【実施例1】
【0027】
[1 遊技機全体の概要]
実施例1のパチンコ機Pは、
図1に示す様に、外枠A、中枠B、遊技盤1、前枠D、上の球受け皿E、下の球受け皿F及び打球発射装置Gを備えている。外枠Aはパチンコ機Pの外郭を構成する縦長方形の枠である。中枠Bは、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形の枠であって、外枠Aの前面側に開閉可能かつ着脱可能に組み付けられる。遊技盤1は、中枠Bの開口部に取り付けられる。前枠Dは遊技盤1の透視保護窓であって、施錠装置Hの操作によって開閉可能な様に中枠Bの前面側に組み付けられる。上の球受け皿Eは、貸し球や賞球の受け皿で、本実施例においては前枠Dの下部と一体に構成されている。従って、前枠Dを中枠Bに対して開閉するときに上の球受け皿Eも共に開閉される。下の球受け皿Fは、上の球受け皿Eが一杯になったときに排出される遊技球や打ち損じの遊技球等を受ける受け皿であって、中枠Bの下部に固定されている。打球発射装置Gは、上の球受け皿Eから発射レールに送り込まれた遊技球をハンドル操作に対応する強さで打ち出すための装置であって、中枠Bの右下部に装備される。
【0028】
中枠Bは、上縁をなす上枠部材B1と、下縁をなし打球発射装置G等が設置された下枠部材B2と、左側縁をなす左枠部材B3と、右側縁をなす右枠部材B4とから構成されて、これら上下左右の枠部材B1〜B4を組み付けた際に、全体が外枠Aの開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、上下左右の枠部材B1〜B4を組み付けた際に開口する開口部分が、遊技盤1を設置する遊技盤保持部B5として機能する。ここで、中枠Bは、外枠Aの左上端部及び左下端部に設けられた支軸を介して枢支され、左側端部を中心として中枠Bを回転させることで外枠Aに対して中枠Bを開閉し得るようになっている。
【0029】
[2 遊技盤の概要]
遊技盤1は、ベニヤ板、透明合成樹脂板などによって形成される板部材1aの中央開口に裏面側から臨む様に液晶表示装置LCDが取り付けられ、この液晶表示装置LCDを取り囲む様に、板部材1aの前面側からセンター役物30が取り付けられている。液晶表示装置LCDは、遊技盤1の裏側に取り付けられる裏ユニット3に対して、可動体役物や電飾装置などと共に組み付けられ、板部材1aの背面側から組み付けられる。なお、センター役物30と液晶表示装置LCDの間には、こうした可動体役物が液晶表示装置LCDの前面へ出没するためのスペースを確保する様に、液晶表示装置LCDは、板部材1aの背面よりも後方に控えた状態の前後方向位置に組み付けられる。
【0030】
遊技盤1は、
図2(A)に示す様に、センター役物30の中央直下に始動入賞装置7を備えると共に、センター役物30の左側と右側に風車12,12を備え、風車12,12から始動入賞装置7へと遊技球を誘導する道釘列11,11を備え、センター役物30の左右にそれぞれ、ほぼ同じ面積の左側遊技領域10L、右側遊技領域10Rを備えた左右対称の盤面構成を備えている。
【0031】
始動入賞装置7の下には特別入賞口15を備えると共に、特別入賞口15の左右斜め上方に各2個ずつの普通入賞口18,18,…を備えている。また、中央最下部にはアウト口19が備えられている。遊技球PBは、遊技盤1の左側に設置された内側誘導レール17a及び外側誘導レール17bの間を誘導されて遊技領域10へと打ち出され、左側遊技領域10L又は右側遊技領域10Rを流下する。
【0032】
センター役物30は、液晶表示窓31を形成する大型装飾体32と、ステージ33とを備えると共に、左右にそれぞれ左側振分装置50L及び右側振分装置50Rを備えている。
【0033】
ステージ33には、
図2(A),(B)に示す様に、始動入賞装置7の真上から遊技球PBを落下させるトンネル41が備えられている。このトンネル41は、ステージ奥の王道ルートKRT(
図2(B)の二点鎖線のルート)へと転がり出た遊技球PBが必ず誘導される構造となっている。そして、王道ルートKRTからトンネル41へと転動した遊技球PBは、ほぼ全てが、入球口7Aから始動入賞装置7へと入球する。
【0034】
始動入賞装置7は、
図2(B)に示す様に、入球口7Aの直下に左右振分部材8を備えている。この左右振分部材8は、
図3(A),(B)に示す様に、下部中央付近を揺動中心として揺動し得る揺動部材によって構成され、当該揺動部材は、揺動中心から上方に伸びる仕切部材8Cと、仕切部材8Cを挟んで左右に振り分ける様に設けられた左受け止め部8L及び右受け止め部8Rと、を備え、左受け止め部8Lで遊技球PBを受け止めた場合に右受け止め部8Rを遊技球受け止め位置へと移動させる様に揺動して停止し、右受け止め部8Rで遊技球を受け止めた場合に左受け止め部8Lを遊技球受け止め位置へと移動させる様に揺動して停止する動作を遊技球PBの重量を利用して実行し得る様に構成されている。
【0035】
これにより、入球口7Aから入球した遊技球PBは、左右振分部材8により、左右に均等に振り分けられて始動入賞装置7内を流下し、左排出口7L又は右排出口7Rから遊技盤の裏面側へと排出される。この際、特
図1スイッチSW1又は特
図2スイッチSW2によって検知されることで、特別図柄抽選のための乱数取得契機が与えられる。
【0036】
[3 左側振分装置及び右側振分装置]
図2(A)に示す様に、遊技球PBが誘導レール17a,17bに誘導された遊技領域へと打ち出される位置と始動入賞装置7との間の左側遊技領域10Lに左側振分装置50Lが設置され、同様に遊技球の打ち出し位置と始動入賞装置7との間の右側遊技領域10Rに右側振分装置50Rが設置されている。
【0037】
左側振分装置50Lは、
図4(A),(B)に示す様に、最上流部に遊技球PBを受け入れる受入口51Lを開口すると共に最下流部にステージ33の奥に形成された王道ルートKRTへの右向き出口52Lを開口する本体流路53Lと、本体流路53Lの途中に形成され、左側遊技領域10Lへの左向き出口を有する第1分岐流路56L、第2分岐路57L、及び第3分岐路58Lとを備えると共に、本体流路53Lから分岐流路56L等が分岐する位置に第1振分部材60L、第2振分部材70L、及び第3振分部材80Lを備え、各振分部材60L,70L,80Lによって本体流路53Lと各分岐流路56L,57L,58Lとの間で遊技球PBが振り分けられる様子を遊技者が目視可能に構成されている。
【0038】
右側振分装置50Rは、
図4(C),(D)に示す様に、最上流部に遊技球PBを受け入れる受入口51Rを開口すると共に最下流部にステージ33の奥に形成された王道ルートKRTへの左向き出口52Rを開口する本体流路53Rと、本体流路53Rの途中に形成され、左側遊技領域10Rへの右向き出口を有する第1分岐流路56R、第2分岐路57R、及び第3分岐路58Rと、を備えると共に、本体流路53Rから各分岐流路56R等が分岐する位置に第1振分部材60R、第2振分部材70R、及び第3振分部材80Rを備え、各振分部材60R,70R,80Rによって本体流路53Rと各分岐流路56R,57R,58Rとの間で遊技球PBが振り分けられる様子を遊技者が目視可能に構成されている。
【0039】
各振分部材60L,70L,80L,60R,70R,80Rは、下部中央付近を揺動中心として揺動し得る揺動部材によって構成され、当該揺動部材は、揺動中心から上方に伸びる仕切部材60L1,70L1,80L1,60R1,70R1,80R1と、仕切部材60L1等を挟んで左右に振り分ける様に設けられた左受け止め部60L2,70L2,80L2,60R2,70R2,80R2、及び右受け止め部60L3,70L3,80L3,60R3,70R3,80R3と、を備え、左受け止め部60L2等で遊技球PBを受け止めた場合に右受け止め部60L3等を遊技球受け止め位置へと移動させる様に揺動して停止し、右受け止め部60L3等で遊技球PBを受け止めた場合に左受け止め部60L2等を遊技球受け止め位置へと移動させる様に揺動して停止する動作を遊技球PBの重量を利用して実行し得る様に構成されている。
【0040】
[4.1 左側振分装置の動作]
次に、左側振分装置50Lについて、各振分部材60L,70L,80Lが全て左受け止め部60L2,70L2,80L2を遊技球受け止め位置へと移動させた状態にあるときを最初の状態として、遊技球PBの振り分け動作について、
図5,
図6にて説明する。
【0041】
1個目の遊技球PB1は、
図5(A)に示す様に、左側振分装置50Lに入球すると第1振分部材60Lの左受け止め部60L2に受け止められ、第1振分部材60Lを図示反時計周りに揺動させながら第1分岐路56Lを介して左側遊技領域10Lの下部へ向かって放出される。これにより、左側振分装置50Lは、第1振分部材60Lが右受け止め部60L3を遊技球受け止め位置へと移動させた状態となる。
【0042】
2個目の遊技球PB2は、
図5(B)に示す様に、左側振分装置50Lに入球すると第1振分部材60Lの右受け止め部60L3に受け止められ、第1振分部材60Lを図示時計周りに揺動させながら流下し、第2振分部材70Lの左受け止め部70L2に受け止められ、第2振分部材70Lを図示反時計周りに揺動させつつ第2分岐路57Lを介して左側遊技領域10Lの下部へ向かって放出される。これにより、左側振分装置50Lは、第1振分部材60Lが左受け止め部60L2を遊技球受け止め位置へと移動させ、第2振分部材70Lが右受け止め部70L3を遊技球受け止め位置へと移動させた状態となる。
【0043】
3個目の遊技球PB3は、
図5(C)に示す様に、左側振分装置50Lに入球すると第1振分部材60Lの左受け止め部60L2に受け止められ、第1振分部材60Lを図示反時計周りに揺動させながら第1分岐路56Lを介して左側遊技領域10Lの下部へ向かって放出される。これにより、左側振分装置50Lは、第1振分部材60Lが右受け止め部60L3を遊技球受け止め位置へと移動させた状態となる。このとき、第2振分部材70Lは右受け止め部70L3を遊技球受け止め位置へと移動させた状態のままである。
【0044】
4個目の遊技球PB4は、
図5(D)に示す様に、左側振分装置50Lに入球すると第1振分部材60Lの右受け止め部60L3に受け止められ、第1振分部材60Lを図示時計周りに揺動させながら流下し、第2振分部材70Lの右受け止め部70L3に受け止められ、第2振分部材70Lを図示時計周りに揺動させながらさらに流下し、第3振分部材80Lの左受け止め部80L2に受け止められ、第3振分部材80Lを図示反時計周りに揺動させながら第3分岐路58Lを介して左側遊技領域10Lの下部へ向かって放出される。これにより、左側振分装置50Lは、第1振分部材60Lが左受け止め部60L2を遊技球受け止め位置へと移動させ、第2振分部材70Lも左受け止め部70L2を遊技球受け止め位置へと移動させ、第3振分部材80Lが右受け止め部80L3を遊技球受け止め位置へと移動させた状態に変化する。
【0045】
5個目の遊技球PB5は、
図6(A)に示す様に、左側振分装置50Lに入球すると第1振分部材60Lの左受け止め部60L2に受け止められ、第1振分部材60Lを図示反時計周りに揺動させながら第1分岐路56Lを介して左側遊技領域10Lの下部へ向かって放出される。これにより、左側振分装置50Lは、第1振分部材60Lが右受け止め部60L3を遊技球受け止め位置へと移動させた状態となる。このとき、第2振分部材70Lは左受け止め部70L2を遊技球受け止め位置へと移動させた状態、第3振分部材80Lは右受け止め部80L3を遊技球受け止め位置へと移動させた状態のままである。
【0046】
6個目の遊技球PB6は、
図6(B)に示す様に、左側振分装置50Lに入球すると第1振分部材60Lの右受け止め部60L3に受け止められ、第1振分部材60Lを図示時計周りに揺動させながら流下し、第2振分部材70Lの左受け止め部70L2に受け止められ、第2振分部材70Lを図示反時計周りに揺動させつつ第2分岐路57Lを介して左側遊技領域10Lの下部へ向かって放出される。これにより、左側振分装置50Lは、第1振分部材60Lが左受け止め部60L2を遊技球受け止め位置へと移動させ、第2振分部材70Lは右受け止め部70L3を遊技球受け止め位置へと移動させた状態に変化する。なお、第3振分部材80Lは右受け止め部80L3を遊技球受け止め位置へと移動させた状態のままである。
【0047】
7個目の遊技球PB7は、
図6(C)に示す様に、左側振分装置50Lに入球すると第1振分部材60Lの左受け止め部60L2に受け止められ、第1振分部材60Lを図示反時計周りに揺動させながら第1分岐路56Lを介して左側遊技領域10Lの下部へ向かって放出される。これにより、左側振分装置50Lは、第1振分部材60Lが右受け止め部60L3を遊技球受け止め位置へと移動させた状態となる。このとき、第2振分部材70Lは右受け止め部70L3を遊技球受け止め位置へと移動させた状態、第3振分部材80Lも右受け止め部80L3を遊技球受け止め位置へと移動させた状態のままである。これにより、各振分部材60L,70L,80Lが左受け止め部60L2,70L2,80L2を遊技球受け止め位置へと移動させた最初の状態とは全く逆に、右受け止め部60L3,70L3,80L3を遊技球受け止め位置へと移動させた状態となる。
【0048】
そして、8個目の遊技球PB8は、
図6(D)に示す様に、左側振分装置50Lに入球すると第1振分部材60Lの右受け止め部60L3に受け止められ、第1振分部材60Lを図示時計周りに揺動させながら流下し、第2振分部材70Lの右受け止め部70L3に受け止められ、第2振分部材70Lを図示時計周りに揺動させながらさらに流下し、第3振分部材80Lの右受け止め部80L3に受け止められ、第3振分部材80Lを図示時計周りに揺動させながらさらに流下することにより、本体流路53Lの最下流部まで流下し、右向き出口52Lから、ステージ33の奥に形成された王道ルートKRTへと放出される。この結果、8個目の遊技球PB8は、ほぼ確実に、始動入賞装置7へと入賞する。このとき、図示の様に、各振分部材60L,70L,80Lは、それぞれの左受け止め部60L2,70L2,80L2を遊技球受け止め位置へと移動させた最初の状態へと戻る。
【0049】
この結果、左側振分装置50Lに入球した遊技球PB1〜PB8は、入球8個目に1個となる間隔で王道ルートKRTへと放出され、始動入賞装置7へと入賞することになる。なお、王道ルートKRTに達することができなかった遊技球PB1〜PB7は、左側遊技領域10Lを転動し、あるものは風車12に絡み、道釘列11に拾われて始動入賞装置7へと向かう。従って、左側振分装置50Lによって王道ルートKRT以外のルートへと放出された遊技球PB1〜PB7は、始動入賞装置7への入賞機会を全く失う訳ではない。
【0050】
[4.2 右側振分装置の動作]
右側振分装置50Rは、左右が逆になるだけで、左側振分装置50Lと同様の振り分け動作を実行し、右側遊技領域10Rへ打ち込まれ、右側振分装置50Rに入球した遊技球を8個目に1個となる間隔で王道ルートKRTへと遊技球を放出する。また、王道ルートKRTに達することができなかった遊技球は、右側遊技領域10Rを転動し、あるものは風車12に絡み、道釘列11に拾われて始動入賞装置7へと向かう。従って、右側振分装置50Rによって王道ルートKRT以外のルートへと放出された遊技球についても、始動入賞装置7への入賞機会を全く失う訳ではない。
【0051】
[5.1 制御装置の構成]
次に、本実施例のパチンコ機Pのゲーム性等について説明する。まず、制御系統について
図7に基づいて説明する。CPU,ROM,RAM,クロック等を備えた主制御基板310に対し、始動入賞装置7の特
図1スイッチSW1、特
図2スイッチSW2、普通入賞口18の入賞検知スイッチSW11〜SW14、特別入賞口15の入賞スイッチSW7、裏ユニットの球排出通路へと遊技球が排出されたことを検知する排出球検知スイッチSW21,SW22からの検知信号が入力される様になっている。
【0052】
また、主制御基板310からは、演出制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、特図表示器350、特別入賞口15の扉開閉用ソレノイドSOL7へとコマンドが出力される様になっている。演出制御基板320は、発光装置LED、スピーカSP、モータMT及びソレノイドSOLに対して制御信号を出力して発光演出、音声演出、可動体演出を実行すると共に、表示制御基板370へと演出表示のためのコマンドを出力している。表示制御基板370は、演出制御基板320からの演出表示のための指令信号に基づいて、液晶表示装置LCDに対して制御信号を出力し、表示演出を実行する。また、演出制御基板320には、演出操作ボタンSからの操作信号も入力される様に構成されている。
【0053】
払出制御基板330は、主制御基板310からの払出コマンドに従って、賞球の払出を実行する。前述の様に、賞球払出個数は、どの入賞口に入賞したかによって予め定められている。また、主制御基板310は、払出制御基板330の外部出力端子を介してホールコンピュータへとエラー信号を出力する機能も備えている。
【0054】
発射制御基板340は、主制御基板310からの制御コマンドに従って、発射装置Gによる打球の発射・停止を実行する。打球の停止は、例えば、何らかのエラーが発生したときなどに指令される。なお、演出制御基板320をはじめとして、図示省略したランプ制御基板、音声制御基板などを総称して「サブ制御基板」という。
【0055】
[5.2 特図入力]
主制御基板310は、
図8(A)に示す制御系統により、特図スイッチSW1,SW2のいずれかからの検知信号が入力されると、特別図柄を決定するための乱数を取得し、その結果を始動保留情報としてRAMに記憶する特図入力処理を実行している。
【0056】
本実施例においては、始動保留情報として第1特図スイッチSW1による検知信号に基づく始動保留情報(以下、「特
図1始動保留情報」という。)を最大4個、第2特図スイッチSW2による検知信号に基づく始動保留情報(以下、「特
図2始動保留情報」という。)を最大4個記憶することができ、最大8個の始動保留情報を貯めることができる構成となっている。
【0057】
本実施例における特図入力処理は、
図8(B)に示す様な演算処理ルーチンとして実行され、まず、特
図1スイッチSW1からの検知信号が入力されたか否かを判定する(S110)。特
図1スイッチSW1からの検知信号が入力された場合は(S110:YES)、特
図1始動保留情報の記憶数N1(以下、「特
図1保留数N1」という。)が4未満か否かを判定する(S120)。N1<4ならば(S120:YES)、特
図1保留数N1をインクリメントし(S130)、上述の乱数1〜乱数4を取得し、RAMの始動保留情報記憶領域へと記憶する(S140)。
【0058】
S110が「NO」の場合は、特
図2スイッチSW2からの検知信号が入力されたか否かを判定する(S150)。S150が「YES」となった場合は、特
図2始動保留情報の記憶数N2(以下、「特
図2保留数N2」という。)が4未満か否かを判定する(S160)。N2<4ならば(S160:YES)、特
図2保留数N2をインクリメントし(S170)、上述の乱数1〜乱数4を取得し、RAMの始動保留情報記憶領域へと記憶する(S180)。
【0059】
始動保留情報は、主制御基板310からび演出制御基板320へと送信され、液晶表示装置LCDを介して実施される保留アイコン表示に反映される。なお、主制御基板310による制御処理として特図表示器350を介して実施されている保留表示にも反映される。この結果、遊技者は、保留個数が増加する様子を把握しながら遊技をすることができる。
【0060】
[5.3 特図開始]
主制御基板310は、
図9(A)に示す制御系統により、RAM内に記憶された始動保留情報を読み出し、「当たり/はずれ」に応じた特別図柄変動を特図表示器350に実行させると共に、演出制御基板320を介して表示演出(背景、キャラクタ等)、音声演出、発光演出、可動体演出等を実行させる。
【0061】
主制御基板310は、
図9(B)のフローチャートに示す様な特図開始処理を、所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。この処理においては、まず、遊技演出(図柄変動または特別遊技)の実行中であるか否かを判定し(S210)、遊技演出実行中であるときは(S210:YES)、今回の処理を終了する。一方、遊技演出実行中でないときは(S210:NO)、RAM内の所定の記憶領域に始動保留情報が記憶されているか否かを判定する(S220)。始動保留情報が記憶されていない場合は(S220:NO)、デモ演出実行中か否かを判定し(S230)、デモ演出実行中であるならば処理を終了し(S230:YES)、デモ演出実行中でない場合は(S230:NO)、デモ演出開始を演出制御基板320に対して指令する(S240)。
【0062】
始動保留情報の記憶がある場合は(S220:YES)、記憶順の一番早い始動保留情報が特
図1始動保留情報であるか否かを判定する(S250)。特
図1始動保留情報である場合は(S250:YES)、特
図1記憶数N1をデクリメントし(S260)、記憶順の一番早い始動保留情報(乱数1〜乱数4)を読み出す(S270)。これにより、RAM内の記憶領域における始動保留情報の記憶順が更新され、特図表示器350や液晶表示装置LCDを介して実施されている保留表示も更新される。
【0063】
こうして読み出した特
図1始動保留情報中の乱数1が、主制御基板310のROMに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する(S310)。大当り判定の判定結果が肯定の場合には(S310:YES)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(S320)。そして、主制御基板310は、乱数2の値に基づき、特図表示器350に確定停止表示させる「大当り図柄」を決定する(S330)。ここで、乱数2の値には、特
図1始動保留情報に対する当たり種別の振り分け率に対応して大当り図柄が対応付けられている。従って、主制御基板310は、S330の処理においては、読み出した乱数2の値に対応付けられた大当り図柄を決定することになる。大当り図柄(特図)が決定されると、乱数4の値に基づいて「大当り演出用の変動パターン」の中から1つの変動パターンを決定する(S340)。
【0064】
判定結果が否定である場合には(S310:NO,S312:NO)、主制御基板310は、S270で読み出した特
図1始動保留情報中の乱数3に基づいてリーチ演出を実行させるか否かを判定する(S350)。本実施例では、主制御基板310は、乱数3の値が、ROMに記憶してあるリーチ演出実行判定値と一致するか否かによりS315の判定を行う。S350の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、主制御基板310は、特図表示器350に確定停止表示させる「はずれ図柄」を決定し(S335)、乱数4の値に基づいて「はずれリーチ演出用の変動パターン」の中から1つの変動パターンを決定する(S345)。
【0065】
また、S350におけるリーチ判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、主制御基板310は、特図表示器350に確定停止表示させる「はずれ図柄」を決定する(S338)。次に、主制御基板310は、乱数4の値に基づいて「はずれ演出用の変動パターン」の中から1つの変動パターンを決定する(S348)。
【0066】
こうして変動パターンおよび最終停止図柄を決定した主制御基板310は、演出制御基板320に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(S360)。具体的には、主制御基板310は、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、主制御基板310は、特図変動表示を開始させるように特図表示器350を制御する。また、主制御基板310は、最終停止図柄となる特別図柄を指示するための特図指定コマンドを出力する。こうして、主制御基板310は、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理において、主制御基板310は、指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器350の表示内容を制御する。また、主制御基板310は、指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、演出制御基板320に対して飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0067】
これに対し、記憶順の一番早い始動保留情報が特
図1始動保留情報でない場合は(S250:NO)、特
図2始動保留情報であるか否かを判定する(S255)。特
図2始動保留情報である場合は(S255:YES)、特
図2記憶数N2をデクリメントし(S265)、記憶順の一番早い始動保留情報を読み出す(S275)。その後は、特
図2変動表示用処理(S400)を実行する。S400の特
図2変動表示用処理は、S310〜S360と同様に構成されている。
【0068】
特図開始処理により、「大当たり」となった場合は、主制御基板310は、特別入賞口15の扉開閉用ソレノイドSOL7を駆動する大当たり用の特別遊技を実行する。
【0069】
本実施例によれば、上述の様に、左側振分装置50L、右側振分装置50Rによって、始動入賞装置7に対して、8個目に1個ごとの間隔で遊技球を入賞させることが可能となり、連続して発射している状態での始動入賞の間隔のバラツキをなくしつつ始動入賞の安定化を図ることができるから、遊技者にとっては捨てられる乱数が少なくなり、安心して連続発射を続けることができる。これにより、止め打ちの様な複雑な操作による疲労もなく、いわゆるゴト師と疑われることもなく、安心して遊技を楽しむことができるものとなる。