【実施例1】
【0030】
[1 遊技システムの概要]
実施例の遊技システム1は、
図1に示す様に、遊技機Pと、携帯端末SMPと、遊技機関連情報サイトWEBとから構成される。
【0031】
遊技機Pは、始動口P1に遊技球が入賞したときに契機信号SG1を出力する契機信号出力手段M1と、契機信号SG1が入力されたときに所定の抽選処理を行う主制御基板M2とを備え、主制御基板M2による抽選処理の結果や遊技の進行状況に応じた種々の遊技演出を行うサブ制御基板M3、払出制御基板M4等を備えている。
【0032】
サブ制御基板M3は、種々の遊技演出の内の少なくとも一部の遊技演出について、当該遊技演出に関連する遊技支援情報を記憶した遊技支援情報記憶手段M5を備えている。本実施例では、遊技支援情報記憶手段M5には、リーチ演出の種類、予告演出の種類、音声演出の種類、大当たりの種類などの遊技演出を特定し得る「演出特定情報」、遊技機のメーカー名、機種、タイプを特定する「機種特定情報」、及び個々の遊技機を特定する「遊技台特定情報」を、遊技支援情報として予め記憶させてある。これら遊技支援情報には、所定の遊技演出を実行する際に読み出すべきもの、遊技演出とは無関係に読み出すもの、これらの両方に該当するものが含まれている。
【0033】
サブ制御基板M3は、主制御基板M2から受信した演出指令コマンドに基づいて遊技演出を実行する。また、払出制御基板M4は、主制御基板M2から入力される賞球払出信号に基づいて賞球の払い出しを実行すると共に、貸し玉操作に伴う貸し玉信号をBCユニットへと出力する(
図3参照)。これら賞球払出や貸し玉の実施状況は、払出制御基板M4から主制御基板M2へ入力され、主制御基板M2からサブ制御基板M3へと出力される。サブ制御基板M3は、賞球払出や貸し玉実行に関する情報を受信したら、賞球払出、貸し玉実行に関する遊技支援情報を出力する処理も実行している。なお、賞球払出や貸し玉の実行は、払出制御基板M4からサブ制御基板M3へと入力する構成とすることも可能である。
【0034】
サブ制御基板M3は、遊技支援情報記憶手段M5から読み出した遊技支援情報を、無線式出力手段M6を介して出力する「遊技支援情報出力手段M7」としての演算処理を実行している。サブ制御基板M3は、この遊技支援情報出力手段M7を作動させる際に、いずれの遊技支援情報を読み出すか否かを特定する「遊技支援情報特定手段M8」としての演算処理も実行している。
【0035】
遊技支援情報特定手段M8としての演算処理においては、所定の遊技演出を実行する際に読み出すべきものについては主制御基板M2から受信した演出指令コマンドに基づいて、遊技演出とは無関係に読み出すものについては、所定のインターバル毎に読み出すべき遊技支援情報を特定している。例えば、遊技演出とは無関係に読み出すものの例である「機種特定情報」や「遊技台特定情報」は、所定のインターバル毎に読み出して出力されている。また、予告演出の種類、背景画面の種類、モードの種類等と高確率遊技との対応関係の可能性などといった遊技進行上の情報は、予告演出が出現したり背景画面が切り替わるといった遊技演出の実行タイミングと対応させる他に、所定のインターバルで読み出して出力する。これに対し、入賞音、賞球払出音、貸し玉実行音といった遊技の進行状態に対応して出力される音声演出に関連する遊技支援情報については、これらの遊技演出が実行されるタイミングで読み出して出力する。
【0036】
携帯端末SMPは、各種演算処理を実行する端末制御手段M11と、各種アプリケーションソフトやデータなどを記憶する記憶手段M12と、端末制御手段M11の演算処理に従って画像表示を行うディスプレイDSP、音声出力を行うイヤホン端子EARとを備えている。また、本システムにおいては、携帯端末SMPは、遊技機Pの無線式出力手段M6から出力される遊技支援情報を受信する無線式受信手段M13を備えると共に、無線式受信手段M13が遊技支援情報を受信したとき、当該遊技支援情報に対応する遊技者向けの情報を、可視情報又は可聴情報としてディスプレイDSP又はイヤホン端子EARへと出力するための遊技支援用アプリケーションソフトAPPLや当該アプリケーションを利用する際に用いるデータDATを記憶手段M12に記憶させて用いる。
【0037】
この携帯端末SMPに記憶させる遊技支援用アプリケーションソフトAPPLは、遊技機関連情報サイトWEBから携帯端末SMPへとダウンロードすることができる様に構成されている。遊技機関連情報サイトWEBは、携帯端末SMPを用いてダウンロード可能な各種アプリケーションソフトやデータを登録したウェブサイトである。当該ウェブサイトには、遊技成績計算アプリAPPL1、予告信頼度表示アプリAPPL2、遊技進行支援アプリAPPL3、…など、遊技者が遊技機Pによる遊技を楽しむ上で入手したい情報や確認したい情報を携帯端末SMPの表示画面DSPやイヤホン端子EARへと出力するための各種アプリケーションソフトを登録したアプリ登録ページM21と、遊技機メーカー、機種、タイプに対応する予告信頼度等に関する各種データを登録したデータ登録ページM22とが備えられている。
【0038】
遊技者は、遊技を行う前に、携帯端末SMPのインターネット接続機能を利用して遊技機関連情報サイトWEBにアクセスし、必要な遊技支援アプリケーションAPPLやデータDATをダウンロードしておくことができる。
【0039】
[2 遊技機全体の概要]
実施例1の遊技機Pは、
図2に示す様に、外枠A、中枠B、遊技盤C、前枠D、上の球受け皿E、下の球受け皿F及び発射装置Gを備えている。外枠Aは遊技機Pの外郭を構成する縦長方形の枠である。中枠Bは、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形の枠であって、外枠Aの前面側に開閉可能かつ着脱可能に組み付けられる。遊技盤Cは、中枠Bの開口部に取り付けられる。前枠Dは遊技盤Cの透視保護窓であって、施錠装置Hの操作によって開閉可能な様に中枠Bの前面側に組み付けられる。上の球受け皿Eは、貸し球や賞球の受け皿で、本実施例においては前枠Dの下部と一体に構成されている。従って、前枠Dを中枠Bに対して開閉するときに上の球受け皿Eも共に開閉される。下の球受け皿Fは、上の球受け皿Eが一杯になったときに排出される遊技球や打ち損じの遊技球等を受ける受け皿であって、中枠Bの下部に固定されている。発射装置Gは、上の球受け皿Eから発射レールに送り込まれた遊技球をハンドル操作に対応する強さで打ち出すための装置であって、中枠Bの右下部に装備される。
【0040】
遊技盤Cは、
図2(A)に示す様に、障害釘11や風車12が植設された遊技領域10の中央にセンター役物30が取り付けられ、センター役物30の中央直下に始動入賞装置7が備えられる。また、この始動入賞装置7の右斜め下方に大入賞口15が設置され、センター役物30の右側には大入賞口15の開放時に右側から遊技球を入賞させるための右打ち通路20が備えられた構成となっている。遊技盤1には、この他、誘導レール17、普通入賞口18、アウト口19等も設置されている。
【0041】
センター役物30は、大型装飾体31、ステージ32、ワープ通路33を備えるリング状を呈し、右上部分には障害釘に代わる障害ブロック34が設けられている。また、センター役物30には、右打ち通路20に侵入した遊技球を受け入れる入口35aを備えた右側トンネル35も組み付けられている。この右側トンネル35の出口35bの真下に位置する様にゲート37が設けられている。また、センター役物30の右側下方には、第2始動入賞装置27も設置されている。この第2始動入賞装置27は、ゲート37を遊技球が通過したことを契機に実行される普通図柄抽選結果に基づいて開閉動作される電動式チューリップを供えている。
【0042】
本実施例の遊技機Pは、さらに、下の球受け皿Fの左上方に、携帯端末SMPを置くことのできる携帯端末受け台40が設置されている。この携帯端末受け台40は、
図2(C)に示す様に、左側壁部分に指向性の高いパラメトリック型スピーカーSPpを備えていて、携帯端末受け台40内に音声出力する機構を備えている。遊技者は、前述の様に、遊技機関連情報サイトWEBから必要な遊技支援アプリAPPLを予めダウンロードした携帯端末SMPを、この携帯端末受け台40にディスプレイDSPを上向きにして置くことにより、パラメトリック型スピーカーSPpから出力される音声をマイクロホンMicで受信して遊技支援アプリAPPLに対して必要な情報を入力し、その結果をディスプレイDSPに表示することができる。
【0043】
なお、通常の音声演出は、前枠Dの上部前面左右に設置されたサラウンド型スピーカーSPs,SPsによって実行される。サラウンド型スピーカーSPs,SPsは拡散性の高いものであって、遊技者だけでなく周囲へも向けて音声を出力する。なお、パラメトリック型スピーカーSPpから出力される音声は、モスキート音の様な不可聴音からなる音声信号を用いる。
【0044】
[3 制御装置の構成]
次に、本実施例の遊技機Pのゲーム性等について説明する。まず、制御系統について
図3に基づいて説明する。CPU,ROM,RAM,クロック等を備えた主制御基板310に対して、始動入賞装置7に備えられている第1特図スイッチSW1、第2始動入賞装置27に備えられている第2特図スイッチSW2、ゲート37に備えられている普図スイッチSW4、大入賞口15に備えられた入賞検知スイッチSW7、普通入賞装置18に備えられた入賞検知スイッチSW11,SW12からの検知信号が入力される様になっている。
【0045】
また、主制御基板310からは、サブ制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、特図表示器600、大入賞口15の開閉用ソレノイドSOL7、第2始動入賞装置27の普通電動役物開閉用ソレノイドSOL27へとコマンドが出力される様になっている。インタフェース基板350は、払出制御基板330との間でコマンドのやり取りを行う構成となっている。なお、電源基板360は、電源中継基板380を介して主制御基板310への電源供給を行う構成となっている。そして、サブ制御基板320は、演出表示制御基板370へとコマンドを出力する構成となっている。また、貸し玉ボタンQ、カード取り出しボタンRからの押下信号は、球貸し操作基板390へと入力され、この球貸し操作基板390からインタフェース基板350を経由して払出制御基板330へと入力される構成となっている。インタフェース基板350はまた、カードユニット500との間でもコマンドをやり取りする構成となっている。また、演出操作ボタンSからの押下信号は、サブ制御基板320へと入力される構成となっている。
【0046】
サブ制御基板320は、主制御基板310からの演出指令信号に基づいて、発光装置LED、サラウンド型スピーカーSPs,SPs、モータMT、ソレノイドSOLに対して制御信号を出力して発光演出、音声演出、可動体演出を実行すると共に、演出表示制御基板370へと演出表示のためのコマンドを出力している。演出表示制御基板370は、サブ制御基板320からの演出表示のための指令信号に基づいて、液晶表示装置LCDに対して制御信号を出力し、表示演出を実行する。
【0047】
払出制御基板330は、主制御基板310からの払出コマンドに従って、賞球の払出を実行する。賞球払出個数は、どの入賞口に入賞したかによって予め定められている。また、主制御基板310は、払出制御基板330の外部出力端子を介してホールコンピュータ400へとエラー信号を出力する機能も備えている。
【0048】
発射制御基板340は、主制御基板310からの制御コマンドに従って、発射装置Gによる打球の発射・停止を実行する。打球の停止は、例えば、何らかのエラーが発生したときなどに指令される。
【0049】
インタフェース基板350は、球貸し操作基板390からの貸し玉指令やカード取り出し指令の中継基板として機能する。貸し玉指令は、インタフェース基板350を中継して払出制御基板330とカードユニット500へと出力される。貸し玉指令が入力された払出制御基板330は、BCユニット335へと玉貸し信号を出力し、BCユニット335が作動して上皿Eへと玉貸しが実行される。また、貸し玉指令が入力されたカードユニット500は、貸し玉指令に対応する残度数管理を行う。具体的には、カード式記憶媒体の残度数の減算処理を行う。そして、カードユニット500は、減算処理した後の残度数データをインタフェース基板350へと出力する。この残度数データは、貸し玉ボタンQの近傍に設けられた残度数表示の更新に用いられる。また、カード取り出し指令は、インタフェース基板350を中継してカードユニット500へと出力する。カードユニット500は、カード取り出し指令が入力されるとカード取り出し動作を実行する。
【0050】
また、払出制御基板330は、賞球を払い出したり、貸し玉信号をBCユニット335へと出力する際に、これらの実行を主制御基板310へと通知する。主制御基板310は、この通知を受けて、賞球払出及び貸し玉の実行をサブ制御基板320へと出力する。サブ制御基板320は、主制御基板310から入力される演出指令コマンド、賞球払出信号、貸し玉信号等に基づいて、パラメトリック型スピーカーSPpによる携帯端末用の遊技支援情報の音声出力を実行する。なお、賞球払出信号、貸し玉信号は、払出制御基板330からサブ制御基板320へと入力する様に構成することもできる。
【0051】
こうした遊技支援情報の音声出力をも実行するためのデータをも記憶した音声データテーブルTBLが、サブ制御基板320の記憶装置325に記憶されている。この音声データテーブルTBLは、読み出し条件RQ11,RQ12,…と音声データDT11,DT12,…とを対応付けて記憶している。各音声データDT11,DT12,…には、出力先としてサラウンド型スピーカーSPsとパラメトリック型スピーカーSPpが対応付けされた形態で記憶されている。
【0052】
[4 音声演出及び遊技支援情報の概要]
ここで、本実施例においては、
図4に示す様に、音声データテーブルTBLを、遊技機の作動状態「GM0:稼働中」「GM1:デモ中」「GM2:変動前」「GM3:変動演出」「GM4:リーチ演出」「GM5:スーパーリーチ演出」「GM6:特別遊技」のそれぞれに対して、読み出し条件、音声データ、出力先を対応付けて記憶している。なお、
図4では、簡単のために「音声演出データ」を、DT11,DT21等の表現としているが、各作動状態に対して複数の「音声演出データ」が用意されており、音声の種類についても、BGM、SE(メッセージ,ビープ音などの効果音)と、複数種類が存在している。
【0053】
「GM0:稼働中」は、遊技機Pに電源が投入された後、電源OFFとされるまでの作動状態に対するもので、例えば、読み出し条件RQ01が成立したときには「機種及び遊技台を特定するための音声データDT01」をパラメトリック型スピーカーSPpから出力する。また、読み出し条件RQ02が成立したときには「賞球払出を知らせるための音声データDT02」をパラメトリック型スピーカーSPpから出力する。同じく、読み出し条件RQ03が成立したときには「貸し玉実行を知らせるための音声データDT03」をパラメトリック型スピーカーSPpから出力する。なお、読み出し条件RQ02は、賞球払出信号が入力されたときに成立し、読み出し条件RQ03は、貸し玉信号が入力されたときに成立する。読み出し条件RQ01は、所定のインターバルで随時成立する構成となっている。
【0054】
「GM1:デモ中」は、遊技機Pの液晶表示装置LCDにデモ画面を表示している作動状態に対するもので、読み出し条件RQ11が成立したときには「デモ画面に対応する音声演出データDT11」をサラウンド型スピーカーSPsから出力する。また、読み出し条件RQ12が成立したときには「遊技進行情報に関する音声データDT12」をパラメトリック型スピーカーSPpから出力する。読み出し条件RQ11は、デモ画面表示に切り替わるタイミングやデモ画面にキャラクタが登場するタイミングなど画面の変化に対応して成立する。本実施例においては、読み出し条件RQ12は、デモ画面表示中に賞球払出信号や貸し玉信号が入力された時、所定のインターバル時間が経過したときなどに成立する構成となっている。また、「遊技進行情報」とは、例えば、遊技モードの種類と高確率状態との関係、予告演出の種類と大当たり信頼度との関係、スーパーリーチの種類と大当たり信頼度との関係、大当たりの種類と振り分け確率、高確率が確定している高確率潜伏状態の見分け方など、遊技機Pに特有の仕様に関する情報など、種々の情報が用意されている。読み出し条件RQ12が成立したときに、これら種々の情報の中の一部又は全部が読み出されてパラメトリック型スピーカーSPpから出力される。
【0055】
「GM2:変動前」は、デモ画面表示中に始動口への入賞がなされた作動状態に対するもので、読み出し条件RQ21が成立したら「始動口への入賞を知らせる音声演出データDT21」をサラウンド型スピーカーSPsから出力する。また、読み出し条件RQ22が成立したときには「遊技進行情報に関する音声データDT12」をパラメトリック型スピーカーSPpから出力する。読み出し条件RQ21は、主制御基板310から始動口への入賞を知らせる信号が入力されたときに成立する。読み出し条件RQ12は、デモ中と同様の条件で成立する構成となっている。
【0056】
「GM3:変動開始」は、主制御基板310から変動指令コマンドが入力された作動状態に対するもので、変動指令コマンドの入力によって読み出し条件RQ31が成立し、「今回の変動演出に対応する音声演出データDT31」をサラウンド型スピーカーSPsから出力する。このとき、変動指令コマンドが予告演出や発展演出を含む場合には、読み出し条件RQ33が成立し「演出特定情報に関する音声データDT33」をパラメトリック型スピーカーSPpから出力する。なお、このとき、読み出し条件RQ32も成立する。この場合、例えば予告演出を含む変動指令コマンドが入力されたときは予告演出の種類と大当たり信頼度の関係が読み出されるなど、演出特定情報に対応する「遊技進行情報に関する音声データDT32」が読み出される構成となっている。音声データDT33は、これに限らず、背景切替や遊技モードの変更を実行すべき内容の変動指令コマンドが入力されたときは、背景や遊技モードと高確率潜伏状態の可能性、これら高確率潜伏状態か否かを通知する演出パターンとその出現タイミングなど、特に、高確率潜伏状態か否かを遊技者が判断するのに役立つ情報を含ませることで、初心者や当該遊技機について知識を多く持っていない遊技者に対して、高確率潜伏状態が存在すること、高確率潜伏状態となっていることの判断方法を知らせ、興趣を高めるのに役立つ。
【0057】
「GM4:リーチ演出」は、主制御基板310から「リーチを伴う変動指令コマンド」が入力されたときに、「GM3:変動開始」に続いて実行される作動状態に対するもので、リーチとなるときに読み出し条件RQ41が成立し、「今回のリーチ演出に対応する音声演出データDT41」をサラウンド型スピーカーSPsから出力する。このとき、変動指令コマンドが発展予告演出、発展演出などを含む場合には、読み出し条件RQ43が成立し「演出特定情報に関する音声データDT43」をパラメトリック型スピーカーSPpから出力する。このとき、読み出し条件RQ42も成立し、「GM3:変動開始」の場合と同様に、演出特定情報に対応する「遊技進行情報に関する音声データDT42」が読み出される構成となっている。なお、図ではRQ41,DT41の様に読み出し条件等を簡略化して記載しているが、例えばリーチA,リーチB,リーチC,…と、複数のリーチが存在し、変動指令コマンドはこれら複数のリーチの中のいずれかを特定する指令となっていて、読み出し条件RQ41等もリーチの種類に対応して複数存在し、リーチ演出用の音声演出データDT41も、リーチの種類に対応させて複数が用意されている。同様に、リーチの種類に応じて、演出特定情報に関する音声データDT43、遊技進行情報に関する音声データDT42も複数用意されている。具体的には、演出特定情報に関する音声データ43として、例えば、「リーチA:大当たり確率はa1%」、「リーチB:大当たり確率はb1%、発展でa2%(>a1%)に上昇」、…といった情報を、リーチの種類毎に記憶させておく。また、遊技進行情報に関する音声データDT42も、「リーチA:他にリーチB,C,…あり」、「リーチB:滑り予告で発展も」といったリーチの種類に対応する情報や、「リーチの種類はA,B,C、発展時に登場するキャラクタは○○、セリフの文字に注目、突然大当たりもz%、…」といったリーチ全般に関する情報などを記憶させておく。
【0058】
「GM5:スーパーリーチ演出」は、主制御基板310から「スーパーリーチへの発展を伴う変動指令コマンド」が入力されたときに、「GM4:リーチ演出」に続いて実行される作動状態に対するもので、スーパーリーチへの発展タイミングにおいて読み出し条件RQ51が成立し、「今回のスーパーリーチ演出に対応する音声演出データDT51」をサラウンド型スピーカーSPsから出力する。このとき、読み出し条件RQ53も成立し「演出特定情報に関する音声データDT53」をパラメトリック型スピーカーSPpから出力すると共に、読み出し条件RQ52も成立し、スーパーリーチの種類と大当たり信頼度との関係や、大当たりの種類と振り分け確率の関係などが遊技進行情報として読み出される構成となっている。スーパーリーチ演出に関しても、スーパーリーチSA,スーパーリーチSB,スーパーリーチSC,…と複数のスーパーリーチが存在し、変動指令コマンドは、これら複数のスーパーリーチの中から今回実行するスーパーリーチを特定する指令となっていて、読み出し条件RQ51等もスーパーリーチの種類に対応して複数存在し、スーパーリーチ演出用の音声演出データDT51も、スーパーリーチの種類に対応させて複数が用意されている。同様に、スーパーリーチの種類に応じて、演出特定情報に関する音声データDT53、遊技進行情報に関する音声データDT52も複数用意されている。具体的には、演出特定情報に関する音声データDT53として、例えば、「スーパーリーチSA:大当たり確率はsa1%、ギミック落下で発展、発展時大当たり確率はsa2%(>sa1%)に上昇、大当たりからの再抽選でBIG BONUSへの発展あり」、…、「スーパーリーチSX:発展したら激アツ、全回転でBIG BONUS確定」、といった情報を記憶させておく。遊技進行情報に関する音声データDT52として、例えば、「スーパーリーチSA:スーパーリーチSB,SC,…SXあり、スーパーリーチSZは全回転」、「スーパーリーチSB:群予告の大当たり確率sbx%、ギミック落下で大当たり確定」、…といったスーパーリーチの種類に対応する遊技進行の可能性を示す情報や、「スーパーリーチの種類はSA,SB,SC,…,SX、発展時に登場するキャラクタ予告は○○又は△△、発展時の扉の色の大当たり可能性は白<青<…<赤<トラ柄」、「可動体演出:シャッタが開いたら・・・」、「発光演出:ロゴの色に注目、大当たり可能性は白<青<黄<赤」などスーパーリーチの中での特定の演出にされたスーパーリーチに関係する情報などを記憶しておく。
【0059】
「GM6:特別遊技」は、大当たりが成立した作動状態に対するもので、変動停止時に読み出し条件RQ61が成立し、「今回の大当たりの種類に対応する音声演出データDT61」をサラウンド型スピーカーSPsから出力する。このとき、読み出し条件RQ63も成立し「演出特定情報(大当たりの種類)に関する音声データDT63」をパラメトリック型スピーカーSPpから出力する。このとき、読み出し条件RQ62も成立し、大当たりの種類と振り分け確率、電チューサポート回数などといった遊技進行情報DT62もパラメトリック型スピーカーSPpから出力される。特別遊技には、5R通常、5R確変、10R通常、15R確変等、複数の特別遊技が存在する。また、演出操作ボタンSの操作で特別遊技中に演奏する楽曲の選択が可能となっている。音声データDT61を特定する読み出し条件RQ61は、上述の演出操作ボタンSの操作によって選択され得る楽曲の種類に応じて複数存在している。また、本実施例の遊技機は、特別遊技実行中に演出操作ボタンSを操作することによって、特別遊技終了後のチャンスタイムや次回の特別遊技の演出画像を選択することもできる構成となっている。このため、演出特定情報に関する音声データDT63は、特別遊技の種類に加えて、遊技者が選択し得る演出画像の種類に応じて複数存在している。また、遊技進行情報に関する音声データDT62は、特別遊技の種類、選択可能な楽曲の種類、選択可能な画像の種類等に応じて複数存在し、読み出し条件RQ62も、これらデータの数と同じく複数存在している。特別遊技中の読み出し条件RQ61等は、特別遊技開始時、所定ラウンド中、最終ラウンド中といった所定のタイミング以外に、演出操作ボタンSの操作タイミングにおいても成立する。
【0060】
[5.1 制御処理(賞球払出)]
主制御基板310は、
図5(A)に示す制御系統により、特図スイッチSW1,SW2、入賞検知センサSW7,SW11,SW12からの入賞検知信号が入力されると、各スイッチに対応する賞球払出個数に対応する賞球払出コマンドを払出制御基板330に対して出力する賞球払出処理を実行している。これを受けて、払出制御基板330は、遊技球の入賞口に対応して予め定められた個数の賞球の払出動作を実行する。
【0061】
この賞球払出制御は、
図5(B)に示す様な演算処理ルーチンとして実行され、スイッチSW1等からの検知信号が入力されたか否かを判断し(S10)、「YES」と判定されたら、払出制御基板330に対してセンサを特定した賞球払出信号を出力する(S20)。
【0062】
[5.2 制御処理(特図入力)]
また、主制御基板310は、
図6(A)に示す制御系統により、特図スイッチSW1,SW2のいずれかから検知信号が入力されると、特別図柄を決定するための乱数を取得し、その結果を始動保留情報としてRAMに記憶する特図入力処理を実行している。
【0063】
本実施例においては、始動保留情報として第1特図スイッチSW1による検知信号に基づく始動保留情報(以下、「特
図1始動保留情報」という。)を最大4個、第2特図スイッチSW2による検知信号に基づく始動保留情報(以下、「特
図2始動保留情報」という。)を最大4個記憶することができる構成となっている。
【0064】
この処理において取得される乱数は、「大当たり判定用乱数」、「特図振分判定用乱数」、「演出実行判定用乱数」、「変動パターン振分用乱数)から構成される。大当たり判定用乱数(以下、「乱数1」という。)は、図柄変動ゲームの当たりかはずれかを決定するための乱数である。特図振分判定用乱数(以下、「乱数2」という。)は、当たり種別(ラウンド数、確率変動の有無)といった「特別遊技の態様」を振り分けるための乱数である。演出実行判定用乱数(以下、「乱数3」という。)は、リーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。リーチ演出は、「当たり」の場合だけでなく、「はずれ」においても所定の割合で実行する構成となっている。変動パターン振分用乱数(以下、「乱数4」という。)は、変動パターンを振り分けるための乱数である。
【0065】
乱数1で「当たり」となる場合においても、例えば、「2R通常」「2R確変」「15R通常」「15R確変」など、単に当たりというだけでなく、遊技者に対する有利さの異なる複数種類の当たり種別のいずれかに振り分けられる。この当たり種別の振り分けは、乱数2によって決まる。なお、「2R」「15R」とは、特別遊技のラウンド数を意味し、「確変」とは、特別遊技終了後の特別図柄抽選に伴う大当たりの確率が高い遊技状態(「確率変動」ともいう)となる場合を意味する。「通常」は、特別遊技終了後に「確変」にならない場合を意味する。また、「2R」の場合、短時間だけ大入賞口を開閉する動作となっていて実質的な出玉は期待できない遊技状態となっている。
【0066】
この他、乱数2による振り分けは、「当たり」の場合のラウンド数が15回であっても、(1)数十秒に渡って大入賞口15を開放する「長時間開放動作」を1ラウンドとして15回実行する特別遊技の態様、(2)途中のラウンド(例えば、7ラウンド)までを「長時間開放動作」のラウンドで構成し、残りラウンドは大入賞口15を短時間だけ開閉する「短時間開放動作」で構成した特別遊技の態様、(3)さらに別の当たり種別となったときは15ラウンドの全てを上述の「短時間開放動作」で構成した特別遊技の態様、へと振り分ける構成とすることもできる。
【0067】
あるいは、規定回数の確変を付与する「STタイプ」としたり、全ての当たり図柄に確変を付与する一方で転落条件に当選した場合に「高確率」から「通常確率」へと切り替わる「転落抽選タイプ」とすることもできる。この種の特別遊技において、さらに、特別遊技終了後の「時短ゲーム」における電チューサポート回数を20回、40回、60回、80回、100回と複数種類設定し、これらの中のいずれかへ振り分けるための「当たり種別判定」を行う構成にすることもできる。
【0068】
乱数2によって振り分けられ得る大当たりの種類(時短回数を含む)は、第1,第2の特図スイッチSW1,SW2のそれぞれについて任意に設定することができ、さらに、どの種類の大当たりへ振り分けられるかを定める「当たり種別の振り分け確率」を、第1特図スイッチSW1と第2特図スイッチSW2とで異ならせておくこともできる。
【0069】
本実施例においては、第2特図スイッチSW2の検知信号を契機に取得された乱数1が「当たり」となった場合の方が、第1特図スイッチSW1の検知信号を契機に取得された乱数1が「当たり」となった場合よりも、確変の付与回数、時短の付与回数、ラウンド中の開放態様などがより有利となる様に振り分け確率が設定されている。なお、乱数2は、乱数1が「はずれ」の場合には、実質的には意味のないものとなる。
【0070】
乱数3は、乱数1が「はずれ」の場合に、後述の特図開始処理において「はずれリーチ」の有無を決定するのに用いられる。乱数1が「当たり」の場合は、リーチ演出が実行されることとなっているので、この乱数3は、実質的には意味のないものとなる。
【0071】
乱数4によって振り分けられる「変動パターン」は、「変動時間の長さ」を決定するものとなる。なお、乱数4に基づく演出においては、乱数1が「当たり」の場合と、乱数1が「はずれ」の場合で異なる振り分け率となる様に、後述の特図開始処理が実行される。
【0072】
本実施例における特図入力処理は、
図6(B)に示す様な演算処理ルーチンとして実行され、まず、第1特図スイッチSW1からの検知信号が入力されたか否かを判定する(S110)。第1特図スイッチSW1からの検知信号が入力された場合は(S110:YES)、特
図1始動保留情報の記憶数N1(以下、「特
図1保留数N1」という。)が4未満か否かを判定する(S120)。N1<4ならば(S120:YES)、特
図1保留数N1をインクリメントし(S130)、上述の乱数1〜乱数4を取得し、RAMの特
図1用の始動保留情報記憶領域へと記憶する(S140)。
【0073】
S110が「NO」の場合は、第2特図スイッチSW2からの検知信号が入力されたか否かを判定する(S150)。「YES」となった場合は、特
図2始動保留情報の記憶数N2(以下、「特
図2保留数N2」という。)が4未満か否かを判定する(S160)。N2<4ならば(S160:YES)、特
図2保留数N2をインクリメントし(S170)、上述の乱数1〜乱数4を取得し、RAMの特
図2用の始動保留情報記憶領域へと記憶する(S180)。
【0074】
[5.3 制御処理(特図開始)]
次に、特図開始処理について説明する。主制御基板310は、
図7(A)に示す制御系統により、RAM内に記憶された始動保留情報を読み出し、「当たり/はずれ」に応じた特別図柄変動を特図表示器600に実行させると共に、サブ制御基板320を介して音声演出、発光演出、表示演出、可動体演出等を実行させる。
【0075】
主制御基板310は、
図7(B)のフローチャートに示す様な特図開始処理を、所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。この処理においては、まず、遊技演出(図柄変動または特別遊技)の実行中であるか否かを判定し(S210)、遊技演出実行中であるときは(S210:YES)、今回の処理を終了する。一方、遊技演出実行中でないときは(S210:NO)、RAM内の所定の記憶領域に始動保留情報が記憶されているか否かを判定する(S220)。始動保留情報が記憶されていない場合は(S220:NO)、デモ演出実行中か否かを判定し(S230)、デモ演出実行中であるならば処理を終了し(S230:YES)、デモ演出実行中でない場合は(S230:NO)、デモ演出開始をサブ制御基板320に対して指令する(S240)。
【0076】
始動保留情報の記憶がある場合は(S220:YES)、特
図2始動保留情報であるか否かを判定する(S250)。特
図2始動保留情報である場合は(S250:YES)、特
図2記憶数N2をデクリメントし(S260)、記憶順の一番早い始動保留情報(乱数1〜乱数4)を読み出す(S270)。これにより、RAM内の記憶領域における特
図2用の始動保留情報の記憶順が更新され、特図表示器600や液晶ディスプレイLCDを介して実施されている保留表示も更新される。
【0077】
こうして読み出した特
図2始動保留情報中の乱数1が、主制御基板310のROMに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する(S310)。この大当り判定(当り抽選)は、非確変の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、164/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1518/65536に設定されている。
【0078】
大当り判定の判定結果が肯定の場合には(S310:YES)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(S320)。そして、主制御基板310は、乱数2の値に基づき、特図表示器600に確定停止表示させる「大当り図柄」を決定する(S330)。ここで、乱数2の値には、特
図2始動保留情報に対する当たり種別の振り分け率に対応して大当り図柄が対応付けられている。従って、主制御基板310は、S330の処理においては、読み出した乱数2の値に対応付けられた大当り図柄を決定することになる。大当り図柄(特図)が決定されると、乱数4の値に基づいて「大当り演出用の変動パターン」の中から1つの変動パターンを決定する(S340)。
【0079】
一方、S310の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、主制御基板310は、S270で読み出した特
図2始動保留情報中の乱数3に基づいてリーチ演出を実行させるか否かを判定する(S350)。本実施例では、主制御基板310は、乱数3の値が、ROMに記憶してあるリーチ演出実行判定値と一致するか否かによりS315の判定を行う。S350の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、主制御基板310は、特図表示器600に確定停止表示させる「はずれ図柄」を決定し(S335)、乱数4の値に基づいて「はずれリーチ演出用の変動パターン」の中から1つの変動パターンを決定する(S345)。
【0080】
また、S350におけるリーチ判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、主制御基板310は、特図表示器600に確定停止表示させる「はずれ図柄」を決定する(S338)。次に、主制御基板310は、乱数4の値に基づいて「はずれ演出用の変動パターン」の中から1つの変動パターンを決定する(S348)。
【0081】
こうして変動パターンおよび最終停止図柄を決定した主制御基板310は、サブ制御基板310に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(S360)。具体的には、主制御基板310は、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、主制御基板310は、特図変動表示を開始させるように特図表示器600を制御する。また、主制御基板310は、最終停止図柄となる特別図柄を指示するための特図指定コマンドを出力する。こうして、主制御基板310は、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理において、主制御基板310は、指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器600の表示内容を制御する。また、主制御基板310は、指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、サブ制御基板320に対して飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0082】
これに対し、始動保留情報が特
図2始動保留情報でない場合は(S250:NO)、特
図1始動保留情報であるか否かを判定する(S255)。特
図1始動保留情報である場合は(S255:YES)、特
図1記憶数N1をデクリメントし(S265)、記憶順の一番早い始動保留情報を読み出す(S275)。その後は、特
図1変動表示用処理(S400)を実行する。この特
図1変動表示用処理は、S310〜S360と同様に構成されている。なお、S330に対応するステップでの乱数2に基づく当たり種別の振り分け確率は、上述の様に特
図2始動保留情報の方が遊技者に有利となる様な設定となっている。
【0083】
本実施例では、大当たり前の遊技はいわゆる「左打ち」によって始動入賞口7を狙って遊技し、大当たりになったときはいわゆる「右打ち」によって大入賞口15を狙って遊技するタイプとなっている。このため、大当たりとなったときは、液晶表示画面LCDへの「右を狙って下さい。」等のナビゲーションが表示される。そして、大当たり終了後所定回数又は次回大当たりまでの間も、右打ちによって第2始動入賞口27を狙って遊技するタイプとなっている。第2始動入賞口27は、通常は普通電動役物(本実施例では電チュー)が閉じた状態であるが、ゲート37を遊技球が通過することによって実行される普通図柄抽選の結果が当たりとなったときに、電チューが所定のパターンで開閉し、いわゆる電チューサポートの状態となる。このゲート37を遊技球が通過することによって実行される「普通図柄抽選の当たり確率」は、大当たり終了後の右打ち遊技が開始されるまでは、低い設定となっているが、「大当たり終了後の右打ち遊技の状態」になると、「普通図柄抽選の当たり確率」が高く設定されている。この結果、「大当たり終了後の右打ち遊技」が開始すると、第2始動入賞装置27における電チューサポートが行われ易く、「第2特図保留情報」が順次蓄積され易い状態となる。また、本実施例では、特別図柄抽選における大当たり種別に関する振り分け確率を、特
図2の方が特
図1よりも有利となる設定を採用している。このため、特図開始処理においては、特図全体の保留順ではなく、特
図2の方を優先して消化していく処理を採用している。このとき、本実施例では、パラメトリックスピーカSPpから右打ちモード中のゲート通過、普通図柄の大当たり等を音声出力したり、右打ちゲームの終了を伝える音声データを出力するなどするためのデータも音声データテーブルTBLに記憶させておくことで、携帯端末SMPを通じて遊技者に電チューサポートに関する情報を報知することができる。
【0084】
普通図柄抽選の当たり確率を高めるための設定としては、以下の様なものがある。
(1)普通図柄の変動時間を短縮する。例えば、「左打ち遊技」の場合を30秒とし、「右打ち遊技」の場合を1秒に短縮する。これにより時間当たりの抽選回数が向上するので、「右打ち遊技」においては、実質的に普通図柄が当たり易くなる。
(2)普通図柄の当選確率を高確率とする。例えば、「左打ち遊技」においては「当選確率≒0」としておき、「右打ち遊技」においては「当選確率=1/2」とするなどの設定をする。
(3)電チューの開放態様(開放時間)を変更する。例えば、「左打ち遊技」においては0.1秒開放として実質的に入球不可な状態に設定する一方、「右打ち遊技」においては2秒開放として十分に入球可能な開放態様に変更する。
(4)電チューの開放回数の変更をする。例えば、「左打ち遊技」においては「0.5秒開放1回」とし、「右打ち遊技」においては「0.5秒開放3回」とする。
これら(1)〜(4)の組み合わせでもよく、いずれにしろ、「左打ち遊技」よりも「右打ち遊技」においては電チューが開放されて特図スイッチSW3による入賞検知が行われ易い状態とする。
【0085】
[5.4 制御処理(普通図柄判定・電チューサポート)]
本実施例においては、大当たりによって実行される特別遊技は、いわゆる右打ちで遊技する構成となっている。特別遊技中は、大入賞口15が当選ラウンド数の開放動作を行い、遊技者は多くの賞球を獲得することができる状態となる。この特別遊技が終了したとき、確変状態においては次の大当たりになるまで、確変状態でない場合は、所定回数の「当たり/はずれ」抽選が行われるまで右打ち遊技が続行され、ゲート37を遊技球が通過したときに普通図柄抽選が実行される構成となっている。この普通図柄抽選は、上述の様に、特別遊技終了後の右打ち遊技の間について「当たり」となる確率を高めたもので、「当たり」の場合には、第2始動入賞装置27の電チューが所定の開閉動作を実行し、特
図2スイッチSW2により入賞検知がなされ易い状態が形成される。
【0086】
このため、主制御基板310は、
図8(A)に示す制御系統により、普図スイッチSW4からの検知信号が入力されると普通図柄抽選を実行し、第2始動入賞装置27のソレノイドSOL27に対して開閉指令を実行する。普通図柄も4個を限度に保留記憶可能に構成されている。
【0087】
普通図柄判定処理は、
図8(B)のフローチャートに示す様に、普図スイッチSW4からの検知信号が入力されると起動され(S610)、普通図柄保留情報の記憶数N4(以下、「普通図柄保留記憶数N4」という。)が4未満か否かを判定する(S620)。N4<4ならば(S620:YES)、普通図柄保留憶数N4をインクリメントし(S630)、「NO」の場合は普通図柄判定用の乱数取得に進むことなく処理を終了する。乱数取得に進むと、「当たり/はずれ」を判定するための乱数5を取得し(S640)、RAMの普通図柄保留記憶領域に記憶する(S650)。
【0088】
電チューサポート処理は、
図8(C)のフローチャートに示す様に、特別遊技後の右打ち遊技中のときに(S710:YES)、RAM内に普通図柄始動保留情報(乱数5)の記憶があるか否かを判定し(S720)、普通図柄始動保留情報があるときは当該記憶内容を記憶順の早いものから一つ読み出し(S730)、「当たり/はずれ」の判定を実行する(S740)。ここで、普通図柄は「当たり」の確率が高い設定となっている。「当たり」と判定されると(S740:YES)、第2始動入賞装置27のソレノイドSOL27に対して制御コマンドを出力し(S750)、始動保留情報の更新を行う(S760)。「はずれ」の場合は(S740:NO)、S750をパスしてS760へと進む。
【0089】
[5.5 制御処理(遊技支援情報出力)]
次に、サブ制御基板320が実行する遊技支援情報出力処理について説明する。サブ制御基板320は、
図9(A)に示す制御系統により、主制御基板310からの演出指令コマンド、及び払出制御基板330からの賞球払出信号及び貸し玉信号に基づき、作動状態GM0,GM1等に応じた読み出し条件RQ01,RQ12等が成立しているか否かを判定し、成立している場合は、該当する音声データDT01,DT12等を音声データテーブルTBLから読み出し、パラメトリック型スピーカーSPpから出力する処理を実行する。
【0090】
遊技支援情報出力処理は、所定周期のクロック毎の割り込み処理として繰り返し実行される。割り込み処理のタイミングになると、
図9(B)のフローチャートに示す様に、遊技機の作動状態が特別遊技GM6となっているか否かを判定する(S810)。大当たり確定演出が行われてから大当たりラウンドが開始するまでのタイミングで本割り込み処理が実行されたときにS810が「YES」となる。すると、特別遊技の種別の特定が実行され(S811)、今回成立している読み出し条件RQ63を決定すると共に、対応する特別遊技の演出特定情報DT63を読み出す(S812)。続いて、遊技進行情報の読み出しタイミングか否かを判定する(S813)。例えば、特別遊技開始時、楽曲選択の可能なラウンド、確変状態への昇格演出を実行するラウンドなどにおいてこの割り込み処理が実行された場合に「YES」となる。すると、S811で特定した特別遊技の種別に応じた昇格演出の有無、演出操作ボタンSの操作状況などから、読み出し条件RQ62が成立したか否かを判定する(S814)。例えば、楽曲選択ラウンドにおいて演出操作ボタンSの操作状況が確定したとき、昇格演出有りの特別遊技となっているときの昇格演出実行ラウンドであるとき、次回大当たり画像選択ラウンドにおいて演出操作ボタンSの操作状況が確定したとき、などにおいて「YES」となる。S814が「YES」となったら、対応する遊技進行情報DT62を読み出す(S815)。
【0091】
S810が「NO」の場合は、遊技機の作動状態がスーパーリーチ演出GM5となっているか否かを判定する(S820)。この判定は、特図開始処理の実行タイミングで本割り込み処理が実行され、特図開始処理の結果がスーパーリーチであるときに「YES」となる。すると、スーパーリーチの種別の特定が実行され(S821)、スーパーリーチの種別に対応して今回成立している読み出し条件RQ53を決定し、対応するスーパーリーチの演出特定情報DT53を読み出す(S822)。続いて、遊技進行情報の読み出しタイミングか否かを判定する(S823)。この判定は、スーパーリーチ演出実行中において本割り込み処理が実行され、例えば、ギミック落下演出が実行されるスーパーリーチであるとき、発展演出ありのスーパーリーチであるとき、演出操作ボタンSが操作されたとき、これらに関係なく予め設定した報知タイミングであるときなど、において「YES」となる。S823が「YES」となったら、対応する読み出し条件RQ52を決定し、これに対応する遊技進行情報DT52を読み出す(S824)。
【0092】
S820が「NO」の場合は、遊技機の作動状態がリーチ演出GM4となっているか否かを判定する(S830)。この判定も特図開始処理の実行タイミングで本割り込み処理が実行され、特図開始処理の結果がリーチであるときに「YES」となる。すると、リーチの種別の特定が実行され(S831)、リーチの種別に対応して今回成立している読み出し条件RQ43を決定し、対応するリーチの演出特定情報DT43を読み出す(S832)。続いて、遊技進行情報の読み出しタイミングか否かを判定する(S833)。この判定は、リーチ演出実行中において本割り込み処理が実行され、例えば、セリフ予告があるとき、発展演出が予定されているとき、演出操作ボタンSが操作されたとき、これらに関係なく予め設定した報知タイミングであるときなど、において「YES」となる。S33が「YES」となったら、対応する遊技進行情報DT42を読み出す(S834)。
【0093】
S830が「NO」の場合は、遊技機の作動状態が変動開始GM3となっているか否かを判定する(S840)。この判定は、特図開始処理のタイミングで本割り込み処理が実行され、特図開始処理の結果がリーチでもスーパーリーチでもないときに「YES」となる。背景画面、遊技モードの特定が実行され(S841)、背景画面、遊技モードに対応する読み出し条件RQ33を決定し、対応する演出特定情報DT33を読み出す(S842)。続いて、遊技進行情報の読み出しタイミングか否かを判定する(S843)。例えば、セリフ予告があるとき、これに関係なく予め設定した報知タイミングであるときなど、においてS843が「YES」となり、対応する読み出し条件RQ32を決定し、遊技進行情報DT32を読み出す(S844)。
【0094】
S840が「NO」の場合は、遊技機の作動状態が変動前GM2となっているか否かを判定する(S850)。この判定は、特図入力処理によってデモ画面が終了するタイミングで本割り込み処理が実行されたときに「YES」となる。S850が「YES」の場合は、デモ画面終了後の所定タイミングになっているか否かを判定する(S851)。所定タイミングになっていれば(S851:YES)、背景画面やモードなどに対応する読み出し条件RQ22を決定し、対応する遊技進行情報DT22を読み出す(S852)。
【0095】
S850が「NO」の場合は、遊技機の作動状態がデモ中GM1となっているか否かを判定する(S860)。この判定はデモ画面実行中に本割り込み処理が実行されたときに「YES」となる。S860が「YES」の場合は、デモ画面実行中の所定タイミングになっているか否かを判定する(S861)。所定タイミングになっていれば(S861:YES)、読み出し条件RQ12を決定し、対応する遊技進行情報DT12を読み出す(S862)。
【0096】
S860が「NO」の場合は、機種・台特定情報DT01の読み出し条件RQ01が成立しているか否かを判定する(S871)。この判定は、例えば、リアルタイムクロックが所定時刻になっているか否か等、遊技の進行状況とは無関係なタイミング、あるいは、貸し玉指令がなされたとき、発射ハンドルが操作されたときなど遊技開始のタイミングなどにおいて本割り込み処理が実行されると「YES」となる。S871が「YES」の場合は、機種・台特定情報DT01を読み出す(S872)。次に、賞球払出情報DT02の読み出し条件RQ02が成立しているか否かを判定する(S873)。この判定は、賞球払出のタイミングにおいて本割り込み処理が実行されると「YES」となる。S873が「YES」の場合は、賞球払出情報DT02を読み出す(S874)。次に、貸し玉情報DT03の読み出し条件RQ03が成立しているか否かを判定する(S875)。この判定は、貸し玉のタイミングにおいて本割り込み処理が実行されると「YES」となる。S875が「YES」の場合は、貸し玉情報DT03を読み出す(S876)。
【0097】
なお、S871〜S876の処理は、上述の様なタイミングで本割り込み処理が実行されたときにデータの読み出しを行うものであるから、S810,S820,S830,S840,S850,S860が「YES」の場合も実行される。こうして、遊技支援情報の読み出しを行った結果、読み出された遊技支援情報が存在する場合は(S880:YES)、当該遊技支援情報をパラメトリック型スピーカーSPpへと出力する(S890)。
【0098】
この様に、本実施例の遊技機Pは、サラウンド型スピーカーSPsを用いた音声演出の他に、パラメトリック型スピーカーSPpを用いて、携帯端末SMPに対して所定のタイミングにおいて、該当する遊技支援情報を音声出力する。携帯端末受け台40にセットした携帯端末SMPは、遊技機Pのパラメトリック型スピーカーSPpから音声出力される遊技支援情報に基づいて、種々の遊技支援処理を実行する。
【0099】
[10 携帯端末の概要]
次に、本実施例において用いられる携帯端末SMPについて説明する。携帯端末SMPは、
図10に示す様に、CPU,ROM,RAM,クロック等を備えた中央演算処理装置710を中心に構成され、各種プログラムやデータを記憶させておく記憶装置720を備えている。また、音声入力用のマイクロホンMic、タッチパネル式のディスプレイDSP、イヤホン端子EARに加えて、ウェブサイトとの通信を行う通信装置NETも備えられている。
【0100】
記憶装置720には、遊技機関連情報サイトWEBからダウンロードした遊技成績計算アプリAPPL1、予告信頼度表示アプリAPPL2、遊技進行支援アプリAPPL3が登録されている。
【0101】
[11 携帯端末側演算処理(遊技成績計算)]
携帯端末SMPの中央演算処理装置710は、
図11(A)に示す制御系統により、遊技機Pのパラメトリック型スピーカーSPpから出力される台特定情報、貸し玉情報、賞球払出情報をマイクロホンMicで受信すると、遊技成績計算アプリAPPL1を起動し、遊技成績の計算を行う。そして、遊技者がディスプレイDSPの成績表示アイコンをタッチすると、ディスプレイDSPに成績を表示する。
【0102】
遊技成績計算処理では、
図11(B)のフローチャートに示す様に、台特定情報が入力された場合には(S1000:YES)、履歴の有無を確認し(S1010)、同じ遊技台に対する履歴がある場合は(S1010:YES)、履歴を読み出す(S1020)。そして、貸し玉情報が入力されたか否かを判定し(S1030)、「YES」なら、投資金額を更新する(S1040)。また、賞球払出情報が入力されたか否かを判定し(S1050)、「YES」なら、出玉個数を更新する(S1060)。そして、成績表示アイコンにタッチされたら(S1070:YES)、投資金額と出玉個数から遊技成績(出玉個数/投資金額)を計算し(S1080)、ディスプレイDSPへと出力する(S1090)。
【0103】
なお、台特定情報が入力されない場合(S1000:NO)、履歴が存在しない場合(S1010:NO)は、S1020の処理はパスする。
【0104】
[12 携帯端末側演算処理(予告信頼度表示)]
携帯端末SMPの中央演算処理装置710は、
図12(A)に示す制御系統により、遊技機Pのパラメトリック型スピーカーSPpから出力される演出特定情報をマイクロホンMicで受信すると、予告信頼度アプリAPPL2を起動し、遊技機Pにおいて発生した予告演出の信頼度をディスプレイDSPに表示する。
【0105】
予告信頼度表示処理では、
図12(B)のフローチャートに示す様に、機種が特定できるか否かを判定し(S1100)、機種が特定できない場合は処理を終了する(S1100:NO)。機種が特定できる場合は(S1100:YES)、当該機種のデータが存在するか否かを判定する(S1110)。当該機種のデータが存在する場合は(S1110:YES)、予告信頼度表示のためのデータを読み出す(S1120)。一方、機種は特定できたもののデータが存在しないという場合は(S1110:NO)、通信装置NETを起動して遊技機関連情報サイトWEBと接続し(S1130)、当該機種の予告信頼度表示に必要なデータを取得する(S1140)。
【0106】
こうして予告信頼度表示の準備が整ったら、マイクロホンMicで演出特定情報を受信したか否かを判定する(S1150)。演出特定情報を受信したら(S1150:YES)、データ照合を実行する(S1160)。照合できた場合は(S1170:YES)、予告信頼度をディスプレイDSPに表示する(S1180)。
【0107】
なお、S1100における機種の特定は、遊技機Pが所定のインターバルで音声出力する機種特定情報を受信しているか否かによって判定することができる。また、S1130,S1140の処理では、この機種特定情報に基づいて遊技機関連情報サイトWEBのデータ登録ページM22の該当機種にアクセスする。
【0108】
[13 携帯端末側演算処理(遊技進行支援情報表示)]
携帯端末SMPの中央演算処理装置710は、
図13(A)に示す制御系統により、遊技機Pのパラメトリック型スピーカーSPpから出力される遊技進行情報をマイクロホンMicで受信すると、遊技進行支援アプリAPPL3を起動し、遊技機Pから出力された遊技進行情報に対応した遊技支援情報(リーチ演出・予告演出・遊技モードなどと大当たり信頼度の関係、大当たりの種類とラウンド振り分けの関係、右打ち・左打ち等の遊技方法と大当たり演出との関係など)をディスプレイDSPに表示する。
【0109】
遊技進行支援情報表示処理では、
図13(B)のフローチャートに示す様に、機種が特定できるか否かを判定し(S1200)、機種が特定できない場合は処理を終了する(S1200:NO)。機種が特定できる場合は(S1200:YES)、当該機種のデータが存在するか否かを判定する(S1210)。当該機種のデータが存在する場合は(S1210:YES)、遊技進行支援情報表示のためのデータを読み出す(S1220)。一方、機種は特定できたもののデータが存在しないという場合は(S1210:NO)、通信装置NETを起動して遊技機関連情報サイトWEBと接続し(S1230)、当該機種の遊技進行支援情報表示に必要なデータを取得する(S1240)。
【0110】
こうして遊技進行支援情報表示の準備が整ったら、マイクロホンMicで遊技進行情報を受信したか否かを判定する(S1250)。遊技進行情報を受信したら(S1250:YES)、データ照合を実行する(S1260)。照合できた場合は(S1270:YES)、遊技進行支援情報をディスプレイDSPに表示する(S1280)。
【0111】
S1200における機種の特定は、遊技機Pが所定のインターバルで音声出力する機種特定情報を受信しているか否かによって判定することができる。また、S1230,S1240の処理では、この機種特定情報に基づいて遊技機関連情報サイトWEBのデータ登録ページM22の該当機種にアクセスする。
【0112】
本実施例によれば、遊技者は、携帯端末SMPに予め必要なアプリケーションソフトやデータをダウンロードしておけば、予告演出が発生したときにその信頼度がどの程度なのか、モード移行時の高確率信頼度はどの程度なのか、保留予告の色と信頼度の関係はどの様になっているのか、などといった遊技を楽しむ上で有効な遊技支援情報を、携帯端末SMPを面倒な操作することなく入手することができる。また、遊技機関連情報サイトWEBとの接続により、最新情報を取得して遊技を楽しむこともできる。