(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6316405
(24)【登録日】2018年4月6日
(45)【発行日】2018年4月25日
(54)【発明の名称】加熱ユニットの燃費量および/または効率を示すための方法およびデバイス
(51)【国際特許分類】
F24D 3/18 20060101AFI20180416BHJP
【FI】
F24D3/18
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-509525(P2016-509525)
(86)(22)【出願日】2014年4月22日
(65)【公表番号】特表2016-520185(P2016-520185A)
(43)【公表日】2016年7月11日
(86)【国際出願番号】FR2014050967
(87)【国際公開番号】WO2014174199
(87)【国際公開日】20141030
【審査請求日】2016年12月8日
(31)【優先権主張番号】1353735
(32)【優先日】2013年4月24日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513203060
【氏名又は名称】ブーストヒート
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リュク・ジャケー
【審査官】
藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−249290(JP,A)
【文献】
実開昭58−133762(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3158604(JP,U)
【文献】
特開昭61−083848(JP,A)
【文献】
特開2008−249261(JP,A)
【文献】
特開2010−112241(JP,A)
【文献】
特開2004−263572(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/107480(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0174643(US,A1)
【文献】
米国特許第06701721(US,B1)
【文献】
特開昭58−150001(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 3/18
F24D 19/10
F24F 5/00
F24H 1/00
F25B 49/00
F25B 49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱ユニットの消費量および/または効率を使用者に示すための方法であって、前記加熱ユニットは、
熱エネルギ供給を使用して駆動される熱コンプレッサ(14)を備えた、少なくとも1つのヒートポンプ(1)と、
熱流体分配回路(2)と、
第1エネルギ量Q1を受容するための、複数の対流器もしくは放射器(20)と、を含み、
前記熱コンプレッサは、前記熱分配回路(2)を冷却源として主に使用し、
前記方法は、少なくとも
A− 所定の期間にわたって、前記熱エネルギ供給に相当し、且つ前記ヒートポンプによって消費される燃料の支払い請求可能な量に相当した、支払い請求されるエネルギQ2Fを含んだ第2エネルギ量Q2を測定するステップと、
B− 同じ所定の期間にわたって、(B1−)温度センサおよび流量センサを利用して、前記ヒートポンプの外側ユニットに対して直接的に、もしくは(B2−)同じ所定の期間にわたって、前記分配回路に供給された前記第1エネルギ量Q1を測定して、Q3=Q1−Q2の式を使用してQ3を推測することによって間接的に、外部環境において収集された自由エネルギに相当した第3エネルギ量Q3を測定するステップと、
C− 前記所定の期間に相当した、少なくともQ2FおよびQ3の量を、表示スクリーン上におよび/または顧客への請求を目的とした文書に表示するステップと、を含み、
前記ヒートポンプは電気ポンプを備えておらず、前記加熱ユニットの電気消費量はQ1よりもはるかに小さく、例えばQ1nomの10%未満であり、ここでQ1nomは前記加熱ユニットの公称出力に相当していることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記熱エネルギ供給は、可燃性バーナ(15)を利用して主に提供されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記可燃物は、ガス、および/または家庭用燃料オイル、ならびに/もしくは木片を含み、支払い請求可能な消費量Q2Fは、メータ(D2)を使用して測定されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップB2−の際に、前記分配回路に供給された第1エネルギ量Q1は、前記分配回路からの排出部、および前記分配回路への戻り部にそれぞれ配置された第1および第2温度センサ(T1、T2)を利用して、ならびに熱流体流量センサ(D1)を利用して測定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
支払い請求不可能なエネルギ量に関する、特にエネルギ量Q3に関する金銭上の等価分が追加的に計算され、エネルギ量Q2NFに関して妥当である場合、Q3+Q2NFはQ1−Q2Fに等しく、この金銭上の等価分は、表示されることを意図されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
加熱ユニットの消費量および/または効率を示すためのデバイスであって、前記加熱ユニットは、
熱エネルギ供給を利用して駆動される熱コンプレッサ(14)を備えた、少なくとも1つのヒートポンプと、
熱流体分配回路(2)と、
対流器もしくは放射器(20)と、を含み、
前記熱コンプレッサは、前記熱流体分配回路(2)を冷却源として主に使用し、
前記デバイスは、
− 外部環境において収集された自由エネルギに相当したエネルギ量Q3を測定するための手段、または対流器もしくは放射器に供給されたエネルギQ1を測定するための手段と、
− 前記ヒートポンプによって消費された可燃物の支払い請求可能な消費量(Q2、Q2F)に相当したエネルギ量を測定するための手段と、
− 前記エネルギ量Q2とエネルギ量Q3またはQ1とを測定するための手段が接続された電子ユニット(8)と、を具備したデバイスにおいて、
前記電子ユニットは、所定の期間にわたってエネルギ量(Q2、Q3)を計算するために、および/または表示スクリーンにこの情報を表示するために、ならびに/もしくは顧客への支払い請求を目的とした文書の印刷のために、これらのデータを準備するために形成され、
前記ヒートポンプは電気ポンプを備えておらず、前記加熱ユニットの電気消費量はQ1よりもはるかに小さく、例えばQ1nomの10%未満であり、ここでQ1nomは前記加熱ユニットの公称出力に相当していることを特徴とするデバイス。
【請求項7】
前記熱エネルギ供給は、可燃性バーナ(15)を利用して主に実行され、可燃物は好適にガス、家庭用燃料オイルであり、前記支払い請求可能な消費量Q2Fは、ガスメータまたは燃料オイルメータ(D2)を利用して測定されていることを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記外部環境において収集された自由エネルギに相当したエネルギ量Q3を測定するために、前記ヒートポンプの外側ユニット(12)のための温度センサ(T3、T4)および流量センサ(D3)を追加的に具備していることを特徴とする請求項6または7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記熱分配回路に供給されたエネルギ量Q1を測定するために、前記熱分配回路に関する温度センサ(T1、T2)および流量センサ(D1)を追加的に含んでいることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加熱ユニット、ならびに加熱ユニットの消費量および/または効率を示すための方法およびデバイスに関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、少なくとも1つのヒートポンプと、熱流体分配のための回路と、複数の対流器もしくは放射器と、を具備した加熱ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
先行技術から、対象のヒートポンプ、特に電気コンプレッサを使用したデバイスに関する性能因子(または効率因子)を測定することが公知である。しかしながら、そのようなユニットの効率因子は気候条件、特に熱が集められる環境の外気温に依存している。実際に、臨界冷却期間に到達するために、ヒートポンプの役目を引き継ぐことは、補助的な加熱デバイスを追加することと共通している。
【0004】
しかし、公知の技術において、そのような加熱ユニットの使用者は、明言された性能と比較された実際の性能を比較するための、およびヒートポンプシステムからの期待された節約が実際の節約として実現されているかを検証するためのわずかな手段を備えている。特に、使用者(支払人)は、電気料金請求書から節約を推測することが不可能であり、それらの節約はヒートポンプから得られ、それらのユニットの環境保護の足跡の情報を有しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2,971,562号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、加熱ユニット、そのエネルギ性能、ならびにその経済性および環境保護の妥当性に関して、支払いを行う使用者に得られる情報を改良することが魅力的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、加熱ユニットの消費量および/または効率を使用者に示す方法が提案され、その方法では、加熱ユニットは、熱エネルギ供給を利用して駆動される熱コンプレッサを備えた少なくとも1つのヒートポンプと、熱流体分配回路と、第1熱エネルギ量Q1を受容する複数の対流器または放熱器と、を含み、
その方法は少なくとも、
A− 所定の期間にわたって、熱エネルギ供給に相当し且つヒートポンプによって消費される燃料の支払い請求可能な量に相当した、支払い請求されるエネルギQ2Fを含んだ熱エネルギ量Q2を測定するステップと、
B− 同じ所定の期間にわたって、(B1−)温度センサおよび流量センサを利用して、ヒートポンプの外側ユニットに対して直接的に、もしくは(B2−)同じ所定の期間にわたって、分配回路に供給された第1熱エネルギ量を測定して、Q3=Q1−Q2の式を使用してQ3を推測することによって間接的に、外部環境から収集された自由エネルギに相当した第3エネルギ量Q3を測定するステップと、
C− 所定の期間に相当した、少なくともQ2FおよびQ3の量を表示スクリーン上に、および/または顧客への請求を目的とした文書に表示するステップと、を含んでいる。
【0008】
これらの手段により、加熱ユニットに使用される多様なエネルギ量が測定可能であり、この情報は使用者、特に支払い請求可能な燃料に関するエネルギ請求の支払いを担当している使用者に入手可能とされている。したがって、使用者は加熱ユニットの経済的および環境的性能の有用な情報を得ることが可能である。この情報の測定は、1つ以上の所定の期間にわたって、累積的測定(積算を意味する)に関連し得る。
【0009】
それに加えて、熱コンプレッサは、冷却源として熱流体分配回路を主に使用し、これによって熱コンプレッサを作動するために得られるすべての熱は、熱流体分配回路内に供給されることが可能であり、それは、熱が任意の補助的な冷却回路内で消費(したがって消失)されることが無いためである。
【0010】
本発明による方法の多様な実施形態においては、1つおよび/または別の以下の手段が、さらに使用され得る。
− 一態様によれば、熱エネルギ供給は、可燃性バーナによって主に供給され、この手段によって、配電網はコンプレッサを稼働する熱の提供に必要とされていない。
− 別の態様によれば、可燃物はガスであり、支払い請求される消費量は、ガスメータを利用して測定され、したがってこのことは、非常に一般的な可燃物が使用され、且つこの可燃物の消費量が容易に知られ得ることを意味している。
− 別の態様によれば、可燃物は家庭用燃料オイルであり、支払い請求される消費量は、燃料オイルメータを利用して測定され、したがってこのことは、非常に一般的な可燃物が使用され、且つこの可燃物の消費量が容易に知られ得ることを意味している。
− 別の態様によれば、可燃物は木片であり、支払い請求される消費量は、例えば重量によってメータを使用して測定され、したがってこのことは、再生可能な可燃物が使用され、この可燃物の消費量は容易に知られ得ることを意味している。
− 別の態様によれば、分配回路に供給された第1エネルギ量Q1は、分配回路からの排出部、および前記分配回路への戻り部にそれぞれ配置された第1および第2温度センサを利用して、ならびに熱流体流量センサを利用して測定されており、この手段によって、信頼性の高い情報が、第1エネルギ量Q1に関して得られている。
− 別の態様によれば、支払い請求不可能なエネルギ量に関する、特にエネルギ量Q3に関する金銭上の等価分
/対応分が追加的に表示され、エネルギ量Q2NFに関して妥当である/ふさわしい場合、Q3+Q2NFはQ1−Q2Fに等しいことが公知であり、この手段により、使用者は、加熱ユニットの性能を通じて達成された節約を、直接知ることが可能である。
− 別の態様によれば、ヒートポンプは電気ポンプを備えておらず、加熱ユニットの電気消費量はQ1よりもはるかに小さく、例えばQ1nomの10%未満であり、ここでQ1nomは加熱ユニットの公称出力に相当しており、加熱ユニットは、非常に少ない電気エネルギしか必要としない。
【0011】
本発明は、追加的に加熱ユニットの消費量および/または効率を示すためのデバイスを対象としており、この加熱ユニットは、熱エネルギ供給を利用して駆動される熱コンプレッサを備えた、少なくとも1つのヒートポンプと、熱流体分配回路と、複数の対流器もしくは放射器と、を含み、このデバイスは、
− 対流器もしくは放射器に供給された第1エネルギQ1を測定するための手段、または外部環境において収集された自由エネルギに相当したエネルギ量Q3を測定するための手段と、
− ヒートポンプによって消費された可燃物の支払い請求可能な消費量(Q2、Q2F)に相当したエネルギ量を測定するための手段と、
− エネルギ量Q2およびQ3を測定するための手段が接続された電子ユニットと、を具備し、
電子ユニットは、所定の期間にわたってエネルギ量(Q2、Q3)を計算するために、および/または表示スクリーンにこの情報を表示するために、ならびに/もしくは顧客への支払い請求を目的とした文書の印刷のために形成されていることを特徴としている。
【0012】
本発明によるデバイスの多様な実施形態においては、1つおよび/または別の以下の手段が、さらに使用され得る。
− 一態様によれば、熱エネルギ供給は、可燃性バーナを利用して主に実行され、可燃物は好適にガス、家庭用燃料オイル、または木片であり、支払い請求可能な消費量Q2Fは、ガスメータ、燃料オイルメータまたは他のメータを利用して測定されており、これらを利用して、非常に一般的な可燃物が使用され、支払い請求可能なエネルギ量Q2Fに関する信頼性の高い情報が得られている。
− 別の態様によれば、デバイスは、外部環境において収集された自由エネルギに相当したエネルギ量Q3を測定するために、ヒートポンプの外側ユニットのための温度センサおよび流量センサをさらに含むことが可能であり、第3エネルギ量Q3の測定値は、直接的に且つ信頼性高く得られる。
− 別の態様によれば、デバイスは、熱分配回路に供給されたエネルギ量Q1を測定するために、熱分配回路に関する温度センサおよび流量センサを追加的に含んでおり、第1エネルギ量Q1の測定値は、直接的に且つ信頼性高く得られる。
− 別の態様によれば、ヒートポンプは電気ポンプを備えておらず、加熱ユニットの電気消費量はQ1よりもはるかに小さく、例えばQ1nomの10%未満であり、ここでQ1nomは加熱ユニットの公称出力に相当しており、加熱ユニットは、非常に少ない電気エネルギしか必要としない。
【0013】
本発明の他の態様、到達点、および利点は、添付図の補助とともに非限定的な実施例として与えられた、その2つの実施形態の以下の記載を読むことにより、明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態による加熱ユニットを概略的に示した図である。
【
図2】
図1より、ユニット内で使用された電子ユニットおよびその周囲を概略的に示した図である。
【
図3】使用者によって入手可能な情報を記載した、サンプルの請求書を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
様々な図において、同様の参照符号は同一または類似の部材を示している。
【0016】
図1は、熱流体分配回路2を含んだ加熱ユニットを概略的に示しており、このユニットにおいては、流体は熱を、最新技術において公知の対流型もしくは放射型の複数の受容器−変換器20に供給する。
【0017】
図示された実施例においては、流体は水もしくは水溶液とし得るが、空気もしくは分配回路のための別の流体の使用は排除されない。受容器−交換器は、放熱床、従来の壁放熱器、または建造物5の内部への熱の供給に寄与する任意の他のタイプの変換器の形式とすることが可能である。対象の建造物は、個人の住宅、共用の建造物、産業用建造物、または加熱ユニットを必要とする任意の他のタイプの部屋とすることが可能である。分配回路は、いくつかの建造物またはいくつかの部屋に寄与し得る。分配回路は閉回路であり、「循環器」22としても称される循環ポンプ22は、熱流体に閉ループ流量を供給する。分配回路は、個人もしくは共同の水泳プールを提供し得る。分配回路は、加熱物供給または冷却物供給を必要とする産業工程に寄与する。
【0018】
分配回路2は、ヒートポンプデバイス1に熱的に連結されている。より単純に「ヒートポンプ」とも称されるこのヒートポンプデバイス1は、(時々冷媒流体回路とも称される)熱伝達流体回路3を含んでいる。ここに図示された実施例においては、二酸化炭素(CO2)が熱伝達流体として好適に選択されているが、ヒートポンプ回路に適した任意の他の圧縮性流体が選択され得る。
【0019】
分配回路、および多様な放射器、ならびに対流器に供給される熱の量は、本明細書の残りにおいては第1エネルギ量Q1と称される。
【0020】
ヒートポンプデバイス1は、内側交換器11、外側交換器12、コンプレッサ14を具備したポンプアセンブリ10、および膨張バルブ17を含んでいる。
【0021】
外側交換器12は、熱伝達流体3が外部環境に由来した熱を受容することを可能にしており、これは例えば外気、地熱回路、水路、または熱を収集可能な任意の他の要素のような、周知の方式において実行される。
【0022】
内側交換器11は、熱伝達流体3が周知の方式において、前述の熱回路2に熱を放出することを可能にしている。
【0023】
膨張バルブ17は周知の部品であり、したがって、ここでは詳細に説明されていない。
【0024】
コンプレッサ14は、「熱」コンプレッサである。「熱」コンプレッサは、熱エネルギの供給を利用して稼働されるコンプレッサであり、例えば特許文献1に記載されたようなコンプレッサである。ガスエンジンによって駆動されるコンプレッサまたは熱吸収によって作動される圧縮機械は、「熱」コンプレッサとも称され得る。
【0025】
これらの条件の下で、ヒートポンプのポンプアセンブリ10には電気コンプレッサは無く、エネルギは主に熱の形態において供給されるが、しかしながら、ごくわずかな量の電気エネルギが付属品または器具類に使用され得る。
【0026】
コンプレッサの駆動のために供給される熱エネルギは、多様な手段によって生成されることが可能であり、第2エネルギ量Q2と称される大量のエネルギをポンプアセンブリ10、特にコンプレッサ14に供給することに寄与している。熱供給は、ガス、燃料オイル、または他の類似した任意の可燃物のような化石燃料の燃焼に由来することが可能であり、このエネルギ供給はQ2Aによって示されている。
【0027】
熱供給は、木51のような再生可能な可燃物の燃焼に追加的に由来することが可能であり、木は例えば木片もしくは顆粒、バイオガス、乾燥した植物材料、または汚物等の燃焼可能なあらゆるタイプのものであり、再生可能な可燃物に由来したこのエネルギ供給は、Q2Bによって示されている。産業処理の「任意」の廃液も燃焼可能である。
【0028】
最後に、熱供給は、例えば太陽熱収集器52のような非燃焼エネルギ源に追加的に由来し得る。この非燃焼エネルギ供給は、Q2Cによって示されている。エネルギは、追加のエネルギ供給として排出されることを目的とした高温の家庭雑排水から回収されることも可能である。
【0029】
したがって、全ポンプへの総熱供給は、Q2=Q2A+Q2B+Q2Cの式で表現され得る。単純な例示的実施においては、化石ガス可燃物源のみが要求され、その場合、式はQ2=Q2Aであることが理解される。
【0030】
加えて、熱供給は、Q2=Q2F+Q2NFの式で表現されることが可能であり、ここで、Q2Fは支払い請求可能、したがって使用者によって支払われる熱供給の一部であり、一方で、Q2NFは、例えば太陽エネルギ、または(熱収集を伴った産業建造物の場合)燃焼から得られる廃液の燃焼のような、支払い請求不可能な熱供給の一部を示している。
【0031】
Q2Fは、部分Q2Aと部分Q2Bのすべてもしくは一部と、を含んでいる。
【0032】
化石燃料の燃焼に由来した供給に関して、これはメータもしくは流量メータD2が配置されたチャネルによって供給されたバーナ15内で燃焼される。
【0033】
技術的に知られているように、熱回路Q1に供給されたエネルギの量は、ポンプアセンブリ10に供給されたエネルギ供給Q2と、第3エネルギ量と称され、且つ前述の外側ユニット12を利用して外部環境において収集された、Q3で示された「自由」エネルギの量と、の和として記載されることが可能である。
【0034】
言い換えると、Q1=Q2+Q3である。確立された型においては、P1、P2、P3がエネルギ量Q1、Q2、Q3に相当した瞬間的な動力である場合、P1=P2+P3と記載され得る。
【0035】
第2エネルギ量Q2は、すでに述べた流量メータまたはメータD2を利用して測定され得る。従来のメータの場合、時間による積分は既に実行され、期間の終了における数値と、期間の開始における数値と、の間の差をとることは、特に電子メータに関して十分だろう。
【0036】
Q2の一部は、1つ以上の交換器26を利用した熱回路の流体に直接伝達され、交換器26は、一般的に80℃を超えない温度の熱流体を使用して、コンプレッサ14の冷却に寄与している。したがって、ポンプアセンブリ10の作動のために供給された熱は損失を生じず、有利にシステムは、熱伝達流体中以外の任意の場所のポンプアセンブリから熱を除去する冷却デバイスを備えていない。そのように実行された計算は、なおさら正確である。
【0037】
エネルギ量Q3は、その一部に関して直接的にまたは間接的に測定可能である。
【0038】
直説法は、ヒートポンプの外側ユニット12のターミナルに好適に配置された温度センサT3、T4の両方、および熱伝達流体3の流量D3の測定も必要とする。
【0039】
瞬間的な膨張P3=D3*(T3−T4)から開始して、エネルギ量は、考慮された時間にわたる、時間による積分であり、以下の通りである。
【0041】
間接法は、ヒートポンプの内側ユニット11から出るおよび内側ユニット11に戻る熱流体にそれぞれ配置された温度センサT1およびT2、ならびに熱伝達流体の流量D1に関する情報も利用して、第1エネルギ量Q1を測定することを含んでいる。
【0042】
所定の期間にわたって与えられるエネルギ量は、以下の等式を用いて表すことが可能である。
【0045】
第1エネルギ量Q1の測定後、外部環境において収集された第3エネルギ量Q3は、以下の式を使用することによって、同じ与えられた時間にわたる第2エネルギ量Q2を知ることにより、Q1から算出され得る。
【0047】
有利なことに、本発明によれば、エネルギ量Q2およびQ3の使用は、加熱ユニットの性能を定量化するために提案されている。
【0048】
より詳細には、および
図1および
図2から浮かび上がったように、電子ユニット8が設けられており、この電子ユニットには、第2エネルギ量Q2を測定するための手段と、第3エネルギ量Q3を直接測定するための手段、または第1エネルギ量Q1を最初に測定し、そこから第3エネルギ量Q3を推定するための手段のいずれかと、が接続されている。
【0049】
それに加えて、表示スクリーン19が随意的に設けられ、そのスクリーンには、一方では前述の期間にわたった第2エネルギ量Q2および第3エネルギ量Q3の計算に相当した1つ以上の期間、ならびに他方では各期間に関する第2エネルギ量Q2および第3エネルギ量Q3のキロワットアワーにおける数値が表示可能である。対象の期間は、例えば周、月、クオーター、加熱シーズン、半年、および一年とすることが可能である。
【0050】
図2を参照すると、電子ユニット8は第1関数計算モジュール41を含み、随意的に温度T1、T2および流量情報D1を利用した第1エネルギ量Q1の測定を扱い、所定の期間にわたって実行する。
【0051】
それに加えて、電子ユニット8は、メータ情報D2を利用して第2エネルギ量Q2の測定を扱い、同じ所定の期間にわたって実行する第2関数計算モジュール42を含んでいる。単数の場合、支払い請求可能な量は単一のメータD2から直接得られ、それは、この場合Q2F=Q2だからである。
【0052】
それに加えて、電子ユニット8は、(随意的に第1計算モジュール41の代わりとして)第3関数計算モジュール43を含み、随意的に、温度T3、T4および流量情報D3から第3エネルギ量Q3の測定を扱い、所定の期間にわたって実行する。
【0053】
総括計算モジュール6はエネルギ量Q2FおよびQ3を明確に表し、これは後述するように表示および/または印刷のためにそれらを利用するためである。総括計算モジュール6は、先行技術において公知のヒートポンプ性能因子に類似した効率因子Q1/Q2(もしくは、代わりに熱供給の追加手段が使用される場合にはQ1/Q2F)を必要に応じてさらに計算する。
【0054】
したがって、制御ユニット8は局所的に表示され、任意の遠隔電子機器に利用されるための情報を一式準備し、その一式の情報は、一度分もしくは数度分を含んでいる。
− 所定の期間、
− 請求可能な第2エネルギ量Q2F、および情報が局所的に得られる場合は、規定通りにそのコストを示した金銭上の等価分、
− 第3エネルギ量Q3、および随意的に且つ等価分のコスト情報が局所的に得られる場合は、既存のヒートポンプを通じて達成された節約分を示した、この第3エネルギ量Q3の金銭上の等価分。規定通りに、Q3はQ2NF(熱供給Q2の「自由」部分)によって補完されることが可能である。
【0055】
電子機器またはコンピュータに送信された後に、この情報は例えば
図3に示されたような請求書9の形式で印刷されることが可能である。
【0056】
温度センサT1〜T4および流量センサD1、D2、D3の位置は、図に例示された位置から変化することが可能であることが理解されるべきである。
【0057】
循環ポンプ22は電気モータによって駆動可能であるが、循環ポンプ22によるこの電気消費量をも含んだ、加熱ユニットの電気の総消費量は、熱分配回路に提供されるエネルギ量Q1よりもはるかに小さく、特にQ1nomの10%未満であり、ここで、Q1nomは、加熱ユニットの公称出力に相当していることが適切に理解される。
【符号の説明】
【0058】
1 ・・・熱ポンプデバイス
2 ・・・熱流体分配回路
3 ・・・熱伝達流体回路
5 ・・・建造物
8 ・・・電子ユニット
9 ・・・請求書
10 ・・・ポンプアセンブリ
11 ・・・内側交換器
12 ・・・外側交換器
14 ・・・コンプレッサ
15 ・・・バーナ
17 ・・・膨張バルブ
19 ・・・表示スクリーン
20 ・・・受容器−変換器
22 ・・・循環ポンプ
26 ・・・交換器
41 ・・・第1関数計算モジュール
42 ・・・第2関数計算モジュール
43 ・・・第3関数計算モジュール
51 ・・・木