(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6317466
(24)【登録日】2018年4月6日
(45)【発行日】2018年4月25日
(54)【発明の名称】スローシャッタの撮像方法及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20180416BHJP
G03B 7/093 20060101ALI20180416BHJP
G03B 15/00 20060101ALI20180416BHJP
G03B 17/20 20060101ALI20180416BHJP
【FI】
H04N5/232 290
H04N5/232 930
G03B7/093
G03B15/00 H
G03B17/20
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-554345(P2016-554345)
(86)(22)【出願日】2014年8月30日
(65)【公表番号】特表2017-514334(P2017-514334A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】CN2014085629
(87)【国際公開番号】WO2015127774
(87)【国際公開日】20150903
【審査請求日】2016年8月25日
(31)【優先権主張番号】201410069624.9
(32)【優先日】2014年2月27日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515174526
【氏名又は名称】ヌビア テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100096921
【弁理士】
【氏名又は名称】吉元 弘
(72)【発明者】
【氏名】リ、キアン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ、キアン
(72)【発明者】
【氏名】ミャオ、レイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、カイ
(72)【発明者】
【氏名】ジン、ホンリャン
【審査官】
高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−130471(JP,A)
【文献】
特開平06−165099(JP,A)
【文献】
特開2006−093984(JP,A)
【文献】
特開2007−116265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222−5/257
G03B 7/093
G03B 15/00
G03B 17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スローシャッタの撮像方法であって、
撮像過程において、画像データをキャッシュモジュールに連続的に収集し、前記キャッシュモジュールの余剰スペースに応じて、収集速度を調整することと、
前記画像データに応じて、画像を連続的に生成し、具体的には、現在受信された画像データを過去受信された画像データに加算した後、画像を合成して合成画像を得て、前記合成画像に対してノイズ低減処理を行うとともに、現有画像の露光度に応じて、新たに収集された画像の合成比例を制御することと、
ビューファインダーに前記画像を表示することとを含む
ことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
前記キャッシュモジュールの余剰スペースに応じて、収集速度を調整することは、
前記キャッシュモジュールの余剰スペースが予め設定された値に達するかどうかを判断することと、
予め設定された値に達した場合、収集速度を予め設定された速度に調整することとを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像データに応じて、画像を連続的に生成することは、
前記画像データに応じて、プレビューサイズ画像とフルサイズ画像をそれぞれ連続的に生成することを含み、
前記ビューファインダーに前記画像を表示することは、
ビューファインダーに前記プレビューサイズ画像を表示することを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ビューファインダーに前記画像を表示することは、
ビューファインダーに前記画像を一つずつ表示し、且つ後に生成された画像で先に生成された画像をオーバーレイすることを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ビューファインダーに前記画像を表示することは、
ビューファインダーに前記プレビューサイズ画像を一つずつ表示し、且つ後に生成されたプレビューサイズ画像で先に生成されたプレビューサイズ画像をオーバーレイすることを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ビューファインダーに前記画像を表示した後、更に、
撮像終了後、ビューファインダーにすべての生成された画像を表示することと、
ビューファインダーでユーザーにより選択された画像を最終に撮像された写真とし、画像記憶モジュールに記憶することとを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ビューファインダーに前記画像を表示した後、更に、
撮像終了後、ビューファインダーにすべての生成されたプレビューサイズ画像を表示することと、
ビューファインダーでユーザーにより選択されたプレビューサイズ画像に対応するフルサイズ画像を最終に撮像された写真とし、画像記憶モジュールに記憶することとを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記ビューファインダーに前記画像を表示した後、更に、
撮像終了後、ビューファインダーに現在表示されている画像を最終に撮像された写真とし、画像記憶モジュールに記憶することを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ビューファインダーに前記画像を表示した後、更に、
撮像終了後、ビューファインダーに現在表示されているプレビューサイズ画像に対応するフルサイズ画像を最終に撮像された写真とし、画像記憶モジュールに記憶することを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項10】
撮像装置であって、
各モジュールの動作を総合的に制御するように構成される制御モジュールと、
撮像過程において、画像データをキャッシュモジュールに連続的に収集し、前記キャッシュモジュールの余剰スペースに応じて、収集速度を調整するように構成される撮像モジュールと、
前記画像データをキャッシュするように構成されるキャッシュモジュールと、
前記画像データに応じて、画像を連続的に生成し、具体的には、現在受信された画像データを過去受信された画像データに加算した後、画像を合成して合成画像を得て、前記合成画像に対してノイズ低減処理を行うとともに、現有画像の露光度に応じて、新たに収集された画像の合成比例を制御するように構成される生成モジュールと、
前記連続的に生成された画像を一時的に記憶するように構成される一時記憶モジュールと、
ビューファインダーに前記画像を表示するように構成される表示モジュールとを備える
ことを特徴とする、前記装置。
【請求項11】
前記撮像モジュールは、更に、
前記キャッシュモジュールの余剰スペースが予め設定された値に達するかどうかを判断し、予め設定された値に達した場合、収集速度を予め設定された速度に調整するように構成される
ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記一時記憶モジュールは、第一の一時記憶ユニットと第二の一時記憶ユニットを備え、
前記生成モジュールは、収集された画像データに応じて、プレビューサイズ画像とフルサイズ画像をそれぞれ連続的に生成し、前記プレビューサイズ画像を前記第一の一時記憶ユニットに記憶し、前記フルサイズ画像を前記第二の一時記憶ユニットに記憶するように構成され、
前記制御モジュールは、第一の一時記憶ユニットに記憶されるプレビューサイズ画像を前記表示モジュールに出力して表示するように構成される
ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記表示モジュールは、ビューファインダーに前記画像を一つずつ表示し、且つ後に生成された画像で先に生成された画像をオーバーレイするように構成される
ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記表示モジュールは、ビューファインダーに前記プレビューサイズ画像を一つずつ表示し、且つ後に生成されたプレビューサイズ画像で先に生成されたプレビューサイズ画像をオーバーレイするように構成される
ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記撮像装置は、更に、画像記憶モジュールを備え、
前記表示モジュールは、更に、撮像終了後、ビューファインダーにすべての生成された画像を表示するように構成され、
前記制御モジュールは、ビューファインダーでユーザーにより選択された画像を最終に撮像された写真とし、前記画像記憶モジュールに記憶するように構成される
ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記撮像装置は、更に、画像記憶モジュールを備え、
前記表示モジュールは、撮像終了後、ビューファインダーにすべての生成されたプレビューサイズ画像を表示するように構成され、
前記制御モジュールは、ビューファインダーでユーザーにより選択されたプレビューサイズ画像に対応するフルサイズ画像を最終に撮像された写真とし、前記画像記憶モジュールに記憶するように構成される
ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記撮像装置は、更に、画像記憶モジュールを備え、
前記制御モジュールは、撮像終了後、ビューファインダーに現在表示されている画像を最終に撮像された写真とし、前記画像記憶モジュールに記憶するように構成される
ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項18】
前記撮像装置は、更に、画像記憶モジュールを備え、
前記制御モジュールは、撮像終了後、ビューファインダーに現在表示されているプレビューサイズ画像に対応するフルサイズ画像を最終に撮像された写真とし、前記画像記憶モジュールに記憶するように構成される
ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像技術分野に関し、特に、スローシャッタの撮像方法及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置において、シャッタ速度は、カメラで撮像を行う際にシャッタがオン状態になる時間を表す。フィルム又はセンサーに到達した光の量又は露光量は、シャッタ速度とカメラレンズの絞りの大きさ(Fナンバーとも呼ばれる)によって決定される。シャッタ速度が速いほど、露光時間が短いことを意味するので、露光量がより少ないが、運動物体の場合は、フィルム上に、より鮮明な映像が表示されることができる。シャッタ速度が遅いほど、露光時間が長いことを意味するので、露光量がより多いが、運動物体の場合は、フィルム上に、映像が不鮮明に表示されることができる。通常には、1/30秒以下のシャッタ速度で写真を撮像することをスローシャッタ撮像と言い、スローシャッタ撮像を利用して特殊な効果又は芸術効果を有する写真を取得することができる。
【0003】
従来の技術において、ある撮像装置は、スローシャッタ撮像過程で、所定の期間ごとに画像データを1回収集し、画像データから複数の画像を連続的に生成することができることによって、露光効果をリアルタイムに表示することを実現する。しかしながら、従来技術において、画像データを連続的に収集する時間間隔は一定であり、実際の状況によって変更することができない。また、データを処理する速度は、撮像装置ごとに異なっている。同一の撮像装置においても、データを処理する速度は、具体的状況に応じて異なる。そのため、過度に長い時間間隔が設定されている場合、露光効果を表示するリアルタイム特性が不足して、ユーザー体験に影響を与える。過度に短い時間間隔が設定されている場合、撮像装置の計算能力を超え、データの損失が起こる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、撮像装置の処理能力を最大限に利用し、露光効果を表示するリアルタイム特性を向上させ、ユーザー体験を向上させるためのスローシャッタの撮像方法及び撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解決するために、スローシャッタの撮像方法を提供することを目的とする。この方法は、
撮像過程において、画像データをキャッシュモジュールに連続的に収集し、前記キャッシュモジュールの余剰スペースに応じて、収集速度を調整することと、
前記画像データに応じて、画像を連続的に生成することと、
前記画像をビューファインダーに表示することとを含む。
【0006】
好ましくは、前記キャッシュモジュールの余剰スペースに応じて、収集速度を調整することは、
前記キャッシュモジュールの余剰スペースが予め設定された値に達するかどうかを判断することと、
予め設定された値に達した場合、収集速度を予め設定された速度に調整することとを含む。
【0007】
好ましくは、前記画像をビューファインダーに表示することは、
ビューファインダーに前記画像を一つずつ表示し、且つ後に生成された画像で先に生成された画像をオーバーレイすることを含む。
【0008】
好ましくは、前記画像をビューファインダーに表示した後、更に、
撮像終了後、すべての生成された画像をビューファインダーに表示することと、
ビューファインダーでユーザーにより選択された画像を最終に撮像された写真とし、画像記憶モジュールに記憶することとを含む。
【0009】
好ましくは、前記前記画像をビューファインダーに表示した後、更に、
撮像終了後、ビューファインダーに現在表示している画像を最終に撮像された写真とし、画像記憶モジュールに記憶することを含む。
【0010】
好ましくは、前記画像データに応じて、画像を連続的に生成することは、前記画像データに応じて、プレビューサイズ画像とフルサイズ画像をそれぞれ連続的に生成することを含み、前記ビューファインダーに前記画像を表示することは、ビューファインダーに前記プレビューサイズ画像を表示することを含む。
【0011】
好ましくは、前記ビューファインダーに前記画像を表示することは、
ビューファインダーに前記プレビューサイズ画像を一つずつ表示し、且つ後に生成されたプレビューサイズ画像で先に生成されたプレビューサイズ画像をオーバーレイすることを含む。
【0012】
好ましくは、前記ビューファインダーに前記画像を表示した後、更に、
撮像終了後、ビューファインダーにすべての生成されたプレビューサイズ画像を表示することと、
ビューファインダーでユーザーにより選択されたプレビューサイズ画像に対応するフルサイズ画像を最終に撮像された写真とし、画像記憶モジュールに記憶することとを含む。
【0013】
好ましくは、前記ビューファインダーに前記画像を表示した後、更に、
撮像終了後、ビューファインダーに現在表示されているプレビューサイズ画像に対応するフルサイズ画像を最終に撮像された写真とし、画像記憶モジュールに記憶することを含む。
【0014】
本発明はまた、撮像装置を提供する。この撮像装置は、
各モジュールの動作を総合的に制御するように構成される制御モジュールと、
撮像過程において、画像データをキャッシュモジュールに連続的に収集し、前記キャッシュモジュールの余剰スペースに応じて、収集速度を調整するように構成される撮像モジュールと、
前記画像データをキャッシュするように構成されるキャッシュモジュールと、
前記画像データに応じて、画像を連続的に生成するように構成される生成モジュールと、
前記連続的に生成された画像を一時的に記憶するように構成される一時記憶モジュールと、
ビューファインダーに前記画像を表示するように構成される表示モジュールとを備える。
【0015】
好ましくは、前記撮像モジュールは、
前記キャッシュモジュールの余剰スペースが予め設定された値に達するかどうかを判断し、予め設定された値に達した場合、収集速度を予め設定された速度に調整するように構成される。
【0016】
好ましくは、前記一時記憶モジュールは、第一の一時記憶ユニットと第二の一時記憶ユニットを備える。
【0017】
好ましくは、前記表示モジュールは、ビューファインダーに前記画像を一つずつ表示し、且つ後に生成された画像で先に生成された画像をオーバーレイするように構成される。
【0018】
好ましくは、前記撮像装置は、更に、画像記憶モジュールを備え、前記表示モジュールは、撮像終了後、ビューファインダーにすべての生成された画像を表示するように構成され、前記制御モジュールは、ビューファインダーでユーザーにより選択された画像を最終に撮像された写真とし、前記画像記憶モジュールに記憶するように構成される。
【0019】
好ましくは、前記制御モジュールは、撮像終了後、ビューファインダーに現在表示されている画像を最終に撮像された写真とし、前記画像記憶モジュールに記憶するように構成される。
【0020】
前記生成モジュールは、収集された画像データに応じて、プレビューサイズ画像とフルサイズ画像をそれぞれ連続的に生成し、前記プレビューサイズ画像を前記第一の一時記憶ユニットに記憶し、前記フルサイズ画像を前記第二の一時記憶ユニットに記憶するように構成され、
前記制御モジュールは、第一の一時記憶ユニットに記憶されるプレビューサイズ画像を前記表示モジュールに出力して表示するように構成される。
【0021】
好ましくは、前記表示モジュールは、ビューファインダーに前記プレビューサイズ画像を一つずつ表示し、且つ後に生成されたプレビューサイズ画像で先に生成されたプレビューサイズ画像をオーバーレイするように構成される。
【0022】
好ましくは、前記表示モジュールは、撮像終了後、ビューファインダーにすべての生成されたプレビューサイズ画像を表示するように構成され、前記制御モジュールは、ビューファインダーでユーザーにより選択されたプレビューサイズ画像に対応するフルサイズ画像を最終に撮像された写真とし、前記画像記憶モジュールに記憶するように構成される。
【0023】
好ましくは、前記制御モジュールは、撮像終了後、ビューファインダーに現在表示されているプレビューサイズ画像に対応するフルサイズ画像を最終に撮像された写真とし、前記画像記憶モジュールに記憶するように構成される。
【0024】
本発明より提供されるスローシャッタの撮像方法は、撮像の全過程において、画像データを連続的に収集し、収集された画像データから画像を連続的に生成する。ユーザーが露光効果をプレビューするように、ビューファインダーに画像をリアルタイムに表示する。画像データを収集する過程において、キャッシュモジュールの余剰スペースに応じて、収集速度をリアルタイムに調整することによって、撮像装置の処理能力を最大限に利用するとともに、収集速度が速すぎてデータが損失されることを防止する。また、露光効果を表示するリアルタイム特性をさらに向上させ、ユーザー体験を向上させる。露光終了後、ユーザーは、ビューファインダーで複数の異なる露光効果の写真を選択することができ、一回の撮像で、各種の撮像効果を有する複数の写真を収集することができ、ユーザー体験をさらに向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明に係るスローシャッタの撮像方法の第一実施例のフローチャートである。
【
図2】本発明に係るスローシャッタの撮像方法の第二実施例のフローチャートである。
【
図3】本発明に係る撮像装置の第一実施例のモジュールを表す図である。
【
図4】本発明に係る撮像装置の第二実施例のモジュールを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施例、図面を参照して、本発明の目的の実現、機能特徴及び利点を詳しく説明する。
【0027】
ここで記載される具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものであるが、本発明を制限するためのものではないと理解すべきである。
【0028】
図1を参照して、本発明に係るスローシャッタの撮像方法の第一実施例を説明する。前記スローシャッタの撮像方法は、以下のステップを含む。
【0029】
ステップS101:撮像が開始された後、画像データをキャッシュモジュールに連続的に収集し、キャッシュモジュールの余剰スペースに応じて、収集速度をリアルタイムに調整する。
【0030】
ユーザーによりシャッタボタンが押下された又は仮想シャッタボタンがトリガされた後、撮像装置は、撮像を開始し、画像データをキャッシュモジュールに連続的に収集する。画像データを収集する過程において、キャッシュモジュールの余剰スペースが予め設定された値に達するかどうかをリアルタイムに判断し、達した場合、収集速度を予め設定された速度に調整する。
例えば、撮像装置は、キャッシュモジュールの余剰スペースが50%以上であることを検出した場合、最大速度で画像データを収集する。キャッシュモジュールの余剰スペースが50%以下であることを検出した場合、収集速度を現在の速度の半分に下げる。キャッシュモジュールの余剰スペースがまた50%以上に回復する場合、収集速度を再度、最大速度に調整する。実際の要求に応じて、予め設定された値と予め設定された速度を複数に細分化して、レベルによるインクリメント又はデクリメントを実現する。したがって、撮像装置の処理能力を最大限に利用するとともに、収集速度が速すぎてデータがオーバーフローして、ひいてはデータが損失されることを防止する。
【0031】
ステップS102:前記画像データに応じて、画像を連続的に生成する。
【0032】
撮像装置は、収集された画像データに対して一連の演算を行った後、画像を生成し、生成された画像を一時的に記憶する。具体的には、撮像装置は、現在受信された画像データを過去受信された画像データに加算した後、新しい画像を合成し、生成された画像に対してノイズ低減処理を行う。これと同時に、現有画像の露光度に応じて、新たに収集された画像の合成比例を制御し、露光過度の発生を抑える。一番目の画像のRGB又はYUV情報はRGB1又はYUV1(YUVとRGBが互いに変換可能なので、以下はYUVで一括して記載する)の場合、n番目の画像のYUV情報は、YUVn=(1/m)*(YUV1+・・・.+YUVn−1)であり、ここで、mが絞りのパラメータ値である。各画像は、連続的に生成されたものが、撮像装置の計算処理速度に限られる。実際には、生成された隣接の画像の間に一定の時間間隔がある。計算速度が速いほど、時間間隔が短い。これと同時に、画像を生成する速度は、前のステップS101における画像データの収集速度にも影響を与える。画像を生成する速度が速いほど、キャッシュモジュールから画像データを読み取る速度が速く、キャッシュモジュールの領域を空ける速度が速く、撮像装置は画像データの収集速度が速い。
【0033】
ある好ましい実施例において、撮像装置は、収集された画像データに応じて、プレビューサイズ画像とフルサイズ画像をそれぞれ連続的に生成し、プレビューサイズ画像をビューファインダーに出力してリアルタイムに表示する。前記プレビューサイズ画像は、小さい画素を有する画像である。フルサイズ画像は、ユーザーにより要求された又は設定された大きい画素を有する画像であり、プレビューサイズ画像の画素よりずっと大きい。大きい画素を有する画像を生成する速度は遅いため、撮像装置の計算速度が遅い場合、リアルタイムに表示される画像が一時的に停止されてしまう。二つのスレッドでプレビューサイズ画像とフルサイズ画像をそれぞれ生成する。プレビューサイズ画像の画素が小さいため、生成する速度が速い。そして、プレビューサイズ画像をビューファインダーにスムーズに出力してリアルタイム表示して、一時停止を回避する。
【0034】
ステップS103:ビューファインダーに前記画像を一つずつ表示し、且つ後に生成された画像で先に生成された画像をオーバーレイする。
【0035】
すなわち、ユーザーがシャッタを押下した後、生成された一番目の画像P1がビューファインダーに表示される。一定の時間を経て、二番目の画像P2で画像P1を覆ってビューファインダーに表示され、…、n番目の画像Pnで画像Pn−1を覆ってビューファインダーに表示される。したがって、撮像の過程において、写真における異なる露光時間での露光効果をリアルタイムに表示することを実現する。
【0036】
ステップS104:撮像終了後、ビューファインダーに現在表示されている画像を最終に撮像された写真として記憶する。
【0037】
スローシャッタ撮像を行うシャッタは、Bシャッタ、Tシャッタなどを含む。ここで、Bシャッタについては、シャッタの押下からシャッタの開放までの期間において、シャッタがオン状態を維持することである。Tシャッタについては、シャッタの押下からシャッタの再度、押下までの期間において、シャッタをオン状態を維持することである。ユーザーは、ビューファインダーに現在表示されている画像の露光効果を満足する場合、Bシャッタを開放する又はTシャッタを再度、押下することによって、撮像を終了し、露光の全過程も終了する。この時、撮像装置は、ビューファインダーに現在表示されている画像を最終に撮像された写真として記憶する。したがって、ユーザーは、一回のみ撮像することによって、撮像効果がよい写真を収集することができる。
【0038】
ある実施例におけるプレビューサイズ画像とフルサイズ画像をそれぞれ生成する場合、最後に生成されたフルサイズ画像を最終に撮像された写真として記憶する。
【0039】
図2を参照して、本発明に係るスローシャッタの撮像方法の第二実施例を説明する。前記スローシャッタの撮像方法は、以下のステップを含む。
【0040】
ステップS201:撮像が開始された後、画像データをキャッシュモジュールに連続的に収集し、キャッシュモジュールの余剰スペースに応じて、収集速度をリアルタイムに調整する。
【0041】
ステップS202:画像データに応じて、画像を連続的に生成する。
【0042】
ステップS203:ビューファインダーに前記画像を一つずつ表示し、且つ後に生成された画像で先に生成された画像をオーバーレイする。
【0043】
本実施例におけるステップS201〜S203は、第一実施例におけるステップS101〜S103と同じ、且つステップS201はステップS101と対応し、ステップS202はステップS102と対応し、ステップS203はステップS103対応し、ここで詳細な説明を省略する。
【0044】
ステップS204:撮像終了後、ビューファインダーにすべての生成された画像を表示する。
【0045】
ユーザーは、Bシャッタを解放して又はTシャッタを再度、押下して、撮像の全過程を終了する。撮像装置は、すべての生成された画像をビューファインダーに張って表示する。したがって、撮像の過程において、写真における異なる露光時間での露光効果をリアルタイムに表示するとともに、異なる露光効果を有する画像を表示して、ユーザーが画像を比べて選択するようにする。
【0046】
ステップS205:ビューファインダーでユーザーにより選択された画像を最終に撮像された写真として記憶する。
ユーザーは、ビューファインダーで生成された画像を参照して、それらから好みの一枚又は複数枚の画像を選択する。撮像装置は、ユーザーにより選択された画像を最終に撮像された写真として記憶する。したがって、ユーザーは、一回撮像することによって、各種の撮像効果を有する複数の写真を収集することができる。
【0047】
よって、本発明に係るスローシャッタの撮像方法は、撮像の全過程において、画像データを連続的に収集する。ユーザーが露光効果をプレビューするように、収集された画像データから画像を連続的に生成してビューファインダーにリアルタイムに表示する。画像データを収集する過程において、キャッシュモジュールの余剰スペースに応じて、収集速度をリアルタイムに調整することによって、撮像装置の処理能力を最大限に利用するとともに、収集速度が速すぎてデータが損失されることを防止する。露光効果を表示するリアルタイム特性をさらに向上させ、ユーザー体験を向上させる。露光終了後、ユーザーは、ビューファインダーに異なる露光効果を有する複数の写真を選択することができ、一回撮像することによって各種の撮像効果を有する複数の写真を収集することができ、ユーザー体験をさらに向上させる。
【0048】
図3を参照して、本発明に係る撮像装置の第一実施例を説明する。前記撮像装置は、カメラ又は撮像機能を有する携帯電話であってもよいし、タブレットなどの端末であってもよい。前記撮像装置は、上記スローシャッタの撮像方法を実現するための撮像装置であり、制御モジュール110、撮像モジュール120、キャッシュモジュール130、生成モジュール140、一時記憶モジュール150、表示モジュール160及び画像記憶モジュール170を含む。
【0049】
制御モジュール110は、各モジュールの動作を総合的に制御して、さらにフローチャート全体を制御するように構成される。
【0050】
撮像モジュール120は、撮像の過程において、画像データをキャッシュモジュールに連続的に収集し、キャッシュモジュールの余剰スペースに応じて、収集速度を調整するように構成される。
【0051】
ユーザーによりシャッタボタンが押下された又は仮想シャッタボタンがトリガされた後、撮像モジュール120は、撮像を開始し、画像データをキャッシュモジュールに連続的に収集する。画像データを収集する過程において、キャッシュモジュールの余剰スペースが予め設定された値に達するかどうかをリアルタイムに判断し、達した場合、収集速度を予め設定された速度に調整する。
例えば、撮像モジュール120は、キャッシュモジュール130の余剰スペースが50%以上であることを検出した場合、最大速度で画像データを収集する。キャッシュモジュール130の余剰スペースが50%以下であることを検出した場合、収集速度を現在の速度の半分に下げる。キャッシュモジュール130の余剰スペースがまた50%以上に回復する場合、収集速度を再度、最大速度に調整する。実際の要求に応じて、予め設定された値と予め設定された速度を複数に細分化し、レベルによるインクリメント又はデクリメントを実現する。したがって、撮像装置の処理能力を最大限に利用するとともに、収集速度が速すぎてデータがオーバーフローして、データが損失されることを防止する。
【0052】
生成モジュール140は、画像データに応じて、画像を連続的に生成するように構成される。
【0053】
生成モジュール140は、キャッシュモジュール130における画像データを読み取り、収集された画像データに対して一連の演算を行った後、画像を生成し、生成された画像を一時記憶モジュールに記憶する。具体的には、生成モジュール140は、現在収集された画像データを過去の画像データに加算した後、新しい画像を合成し、生成された画像にノイズ低減処理を行う。これと同時に、現有画像の露光度に応じて、新たに収集された画像の合成比例を制御し、露光過度の発生を抑える。一番目の画像のRGB又はYUV情報はRGB1又はYUV1(YUVとRGBが互いに変換可能なので、以下はYUVで一括して記載する)の場合、n番目の画像のYUV情報は、YUVn=(1/m)*(YUV1+・・・.+YUVn−1)であり、ここで、mが絞りのパラメータ値である。
【0054】
各画像は、連続的に生成されたものが、生成モジュール140の計算処理速度に限られる。生成された隣接の画像の間に一定の時間間隔がある。計算速度が速いほど、時間間隔が短い。これと同時に、生成モジュール140が画像を生成する速度は、撮像モジュール120が画像データの収集速度にも影響を与える。画像を生成する速度が速いほど、キャッシュモジュール130における画像データを読み取る速度が速く、キャッシュモジュールの領域を空ける速度が速く、撮像モジュール120は画像データの収集速度が速い。
【0055】
表示モジュール160は、ビューファインダーに連続的に生成された画像をリアルタイムに表示するように構成される。
【0056】
制御モジュール110は、一時記憶モジュール150における画像を表示モジュール160にリアルタイムに出力する。表示モジュール160は、ビューファインダーに前記画像を一つずつ表示し、且つ後に生成された画像で先に生成された画像をオーバーレイする。すなわち、ユーザーがシャッタを押下する際、生成された一番目の画像P1がビューファインダーに表示される。一定の時間を経て、二番目の画像P2で画像P1を覆ってビューファインダーに表示され、…、n番目の画像Pnで画像Pn−1を覆ってビューファインダーに表示される。したがって、撮像の過程において、写真における異なる露光時間での露光効果をリアルタイムに表示することを実現する。
【0057】
スローシャッタ撮像を行うシャッタは、Bシャッタ、Tシャッタなどを含む。ここで、Bシャッタについては、シャッタの押下からシャッタの開放までの期間において、シャッタがオン状態を維持することである。Tシャッタについては、シャッタの押下からシャッタの再度、押下までの期間において、シャッタをオン状態を維持することである。ユーザーは、ビューファインダーに現在表示されている画像の露光効果を満足する場合、Bシャッタを開放する又はTシャッタを再度、押下することによって、撮像を終了して、露光の全過程も終了する。撮像終了後、制御モジュール110は、ビューファインダーに現在表示されている画像を最終に撮像された写真として画像記憶モジュール170に記憶する。このため、ユーザーは、一回撮像することによって、撮像効果がよい写真を収集することができる。
【0058】
ある実施例において、撮像終了後、制御モジュール110は、表示モジュール160を制御して、撮像の過程で生成されたすべての画像をビューファインダーに張って表示する。ユーザーは、それらの画像を比べて選択することができる。最後に、制御モジュール110は、ビューファインダーでユーザーにより選択された一枚又は複数枚の画像を最終に撮像された写真とし、画像記憶モジュール170に記憶する。撮像の過程において、写真における異なる露光時間での露光効果をリアルタイムに表示するとともに、異なる露光効果を有する画像を表示することができる。
【0059】
図4を参照して、本発明に係る撮像装置の第二実施例を説明する。前記撮像装置は、制御モジュール110、撮像モジュール120、キャッシュモジュール130、生成モジュール140、一時記憶モジュール150、表示モジュール160及び画像記憶モジュール170を含む。
【0060】
本実施例と直前の実施例との相違点について、一時記憶モジュール150は、第一の一時記憶ユニット151と第二の一時記憶ユニット152を含む。生成モジュール140は、収集された画像データに応じて、二つのスレッドでプレビューサイズ画像とフルサイズ画像をそれぞれ連続的に生成し、プレビューサイズ画像を第一の一時記憶ユニット151に記憶し、フルサイズ画像を第二の一時記憶ユニット152に記憶する。制御モジュール110は、第一の一時記憶ユニット151に記憶されるプレビューサイズ画像を表示モジュール160に出力してリアルタイムに表示する。撮像終了後、制御モジュール110は、第二の一時記憶ユニット152に最後に記憶された画像を最終に撮像された写真として、画像記憶モジュール170に記憶する。ある実施例において、制御モジュール110は、ビューファインダーでユーザーにより選択された画像を第二の一時記憶ユニット152から読み取って画像記憶モジュール170に記憶する。
【0061】
前記プレビューサイズ画像は、小さい画素を有する画像である。フルサイズ画像は、ユーザーにより要求された又は設定された大きい画素を有する画像である。フルサイズ画像の画素は、プレビューサイズ画像の画素よりずっと大きい。大きい画素を有する画像を生成する速度は遅いため、生成モジュール140の計算速度が遅い場合、リアルタイムに表示される画像が一時的に停止されてしまう。そのため、二つのスレッドでプレビューサイズ画像とフルサイズ画像をそれぞれ生成する。プレビューサイズ画像の画素が小さいため、生成する速度が速い。そして、プレビューサイズ画像をビューファインダーにスムーズに出力してリアルタイム表示して、一時停止を回避する。
【0062】
本発明より提供される撮像装置は、スローシャッタ撮像を行う全過程において、画像データを連続的に収集し、収集された画像データから画像を連続的に生成する。ユーザーが露光効果をプレビューするように、ビューファインダーに画像をリアルタイムに表示する。画像データを収集する過程において、キャッシュモジュールの余剰スペースに応じて、収集速度をリアルタイムに調整することによって、撮像装置の処理能力を最大限に利用するとともに、収集速度が速すぎてデータが損失されることを防止する。露光効果を表示するリアルタイム特性をさらに向上させ、ユーザー体験を向上させる。露光終了後、ユーザーは、ビューファインダーに異なる露光効果を有する複数の写真を選択することができ、一回撮像することによって、各種の撮像効果を有する複数の写真を収集することができ、ユーザー体験をさらに向上させる。以上は、本発明の最適的な実施例に過ぎず、本発明を制限せず、本発明の明細書及び図面を利用して作成された同等な構成又は同等なフローチャット、その他関連分野に直接に又は間接に応用したものは、本発明の保護範囲以内に含まれるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明より提供されるスローシャッタの撮像方法は、撮像の全過程において、画像データを連続的に収集し、収集された画像データから画像を連続的に生成する。ユーザーが露光効果をプレビューするように、ビューファインダーにリアルタイムに画像を表示する。画像データを収集する過程において、キャッシュモジュールの余剰スペースに応じて、収集速度をリアルタイムに調整することによって、撮像装置の処理能力を最大限に利用するとともに、収集速度が早すぎてデータが損失されることを防止する。露光効果を表示するリアルタイム特性をさらに向上させ、ユーザー体験を向上させる。露光終了後、ユーザーは、ビューファインダーで異なる露光効果を有する複数の写真を選択することができ、一回撮像することによって、各種の撮像効果を有する複数の写真を収集することができ、ユーザー体験をさらに向上させる。