特許第6316984号(P6316984)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6316984抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6316984
(24)【登録日】2018年4月6日
(45)【発行日】2018年4月25日
(54)【発明の名称】抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシート
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20180416BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20180416BHJP
【FI】
   A41D13/11 M
   A62B18/02 C
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-561775(P2016-561775)
(86)(22)【出願日】2015年3月23日
(65)【公表番号】特表2017-514024(P2017-514024A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】CN2015000195
(87)【国際公開番号】WO2015154543
(87)【国際公開日】20151015
【審査請求日】2016年11月11日
(31)【優先権主張番号】201410138905.5
(32)【優先日】2014年4月9日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516299925
【氏名又は名称】サンダイナミック テクノロジー エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】Sundynamic Technology Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100101340
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英一
(74)【代理人】
【識別番号】100205730
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 重輝
(72)【発明者】
【氏名】リン,ファン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ミンドン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ディンリアン
(72)【発明者】
【氏名】ドン,ユペン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,グアンフェン
【審査官】 山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/016462(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第103637431(CN,A)
【文献】 特開2005−095879(JP,A)
【文献】 特表2009−525108(JP,A)
【文献】 特開昭58−105989(JP,A)
【文献】 特開2004−361714(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103610242(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/00 − 13/12、20/00
A62B 7/00 − 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌外層(1)と、濾過中間層(2)と、保護分離層(3)との3層構造によって組合せて形成され、抗菌かつPM2.5の粒子濾過をするフィルターシートは、左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)を、真ん中に配置されている溶接部(5)で結合しまたは縫合することにより構成され、前記抗菌かつPM2.5粒子の濾過をするフィルターシートとマスクは、粘着テープ(4)によって連結され、前記抗菌外層(1)、濾過中間層(2)、保護分離層(3)、粘着テープ(4)、溶接部(5)の結合または縫合、左側フィルターシート(6)、および右側フィルターシート(7)からなることを特徴とする抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシートであって、
前記抗菌外層(1)と、濾過中間層(2)と、保護分離層(3)と、溶接部(5)の結合または縫合と、左側フィルターシート(6)と、右側フィルターシート(7)と、耳バンド(8)とノーズクリップ(9)から使い捨て立体型マスクを構成され、
前記抗菌外層(1)は、抗菌剤とするアミノ酸亜鉛フタロシアニンおよびその誘導体と、木繊維、綿繊維、竹繊維、麻繊維、炭素繊維、PP、PVC人造繊維および混紡繊維から選ばれる1種または2種以上からなるものであり、自然光またはLED赤い光源によって光動力を提供し、
前記濾過中間層(2)はエレクトレット溶射不織布であり、
前記保護分離層(3)はポリプロピレンスパンボンド不織布であり、
前記抗菌剤であるアミノ酸亜鉛フタロシアニンの含有量は、0.000001〜0.0025%である抗菌かつPM2.5の粒子を濾過する立体型マスク用フィルターシート。
【請求項2】
抗菌剤の成分であるアミノ酸亜鉛フタロシアニンおよびその誘導体は、下記の化学構造式Iを有する抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシートであって、
【化1】

式中、Rは親水性官能基であり、前記化学構造式Iにおけるアミノ酸構造単位の重合度n値は3〜35とすることを特徴とする請求項1に記載の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシート。
【請求項3】
前記化学構造式IにおけるRはヒドロキシル基(-OH)またはカルボキシ基(-COOH)であることを特徴とする請求項2に記載の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシート。
【請求項4】
抗菌剤の光動力は、波長640〜690nmのLED赤い光源、自然光およびレーザーに由来することを特徴とする請求項1に記載の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型フィルターシート。
【請求項5】
抗菌剤と木繊維、綿繊維、竹繊維、麻繊維、炭素繊維、PP、PVC人造繊維および混紡繊維から選ばれる1種または2種以上の結合様態は、浸染、染色印刷および塗装から選ばれる1種または2種以上であり、
前記処理後の繊維溶射不織布に使用される乾燥温度は、40〜120℃である請求項1に記載の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシート。
【請求項6】
前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)との上下縁部が直線または内側へ凹んだ弧状であり、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)は完全に対称な構造を呈し、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)との水平幅は60〜110mmであり、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)の溶接部(5)近くの垂直幅が80〜110mmであり、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)の粘着テープ(4)近くの垂直幅が30〜60mmであり、前記溶接部(5)の位置は外側へ凸む弧状であることを特徴とする請求項1に記載の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシート。
【請求項7】
前記左側フィルターシート(6)および右側フィルターシート(7)の上縁部と水平線とのなす角度は20°〜50°であり、前記左側フィルターシート(6)および右側フィルターシート(7)の下縁部と水平線とのなす角度は30°〜60°であることを特徴とする請求項1に記載の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシート。
【請求項8】
前記溶接部(5)から外側へ凸む最高点の垂直接線と溶接部上半弧状とのなす角度は10°〜40°であり、溶接部(5)から外側へ凸む最突出点の垂直接線と溶接部下半弧状とのなす角度は10°〜40°であり、前記溶接部の幅が1〜3mmであり、前記溶接部の長さがフィルターシートの前弧と一致していることを特徴とする請求項1に記載の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシート。
【請求項9】
前記粘着テープ(4)が抗菌外層で縁部より2〜5mmの箇所に固定され、前記粘着テープ(4)の幅が5mm〜20mmであり、前記粘着テープ(4)の長さが20mm〜50mmであることを特徴とする請求項1に記載の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生保健の分野に属し、特に抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシートに関する。
【背景技術】
【0002】
防護マスクはスモッグ天気、花粉の季節において広く用いられる呼吸用衛生防護具であるが、防護マスクの重要部品としては空気フィルターシートであり、市販のフィルターシートは、主に空気中のPM2.5粒子や、花粉などの微粒子を濾過することに用いられる。しかし、微粒子に付随する大量の細菌がマスクのフィルターシートに残留され、呼吸による形成される温度及び湿度の微小環境では、これらのフィルターシートに残存の細菌が大量に繁殖する可能性があり、2次汚染を起こし、健康的な呼吸に損害をもたらす。そのため、効果的な防護のために、マスクのフィルターシートには、PM2.5の微粒子や、花粉などの微粒子を効率よく濾過する性能を有するのみならず、迅速抗菌と二次汚染防止の二つの性能を有さなければならない。現在、市場において、このような効果的な防護用マスクフィルターシートがまだない。
【発明の概要】
【0003】
本発明の立体型マスク用フィルターシートは、抗菌外層(1)と、濾過中間層(2)と、保護分離層(3)との3層構造によって組合せて形成され、抗菌かつPM2.5の粒子濾過をするフィルターシートは、左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)を、真ん中に配置されている溶接部(5)で結合しまたは縫合することにより構成され、前記抗菌かつPM2.5粒子の濾過をするフィルターシートとマスクは、粘着テープ(4)によって連結され、前記抗菌外層(1)、濾過中間層(2)、保護分離層(3)、粘着テープ(4)、溶接部(5)の結合または縫合、左側フィルターシート(6)、および右側フィルターシート(7)からなることを特徴とする抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシートであって、
前記抗菌外層(1)と、濾過中間層(2)と、保護分離層(3)と、溶接部(5)の結合または縫合と、左側フィルターシート(6)と、右側フィルターシート(7)と、耳バンド(8)とノーズクリップ(9)から使い捨て立体型マスクを構成され、
前記抗菌外層(1)は、抗菌剤とするアミノ酸亜鉛フタロシアニンおよびその誘導体と、木繊維、綿繊維、竹繊維、麻繊維、炭素繊維、PP、PVC人造繊維および混紡繊維から選ばれる1種または2種以上からなるものであり、自然光またはLED赤い光源によって光動力を提供し、
前記濾過中間層(2)はエレクトレット溶射不織布であり、
前記保護分離層(3)はポリプロピレンスパンボンド不織布である抗菌かつPM2.5の粒子を濾過することを特徴とする。
【0004】
本発明は、抗菌光動力技術を用いて効率の高い抗菌性素材を製造し、さらに、PM2.5微粒子濾過ための効率よい濾過材を組み合せて抗菌、及びPM2.5微粒子や花粉などの多種の粒子や微生物を濾過するための効果の高い立体型マスクフィルターシートを提供することを目的とし、PM2.5の粒子や花粉や微生物を防止できる健康な呼吸をするための効果的な防護を提供するためである。本発明におけるフィルターシートとしては、立体型マスク、医療用マスク及び通常のマスクを組合せて繰り返して使用可能な抗菌・スモッグ対応としてのマスクを形成してよいし、直接に使い捨て抗菌・スモッグ対応としてのマスクを製造してもよい。
【0005】
本発明の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシートは、抗菌外層(1)と、濾過中間層(2)と、保護分離層(3)との3層構造によって組合せて形成される。その作用は、効果の高い濾過を保証すると共に、フィルターシートに残存の病菌を迅速に殺し、病菌の繁殖による二次汚染を避け、健康的な呼吸を効果的に保証するというものである。
【0006】
本発明の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシートでは、抗菌外層としては、抗菌剤とするアミノ酸亜鉛フタロシアニンおよびその誘導体と、木繊維、綿繊維、竹繊維、麻繊維、炭素繊維、PP、PVC人造繊維および混紡繊維から選ばれる1種または2種以上からなるものであり、このような結合様態は、このような抗菌光動力技術がより広く応用されることに便利になる。すなわち、このような結合様態としては、抗菌剤と木繊維、綿繊維、竹繊維、麻繊維、炭素繊維、PP、PVC人造繊維および混紡繊維から選ばれる1種または2種以上の結合様態は、浸染、染色印刷および塗装から選ばれる1種または2種以上であり、
前記処理後の繊維溶射不織布に使用される乾燥温度は、30〜180℃であり、好ましくは40〜120℃である。
【0007】
本発明の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシートでは、抗菌剤の成分としては、下記の化学構造式Iを有するアミノ酸亜鉛フタロシアニンおよびその誘導体である。
【0008】
【化1】
【0009】
式中、Rは親水性官能基であり、ヒドロキシル基(-OH)、カルボキシ基(-COOH)、エステル基(-COOR1)などの親水性官能基が好ましく、中でもエステル基におけるR1の構造は、比較的な短い鎖長を有する親水性の官能基、疎水性の官能基および中性官能基であってもよい。
【0010】
前記化学構造式Iにおけるアミノ酸構造単位の重合度n値は3〜35、好ましくは4〜8および20〜35とする。
【0011】
本発明によれば、このような構造は水溶性を有し、抗菌層を形成する過程において、操作が便利であり、工業化生産に便利になる。
【0012】
本発明の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシートでは、抗菌剤であるアミノ酸亜鉛フタロシアニンの含有量は0.000001〜0.0025%であり、このような抗菌剤は使用量が低く、人体や環境への影響が小さい。
【0013】
本発明の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシートでは、抗菌剤の光動力は、主にLED赤い光源、自然光およびレーザーに由来し、波長640〜690nmのLED赤い光源と自然光が好ましく、このような結合により、自然光の光エネルギーを効果的に利用してフィルターシートに光動力を提供することができ、30分以内で滅殺率が99%を達成した。
【0014】
本発明の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシートでは、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)との上下縁部が直線または内側へ凹んだ弧状であり、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)は完全に対称な構造を呈し、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)との水平幅は60〜110mmであり、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)の溶接部(5)近くの垂直幅が80〜110mmであり、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)の粘着テープ(4)近くの垂直幅が30〜60mmであり、前記溶接部(5)の位置は外側へ凸む弧状であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシートでは、前記左側フィルターシート(6)および右側フィルターシート(7)の上縁部と水平線とのなす角度は20°〜50°であり、前記左側フィルターシート(6)および右側フィルターシート(7)の下縁部と水平線とのなす角度は30°〜60°である。
【0016】
本発明の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシートでは、前記溶接部(5)から外側へ凸む最高点の垂直接線と溶接部上半弧状とのなす角度は10°〜40°であり、溶接部(5)から外側へ凸む最突出点の垂直接線と溶接部下半弧状とのなす角度は10°〜40°であり、前記溶接部の幅が1〜3mmであり、前記溶接部の長さがフィルターシートの前弧と一致している。
【0017】
本発明の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をするの立体型マスク用フィルターシートでは、前記粘着テープ(4)が抗菌外層で縁部より2〜5mmの箇所に貼り付けられ、前記粘着テープ(4)の幅が5mm〜20mmであり、前記粘着テープ(4)の長さが20mm〜50mmである。
【0018】
本発明では、本発明の目的を達成するために以下の技術方案をとる。
【0019】
1.本発明に係るフィルターシートは、3層複合の方式を採用し、抗菌層、濾過層及び保護層を効果的に組合せることにより、0.3μmの微粒子に対しての有効な濾過率を95%〜99%に達成すると共に、細菌を迅速に殺し、マスク着用過程における二次汚染を避けることができる。
【0020】
2.本発明に係るフィルターシートは、抗菌光動力技術を採用し、太陽光を光増感剤の光動力の由来として効果的に利用する。光増感剤は、自然光の照射を受けて光エネルギーを吸収し、光化学反応を起こすことにより、遊離または一重項酸素が発生して細菌を滅殺し、30分で滅殺率が99%以上を達成する。
【0021】
3.本発明に係るフィルターシートは、有機光増感剤を用いて抗菌素材とし、水溶性がよく、使用量が少なく、人体や環境にやさしい。
【0022】
4.本発明に係るフィルターシートは、抗菌・濾過の性能とフィルターシートの立体型構造との効果的な結合により、このような立体型構造が人の顔にぴったり密着して細菌の滅殺とPM2.5微粒子の濾過を達成し、同時に漏れを避け、立体型マスクを製作することができる。
【0023】
5.本発明における接着剤を用いる設計により、フィルタシートを異なるマスクと組合せて着用することができ、保温性能を有する普通マスクを抗菌・濾過性能を有するマスクに転換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシートの構成を示す略図
図2】抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする弧状の上下縁部を有する立体型マスク用フィルターシートを示す平面展開略図
図3】抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする直線の上下縁部を有する立体型マスク用フィルターシートを示す平面展開略図
図4】抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシートの立体構造を示す略図
図5】抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型使い捨てマスクの立体構造を示す略図
図6】抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシートの迅速抗菌データを示す図
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0025】
図1は、抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシート構成を示す略図であり、フィルターシートは、主に、外層抗菌層(1)と、中間濾過層(2)と、内層保護分離層(3)との3層構造によって形成され、抗菌層はアミノ酸亜鉛フタロシアニンが付着している繊維溶射不織布、中間濾過層はエレクトレット溶射不織布、内層はポリプロピレンスパンボンド不織布である。このような構造を有する濾過層により、95%以上のPM2.5の粒子を効果的に濾過し、30分で99%の抗菌性を達成し(図6参照)、病菌を迅速に殺し(耐薬菌(一般的にスーパー細菌と呼ばれる)を含み)、なかでも化膿性病菌、腸の病菌および病原性真菌が含まれ(表1参照)、二次汚染を避けることができる。
【実施例2】
【0026】
図2は、抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする弧状の上下縁部を有する立体型マスク用フィルターシートの平面展開略図であり、フィルターシートは、主に、外層抗菌層(1)と、中間濾過層(2)と、内層保護分離層(3)との3層構造によって形成され、なかでも抗菌層はアミノ酸亜鉛フタロシアニンが付着している繊維溶射不織布、中間濾過層はエレクトレット溶射不織布、内層はポリプロピレンスパンボンド不織布であり、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)の上下縁部は弧状(図2に示す)であり、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)は完全に対称な構造を呈し、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)の水平幅が60〜110mmであり、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)の溶接部(5)近くの垂直幅が80〜110mmであり、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)の粘着テープ(4)近くの垂直幅が30〜60mmであり、前記溶接部(5)の位置は外側へ凸む弧状であり、前記左側フィルターシート(6)および右側フィルターシート(7)の上縁部と水平線とのなす角度は20°〜50°であり、前記左側フィルターシート(6)および右側フィルターシート(7)の下縁部と水平線とのなす角度は30°〜60°であり、前記溶接部(5)から外側へ凸む最高点の垂直接線と溶接部上半弧状とのなす角度は10°〜40°であり、溶接部(5)から外側へ凸む最突出点の垂直接線と溶接部下半弧状とのなす角度は10°〜40°であり、前記溶接部は幅が1〜3mmであり、前記溶接部は長さがフィルターシートの前弧と一致している。このような構造を有する濾過層により、PM2.5の粒子を95%以上効果的に濾過し、30分で99%の抗菌性を達成した(図6参照)。細菌を迅速に殺し、二次汚染を避けると共に、三次元構造により、人の顔にぴったり密着し(図4に示す)、空気漏れを避けることができる。
【実施例3】
【0027】
図3は、抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする直線上下縁部を有している立体型マスクのフィルターシートの平面展開略図であり、フィルターシートは、主に、外層抗菌層(1)と、中間濾過層(2)と、(3)内層保護分離層との3層構造によって形成され、なかでも抗菌層はアミノ酸亜鉛フタロシアニンが付着している繊維溶射不織布、中間濾過層はエレクトレット溶射不織布、内層はポリプロピレンスパンボンド不織布であり、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)の上下縁部が直線状(図3に示す)であり、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)は完全に対称な構造を呈し、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)は水平幅が60〜110mmであり、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)の溶接部(5)近くの垂直幅が80〜110mmであり、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)の粘着テープ(4)近くの垂直幅が30〜60mmであり、前記溶接部(5)の位置は外側へ凸む弧状であり、前記左側フィルターシート(6)および右側フィルターシート(7)の上縁部と水平線とのなす角度は20°〜50°であり、前記左側フィルターシート(6)および右側フィルターシート(7)の下縁部と水平線とのなす角度は30°〜60°であり、前記溶接部(5)から外側へ凸む最高点の垂直接線と溶接部上半弧状とのなす角度は10°〜40°であり、溶接部(5)から外側へ凸む最突出点の垂直接線と溶接部下半弧状とのなす角度は10°〜40°であり、前記溶接部は幅が1〜3mmであり、前記溶接部は長さがフィルターシートの前弧と一致している。このような構造を有する濾過層により、PM2.5の粒子を95%以上効果的に濾過し、30分で99%の抗菌性を達成した(図6参照)。細菌を迅速に殺し、二次汚染を避けると共に、三次元構造により、人の顔にぴったり密着し(図4に示す)、空気漏れを避けることができる。
【実施例4】
【0028】
図4は、抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする弧状上下縁部を有している立体型マスク用フィルターシートの立体構造を示す略図であり、フィルターシートは、主に、外層抗菌層(1)と、中間濾過層(2)と、内層保護分離層(3)との3層構造によって形成され、なかでも抗菌層はアミノ酸亜鉛フタロシアニンが付着している繊維溶射不織布、中間濾過層はエレクトレット溶射不織布、内層はポリプロピレンスパンボンド不織布であり、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)の上下縁部が直線状(図3に示す)であり、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)は完全に対称な構造を呈し、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)は水平幅が60〜110mmであり、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)の溶接部(5)近くの垂直幅が80〜110mmであり、前記左側フィルターシート(6)と右側フィルターシート(7)の粘着テープ(4)近くの垂直幅が30〜60mmであり、前記溶接部(5)の位置は外側へ凸む弧状であり、前記左側フィルターシート(6)および右側フィルターシート(7)の上縁部と水平線とのなす角度は20°〜50°であり、前記左側フィルターシート(6)および右側フィルターシート(7)の下縁部と水平線とのなす角度は30°〜60°であり、前記溶接部(5)から外側へ凸む最高点の垂直接線と溶接部上半弧状とのなす角度は10°〜40°であり、溶接部(5)から外側へ凸む最突出点の垂直接線と溶接部下半弧状とのなす角度は10°〜40°であり、前記溶接部は幅が1〜3mmであり、前記溶接部は長さがフィルターシートの前弧と一致している。このような構造を有する濾過層により、PM2.5の粒子を95%以上効果的に濾過し、30分で99%の抗菌性を達成した(図6参照)。細菌を迅速に殺し、二次汚染を避けると共に、三次元構造により、人の顔にぴったり密着し(図4に示す)、空気漏れを避けることができる。
【実施例5】
【0029】
図5は、抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型使い捨てマスクを示す略図である。マスクは、主に前記外層抗菌層(1)と、中間濾過層(2)と、内層保護分離層(3)と、溶接部(5)、左側フィルターシート(6)と、右側フィルターシート(7)と、耳バンド(8)とノーズクリップ(9)から構成され、設計上、マスクの主要部品は立体型フィルターシートと一致し、耳バンド(8)を追加することによって着用しやすくなり、ノーズクリップ(9)を追加することによって使い捨てマスクの空気漏れを避けることができ、このような構造を有するマスクは、PM2.5の粒子を95%以上効果的に濾過し、30分で99%の抗菌性を達成し(図6参照)、細菌を迅速に殺し、二次汚染を避けると共に、三次元構造によって人の顔にぴったり密着し、空気漏れを避けることができる。
【0030】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明に記載の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシートでは、使用される抗菌技術は、開拓の新しい方法であり、前記抗菌層は、抗菌剤と不織布の生地との効果的な結合方式である。このような抗菌方法により、高効率かつ迅速に抗菌することができ、30分で99%以上の抗菌性を達成することができ、高効率かつ迅速的な抗菌とは、伝統的な材料に比べ時間が大幅に短縮されることを意味しているが、二次汚染を避けると共に、使用する抗菌材料が安全かつ環境にやさしいものである。環境の悪化及びPM2.5指数が増えていく工業化社会において、本発明は必要な発明創造である。
【0032】
本発明に記載の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型マスク用フィルターシートでは、採用される抗菌と濾過技術との結合は、簡単的な融合工程技術であり、抗菌技術の開発過程において、抗菌材料の性能を高めるのがすこし複雑なので、これは専門家により担当される仕事である。本発明に記載の抗菌かつPM2.5粒子の濾過をする立体型フィルターシートには、すでに、光動力学原理、静電吸着等の基本原理または結論が含まれているが、理論的な基礎が現れる発明は、最も明確な、最も頼りになり、最も応用性を有する発明であり、これは本発明の科学的基礎であり、それを工業実用性についての正確性前提とする。
【0033】
工業実用性の主な優位性は、構造上の革新に由来する。このような革新は重大な意義があり、中国では、マスクの使用は、十三世紀初宮廷で着用していた防塵絹織物までに遡ることができる。1897年に、ドイツ人は細菌の侵入を防止するガーゼを紹介したが、本発明では、迅速的な抗菌と高効率的な濾過との方法を組合せて特有な立体型構造に応用し、立体型フィルターシートと他のマスクを結合する広い範囲の適用性を論証し、その高効率かつ環境にやさしい工業実用性の優位性は、現有の空気浄化等の環境保全分野に対して変革を生じ、当該製品の技術優位性が一応現れ始めた。
【0034】
工業実用性とは、応用前景及び応用人群の広い範囲にあり、グローバル経済発展に伴い、工業汚染、細菌や病菌の伝播、PM2.5粒子の汚染がますます深刻化し、人間の健康にも被害が生じ、通常の花粉、農作物焼却による粒子等の粒子、及び病院等の公衆場所の飛沫の伝播は、人体健康にも不利が生じる。様々な不利な環境において、人が出かける間に相応の防犯を必ずしなければならなく、これも本発明に係るマスクフィルターシートの初心であり、本発明に係るマスクフィルターシートは、出かける人々のための効果的な防護を提供し、主に、抗菌機能と濾過機能を含むと共に、着用している快適感や実用性に留意し、マスクフィルターシートの抵抗力が低く、フィルターシートは、他のマスクと組合せて使用され易く、非常に強い通用作用を有し、製品を製造する過程で実施しやすく、使用が簡単で、巨大な市場前景と社会利益を持っている。
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