段と、前記エンジン始動検知手段によるエンジン始動の検知後に、暖房状態で前記非乗車検知手段によるドライバの不在が検知されることを条件に、空気導入口を強制的に内気循環に切り替える切替手段とを備え
、前記非乗車検知手段は、車室内でドライバによるエンジン始動操作がなされた後に車室外にて前記携帯リモコンから前記識別信号が前記キーフリー制御手段に送信されたことを検知して、車室内にドライバが不在であると判断し、前記切替手段は、前記携帯リモコンが車室内に持ち込まれたとき、または、エンジン始動を行った後に車両ドアが開放されてエンジンストップしたときに、強制的な内気循環を終了することを特徴としている(請求項1)。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、エンジン始動検知手段によりエンジン始動が検知された後、暖房状態で非乗車検知手段により車室内におけるドライバの不在が検知されると、切替手段により強制的に空気導入口が内気循環に切り替えられるため、従来のように強制的に外気導入に切替設定する場合に比べ、暖房効率を改善することができ、暖房時の空調性能および燃費性能の向上を図ることが可能になる。このとき、ドライバが車室内に搭乗しているときには内気循環への強制切替は行われず、ドライバの操作が優先される。
【0010】
また
、非乗車検知手段により
、車室内でドライバによるエンジン始動操作がなされた後に車室外にて携帯リモコンから識別信号がキーフリー制御手段に送信された
ことが検知されると、車室内にドライバが不在であると判断され
るため、寒冷地において
、いわゆるキーフリーシステムによりドライバが解錠して乗り込みエンジン始動した後に車室外に出て施錠する場合などに好適であり、エンジン始動時のドライバ不在を確実に検知して、エンジン始動時の暖房性能を改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態について、
図1の概略構成図、
図2のブロック図、
図3および
図4のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態におけるオートエアコン1は、車室内に空気を送るダクト2内に、後に詳述するオートエアコンECU(Electronic Control Unit)により制御されるブロアモータ3によって駆動されるブロアファン4、エバポレータ5、エアミックスドア6、ヒータコア7が空気流路の上流側から順次配設されている。
【0014】
ブロアファン4の上流にあたるダクト2の入口側には、空気導入口である内気導入口9および外気導入口10が形成され、オートエアコンECUに設けられた内外気切替スイッチの車両乗員による操作に基づき、オートエアコンECUにより制御されるサーボモータ11により、両導入口9,10の内側に設けられた内外気切替ダンパ12が駆動され、両導入口9,10のうちいずれか一方が開放されて他方が閉塞され、内気または外気がダクト2内に導入されるようになっている。
【0015】
エバポレータ5は、冷凍サイクルの途中にあたるブロアファン4の下流側に配設され、オートエアコンECUに設けられたエアコン電源スイッチ(以下、エアコンスイッチという)の車両乗員によるオン操作により、図示しないコンプレッサがエンジンに接続されてエンジンの回転により駆動されて冷媒が圧縮され、高温高圧状態となった冷媒が図示しないコンデンサで放熱され、図示しない膨張弁を介してエバポレータ5内に放熱された冷媒が流入して気化することにより、エバポレータ5を通過してダクト2内を流れる空気が熱交換されて冷却される。なお、エバポレータ5の下流にはエバポレータフィンの温度を検出するエバフィン温度センサ13が配置され、エバフィン温度センサ13の検出信号がオートエアコンECUに取り込まれる。
【0016】
ヒータコア7は、エバポレータ5の下流側であってダクト2の一部を塞ぐように配設され、パイプを介してエンジン冷却水がヒータコア7の内部を流動しており、内気または外気がヒータコア7を通過することにより加熱されるようになっている。このとき、ヒータコア7の通気入口に設けられたエアミックスドア6が、オートエアコンECUにより制御されるサーボモータ14により駆動されて、エアミックスドア6が開閉制御され、ヒータコア7の通気入口の開度が調整され、これによりヒータコア7による内気または外気の加熱温度が制御されるようになっている。
【0017】
ここで、エアミックスドア6によりヒータコア7の通気入口を全閉した状態が、いわゆるMAXクール(開度0%)の制御状態であり、ヒータコア7の通気入口を開いてダクト2内のヒータコア7が配設されていない通路をエアミックスドア6により全閉した状態(通気入口は全開)が、いわゆるMAXホット(開度100%)の制御状態であり、エアミックスドア6がクール側に制御されるとエバポレータ5を通って冷やされた空気がほとんど下流に流れ、エアミックスドア6がホット側に制御されるとエバポレータ5を通った空気がヒータコア7により加熱されてから下流に流れる。
【0018】
ダクト2の最下流部には、デフロスタ吹出口15、フェイス吹出口16、フット吹出口17が形成され、各吹出口15,16,17はそれぞれオートエアコンECUにより制御されるサーボモータ18,19,20により駆動されるダンパ21,22,23によって開閉制御されるようになっている。
【0019】
そして、オートエアコンECUに設けられた空調動作モード選択スイッチ(以下単に、モード選択スイッチという)の車両乗員による操作により、自動制御モードとマニュアル制御モードのいずれかが選択されるようになっており、いまマニュアル制御モードが選択された場合には、オートエアコンECUに設けられた吹出モード切替スイッチの操作ごとにオートエアコンECUによりサーボモータ18,19,20が制御されて各ダンパ21,22,23の開度が制御され、乗員の上半身に向けて空調風をフェイス吹出口16のみから吹き出すフェイスモード、乗員の上半身および乗員の足元に向けてフェイス吹出口16およびフット吹出口17の両方から空調風を吹き出すバイレベルモード、乗員の足元に向けてフット吹出口17のみから空調風を吹き出すフットモード、乗員の足元およびフロイントガラスに向けてフット吹出口17およびデフロスタ吹出口15の両方から空調風を吹き出すフットデフモードに、吹出モードが順次(サイリック)に切り替えられ、マニュアル制御モードでの空調制御が行われる。
【0020】
また、
図1では図示省略されているフロントガラスの内面のルームミラー付近にフロンガラスの温度および相対湿度を検出する温湿度センサ25が配置され、そのほかにも車室内温度を検出する内気温度センサ26、エンジン冷却水の温度を検出するエンジン水温センサ27、車室外温度を検出する外気温度センサ28が設けられており、これら各センサの検出信号がオートエアコンECUに取り込まれる。
【0021】
そして、空調制御装置であるマイクロコンピュータ構成のオートエアコンECU30には、上記したように、エアコンを駆動・停止するためのエアコンスイッチ(エアコン電源スイッチ)32が配設され、エアコンの動作モードとして自動制御モード、マニュアル制御モードのいずれかを選択するためのモード選択スイッチ(エアコン動作モード選択スイッチ)33が配設されるとともに、デフロスタ吹出口15、フェイス吹出口16、フット吹出口17の開閉状態を切り替えて上記したフェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフモードの順に吹出しモードを切り替えるための吹出モード切替スイッチ34が配設されている。そのほかに、内気導入口9および外気導入口10のいずれかを開放すべく内外気切替ダンパ12を手動で切り替えるための内外気切替スイッチ35、フロントガラスに向けてデフロスタ吹出口15のみから空調風を吹き出すための専用のデフモードスイッチ36や、空調温度設定用の温度設定スイッチ37、送風量の強弱を切り替える風量スイッチ38配設されている。
【0022】
ところで、
図1に示すオートエアコンECU30は液晶ディスプレイから成るタッチパネル40を備えており、上記した各スイッチ32〜38は、タッチパネル40の周辺部分にスイッチ画像として表示されており、乗員がタッチパネル40の各スイッチ32〜38に対応する画像位置にタッチすると、タッチされた位置のスイッチがどれか判別され、判別されたスイッチ操作に応じたオンオフ等の制御が実行されるようになっている。なお、タッチパネル40の中央部分には吹出モードを示す画像や吹出量(風量)、設定温度、現在温度などの情報が表示される。また、タッチパネル40は必ずしも必要ではなく、この場合にはオートエアコンECU30の本体にプッシュ式の各スイッチ32〜38が配設される。
【0023】
また、
図2に示すように、本発明におけるキーフリー制御手段であるキーフリーECU51は、携帯リモコン52からの識別信号を受信して当該携帯リモコン52が正規であるかどうかを認識し、正規と判断すれば、ドライバによる携帯リモコン52の解錠・施錠操作に基づく解錠・施錠の操作信号を受信し、キーフリーECU51によりドアの解錠制御、施錠制御を行う。一方、オートエアコンECU3は、携帯リモコン52からの識別信号および解錠・施錠の操作信号に基づくキーフリーECU51からの送信信号を受信し、解錠操作や施錠操作の有無を検知する。
【0024】
さらに、携帯リモコン52は本発明におけるリモートエンジン始動指令手段としての機能も備え、図示は省略するが、携帯リモコン52にはリモートエンジン始動のためにリモートスタートボタンが設けられており、車室外においてドライバがリモートスタートボタンを操作すると、携帯リモコン52からのリモートエンジン始動信号がキーフリーECU51により受信され、キーフリーECU51がモートエンジン始動信号を受信したことをオートエアコンECU30が検知する。なお、キーフリーECU51がリモートエンジン始動信号を受信すると、
図2に示すように、本発明におけるエンジン制御手段である電子制御燃料噴射ECU(以下、EFIECUという)53の制御によりエンジンが始動され、オートエアコンECU30は、キーフリーECU51からのリモートエンジン始動信号に基づきエンジンがリモート始動されたことを検知する。
【0025】
このとき、オートエアコンECU30の受信手段が、携帯リモコン52から車室外で送信されたリモートエンジン始動信号を受信したとき、または、車室内でドライバによるエンジン始動操作がなされた後に携帯リモコン52が正規であることを示す識別信号を受信したときに、オートエアコンECU30は車室内にドライバが不在であると判断するようになっており、このようなオートエアコンECU30による車室内にドライバが不在であることを検知する機能が、本発明の非乗車検知手段に相当する。
【0026】
さらに、オートエアコンECU30は、エンジン始動検知手段によるエンジンのリモート始動の検知後に、暖房状態で前記非乗車検知手段によるドライバの不在が検知されることを条件に、空気導入口である内気導入口9を開放すべくサーボモータ11を制御して強制的に内気循環に切り替えるようになっており、このようなオートエアコンECU30による内気循環への切替機能が、本発明における切替手段に相当する。
【0027】
ところで、エアコンが暖房状態かどうかの判断は、温度設定スイッチ37により設定された送風吹出温度TAOが予め定められた所定温度以上であるかどうかで判断される。ここで、エバフィン温度センサ13によるエバポレータ5のフィン温度であるエバフィン温度Tcと、エンジン水温センサ27によるエンジン冷却水温度(ヒータコア温度と同じ)Thと、目標となる送風吹出温度TAOとの関係は、エアミックスドア6の開度をaとして、
TAO=(Th×a)+{Tc×(1−a)}……(1)
で表わされる。なお、aは、MAXクール状態で“0”、MAXホット状態で“1”つまり100%となる。
【0028】
次に、オートエアコンECU30の動作について、
図3および
図4のフローチャートを参照して説明する。
【0029】
まず
図3に示すように、エアコンスイッチ32がオンの状態でモード選択スイッチ33によりオートかマニュアルのいずれが選択されているかの判定がなされ(ステップS1)、オートが選択されていると判定されると、ブロアファン4が作動中かどうかの判定がなされ(ステップS2)、この判定結果がNOであれば、ステップS3に移行して外気導入口10が開放され(ステップS3)、外気導入状態に制御された後スタートに戻る。
【0030】
一方、上記したステップS2の判定結果がYESであれば、後に詳述する強制内気循環の判定条件が成立しているかどうかの判定がなされ(ステップS4)、この判定結果がNOであれば、エアコンスイッチ32の状態に基づきエアコンが作動中かどうかの判定(ステップS5)に移行し、ステップS5の判定結果がNOであれば上記したステップS3に移行し、ステップS5の判定結果がYESであれば、通常通りの空気導入口の自動制御が行われ(ステップS6)、その後スタートに戻る。また、上記したステップS4の判定結果がYESであれば、空気導入口である内気導入口9が開放されて強制内気循環状態に制御され(ステップS7)、その後スタートに戻る。
【0031】
ところで、上記したステップS1でマニュアルが選択されていると判定されると、ステップS8に移行し、デフモードスイッチ36によりデフロスタ吹出口15のみから空調風を吹き出すようにダンパ21が開放されダンパ22,23が閉塞されているかどうかの判定が成され(ステップS8)、この判定結果がYESであれば、上記したステップS4と同様、強制内気循環の判定条件が成立しているかどうかの判定がなされ(ステップS9)、この判定結果がNOであれば、上記したステップS3に移行して外気導入口10が開放される一方、判定結果がYESであれば上記したステップS7に移行して強制内気循環に制御される。
【0032】
ところで、上記したステップS8の判定結果がNOであれば、内外気切替スイッチ35の操作により内気導入口9が開放状態に制御されているかどうかの判定がなされ(ステップS10)、この判定結果がNOであれば上記したステップS3に移行して外気導入口10が開放される一方、判定結果がYESであれば上記したステップS7に移行し、ドライバの意思に基づく内気循環に制御される。
【0033】
続いて、上記したステップS4,S9の強制内気循環の判定処理について
図4のフローチャートを参照して説明する。
【0034】
いま、
図4に示すように、エンジンが始動している状態で、上記したステップS2と同様、ブロアファン4が作動中かどうかの判定がなされ(ステップS21)、この判定結果がYESであれば、上記した(1)式の演算による送風吹出温度TAOが予め定められた所定温度以上かどうかに基づき、いま暖房状態かどうかの判定がなされる(ステップS22)。
【0035】
そして、ステップS22の判定結果がYESであれば、車室外においてドライバの操作に基づき携帯リモコン52からリモートエンジン始動信号が送信され、オートエアコンECU30がリモートエンジン始動信号に基づきキーフリーECU51から送信される送信信号を受信すると、EFIECU53の制御によりエンジンがリモート始動の状態であるかどうかの判定がなされ(ステップS23)、この判定結果がYESであれば、同一のエンジン始動動作中に判定していないかどうかの判定がなされ(ステップS24)、この判定結果がYESであれば、強制内気循環判定フラグがオンされ(ステップS25)、その後スタートに戻る。
【0036】
一方、上記したステップS23の判定結果がNOであれば、携帯リモコン52からの識別信号に基づき、正規の携帯リモコン52が車室外にあるかどうかの判定がなされ(ステップS26)、この判定結果がYESであれば、ドライバが携帯リモコン52の操作により解錠して車室内に乗り込んでエンジン始動した後に車室外に出たと判断されて、上記したステップS24に移行し、ステップS26の判定結果がNOであれば、上記したステップS21,S22の判定結果がNOの場合と同様、ステップS27に移行し、強制内気循環判定フラグがオフされ(ステップS27)、その後スタートに戻る。
【0037】
なお、上記した強制内気循環は、エンジン水温が70〜80℃に上昇したとき、携帯リモコン52が車室内に持ち込まれたとき、エンジンのリモート始動を行った後に車両ドアが開放されてエンジンストップしたとき、などに終了するよう制御するのが望ましい。
【0038】
したがって、上記した実施形態によれば、オートエアコンECU30により、エンジンのリモート始動が検知された後、暖房状態で車室内におけるドライバの不在が検知されると、強制的に内気導入口9が開放されて強制内気循環の制御状態に切り替えられるため、従来のように強制的に外気導入に切替設定する場合に比べ、暖房効率を改善することができ、暖房時の空調性能および燃費性能の向上を図ることが可能になる。このとき、ドライバが車室内に搭乗しているときには内気循環への強制切替は行われず、ドライバの意思に基づく操作が優先される。
【0039】
また、オートエアコンECU30が、車室外で携帯リモコン52の操作により送信されたリモートエンジン始動信号を受信したとき、および、車室内でドライバによるエンジン始動操作がなされた後に、車室外で携帯リモコン52から送信される識別信号を受信したときのいずれかを、車室内にドライバが不在であると判断するため、寒冷地においていわゆるキーフリーシステムを搭載した車両にドライバが乗車せずにエンジンを始動する場合に、エンジン始動時のドライバ不在を確実に検知して、エンジン始動時の暖房性能を改善する上で非常に有利である。
【0040】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0041】
例えば、上記した実施形態では、リモートエンジンスタート機能を有し、かつキーフリーシステムを搭載した車両に本発明を適用した例について説明したが、リモートエンジンスタート機能のみ、或いは、キーフリーシステムのみを搭載した車両であっても本発明を適用することが可能である。この場合、車室内にドライバが不在であるかどうかの判断は、車室外からリモートエンジン始動信号が送信されたときに不在と判断し、或いは、車室内でドライバによるエンジン始動操作がなされた後に車室外で携帯リモコンから識別信号が送信されたときに不在と判断すればよい。