(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の連続吐出器では、貯留シリンダおよび操作シリンダが並列状態で、容器本体内に配列されているので、容器本体の意匠に制約が生じたり、新たな容器本体に付け替えることが困難であるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、意匠性を向上させることができるうえ、新たな容器本体に容易に付け替えることができる連続吐出器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明に係る連続吐出器は、内容液の吐出される吐出孔が形成されたヘッド部と、容器本体の底部に向けて開口する吸上げパイプと、内部が前記吸上げパイプ内に連通する操作シリンダと、前記操作シリンダ内に進退自在に配設された操作ピストンと、前記吸上げパイプと前記操作シリンダとを連結する連結部と、前記吐出孔と前記連結部とを連通する貯留シリンダと、前記貯留シリンダ内に、前記吐出孔側に向けて付勢された状態で、前記吐出孔側から離間自在に配設された貯留ピストンと、前記容器本体内に外気を導入する導入通路と、前記貯留シリンダ内と前記吐出孔との連通、およびその遮断を切り替えるとともに、前記導入通路と外部との連通、および遮断を切り替える第1切替弁と、前記第1切替弁を押し込むことにより、前記貯留シリンダ内と前記吐出孔とを連通させ、かつ前記導入通路と外部とを連通させる押込みボタンと、を備え、前記連結部内には、前記操作ピストンを後退させて前記連結部内を減圧したときに、前記連結部内と前記貯留シリンダ内との連通を遮断した状態で、前記連結部内と前記吸上げパイプ内とを連通させ、前記操作ピストンを前進させて前記連結部内を正圧にしたときに、前記連結部内と前記吸上げパイプ内との連通を遮断した状態で、前記連結部内と貯留シリンダ内とを連通させる第2切替弁が配設され、前記貯留シリンダは、前記容器本体の内部に配設されるとともに、前記操作シリンダは、前記容器本体の外部に配設されていることを特徴としている。
【0008】
本発明に係る連続吐出器では、容器本体の内容液を吐出する際に、操作ピストンを後退させて操作シリンダから引き出すと、連結部内が減圧となり、第2切替弁の開閉によって連結部内と吸上げパイプ内とが連通し、かつ連結部内と貯留シリンダ内との連通を遮断する。これにより、内容液が吸上げパイプによって吸い上げられるとともに連結部の内側に流入する。このとき、容器本体内は減圧状態となる。
次に、操作ピストンを前進させて操作シリンダ内に押し込むことで、操作シリンダ内及び連結部内の内圧が上昇し、第2切替弁の開閉によって連結部内と吸上げパイプ内との連通を遮断し、かつ連結部内と貯留シリンダ内とが連通する。これにより、連結部内の内容液が貯留シリンダ内に流入する。この際に、貯留シリンダ内が流入する内容液によって加圧され、吐出孔側に向けて付勢された状態の貯留ピストンを付勢力に抗して吐出孔側から離間させる。このとき、第1切替弁によって、貯留シリンダ内と吐出孔とが遮断され、かつ導入通路と外部とが遮断された状態に維持される。
【0009】
次に、押込みボタンを押し込むと、第1切替弁が押し込まれ、貯留シリンダ内と吐出孔とが連通し、貯留シリンダ内に加圧状態で貯留された内容液が吐出孔から外部に吐出される。また、第1切替弁が押し込まれる際に、導入通路と外部とが連通し、導入通路を通して容器本体内に外気が導入され、吸上げパイプを通して連結部内に流入した容器本体内の内容液の体積に応じた容器本体内の減圧状態が解消される。
【0010】
また、本発明では、貯留シリンダが容器本体の内部に配設されるとともに、操作シリンダが容器本体の外部に配設されていることから、貯留シリンダおよび操作シリンダが並列状態で容器本体内に配列される場合に比べて容器本体の外観形状に制約が生じにくく、容器本体の意匠性を向上させることができる。
さらに、容器本体内には貯留シリンダのみが配設されるので、内容液を使い切った後に新たな容器本体に付け替えるに際し、操作シリンダは容器本体内に差し込む必要がなく、この連続吐出器の付け替え作業を簡易に行うことができる。
【0011】
また、本発明に係る連続吐出器は、前記貯留シリンダには、前記吸上げパイプを保持する保持部が配設されていることが好ましい。
【0012】
この場合には、吸上げパイプが保持部によって貯留シリンダに沿って一体的に配設されるので、この連続吐出器を新たな容器本体に付け替える際に、吸上げパイプの位置を貯留シリンダに対して安定させることが可能になり、付け替え作業を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る連続吐出器によれば、意匠性を向上させることができるうえ、新たな容器本体に容易に付け替えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る連続吐出器の実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の連続吐出器1は、内容液Nを吐出する有底筒状に形成された容器本体10を備えている。容器本体10は、胴部11及び底部12と、外周面に雄ねじが設けられた口部13と、を備え、内部に内容液Nが充填されている。
連続吐出器1は、容器本体10に収容された内容液Nを吐出孔21から連続的に吐出する吐出器である。具体的に連続吐出器1は、操作ピストン4Bを進退移動させる操作をすることにより貯留シリンダ6A内に内容液Nをポンプアップした後、ヘッド部2に設けられている押込みボタン9を押し下げることで、吐出孔21から内容液Nが吐出される、押し下げ式の吐出ポンプであり、ノンガスタイプとされた加圧ポンプ式のものである。
【0017】
なお、以下では、容器本体10の中心軸を容器軸Oといい、この容器軸Oに沿う方向のうち、口部13側を上側、底部12側を下側とし、容器軸O方向に沿った方向を上下方向という。また、容器軸O方向から見た平面視において、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。さらに、径方向のうち吐出孔21が開口して内容液Nが吐出される方向を前側、その反対側を後側とする。
【0018】
連続吐出器1は、内容液Nの吐出される吐出孔21が形成されたヘッド部2と、容器本体10の底部12に向けて開口する吸上げパイプ3と、内部が吸上げパイプ3内に連通する操作シリンダ4Aと、操作シリンダ4A内に進退自在に配設された操作ピストン4Bと、吸上げパイプ3と操作シリンダ4Aとを連結する連結部5と、吐出孔21と連結部5とを連通する貯留シリンダ6Aと、貯留シリンダ6A内に、吐出孔21側に向けて付勢された状態で、吐出孔21側から離間自在に配設された貯留ピストン6Bと、容器本体10内に外気を導入する導入通路7と、貯留シリンダ6A内と吐出孔21との連通、およびその遮断を切り替えるとともに、導入通路7と外部との連通、および遮断を切り替える第1切替弁8Aと、第1切替弁8Aを押し込むことにより、貯留シリンダ6A内と吐出孔21とを連通させ、かつ導入通路7と外部とを連通させる押込みボタン9と、を備えている。
【0019】
容器本体10の口部13には、下端の吸込み口3bが口部13から容器本体10内に挿入された吸上げパイプ3と、貯留ピストン6Bを進退自在に収容した貯留シリンダ6Aとが固定されている。
【0020】
貯留シリンダ6Aは、容器軸Oに沿って延在して配置された二段の筒状に形成され、上から順に第1筒部61、第2筒部62が連設されており、第2筒部62は第1筒部61よりも内径及び外径がそれぞれ大きくなっている。第2筒部62の下端は、容器本体10内に連通する貫通孔64aを有する底体64によって閉塞されている。
【0021】
図2に示すように、第1筒部61の上端縁には、第1筒部61の上端開口を覆い、かつ外周縁端が第1筒部61から径方向の外側に向けて突出する上板部63が形成されている。上板部63の外周縁部は、口部13上にシール材14を介して載置されている。上板部63には、フランジ上面から上方に向けて突設された嵌合筒63aが周方向の全周にわたって設けられている。
【0022】
また、上板部63は、
図2に示すように、第1筒部61に連通する第2貫通孔63cと、嵌合筒63aの径方向の内側で上方に向けて突出した凸部63dと、吸上げパイプ3に連通する第3貫通孔63eと、を備えている。第2筒部62には、
図1に示すように、上下方向における略中央に容器本体10内と連通する逃がし孔66が貫通されている。
凸部63dは、第1切替弁8Aを上方に付勢する第2スプリング83の内側に嵌合し保持している。
【0023】
貯留ピストン6Bは、貯留シリンダ6Aの第2筒部62内に液密状態で上下摺動可能に配設され、第1スプリング65によって上方に付勢されている。貯留ピストン6Bは、その上端に形成されたフランジ部6aが第2筒部62の第1筒部61との段差部に形成される下面62aに当接することにより上方への移動が規制されている。
第1スプリング65は、貯留ピストン6Bを上方に付勢してフランジ部6aを前記段差部の下面62aに当接させるように位置させている。貯留シリンダ6Aに上方から内容液Nが流入し貯留シリンダ6A内が加圧され、貯留ピストン6Bが第1スプリング65の弾性に抗して下方に移動するようになっている。そして、貯留シリンダ6A内から内容液Nが吐出されるのに伴い、貯留ピストン6Bが第1スプリング65の弾性復元力によって元の上方位置に復帰する。
なお、逃がし孔66は、貯留ピストン6Bのフランジ部6aより下方に位置している。
【0024】
吸上げパイプ3は、上端3aが貯留シリンダ6Aの上板部63に形成される第3貫通孔63eに接続され、下端が吸込み口3bとなっていて容器本体10の底部12近傍まで延ばされている。吸上げパイプ3は、貯留シリンダ6Aの第2筒部62の外周面から外方に向けて突設された保持部67によって挟持され、第2筒部62に沿って上下方向に延びて配設されている。
【0025】
保持部67は、
図1および
図3に示すように、貯留シリンダ6Aの第2筒部62の上方部分および下方部分のそれぞれにおいて、上下方向に間隔をあけて複数(ここでは3つ)ずつ設けられている。これらの保持部67のうち、第2筒部62の上方部分に配設された保持部67と、第2筒部62の下方部分に配設された保持部67と、により、吸上げパイプ3を上下方向に直交する両側から挟持する取り付け構造であるので、貯留シリンダ6Aに対する吸上げパイプ3の着脱が容易に行える構成となっている。
なお、この構成に代えて、例えば、第2筒部62の上方部分および下方部分のそれぞれに、吸上げパイプ3を上下方向に直交する両側から挟持する一対の保持部を、上下方向に複数ずつ連設してもよい。この構成において、一対の保持部の上下方向の位置は互いに異ならせてもよいし、同等であってもよい。
【0026】
図2に示すように、ヘッド部2は、容器本体10の口部13に外嵌筒15を介して装着されている。
ヘッド部2は、下方に向けて延設されて内部に連結部5および貯留シリンダ6Aの上端が嵌合された有頂筒状の装着筒部22と、装着筒部22から後方に向けて突出する後方筒部23と、先端が吐出孔21に連通し前後方向に延在するノズル筒部24と、を有している。ヘッド部2の上方は、ヘッドカバー20によって覆われている。
【0027】
ここで、外嵌筒15は、内面に雌ねじが形成され、装着筒部22の下端を径方向外側から囲繞するとともに、装着筒部22の下端から径方向の外側に突出する鍔部22bの上縁に上下動可能に掛止して設けられている。ヘッド部2は、下端を貯留シリンダ6Aの上板部63に上方から当接させた状態で、外嵌筒15の雌ねじを容器本体10の口部13に螺合することにより容器本体10の口部13に装着される。
【0028】
装着筒部22の天壁22Aには、第1切替弁8Aが上下摺動可能に設けられる開閉孔25と、内側が導入通路7とされた導入管が嵌入される装着孔26と、が設けられている。装着筒部22の周壁には、後方筒部23内に連通する流通孔22aが設けられている。
開閉孔25には、下端縁が天壁22Aから下方に突出する環状の弁座部25aが形成されている。開閉孔25は、上下方向の中間部に前方からノズル筒部24の後端開口部24aが接続し、後端開口部24aよりも上方の位置から後方に向けて延びる外気導入孔27が設けられている。すなわち開閉孔25は、吐出孔21および外気導入孔27と連通している。
そして、ノズル筒部24の先端には、吐出孔21が形成された吐出筒28が取り付けられている。
【0029】
第1切替弁8Aは、開閉孔25に収容され、上板部63によって支持される第2スプリング83によって上方に付勢されている。
そして、第1切替弁8Aは、上下方向に沿って延在する棒状の弁本体81と、貯留シリンダ6A内と吐出孔21との連通、およびその遮断を切り替える吐出弁体82と、導入通路7と外部との連通、および遮断を切り替える外気導入弁体84と、を有している。吐出弁体82および外気導入弁体84は、環状をなし、それぞれ弁本体81の外周に設けられている。第2スプリング83は、弁本体81と同軸に設けられ、上端が弁本体81の下端に係止するとともに、下端が上板部63の凸部63dに係止している。第2スプリング83は、第1切替弁8Aを上方に付勢して吐出弁体82を閉弁位置に位置させている。
【0030】
吐出弁体82は、弁座部25aに対して下方から当接離間可能であり、弁座部25aに液密に着座して閉弁となり、弁座部25aから下方に離間して開弁となる。具体的に吐出弁体82は、開閉孔25の下端開口に配設され、閉弁時に、ノズル筒部24内を通した吐出孔21と貯留シリンダ6A内との連通を遮断し、開弁時に、ノズル筒部24内を通して吐出孔21と貯留シリンダ6A内とが連通するように構成されている。
【0031】
外気導入弁体84は、閉弁時において開閉孔25のうち外気導入孔27の開口が位置する部分より上側に位置し、外気と外気導入孔27とが遮断され、開弁時において開閉孔25のうちの外気導入孔27の開口が位置する部分よりも下側に位置し、外気と外気導入孔27とが連通する。
また、開閉孔25の外気導入孔27の開口が位置する部分より下側の位置には、吐出孔21と導入通路7(外気導入孔27)とを遮断する閉塞弁体85が設けられている。閉塞弁体85は、環状をなし、弁本体81の外周に設けられている。
【0032】
外気導入孔27は、後端が閉塞部材27bによって塞がれ、装着孔26の上端開口に接続される開口部27aが設けられている。
【0033】
装着筒部22の内側には、連結部5および導入通路7が配設されている。
連結部5は、周壁筒51および天壁部52からなる有頂筒状をなす連結部本体5Aと、貯留シリンダ6Aの上板部63における第3貫通孔63eに挿通して配設される接続筒5Bと、を備えている。接続筒5Bは、連結部本体5Aとは別体で設けられ、導入通路7と一体的に連結されている。つまり、連結部本体5Aは、接続筒5Bの上下方向の中間部分まで嵌入されている。
【0034】
連結部本体5Aは、天壁部52の外周縁から上方に突出した上壁筒53を装着筒部22の天壁22Aに下方から当接させ装着筒部22の内側に嵌合されている。
天壁部52には、前側開口部52aと後側開口部52bとを有している。前側開口部52aの内側には、第1切替弁8Aの弁本体81が隙間をあけて挿通されている。
また、後側開口部52bの上端縁には、第2弁座部52Aが形成され、第2弁座部52Aに対して上方から当接離間可能な第1球体弁8B(第2切替弁)が設けられている。第1球体弁8Bは、第2弁座部52Aに液密に着座して閉弁となり、第2弁座部52Aから上方に離間して開弁となる。具体的に第1球体弁8Bは、貯留シリンダ6A内への内容液Nの流入を許容し、且つ流出を阻止するように構成されている。
【0035】
連結部本体5Aには、後方筒部23を介して操作シリンダ4A内に連通するとともに、貯留シリンダ6A内および吸上げパイプ3内に連通する流路部54が設けられている。具体的に流路部54は、側断面視で略L形状をなし、上端が天壁部52の後側開口部52bに接続され、後方に向けて折れ曲がった後端がヘッド部2の流通孔22aに接続されている。
【0036】
接続筒5Bの内側には、上下方向の中間部に第3弁座部55が形成され、第3弁座部55に対して上方から当接離間可能な第2球体弁8Cが設けられている。第2球体弁8Cは、第3弁座部55に液密に着座して閉弁となり、第3弁座部55から上方に離間して開弁となる。具体的に第2球体弁8Cは、吸上げパイプ3から吸い上げられる内容液Nの操作シリンダ4A内への流入を許容し、且つ流出を阻止するように構成されている。
このように連結部5内に配設される第1球体弁8B及び第2球体弁8Cは、操作ピストン4Bの、操作シリンダ4Aに対する進退移動に連動する第2切替弁を構成しており、操作ピストン4Bを後退させて連結部5内を減圧したときに、連結部5内と貯留シリンダ6A内との連通を遮断した状態で、連結部5内と吸上げパイプ3内とを連通させるとともに、操作ピストン4Bを前進させて連結部5内を正圧にしたときに、連結部5内と吸上げパイプ3内との連通を遮断した状態で、連結部5内と貯留シリンダ6A内とを連通させる。
【0037】
内側が導入通路7とされた前記導入管の上端は、装着孔26の内側に嵌合し、導入通路7が開口部27aを通して外気導入孔27内に連通している。前記導入管の下端は、貯留シリンダ6Aの上板部63に上方開口状態で設けられた嵌合筒63A内に嵌合されている。上板部63において、嵌合筒63Aに囲まれた部分には、第1貫通孔63bが形成されており、この第1貫通孔63bを通して容器本体10内と導入通路7とが連通している。
【0038】
押込みボタン9の後端部は、装着筒部22の上端部において後側に配設され、下方に押し下げ可能とされている。押込みボタン9は、前方に向けて延在する連結片91を有し、連結片91の前端部には、下方に向けて屈曲された掛止部91aが形成されている。掛止部91aが、ヘッドカバー20の内側に突設された回転軸20aに回動自在に掛止することにより、押込みボタン9が、装着筒部22に対して回動可能に設けられる。連結片91の前後方向の中間部分には、下方に向けて突設された押圧凸部92が設けられ、この押圧凸部92で第1切替弁8Aの上端を押圧可能となっている。押込みボタン9を押し下げたときに、押圧凸部92で第1切替弁8Aが第2スプリング83の弾性に抗して下方に向けて押し下げられ、吐出弁体82を開弁して貯留シリンダ6A内と吐出孔21とが連通するようになっている。そして、押込みボタン9から手を離して押し下げを止めると、第2スプリング83の付勢力により第1切替弁8Aが元の位置に復帰し、吐出弁体82を閉弁する。
なお、押込みボタン9の後端部は、ヘッドカバー20の外側に配置され、連結片91はヘッドカバー20の下方に位置した状態で配置されている。
【0039】
操作シリンダ4Aは、
図1に示すように、容器本体10の外部に配設され、ヘッド部2の後方筒部23に接続され、後方に向かうに従い漸次、下方に向けて延びている。操作シリンダ4Aの前端部には、操作シリンダ4A内に連通し後方筒部23内に嵌合される前方筒部41が前方に向けて突設されている。
【0040】
操作ピストン4Bは、操作シリンダ4A内に配設されている。操作ピストン4Bは、操作シリンダ4Aに対する前進側の先端に操作シリンダ4Aの内周面に液密に摺接する摺接部42を有し、後退側の端部に操作部材43が設けられている。操作部材43は、操作シリンダ4Aの外方に配設されている。
【0041】
以上説明した本実施形態による連続吐出器によれば、以下の作用効果を奏する。
図1に示すような連続吐出器1では、容器本体10の内容液Nを吐出する際に、操作ピストン4Bを後退させて操作シリンダ4Aから引き出すと、連結部5内が減圧となり、第2球体弁8Cが開弁することによって連結部5内と吸上げパイプ3内とが連通し、かつ第1球体弁8Bが閉弁することによって連結部5内と貯留シリンダ6A内との連通を遮断する。このとき、容器本体10内は減圧状態となっている。これにより、内容液Nが吸上げパイプ3によって吸い上げられるとともに連結部5の内側を通って操作シリンダ4A内に流入する。なお、必ずしも操作シリンダ4A内に内容液Nを流入させることに限定されず、連結部5内のみに内容液Nが流入されていてもよい。
そして、操作ピストン4Bの後退動作を停止することで、操作シリンダ4A内への内容液Nの流入が停止する。
【0042】
次に、操作ピストン4Bを前進させて操作シリンダ4A内に押し込むことで、操作シリンダ4A内および連結部5内の内圧が上昇し、第2球体弁8Cが閉弁することによって連結部5内と吸上げパイプ3内との連通を遮断し、かつ第1球体弁8Bが開弁することによって連結部5内と貯留シリンダ6A内とが連通する。これにより、連結部5の後側開口部52bおよび前側開口部52aを通して連結部5内及び操作シリンダ4A内の内容液Nが貯留シリンダ6Aの第1筒部61内に流入する。この際に、第1筒部61内が流入する内容液Nによって加圧され、
図1に示す上側に付勢された状態の貯留ピストン6Bが付勢力に抗して下方に押し下げられ、貯留シリンダ6Aの第2筒部62内にも内容液Nが流入する。
このとき、第1切替弁8Aの吐出弁体82によって、貯留シリンダ6A内と吐出孔21(及びノズル筒部24内)とが遮断され、かつ第1切替弁8Aの外気導入弁体84によって導入通路7(外気導入孔27内)と外部とが遮断された状態に維持される。そして、操作ピストン4Bの前進動作を停止することで、貯留シリンダ6A内への内容液Nの流入が停止する。
【0043】
次に、
図4に示すように、押込みボタン9を下方に押し込むと、連結片91に設けられる押圧凸部92が下方に移動し第1切替弁8Aが押し込まれ、貯留シリンダ6A内と吐出孔21とが連通し、貯留シリンダ6A内に加圧状態で貯留された内容液Nが開閉孔25及びノズル筒部24を通して吐出孔21から外部に吐出される。
【0044】
また、第1切替弁8Aが押し込まれることで、外気導入弁体84が開弁し、外気導入孔27及び導入通路7とヘッド部2の上方の外部とが連通し、導入通路7を通して容器本体10内に外気が導入され、吸上げパイプ3を通して連結部5内に流入した容器本体10内の内容液Nの体積に応じた容器本体10内の減圧状態が解消される。
【0045】
また、本実施形態では、
図1に示すように、貯留シリンダ6Aが容器本体10の内部に配設されるとともに、操作シリンダ4Aが容器本体10の外部に配設されていることから、貯留シリンダおよび操作シリンダが並列状態で容器本体10内に配列される場合に比べて容器本体10の外観形状に制約が生じにくく、容器本体10の意匠性を向上させることができる。
【0046】
さらに、容器本体10内には貯留シリンダ6Aのみが配設されているので、内容液Nを使い切った後に、新たな容器本体10に付け替えるに際し、操作シリンダ4Aは容器本体10内に差し込む必要がなく、この連続吐出器1の付け替え作業を簡易に行うことができる。
【0047】
また、本実施形態の連続吐出器1では、貯留シリンダ6Aに吸上げパイプ3を保持する保持部67が配設され、吸上げパイプ3が保持部67によって貯留シリンダ6Aに沿って一体的に配設されるので、この連続吐出器1を新たな容器本体10に付け替える際に、吸上げパイプ3の位置を貯留シリンダ6Aに対して安定させることが可能になり、付け替え作業を容易に行うことができる。
【0048】
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【0049】
例えば、前述の実施形態では、連結部5において、第2球体弁8Cが配設された接続筒5Bと、第1球体弁8Bが配設された連結部本体5Aとが別体で設けられ、しかも接続筒5Bが導入通路7と一体的に設けられているが、このような構成に限定されることはない。例えば、連結部本体5A、および内側が導入通路7とされた前記導入管等が一体に設けられていてもよいし、接続筒5Bを導入通路7と別体とし、接続筒5Bが単体で設けられる構造等であってもかまわない。
【0050】
また、吸上げパイプ3を貯留シリンダ6Aの外周面に複数の保持部67によって固定されているが、保持部67を省略することも可能である。そして、保持部67の位置、数量、保持形態などの構成についても前述の実施形態に限定されることはない。
【0051】
さらに、本実施形態では、押込みボタン9がヘッド部2の後方に位置し、連結片91の掛止部91aをヘッドカバー20の回転軸20aを中心に回転させることで、押圧凸部92も同時に押し下げる構成としているが、これに限定されることはない。例えば、第1切替弁8Aの直上に押込みボタン9が配置され、この押込みボタン9の下面に押圧凸部92を設けるようにしてもよい。
【0052】
さらにまた、操作シリンダ4Aの形状、大きさ、位置、ヘッド部2に対する取り付け角度などの構成についても、適宜設定することが可能である。要は、操作シリンダ4Aが容器本体10の外部に配置されていれば良いのである。
【0053】
また、容器本体10、貯留シリンダ6A、貯留ピストン6B、吸上げパイプ3、ヘッド部2の形状や各部の寸法などの構成は、適宜変更することが可能である。
【0054】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。