特許第6316306号(P6316306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6316306光学テープ上に長手方向位置マークを設けるための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6316306
(24)【登録日】2018年4月6日
(45)【発行日】2018年4月25日
(54)【発明の名称】光学テープ上に長手方向位置マークを設けるための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 7/0045 20060101AFI20180416BHJP
   G11B 7/003 20060101ALI20180416BHJP
   G11B 7/007 20060101ALI20180416BHJP
   G11B 7/005 20060101ALI20180416BHJP
   G11B 7/135 20120101ALI20180416BHJP
   G11B 20/12 20060101ALI20180416BHJP
【FI】
   G11B7/0045 A
   G11B7/003
   G11B7/007
   G11B7/005 A
   G11B7/135
   G11B20/12 101
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-541884(P2015-541884)
(86)(22)【出願日】2013年11月7日
(65)【公表番号】特表2016-502221(P2016-502221A)
(43)【公表日】2016年1月21日
(86)【国際出願番号】US2013068847
(87)【国際公開番号】WO2014074662
(87)【国際公開日】20140515
【審査請求日】2016年10月27日
(31)【優先権主張番号】13/673,118
(32)【優先日】2012年11月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502303739
【氏名又は名称】オラクル・インターナショナル・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,スコット・ディ
【審査官】 中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭52−060603(JP,A)
【文献】 特開平06−076286(JP,A)
【文献】 特開2002−109744(JP,A)
【文献】 特表2012−506599(JP,A)
【文献】 特開平08−335386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 7/0045
G11B 7/003
G11B 7/005
G11B 7/007
G11B 7/135
G11B 20/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学テープ上にデータおよび場所マークを書込むための装置であって、
光学系を備え、前記光学系は、
そこからレーザ光線を送出するための少なくとも1つのレーザ源と、
前記レーザ光線を受けて、前記光学テープ上の少なくとも1つのガードバンドに前記レーザ光線を向けて、その上に前記場所マークを書込むための複数のレンズとを含み、前記場所マークは、前記光学テープの書込可能セクション上に記憶可能な前記データの長手方向位置を示し、前記光学テープ上の場所を示す、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのガードバンドは、前記書込可能セクションの外周に沿って長手方向に延在する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのガードバンドは、その上の前記データの破損を防止するために前記書込可能セクションの障壁として働くように配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記光学テープは、前記少なくとも1つのガードバンド上に書込まれるような前記場所マークを示す第1のデータの組を記憶するためのディレクトリを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記ディレクトリにアクセスして、前記書込可能セクション上の所望のデータを示す所望の場所マークを探索して、前記光学テープに沿って前記所望の場所マークへ移動して、前記所望のデータを得て、前記所望のデータを読出すための制御システムをさらに備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ディレクトリにアクセスして、前記書込可能セクション上の未書込セクションを示す所望の場所マークを探索して、前記光学テープに沿って前記未書込セクションへの前記所望の場所マークへ移動するための制御システムをさらに備える、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記光学系は、前記少なくとも1つのガードバンドに光を照射してそこからの反射光を捕捉して前記場所マークを読出すための、前記光学テープの前記少なくとも1つのガードバンドの上に位置決めされる少なくとも1つのセンサをさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記光学系は、第1の波長および第1のパワーレベルで前記少なくとも1つのガードバンド上に前記場所マークを書込むように配置される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセンサは、第2の波長および第2のパワーレベルで前記場所マークを読出すように配置され、前記第2の波長は前記第1の波長とは異なり、前記第2のパワーレベルは前記第1のパワーレベル未満である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記複数のレンズは、前記レーザ光線を受け、前記レーザ光線を前記少なくとも1つのガードバンドに向けて、前記場所マークをその上に書込むための球面レンズおよび円柱レンズを備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
光学テープ上にデータおよび場所マークを書込むための装置であって、
前記光学テープの第1のガードバンド上に第1のレーザ光線を送出してその上に第1の場所マークの組を書込む、および
前記光学テープの第2のガードバンド上に第2のレーザ光線を送出してその上に第2の場所マークの組を書込む、ように構成される光学系を備え、前記第1の場所マークの組および前記第2の場所マークの組の各々は、前記光学テープの書込可能セクションに沿って記憶可能な前記データの長手方向位置を示し、前記光学テープ上の場所を示す、装置。
【請求項12】
光学テープ上のデータおよび場所マークを読出すための装置であって、
前記光学テープの書込可能セクション上に記憶されるデータを読出すための複数の光ピックアップユニット(OPU)と、
前記光学テープ上の少なくとも1つのガードバンドから場所マークを読出すための複数のセンサとを備え、前記場所マークは前記書込可能セクション上の前記データの長手方向位置を示し、前記少なくとも1つのガードバンドは前記書込可能セクションの外周上に位置し、前記光学テープ上の場所を示す、装置。
【請求項13】
光学テープと、
前記光学テープを移動させるためのローラと、
前記光学テープと前記ローラとを収容するためのカートリッジとを備え、
前記光学テープは、書込可能セクションと、少なくとも1つのガードバンドとを含み、
場所マークが前記ガードバンドに書き込まれており、前記光学テープの書込可能セクションに書き込まれているデータの長手方向位置を示し、前記光学テープ上の場所を示す、テープカートリッジ。
【請求項14】
前記光学テープは、前記少なくとも1つのガードバンド上に書込まれるような前記場所マークを示す一組のデータの組を記憶するためのディレクトリを含む、請求項13に記載のテープカートリッジ。
【請求項15】
請求項13または14に記載の1つ以上のテープカートリッジと、
データを前記1つ以上のテープカートリッジに格納し、かつ、前記1つ以上のテープカートリッジからデータを読み出すための制御システムとを備える、記憶システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中に記載の局面は一般的に、光学テープにおいて長手方向位置マークを設けるための装置および方法である。
【背景技術】
【0002】
背景
記録テープ中の長手方向位置(「LP」)情報は、テープの長さに沿った所望の長手方向位置へ迅速かつ確実にテープを搬送するようにテープ駆動制御システムを補助する。この状況は、テープドライブがデータを検索するまたはテープの予め指定された空の領域に新しいデータを書込むのにユーザが待つ必要がある時間の量を低減し得る。磁気テープドライブでは、LP情報がテープ自体に埋込まれ、この場合、このLP情報は、テープカートリッジの製造の際に行なわれるサーボトラック書込プロセスの際に磁気的に書込まれる。
【0003】
Monen他に対する米国特許第7,646,694号(「第’694号特許)に述べられるような1つの実現例は、記録媒体上のデータトラック識別情報を提供するための方法およびシステムを提供する。
【0004】
たとえば、第’694号特許は、光学テープ中のデータトラックの識別情報を提供するための方法を提供する。方法は、長手方向に光学テープを搬送することと、長手方向を実質的に横断する別の方向に少なくとも1つのレーザ光線で走査することとを備える。方法はさらに、複数の間隔をあけられた記録場所のサイズおよび位置を選択して、間隔をあけられた記録場所の区別可能なパターンを得ることと、複数の間隔をあけられた記録場所からの大多数の場所に複数のサーボマークを記録することとを備え、複数のサーボマークからの各々のサーボマークは実質的にデータトラック上に位置する。方法はさらに、複数の間隔をあけられた記録場所からの予め選択された場所で記録を省略することと、少なくとも1つのレーザ光線を実質的に長手方向上の位置に返すこととを備える。方法はさらに、以上注記したさまざまなステップを繰り返して、光学テープの実質的に始めから光学テープの実質的に終わりまでの光学テープの1回の通過で複数のサーボマークからすべてのサーボマークを形成することを備え、予め選択された場所は識別情報を与えるパターンを構成する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
少なくとも1つの実施形態では、光学テープ上にデータおよび場所マークを書込むための装置が提供される。装置は、そこからレーザ光線を送出するための少なくとも1つのレーザ源を含む光学系を備える。光学系はさらに、レーザ光線を受け、レーザ光線を光学テープ上の少なくとも1つのガードバンドに向けて、その上に場所マークを書込むための複数のレンズを含む。場所マークは、光学テープの書込可能セクション上に記憶可能なデータの長手方向位置を示す。
【0006】
本開示の実施形態を特に添付の請求項で指摘する。しかしながら、添付の図面と関連して以下の詳細な説明を参照することによって、さまざまな実施形態の他の特徴がより明らかになるとともに最もよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】1つの実施形態に従う光学テープを示す図である。
図2A】光学テープに場所マークを書込むための光学系の図である。
図2B】光学テープに場所マークを書込むための光学系の図である。
図3】1つの実施形態に従う光学テープに場所マークを書込むための光学系を示す図である。
図4】1つの実施形態に従う光学テープからデータを読出すための複数のセンサを示す図である。
図5】1つの実施形態に従う複数の光ピックアップユニットおよび複数のセンサを示す図である。
図6】1つの実施形態に従う少なくとも2つの種類の場所マークを示すさまざまな波形を示す図である。
図7】1つの実施形態に従う光学テープ上の場所マークを書込むおよび読出すための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態を本明細書中に開示するが、開示される実施形態はさまざまな代替的形態で具現され得る発明の例示に過ぎないことを理解すべきである。図は必ずしも縮尺どおりではない。ある特徴は、特定の構成要素の詳細を示すために、誇張されたり最小化されたりすることがある。したがって、本明細書中に開示される具体的な構造的および機能的詳細を限定的に解釈してはならず、本発明をさまざまに用いる当業者に対する教示のための代表的根拠としてのみ解釈すべきである。
【0009】
本開示の実施形態は一般的に複数の回路または他の電気デバイスを提供する。回路および他の電気デバイスならびに各々によって提供される機能性に対するすべての参照が、本明細書中に図示されかつ説明されるもののみの包含に限定されることを意図するものではない。開示されるさまざまな回路または他の電気デバイスに特定の標識が割当てられることがあるが、そのような標識は、回路および他の電気デバイスの動作の範囲を限定することを意図するものではない。そのような回路および他の電気デバイスは、所望される特定の種類の電気的実現例に基づいて任意の態様で互いに組合されるおよび/または分けられることがある。本明細書中に開示される任意の回路または他の電気デバイスは、本明細書中に開示されるような任意の数の動作を行なうように互いと共同する、任意の数のマイクロプロセッサ、集積回路、メモリデバイス(たとえば、FLASH、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、または他の好適なその変形)、およびソフトウェアを含んでもよいことが認められる。
【0010】
光学テープにおける長手方向位置(LP)(または場所)マークを用いることにより、テープ駆動制御システムがテープに沿って長手方向位置を探索できるようになる。この局面は、テープドライブがテープ上のデータを検索するまたはテープの空の領域に新しいデータを書込み始めるのを顧客が待つ必要がある時間の量を低減し得る。そのような場所マークは、光学テープの少なくとも1つの端縁(またはガードバンド)に沿って未書込領域に光学的に記録され得る。これらの局面およびその他を以下により詳細に説明する。
【0011】
図1は、1つの実施形態に従う光学テープ10を示す。光学テープ10は一般的に、データ11がそこに書込まれるまたは記憶されることができるデータ記憶と関連して用いられる。光学テープ10は、レーザ源24(図2を参照)または他の好適なデバイスがデータ11をそこに書込めるように構成される書込可能セクション12を含む。複数のガードバンド14a−14n(「14」)がテープ10上に設けられる。ガードバンド14は、一般的には、データ11を受けるまたは記憶する目的に用いられないテープ10の領域である。一般的に、そのようなガードバンド14は、書込可能セクション12が破損されないようにする障壁として働くことがあり、光学テープ10が別の対象物と接するときの最初の接点となる。ガードバンド14は一般的に、書込可能セクション12を保護するように配置される。ガードバンド14の各々は0.5mmまでまたは他の好適な寸法の幅を有し得る。
【0012】
光学テープ10は一般的に、テープ10自体に沿った長手方向位置を示す場所マーク16を含む。そのような場所マーク16はガードバンド14上に位置決めされてもよい。以前は、場所マーク16は、記憶されるデータ11とともに、テープの書込可能セクション12に書込まれるか、またはそこに記憶されていた。単一の光学テープ10およびその対応の書込可能セクション12は非常に長い距離にわたって延在してもよい。本明細書中で設けられるような場所マーク16は一般的に、テープドライブのテープ駆動制御システム(または制御システム)17が探索する、またはそのような制御システム17がテープ10に対してどこに設けられるかについての情報を与えるのを可能にする。場所マーク16は一般的に、制御システム17に対して、それがテープ10自体に対してどこに位置するかを示す目安となる。制御システム17は一般的に、ドライブ内のすべてのサブシステムの行為を協調させる。たとえば、制御システム17は、特定のテープカートリッジ上のデータ11の組の記憶または検索を要求するコンピュータから信号を受信し得る。制御システム17は、検索すべき予め記録されたデータの長手方向位置またはデータ11を書込むことができるテープ10の未書込領域の位置を示すディレクトリ18からデータ11を読出してもよい。ディレクトリ18は一般的に、テープ10の始めに位置し得るテープ10の特別な領域である。制御システム17は、テープ10を所望の長手方向位置に搬送し、光ピックアップユニット(OPU)を作動させ、長手方向位置を確認し、かつ到達すると所望の長手方向位置でデータ11の読出または書込を開始するように、テープ搬送モータ19に命令してもよい。
【0013】
場所マーク16は、どこでテープ10からデータ11を読出すかおよびテープ10の書込可能セクション12の未書込部分にデータ11をどこで書込むかを決める機構として、制御システム17によって用いられる。1つの例では、場所マーク16は、制御システム17がテープ10からどの程度遠くにあるかについての指標となり得る。以上注記したように、ガードバンド14上に書込まれるような場所マーク16の記録はディレクトリ18に記憶される。このように、データ11の部分が対応の場所マーク16で読出されるべき場合は、制御システム17は、ディレクトリ18にアクセスして場所マーク16を探索し、そのデータの組に対応するテープ10上の所望の場所マーク16に移動し、これを読出してもよい。同様に、制御システム17は、そのような動作が望まれる場合は、データを書込む目的のために、書込可能セクション12の未書込部分に対応する場所マーク16を認識してもよい。この場合、制御システム17は、ディレクトリ18にアクセスして場所マーク16を探索する。示されるように、ガードバンド14aは書込可能セクション12の外周上に位置する。さらに、ガードバンド14nは書込可能セクション12の反対側の外周上に位置する。
【0014】
図2Aは、1つの実施形態に従う光学テープ10に場所マーク16を書込むための光学系20を示す。光学系20は、第1の複数のレンズ22a−22n(「22」)、第2の複数のレンズ23a−23n(「23」)、および複数のレーザ源24a−24n(「24」)を含む。各々のレーザ源24は、場所マーク16を対応のガードバンド14に書込むためのレンズ22および23のグループ分けにわたってレーザ光線を送出し得る。たとえば、レーザ源24aは、場所マーク16をガードバンド14a上に書込むためにレンズ22aおよび23aにわたってレーザ光線を送出する。同様に、レーザ源24bは、場所マーク16をガードバンド14b上に書込むためにレンズ22bおよび23bにわたってレーザ光線を送出する。複数のレンズ22は球面レンズとして実現されてもよく、複数のレンズ23bは円柱レンズとして実現されてもよい。一般的に、球面レンズおよび円柱レンズは、レーザ光線で、整形された線分を作り出し、場所マーク16をガードバンド14に書込む。
【0015】
図2Bは、1つの実施形態に従って場所マーク16を光学テープ10に書込むための光学系20′を示す。光学系20′は、単一のレンズ22および単一のレンズ23および複数のレーザ源24を含む。一般的に、各々のレーザ源24aおよび24nは、場所マーク16をガードバンド14に書込むために、レーザ光線をレンズ22およびレンズ23を通して送出する。示されるように、レーザ源24aは、レンズ22およびレンズ23を通してレーザ光線を送出し、これは、テープ10を横切ってガードバンド14nの上にレーザ光線を向ける。同様に、レーザ光線24nは、テープ10を横切ってガードバンド14aの上にレンズ22およびレンズ23を通してレーザ光線を送出する。以上注記したように、レンズ22は球面レンズとして実現されてもよく、レンズ23は円柱レンズとして実現されてもよい。
【0016】
図3は、1つの実施形態に従って場所マーク16を光学テープ10に書込むための光学系20または20′(以下「20」)のより詳細な図を示す。ガードバンド14のうち1つが後の時点で破損する状況に対応するために、場所マーク16を各々のガードバンド14に書込むことが望ましいことがある。しかしながら、場所マーク16はガードバンド14のうち1つにのみ書込まれてもよいことが認められる。回転エンコーダ26は、光学系20に動作可能に結合される。場所マーク16書込プロセスの際、テープ10が上を通り過ぎて、ローラ28(たとえばキャプスタンローラ)と接する。ローラは、(i)光学系20下のテープ10の表面を安定させ、(ii)エンコーダ26を用いてテープの速度を測定し、テープ10上の場所マーク16がほぼ正確であるように、光学系20が発する場所マーク16書込パルスを電子的に同期させる。
【0017】
ローラ28は回転して、第1の方向30に沿ってカートリッジアセンブリ(図示せず)に対してテープ10を移動させる。ローラ28は、光学系20下のテープ10を移動させて、ガードバンド14の空のセクションがレーザ源24から場所マーク16を受けられるようにする(すなわち、ガードバンド14の空のセクションに場所マーク16が書込まれる)。ローラ28は、テープ10を搬送するモータに接続されても接続されなくてもよい。光学系20はガードバンド14上に同時に場所マーク16を書込んでもよい。一般的に、光学系20がガードバンド14上に場所マーク16を書込む態様は、テープ10がカートリッジ(図示せず)におよび次にLP書込テープデッキ(図示せず)に組立てられた後に行なわれてもよい。
【0018】
さらに、ガードバンド14上への場所マーク16の書込は、テープ10にコーティング(図示せず)が塗布された後のテープ10製造プロセスの際に実行されてもよい。一般的に、光学コーティングはテープ10上にスパッタリングされる。この場合、そのようなコーティングは、レーザ源24による書込プロセスの間操作されて、書込可能セクション12上の書込または記憶データとなる。この局面は、レーザ源24による書込プロセスの際にそのようなコーティングが操作もされて場所マーク16となるように光学コーティングがガードバンド14上にスパッタリングされるように拡張されてもよい。場所マーク16をガードバンド14上に置くことにより、書込スペースのいずれも、テープ10の書込可能セクション12から排除されない。
【0019】
図4は、1つの実施形態に従う、光学テープ10のガードバンド14から場所マーク16を読出すための複数の反射式近接センサ34a、34nを示す。センサ34(たとえば、センサ34aおよび34nを参照)は、ガードバンド14から場所マーク16を読出すための光学ドライブのテープ経路の中に位置決めされてもよい。
【0020】
図5は、複数のOPU36a−36n(「36」)および近接センサ34を一般的に示す。OPU36は一般的に、近接センサ34がガードバンド14から場所マーク16を読出す間にデータ11を書込可能セクション12から読出すように配置される。データを書込可能セクション12から読出すのに、任意の数のOPU36を用いてもよいことが認められる。OPU36はデータ11をテープ10に書込んでもよい。場所マーク16を読出すためのセンサ34の組と、データを書込可能セクション12から読出すためのOPU36とを設けることにより、そのような状態は、テープ搬送の間にデータを読出すまたは書込むのにすべてのOPU36を利用可能であることを確実にし得る。
【0021】
図6は、ガードバンド14上の少なくとも2つの種類の場所マーク16を示すさまざまな波形40、42を示す。波形40は一般的に、2つの交互の反射率レベル(たとえば明および暗)として、レーザ源24を介してガードバンド14上に書込まれるような場所マーク16を示す。レーザ源24(図3を参照)は、ガードバンド14上に異なる反射率レベルで場所マーク16を書込んでもよい。テープ10などの光学媒体の場合、レーザ光線は、低反射率から高反射率へ(たとえば「明の書込」または代替的に「暗の書込」)媒体の反射率を変更してもよい。場所マーク16は、媒体またはテープ10の種類に依存して、いずれのやり方で書込まれてもよい。場所マーク16とデータ11との間の差は、それらの寸法においてである。一般的に、場所マーク16はサイズが数10から数100ミクロンであり得る一方で、データマークはサイズがミクロン以下であり得る。一般的に、図4で示されるような反射式近接センサ34を、波形40で示されるような場所マーク16を読出すのに用いてもよい。たとえば、波形40内のさまざまな高い点44a−44n(「44」)(図6を参照)は一般的に高出力(たとえば「1」)を示し、波形40内のさまざまな低い点46a−46n(「46」)は一般的に低出力(たとえば「0」)を示す。
【0022】
高い点44は明反射率レベルでガードバンド14に書込まれてもよく、低い点46は暗反射率レベルでガードバンド14に書込まれてもよい。センサ34は、光を場所マーク16上に照射して、ガードバンド14から反射された画像を捕捉するように配置されてもよい。センサ34は、これらの点44、46の反射率レベル(たとえば高い点44については明、低い点46については暗)によって変わる、高い点44および低い点46からの反射光を検出するように配置される。光がセンサ34によって向けられるのに応答した反射率レベルのこの変化が、高い点44と低い点46との間の識別可能な差を作り出して、センサ34がガードバンド14上の場所マーク16を読出せるようにする。
【0023】
波形42は、空の(マークされていない)セクション48a−48n(「48」)および変調(またはパルス化)領域50a−50n(「50」)としてレーザ源24を介してガードバンド14上に書込まれるような場所マーク16を一般的に示す。空のセクション48は一般的に低出力(たとえば「0」)を示す。パルス化セクション50は一般的に高出力(たとえば「1」)を示す。一般的に、高周波に基づくセンサ64a−64n(「64」)(図4を参照)を用いて空のセクション48およびパルス化セクション50を検出してもよい。たとえば、センサ64は、ガードバンド14からの特定の周波数(または波長)の回折光を検出して、特定の波長でそれからのレーザ光線(または発光ダイオード(LED)からの光)を照射するのに応答してガードバンドから場所マーク16を読出す。
【0024】
図7は、1つの実施形態に従う、光学テープ10上に場所マーク16を書込むおよび読出すための方法80を示す。
【0025】
動作82で、レーザ源24は、第1のパワーレベルおよび第1の波長(または第1の周波数)のレーザ光線で場所マーク16をガードバンド14上に書込む。
【0026】
動作84で、センサ64は、ガードバンド14から場所マーク16を読出して、第2のパワーレベルおよび第2の波長でテープの場所を確かめる。ガードバンド14上の場所マーク16を書込むのに、第1のパワーレベル未満の第2のパワーレベルを用いる。
【0027】
一般的に、センサ64が投影するレーザ(またはLEDからの光)のパワーレベルが、ガードバンド14に場所マーク16を書込むために対応のレーザ源24が用いるパワーレベル未満である限り、センサ64は、任意の数の周波数(または波長)で場所マーク16を読出すように配置されてもよいことが認められる。センサ64が投影するレーザ(またはLEDに基づく光線)が、レーザ源24が場所マーク16を書込むのに用いるパワーレベルを超えると、この状態は、ガードバンド14上に記録される既存の場所マーク16を上書きし得る。1つの例では、パワーレベルが、場所マーク16の元の組を書込むのにレーザ源24が用いるパワーレベルを超えない限り、青色レーザが405ナノメータでセンサ64から投影されて、場所マーク16を読出してもよい。
【0028】
例示的な実施形態を上述したが、これらの実施形態が発明のすべての可能な形態を記載することが意図されるわけではない。むしろ、明細書で用いられる用語は、限定よりもむしろ説明の用語であり、発明の精神および範囲から逸脱することなくさまざまな変更がなされてもよいことが理解される。加えて、さまざまな実現実施形態の特徴を組合せて発明のさらなる実施形態を形成してもよい。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7