(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電子商取引支援装置の前記報酬付与手段は、注文情報に含まれる注文者を識別する注文者識別情報に基づいて前記注文者に成功報酬を付与する請求項1記載の電子商取引支援システム。
前記紹介者端末装置は、前記光学式読取情報生成手段により発行された光学式読取情報を、印刷装置にて印刷させる印刷制御手段を備えた請求項1から3のいずれかの項に記載の電子商取引支援システム。
前記紹介者端末装置は、前記光学式読取情報生成手段により発行された光学式読取情報を、電子メールによる送信するメール送信手段を備えた請求項1から4のいずれかの項に記載の電子商取引支援システム。
前記紹介者端末装置は、前記光学式読取情報生成手段により発行された光学式読取情報を、ソーシャルネットワークキイングサービスを運営するサイトに送信するアップロード手段を備えた請求項1から5のいずれかの項に記載の電子商取引支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態に係る電子商取引支援システムについて、図面に基づいて説明する。本実施の形態に係る電子商取引支援システム10は、広告媒体に表示された光学式読取情報から物品や役務を、簡単に注文することができるものである。
電子商取引支援システム10は、紹介者が操作する「紹介者端末装置」として機能すると共に、注文者が操作する「注文者端末装置」するスマートフォン20と、電子商取事業者に設置された電子商取引支援装置30とが、ネットワークの一例であるインターネットWを介して接続されている。
【0018】
スマートフォン20は、電話機能、インターネットアクセス機能、光学式読取情報の一例である2次元バーコードを読み取る機能などを備えた携帯電話装置である。本実施の形態では、コンピュータの一例であるこのスマートフォンにプログラムをインストールすることで、紹介者端末装置および注文者端末装置として機能させている。なお、
図2では、紹介者端末装置および注文者端末装置として機能するスマートフォン20を図示しているが、主要構成のみを図示しており、電話機能等は図示していない。
【0019】
図2に示すように、スマートフォン20は、無線手段21と、読取手段22と、閲覧手段23と、要求通知手段24と、表示手段25と、入力手段26と、光学式読取情報生成手段27と、測位手段28と、印刷制御手段29aと、メール送信手段29bと、アップロード手段29cとを備えている。
無線手段21は、インターネットWにアクセス可能な中継局や基地局と無線通信して、インターネットWへ送信データを出力したり、インターネットWから受信データを入力したりする。
【0020】
読取手段22は、広告媒体に表示された光学式読取情報や、他のスマートフォン20に表示された光学式読取情報から物品役務識別情報を含むバーコード情報を読み取り、このバーコード情報を、スマートフォン20を操作する者を識別するための個人識別情報(注文者を識別するための注文者識別情報,紹介者を識別するための紹介者識別情報)、およびスマートフォン20が所在する経度、緯度などの位置情報と共に、電子商取引支援装置30を示すネットワーク上のアドレスに送信する。
【0021】
ネットワーク上のアドレスは、例えば、ネットワークがインターネットWであれば、IPアドレスやURLとすることができる。このIPアドレスやURLは、注文者用プログラムをインストールすることで自動設定されるもので、読取手段22内に保持されていることで、自装置(スマートフォン20)内に設定される。なお、電子商取引支援装置30を示すネットワーク上のアドレスは読取手段22以外の他の手段に格納されていてもよいし、図示しない記憶手段に格納されていてもよい。
【0022】
閲覧手段23は、電子商取引支援装置30からの画面情報を受信して表示手段25に表示する。
要求通知手段24は、注文者が閲覧手段23により画面情報に基づいて表示された表示画面のボタンを押下したときに、ボタンに応じた通知を、要求通知として、電子商取引支援装置30へ送信する。要求通知手段24は、表示手段25に表示された表示画面のボタンが、注文履歴を要求するボタンであるときには、「履歴要求手段」として機能する。また、要求通知手段24は、表示手段25に表示された表示画面のボタンが、注文を要求するボタンであるときには、「注文要求手段」として機能する。
【0023】
表示手段25は、表示データを表示するLCDや有機ELとすることができる。入力手段26は、表示手段25の前面に設けられたタッチパネルである。
光学式読取情報生成手段27は、電子商取引支援装置30からの物品役務情報に基づいて光学式読取情報を生成する。電子商取引支援装置30から送信された物品役務情報が、注文履歴に基づいたものであるときには、光学式読取情報生成手段27は、物品役務情報に注文物品役務等を示す物品役務識別情報が含まれる共に、紹介者を識別するための紹介者識別情報である個人識別情報を含めて、光学式読取情報を生成する。
光学式読取情報は、1次元バーコードや2次元バーコード、白黒だけでなく、色を加えたカラー化により情報量を増加させた1次元バーコードや2次元バーコード、極小ドットによりコード化したドットパターンなどとすることができる。本実施の形態では、光学式読取情報として白黒の2次元バーコードの一例であるQRコードを採用している。
【0024】
測位手段28は、スマートフォン20の位置を、経度および緯度を示す位置情報として出力するものである。測位手段28は、GPSとすることができるが、スマートフォン20の位置が特定できれば、例えば、複数の携帯電話の基地局の受信電波状況から携帯電話の位置を測位するものでもよいし、他の手段としてもよい。位置情報は2次元的な経度および緯度だけでなく、高さを示す情報を含めるようにしてもよい。
印刷制御手段29aは、注文履歴に基づいた光学式読取情報を、無線手段21を介して図示しない印刷装置へ送信して印刷させる。
メール送信手段29bは、注文履歴に基づいた光学式読取情報を、無線手段21を介して電子メールにより、新たな注文者となる知人に送信する。
アップロード手段29cは、注文履歴に基づいた光学式読取情報をソーシャルネットワークサービスを運営するサイトに送信する。
【0025】
図3に示すように、電子商取引支援装置30は、販売業者が販売する物品や役務を登録したサーバ(コンピュータ)である。本実施の形態では、このコンピュータに電子商取引支援プログラムをインストールし、動作させることで、電子商取引支援装置30として機能させている。
電子商取引支援装置30は、通信手段31と、画面送信手段32と、履歴管理手段33と、注文処理手段34と、登録手段35と、報酬付与手段36と、表示手段37と、入力手段38と、記憶手段39とを備えている。
通信手段31は、インターネットWへ送信データを出力したり、インターネットWから受信データを入力したりする。
画面送信手段32は、スマートフォン20からの要求に応じて、記憶手段39から表示画面情報を読み出し、スマートフォン20へ送信する。
履歴管理手段33は、注文された物品または役務(注文履歴)を示す注文履歴情報として記憶手段39に格納する。また、履歴管理手段33は、スマートフォン20からの履歴表示要求通知に応じて、記憶手段39から注文履歴情報を読み出し、注文履歴情報を一覧とした履歴画面情報をスマートフォン20へ送信する。
注文処理手段34は、記憶手段39に登録された決済方法を示す決済情報に基づいて注文した物品または役務を決済する。
登録手段35は、注文者の会員登録、販売業者の登録、物品や役務の登録を処理する。
報酬付与手段36は、紹介者と注文者とに注文した物品や役務の金額に応じて報酬を付与する。
表示手段37は、表示データを表示するLCDや有機EL、CRTとすることができる。入力手段38は、キーボード、マウスなどとすることができる。
【0026】
記憶手段39は、会員として登録した注文者(紹介者)の個人情報と、物品または役務を販売する販売業者に関する販売業者情報と、販売される物品または役務に関する物品役務情報と、注文した物品または役務を注文履歴情報と、画面情報とが格納されている。
【0027】
注文者(紹介者)の個人情報は、会員登録の際に入力される、氏名情報と、住所情報と、電話番号情報と、配送先情報と、決済情報と、Eメールアドレス情報と、報酬情報と、登録完了時に登録手段35により割り当てられる個人識別情報とが関連付けられている。
個人識別情報は、商品や役務を注文するときには注文者識別情報として使用され、他の注文者に注文物品役務等を紹介するときには紹介者識別情報として使用される。報酬情報は、注文者が紹介者となって他の注文者に注文物品役務等を紹介して注文に結び付けば、付与される報酬を示す。
【0028】
決済情報は、例えば、クレジット会社が発行するクレジットカードの名義情報、カード番号情報、期限情報とすることができる。
販売業者情報は、会社登録の際に入力される、会社名情報と、住所情報と、代表者氏名情報と、担当者情報と、登録完了時に登録手段35により割り当てられる販売業者を識別するための会社識別情報とが関連付けられている。
担当者情報は、部署情報と、電子メールアドレス情報と、電話番号情報とが関連付けられている。
【0029】
物品役務情報は、物品または役務の登録の際に入力される、物品または役務の名称情報と、物品または役務の内容を示す画像ファイル、説明情報と、価格情報と、有効期間情報と、販売業者のパートナー企業を示すパートナー情報、広告媒体を識別するための広告識別情報と、登録完了時に登録手段35により割り当てられる物品または役務を識別するための物品役務識別情報と、紹介報酬情報と、注文報酬情報とが関連付けられている。
有効期間情報は、物品または役務の注文の有効期間を示すものである。有効期間情報は、有効となる日時(有効開始日時情報)から無効となる日時(有効期限日時情報)が規定されているものである。従って、有効期間情報の有効開始日時情報が、現在時間より以前の日時であれば既に有効なので、有効期間情報は有効期限を示すものとなる。
紹介報酬情報は、注文者が紹介者となって新たな注文者に物品や役務を紹介して、新たな注文者が、この物品または役務を注文したときに付与される報酬を示す。また、注文報酬情報は、この新たな注文者が紹介された物品または役務を注文したときに付与される報酬を示す。
注文履歴情報は、注文する際に読み込んだ2次元バーコードが示す情報と、注文日時情報と、位置情報と、注文者の個人識別情報とが関連付けられている。
【0030】
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る電子商取引支援システムの動作および使用状態について、
図4に基づいて説明する。
なお、本実施の形態では、注文者は会員登録が完了しているものとする。また、販売業者は、会社登録と物品または役務の登録とが完了しているものとする。
注文者は、
図1に示す収得したチラシCを見て、チラシCに掲載された物品の一例である商品のプリンに興味を持ち、注文を決めると、スマートフォン20をチラシCに表示された2次元バーコードQに向けて読み取る。
【0031】
スマートフォン20では、読取手段22が2次元バーコードQを読み取り分析する。2次元バーコードQは、
図11(A)に示すように、物品役務識別情報と、会社識別情報と、広告識別情報と、パートナー情報とをバーコード情報として、図形化されて発行されたものがチラシCに印刷されている。
読取手段22が、この2次元バーコードQに基づいて分析した情報に、スマートフォン20を操作する注文者を識別するための個人識別情報(注文者識別情報)、および測位手段28から入力したスマートフォン20が所在する経度、緯度などの位置情報を付加した注文情報(
図11(A)参照)を、電子商取引支援装置30のネットワーク上のアドレスに、注文画面要求通知として、無線手段21を介して送信する(ステップS10)。
【0032】
電子商取引支援装置30では、2次元バーコードQを読み込むことで送信されるスマートフォン20からの注文画面要求通知を受信すると、まず、注文処理手段34が有効期間情報をチェックする(ステップS20)。この有効期間情報は、スマートフォン20から送信された物品役務識別情報に基づいて、注文処理手段34が記憶手段39を検索して、物品役務識別情報に関連付けられた有効期間情報を読み込んだものである。有効期間情報のチェックは、スマートフォン20からの要求が、有効開始日時情報が示す有効となる日時より過ぎているか、かつ有効期限日時情報が示す無効となる日時を過ぎていないかを判断する。
【0033】
スマートフォン20を操作する注文者が注文しようとした日時が、注文処理手段34により、有効期間情報が示す有効期間から外れていると判断された場合には、注文処理手段34がその旨をスマートフォン20へ通知する。例えば、注文処理手段34は、2次元バーコードQが示す物品役務識別情報の商品または役務の注文が不可であることを表示した通知画面を送信する。
【0034】
電子商取引支援装置30が注文画面要求通知を受信した日時が有効期間内であれば、画面送信手段32が、スマートフォン20からの物品役務識別情報に基づいて、記憶手段39から注文画面情報を読み出し、スマートフォン20へ送信する(ステップS30)。
スマートフォン20では、閲覧手段23が、電子商取引支援装置30からの物品役務識別情報に対応する物品または役務の注文画面情報を受信して表示手段25に表示する(ステップS40)。表示手段25に表示された注文画面情報に基づく注文画面P1を
図5に示す。
【0035】
図5では、商品としてプリンの注文画面P1の例を図示している。
注文者は、表示手段25に表示された注文画面P1の商品写真や商品説明、価格を見て、注文を決定したものとする。注文者は、注文操作として、数量を指定して、注文画面P1に表示された注文ボタンである「購入する」ボタンB1をタップすることで押下する。この注文操作により、要求通知手段24が、注文要求通知を電子商取引支援装置30へ送信する(ステップS50)。
【0036】
電子商取引支援装置30では、注文処理手段34が、スマートフォン20からの注文情報に含まれた物品役務識別情報が示すプリンを受注する受注処理を行い、注文者識別情報となる個人識別情報に対応する決済情報に基づいて決済処理する(ステップS60)。例えば、注文処理手段34が、クレジット会社が運営するサーバへ決済通知を送信する。
受注処理は、注文処理手段34が、注文情報に基づいて、プリンの注文が入ったことを販売業者に通知するため、「プリン」(名称情報)と、プリンを示す物品役務識別情報と、プリンの個数を示す数量情報と、注文者の氏名情報と、配送先情報とを、担当者情報がメール本文に記載された電子メールを、Eメールアドレス情報に基づいて、販売業者の担当者に通知する。販売業者は、この電子メールに基づいて、配送処理を行う(ステップS70)。
また、履歴管理手段33が、スマートフォン20からの注文要求通知により注文した物品または役務(この場合、プリン。)を示す物品役務識別情報が含まれるバーコード情報や注文した年月日および時間を示す注文日時情報を注文履歴情報として、記憶手段39に格納する(ステップS80)。
【0037】
2次元バーコードには、物品や役務を識別する物品役務識別情報だけでなく、広告識別情報が含まれているため、同じ物品や役務でも、ポスター、チラシ配布、新聞、雑誌、テレビ放送など、どのような広告媒体を使っての注文が多いのかを、履歴管理手段33が注文ごとの広告識別情報を記憶手段39に蓄積することで、販売業者は統計的に分析することが可能となる。
また、スマートフォン20が所在する位置を示す位置情報が注文時に、スマートフォン20から電子商取引支援装置30へ送信されるため、様々なところに貼り付けたポスターや、配布したチラシでも、どの地区のものが注文に使用されたかを、この位置情報により判別することができる。従って、どの地域に貼られたポスター、または配布されたチラシの効果が、一番高いかなどの分析に、この位置情報を使用することができる。
また、注文処理手段34が、注文者の注文した位置を位置情報により特定して、地域により注文可能としたり、注文不可としたりすれば、物品や役務の注文を地域で限定することができる。
【0038】
また、2次元バーコードにパートナー情報が含まれているため、物品または役務の一定割合を販売業者のパートナー企業に報奨金として渡すことができる。例えば、パートナー企業を、チラシやポスターを作製する印刷会社とすると、印刷会社は、売上に応じて報奨金を受け取ることができることで、よりよいチラシやポスターを作製する励みになる。また、販売業者は、売上に応じて奨励金を渡す代わりに、チラシやポスターを安価に作製することができる。
【0039】
更に、記憶手段39に格納された物品役務情報に有効期間情報が含まれているため、販売業者による物品や役務の提供の有効期限を過ぎてチラシやポスターが放置されたため、注文者が知らずに注文しようとしとしても、注文処理手段34が有効期間情報をチェックすることにより、誤って物品や役務が注文されてしまうことを防止することができる。また、注文者への事前の告知のために、有効期間とした日時前から、注文者にチラシCを配布しても、誤って、商品や役務が販売されてしまうことを防止することができる。
この商品や役務の販売を販売期間に限定する方法は、具体的には、物品や役務の提供の期間が限定される、コンサートや芝居のチケット、展示会や展覧会のチケット、期間限定商品などの販売に好適である。
【0040】
なお、2次元バーコードに有効期間情報を含めることもできる。2次元バーコードに有効期間情報を含めれば、電子商取引支援装置30にて、物品役務識別情報から記憶手段39を検索して、物品役務識別情報に関連付けられた有効期間情報を検索する必要がないため、電子商取引支援装置30の負担を軽減することができる。
【0041】
次に、注文者が注文した物品や役務を一覧として表示する注文履歴画面を使った操作を
図6から
図10に基づいて説明する。
注文者が、注文した物品または役務の履歴を見たいときには、表示画面に表示された注文履歴のアイコンを押下操作となるタップする。この操作により履歴要求手段として機能した要求通知手段24から履歴画面要求通知が電子商取引支援装置30へ送信される(ステップS110)。
電子商取引支援装置30では、履歴管理手段33が、スマートフォン20からの履歴表示要求通知に応じて、記憶手段39から注文履歴である注文履歴情報を読み出し、注文履歴情報を一覧とした履歴画面情報をスマートフォン20へ送信する(ステップS120)。
スマートフォン20では、閲覧手段23が、電子商取引支援装置30からの履歴画面情報を受信して表示手段25に表示する(ステップS130)。表示手段25に表示された履歴画面情報に基づく注文履歴画面を
図7に示す。
【0042】
図7では、過去に商品としてプリンを注文した2件分の注文履歴画面P2の例を図示している。また、
図7に示す注文履歴画面P2では、注文履歴のアイコンB2が下部に表示されている。更に、
図7では、注文されたプリンの2件がキャンセル可能である旨のメッセージが表示されている。
注文された物品または役務は、注文時間から所定時間(例えば30分)以内であれば、キャンセルが可能である。注文者が、表示手段25に表示された注文履歴画面P2のキャンセル可能である旨のメッセージを見て、履歴選択操作として、それぞれの注文履歴情報のうち、入力手段26であるタッチパネルをタップして、キャンセル対象の物品または役務を選択する。この履歴選択操作によりキャセル画面が表示手段25に表示される(ステップS140)。表示手段25に表示された操作画面を
図8に示す。
【0043】
図8に示す操作画面P3では、「ご購入をキャンセルする」ボタンB3が表示されている。注文者は、キャンセル操作として、この「ご購入をキャンセルする」ボタンB3をタップすると、要求通知手段24がキャンセル要求通知を、プリンを示す物品役務識別情報および注文者を示す注文者識別情報と共に、電子商取引支援装置30へ送信する(ステップS150)。
電子商取引支援装置30では、注文された物品または役務は、キャンセル可能な期間を経過するまでは、
図4に示すステップS60の受注処理および決済処理は保留されている。注文処理手段34が、スマートフォン20からのキャンセル要求通知に応じて物品役務識別情報にて示されるプリンを、注文者識別情報に対応する注文の際の注文情報に基づいて、保留されていた受注処理および決済処理をキャンセル処理する(ステップS160)。
【0044】
このように、注文者が一度注文した物品または役務であっても、注文から所定時間以内であれば簡単にキャンセルすることができる。
【0045】
ここで、注文者が紹介者となって、注文した物品または役務を、家族や友人、知人などにも紹介したい場合を、
図9に基づいて説明する。注文者(紹介者)は、
図6に示すステップS110と同様に、表示画面に表示された注文履歴のアイコンを押下操作となるタップする。この操作により履歴要求手段として機能した要求通知手段24から履歴画面要求通知が電子商取引支援装置30へ送信される(ステップS210)。
電子商取引支援装置30では、
図6に示すステップS120と同様に、スマートフォン20からの履歴表示要求通知に応じて、注文履歴情報を一覧とした履歴画面情報をスマートフォン20へ送信する(ステップS220)。
【0046】
スマートフォン20では、
図6に示すステップS130と同様に、電子商取引支援装置30からの履歴画面情報を受信して表示手段25に表示する(ステップS230)。
次に、注文者は、
図8に示す操作画面P3を表示させた状態(
図6に示すステップS130の状態)で、操作画面P3に表示された紹介ボタンである「この商品を友人に薦める」ボタンB4をタップ(押下操作)する(ステップS240)。
スマートフォン20では、「この商品を友人に薦める」ボタンB4がタップされたことで、光学式読取情報生成手段27が、
図10に示すように、バーコード情報に基づいて図形化した2次元バーコードQ1を表示手段25に表示する(ステップS250)。
図1に示すチラシCに印刷された2次元バーコードQでは、物品役務識別情報と、会社識別情報と、広告識別情報と、パートナー情報とが、バーコード情報(
図11(A)参照)として含まれているが、2次元バーコードQ1では、
図11(B)に示すように、これらのバーコード情報に、紹介者を示す紹介者識別情報が個人識別情報として含まれている。
【0047】
注文者は紹介者となって、紹介者端末装置として機能するスマートフォン20を操作して、表示手段25に表示された2次元バーコードQ1を、例えば、知人に見せる。そうすると、この知人が新たな注文者となって注文者端末装置として機能するスマートフォン20を操作して、2次元バーコードQ1を読取手段22により読み取らせる。
【0048】
新たな注文者が操作するスマートフォン20では、読取手段22が2次元バーコードQ1を読み取り分析する。読取手段22が、
図4に示すステップS10と同様に、この2次元バーコードQ1に基づいて分析した情報に、スマートフォン20を操作する注文者を識別するための個人識別情報(注文者識別情報)、および測位手段28から入力したスマートフォン20が所在する経度、緯度などの位置情報を付加した注文情報(
図11(B)参照)を、電子商取引支援装置30のネットワーク上のアドレスに、注文画面要求通知として、無線手段21を介して送信する(ステップS260)。
【0049】
電子商取引支援装置30では、2次元バーコードQ1を読み込むことで送信されるスマートフォン20からの注文画面要求通知を受信すると、まず、
図4に示すステップS20と同様に、注文処理手段34が有効期間情報をチェックする(ステップS270)。
電子商取引支援装置30が注文画面要求通知を受信した日時が有効期間内であれば、
図4に示すステップS30と同様に、画面送信手段32が、スマートフォン20からの物品役務識別情報に基づいて、記憶手段39から注文画面情報を読み出し、スマートフォン20へ送信する(ステップS280)。
【0050】
スマートフォン20では、
図4に示すステップS40と同様に、閲覧手段23が、電子商取引支援装置30からの物品役務識別情報に対応する物品または役務の注文画面情報を受信して表示手段25に表示する(ステップS290)。
注文者は、注文操作として、数量を指定して、注文画面P1(
図5参照)に表示された注文ボタンである「購入する」ボタンB1をタップすることで押下する。この注文操作により、
図4に示すステップS50と同様に、要求通知手段24が、注文要求通知を電子商取引支援装置30へ送信する(ステップS300)。
【0051】
電子商取引支援装置30では、
図4に示すステップS60と同様に、注文処理手段34が、スマートフォン20からの注文情報に含まれた物品役務識別情報が示すプリンを受注する受注処理を行い、注文者識別情報となる個人識別情報に対応する決済情報に基づいて決済処理する(ステップS310)。例えば、注文処理手段34が、クレジット会社が運営するサーバへ決済通知を送信する。また、
図4に示すステップS70と同様に、注文処理手段34が、Eメールにより販売業者の担当者に配送要求を通知する(ステップS320)。
【0052】
そして、電子商取引支援装置30では、報酬付与手段36が、注文情報に含まれる2次元バーコードQ1に含まれた紹介者識別情報としての個人識別情報に関連付けられた報酬情報に、価格情報に応じた紹介者報酬情報を加算することで、紹介者にインセンティブとなる報酬を付与する。また、報酬付与手段36は、注文情報に含まれる注文者識別情報としての個人識別情報に関連付けられた報酬情報に、価格情報に応じた注文者報酬情報を加算することで、新たな注文者に対してもインセンティブとなる成功報酬を付与する(ステップS330)。
本実施の形態では、報酬付与手段36が、価格情報が示す価格の2%のポイントを紹介者への報酬として付与すると共に、価格情報が示す価格の1%のポイントを注文者への報酬として付与している。本実施の形態では、報酬をポイントとしており、このポイントは、次回以降の注文時に使用できるが、例えば、報酬付与手段36による報酬としては、電子マネーを付与するようにしてもよい。
【0053】
履歴管理手段33は、
図4に示すステップS80と同様に、スマートフォン20からの注文要求通知により注文した物品または役務(この場合、プリン。)を示す物品役務識別情報が含まれるバーコード情報や注文した年月日および時間を示す注文日時情報を注文履歴情報として、記憶手段39に格納する(ステップS340)。
このように、注文履歴から光学式読取情報生成手段27が2次元バーコードQ1を発行するため、紹介者に専門的な知識が不要である。また、注文者が紹介者となり、注文したプリンを、知人が注文者となって、安心して注文することができる。従って、紹介者は、手軽に友人や知人、家族などに注文した物品または役務を薦めることができる。
【0054】
履歴管理手段33がスマートフォン20へ送信する物品役務識別情報は、最初の注文者がチラシCから読み取った2次元バーコードQが示す物品役務識別情報と異なる値とした更新したものとすることができる。これは、この更新は、2次元バーコードが、販売業者が作製したチラシやポスターであるのか、スマートフォン20により表示されたものであるかを識別できるようにするためである。例えば、物品役務識別情報の特定フラグを有効にしたり、注文者間を伝わった回数が判るようにカウンタとしたりすることができる。このように、物品役務識別情報を更新したものとすることで、口コミによる影響度を分析することができる。
【0055】
以上のように本実施の形態に係る電子商取引支援システム10では、スマートフォン20にて広告媒体に表示された2次元バーコードQから物品役務識別情報を読み取り、電子商取引支援装置30を示すネットワーク上のアドレスに送信することで、注文者は注文画面情報に基づいて物品または役務を注文することができるので、注文予定の商品をカートへ入れ、決済処理を行うなどの煩雑な操作が不要である。
また、スマートフォン20が、スマートフォン20内に設定された電子商取引支援装置30を示すネットワーク上のアドレスに、2次元バーコードQから読み取った物品役務識別情報を送信するので、注文者は、2次元バーコードQが示すURLが表示された画面をタップする手間を省くことができるので、更に煩雑な操作が不要である。
また、電子商取引支援システム10では、電子商取事業者に設置された電子商取引支援装置30が決済処理を行うため、販売業者のホームページが決済処理の機能を備える必要がなく、物品や役務の紹介ページを設けるだけでよい。
【0056】
上記例では、販売者が販売するプリンを注文者が購入する例を説明したが、電子商取引支援システム10は、販売される商品ではないカタログを請求することにも使用できる。従って、注文者がカタログを取り寄せ、取り寄せた注文者が紹介者になって、新たな注文者がカタログを取り寄せることで、報酬を得られるようにすることもできる。
なお、注文者が、無償の物品として、カタログを請求することの以外に、例えば、注文者は、電子商取引支援装置30に登録された個人情報に基づいて金融機関の口座開設を請求することも可能である。その場合には、氏名情報と、住所情報と、電話番号情報、配送先情報と、決済情報と、Eメールアドレス情報などの他に、会社情報や学校情報、会社・学校の連絡先情報など、口座開設に必要な情報が登録されているのが望ましい。注文者は、これを2次元バーコードにより他の注文者に紹介して、広めることもできる。
【0057】
更に、電子商取引支援システム10では、カタログ請求の代わりに、予約とすることも可能である。予約は、講演、観劇、コンサートなどチケット、鉄道および飛行機のチケット、ホテルの宿泊などが可能であり、予約できるものであれば、問題なく採用することができる。この場合においても、同様に、注文者は、これを2次元バーコードにより他の注文者に紹介して、広めることもできる。
【0058】
上記例では、スマートフォン20の光学式読取情報生成手段27は、光学式読取情報として2次元バーコードを発行して、表示手段25に表示させ、注文者に、物品や役務を紹介していたが、光学式読取情報生成手段27は、印刷制御手段29aを介して、図示しない印刷装置にて、光学式読取情報を媒体に出力するようにしてもよい。紹介者は、印刷装置にて大量に、他人に薦めたい注文物品役務等を示す光学式読取情報(例えば、2次元バーコードQ1、
図10参照)を印刷して配布することができるため、報酬を獲得する機会を広く得ることができる。
【0059】
また、光学式読取情報生成手段27は、メール送信手段29bを介して、光学式読取情報を電子メールにより送信するようにしてもよい。紹介者は、新たに注文者となる知人に薦めたい注文物品役務等を示す光学式読取情報を、HTMLメールに貼り付けたり、テキストメールに添付ファイルとして添付したりして、配布することができるため、報酬を獲得する機会を広く得ることができる。
【0060】
注文者は、注文者端末装置として機能するスマートフォン20の読取手段22により、媒体に印刷された光学式読取情報や、電子メールにより通知された光学式読取情報を読み取ることで、簡単に注文物品役務等を注文することができる。
【0061】
更に、光学式読取情報生成手段27は、アップロード手段29cを介して、光学式読取情報を、FACEBOOK(登録商標)やTWITTER(登録商標)、LINE(登録商標)などのソーシャルネットワークキイングサービスを運営するサイトにアップロードするようにしてもよい。紹介者は、他人に薦めたい注文物品役務等を示す光学式読取情報をソーシャルネットワークサービスにアップロードして広めることができるため、報酬を獲得する機会を広く得ることができる。
【0062】
注文者は、パーソナルコンピュータなどにより、ソーシャルネットワークサービスを運営するサイトにアクセスして、画面に表示された光学式読取情報を、注文者端末装置として機能するスマートフォン20の読取手段22により読み取ることで、簡単に注文物品役務等を注文することができる。