(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6319019
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】流体制御装置
(51)【国際特許分類】
F01P 7/14 20060101AFI20180423BHJP
F01P 7/16 20060101ALI20180423BHJP
F01P 11/14 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
F01P7/14 E
F01P7/16 504E
F01P7/16 502B
F01P11/14 C
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-195569(P2014-195569)
(22)【出願日】2014年9月25日
(65)【公開番号】特開2016-65518(P2016-65518A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2017年1月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 篤
(72)【発明者】
【氏名】小澤 保夫
【審査官】
北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭57−044263(JP,U)
【文献】
特開2005−009506(JP,A)
【文献】
特表2013−525653(JP,A)
【文献】
特開昭61−24883(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第3118498(EP,A1)
【文献】
特開2000−55223(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01P 7/14
F01P 7/16
F01P 11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流路に設けられ、当接・離間して流体の流通を制御するよう、一方を磁性体で形成し他方に磁石を備えた弁体および弁座と、
前記弁体を前記弁座の側に付勢する付勢部材と、
前記流路に流体を流通させる電動ポンプと、
前記弁座に当接して閉じ状態にある前記弁体を開き操作する際に、前記電動ポンプの出力を予め設定した状態に所定時間継続して高める制御を行って前記弁体を開き状態にし、当該所定時間経過後に前記電動ポンプの出力を予め設定した前記状態よりも低い状態に制御する制御部と、を備えた流体制御装置。
【請求項2】
前記電動ポンプからラジエータを経由して流体が流通する第1流路と、
前記電動ポンプから前記ラジエータを介さずにヒータコアを経由して流体が流通する第2流路と、を備え、
前記第2流路に流体要求が発生した際に、前記制御部が前記電動ポンプの出力を高める請求項1に記載の流体制御装置。
【請求項3】
前記第2流路に流体要求があり、且つ前記弁体が閉じ状態のとき、前記制御部が前記電動ポンプの出力をさらに高める請求項2に記載の流体制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記弁体が開き状態のときに、前記弁体に作用する流体力が、前記弁体に作用する前記磁石の吸引力と前記付勢部材の付勢力との和よりも大きくなるように前記電動ポンプの出力を制御する請求項1から3のいずれか一項に記載の流体制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン等の冷却系に使用される流体制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のエンジンは、燃費の向上等のために、エンジン温度が低い場合には暖機運転を行い、エンジン温度が上昇した後にその温度を略一定にする制御がなされる。そのためのエンジンの冷却系として、冷却水温度が低い場合に、サーモスタットバルブを閉じることでラジエータを経由せずにバイパス通路を介して冷却水を循環させ、冷却水温度が高くなった場合に、当該バルブを開くことでラジエータを経由して冷却水を循環させて、冷却水温度を一定に制御するシステムが存在する。
【0003】
特許文献1には、こうしたエンジンの冷却系統において、エンジン出口側にスプリングによって閉方向に付勢された可動部を持つソレノイドバルブが開示されている。このソレノイドバルブでは、コイル励磁時には閉じ状態となり、コイル非励磁時には開き状態となるよう構成されている。当該ソレノイドバルブはコイルを励磁すると弁座に対して弁体が吸着されて閉じ状態が維持されて、冷却系統全体の冷却水の流れが停止する。この状態では、エンジン内部の熱が冷却水を介して外部に放出されないので暖機が促進される。その後、エンジン内の温度が所定温度になったことを検知してソレノイドバルブのコイルを非励磁にすると、ソレノイドバルブは冷却水の流体圧を受けて開き状態になる。これにより、エンジン外部において暖められていない冷却水が一気にエンジン内部に流れ込み、エンジンの冷却が促進される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−525653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エンジンの冷却系統において、特許文献1に記載のソレノイドバルブでは、閉じ状態に維持するために常時通電して磁力を発生させる必要がある。このように、ソレノイドバルブは必ず電力を消費するため、その消費電力によって燃費が低下する。
【0006】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、流体制御弁の開閉動作に要される電力を低減できる流体制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る流体制御装置の第1特徴構成は、流体の流路に設けられ、当接・離間して流体の流通を制御するよう、一方を磁性体で形成し他方に磁石を備えた弁体および弁座と、前記弁体を前記弁座の側に付勢する付勢部材と、前記流路に流体を流通させる電動ポンプと、前記弁座に当接して閉じ状態にある前記弁体を開き操作する際に、前記電動ポンプの出力を予め設定した状態に
所定時間継続して高める制御を行
って前記弁体を開き状態にし、当該所定時間経過後に前記電動ポンプの出力を予め設定した前記状態よりも低い状態に制御して前記弁体を開き状態にする制御部と、を備えた点にある。
【0008】
本構成では、弁体及び弁座の一方を磁性体で形成し他方に磁石を備えるとともに、弁体を弁座の側に付勢する付勢部材を備える。これにより、流体制御装置は磁石の吸引力と付勢部材の付勢力とを利用して閉じ状態に維持することができる。また、流路に流体を流通させる電動ポンプと、弁座に当接して閉じ状態にある弁体を開き操作する際に、前記電動ポンプの出力を予め設定した状態に
所定時間継続して高める制御を行
って弁体を開き状態にし、当該所定時間経過後に電動ポンプの出力を予め設定した状態よりも低い状態に制御して弁体を開き状態にする制御部と、を備えるので、流体制御装置は電動ポンプからの出力を高めるだけで開き状態に変更することができる。
【0009】
このように、流体制御装置は、磁石の吸引力を利用して閉じ状態を維持しつつ、電動ポンプから流体圧を受けて開き状態となる。これにより、流体制御装置の消費電力を低減することができる。また、ソレノイドバルブに比べて、ソレノイドを含む磁気回路が不要となることから、弁体を開閉動作するための構成が簡素となり、製造コストも低減する。
【0010】
本発明に係る流体制御装置の他の特徴構成は、前記電動ポンプからラジエータを経由して流体が流通する第1流路と、前記電動ポンプから前記ラジエータを介さずにヒータコアを経由して流体が流通する第2流路と、を備え、前記第2流路に流体要求が発生した際に、前記制御部が前記電動ポンプの出力を上げる点にある。
【0011】
本構成の如く、電動ポンプからラジエータを介さずにヒータコアを経由して流体が流通する第2流路に流体要求が発生した際に、制御部が電動ポンプの出力を上げることで、電動ポンプからの流体力が弁体を閉じ状態に保持する力(磁石の吸引力や付勢機構)を上回り、弁体が開状態に移行する。これにより、第2流路に流体が流通され、ヒータコアに流体を供給することができる。
【0012】
本発明に係る流体制御装置の他の特徴構成は、前記第2流路に流体要求があり、且つ前記弁体が閉じ状態のとき、前記制御部が前記電動ポンプの出力をさらに上げる点にある。
【0013】
第2流路に対する流体要求に対し、制御部が電動ポンプの出力を予め設定した状態に上げた場合であっても、例えば弁体の動作上の問題等により流体制御装置が開き状態に移行しないことが起こり得る。そこで、本構成では、第2流路に流体要求があり、且つ弁体が閉じ状態であるとき、制御部が電動ポンプの出力をさらに上げるよう制御する。これにより、流体制御装置は、弁体に対して電動ポンプからの流体圧が増すため、確実に開き状態に移行することができる。
本発明に係る流体制御装置の他の特徴構成は、前記制御部は、前記弁体が開き状態のときに、前記弁体に作用する流体力が、前記弁体に作用する前記磁石の吸引力と前記付勢部材の付勢力との和よりも大きくなるように前記電動ポンプの出力を制御する点にある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】エンジン冷却系の全体構成を示す概略図である。
【
図3】冷却液制御弁の開弁開始時の状態の断面図である。
【
図5】電動ポンプの制御Duty、制御弁流量、エンジン内温度と制御弁の開閉状態との関係を示す図である。
【
図6】電動ポンプの制御Duty、制御弁流量と制御弁の開閉状態との関係を示す図である。
【
図7】冷却液制御弁の開閉制御のフローチャートである。
【
図8】第2実施形態の冷却液制御弁の断面図である。
【
図9】電動ポンプの制御Duty、制御弁流量と制御弁の開閉状態との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る流体制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、流体制御装置20の全体構成を示す説明である。エンジン21の冷却水(冷却液)流出ポート22にラジエータ23の流入ポート24が接続され、ラジエータ23の流出ポート25は、サーモスタットバルブ26の流入ポート27に接続される。サーモスタットバルブ26の流出ポート28は、電動ポンプ31の吸込ポート32に接続され、電動ポンプ31の図示しない吐出ポートは、エンジン21の図示しない冷却水(冷却液)流入ポートに接続される。
【0017】
エンジン21の図示しない暖房用流出ポートは、冷却液制御弁1の流入ポート6(
図2参照)に接続される。冷却液制御弁1の流出ポート7は、ヒータコア33の流入ポート34に接続され、ヒータコア33の流出ポート35は、サーモスタットバルブ26のバイパス流入ポート29に接続される。バイパス流入ポート29は流出ポート28まで連通する。
【0018】
流体制御装置20は電動ポンプ31からの流体がラジエータ23を経由して流通する第1流路41と、電動ポンプ31からの流体がヒータコア33を経由して流通する第2流路42と、を備え、冷却液制御弁1が第2流路42に配置される。第2流路42には、ヒータコア33と並列に他の冷却系部品(EGRクーラー等)36が接続されている。流体制御装置20には、電動ポンプ31の出力を制御する制御部37が備えられている。電動ポンプ31は、本実施形態では、エンジン回転数に依存することなく吐出力(吐出量)の変更が可能な電動ポンプ31で構成してあるが、機械式可変ポンプで構成してもよい。
【0019】
冷却液制御弁1は、
図2に示すように、ハウジング8と、弁座14と、弁座14から離間する位置と当該弁座14に当接する位置とに移動可能な弁体11とを備えている。弁体11および弁座14は、流体の流路に設けられ、当接・離間して流体の流通を制御するよう、一方を磁性体で形成し他方に磁石を備えている。本実施形態では、弁体11を磁性体で形成し、弁座14に磁石を備えている。弁体11に磁石を備え、弁座14を磁性体で形成してもよい。
【0020】
弁体11は、磁性体12と、磁性体12を覆う樹脂体13によって構成されている。磁性体12は弁座14に対して露出するよう配置されている。弁体11には流体の流通孔11aが形成されている。流通孔11aが後述する小流量の流体の流路となる。弁座14は弁体11との対向面に磁石が配置されて構成されている。
【0021】
ハウジング8は、流入ポート6と、流出ポート7と、流入ポート6に対し同心状に対向するように形成された開口部15と、開口部15を密閉するカバー体16とを備え、流出ポート7は流入ポート6から直進する方向に設けられている。弁体11とカバー体16との間には、付勢機構としてコイルスプリング17が設置されており、コイルスプリング17は弁体11を弁座14の方向に付勢する。弁体11は、コイルスプリング17の付勢力によって弁座14に当接されるとともに、弁座14からの磁力によって弁座14に吸着される。
【0022】
電動ポンプ31の停止時には冷却液制御弁1の流入ポート6には流体圧は発生していない。したがって、弁体11は、弁座14(磁石)の吸引力とコイルスプリング17の付勢力とを受けて閉じ状態となる。
【0023】
電動ポンプ31の作動時において、弁座14(磁石)の吸引力Fm1とコイルスプリング17の付勢力Fs1との和が電動ポンプ31からの流体力(流体によって作用する力)Fw1よりも大きい場合には、弁体11は弁座14に当接した状態(閉じ状態)に保持される(
図2)。
【0024】
例えば、エンジン21内の温度が所定温度まで上昇すると、制御部37は、弁体11が開き状態になるよう、電動ポンプ31のDuty(出力)を予め設定した状態まで高める制御を行う(
図5、
図6参照)。これにより、弁体11が開方向に移動し始める(
図3)。弁体11を弁座14(磁石)の吸引力とコイルスプリング17の付勢力に抗して移動させるためには、弁体11に作用する流体力Fw2が、磁石の吸引力Fm2とコイルスプリング17の付勢力Fs2との和を大きく上回る必要がある。
【0025】
図4に示すように、弁体11が開き状態になると、磁石の吸引力Fm3が減少し、コイルスプリング17の付勢力Fs3が増加する。冷却液制御弁1の開き状態を維持するためには、流体力Fw3が、磁石の吸引力Fm3とコイルスプリング17の付勢力Fs3との和よりも大きいことが要求される。
【0026】
停止状態の電動ポンプ31に対し、第2流路42に緊急性の高い流体要求がある場合には、制御部37は、電動ポンプ31を始動してDuty(出力)を予め設定された状態に
所定時間継続して高める制御を行う(
図5)。そうすると、弁体11が開き状態に移行し、冷却液制御弁1を介して第2流路42のヒータコア33に流体が供給されて、エンジン内温度が低下する。冷却液制御弁1が開き状態に移行されると、電動ポンプ31は開弁開始時の最大Dutyよりも低いDutyに制御される。これは
、開弁開始時とは異なり、前述の流体力Fw3が、磁石の吸引力Fm3とコイルスプリング17の付勢力Fs3との和よりも大きい状態であれば、冷却液制御弁1の開き状態が維持されるためである。
【0027】
可動状態の電動ポンプ31に対し、第2流路42に緊急性の高い流体要求がある場合は、既に冷却液制御弁1(流通孔11a)から第2流路42の冷却系部品36に小量の流体が供給されている。この場合は、制御部37は、可動中の電動ポンプ31のDuty(出力)を予め設定された状態に高める制御を行う(
図6)。これにより、弁体11が開き状態に移行し、冷却液制御弁1を介して第2流路42のヒータコア33に流体が供給される。
【0028】
冷却水はエンジン21の内部で加熱後、ラジエータ23により冷却され、サーモスタットバルブ26を経由して電動ポンプ31によって循環する。エンジン21が低温時には、サーモスタットバルブ26が閉じ状態となる。暖房作動時には、エンジン21の内部で加熱された冷却水は、流体圧によって開き状態に維持された冷却液制御弁1を経由してヒータコア33に供給され、室内が暖められる。ヒータコア33で冷却された冷却水は、サーモスタットバルブ26を経由して電動ポンプ31により循環する。
【0029】
このように、弁体11及び弁座14の一方を磁性体で形成し他方に磁石を備えるので、磁石の吸引力とコイルスプリング17の付勢力とを利用して弁体11は閉じ状態に維持することができる。また、流体制御装置20は、電動ポンプ31と、電動ポンプ31の出力を制御する制御部37とを備えるので、冷却液制御弁1は電動ポンプ31からの流体圧を利用して開き状態に移行することができる。
【0030】
弁体11が、磁石の吸引力と電動ポンプ31からの流体圧とを利用して開閉されるため、ソレノイドバルブとは異なり、開閉動作において電力が不要となる。これにより、流体制御装置20の消費電力の低減が図られて、燃費の向上が可能となる。また、冷却液制御弁1は、ソレノイドを含む磁気回路が不要となるため、冷却液制御弁1の小型化が可能となり、製造コストも低減する。
【0031】
車両走行時等において、例えば運転者によるデフロスタ要求が操作される場合は、窓ガラスが曇った場合等であって視界確保のため、緊急性の高い状況にある。この場合には、制御部37によって
図7に示すフローチャートに基づく制御が行われる。まず、デフロスタ要求の有無が確認され(♯01)、デフロスタ要求が確認されれば(Yes)、電動ポンプ31のDuty制御(♯02)を行う(Dutyを予め設定した状態まで高める)。
これを受けて、弁体11が流体圧を受けて開き状態となったか否かがエンジン21の冷却水温度等に基づいて確認される(♯03)。
【0032】
デフロスタ要求の有無が確認され(♯01)、デフロスタ要求が確認されなければ(No)、電動ポンプ31のDutyは維持される(♯04)。その後、エンジン21内の冷却水温度が所定温度T1以上か否かが確認され(♯05)、所定温度T1以上になると電動ポンプ31のDuty制御(#02)を行う(Dutyを予め設定した状態まで高める)。
【0033】
このように、電動ポンプ31のDuty制御により、弁体11が、閉じ状態から開き状態に移行可能に構成されていると、必要に応じてエンジン21への早急な流体供給が可能となり、冷却液制御弁1の操作性が向上する。なお、運転者による上述の緊急要求はデフロスタ要求に限定されず、暖房等のヒータ要求であってもよい。
【0034】
〔第2実施形態〕
本実施形態の流体制御装置20では、
図8に示すように、弁体11は小流量用の流通孔を有しない。この場合、停止状態の電動ポンプ31に対し、第2流路42から緊急性の高い流体の供給要求があった場合には、第1実施形態において説明した
図5と同様の制御が行われる。すなわち、停止状態の電動ポンプ31に対し、制御部37は、閉じ状態にある弁体11を開き操作する際に、電動ポンプ31を始動して制御Dutyを予め設定された状態まで出力を高める。
【0035】
一方、
図9に示すように、可動状態の電動ポンプ31に対し、第2流路42から緊急性の高い流体の供給要求があった場合は、電動ポンプ31からの流体は既に例えば冷却液制御弁1近くのエンジン部分に形成されたバイパス流路を介して他の冷却系部品36に供給されている。この場合は、制御部37は、低めに設定された電動ポンプ31の制御Dutyを予め設定された状態まで高める。そうすると、弁体11が開き状態に移行し、冷却液制御弁1を介して第2流路42のヒータコア33に流体が供給される。
【0036】
〔他の実施形態〕(1)上記の実施形態では、冷却液制御弁1において流入ポート6と流出ポート7とが直線状に設けられた例を示したが、
図10に示すように、流入ポート6と流出ポート7とが直交する冷却液制御弁1であってもよい。
【0037】
(2)上記の実施形態では、冷却液制御弁1がヒータコア33への第2流路42に配置された例を示したが、冷却液制御弁1が第2流路42とラジエータ23への第1流路41との両方に流体を供給する構成であってもよい。
【0038】
(3)上記の実施形態では、流体制御装置20をエンジン21本体の冷却系に用いているが、排気管に設置される触媒の冷却系又は液冷式オイルクーラ等に適用してもよい。他に、電動車両に使用されるモータ、インバータ、二次電池、燃料電池等の熱源の冷却系又は排熱回収系の冷却液制御弁として適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明に係る流体制御装置は、各種車両における幅広い冷却対象に対して利用可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 冷却液制御弁
11 弁体
11a 流通孔
14 弁座
17 コイルスプリング
20 流量制御装置
23 ラジエータ
33 ヒータコア
36 冷却系部品
31 電動ポンプ
37 制御部
41 第1流路
42 第2流路
Fm1、Fm2、Fm3 磁石の吸引力
Fs1、Fs2、Fs3 付勢機構の付勢力
Fw1、Fw2、Fw3 流体力(流体圧による力)