特許第6318477号(P6318477)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6318477-指示装置、画像形成装置及びプログラム 図000002
  • 特許6318477-指示装置、画像形成装置及びプログラム 図000003
  • 特許6318477-指示装置、画像形成装置及びプログラム 図000004
  • 特許6318477-指示装置、画像形成装置及びプログラム 図000005
  • 特許6318477-指示装置、画像形成装置及びプログラム 図000006
  • 特許6318477-指示装置、画像形成装置及びプログラム 図000007
  • 特許6318477-指示装置、画像形成装置及びプログラム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6318477
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】指示装置、画像形成装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20180423BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20180423BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20180423BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20180423BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
   H04N1/00 C
   G06F3/12 305
   G06F3/12 353
   B41J29/38 Z
   B41J29/42 F
   G03G21/00 386
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-128593(P2013-128593)
(22)【出願日】2013年6月19日
(65)【公開番号】特開2015-5817(P2015-5817A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2016年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100124246
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 和光
(72)【発明者】
【氏名】藤井 将
【審査官】 粕谷 満成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−025775(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/12
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作画面上での選択操作を受け付ける受付手段と、
前記操作画面に表示された項目から選択された第1の設定項目が割り当てられた第1の操作部を表示するとともに、前記第1の設定項目よりも下位の異なる複数の第2の設定項目が割り当てられた第2の操作部を前記第1の操作部上に重畳、又は接するように表示する表示制御手段と、
前記受付手段が前記操作画面に表示されている前記第2の操作部への選択操作を受け付けたとき、選択れた前記第2の操作部に割り当てられた前記第2の設定項目に基づく処理の実行を指示する指示手段と、
を備えた指示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記第1の設定項目としてコピー、スキャン、プリント、ファックスの機能が割り当てられた複数の第1の操作部を前記操作画面に表示する、
請求項1に記載の指示装置。
【請求項3】
前記第1の設定項目がコピー、スキャン又はプリントのとき、前記第2の設定項目は、白黒又はカラーのいずれかと、片面又は両面のいずれかとを含む組合せが割り当てられた、
請求項2に記載の指示装置。
【請求項4】
前記第1の操作部に対応する前記第2の操作部を生成する選択操作があったとき、前記操作画面に前記第2の操作部を表示するための領域が存在するとき、前記第2の操作部を生成して前記操作画面に追加する生成手段をさらに備えた、
請求項1から3のいずれか1項に記載の指示装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の指示装置を備えた画像形成装置。
【請求項6】
操作画面上での選択操作を受け付ける受付ステップと、
前記操作画面に表示された項目から選択された第1の設定項目が割り当てられた第1の操作部を表示するとともに、前記第1の設定項目よりも下位の異なる複数の第2の設定項目が割り当てられた第2の操作部を前記第1の操作部上に重畳、又は接するように表示する表示制御ステップと、
前記受付ステップが前記操作画面に表示されている前記第2の操作部への選択操作を受け付けたとき、選択された前記第2の操作部に割り当てられた前記第2の設定項目に基づく処理の実行を指示する指示ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指示装置、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置に用いられる表示装置は、一般的に表示領域が小さい。このため、いくつかの画面を経由する印刷設定の指定方法では、印刷設定の操作が煩雑になることから、操作性の向上を図った表示装置、画像形成装置等が提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照。)
【0003】
特許文献1に記載の表示装置は、印刷設定の方法にジェスチャーを用いることにより、印刷設定等の画像処理装置に対する操作をより直感的なものとしている。
【0004】
特許文献2に記載の画像形成装置は、莫大な数になった機能リスト画面に表示する機能選択キーのレイアウト、機能リスト画面の画面数をユーザの好みや熟練度に応じて切り替えることで機能リスト画面の最初の画面に表示する機能選択キーの設定を可能としている。
【0005】
特許文献3に記載の表示装置は、入力可能な文字、記号を絞り込むために並べられた複数の第1のキーと、第1のキーの操作により表示されて入力可能な文字をさらに絞り込むために並べられた第2のキーとの表示を切り替えることにより、タッチパネル部に表示される第1及び第2の入力キーを大きく表示でき、タッチパネル部において所望の入力キーと隣り合うキーとを間違って押してしまうことが抑制でき、キー入力操作を容易にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−138237号公報
【特許文献2】特開2009−145903号公報
【特許文献3】特開2011−113256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、設定項目の親子関係を視覚的に認識できるようにした指示装置、画像形成装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]操作画面上での選択操作を受け付ける受付手段と、
前記操作画面に表示された項目から選択された第1の設定項目が割り当てられた第1の操作部を表示するとともに、前記第1の設定項目よりも下位の異なる複数の第2の設定項目が割り当てられた第2の操作部を前記第1の操作部上に重畳、又は接するように表示する表示制御手段と、
前記受付手段が前記操作画面に表示されている前記第2の操作部への選択操作を受け付けたとき、選択れた前記第2の操作部に割り当てられた前記第2の設定項目に基づく処理の実行を指示する指示手段と、
を備えた指示装置。
[2]前記表示制御手段は、前記第1の設定項目としてコピー、スキャン、プリント、ファックスの機能が割り当てられた複数の第1の操作部を前記操作画面に表示する、
前記[1]に記載の指示装置。
[3]前記第1の設定項目がコピー、スキャン又はプリントのとき、前記第2の設定項目は、白黒又はカラーのいずれかと、片面又は両面のいずれかとを含む組合せが割り当てられた、
前記[2]に記載の指示装置。
[4]前記第1の操作部に対応する前記第2の操作部を生成する選択操作があったとき、前記操作画面に前記第2の操作部を表示するための領域が存在するとき、前記第2の操作部を生成して前記操作画面に追加する生成手段をさらに備えた、
前記[1]から[3]のいずれかに記載の指示装置。
【0009】
[5]前記[1]から[4]のいずれかに記載の指示装置を備えた画像形成装置。
【0010】
[6]操作画面上での選択操作を受け付ける受付ステップと、
前記操作画面に表示された項目から選択された第1の設定項目が割り当てられた第1の操作部を表示するとともに、前記第1の設定項目よりも下位の異なる複数の第2の設定項目が割り当てられた第2の操作部を前記第1の操作部上に重畳、又は接するように表示する表示制御ステップと、
前記受付ステップが前記操作画面に表示されている前記第2の操作部への選択操作を受け付けたとき、選択された前記第2の操作部に割り当てられた前記第2の設定項目に基づく処理の実行を指示する指示ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0011】
請求項1、5、6に係る発明によれば、上位の設定項目と下位の設定項目の親子関係を視覚的に認識できる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、コピー、スキャン、プリント又はファックス等に属する設定項目を第2の設定項目に割り当てることができる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、コピー、スキャン、プリントに対する下位の設定項目として、白黒又はカラーのいずれかと片面又は両面のいずれかとを含む組合せを第2の設定項目として設定することで、複数項目の指定を一度にすることができる。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、第1の操作部に対応する第2の操作部を操作画面に追加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例を示すブロック図である。
図2図2は、操作表示部に表示される操作画面の一例を示す図であり。
図3図3は、親ボタン及び子ボタンに割り当てられる設定項目の一例を示す図であり、(a)〜(c)は、それぞれ親ボタンに「コピー」、「スキャン」、「ファックス」の設定項目が割り当てられた場合を示し、(d)は、例えば画像形成装置が「プリント」の機能のみを有する場合を示す図である。
図4図4は、操作画面に子ボタンを追加する処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本発明の第2の実施の形態に係る印刷システムの一例を示すブロック図である。
図6図6は、本発明の変形例1に係る操作画面の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の変形例2に係る操作画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0017】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例を示すブロック図である。
【0018】
この画像形成装置1は、例えば、コピー、スキャン、プリント、ファックス等の複数の機能(処理ともいう。)を実行することができる複合機であり、画像形成装置1の各部を制御する指示装置の一例としての制御部20を有し、この制御部20に、操作表示部10、画像読取部30、画像処理部40、画像出力部50及びファクシミリ部60、通信部70及び記憶部80が接続されている。
【0019】
操作表示部10は、液晶ディスプレイ等の表示部にタッチパネルが重合配置されたタッチパネルディスプレイを有し、操作画面を表示部に表示するとともに、操作者からタッチパネルへの選択操作を受け付ける。ここで、「操作画面上での選択操作」とは、操作画面上に表示された項目を操作画面上で選択する動作いい、操作者の指や、タッチペン等を操作画面に接触させて行う操作、及び操作者の指等を操作画面に近接させて非接触で行う動作を含む。
【0020】
画像読取部30は、例えばスキャナにより構成され、原稿から画像データを読み取って入力する。画像処理部40は、画像読取部30等から入力した画像データの圧縮、伸張、合成等の画像処理を行う。画像出力部50は、例えば感光体による画像保持体を有し、用紙等の記憶媒体に画像を形成して出力する。
【0021】
ファクシミリ部60は、G3、G4等のファクシミリプロトコルに従ってデータの変復調を行い、電話回線を介してファクシミリ通信を行う。通信部70は、TCP/IP等の通信プロトコルに従ってデータの送受信等のネットワークに関する制御を行い、ネットワーク回線を介してデータの送受信を行う。ネットワーク回線は、例えば、有線、無線で接続されたローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)、イントラネット等の内部ネットワークである。
【0022】
記憶部80は、実行プログラム81及び設定データ82等を記憶する。設定データ82には、設定項目が有する木構造の情報、操作画面上の各ボタンの配置の情報、操作画面上の各ボタンの識別情報、親ボタン及び子ボタンに割り当てられた設定項目の情報等が格納されている。
【0023】
制御部20は、CPU、インターフェイス等から構成されている。CPUは、記憶部80に記憶された実行プログラム81に従って動作することにより、表示制御手段21、受付手段22、生成手段23、指示手段24、実行手段25等として機能する。
【0024】
表示制御手段21は、親ボタン、子ボタン等の画像情報を操作者の操作や画像形成装置1の状態に応じて操作表示部10の操作画面に表示する。親ボタン、子ボタン及び操作画面の詳細については、後述する。
【0025】
ここで、「親ボタン」とは、子ボタンよりも上位の設定項目が割り当てられたボタンをいう。「子ボタン」とは、親ボタンよりも下位の設定項目が割り当てられたボタンをいう。また、「親子関係」とは、その設定項目に対して設定項目に属する下位の設定項目が子ボタンに割り当てられるという設定項目上の関係、及び操作画面に親ボタンと重畳又は接して子ボタンが配置されるという表示上の関係をいう。「設定項目」とは、コピー、スキャン、プリント、ファックス等の各種の機能の実行に必要な設定のための項目をいい、機能も含まれる。
【0026】
受付手段22は、操作表示部10の操作画面への指等の接触又は非接触による選択操作を受け付ける。
【0027】
生成手段23は、操作画面に表示された後述する「表示設定」ボタンの選択操作があったと判断したとき、子ボタンのサイズ、位置、及び子ボタンに割り当てる設定項目の情報を記憶部80の設定データ82に記憶して子ボタンを生成し、操作画面に追加する。
【0028】
指示手段24は、受付手段22が受け付けた設定項目に基づく処理の実行を実行手段25に指示する。
【0029】
実行手段25は、指示手段24からの指示による処理を画像読取部30、画像処理部40、画像出力部50、ファクシミリ部60及び通信部70を制御して実行する。
【0030】
なお、表示制御手段21、受付手段22、生成手段23、指示手段24又は実行手段25は、それぞれ一部又は全部を再構成可能回路(FPGA:Field Programmable Gate Array)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア回路によって構成してもよい。
【0031】
(操作画面)
次に、操作表示部10の操作画面について説明する。図2は、操作表示部2に表示される操作画面の一例を示す図である。
【0032】
操作表示部10の操作画面11は、第1の操作部の一例としての親ボタン120と、第2の操作部の一例としての子ボタン121とが表示される指示ボタン領域12と、画像形成装置1の設定や操作者毎の設定等を行うための設定ボタン130が表示される設定ボタン領域13と、操作者の氏名等が表示されるアカウント表示領域14とを有する。親ボタン120には、「コピー」ボタン120a、「スキャン」ボタン120b、「プリント」ボタン120c、「ファックス」ボタン120d等がある。子ボタン121には、「白黒/片面」ボタン121a、「カラー」ボタン121b、「片面」ボタン121c、「宛先」ボタン121d等がある。
【0033】
指示ボタン領域12には、複数の親ボタン120が一定の間隔を有して配置される。各親ボタン120上には、親ボタン120に対して設定された子ボタン121が重畳するように配置される。なお、1つの親ボタン120に対して複数の子ボタン121が設定されている場合には、その1つの親ボタン120上に複数の子ボタン121が重畳するように配置される。なお、子ボタン121は、親ボタン120と接するように配置してもよい。
【0034】
設定ボタン領域13には、画像形成装置1の通信設定等を行う「デバイス設定」ボタン131、ユーザのパスワードの変更や画像データの保存場所の設定を行う「ユーザ設定」ボタン132、子ボタン121を指示ボタン領域12に追加する「表示設定」ボタン133等が配置される。
【0035】
表示制御手段21は、親ボタン120の縦方向又は横方向のサイズが子ボタン121の縦方向又は横方向のサイズの2倍以上になるように調整して親ボタン120及び子ボタン121を指示ボタン領域12に表示する。
【0036】
表示制御手段21は、親ボタン120に対して選択操作があったとき、親ボタン120に割り当てられた設定項目に属する下位の設定項目からなる図示しない項目選択画面を操作画面11に表示する。なお、子ボタン121に選択操作があったときにも子ボタン121に割り当てられた設定項目に属する下位の設定項目が存在する場合には、その下位の設定項目からなる項目選択画面を操作画面11に表示させてもよい。
【0037】
また、表示制御手段21は、例えば、表示設定ボタン133に選択操作があったとき、図示しない装置設定画面、表示設定画面等を指示ボタン領域12又は設定ボタン領域13に表示し、親ボタン120及び子ボタン121のサイズの変更、親ボタン120及び子ボタン121に割り当てる設定項目の変更、子ボタン121の指示ボタン領域12への追加等の設定変更を行う。
【0038】
(親ボタン及び子ボタンに割り当てられる設定項目)
次に、親ボタン120及び子ボタン121に割り当てられる設定項目について説明する。図3は、親ボタン及び子ボタンに割り当てられる設定項目の一例を示す図であり、(a)〜(c)は、それぞれ親ボタンに「コピー」、「スキャン」、「ファックス」の設定項目が割り当てられた場合を示し、(d)は、例えば画像形成装置が「プリント」の機能のみを有する場合を示す図である。
【0039】
親ボタン120及び子ボタン121に割り当てられる設定項目は、親ボタン120に割り当てる設定項目を上位、子ボタン121に割り当てる設定項目を下位とする木構造を有する項目から選択される。
【0040】
例えば、図3(a)に示すように、親ボタン120に「コピー」の設定項目101が割り当てられている場合、子ボタン121は、「コピー」の設定項目101に属する白黒コピーを設定する「白黒」の設定項目111a、カラーコピーを設定する「カラー」の設定項目112a等の色設定の設定項目や用紙の片面に印刷することを設定する「片面」の設定項目113a、113b、用紙の両面に印刷することを設定する「両面」の設定項目114a、114b等の印刷設定の設定項目を選択して割り当てることができる。なお、「白黒」の設定項目111aに属する「片面」の設定項目113aが子ボタン121に設定された場合は、当該子ボタン121に「コピー」/「白黒」/「片面」が設定されたこととしてもよい。
【0041】
図3(b)に示すように、親ボタン120に「スキャン」の設定項目102が割り当てられている場合も「コピー」の設定項目101が割り当てられている場合と同様に、子ボタン121には、各設定項目111b、112b、113c、113d、114c、114dが割り当てられる。
【0042】
図3(c)に示すように、親ボタン120に「ファックス」の設定項目103が割り当てられている場合には、子ボタン121には、ファックスを送信する宛先ごとに「宛先1」の設定項目115、「宛先2」の設定項目116、「宛先3」の設定項目117・・・のいずれかの設定項目が割り当てられる。
【0043】
なお、画像形成装置1が例えば「プリント」のみの機能を有する場合、図3(d)に示すように、親ボタン120に「白黒」の設定項目111cや「カラー」の設定項目112c等の設定項目を割り当て、子ボタン121に「片面」の設定項目113e、113fや「両面」の設定項目114e、114f等の設定項目を割り当ててもよい。
【0044】
ここで、「コピー」の設定項目101、「スキャン」の設定項目102及び「ファックス」の設定項目103の各設定項目は、第1の設定項目の一例であり、子ボタン121に割り当てられる各設定項目111a〜111c、112a〜112c、113a〜113e、114a〜114f、115、116、117は、第2の設定項目の一例である。
【0045】
(第1の実施の形態の動作)
次に、画像形成装置1の動作について説明する。
【0046】
(1)親ボタンが選択された場合
操作者が操作表示部10の操作画面11に表示されている親ボタン120のうち例えば、「コピー」ボタン120aに指等を接触させて選択すると、受付手段22は、「コピー」ボタン120aに対する選択操作を受け付け、記憶部80が記憶する設定データ82から「コピー」ボタン120aに割り当てられている「コピー」の設定項目を取得する。
【0047】
次に、表示制御手段21は、「コピー」の設定項目の下位にある「白黒」の設定項目及び「カラー」の設定項目からなる図示しない項目選択画面を操作画面11に表示する。
【0048】
操作者が操作画面11に表示された項目選択画面から「白黒」の設定項目又は「カラー」の設定項目を選択する。表示制御手段21は、「片面」の設定項目及び「両面」の設定項目からなる図示しない項目選択画面を操作画面11に表示する。例えば、操作者が「白黒」及び「両面」の設定項目を選択し、図示しない「スタート」ボタンを押下げして「コピー」の処理を開始させると、指示手段24は、選択された「白黒」及び「両面」の設定に基づく「コピー」の処理を実行するように実行手段25に指示する。
【0049】
次に、実行手段25は、指示手段24からの指示に基づいて「コピー」の処理を選択された設定項目(「白黒」/「両面」)の設定で実行するように画像読取部30、画像処理部40及び画像出力部50を制御する。
【0050】
次に、表示制御手段21は、「コピー」の処理が実行中であること、「コピー」の処理が完了したこと等を操作画面11に表示する。
【0051】
なお、「スキャン」ボタン120b、「プリント」ボタン120c及び「ファックス」ボタン120dが選択された場合も「コピー」ボタン120aが選択されたのと同様に選択された「スキャン」、「プリント」又は「ファックス」に属する設定項目からなる項目選択画面が表示され、項目選択画面で選択された設定項目に基づいて「スキャン」、「プリント」又は「ファックス」の処理が実行される。
【0052】
(2)子ボタンが選択された場合
操作者が「コピー」120aに重畳して表示された「白黒/片面」ボタン121aを選択すると、受付手段22は、「コピー」ボタン120aに対応した「白黒/片面」121aボタンの選択操作を受け付け、記憶部80が記憶する設定データ82から「白黒/片面」ボタン121aに割り当てられた「白黒」及び「片面」の設定項目を取得する。
【0053】
次に、指示手段24は、受付手段22が取得した設定項目に基づいて、「コピー」の処理を「白黒/片面」ボタン121aに割り当てられた「白黒」及び「片面」の設定で実行するように実行手段25に指示をする。
【0054】
次に、実行手段25は、指示手段24からの指示に基づいて、画像読取部30、画像処理部40及び画像出力部50を制御して「コピー」の処理を「白黒」及び「片面」の設定で実行する。実行手段25の制御の下で、画像読取部30で原稿から読み取られた画像データが画像処理部40で画像処理が施され、画像出力部50で用紙の片面に白黒の画像が印刷されて出力される。
【0055】
(3)表示設定ボタンが選択された場合
図4は、子ボタン121を操作画面に追加する手順の一例を示すフローチャートである。
【0056】
操作者が操作画面11に表示された「表示設定」ボタン133を選択すると、受付手段22は、表示設定ボタン133に対する選択操作を受け付け、表示制御手段21は、操作画面11の表示設定を変更するための図示しない表示設定画面を操作表示部10に表示する。
【0057】
操作者が表示設定画面に対して画面の表示設定を変更する操作を行うと、生成手段23は、子ボタン121を操作画面11に追加する選択操作があったか否かを判断する(S1)。生成手段23が子ボタン121を追加する選択操作がないと判断した場合(S1:No)、子ボタン121を追加する処理を終了する。
【0058】
子ボタン121を追加する選択操作があったと判断した場合(S1:Yes)、生成手段23は、記憶部80の設定データ82を参照して指示ボタン領域12の空き領域を算出し、指示ボタン領域12に子ボタン121を追加する空き領域が存在するか否かを判断する(S2)。
【0059】
生成手段23が指示ボタン領域12に子ボタン121を追加する空き領域が存在しないと判断した場合(S2:No)、表示制御手段21は、指示ボタン領域12のページを切り替える(S3)。生成手段23は、切り替えたページの指示ボタン領域12に子ボタン121を追加する空き領域が存在するか否かを判断する(S2)。
【0060】
指示ボタン領域12に空き領域が存在すると判断した場合(S2:Yes)、生成手段23は、既に画面に表示されている親ボタン120のサイズ、操作画面11における座標、及び割り当てられている設定項目を設定データ82から読み出す。
【0061】
次に、生成手段23は、設定データ82に基づいて、操作画面11に追加する子ボタン121のサイズ、座標等を算出するとともに、追加する子ボタン121の識別情報及び子ボタン121に割り当てる設定項目を設定データ82に記憶して子ボタン121を生成する。そして、表示制御手段21は、生成した子ボタン121を対応する親ボタン120と重畳するように操作画面11の指示ボタン領域12に追加して表示する(S4)。
【0062】
なお、上記ステップS2において、既に親ボタン120に子ボタン121が配置されている場合、生成手段23は、子ボタン121を親ボタン120上にさらに追加する親ボタン120上の空き領域が存在するか否かを判断する。親ボタン120上の空き領域が存在すると判断された場合、上記ステップS4において、表示制御手段21は、追加される子ボタン121を既に存在する子ボタン121と重複しないように、親ボタン120上に配置する。
【0063】
[第2の実施の形態]
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る印刷システムの一例を示すブロック図である。
【0064】
第1の実施の形態の画像形成装置1は、操作者が画像形成装置1の操作表示部10を操作することで画像形成装置1の動作を指示するものとしていたが、本実施の形態の印刷システム200は、画像形成装置1Aが複数の情報機器300と接続し、操作者が情報機器300の操作表示部320を操作することで画像形成装置1Aの動作を指示するものである。以下、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0065】
本実施の形態の印刷システム200は、例えば、複合機で構成された画像形成装置1Aと、画像形成装置1Aに有線又は無線で接続された複数の情報機器300とを有する。なお、画像形成装置1Aに接続される情報機器300の数は、1つでもよい。
【0066】
情報機器300は、例えば、パーソナルコンピューター(PC)、多機能携帯電話機(スマートフォン)又はタブレット端末等であり、情報機器300の各部を制御する制御部310と、制御部310に接続する操作表示部320と、通信部330と、画像処理部340と、記憶部350とを備える。
【0067】
操作表示部320は、液晶ディスプレイ等の表示部にタッチパネルが重合配置されたタッチパネルディスプレイを有し、例えば、図2に示す操作画面11を表示部に表示するとともに操作者からタッチパネルへの選択操作を受け付ける。
【0068】
通信部330は、画像形成装置1Aや他の情報機器300等との通信を行い、画像形成装置1Aの装置状態の情報の取得や情報機器300で変換した画像データの送信等を行う。画像処理部340は、画像形成装置1Aで印刷しようとする画像データの圧縮、伸張、合成、PDL(ページ記述言語)への変換等の画像処理を行う。
【0069】
制御部310は、記憶部350に記憶された実行プログラム351に従って動作することにより、表示制御手段311、受付手段312、生成手段313、指示手段314等として機能する。
【0070】
表示制御手段311は、操作画面11に親ボタン120、子ボタン121等の画像情報を表示する。受付手段312は、表示制御手段311の操作画面11への選択操作を受ける。
【0071】
生成手段313は、操作画面11に表示される表示設定ボタン133に選択操作があったと判断したとき、子ボタン121を生成して操作画面11に追加する。指示手段314は、操作者によって選択されたボタンに割り当てられた設定項目に基づく処理の実行を画像形成装置1Aに指示をする。
【0072】
(第2の実施の形態の動作)
次に、印刷システム200の動作について説明する。操作者が操作表示部320に表示された操作画面11を指等で操作すると、受付手段312は、操作画面のどのボタンに対して選択操作があったか否かを判断する。受付手段312が画像形成装置1Aを用いた印刷をする選択操作があったと判断すると、画像処理部340は、印刷する対象である画像データのPDLへの変換を実行する。
【0073】
次に、指示手段314は、通信部330を介して印刷を実行する旨の指示及び変換した画像データを画像形成装置1Aに送信する。また、通信部330は、画像形成装置1Aと定期的に通信を行い、画像形成装置1Aの装置状態の情報等を取得する。
【0074】
操作表示部320は、通信部330が取得した装置状態に基づいて画像形成装置1Aが印刷の実行中である旨や印刷が完了した旨等を表示する。
【0075】
[変形例]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々に変形実施が可能である。
【0076】
(変形例1)
図6は、本発明の変形例1の操作画面11Aを示す図である。変形例1の操作画面11Aは、例えば「プリント」ボタン120cを「コピー」ボタン120a、「スキャン」ボタン120bよりも大きく表示し、「プリント」ボタン120cの各辺上に複数の子ボタン121を配置したものである。なお、操作画面11Aに表示されるそれぞれの子ボタン121には、1又は複数の異なる設定項目が割り当てられている。
【0077】
(変形例2)
図6は、本発明の変形例1の操作画面11Bを示す図である。変形例2の操作画面11Bは、例えば「プリント」ボタン120cを複数のページに固定して配置し、ページごとに「プリント」ボタン120c上の子ボタン121の数又は子ボタン121に割り当てられる設定項目を異なるようにしたものである。
【0078】
また、本発明の要旨を変更しない範囲内で、上記各実施の形態の構成要素の一部を省くことが可能である。
【符号の説明】
【0079】
1、1A…画像形成装置、10…操作表示部、11A、11B…操作画面、12…指示ボタン領域、13…設定ボタン領域、14…アカウント表示領域、20…制御部、21…表示制御手段、22…受付手段、23…生成手段、24…指示手段、25…実行手段、30…画像読取部、40…画像処理部、50…画像出力部、60…ファクシミリ部、70…通信部、80…記憶部、81…実行プログラム、82…設定データ、101…「コピー」の設定項目、102…「スキャン」の設定項目、103…「ファックス」の設定項目、111a〜111c…「白黒」の設定項目、112a〜112c…「カラー」の設定項目、113a〜113f…「片面」の設定項目、114a〜114f…「両面」の設定項目、115…「宛先1」、116…「宛先2」、117…「宛先3」、120…親ボタン、120a…「コピー」ボタン、120b…「スキャン」ボタン、120c…「プリント」ボタン、120d…「ファックス」ボタン、121…子ボタン、121a…「白黒/片面」ボタン、121b…「カラー」ボタン、121c…「片面」ボタン、121d…「宛先」ボタン、130…設定ボタン、131…「デバイス設定」ボタン、132…「ユーザ設定」ボタン、133…「表示設定」ボタン、200…印刷システム、300…情報機器、302…表示部、303…通信部、310…制御部、311…表示制御手段、312…受付手段、313…生成手段、314…指示手段、320…操作表示部、330…通信部、340…画像処理部、350…記憶手段、351…実行プログラム





図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7