(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
信号の出力や入力を行うためのインターフェース回路においては、高速インターフェースの必要性から、入出力トランジスタとして低電圧動作のトランジスタが使用されることが多い。チップとしては、高電圧のインターフェース規格の入出力回路(IO)も使用することがあるため、そのような回路では、トランジスタの耐圧以上の電圧が入出力されることとなる。低電圧動作のトランジスタを用いて、トランジスタの耐圧以上の高電圧のインターフェース規格に対応するインターフェース回路を構成する場合、一般的には
図6に示すようにカスケード構成で分圧回路を設け、抵抗分圧により各トランジスタに耐圧以上の電圧がかからないようにする。
【0003】
図6は、従来のインターフェース回路の構成例を示す回路図である。
図6には、出力信号の電圧振幅を0(VSS)−VDEAとする低電圧のインターフェース規格及び出力信号の電圧振幅を0(VSS)−VDEBとする高電圧のインターフェース規格に対応するインターフェース回路を一例として示している。
図6に示すインターフェース回路は、電圧VDEAが耐圧の補償範囲の電圧、すなわち耐圧が電圧VDEAよりも高いトランジスタで構成されている。ここで、電圧VDEAは電圧VDEBよりも低い電圧であり、例えば電圧VDEAは1.8Vであり、電圧VDEBは3.3Vである。
【0004】
図6に示すインターフェース回路は、低電圧VDEA側の出力ドライバ部601及び高電圧VDEB側の出力ドライバ部611を有し、それぞれの出力ノードがパッド621に接続されている。図示しないモード切替信号により、低電圧VDEA側の出力ドライバ部601及び高電圧VDEB側の出力ドライバ部611の一方が有効となるように制御される。低電圧VDEA側の出力ドライバ部601は、インバータ622及び駆動ロジック623、624等によって信号SIGに応じて駆動され、同様に高電圧VDEB側の出力ドライバ部611は、駆動ロジック625、626等によって信号SIGに応じて駆動される。
【0005】
低電圧VDEA側の出力ドライバ部601は、分圧回路としてのトランジスタ603、604を含む、低電圧VDEAの電源ノードと基準電圧VSSの電源ノードとの間にカスケード接続されたPチャネル型トランジスタ602、603及びNチャネル型トランジスタ604、605を有する。高電圧VDEB側の出力ドライバ部611は、分圧回路としてのトランジスタ613、614を含む、高電圧VDEBの電源ノードと基準電圧VSSの電源ノードとの間にカスケード接続されたPチャネル型トランジスタ612、613及びNチャネル型トランジスタ614、615を有する。このように低電圧VDEA側の出力ドライバ部601は、高電圧VDEB側の出力ドライバ部611が有効である場合に、その出力電圧である高電圧VDEBがかかることがあるため、高電圧VDEB側の出力ドライバ部611と同様に分圧回路を設ける必要がある。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態におけるインターフェース回路の構成例を示す回路図である。
図1には、出力信号の電圧振幅を0(VSS)−VDEAとする低電圧のインターフェース規格及び出力信号の電圧振幅を0(VSS)−VDEBとする高電圧のインターフェース規格に対応するインターフェース回路(例えばSDカードのインターフェース回路)を一例として示している。
【0013】
図1に示すインターフェース回路は、電圧VDEAが耐圧の補償範囲の電圧、すなわち耐圧が電圧VDEAよりも高く、かつ耐圧が電圧VDEBよりも低いトランジスタで構成されている。ここで、電圧VDEAは電圧VDEBよりも低い電圧であり、例えば電圧VDEAは1.8Vであり、電圧VDEBは3.3Vである。
【0014】
本実施形態におけるインターフェース回路は、
図1に示すように、低電圧VDEA側の出力ドライバ部101及び高電圧VDEB側の出力ドライバ部111を有する。低電圧VDEA側の出力ドライバ部101及び高電圧VDEB側の出力ドライバ部111のそれぞれの出力ノードがパッド121に接続されている。
【0015】
低電圧VDEA側の出力ドライバ部101は、低電圧VDEAの電源ノードと基準電圧VSSの電源ノードとの間に接続されたPチャネル型トランジスタ102及びNチャネル型トランジスタ103を有する出力回路と、並列接続されたPチャネル型トランジスタ104及びNチャネル型トランジスタ105を有するスイッチ回路とを有する。本実施形態では、低電圧VDEA側の出力ドライバ部101の電源電圧である低電圧VDEAは、Pチャネル型トランジスタ102及びNチャネル型トランジスタ103等の使用されるトランジスタの耐圧よりも低いので、ドライバ本体はシングルトランジスタ構成とし、ドライバ本体とパッド121との間に分圧回路としてのPチャネル型トランジスタ104及びNチャネル型トランジスタ105を設けている。ここで、分圧回路として設けたPチャネル型トランジスタ104及びNチャネル型トランジスタ105は、並列に接続されているので抵抗は小さく、トランジスタ数やトランジスタサイズが増大することを抑制できる。また、高電圧VDEB側の出力ドライバ部111は、分圧回路としてのトランジスタ113、114を含む、高電圧VDEBの電源ノードと基準電圧VSSの電源ノードとの間にカスケード接続されたPチャネル型トランジスタ112、113及びNチャネル型トランジスタ114、115を有する。
【0016】
Pチャネル型トランジスタ102は、ソースが低電圧VDEAの電源ノードに接続され、ゲートに論理積演算回路(AND回路)123の出力が入力され、ドレインがNチャネル型トランジスタ103のドレインに接続される。Nチャネル型トランジスタ103は、ソースが基準電圧VSSの電源ノードに接続され、ゲートにAND回路124の出力が入力される。AND回路123、124は、インバータ122を介して出力信号SIGが入力されるとともに、モード切替信号CNが入力される。モード切替信号CNは、低電圧VDEA側での出力時にハイレベル(“H”)とされ、高電圧VDEB側での出力時にローレベル(“L”)とされる。
【0017】
すなわち、Pチャネル型トランジスタ102は、モード切替信号が“L”であるとき、又は出力信号SIGが“H”であるときに、オン状態(導通状態)となり、それ以外はオフ状態(非導通状態)となる。また、Nチャネル型トランジスタ103は、モード切替信号が“H”であり、かつ出力信号SIGが“L”であるときにオン状態となり、それ以外はオフ状態となる。Pチャネル型トランジスタ102のドレインとNチャネル型トランジスタ103のドレインとの相互接続点(出力ノードNA1)が、それぞれのソース及びドレインが接続されたPチャネル型トランジスタ104及びNチャネル型トランジスタ105から構成されるスイッチ回路(トランスファーゲート)を介してパッド121(ノードPAD)に接続される。
【0018】
Pチャネル型トランジスタ104のゲートは、高電圧VDEBの電源ノードと基準電圧VSSの電源ノードとの間にカスケード接続されたPチャネル型トランジスタ133、134及びNチャネル型トランジスタ135、136の出力ノードNC1に接続される。Pチャネル型トランジスタ104のバックゲートは、高電圧VDEBの電源ノードと低電圧VDEAの電源ノードとの間に接続されたPチャネル型トランジスタ131及びNチャネル型トランジスタ132の出力ノードNB1に接続される。Pチャネル型トランジスタ131及びNチャネル型トランジスタ132のゲートには、低電圧VDEAの信号領域から高電圧VDEBの信号領域に信号のレベルを変換するレベルコンバータ129を介してモード切替信号CNが入力される。
【0019】
モード切替信号CNが“H”であるとき(低電圧VDEA側での出力時)には、Pチャネル型トランジスタ104は、ゲートに基準電圧VSSが供給され、バックゲートに低電圧VDEAが供給される。また、モード切替信号CNが“L”であるとき(高電圧VDEB側での出力時)には、Pチャネル型トランジスタ104は、ゲートに高電圧VDEBが供給され、バックゲートに高電圧VDEBが供給される。Nチャネル型トランジスタ105のゲートには、モード切替信号CNが入力される。
【0020】
すなわち、モード切替信号CNが“H”であるとき(低電圧VDEA側での出力時)には、Pチャネル型トランジスタ104及びNチャネル型トランジスタ105がともにオン状態となり、スイッチ回路はオン状態となる。一方、モード切替信号CNが“L”であるとき(高電圧VDEB側での出力時)には、Pチャネル型トランジスタ104及びNチャネル型トランジスタ105がともにオフ状態となり、スイッチ回路はオフ状態となる。
【0021】
Pチャネル型トランジスタ112は、ソースが高電圧VDEBの電源ノードに接続され、ゲートに論理和演算回路(OR回路)125の出力が入力され、ドレインがPチャネル型トランジスタ113のソースに接続される。Pチャネル型トランジスタ113は、ゲートが低電圧VDEAの電源ノードに接続され、ドレインがNチャネル型トランジスタ114のドレインに接続される。Nチャネル型トランジスタ114は、ソースがNチャネル型トランジスタ115のドレインに接続され、ゲートが低電圧VDEAの電源ノードに接続される。Nチャネル型トランジスタ115は、ソースが基準電圧VSSの電源ノードに接続され、ゲートにインバータ128を介してOR回路126の出力が入力される。Pチャネル型トランジスタ113のドレインとNチャネル型トランジスタ114のドレインとの相互接続点がパッド121(ノードPAD)に接続される。
【0022】
OR回路125は、レベルコンバータ129を介してモード切替信号CNが入力されるとともに、インバータ122及び低電圧VDEAの信号領域から高電圧VDEBの信号領域に信号のレベルを変換するレベルコンバータ130を介して出力信号SIGが入力される。OR回路126は、モード切替信号CNが入力されるとともに、インバータ122、127を介して出力信号SIGが入力される。すなわち、高電圧VDEB側の出力ドライバ部111は、モード切替信号CNが“L”であり、かつ出力信号SIGが“H”であるときに、Pチャネル型トランジスタ112、113がオン状態となり、モード切替信号CNが“L”であり、かつ出力信号SIGが“L”であるときに、Nチャネル型トランジスタ114、115がオン状態となる。
【0023】
図1に示した第1の実施形態におけるインターフェース回路の動作について説明する。
図2は、第1の実施形態におけるインターフェース回路の動作例を示す波形図である。
図2において、Aは高電圧VDEB側での“L”出力時の状態を示しており、Bは高電圧VDEB側での“H”出力時の状態を示している。また、
図2において、Cは低電圧VDEA側での“L”出力時の状態を示しており、Dは低電圧VDEA側での“H”出力時の状態を示している。
【0024】
高電圧VDEB側での“L”出力時(
図2中のA)においては、モード切替信号CNが“L”(基準電圧VSS)であり、出力信号SIGが“L”(基準電圧VSS)である。このとき、高電圧VDEB側の出力ドライバ部111において、Pチャネル型トランジスタ112、113がオフ状態になり、Nチャネル型トランジスタ114、115がオン状態になり、パッド121(ノードPAD)は“L”(基準電圧VSS)となる。
【0025】
高電圧VDEB側での“H”出力時(
図2中のB)においては、モード切替信号CNが“L”(基準電圧VSS)であり、出力信号SIGが“H”(低電圧VDEA)である。このとき、高電圧VDEB側の出力ドライバ部111において、Pチャネル型トランジスタ112、113がオン状態になり、Nチャネル型トランジスタ114、115がオフ状態になり、パッド121(ノードPAD)は“H”(高電圧VDEB)となる。
【0026】
また、この高電圧VDEB側での出力時(
図2中のA及びB)には、モード切替信号CNが“L”(基準電圧VSS)であるので、低電圧VDEA側の出力ドライバ部101において、Pチャネル型トランジスタ102がオン状態になり、Nチャネル型トランジスタ103がオフ状態になり、その出力ノードNA1は“H”(低電圧VDEA)となる。また、高電圧VDEBの電源ノードと低電圧VDEAの電源ノードとの間に接続されたPチャネル型トランジスタ131及びNチャネル型トランジスタ132は、Pチャネル型トランジスタ131がオン状態になり、Nチャネル型トランジスタ132がオフ状態になり、その出力ノードNB1は高電圧VDEBとなる。
【0027】
また、高電圧VDEBの電源ノードと基準電圧VSSの電源ノードとの間にカスケード接続されたPチャネル型トランジスタ133、134及びNチャネル型トランジスタ135、136は、Pチャネル型トランジスタ133、134がオン状態になり、Nチャネル型トランジスタ135、136がオフ状態になり、その出力ノードNC1は高電圧VDEBとなる。
【0028】
したがって、Pチャネル型トランジスタ104及びNチャネル側トランジスタ105から構成されるスイッチ回路はオフ状態となり、スイッチ回路の一端(出力ノードNA1側)には“H”(低電圧VDEA)が印加され、他端(ノードPAD側)にはパッド121における出力電圧である基準電圧VSS又は高電圧VDEBが印加される。つまり、高電圧VDEB側での出力時において、低電圧VDEA側の出力ドライバ部101が有するスイッチ回路のPチャネル型トランジスタ104及びNチャネル側トランジスタ105には、トランジスタ耐圧よりも低い、パッド121における出力電圧(基準電圧VSS又は高電圧VDEB)と低電圧VDEAとの差電圧がかかることになる。また、高電圧VDEB側での出力時には、スイッチ回路のPチャネル型トランジスタ104のバックゲートには高電圧VDEBが印加されているので、順方向電流が流れることを防止できる。
【0029】
低電圧VDEA側での出力時(
図2中のC及びD)には、モード切替信号CNが“H”(低電圧VDEA)である。このとき、高電圧VDEB側の出力ドライバ部111は、オフ状態になる。また、高電圧VDEBの電源ノードと低電圧VDEAの電源ノードとの間に接続されたPチャネル型トランジスタ131及びNチャネル型トランジスタ132は、Pチャネル型トランジスタ131がオフ状態になり、Nチャネル型トランジスタ132がオン状態になり、その出力ノードNB1は低電圧VDEAとなる。また、高電圧VDEBの電源ノードと基準電圧VSSの電源ノードとの間にカスケード接続されたPチャネル型トランジスタ133、134及びNチャネル型トランジスタ135、136は、Pチャネル型トランジスタ133、134がオフ状態になり、Nチャネル型トランジスタ135、136がオン状態になり、その出力ノードNC1は基準電圧VSSとなる。
【0030】
したがって、Pチャネル型トランジスタ104及びNチャネル側トランジスタ105から構成されるスイッチ回路はオン状態となり、Pチャネル型トランジスタ102及びNチャネル型トランジスタ103から構成される出力回路の出力ノードNA1とパッド121(ノードPAD)が接続される。
【0031】
ここで、低電圧VDEA側での“L”出力時(
図2中のC)においては、モード切替信号CNが“H”(低電圧VDEA)であり、出力信号SIGが“L”(基準電圧VSS)であるので、Pチャネル型トランジスタ102がオフ状態になり、Nチャネル型トランジスタ103がオン状態になり、その出力ノードNA1は“L”(基準電圧VSS)となる。したがって、パッド121(ノードPAD)は“L”(基準電圧VSS)となる。
【0032】
また、低電圧VDEA側での“H”出力時(
図2中のD)においては、モード切替信号CNが“H”(低電圧VDEA)であり、出力信号SIGが“H”(低電圧VDEA)であるので、Pチャネル型トランジスタ102がオン状態になり、Nチャネル型トランジスタ103がオフ状態になり、その出力ノードNA1は“H”(低電圧VDEA)となる。したがって、パッド121(ノードPAD)は“H”(低電圧VDEA)となる。
【0033】
第1の実施形態によれば、電源電圧がトランジスタの耐圧の補償範囲である低電圧VDEAであり、耐圧以上の高電圧VDEBが入力されることのある低電圧VDEA側の出力ドライバ部101をシングルトランジスタ構成の出力回路とし、その出力回路の出力ノードとパッド121との間に分圧回路としてのスイッチ回路を設ける。そして、高電圧VDEB側の出力ドライバ部111による出力時には、低電圧VDEA側の出力ドライバ部101のスイッチ回路をオフ状態にするとともに、出力回路から“H”(低電圧VDEA)を出力する。これにより、高電圧VDEB側の出力ドライバ部111による出力時に、低電圧VDEA側の出力ドライバ部101に高電圧VDEBが入力されたとしても、スイッチ回路のトランジスタにかかる電圧は、高電圧VDEBと低電圧VDEAとの差電圧であるのでトランジスタ耐圧を確保することができる。また、低電圧VDEA側の出力ドライバ部101をシングルトランジスタ構成の出力回路としたことで、回路規模の増大を抑制することができ、従来のカスケード構成と比較して回路面積を削減することができる。
【0034】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図3は、第2の実施形態におけるインターフェース回路の構成例を示す回路図である。
図3には、インターフェース回路の電源電圧VDEよりも高い電圧が入出力パッドに入力されることがあるトレラントバスのインターフェース回路を一例として示している。
図3に示すインターフェース回路は、電圧VDEが耐圧の補償範囲の電圧、すなわち耐圧が電圧VDEよりも高く、かつ耐圧が外部入力の“H”信号の電圧よりも低いトランジスタで構成されている。
【0035】
本実施形態におけるインターフェース回路の出力ドライバ部301は、電源電圧VDEの電源ノードと基準電圧VSSの電源ノードとの間に接続されたPチャネル型トランジスタ302及びNチャネル型トランジスタ303を有する出力回路と、並列接続されたPチャネル型トランジスタ304及びNチャネル型トランジスタ305を有するスイッチ回路とを有する。本実施形態においても、出力ドライバ部301の電源電圧VDEは、Pチャネル型トランジスタ302及びNチャネル型トランジスタ303等の使用されるトランジスタの耐圧よりも低いので、ドライバ本体はシングルトランジスタ構成とし、ドライバ本体とパッド311との間に分圧回路としてのPチャネル型トランジスタ304及びNチャネル型トランジスタ305を設けている。ここで、分圧回路として設けたPチャネル型トランジスタ304及びNチャネル型トランジスタ305は、並列に接続されているので抵抗は小さく、トランジスタ数やトランジスタサイズが増大することを抑制できる。
【0036】
Pチャネル型トランジスタ302は、ソースが電源電圧VDEの電源ノードに接続され、ゲートにAND回路313の出力が入力され、ドレインがNチャネル型トランジスタ303のドレインに接続される。Nチャネル型トランジスタ303は、ソースが基準電圧VSSの電源ノードに接続され、ゲートにAND回路314の出力が入力される。AND回路313、314は、インバータ312を介して出力信号SIGAが入力されるとともに、モード切替信号CNが入力される。モード切替信号CNは、入力モード時に“L”とされ、出力モード時に“H”とされる。
【0037】
すなわち、Pチャネル型トランジスタ302は、モード切替信号が“L”であるとき、又は出力信号SIGAが“H”であるときに、オン状態となり、それ以外はオフ状態となる。また、Nチャネル型トランジスタ303は、モード切替信号が“H”であり、かつ出力信号SIGAが“L”であるときにオン状態となり、それ以外はオフ状態となる。Pチャネル型トランジスタ302のドレインとNチャネル型トランジスタ303のドレインとの相互接続点(出力ノードNA2)が、それぞれのソース及びドレインが接続されたPチャネル型トランジスタ304及びNチャネル型トランジスタ305から構成されるスイッチ回路(トランスファーゲート)を介してパッド311(ノードPAD)に接続される。
【0038】
Pチャネル型トランジスタ304のゲートは、選択回路315の出力ノードNC2に接続される。Pチャネル型トランジスタ104のバックゲートは、バックゲート制御回路316の出力ノードNB2に接続される。Nチャネル型トランジスタ305のゲートには、モード切替信号CNが入力される。
【0039】
選択回路315は、モード切替信号CNに応じて、基準電圧VSS又はバックゲート制御回路316の出力を選択し出力する。選択回路315は、モード切替信号CNが“H”であるとき(出力モード時)には、基準電圧VSSを選択し、モード切替信号CNが“L”であるとき(入力モード時)には、バックゲート制御回路316の出力を選択する。
【0040】
バックゲート制御回路316は、パッド311の電圧(ノードPAD)に応じた電圧を生成し出力する。バックゲート制御回路316は、パッド311の電圧が電源電圧VDEより高い場合にはパッド311の電圧を出力し、パッド311の電圧が電源電圧VDE以下である場合には電源電圧VDEを出力する。パッド311に外部から入力された信号は、バッファ317を介して入力信号SIGBとして入力される。バッファ317及び選択回路315は、分圧回路等を用いた耐圧対策を行っている回路を用いている。
【0041】
図4は、バックゲート制御回路316の構成例を示す回路図である。バックゲート制御回路316は、電源電圧VDDの電源ノードとパッド311(ノードPAD)との間に直列に接続された4つのPチャネル型トランジスタ401、402、403、404を有する。Pチャネル型トランジスタ401、402のゲートは、パッド311(ノードPAD)に接続され、Pチャネル型トランジスタ403、404のゲートは、電源電圧VDDの電源ノードに接続される。バックゲート制御回路316は、直列接続された4つのPチャネル型トランジスタ401〜404の中間のノードの電圧を出力する。
【0042】
図3に示した第2の実施形態におけるインターフェース回路の動作について説明する。
図5は、第2の実施形態におけるインターフェース回路の動作例を示す波形図である。
図5において、Aは“L”入力時の状態を示しており、Bは“H”入力時の状態を示している。また、
図5において、Cは“L”出力時の状態を示しており、Dは“H”出力時の状態を示している。なお、外部から入力される“H”信号の電圧は、電源電圧VDEよりも高いものとする。
【0043】
入力モード時(
図5中のA及びB)においては、モード切替信号CNが“L”(基準電圧VSS)である。このとき、出力ドライバ部301において、Pチャネル型トランジスタ302がオン状態になり、Nチャネル型トランジスタ303がオフ状態になり、その出力ノードNA2は“H”(電源電圧VDE)となる。また、バックゲート制御回路316の出力ノードNB2は電源電圧VDE又はパッド311の電圧となり、選択回路315の出力ノードNC2は出力ノードNB2と同じ電圧となる。
【0044】
したがって、Pチャネル型トランジスタ304及びNチャネル側トランジスタ305から構成されるスイッチ回路はオフ状態となり、スイッチ回路の一端(出力ノードNA2側)には“H”(電源電圧VDE)が印加され、他端(ノードPAD側)にはパッド311の電圧が印加される。つまり、入力モード時において、出力ドライバ部301が有するスイッチ回路のPチャネル型トランジスタ304及びNチャネル側トランジスタ305には、トランジスタ耐圧よりも低い、パッド311の電圧と電源電圧VDEとの差電圧がかかることになる。また、入力モード時には、スイッチ回路のPチャネル型トランジスタ304のゲート及びバックゲートにはバックゲート制御回路316の出力(電源電圧VDE又はパッド311の電圧)が印加されているので、順方向電流が流れることを防止できる。
【0045】
出力モード時(
図5中のC及びD)には、モード切替信号CNが“H”(電源電圧VDE)である。このとき、バックゲート制御回路316の出力ノードNB2は電源電圧VDEとなり、選択回路315の出力ノードNC2は基準電圧VSSとなる。したがって、Pチャネル型トランジスタ304及びNチャネル側トランジスタ305から構成されるスイッチ回路はオン状態となり、Pチャネル型トランジスタ302及びNチャネル型トランジスタ303から構成される出力回路の出力ノードNA2とパッド311(ノードPAD)が接続される。
【0046】
ここで、“L”出力時(
図5中のC)においては、モード切替信号CNが“H”(電源電圧VDE)であり、出力信号SIGAが“L”(基準電圧VSS)であるので、Pチャネル型トランジスタ302がオフ状態になり、Nチャネル型トランジスタ303がオン状態になり、その出力ノードNA2は“L”(基準電圧VSS)となる。したがって、パッド311(ノードPAD)は“L”(基準電圧VSS)となる。
【0047】
また、“H”出力時(
図5中のD)においては、モード切替信号CNが“H”(電源電圧VDE)であり、出力信号SIGAが“H”(電源電圧VDE)であるので、Pチャネル型トランジスタ302がオン状態になり、Nチャネル型トランジスタ303がオフ状態になり、その出力ノードNA2は“H”(電源電圧VDE)となる。したがって、パッド311(ノードPAD)は“H”(電源電圧VDEA)となる。
【0048】
第2の実施形態によれば、出力ドライバ部301をシングルトランジスタ構成の出力回路とし、その出力回路の出力ノードとパッド311との間に分圧回路としてのスイッチ回路を設ける。そして、入力モード時には、出力ドライバ部301のスイッチ回路をオフ状態にするとともに、出力回路から“H”(電源電圧VDE)を出力する。これにより、入力モード時に、出力ドライバ部301に高い電圧が入力されたとしても、スイッチ回路のトランジスタ耐圧を確保することができる。また、出力ドライバ部301をシングルトランジスタ構成の出力回路としたことで、回路規模の増大を抑制することができ、従来のカスケード構成と比較して回路面積を削減することができる。
【0049】
なお、前記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。