(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内容液を収容する容器本体と、該容器本体の口首部に装着される、吐出ノズル部を備えるノズルキャップとを含み、前記容器本体を押圧することにより、内容液を空気と混合させながら発泡させて、前記吐出ノズル部から泡として吐出させるスクイズフォーマー容器であって、
前記ノズルキャップに設けられた、内容液を空気と混合させた状態で前記吐出ノズル部に送り出す縦方向吐出流路の内部には、内容液を発泡させる多孔部材が装着されていると共に、前記縦方向吐出流路における前記多孔部材よりも圧送方向上流側の内側面には、前記容器本体から内溶液が圧送供給される液流路の先端供給口と、前記容器本体から空気が圧送供給される空気流路の先端供給口とが、各々開口しており、
且つ前記液流路の先端供給口のみを開閉可能に覆って、液流路逆止弁が設けられており、
前記ノズルキャップは、外周面に外気取込み口が開口する、外気取込み弁が設けられた外気取り込み室を有しており、
前記液流路の先端供給口は、円環状弁座部の先端開口として開口しており、前記空気流路の先端供給口は、前記円環状弁座部の先端開口による前記液流路の先端供給口よりも、下がった位置に開口して形成されているスクイズフォーマー容器。
前記液流路逆止弁は、前記容器本体を押圧した際に、内溶液の供給圧力によって前記液流路を開放し、前記容器本体の押圧が解除された際に、前記先端供給口を閉塞して、前記液流路への空気の侵入を阻止する請求項1記載のスクイズフォーマー容器。
前記液流路逆止弁は、前記縦方向吐出流路の内周面から片持ち梁状に支持された状態で、前記液流路の先端供給口のみを開閉可能に覆って設けられている請求項1又は2記載のスクイズフォーマー容器。
前記ノズルキャップは、本体パーツと蓋パーツとを接合一体化した2パーツ構成となっており、該蓋パーツは、前記縦方向吐出流路の直上部分を含んだ領域の上部パーツを形成しており、前記多孔部材は、前記蓋パーツと前記本体パーツとが接合一体化されていない状態で、前記縦方向吐出流路の上方から装着されたものとなっている請求項1〜3のいずれか1項記載のスクイズフォーマー容器。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に示す本発明の好ましい一実施形態に係るスクイズフォーマー容器10は、容器本体11を手で把持して押圧することにより、吐出ノズル部13から内容液を泡として吐出させる泡吐出容器を形成するものである。本実施形態のスクイズフォーマー容器10は、容器本体11に、内容液として例えば染毛剤等が収容されている、スクイズフォーマー容器製品となっている。容器本体11の口首部11aに装着されるノズルキャップ12は、容器本体11を押圧(スクイズ)するスクイズ操作(押圧操作)によって、内容液を空気と混合させながら発泡させて、吐出ノズル部13から泡として吐出させるスクイズフォーマー機能を備えている。また、本実施形態のスクイズフォーマー容器10は、容器本体11を押圧して内溶液を泡として吐出させた後に、押圧を解除した際に、容器本体11に吸引された空気が、液流路24(
図2参照)の先端供給口24aの近傍部分に侵入して滞留しないようにして、次の使用時には、容器本体11を押圧することによる吐出の初期の段階で、泡質の低下した粗い泡が吐出されるのを効果的に回避できるようにする機能を備える。
【0014】
そして、本実施形態のスクイズフォーマー容器10は、
図1に示すように、内容液を収容する容器本体11と、容器本体11の口首部11aに装着される、吐出ノズル部13を備えるノズルキャップ12とを含み、容器本体11を押圧することにより、内容液を空気と混合させながら発泡させて、吐出ノズル部13から泡として吐出させる泡吐出容器である。
図2に示すように、ノズルキャップ12に設けられた、内容液を空気と混合させた状態で吐出ノズル部13に送り出す縦方向吐出流路16の内部には、内容液を発泡させる多孔部材22が装着されている。縦方向吐出流路16における多孔部材22よりも圧送方向上流側の内側面には、容器本体11から内溶液が圧送供給される液流路24の先端供給口24aと、容器本体11から空気が圧送供給される空気流路26の先端供給口26aとが、各々開口している。且つ液流路24の先端供給口24aのみを開閉可能に覆って、液流路逆止弁50が設けられている。
【0015】
本実施形態では、液流路逆止弁50は、容器本体11を押圧した際に、内溶液の供給圧力によって液流路24を開放し、容器本体11の押圧が解除された際に、先端供給口24aを閉塞して、液流路24への空気の逆流を阻止するようになっている(
図4(a)、(b)参照)。
【0016】
また、本実施形態では、液流路逆止弁50は、
図3(a)、(b)にも示すように、縦方向吐出流路16の内周面から片持ち梁状に支持された状態で、液流路24の先端供給口24aのみを開閉可能に覆って設けられている。
【0017】
さらに、本実施形態では、ノズルキャップ12は、本体パーツ12aと蓋パーツ12bとを接合一体化した2パーツ構成となっており、蓋パーツ12bは、縦方向吐出流路16の直上部分を含んだ領域の上部パーツ20aを形成しており、多孔部材22は、蓋パーツ12bと本体パーツ12aとが接合一体化されていない状態で、縦方向吐出流路16の上方から装着されたものとなっている。
【0018】
なお、本願明細書で接合一体化とは、接合方法自体には特定されず、例えば熱溶着等の種々の接合方法の他、本体パーツ12aと蓋パーツ12bとの嵌合による一体化も含まれる。また、一体化した後に本体パーツ12aと蓋パーツ12bに再分解できる程度の一体化も含まれる。
【0019】
また、本願明細書で縦方向とは、
図1に示すように、スクイズフォーマー容器10を正立させた場合の上下方向(
図1の上下方向と一致)を意味する。
更に、本願明細書で上方とは、縦方向において基準となる位置より高い方向、あるいは高い場所を意味する。
【0020】
本実施形態では、スクイズフォーマー容器10を構成する容器本体11は、
図1に示すように、可撓性を有するボトル形状のプラスチック製のブロー成形品である。容器本体11は、例えば略楕円の断面形状を備える有底筒状の胴部11bと、胴部11bの上端部から上方に向けて曲面状に縮径して設けられた肩部11cと、肩部11cの上端部から上方に向けて円筒状に突出して設けられた口首部11a(ノズルキャップ12の装着スカート部18bによって覆い隠されている。)とからなる。胴部11bは、手で把持し易い外径として、例えば40〜80mm程度の外径を有している。口首部11aは、胴部11bの外径より小さな、例えば25〜65mm程度の外径を有している。口首部11aの外周面には、ノズルキャップ12を嵌合装着させるための被係合リブが設けられている。容器本体11は、スクイズ変形(押圧変形)が良好になるように、プラスチック材料として、例えばポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂を単独又は適宜複数種混合して用いて形成されている。
【0021】
本実施形態では、ノズルキャップ12は、例えばプラスチック製の射出成形品であって、
図2に示すように、本体パーツ12aと蓋パーツ12bとが、別体として形成される。ノズルキャップ12を形成するためのプラスチック材料として、例えばポリプロピレン(PP)を用いることができる。
【0022】
ノズルキャップ12を構成する本体パーツ12aは、キャップ本体部18と、キャップ本体部18の天面板18aから上方に突出した状態で当該天面板18aに一体として設けられた、吐出ノズル部13と外気取り込み室19とを含む部分の下部パーツ20bとを備えている。外気取り込み室19は、ノズルキャップ12の、縦方向吐出流路16を間において吐出ノズル部13による横方向吐出流路17とは反対側の領域に設けられている。外気取り込み室19の外周面に、外気取込み口14が開口している。吐出ノズル部13と外気取り込み室19とを含む部分の下部パーツ20bは、蓋パーツ12bによる、吐出ノズル部13と外気取り込み室19とを含む部分の上部パーツ20aと一体として接合されることにより、当該吐出ノズル部13及び外気取り込み室19を形成する。これによって、蓋パーツ12bによる上部パーツ20aは、吐出ノズル部13における、縦方向吐出流路16の直上部分を含んだ領域を有していることになる。
【0023】
キャップ本体部18は、円板形状の天板部18aと、天板部18aの周縁部から下方に延設して筒状に設けられた装着スカート部18bとからなる。装着スカート部18bの内周面には、容器本体11の口首部11aの外周面に設けられた被係合リブに係着する、係合リブ18dが設けられている。装着スカート部18bの内側には、当該装着スカート部18bと間隔をおいて配置されて、インナーリング18cが、天板部18aの下面から円環リング状に突出して設けられている。インナーリング18cは、ノズルキャップ12が容器本体11の口首部11aに装着された際に、口首部11aの先端開口部の内周面に密着配置されることで、当該先端開口部の開口周縁部におけるシール性を向上させる。
【0024】
本実施形態では、キャップ本体部18の天板部18aに上端開口面を開口させて、二段筒状部21が設けられている。二段筒状部21は、天板部18aの中央部よりも吐出ノズル部13の先端吐出口13a側に偏心した位置に、当該天板部18aに一体として設けられている。二段筒状部21は、上段の拡径筒部21aと、下段の縮径筒部21bとからなる2段構造を備えている。上段の拡径筒部21aは、内容液の縦方向吐出流路16を形成している。本実施形態では、拡径筒部21aによる縦方向吐出流路16の内側の上部には、例えばメッシュ状の材料からなる多孔部材22が、複数(本実施形態では4体)重ねて装着されている。内容液を、空気と混合させながら多孔部材22を通過させることで発泡させて、吐出ノズル部13の先端吐出口13aから、当該内容液を泡として吐出させることが可能になる。
【0025】
また、本実施形態では、拡径筒部21aによる縦方向吐出流路16の内側の下部は、容器本体11から液流路24を介して圧送供給される内容液と、容器本体11から空気流路26を介して圧送供給される空気とが混合される、気液混合室51となっている。縦方向吐出流路16における多孔部材22よりも圧送方向上流側の部分の内側面である、気液混合室51の底面部には、
図3(a)にも示すように、液流路24の先端供給口24aと、空気流路26の先端供給口26aとが、各々開口している。液流路24の先端供給口24aは、縮径筒部21bの上端部を気液混合室51の底面よりも上方に突出させて形成した、円環状弁座部52の先端開口として開口している。空気流路26は、二段筒状部21の拡径筒部21aと縮径筒部21bとの間の段差部分に設けられた環状フランジ部21cに、当該環状フランジ部21cを上下に貫通して形成されている。また空気流路26は、環状フランジ部21cの周方向に間隔をおいて複数箇所に設けられている。各々の空気流路26の先端供給口26aは、気液混合室51の底面である、環状フランジ部21cの上面に開口している。空気流路26の先端供給口26aは、円環状弁座部52の先端開口による液流路24の先端供給口24aよりも、下がった位置に形成されている。
【0026】
二段筒状部21の下段の縮径筒部21bには、容器本体11の底部まで延設して設けられるディップチューブ23の上端部分が装着される。これによって縮径筒部21bは、ディップチューブ23と共に、容器本体11への押圧操作によって、内容液を、容器本体11から拡径筒部21aによる縦方向吐出流路16の下部の気液混合室51に送り込むための、液流路24を形成する。
【0027】
本実施形態では、容器本体11への押圧操作によって、液流路24や空気流路26を介して縦方向吐出流路16に送り込まれた内容液と空気は、縦方向吐出流路16の特に気液混合室51において混合されながら、当該縦方向吐出流路16に装着された多孔部材22を通過する。これによって、空気と混合された内容液は、容易に発泡すると共に微細化される。微細な泡となった内容液は、吐出ノズル部13による横方向吐出流路17に送り出されて、先端吐出口13aから泡として吐出される。
【0028】
ここで、本実施形態では、拡径筒部21aによる縦方向吐出流路16の上部に装着される多孔部材22は、例えばメッシュ状の材料からなる多孔部材22として、好ましくは外周枠部22aとメッシュ板部22bとからなる成形メッシュを用いることができる。成形メッシュ22は、成形機を用いて、外周枠部22aとメッシュ板部22bとを一体として容易に製造できるため、安価である。また、成形メッシュによる多孔部材22は、簡単に縦方向吐出流路16の内部に複数個重ねて装着することができる。成形メッシュ22は、縦方向吐出流路16に、複数重ねて装着することが好ましく、これらの成形メッシュ22は、上方から見た際に、メッシュ穴の位置が互いにずれるように重ねて配置されて複数装着されていることが好ましい。これらによって、さらにきめの細かい、良好な泡質の泡を形成することが可能になる。なお、メッシュ穴の位置が互いにずれるように成形メッシュ22を重ねて配置する方法としては、上下に隣接する成形メッシュ22を、周方向に所定の回転角度で相対的に回転させた状態で取り付ける方法や、上下に隣接する成形メッシュ22のメッシュ穴の位置や数を変える方法等を採用することができる。
【0029】
また、成形メッシュ22は、円環状の肉厚の外周枠部22aと、この外周枠部22aに外周縁部を接合することで、外周枠部22aの内側開口を覆って当該外周枠部22aの厚さ方向中間部分に設けられた、メッシュ板部22bとからなる2段構造を備えている。メッシュ板部22bは、外周枠部22aの厚さ方向中間部分に膜板状に設けられると共に、多数のメッシュ穴が形成されている。これによって、縦方向吐出流路16に装着された複数の成形メッシュ22を、外周枠部22aを支持脚部として当接させた状態で、重ね合わせて容易に設置することが可能になる。またこれによって、上下に隣接する成形メッシュ22のメッシュ板部22bの間に、空間を保持することが可能になる。またこれによって、液流路24や空気流路26から気液混合室51に圧送されて混合されながら、最下層の成形メッシュ22のメッシュ板部22bの下面に到った内容液と空気は、多数のメッシュ穴を介して当該メッシュ板部22bを通過してこれの裏側に侵入した後に、上下に隣接するメッシュ板部22bの間に保持された空間を混合空間として、さらに混合されつつ、上方のメッシュ板部22bを順次通過して行く。これらによって、さらにきめの細かい、良好な泡質の泡を形成することが可能になる。成形メッシュ22に、起毛を施しておくことによっても、さらにきめの細かい、良好な泡質の泡を形成することが可能になる。
【0030】
なお、本発明では、縦方向吐出流路16に装着される多孔部材22として、成形メッシュ22等のメッシュ状の材料を用いる他、スポンジ、焼結金属等の、内容液を空気と混合して発泡した泡を微細化させる部材として公知の、各種の泡微細化部材を用いることができる。また多孔部材22は、縦方向吐出流路16に、複数重ねて装着する必要は必ずしもなく、多孔部材22の大きさや形状等を考慮して、一又は複数の多孔部材22を、縦方向吐出流路16に装着して用いることができる。
【0031】
そして、本実施形態では、液流路24の先端供給口24aのみを開閉可能に覆って、液流路逆止弁50が設けられている。液流路逆止弁50は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、エラストマー、シリコン等の合成樹脂からなるプラスチック製の射出成形品であって、装着スリーブ53と一体成形されている。液流路逆止弁50は、
図2及び
図3(a)、(b)に示すように、略円形の平面形状を備えている。装着スリーブ53は、二段筒状部21の拡径筒部21aによる縦方向吐出流路16の内径と、同様の外径を有する円筒形状を備えている。液流路逆止弁50は、円筒形状の装着スリーブ53の下部内周面から、張出し支持片50aを介して片持ち梁状に内側に張り出して設けられている。液流路逆止弁50は、張出し支持片50a以外の部分では、装着スリーブ53の内周面と離間した状態で、装着スリーブ53の横断面中央部分に配置されている。
【0032】
液流路逆止弁50と一体成形された装着スリーブ53を、二段筒状部21の拡径筒部21aによる円筒形状の縦方向吐出流路16の下部に装着することで、装着スリーブ53の内周面を縦方向吐出流路16の内周面として、当該内周面から片持ち梁状に支持された状態で、液流路逆止弁50が縦方向吐出流路16に取り付けられる。これによって、液流路逆止弁50は、気液混合室51の底面よりも上方に突出する、縮径筒部21bの上端部による円環状弁座部52の先端密着部52aに、その周縁部分の下面を着脱可能に密着させた状態で配置される。またこれによって、液流路逆止弁50は、張出し支持片50aを中心として上方に回動することで、縮径筒部21bによる液流路24の先端供給口24aのみを、開閉可能に覆った状態で設けられる。
【0033】
なお、本実施形態では、縦方向吐出流路16の下部に装着された装着スリーブ53の中空内部は、気液混合室51となっている。また、装着スリーブ53の上端面に支持されて、複数の成形メッシュ22が、拡径筒部21aによる縦方向吐出流路16の上部に、重ねて配置されて装着されている。
【0034】
本実施形態では、
図2に示すように、キャップ本体部18の天板部18aにおける、縦方向吐出流路16を間において吐出ノズル部13による横方向吐出流路17とは反対側の領域には、天板部外気取込み口27が、外周面に外気取込み口14が開口している外気取り込み室19の直下部分に配置されて、開口形成されている。天板部外気取込み口27は、天面板18aの上方に設けられた外気取り込み室19を、外気取込み弁15を介して容器本体11の内部と開閉可能に連通させる。外気取込み弁15は、容器本体11を押圧したり、押圧を開放する操作に伴って、スムーズに開閉が行われるようになっている。
【0035】
また、本実施形態では、外気取込み弁15は、ボール弁15aを用いた開閉弁となっている。すなわち、外気取込み弁15は、ボール弁15aと、天板部外気取込み口27の開口周縁部から外気取り込み室19側に立設して設けられた、ボール弁15aが遊嵌装着される装着筒状部15bとからなる。装着筒状部15bは、立設方向中間部分では、その内径がボール弁15aの外径よりも大きくなっている。また装着筒状部15bは、その上下の開口部付近の内径を、ボール弁15aの外径よりも小さくなるように徐々に絞っていることで、ボール弁15aが当該装着筒状部15bから外に出ないようになっている。ボール弁15aは、通常は重力により装着筒状部15bの下部に配置されるが、容器本体11を押圧したり、押圧を解除する操作に伴って、装着筒状部15bの中を上下に移動する。これによって、天板部外気取込み口27の開閉が、スムーズに行われる。なお、容器本体11を押圧した際の内圧によって、ボール弁15aが装着筒状部15bの上側開口部と接触した場合には、外気と容器本体11の内部との空気の流通が遮断されるように、ボール弁15aや装着筒状部15bの各寸法が設定されている。一方、容器本体11の押圧を解除して、容器本体11の内部が負圧になることで、ボール弁15aが装着筒状部15bの下側開口部と接触した場合には、外気と容器本体11の内部との空気の流通が保持されるように、ボール弁15aや装着筒状部15bの各寸法が設定されている。
【0036】
上述の構成を備える本実施形態のスクイズフォーマー容器10では、ノズルキャップ12は、好ましくは上述のように、本体パーツ12aと蓋パーツ12bとが、別体として成形されている。本体パーツ12aに蓋パーツ12bを接合する前に、二段筒状部21の拡径筒部21aによる縦方向吐出流路16の内部に、上方から、液流路逆止弁50と一体成形された装着スリーブ53が装着されると共に、これの上方に、4体の多孔部材22が重ねて装着される。しかる後に、蓋パーツ12bを本体パーツ12aに接合してこれらを一体化する。これによって、吐出ノズル部12と外気取り込み室19とを含む部分の下部パーツ20bの上部が、上部パーツ20aによって閉塞されて、吐出ノズル部13及び外気取り込み室19が形成される。またこれによって、外気取り込み室19の内部に外気取込み弁15が設けられた、ノズルキャップ12を容易に組み立てることができる。
【0037】
組み立てられたノズルキャップ12は、これのキャップ本体部18に設けられた二段筒状部21の縮径筒部21bに、ディップチューブ23の上端部分を取り付けた状態で、キャップ本体部18を、口首部11aに装着することで、容器本体11に一体として取り付けられる。これによって、
図1に示すような、本実施形態のノズルキャップ付き吐出容器10が形成される。
【0038】
上述の構成を備える本実施形態のスクイズフォーマー容器10を使用するには、容器本体11を手で把持して、好ましくは吐出ノズル部13の先端吐出口13aを所定の吐出箇所に向けて傾けた状態で、容器本体11の胴部11bを押圧操作することで減容変形させる。これによって、容器本体11の内部は、加圧状態となるので、
図4(a)に示すように、外気取込み弁15のボール弁15aが装着筒状部15bの上開口部と密着して、天板部外気取込み口27を介した空気の流通が遮断される。また、容器本体11の内部の空気が加圧されて、空気流路26を介して縦方向吐出流路16の気液混合室51に空気が圧送供給される。容器本体11の内部の内容液もまた、加圧されることで、二段筒状部21の縮径筒部21bとディップチューブ23とによる液流路24を介して、気液混合室51に向けて圧送供給されると共に、このときの内溶液の供給圧力によって、液流路逆止弁50の円環状弁座部52への密着状態が開放されることで、先端供給口24aから気液混合室51に内容液が流入する。
【0039】
気液混合室51に圧送供給された内容液と空気とは、容器本体11の胴部11bがさらに押圧されて減容変形することで、混合されながら、縦方向吐出流路16の上部に装着された多孔部材22を通過する。これによって、空気と混合された内容液は、容易に発泡すると共に微細化される。微細な泡となった内容液は、吐出ノズル部13による横方向吐出流路17に送り出されて、先端吐出口13aから泡として吐出される。
【0040】
一方、容器本体11の胴部11bを押圧操作して、吐出ノズル部13から所定量の内容液を泡として吐出させた後に、容器本体11の押圧を解除すれば、胴部11bは、減容変形した状態からその弾性によって元の形状に戻ろうとするので、容器本体11の内部が負圧になる。これによって、
図4(b)に示すように、外気取込み弁15のボール弁15aが装着筒状部15bの下部に移動して、外気取込み口14、外気取込み弁15、及び天板部外気取込み口27を介して外気が容器本体11の内部に取り込まれると共に、円環状弁座部52への密着状態から開放されていた液流路逆止弁50が、即座に下方に回動して、その周縁部分の下面を円環状弁座部52の先端密着部52aに密着させる。
【0041】
また、液流路逆止弁50が円環状弁座部52の先端密着部52aに密着することで、円環状弁座部52の先端開口による液流路24の先端供給口24aが強固にシールされて、吐出ノズル部13や縦方向吐出流路16から泡や空気が液流路24に逆流するのを効果的に遮断する。これによって、泡や空気が、液流路24の先端供給口24aの近傍部分に入り込まないようにして、内容液が、液流路24の先端供給口24aの近傍部分まで、満たされた状態を保持することが可能になる。さらに、円環状弁座部52は、液流路24の先端供給口24aのみを開閉可能に覆って配置されており、液流路24と空気流路26との合流部分よりも、圧送方向上流側に設けられているので、天板部外気取込み口27等から容器本体11の内部に取り込まれた空気が、空気流路26を介して液流路24に回り込むことがない。
【0042】
これらによって、容器本体11の胴部11bへの押圧を解除した後に、次に再び容器本体11の胴部11bを押圧操作してスクイズフォーマー容器10を使用するまでの間、内容液が、液流路24の先端供給口24aの近傍部分まで、満たされた状態を容易に保持することが可能になるので、スクイズフォーマー容器10の次の使用時に、容器本体11を押圧することで内溶液を泡として吐出させる際に、吐出の初期の段階で、液流路24の先端供給口24aの近傍部分に滞留した空気を含む内容液が、空気流路26から圧送される空気とさらに混合されることになって、泡質の低下した粗い泡が吐出されるのを、効果的に回避することが可能になる。
【0043】
したがって、本実施形態のスクイズフォーマー容器10によれば、容器本体11を押圧して、内溶液を泡として吐出させた後に、押圧を解除した際に、外気取込み口14,27や吐出ノズル部13を介して吸引された空気が、液流路24の先端供給口24aの近傍部分に侵入して滞留するのを、効果的に回避することが可能になると共に、次の使用時における吐出の初期の段階で、泡質の低下した粗い泡が吐出されるのを、効果的に回避することが可能になる。
【0044】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、ノズルキャップは、本体パーツと蓋パーツとからなる2パーツ構成となっている必要は必ずしも無く、1パーツ構成や、3パーツ以上の構成となっていても良い。例えば、液流路逆止弁が設けられた二段筒状部を、本体パーツとは別の部品として成形して、多孔部材やディップチューブを装着した状態で、本体パーツのキャップ本体部の天面板に、下方から嵌め込むようにして一体として取り付けることによって、ノズルキャップとすることもできる。
【0045】
また、液流路逆止弁は、縦方向吐出流路の内周面から片持ち梁状に支持された状態で設けられたものである必要は必ずしも無く、液流路の先端供給口のみを開閉可能に覆うことが可能な、公知の種々の逆止弁を用いることができる。さらに、
図5に示すように、例えば気液混合室51における、液流路24の先端供給口24aの圧送方向下流側に、邪魔板部材54を設けて、先端供給口24aから供給される内容液を、この邪魔板部材54に衝突させて分散させながら空気と混合させることによって、さらに泡質の良好な泡を吐出させることが可能になる。邪魔板部材54が無い場合でも、気液混合室51に向けて圧送供給される内溶液の供給圧力によって円環状弁座部52への密着状態が開放された液流路逆止弁50が、液流路24の先端供給口24aの上方に留まることで、邪魔板部材としての機能を発揮して、先端供給口24aから供給される内容液を、この液流路逆止弁50に衝突させて分散させながら、空気と混合させることが可能になる。