特許第6319142号(P6319142)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6319142
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】電気接続箱
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20180423BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
   H02G3/16
   B60R16/02 610A
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-43839(P2015-43839)
(22)【出願日】2015年3月5日
(65)【公開番号】特開2016-163530(P2016-163530A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2017年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】390001812
【氏名又は名称】アンデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】特許業務法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大谷 英之
(72)【発明者】
【氏名】安田 尚由
【審査官】 久保 正典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−012593(JP,A)
【文献】 特開2011−147265(JP,A)
【文献】 特開2001−237557(JP,A)
【文献】 特開平09−251882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線パターンが形成されていると共に、該配線パターンに接続される貫通ビア(31、32)が形成された回路基板(3)と、
前記貫通ビアに対してはんだ付けされるコネクタターミナル(41、42)を有し、前記回路基板に対して一体化される樹脂プレート(4)と、
一面を開口面(21)とし、該開口面から前記回路基板および前記樹脂プレートを収容する開口部が形成されたケース(2)と、
前記開口面を蓋閉めするカバーを構成し、前記ケースと共に前記樹脂プレートを挟持するハウジング(5)と、を有し、
前記ハウジングおよび前記ケースによって前記樹脂プレートが挟持されることで、前記樹脂プレートを介して前記回路基板が前記ハウジングおよび前記ケースの間に隙間を有して支持されていることを特徴とする電気接続箱。
【請求項2】
前記樹脂プレートは、前記回路基板の表面に対する法線方向に立設されており、
前記ケースは、前記開口面と対応する底面(22)と、前記底面から前記開口面側に伸びる四面(23〜26)とを有し、前記回路基板のうち前記樹脂プレートが配置される側の一面と対応する一面を段付き面(23)として、該段付き面には、前記樹脂プレートに当接させられる段差部(23a)が形成され、該段差部において、前記ハウジングと共に前記樹脂プレートを挟持していることを特徴とする請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記ケースのうち、前記段付き面と隣接している両側面(24、25)には、該両側面の内壁面から該ケースの開口部側に突き出し、前記回路基板の該ケースへの挿入方向に沿って延設されると共に互いに離間して設けられた第1レール(24b、25b)と第2レール(24c、25c)を有して構成されたケースレール部(24a、25a)が備えられ、
前記回路基板は、前記第1レールと前記第2レールとの間において、所定の隙間を有して配置されていることを特徴とする請求項2に記載の電気接続箱。
【請求項4】
前記第1レールの先端は前記樹脂プレートに当接させられ、該第1レールの先端部において、前記ハウジングと共に前記樹脂プレートを挟持していることを特徴とする請求項に記載の電気接続箱。
【請求項5】
前記樹脂プレートは、前記回路基板の表面に対する法線方向に立設されていて、長方形状の板状部(43)が備えられ、前記板状部の側面のうち前記回路基板に対して垂直とされた一面を第1基準面(45)とすると共に、前記回路基板側の一面を第2基準面(47)としており、
前記ハウジングには、前記コネクタターミナルが挿入される貫通部(51)が形成されていると共に、該貫通部の周囲に、前記樹脂プレート側に突き出していて、前記樹脂プレートの第1基準面と当接する第1基準面を構成する第1ガイド(55a)および前記樹脂プレートの第2基準面と当接する第2基準面を構成する第2ガイド(55b)が備えられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電気接続箱。
【請求項6】
前記ハウジングには、前記貫通部を挟んで前記第1ガイドと反対側に、前記樹脂プレート側に突き出す第3ガイド(55c)が備えられ、
前記樹脂プレートのうち前記第3ガイドと対応する位置にはガイド孔(43b)が備えられ、
前記第3ガイドのうちの前記貫通部側の部分が前記ガイド孔に当接させられることで、前記樹脂プレートの第1基準面を前記ハウジングの第1基準面側に押し付けていることを特徴とする請求項5に記載の電気接続箱。
【請求項7】
前記ハウジングには、前記貫通部を挟んで前記第2ガイドと反対側に、前記樹脂プレート側に突き出す第4ガイド(55d)が備えられ、
前記第4ガイドのうちの前記貫通部側の部分が前記樹脂プレートに当接させられることで、前記樹脂プレートの第2基準面を前記ハウジングの第2基準面側に押し付けていることを特徴とする請求項5または6に記載の電気接続箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板を密閉しつつコネクタ部を通じて外部との電気的接続が図れるようにした電気接続箱に関するものである。本発明は、特に、リレー回路部が備えられた回路基板をケースおよびコネクタ部によって密閉しつつ、リレー回路部との電気的接続を行うコネクタターミナルをコネクタ部から外部に露出させることで外部との電気的接続が行われるようにしたリレーモジュール装置に適用されると好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント基板などの回路基板でECU(電子制御装置)などを構成する場合、外部接続用のコネクタターミナルが圧入もしくはインサート成形されたコネクタ部を用意し、コネクタターミナルを回路基板に実装してから、回路基板をケース内に収容しつつコネクタ部をカバー(蓋)としてケースの開口部に嵌め込むことで密閉している。このような構造のECUを有する電気接続箱として、例えば特許文献1〜3に示される構造のものが知られている。
【0003】
特許文献1では、コネクタ部と回路基板とをネジ止めしており、コネクタターミナルと回路基板とのはんだ付け部のみでコネクタ部と回路基板とが接続されている場合と比較して、はんだ付け部に加わる応力が緩和されるようにしている。しかしながら、このような構造では、ネジ止めが必要になることから、ネジなどによる部品点数の増加およびネジ締め工程などの工数増加が生じる。
【0004】
一方、特許文献2、3では、コネクタターミナルがケースに接する構造とすることでコネクタターミナルをケースによって支持し、ネジ止めを行わなくても、コネクタターミナルと回路基板とのはんだ付け部に加わる応力が緩和されるようにしている。しかしながら、このような構造では、コネクタターミナルの回路基板への組みつけが、リフローによる電子部品の回路基板への実装が行われた後で行われ、コネクタターミナルと回路基板との電気的な接続を行うはんだ付けは、その後にフローを行うことで実施されることになる。つまり、2回のはんだ付け(リフロー、フロー)を行うことになる。
【0005】
これに対して、1回のリフローによって電子部品やコネクタターミナルと回路基板とのはんだ付けを行う構造として、特許文献4に示す構造が提案されている。具体的には、特許文献4では、コネクタターミナルが挿入される貫通孔と電子部品が挿入される貫通孔の径の差を小さくし、リフロー用のはんだが一括して塗布できるようにすることで、1回のリフローによって電子部品やコネクタターミナルと回路基板とのはんだ付けが行えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−235578号公報
【特許文献2】特開2007−73321号公報
【特許文献3】特開2014−217104号公報
【特許文献4】特開2014−110224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電子部品やコネクタターミナルの回路基板へのはんだ付けのリフローを同時に行う場合、コネクタ部に備えられたコネクタターミナルを回路基板の貫通孔内に嵌め込んだ状態でリフロー実装工程に搬送される。このため、特許文献1〜3に示すようなコネクタ部をケースのカバー(蓋)として機能させる構造に適用すると、コネクタ部がケースの開口部を塞ぐ寸法、つまり回路基板よりも大きな寸法とされるため、回路基板からコネクタ部がはみ出した状態で搬送されることになる。したがって、搬送の際に、回路基板およびコネクタ部を保護しつつ、搬送時のスペース確保のために、回路基板の周囲を囲む通称“耳”と呼ばれる搬送スペースを回路基板およびコネクタ部の周囲を囲むように備える必要がある。
【0008】
例えば、図10は、回路基板を複数備えた多連基板を示した図であるが、複数の回路基板J1のそれぞれにコネクタ部J2が組み付けられ、それらすべてを囲むように搬送スペースJ3が備えられている。このように、電子部品やコネクタターミナルの回路基板へのリフローを同時に行えるものの、搬送スペースが必要になって、多連基板などの基板を大型化しなければならなくなる。このため、単位面積当たりで確保できる回路基板数が減少し、製造コストの増加を招く。また、コネクタ部がリフロー時に高温に晒されることになるため、コネクタ部を耐熱樹脂によって構成しなければならず、材料選択の自由度が減るし、コスト増加にもなる。
【0009】
したがって、特許文献2、3のようにネジ止め構造を用いない構成において、特許文献4に示すように電子部品やコネクタターミナルの回路基板へのはんだ付けリフローを同時に行う形態を適用した場合、ネジ止め廃止による効果が得られても、コスト削減の効果が得られないか、逆にコスト高になる場合もある。
【0010】
本発明は上記点に鑑みて、コネクタ部を高温に晒さなくても良く、かつ、ネジ止め構造としなくても、コネクタターミナルと回路基板との間のはんだ付け部に加わる応力を低減することができる電気接続箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、配線パターンが形成されていると共に、該配線パターンに接続される貫通ビア(31、32)が形成された回路基板(3)と、貫通ビアに対してはんだ付けされるコネクタターミナル(41、42)を有し、回路基板に対して一体化される樹脂プレート(4)と、一面を開口面(21)とし、該開口面から回路基板および樹脂プレートを収容する開口部が形成されたケース(2)と、開口面を蓋閉めするカバーを構成し、ケースと共に樹脂プレートを挟持するハウジング(5)と、を有し、ハウジングおよびケースによって樹脂プレートが挟持されることで、樹脂プレートを介して回路基板がハウジングおよびケースの間に隙間を有して支持されていることを特徴としている。
【0012】
このように、ハウジングおよびケースによって樹脂プレートが挟持されることで、樹脂プレートを介して回路基板がハウジングおよびケースの間に隙間を有して支持される構造としている。これにより、例えばコネクタターミナルに対して応力が加えられても、はんだ付け部に加わる応力を軽減することが可能となる。また、樹脂プレートとハウジングを別体にできることから、はんだ付けの際のリフローを樹脂プレートおよび回路基板のみに対して行えば良く、ハウジングを高温に晒さなくても良い。
【0013】
したがって、コネクタ部となるハウジングを高温に晒さなくても良く、かつ、ネジ止め構造としなくても、コネクタターミナルと回路基板との間のはんだ付け部に加わる応力を低減することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明では、樹脂プレートは、回路基板の表面に対する法線方向に立設されており、ケースは、開口面と対応する底面(22)と、底面から開口面側に伸びる四面(23〜26)とを有し、回路基板のうち樹脂プレートが配置される側の一面と対応する一面を段付き面(23)として、該段付き面には、樹脂プレートに当接させられる段差部(23a)が形成され、該段差部において、ハウジングと共に樹脂プレートを挟持していることを特徴としている。
【0015】
このように、例えば、ケースの段付き面に形成した段差部において、ハウジングと共に樹脂プレートを挟持する構造とすることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明では、ケースのうち、段付き面と隣接している両側面(24、25)には、該両側面の内壁面から該ケースの開口部側に突き出し、回路基板の該ケースへの挿入方向に沿って延設されると共に互いに離間して設けられた第1レール(24b、25b)と第2レール(24c、25c)を有して構成されたケースレール部(24a、25a)が備えられ、回路基板は、第1レールと第2レールとの間において、所定の隙間を有して配置されていることを特徴としている。
【0017】
このように、ケースの両側面の内壁面に第1レールと第2レールとを有するケースレール部を備え、このケースレール部に沿って回路基板がガイドされるようにすることができる。その場合、第1レールと第2レールとの間において、回路基板が所定の隙間を有して配置されるようにすれば、上記したように応力の低減を図ることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明では、第1レールの先端は樹脂プレートに当接させられ、該第1レールの先端部において、ハウジングと共に樹脂プレートを挟持していることを特徴としている。
【0019】
このように、例えば第1レールの先端において、樹脂プレートをハウジングと共に挟持することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明では、樹脂プレートは、回路基板の表面に対する法線方向に立設されていて、長方形状の板状部(43)が備えられ、板状部の側面のうち回路基板に対して垂直とされた一面を第1基準面(45)とすると共に、回路基板側の一面を第2基準面(47)としており、ハウジングには、コネクタターミナルが挿入される貫通部(51)が形成されていると共に、該貫通部の周囲に、樹脂プレート側に突き出していて、樹脂プレートの第1基準面と当接する第1基準面を構成する第1ガイド(55a)および樹脂プレートの第2基準面と当接する第2基準面を構成する第2ガイド(55b)が備えられていることを特徴としている。
【0021】
このように、樹脂プレートに備えられる板状部の一面で構成された第1基準面とハウジングに備えられる第1ガイドによって構成された第1基準面とを一致させることで、第1基準面を基準として各部の形成位置が位置決めされる。また、樹脂プレートに備えられる板状部の一面で構成された第2基準面とハウジングに備えられる第2ガイドによって構成された第2基準面とを一致させることで、第2基準面を基準として各部の形成位置が位置決めされる。したがって、樹脂プレートおよびハウジングの各部の位置決めを第1基準面および第2基準面を基準として行え、製造誤差以内に収まるように精度を出すことが可能となる。
【0022】
請求項6に記載の発明では、ハウジングには、貫通部を挟んで第1ガイドと反対側に、樹脂プレート側に突き出す第3ガイド(55c)が備えられ、樹脂プレートのうち第3ガイドと対応する位置にはガイド孔(43b)が備えられ、第3ガイドのうちの貫通部側の部分がガイド孔に当接させられることで、樹脂プレートの第1基準面をハウジングの第1基準面側に押し付けていることを特徴としている。
【0023】
このように、第3ガイドがガイド孔のうち貫通部側、つまり第1基準面側の一辺と当接することで、樹脂プレートが第1ガイド側に押し付けられる。これにより、ハウジングの第1基準面と樹脂プレートの第1基準面とが一致するようにできる。
【0024】
請求項7に記載の発明では、ハウジングには、貫通部を挟んで第2ガイドと反対側に、樹脂プレート側に突き出す第4ガイド(55d)が備えられ、第4ガイドのうちの貫通部側の部分が樹脂プレートに当接させられることで、樹脂プレートの第2基準面をハウジングの第2基準面側に押し付けていることを特徴としている。
【0025】
このように、第4ガイドがガイド孔のうち貫通部側、つまり第2基準面側の一辺と当接することで、樹脂プレートが第2ガイド側に押し付けられる。これにより、ハウジングの第2基準面と樹脂プレートの第2基準面とが一致するようにできる。
【0026】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1実施形態にかかるリレーモジュール装置1の外観斜視図である。
図2図1中の一点鎖線で囲んだ領域を矢印方向から見たときの断面図である。
図3】リレーモジュール装置1の分解斜視図である。
図4】リレーモジュール装置1の一部の組み付けの様子を示した斜視図である。
図5】樹脂プレート4をリレーモジュール装置1の正面側から見た図である。
図6】(a)〜(c)は、それぞれ、ハウジング5の正面図、上面図、側面図である。
図7】リレーモジュール装置1の一部の組み付け後の様子を示した斜視図である。
図8】回路基板3を複数枚一体化した多連基板を示した図である。
図9】コネクタ部をハウジング5の開口部に差し込んだり抜いたりしたときに加わる応力の伝達経路を示した断面図である。
図10】従来の回路基板を複数備えた多連基板を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0029】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態では、電気接続箱として、リレーモジュール装置を例に挙げて説明する。
【0030】
図1は、リレーモジュール装置1の外観斜視図である。図2は、図1中の一点鎖線で囲んだ領域を矢印方向から見たときの断面図である。図3は、リレーモジュール装置1の分解斜視図である。図4は、リレーモジュール装置1の一部の組み付けの様子を示した斜視図である。図5は、樹脂プレート4の正面図、図6(a)〜(c)は、それぞれ、ハウジング5の正面図、上面図、側面図である。図7は、リレーモジュール装置1の一部の組み付け後の様子を示した斜視図である。なお、図3図5は、ぞれそれ、図1の矢印III、IV、V方向から見た図に対応している。図6において、正面図は図1中のV方向から見た図に対応している。
【0031】
リレーモジュール装置1は、負荷を駆動するのに用いられるリレー回路が備えられた装置である。図1図3に示すように、リレーモジュール装置1は、一方向が開口した開口部を有するケース2の開口部に回路基板3および樹脂プレート4を挿入しつつハウジング5を嵌め込むことで構成されている。図2に示すように、ケース2内には回路基板3および樹脂プレート4が収容され、ケース2内において回路基板3に組みつけられた樹脂プレート4がケース2とハウジング5とに挟み込まれるようにして、回路基板3および樹脂プレート4が保持されている。
【0032】
図3に示すように、ケース2は、一面が開口しており、開口する一面(以下、開口面という)21に対して対向する一面を底面22、底面22から開口面21側に伸びる四面を側面23〜26とした略長方体形状の部材で構成されている。そして、ケース2の開口面21にハウジング5が嵌め込まれることにより、ケース2内が密閉される。
【0033】
ケース2は、側面23〜26のうちの一面23、具体的には回路基板3のうち樹脂プレート4が配置される側の一面と対応する面が段付き形状の段差部23aが形成された段付き面とされることで、開口面21側よりも底面22側において開口面積が縮小された構造とされている。また、一面23と隣接している両側面24、25は、内壁面に開口部側へ突き出したケースレール部24a、25aが形成されたレール面とされ、このケースレール部24a、25aに沿って回路基板3がガイドされるようになっている。そして、ケース2のうち、段差部23aが形成された一面の反対側の一面26に沿って回路基板3が設置される。以下、一面23を段付き面23、両側面24、25をレール面24、25、一面26を設置面26という。
【0034】
図2に示すように、段付き面23に形成された段差部23aは、段付き面23に対して垂直方向となる内壁面を構成するものであり、この内壁面が樹脂プレート4に当接させられる。段差部23aの形成位置、つまり底面22から段差部23aまでの距離は、樹脂プレート4から底面22側への回路基板3の突き出し量よりも長くされ、回路基板3の端面と底面22との間に隙間が空けられるように設定されている。
【0035】
また、段付き面23の内壁面のうちの開口面21側には突起部23bが形成されており、ケース2内にハウジング5を嵌め込んだ時に、ハウジング5に突起部23bが引っ掛かることによってハウジング5がケース2から脱落することを防止している。
【0036】
レール面24、25に形成されたケースレール部24a、25aは、共に、互いに離間配置された第1レール24b、25bと第2レール24c、25cによって構成されている。第1レール24b、25bと第2レール24c、25cは、回路基板3のケース2への挿入方向(図3中の矢印A1方向)に沿って延設されている。
【0037】
第1レール24b、25bと第2レール24c、25cの間の間隔は、ケース2の開口面21側において幅広とされ、底面22側において回路基板3の厚みよりも若干大きい程度の幅まで縮小された構造となっている。このため、回路基板3がケース2に挿入されるときには、幅広な間隔とされた第1レール24b、25bと第2レール24c、25cの間に容易に入り込む。そして、底面22側において、回路基板3と第1レール24b、25bおよび第2レール24c、25cの少なくとも一方との間に隙間が設けられつつ、当該隙間が狭くなることで、回路基板3が所望位置に保持されるようになっている。
【0038】
第1レール24b、25bおよび第2レール24c、25cの長さは任意であるが、本実施形態では、第1レール24b、25bについて、開口面21側の先端が樹脂プレート4に当接するように長さを設定してある。なお、レール面24、25の内壁面からの第1レール24b、25bおよび第2レール24c、25cの突き出し量についても任意である。ただし、両レール部24a、25a間の距離が回路基板3のうちケース2への挿入方向と垂直な方向の幅よりも短くなり、かつ、両レール部24a、25aが回路基板3の実装部品に干渉しない程度となるように、当該突き出し量が設定されている。
【0039】
図2に示すように、設置面26は、ケース2内に挿入された回路基板3から所定距離離間させられている。設置面26と回路基板3との間の距離は、回路基板3にはんだ付けされた各種実装部品の端子などの先端の突き出し部分が設置面26と干渉しない程度に設定されている。図2および図3に示すように、設置面26の内壁面のうちの開口面21側には突起部26aが形成されており、ケース2内にハウジング5を嵌め込んだ時に、ハウジング5に突起部26aが引っ掛かることによってハウジング5がケース2から脱落することを防止している。
【0040】
回路基板3は、リレー回路の配線パターンが形成されたものであり、例えばプリント基板によって構成されている。回路基板3におけるケース2への挿入方向と垂直な方向の幅は、ケース2の同方向における開口幅よりも小さくされ、回路基板3とケース2の内壁面との間に所定の隙間が設けられるようになっている。また、回路基板3の厚みは、上記したケースレール部24a、25aを構成する第1レール24b、25bと第2レール24c、25cとの間の間隔よりも薄くされている。
【0041】
図3に示すように、回路基板3には、複数の貫通ビア31、32が形成されており、各貫通ビア31、32に対して、後述するコネクタターミナル41、42の先端が挿入され、はんだ付けによって電気的に接続されている。また、図4では図示していないが、図3に示すように、回路基板3にはリレー回路に備えられるマイクロコンピュータ(またはIC)、電解コンデンサなどの各電子部品33、34が実装されており、はんだ付けによって回路基板3に形成された配線パターンと電気的に接続されている。
【0042】
また、回路基板3には、複数の貫通孔35a〜35cが形成されている。これら複数の貫通孔35a〜35cに後述する樹脂プレート4のボス部46a〜46cの先端が嵌め込まれることで、回路基板3に対する樹脂プレート4の位置決めが為されている。
【0043】
樹脂プレート4は、複数のコネクタターミナル41、42を保持するものであり、樹脂部分は耐熱樹脂によって構成され、回路基板3の表面に対する法線方向に立設されている。樹脂プレート4は、複数の貫通孔内に各コネクタターミナル41、42を圧入すること、もしくは、各コネクタターミナル41、42をインサート成形することによって形成されている。樹脂プレート4のうち、コネクタターミナル41が配置された部分は長方形状の板状部43とされている。また、樹脂プレート4のうち、コネクタターミナル42が配置された部分は板状部43からハウジング5側に突き出した突出部44とされている。
【0044】
板状部43のうちのコネクタターミナル41の周囲には、後述するハウジング5に形成された第1貫通部51と対応する形状の凸部43aが形成されている。また、突出部44のうちのコネクタターミナル42の周囲にも、後述するハウジング5に形成された第2貫通部52と対応する形状の凸部44aが形成されている。
【0045】
図5の紙面左右方向での樹脂プレート4における各コネクタターミナル41、42や各凸部43a、44aの形成位置については、板状部43の側面のうち回路基板3に対して垂直とされた一面であって、突出部44と反対側の一面を第1基準面45として位置決めされている。すなわち、第1基準面45からの距離を基準として各コネクタターミナル41、42や各凸部43a、44aの形成位置が決められており、製造誤差以内に収まるように精度が出されている。
【0046】
樹脂プレート4は、板状部43の平面方向が回路基板3の法線方向を向くようにして回路基板3に保持される。樹脂プレート4のうち、回路基板3側の端面には、回路基板3側に突き出した突起部にて構成されるボス部46a〜46cが形成されている。これらボス部46a〜46cの先端が回路基板3に形成された貫通孔35a〜35cに嵌め込まれることで、樹脂プレート4が回路基板3に対して位置決めが為された状態で保持される。
【0047】
樹脂プレート4に備えられた各コネクタターミナル41、42は、板状部43や突出部44を貫通してハウジング5側とその反対側に突き出している。コネクタターミナル41、42のうち、ハウジング5と反対側の部分は、板状部43の法線方向に突き出してから垂直方向に折り曲げられており、その端部が回路基板3側に突き出している。この端部が回路基板3に形成された複数の貫通ビア31、32内に挿入され、はんだ付けされることで電気的に接続されている。
【0048】
樹脂プレート4における板状部43には、コネクタターミナル41が配置された凸部43aと異なる位置において、板状部43を貫通するガイド孔43bが形成されている。ガイド孔43bは、後述するハウジング5に形成されたガイド55cが嵌め込まれる部分である。ガイド55cがガイド孔43bのうち第1基準面45側(ハウジング5で言えば第1貫通部51側)の一辺と当接することで、樹脂プレート4の第1基準面45とハウジング5の後述する第1基準面56とが一致するように樹脂プレート4を押さえられるようになっている。
【0049】
また、図5の紙面上下方向での樹脂プレート4における各コネクタターミナル41、42や各凸部43a、44aの形成位置については、板状部43の側面のうちの回路基板3側の一面を第2基準面47として位置決めされている。すなわち、第2基準面47からの距離を基準として各コネクタターミナル41、42や各凸部43a、44aの形成位置が決められており、製造誤差以内に収まるように精度が出されている。この第2基準面47とハウジング5の後述する第2基準面57とが一致させられている。
【0050】
ハウジング5は、回路基板3に対して樹脂プレート4のコネクタターミナル41、42を実装した後に、樹脂プレート4が組み付けられるもので、回路基板3および樹脂プレート4をケース2の開口部内に挿入したのち、ケース2の開口部内に嵌め込まれることで、ケース2の開口面21を蓋閉めするカバーとなる。また、ハウジング5は、ケース2に嵌め込まれると、第1貫通部51が形成された側の端面において、樹脂プレート4を段差部23aや第1レール24b、25bの先端に押し付けることで、樹脂プレート4を段差部23aや第1レール24b、25bの先端と共に挟持する。
【0051】
なお、図7では、回路基板3に対して樹脂プレート4のコネクタターミナル41、42を実装した後、ハウジング5を樹脂プレート4に対して固定した状態を示しているが、本図中におけるハッチングを示した部分が、ハウジング5によって樹脂プレート4をケース2側に押し付けたときに、段差部23aや第1レール24b、25bの先端が当接する部位を表している。
【0052】
図4に示すように、ハウジング5には、第1、第2貫通部51、52が形成されており、各貫通部51、52に樹脂プレート4から突き出したコネクタターミナル41、42の先端が挿入される。本実施形態の場合、第1、第2貫通部51、52は、長方形状に貫通させられている。樹脂プレート4のうちのコネクタターミナル41、42の近傍の凸部43a、44aは、第1、第2貫通部51、52と対応する突形状とされており、各凸部43a、44aが第1、第2貫通部51、52に嵌り込むようになっている。
【0053】
また、図1図3に示されるように、ハウジング5のうち、樹脂プレート4と反対側の一面は開口させられており、図2に示されるように、この開口部53内に第1、第2貫通部51、52に挿入された各コネクタターミナル41、42が露出させられている。このハウジング5をコネクタ部として、開口部53内に図示しない別のコネクタ部が差し込まれることで、コネクタターミナル41、42との電気的接続が図れるようになっている。
【0054】
図4および図6に示されるように、ハウジング5に形成された第1貫通部51の周囲のうち第2貫通部52と反対側の一辺と対応する位置に、樹脂プレート4側に伸びるフック54aが形成されている。フック54aの先端部は第1貫通部51の内側方向に延びる爪が形成されたものであり、爪の部分が樹脂プレート4に引っ掛けられるようになっている。同様に、ハウジング5に形成された第2貫通部52の周囲のうち第1貫通部51と反対側の一辺と対応する位置に、樹脂プレート4側に伸びるフック54bが形成されている。フック54bの先端部は第2貫通部52の内側方向に延びる爪が形成されたものであり、爪の部分が樹脂プレート4に引っ掛けられるようになっている。
【0055】
また、ハウジング5には、長方形状とされた第1貫通部51の各辺それぞれと対応して、樹脂プレート4側に伸びるガイド(第1〜第4ガイド)55a〜55dが備えられている。各ガイド55a〜55dは、第1貫通部51の各辺に対して平行に伸びる平板状で構成されている。
【0056】
これらのうち、第1貫通部51を挟んで第2貫通部52と反対側の一辺と対応する位置に設けられたガイド55aは、ハウジング5における第1基準面56を構成するものであり、ガイド55aのうち第1貫通部51側の一面が平面とされることで第1基準面56が構成されている。また、第1貫通部51のうち第2貫通部52側の一辺と対応する位置に設けられたガイド55cは、樹脂プレート4に形成されたガイド孔43bに嵌め込まれる。ガイド55cがガイド孔43bのうち第1基準面45側の一辺と当接することで、樹脂プレート4がもう一方のガイド55a側に押し付けられる。これにより、ハウジング5の第1基準面56と樹脂プレート4の第1基準面45とが一致するようになっている。
【0057】
また、第1貫通部51のうち回路基板3側の一辺と対応する位置に設けられたガイド55bは、ハウジング5における第2基準面57を構成するものであり、ガイド55bのうち第1貫通部51側の一面が平面とされることで第2基準面57が構成されている。また、第1貫通部51のうち回路基板3と反対側の一辺と対応する位置に設けられたガイド55dは、樹脂プレート4の板状部43の回路基板3と反対側の端面に当接させられることで、樹脂プレート4をもう一方のガイド55b側(ハウジング5で言えば第1貫通部51側)に押し付けている。これにより、ハウジング5の第2基準面57と樹脂プレート4の第2基準面47とが一致するようになっている。
【0058】
以上のような構成により、本実施形態にかかるリレーモジュール装置1が構成されている。このように構成されるリレーモジュール装置1は、次のようにして製造される。
【0059】
まず、配線パターンが形成された回路基板3を用意すると共に、複数のコネクタターミナル41、42が備えられた樹脂プレート4や電子部品33、34を用意する。続いて、回路基板3に形成された複数の貫通ビア31、32や電子部品33、34の実装部位に塗布されるように、回路基板3の表裏面にクリームはんだを印刷する。そして、電子部品33、34をクリームはんだ上に搭載すると共に、ボス部46a〜46cの先端を貫通孔35a〜35cに挿入して樹脂プレート4の位置決めを行ったのち、複数の貫通ビア31内にコネクタターミナル41、42の先端を挿入する。
【0060】
この状態で、リフロー実装装置(リフロー炉)内に搬送し、リフローによってクリームはんだを溶融させ、各部のはんだ付けを行う。このとき、ハウジング5を取り付けていない状態、つまり回路基板3と樹脂プレート4のみでリフロー実装装置に搬送すれば良いことから、回路基板3の幅よりも大きな部材が搭載されない状態での搬送が可能となる。したがって、回路基板3の周囲を囲む通称“耳”と呼ばれる搬送スペースを回路基板の周囲を囲むように設ける必要がない。
【0061】
例えば、図8に示すように、回路基板3を複数枚一体化した多連基板の状態でリフロー実装装置に搬送する場合でも、各回路基板3に樹脂プレート4を搭載した状態で搬送されることになるが、各回路基板3を直接連結させただけの構造で良く、その周囲に搬送スペースを別途設ける必要は無い。
【0062】
また、ハウジング5をリフロー時には回路基板3や樹脂プレート4と一体化していないことから、ハウジング5は高温に晒されない。つまり、耐熱樹脂が要求されるのは樹脂プレート4だけであり、ハウジング5については耐熱性脂である必要はない。したがって、ハウジング5の材料選択の自由度を高めることが可能とになるし、コスト削減を図ることも可能となる。
【0063】
また、ハウジング5を一体化した状態で樹脂プレート4を回路基板3に組み付ける場合、ハウジング5の重みにより、各コネクタターミナル41、42の先端が貫通ビア31、32から外れる方向に樹脂プレート4が傾倒し得る。しかしながら、ハウジング5を一体化していない状態であると、樹脂プレート4のうち重くなるのはコネクタターミナル41、42のうち樹脂プレート4から突き出ている部分の長さが長くなっている部分、つまり貫通ビア31、32側となる。したがって、樹脂プレート4の自重が各コネクタターミナル41、42の先端が貫通ビア31、32内に入り込む側に作用し、より的確にはんだ付けが行われるようになる。
【0064】
このようにしてはんだ付けが完了すると、回路基板3および樹脂プレート4をリフロー実装装置から取り出し、樹脂プレート4にハウジング5を固定する。具体的には、第1貫通部51内にコネクタターミナル41および凸部43aを嵌めると共に、第2貫通部52内にコネクタターミナル42および凸部44aを嵌める。また、ガイド55a、55b、55dを板状部43の各辺に当接させつつ、ガイド孔43b内にガイド55cを嵌め込み、フック54a、54bの爪が樹脂プレート4に引っ掛かるようにする。
【0065】
これにより、ハウジング5の第1基準面56と樹脂プレート4の第1基準面45とが一致しつつ、ハウジング5の第2基準面57と樹脂プレート4の第2基準面47とが一致するようにして、ハウジング5が樹脂プレート4に固定され、回路基板3と樹脂プレート4およびハウジング5が一体化される。
【0066】
このとき、ハウジング5の第1基準面56と樹脂プレート4の第1基準面45とが一致し、さらに、ハウジング5の第2基準面57と樹脂プレート4の第2基準面47とが一致することから、同じ基準面を基準として、樹脂プレート4の各部やハウジング5の各部が位置決めされた状態になる。したがって、樹脂プレート4やハウジング5に個々に製造誤差が生じていたとしても、同じ基準面を基準とした誤差となることから、2重の誤差にならず、誤差の低減を図ることが可能となる。
【0067】
この後、ケース2内に開口面21から回路基板3および樹脂プレート4を挿入しつつ、ハウジング5をカバーとしてケース2の開口面21を蓋閉めする。このとき、回路基板3を第1レール24b、25bと第2レール24c、25cとの間の隙間に挿入し、回路基板3がケース2内における所望位置に配置されるようにする。
【0068】
これにより、ハウジング5およびケース2によって樹脂プレート4が挟持され、樹脂プレート4を介して回路基板3がハウジング5およびケース2の間に隙間を有して支持された状態となる。具体的には、図2に示すように、ハウジング5とケース2の段差部23aとの間、および、ハウジング5と第1レール24b、25bの先端との間において、樹脂プレート4が挟持される。このとき、樹脂プレート4がケース2とハウジング5とによって挟持されるが、回路基板3については、ケース2内においてケース2やハウジング5との間に隙間が設けられた状態で樹脂プレート4に支持された状態となる。
【0069】
したがって、ハウジング5の開口部に図示しない外部のコネクタ部が差し込まれたり引き抜かれることによって、コネクタターミナル41、42に対して応力が加えられても、はんだ付け部に加わる応力を軽減することが可能となる。
【0070】
例えば、図9に示すように、コネクタ部をハウジング5の開口部に差し込むときには、図中矢印A方向に押されることになり、樹脂プレート4から実線矢印のような伝達経路で応力が加えられる。この場合でも、樹脂プレート4からケース2の段差部23aや第1レール24b(25b)の先端に応力が伝えられることになり、コネクタターミナル41、42と回路基板3とのはんだ付け部には応力が殆ど伝わらない。
【0071】
また、図9に示すように、コネクタ部をハウジング5の開口部から引き抜くときには、図中矢印B方向に引っ張られることになり、樹脂プレート4から破線矢印のような伝達経路で応力が加えられる。この場合でも、樹脂プレート4からハウジング5に応力が伝えられ、さらにケース2のうち開口面21側の端部(23b、26a)に伝えられることになり、コネクタターミナル41、42と回路基板3とのはんだ付け部には応力が殆ど伝わらない。
【0072】
そして、このような構造では、樹脂プレート4とハウジング5を別体としていることから、はんだ付けの際のリフローを樹脂プレート4および回路基板3のみに対して行えば良く、ハウジング5を高温に晒さなくても良い。
【0073】
したがって、本実施形態のリレーモジュール装置1によれば、コネクタ部となるハウジング5を高温に晒さなくても良く、かつ、ネジ止め構造としなくても、コネクタターミナル41、42と回路基板3との間のはんだ付け部に加わる応力を低減することができる。
【0074】
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
【0075】
例えば、電気接続箱の一例としてリレーモジュール装置1を例に挙げたが、ECUなどが備えられた電子接続箱に対しても本発明を適用できる。
【0076】
また、上記実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0077】
1…リレーモジュール装置、2…ケース、3…回路基板、4…樹脂プレート、5…ハウジング、21…開口面、22…底面、23…段付き面、23a…段差部、23b…突起部、24、25…レール面、24a、25a…ケースレール部、24b、25b…第1レール、24c、25c…第2レール、26…設置面、31、32…貫通ビア、33、34…電子部品、35a〜35c…貫通孔、41、42…コネクタターミナル、43…板状部、43a…凸部、43b…ガイド孔、44…突出部、44a…凸部、45…第1基準面、46a〜46c…ボス部、47…第2基準面、51、52…貫通部、53…開口部、54a、54b…フック、55a〜55d…ガイド、56…第1基準面、57…第2基準面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10