【実施例】
【0032】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。ただ、下記の実施例は本発明を例示するだけのものであり、本発明の内容が下記の実施例に限定されるものではない。
【0033】
実施例1:タンポポ含有複合抽出物及び紅参粉末の混合物
【0034】
タンポポ含有複合抽出物はFamenity社(大韓民国)で製造販売するタンポポ含有複合抽出物(商品名:MR−10)を入手して使った。準備したタンポポ含有複合抽出物は、タンポポ抽出物を80重量%、ルイボス抽出物を20重量%含有しており、有効成分であるルテオリン(luteolin)を0.004〜0.008%、及びイソオリエンチン(isoorientin)を0.013〜0.023%含有している。
【0035】
Rg3を強化した紅参粉末は(株)AMBO研究所で製造販売するRg3成分を2〜5%含んでいる紅参粉末(製品名:ファンザク粉末)を入手して準備した。前記タンポポ含有複合抽出物と紅参粉末を2:1(400mg:200mg)の重量比で混合し、残部として賦形剤であるデキストリンを400mg添加して総量1000mgの錠剤(タブレット)状のものを準備した。
【0036】
実施例2:タンポポ含有複合抽出物、紅参粉末及び牛蒡子抽出物の混合物
【0037】
前記実施例1で準備したタンポポ含有複合抽出物及び紅参粉末の混合物に牛蒡子抽出物100mgをさらに混合し、残部として賦形剤であるデキストリンを300mg添加して総量1000mgの錠剤(タブレット)状のものを準備した。
【0038】
この際、前記牛蒡子抽出物は、ウバンザ(キョンドン市場、大韓民国)で購入し、粉砕器で細かく破砕した牛蒡子を蒸溜水で熱水抽出し、これを濾紙で濾過し、減圧及び乾燥することによって得た粉末である。
【0039】
実施例3:1:1の重量比で混合した場合
【0040】
タンポポ含有複合抽出物とRg3成分を2〜5%含んでいる紅参粉末をそれぞれ300mgずつ混合した後(1:1の重量比)、賦形剤であるデキストリンを400mg添加して総量1000mgの錠剤(タブレット)状のものを準備した。
【0041】
比較例1:タンポポ含有複合抽出物単独の場合
【0042】
タンポポ含有複合抽出物(商品名:MR−10)600mgに残部として賦形剤であるデキストリンを400mg添加して総量1000mgの錠剤(タブレット)状のものを準備した。
【0043】
比較例2:紅参粉末単独の場合
【0044】
Rg3成分を2〜5%含んでいる紅参粉末(製品名:ファンザク粉末)600mgに賦形剤であるデキストリンを400mg添加して総量1000mgの錠剤(タブレット)状のものを準備した。
【0045】
比較例3:牛蒡子抽出物単独の場合
【0046】
実施例2で使用した牛蒡子抽出物600mgに賦形剤であるデキストリンを400mg添加して総量1000mgの錠剤(タブレット)状のものを準備した。
【0047】
比較例4:タンポポ含有複合抽出物及び牛蒡子抽出物混合物
【0048】
タンポポ含有複合抽出物400mg(商品名:MR−10)に牛蒡子抽出物を200mg混合した後、賦形剤であるデキストリンを400mg添加して総量1000mgの錠剤(タブレット)状のものを準備した。
【0049】
比較例5:紅参粉末及び牛蒡子抽出物混合物
【0050】
Rg3成分を2〜5%含んでいる紅参粉末400mgに牛蒡子抽出物を200mg混合した後、賦形剤であるデキストリンを400mg添加して総量1000mgの錠剤(タブレット)状のものを準備した。
【0051】
比較例6:1:2の重量比で混合した場合
【0052】
実施例1と同様であるが、タンポポ含有複合抽出物200mgと紅参粉末400mgを混合(1:2の重量比)し、賦形剤であるデキストリンを400mg添加して総量1000mgの錠剤(タブレット)状のものを準備した。
【0053】
比較例7:3:1の重量比で混合した場合
【0054】
実施例1と同様であるが、タンポポ含有複合抽出物450mgと紅参粉末150mgを混合(3:1の重量比)し、賦形剤であるデキストリンを400mg添加して総量1000mgの錠剤(タブレット)状のものを準備した。
【0055】
比較例8
【0056】
実施例1〜3及び比較例1〜7に対応する対照群であって、賦形剤であるデキストリンが100%である総量1000mgの錠剤(タブレット)状のものを準備した。
【0057】
実験例1:ヒト試験による男性更年期予防効果
【0058】
男性に本発明の組成物を摂取させ、摂取前後の男性更年期評価アンケート紙によって男性更年期予防及び治療効果を確認した。
【0059】
<1−1>研究対象及び期間
【0060】
本検査に同意した満40歳以上の中年男性33人を対象とし、比較例1〜8及び実施例1〜3のサンプルを摂取する群に分類し、30日間一日に1,000mgずつ摂取するようにした。摂取の前と後に‘ハングル版AMS Scale’検査紙に答えるようにして、本組成物の摂取による男性更年期の評価を実施した。
【0061】
<1−2>ハングル版AMS(Aging Males’ Symptom)Scale
1999年Heinemannら(Heinemann LAJ、Zimmermann T、Vermeulen A、Thiel C. A New ‘aging Male’s Symptom’ AMS Scale. The Aging Male 1992, 2:105−114.)がドイツ語で開発したAMS scaleは老化が男性の生活の質に及ぶ影響を客観的に評価するために考案された、妥当性及び信頼性が立証されたツールであり、ハングル版は2003年キムセヒョンの翻訳版が妥当性及び信頼性において立証されて使われている(Daig I, Heinemann LA, Kim S et al. The Aging Males’ Symptoms(AMS) scale:review of its methodological characteristics, Health Qual Life Outcomes(2003)1:77.;イギルヒョンら、Korean J Fam Med.(2010)31:613−621)。総17個の質問項目でなっており、全ての項目は、表1のように、症状なし(1点)、軽い(2点)、中間(3点)、激しい(4点)及び非常に激しい(5点)に定量化される。総点27点以上の場合を陽性と判定し、症状程度によって、17〜26点はなし(no)、27〜36点は軽症(little)、37〜49点は中症(moderate)、50点以上は重症(severe)に区分する。AMSの17個の質問項目は精神的、身体的、性的要素の3種の詳細要素に分類される。質問項目6−8、11、13番は精神的要素、1−5、9、10番は身体的要素、12、14−17番は性的要素に相当する。
【0062】
【表1】
【0063】
前記実施例1〜3及び比較例1〜8に対するAMSの結果は表2及び
図1に示した。試験の結果、比較例1〜8の場合は順にAMS数値改善度が39.0、16.5、13.2、42.1、19.4、37.2、44.6、2.6%であるが、実施例1〜3の場合は46.7、47.7、41.9%とかなり増加したことを確認した。
【0064】
この結果から、本発明によってタンポポ含有複合抽出物と紅参粉末を1:1〜2:1の重量比で含む混合群の場合、単独摂取群及び他の割合のものよりAMS検査項目である活力改善、性欲改善、精力改善、勃起改善、睡眠改善、情緒安定などにおいて男性老化によって現れる更年期症状を緩和させることを確認した。また、牛蒡子抽出物をさらに含む場合、前記効果が上昇することを確認することができた。
【0065】
【表2】
【0066】
実験例2:人体内テストステロン(性ホルモン)増加効果
【0067】
成人男子が本発明の組成物を摂取するようにし、摂取前後のテストステロンの血中濃度変化を確認して発明組成物の性ホルモン増加効果を確認した。
【0068】
<2−1>研究対象及び期間
【0069】
本検査に同意した満40歳以上中年男性33人が対照群(Control)の比較例8と比較例1〜7、及び実施例1〜3のサンプルを一日に600mgずつ30日間摂取するようにした。摂取の前と後に血中テストステロンを採取して分析して、本組成物の摂取による男性ホルモンの評価を実施した。
【0070】
<2−2>成人男子におけるテストステロンホルモン増加効果
【0071】
血液は、摂取の前と後、同じ時刻である午後2時に血液を腕の静脈から採取した後、heparin処理されたチューブに移して入れ、2500rpm(4℃)で15分間遠心分離して血漿を分離した。分離された血漿を対象とし、Testosterone ELISA kit(ADI−901−065、174; Enzo Life Sciences, U.S.A)を用いて製造社のマニュアルに従って血中テストステロンホルモン含量を測定した。結果は平均と標準偏差で示し、有意性検証のために統計処理はStudent’s t−testを用い、p<0.05の場合に有意なものとして見なして表示した。その結果は
図2に示した。
【0072】
比較例1〜8の場合、順にテストステロン増加率がそれぞれ32.7、13.3、9.5、35.1、14.9、21.8、35.9、2.6であるが、実施例1〜3の場合、46.7、47.7、41.9%とかなり増加したことを確認した。
【0073】
この結果から、本発明によってタンポポ含有複合抽出物と紅参粉末を1:1〜2:1の重量比で含む混合群の場合、単独摂取群及び他の割合のものよりテストステロン増加効果がより優れたことを確認した。
【0074】
実験例3:勃起不全症改善効果
【0075】
成人男子が本発明の組成物を摂取するようにし、自覚症状と問診で評価して勃起不全症の改善効果を確認した。
【0076】
<3−1>研究対象及び期間
【0077】
本検査に同意した満40〜45歳の男性33人が比較例1〜8及び実施例1〜3のサンプルを一日に1,000mgずつ30日間摂取するようにした。
【0078】
<3−2>成人男子における勃起不全症改善効果
【0079】
勃起不全症改善効果を自覚症状と問診で評価し、その結果を
図3に示した。試験の結果、比較例1〜8の場合、順に勃起不全症状改善率が25.3、50.0、33.7、33.1、52.7、48.7、31.1、12.3%であるが、実施例1〜3の場合、60.0、63.0、55.7%とかなり改善したことを確認した。
【0080】
この結果から、本発明によってタンポポ含有複合抽出物と紅参粉末を1:1〜2:1の重量比で含む混合群の場合、単独摂取群及び他の割合のものより勃起不全症改善効果がより優れたことを確認した。
【0081】
実験例4:血管拡張作用の比較
【0082】
体重260〜280gのスプラグドーリ(Sprague−Dawley)系ラットの胸部大動脈を摘出し、大動脈輪を作って血管拡張作用を観測した。
【0083】
<4−1>研究対象及び期間
【0084】
体重260〜280gのスプラグドーリ系ラットの胸部大動脈を摘出し、内皮細胞を損傷させないように長さ2〜3mmの大動脈輪を作った。クレブス-リンガー炭酸水素緩衝液(Krebs−Ringer Bicarbonate Buffer)(mM;NaCl 118、KCl4.7、CaCl22.5、MgSO1.2、KH
2PO
4 1.2、葡萄糖11.0、95%O
2+5%CO
2、37℃)20mlが満たされた臓器チャンバーに懸垂し、等尺性張力の記録装置に連結した。大動脈輪を2gの休止張力で60分間平衡させた。フェニレフリン30μMを加えて、安定した収縮が現れたことを確認し、アセチルコリン1μMを加えて、内皮細胞が存在することを確認した。大動脈輪を45分間3回洗浄し、さらにフェニレフリンで収縮させ、試料を累積的に加え、血管拡張作用を観測した(
図4)。使用した試料は比較例1〜8及び実施例1〜3で得たものを磨いて使った。
【0085】
<4−2>Ratにおける血管拡張作用改善効果
【0086】
末梢血液循環改善作用効果を等尺性張力の記録装置で評価し、その結果を
図4に示した。試験の結果、比較例1〜8の場合、順に血管拡張率が47、80、75、50、82、79、50、5%であるが、実施例1〜3の場合、92、97、88%とかなり増加したことを確認した。この結果から、本発明によってタンポポ含有複合抽出物と紅参粉末を1:1〜2:1の重量比で含む混合群の場合、単独摂取群及び他の割合のものより血管拡張作用効果がより優れたことを確認した。
【0087】
前記実験結果から分かるように、本発明はタンポポ含有複合抽出物及び紅参粉末、及び/又は牛蒡子抽出物を有効成分として含むことにより、互いに相補的なシナジー効果を示す。これは、AMSのような自覚症状問答の結果だけではなく身体的及び精神的症状を全て改善させるような、男性の更年期又は更年期関連疾患又は症状の予防、改善及び治療用食品組成物及び薬学的組成物として提供されることができる。
【0088】
<その他>
なお、本発明や他の発明の説明に於いて、特に断らない限り、含有率の「%」は「重量%」である。