特許第6319174号(P6319174)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6319174
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】携帯端末用観察部材
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/22 20060101AFI20180423BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20180423BHJP
   H04N 13/30 20180101ALI20180423BHJP
   G03B 35/18 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
   G02B27/22
   G02B27/02 Z
   H04N13/04 360
   G03B35/18
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-97213(P2015-97213)
(22)【出願日】2015年5月12日
(65)【公開番号】特開2016-110053(P2016-110053A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2017年5月10日
(31)【優先権主張番号】特願2014-243790(P2014-243790)
(32)【優先日】2014年12月2日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大野 森太郎
(72)【発明者】
【氏名】井上 健弘
【審査官】 右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭40−022459(JP,Y1)
【文献】 特開2007−075300(JP,A)
【文献】 実開平04−037920(JP,U)
【文献】 実開平07−008823(JP,U)
【文献】 特開平07−132973(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0277575(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/22 − 27/26
G02B 27/01 − 27/02
G03B 35/00 − 35/26
H04N 13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の表示部に表示される右眼用映像及び左眼用映像からなる映像を見るための携帯端末用観察部材であって、右目用レンズ及び左目用レンズを搭載するレンズ搭載部を設けた前面板と、該前面板の縦方向に折目線を介してそれぞれ連接される天面板と、該天面板に連接される背面板から成り、
該天面板の背面板に接する部分に携帯端末を保持する携帯端末保持領域を有し、
携帯端末保持領域に保持される携帯端末の表示部に表示される右眼用映像及び左眼用映像と搭載される右目用レンズ及び左目用レンズの間を分離する仕切り部を有し、
該仕切り部は、天面板の一部に設けた切り込み線、折目線により形成され
該前面板に仕切り部固定部を有し、仕切り部固定部が開口を有し、該仕切り部に仕切り部固定部に形成された開口に差込可能なフックを備えることを特徴とする携帯端末用観察部材。
【請求項2】
前記背面板は、前記天面板の縦方向に折目線を介して前面板とは反対側に連接されてなることを特徴とする請求項1記載の携帯端末用観察部材。
【請求項3】
前記前面板に仕切り部固定部を有し、仕切り部固定部及び/又は前記仕切り部に仕切り部固定用切り込みを有することを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末用観察部材。
【請求項4】
前記前面板に、鼻よけ部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の携帯端末用観察部材。
【請求項5】
前記鼻よけ部が仕切り部固定部を兼ねることを特徴とする請求項4に記載の携帯端末用観察部材。
【請求項6】
前記携帯端末保持領域に粘着又は吸着部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の携帯端末用観察部材。
【請求項7】
前記背面板が仕切り部に連接されてなり、背面板又は携帯端末保持領域に開口を有し、携帯端末保持領域又は背面板に該開口に差込可能なフックを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の携帯端末用観察部材。
【請求項8】
前記前面板又は背面板に延接された収納用緩衝部を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の携帯端末用観察部材。
【請求項9】
前記レンズ搭載部に右目用レンズ及び左目用レンズが搭載されてなることを特徴とする
請求項1〜8のいずれかに記載の携帯端末用観察部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスマートフォン等の携帯端末の表示部に表示された映像を見るための携帯端末用3Dビューワなどの携帯端末用観察部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォン等の情報端末に表示された、互いに視差がある左眼用画像と右眼用画像を、情報端末に着脱可能な簡易3Dビューワを用いて立体視する技術が知られている。簡易3Dビューワとしては、以下のものがある。
【0003】
特許文献1に開示されている映像観察装置は、机上等に設置して利用する携帯端末用3Dビューワであり、レンズ部、台座部及び連結部を備える筐体と、筐体に別途取り付ける仕切り部から構成されることを特徴としている。これにより、観察者は情報端末及び筐体を手に持つことなく、且つ、観察姿勢を安定させて立体映像コンテンツを視聴することができる。
【0004】
また、特許文献2に開示されているステレオビューワは、携帯端末に着脱可能な携帯端末用3Dビューワであり、アーム、双眼レンズ、仕切り部及び支持手段がそれぞれ回動軸によって結合された構成であること特徴としている。これにより、仕切り部と支持手段で携帯端末を挟んで支持することができ、また、未使用時には回動軸で折り畳むことでステレオビューワを小型化し、携帯性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3185458号公報
【特許文献2】特開2013−190450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記に示した簡易3Dビューワは、いずれも複数の部材から構成されるものであり、コストが高くなるという問題があった。
【0007】
本発明は上記の課題を解決する1枚のシート状基材から組み立てることが可能である、より安価な3Dビューワを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、携帯端末の表示部に表示される右眼用映像及び左眼用映像からなる映像を見るための携帯端末用観察部材であって、右目用レンズ及び左目用レンズを搭載するレンズ搭載部を設けた前面板と、該前面板の縦方向に折目線を介してそれぞれ連接される天面板と、該天面板に連接される背面板から成り、該天面板の背面板に接する部分に携帯端末を保持する携帯端末保持領域を有し、携帯端末保持領域に保持される携帯端末の表示部に表示される右眼用映像及び左眼用映像と搭載される右目用レンズ及び左目用レンズの間を分離する仕切り部を有し、該仕切り部は、天面板の一部に設けた切り込み線、折目線により形成されることを特徴とする携帯端末用観察部材。
【0009】
また、背面板は、天面板の縦方向に折目線を介して前面板とは反対側に連接されてなることを特徴とする。
【0010】
また、前面板に仕切り部固定部を有し、仕切り部固定部及び/又は仕切り部に仕切り部固定用切り込みを有することを特徴とする。
【0011】
また、前面板に仕切り部固定部を有し、仕切り部固定部が開口を有し、仕切り部に仕切り部固定部に形成された開口に差込可能なフックを備えることを特徴とする。
【0012】
また、前面板に、鼻よけ部を有することを特徴とする。
【0013】
また、鼻よけ部が仕切り部固定部を兼ねることを特徴とする。
【0014】
また、携帯端末保持領域に粘着又は吸着部を有することを特徴とする。
【0015】
また、背面板が仕切り部に連接されてなり、背面板又は携帯端末保持領域に開口を有し、携帯端末保持領域又は背面板に該開口に差込可能なフックを備えることを特徴とする。
【0016】
また、前面板又は背面板に延接された収納用緩衝部を有することを特徴とする。
【0017】
また、レンズ搭載部に右目用レンズ及び左目用レンズが搭載されてなることを特徴とする。
【0018】
また、切り込み線を設けた一枚のシートから、切り込み線に沿って切り取ることにより、展開状態の携帯端末用観察部材を取り出すことができようにされてなる携帯端末用観察部材用シートであって、展開状態の携帯端末用観察部材は、右目用レンズ及び左目用レンズを搭載するレンズ搭載部を設けた前面板と、前面板の縦方向に折目線を介してそれぞれ連接される天面板と、天面板の縦方向に折目線を介して前面板とは反対側に連接される背面板から成り、組み立てされた状態において天面板の背面板に接する部分に携帯端末を保持する携帯端末保持領域を有し、携帯端末保持領域に保持される携帯端末の表示部に表示される右眼用映像及び左眼用映像と搭載される右目用レンズ及び左目用レンズの間を分離する仕切り部を有し、仕切り部は、天面板の一部に設けた切り込み線、折目線により形成される携帯端末用観察部材用シートとする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、1枚のシート状基材から携帯端末用観察部材を組み立てることが可能であり、より安価に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の携帯端末用観察部材の一例を示す展開平面図である。
図2】本発明の携帯端末用観察部材の一例を示す展開平面図である。
図3】本発明の携帯端末用観察部材の使用形態の一例を示す概略図である。
図4】本発明の携帯端末用観察部材の一例を示す展開平面図である。
図5】本発明の携帯端末用観察部材の一例を示す展開平面図である。
図6】本発明の携帯端末用観察部材の使用形態の一例を示す概略図である。
図7】本発明の携帯端末用観察部材の一例を示す展開平面図である。
図8】本発明の携帯端末用観察部材の使用形態の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る携帯端末用観察部材は、観察者が所有するスマートフォン等の携帯端末の表示部に表示された映像を見るための装置である。具体的には、レンズを備える携帯端末用観察部材に携帯端末を装着し、携帯端末の表示部の画像や映像を、レンズを通して観察するものである。
【0022】
図1、2、4、5、7に本発明の携帯端末用観察部材の展開平面図を示す。
【0023】
図1、2、4、5、7において、携帯端末用観察部材は左右の目に対応した箇所にそれぞれ右目用及び左目用のレンズが配置されるレンズ搭載部1を設けた前面板2を備える。前面板2は観察者の眼前に配置される。レンズ搭載部1には、右目用及び左目用の2つのレンズが搭載される。レンズは、携帯端末の表示部に表示される画像、映像を拡大して視認できるようにすると共に、右目用と左目用の2つのレンズを用いることで、携帯端末の表示部に表示される左右の視差画像、映像を立体的に視認可能とするものである。
なお、図中、実線は切り込み線(又は切り取り用のミシン目)を表し、一点鎖線は折目線を表し、点線は境界線を表す。
【0024】
本発明の携帯端末用観察部材に用いる素材は、段ボール紙、ボール紙、板紙、厚紙、などの紙材や、折り加工が可能な樹脂基材があげられる。また、折部には、ミシン目加工、ハーフカット加工など折りやすくする加工を施していてもよい。
【0025】
本発明の携帯端末用観察部材は、1枚のシートから容易に加工可能なことを特徴としており、製法としては、用意した1枚のシートに携帯端末用観察部材を切り取るための切り込み加工を施し、手動又は機械により打ち抜く(切り出す)ことで容易に携帯端末用観察部材を得ることができる。
具体的には、図4に示すように、切り込み線を設けた一枚のシートから、切り込み線に沿って切り取ることにより、展開状態の携帯端末用観察部材を取り出すことができようにされており、展開状態の携帯端末用観察部材は、右目用レンズ及び左目用レンズを有するレンズ搭載部を設けた前面板と、前面板の縦方向に折目線を介してそれぞれ連接される天面板と、天面板の縦方向に折目線を介して前面板とは反対側に連接される背面板から成り、組み立てされた状態において天面板の背面板に接する部分に携帯端末を保持する携帯端末保持領域を有し、携帯端末保持領域に保持される携帯端末の表示部に表示される右眼用映像及び左眼用映像と右目用レンズ及び左目用レンズの間を分離する仕切り部を有し、仕切り部は、天面板の一部に設けた切り込み線、折目線により形成される。
切り込み線は、切り込みようの目安線とし、はさみ、カッター等で切り出すようにしてもよいし、道具を用いずに取り出せるよう、ハーフカットやミシン目加工としてもよい。また、例えば切り込み線A,B等は打ち抜きカットしていてもよいし、目安線、ハーフカット等を加工方法を部分毎に変えてもよい。
なお、図4において、網掛した部分が切り取られる部分である。
このように、1枚のシートから打ち抜く(切り出す)ことで携帯端末用観察部材を得ることができるため、打ち抜く(切り出す)前のシートを携帯端末用観察部材用シートとして、雑誌や本等のページに組み込み付録として使用することが可能となる。
【0026】
レンズとしては、凸型レンズやフレネルレンズなどを用いることができる。
これらのレンズは、樹脂やガラスなどで形成することができるが、軽量性、耐久性の点で樹脂性であることが好ましい。樹脂としては、アクリルなど成形性に優れるものを用いることができる。
レンズは右目用、左目用の2つを用い、1枚のレンズシートに右目用レンズ、左目用レンズを設けていてもよいし、右目用レンズ、左目用レンズをそれぞれ別体として用いてもよい。
なお、レンズははめ込みや糊付などによりレンズ搭載部1に固定することができる。
【0027】
前面板2の縦方向には、折目線aを介して連接される天面板3を有する。そして、天面板3の縦方向には、折目線bを介して前面板2とは反対方向に連接される背面板4を有する。
また、天面板3の背面板4に隣接する部分には携帯端末を保持する携帯端末保持領域5を有する。さらに、天面板3の一部には携帯端末の表示部とレンズの間において右眼用映像及び左眼用映像を分離する仕切り部6を有する。
携帯端末保持領域5は、携帯端末を保持する際の目安であり、携帯端末保持領域5に携帯端末の側面が位置するように保持する。なお、必ずしも携帯端末保持領域に接するように保持しなければいけないわけではない。
【0028】
仕切り部6は、天面板3の一部に設けた切り込み線、折目線により形成される。
具体的には、図1、4において、仕切り部6は、前面板2と天面板3の間の折目線aの延長にあり、横方向において天面板3の略半分の部分に形成され端部まで切り込む切り込み線Aと、携帯端末保持領域5の背面板4と反対側の端部の線の延長にあり、横方向において天面板3の略半分の部分に形成され端部まで切り込む切り込み線Bと、天面板の略中央部分において、切り込み線Aの端部と、切り込み線Bの端部を結ぶ折目線cから成る。
【0029】
このようにすることで、天面板3の一部に保持される携帯端末の表示部に表示される右眼用映像及び左眼用映像と右目用レンズ及び左目用レンズの間を分離することができ、立体画像を視認しやすくすることができる。
仕切り部は、レンズから携帯端末まで全て仕切るような形状でもよいし、少なくとも一部を仕切るような形状でもよい。
なお、図1の形態は、仕切り部6が携帯端末の表示部分を下側まで仕切ることが可能であり、かつレンズから携帯端末まで全て仕切るような形状であるため、分離性がよいものとなる。
【0030】
また、図2において、仕切り部6は、前面板2と天面板3の間の折目線aの延長にあり、横方向において天面板3の略半分の部分に形成され中央近傍から端部の手前途中まで切り込む切り込み線A’と、携帯端末保持領域5の背面板4と反対側の端部の線の延長にあり、横方向において天面板3の略半分の部分に中央近傍から端部の手前途中まで形成される切り込み線B’と、天面板3の略中央部分において、切り込み線A’の端部と、切り込み線B’の端部を結ぶ折目線c及び天面板3の端部側において切り込み線A’の逆側の端部と切り込み線B’の逆側の端部を結ぶ切り込み線Dからなる。
【0031】
このようにすることで、天面板3の一部に保持される携帯端末の表示部とレンズの間において右眼用映像及び左眼用映像を分離することができ、また、天面板3の両側がそれぞれ前面板2、背面板4と連結している状態であるため、形態保持性に優れる。
【0032】
また、前面板2には仕切り部固定部7を設けることができる。そして、この仕切り部固定部7と仕切り部6のいずれか、又は双方に仕切り部6固定用の切り込み線Cを設けることができる。この切り込み線Cにより、仕切り部6を固定が可能となる。仕切り部固定部7と仕切り部6の双方に切り込みを設け、固定する方が、より強固に固定することが可能である。
【0033】
また、仕切り部6は、図4、5、7のような形態にしてもよい。なお、段ボール紙、厚紙等の一定の厚み、剛性がある材料をお用いる場合、図7の折り線a’1、a’2のように平行に2つ設けて折りやすくすることができる。
【0034】
仕切り部固定部7は、例えば図1に示すように、前面板2の天面板3とは反対側の端部から突出するように形成し、折目線dにより奥側へ折り、切り込み線Cを仕切り部6に食い込ませることで固定が可能となる。
【0035】
また、前面板2に、鼻よけ部8を設けることができる。鼻よけ部8は、使用者が使用する際、前面板2の鼻が近接又は当たる位置を打ち抜き、又は切り込みにより奥へ折りこみ可能とすることで形成できる。
【0036】
具体的には図2に示すように、前面板2の天面板3とは反対側の端部側に切り込み線E、Fを設け、折目線eにより奥側に折るような形態があげられる。
さらに、鼻よけ部8に切り込みGを設けることでこの鼻よけ部8を奥側に折った際、切り込みGを仕切り部6に食い込ませることで仕切り部6の固定が可能となる。
【0037】
また、図4、5、7に示すように前面板に延接された又は前面板の一部に形成された仕切り部固定部7に差込部を設け、また仕切り部6にフック9を設け、フック9を仕切り部固定部7の差込部に差し込む(掛止する)ことで固定させてもよい。このようにすることで切り込みのみで固定するよりも安定性の高い固定が可能となる。差込部の形状はフックを差し込むことが可能であればどのような形状でも構わない。
なお、仕切り部固定部7の差込部にフック9を差し込む場合、図4、5、7に示すように、仕切り部固定部7の差込部を折り線dに沿っておることで差し込むことが可能となる。
【0038】
また、携帯端末保持領域5(携帯端末と接する側)には粘着又は吸着部を有することが好ましい。粘着又は吸着部を有することで、携帯端末保持領域5でも補助的な保持が可能となり、使用者の持ち手がはずれた際など、保持が弱まった際に、携帯端末の落下を防ぐことが可能となる。
また、携帯端末保持領域5(持ち手側)には、滑り止め加工を施してもよい。滑り止め加工を施すことで、安定して持つことが可能となる。滑り止め加工としては、凹凸を形成したり、滑り止め用のニスを塗工形成することができる。
【0039】
また、本発明では、仕切り部6に第二携帯端末保持領域13を設け、携帯端末保持領域5又は背面板4にそれぞれフック12と開口13を設け、背面板4と携帯端末保持領域5と第二携帯端末保持領域13により形成される携帯端末保持空間に携帯端末を固定させてもよい。このようにすることで携帯端末を手で支えずに保持することが可能となる。
具体的には、図5に示すように、天面板3と仕切り部6のうち、仕切り部から前面板とは反対側に連接されている領域に、仕切り板の天面板とは反対側の端部近傍を残して切り込みIを形成し、背面板4を形成する。なお、仕切り板の天面板とは反対側の端部近傍を出っ張るように切り込みJを形成し、また、携帯保持領域5と分離するよう切り込みKを形成し、切り込みJの端部から仕切り部の外辺に向かって折り線gを形成し、仕切り部6の出っ張り部分を第二携帯保持領域13を形成する。そして携帯保持領域5にはフック12を、背面4には開口13を、それぞれ差込(掛止)可能に形成する。
このようにすることで、図5の展開図のシートを、折り線a,c,dに沿って仕切り板固定部7と前面板1と仕切り部6を折りフック7と開口9を掛止させ、折り線gに沿って背面板4を折りフック12と開口13を掛止させることで、図6に示すように背面板4と仕切り部6と携帯端末保持領域5と第二携帯端末保持領域の間に形成された空間を有する構造とすることができ、この空間に携帯端末を保持させることができる。前述したように、この空間に携帯端末を保持させる場合は携帯端末から手を放しても保持することが可能である。
【0040】
また、本発明の携帯端末用観察部材は、他の物品と合わせてケースに収納して販売するようにすることができる。例えば、図8(a)に示すように、CD,DVD等他の物品200と合わせて携帯端末用観察部材100をケース300に収納することができる。
この場合、ケースの形状に合わせて収納し、さらに携帯端末用観察部材を取り出した後も物品を収納することができるようにするために、収納用緩衝部を設けることができる。
具体的には、図7に示すように、携帯端末用観察部材の背面板に延接された収納用緩衝部10を設けることができる。ここでは、折り部fに沿って折ることで、ケースのサイズに合わせた緩衝部材として機能させることができる。また前面板に延接するように設けてもよい。
携帯端末用観察部材から収納用緩衝部10を取り外した後は、収納用緩衝部は単体で折りたたんで使用することができ、図8(b)に示すように、収納用緩衝部材101として物品200と共にケースに収納することができる。
【符号の説明】
【0041】
1・・・レンズ搭載部
2・・・前面板
3・・・天面板
4・・・背面板
5・・・携帯端末保持領域
6・・・仕切り部
7・・・仕切り部固定部
8・・・鼻よけ部
9・・・フック
10・・収納用緩衝部
11・・・背面固定用孔
12・・・背面固定用フック
13・・・第二携帯端末保持領域
a、b、c、d、e、a’1、a’2、f、g・・・折目線
A、B、C、A’、B’、D、E、F、G、H、I・・・切り込み線
100・・・携帯端末用観察部材
101・・・収納用緩衝部材
200・・・物品
300・・・ケース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8