(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、空気入りタイヤの中には、氷雪上での走行性能を求められるものもあり、このような空気入りタイヤでは、トレッド面に形成する溝は、ブロックを区画する溝のみでなく、例えば、特許文献1において陸部内にサイプが設けられているように、ブロックにも細溝等を設けることによって、トレッド面上のエッジを増加させることが有効である。しかし、ブロックに細溝等を設けた場合、ブロックの接地時に圧縮された空気が細溝を流れることによって主溝に流れ易くなり、騒音が発生し易くなる。このため、氷雪上性能と低騒音化を両立するのは、大変困難なものとなっていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、氷雪上性能の向上と低騒音化とを両立することのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド面に形成され、タイヤ周方向に延びる複数の周方向主溝と、前記トレッド面に形成され、タイヤ幅方向に延びる複数のラグ溝と、タイヤ周方向における両側が前記ラグ溝により区画され、タイヤ幅方向における少なくとも一方の端部が前記周方向主溝により区画される複数のブロックと、前記ブロックに形成される細溝と、を備え、前記細溝は、複数の屈曲部を有すると共に、タイヤ周方向に延びる周方向細溝と、タイヤ幅方向に延びる幅方向細溝と、を有し、前記幅方向細溝と前記周方向細溝とのうち少なくとも一方は複数が設けられ、他方と交差することにより複数の交点を有することを特徴とする。
【0007】
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記屈曲部は、タイヤ幅方向において前記交点同士の間に位置しており、前記周方向細溝は前記ラグ溝に開口し、前記幅方向細溝は前記周方向主溝に開口していることが好ましい。
【0008】
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記細溝は、前記ブロックのタイヤ周方向における両側を区画するそれぞれの前記ラグ溝に開口することにより2箇所の開口部を有しており、2箇所の前記開口部のうち、一方の前記開口部と、タイヤ幅方向における前記ブロックの両端のうち当該開口部に近い側の端部とのタイヤ幅方向における距離W3は、前記ブロックのタイヤ幅方向における幅WBに対して0.15≦(W3/WB)≦0.40の範囲内になっており、2箇所の前記開口部のうち、他方の前記開口部と、タイヤ幅方向における前記ブロックの両端のうち当該開口部に近い側の端部とのタイヤ幅方向における距離W4は、前記ブロックのタイヤ幅方向における幅WBに対して0.15≦(W4/WB)≦0.40の範囲内になっていることが好ましい。
【0009】
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記細溝は、溝深さd1が前記周方向主溝の溝深さd2に対して0.05≦(d1/d2)≦0.50の範囲内であることが好ましい。
【0010】
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記細溝は、前記周方向細溝の溝深さd3と前記幅方向細溝の溝深さd4との関係が、0.5≦(d3/d4)≦0.8の範囲内であることが好ましい。
【0011】
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記細溝は、前記交点を2箇所有しており、一方の前記交点において交差する前記細溝同士の角度β1と、他方の前記交点において交差する前記細溝同士の角度β2とは、それぞれ70°≦β1≦90°、70°≦β2≦90°の範囲内であることが好ましい。
【0012】
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記細溝は、前記屈曲部を2箇所有しており、一方の前記屈曲部における前記細溝の屈曲角度α1と、他方の前記屈曲部における前記細溝の屈曲角度α2とは、それぞれ90°≦α1≦120°、90°≦α2≦120°の範囲内であることが好ましい。
【0013】
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記ブロックは、複数がタイヤ周方向に並ぶことによりブロック列を構成しており、前記トレッド面には、複数の前記ブロック列がタイヤ幅方向に並んでおり、前記細溝は、複数の前記ブロック列の前記ブロックに形成されることが好ましい。
【0014】
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記トレッド面には、6列の前記ブロック列が形成されており、前記細溝は、6列の前記ブロック列のうち、少なくともタイヤ幅方向の両端側に位置する2列の前記ブロック列以外の4列の前記ブロック列が有する前記ブロックに形成されることが好ましい。
【0015】
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記空気入りタイヤは、回転方向が指定されており、前記屈曲部は、前記細溝における、前記屈曲部よりタイヤ幅方向内側に位置する部分よりも、前記屈曲部よりタイヤ幅方向外側に位置する部分の方が、タイヤ回転方向における後ろ側に位置する方向に屈曲していることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る空気入りタイヤは、氷雪上性能の向上と低騒音化とを両立することができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0019】
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道線に向かう方向、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道線に向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸と直交する方向をいい、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心として回転する方向をいう。
【0020】
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。
図1に示す空気入りタイヤ1は、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部2が配設されており、トレッド部2の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、トレッド面3として形成されている。トレッド面3には、タイヤ周方向に延びる周方向主溝10と、タイヤ幅方向に延びるラグ溝15とが、それぞれ複数形成されており、この周方向主溝10とラグ溝15とにより、陸部であるブロック20が複数形成されている。つまり、ブロック20は、タイヤ周方向における両側がラグ溝15により区画され、タイヤ幅方向における少なくとも一方の端部が周方向主溝10により区画されており、これにより各ブロック20は、略四角形の形状になっている。
【0021】
詳しくは、周方向主溝10は、5本がタイヤ幅方向に並んで形成されており、5本の周方向主溝10は、それぞれタイヤ周方向に延びつつ、タイヤ幅方向に繰り返し屈曲して形成されている。即ち、タイヤ周方向に延在する周方向主溝10は、ジグザグ状に形成されている。また、ラグ溝15は、周方向主溝10を貫通しておらず、周方向主溝10を介して隣り合うラグ溝15同士は、タイヤ周方向における位置が異なる位置に形成されている。ここでいう周方向主溝10は、溝幅が3mm以上10mm以下の範囲内になっており、溝深さが7mm以上25mm以下の範囲内になっている。また、ラグ溝15は、溝幅が4mm以上12mm以下の範囲内になっており、溝深さが5mm以上25mm以下の範囲内になっている。
【0022】
周方向主溝10とラグ溝15とにより区画されるブロック20は、隣り合う周方向主溝10同士の間と、タイヤ幅方向における最外側に位置する2本の周方向主溝10のそれぞれのタイヤ幅方向における外側に配設されている。また、ブロック20は、タイヤ幅方向における位置がほぼ同じ位置となる複数のブロック20が、ラグ溝15を介してタイヤ周方向に連なって並ぶことにより、列状に形成されるブロック列25を構成している。ブロック列25は、5本の周方向主溝10同士の間の4箇所と、タイヤ幅方向における最外側に位置する2本の周方向主溝10の、タイヤ幅方向外側の2箇所に形成されることにより、合計で6列が形成されている。トレッド面3には、この6列のブロック列25がタイヤ幅方向に並んでいる。本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド面3のトレッドパターンは、このように陸部が複数のブロック20より構成される、いわゆるブロックパターンになっている。
【0023】
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、車両装着時での回転方向が指定された空気入りタイヤ1になっている。以下の説明では、タイヤ回転方向における前側とは、空気入りタイヤ1を指定方向に回転させた際における回転方向側であり、空気入りタイヤ1を車両に装着して指定方向に回転させて走行する場合において、先に路面に接地したり先に路面から離れたりする側である。また、タイヤ回転方向における後ろ側とは、空気入りタイヤ1を指定方向に回転させた際における回転方向の反対側であり、空気入りタイヤ1を車両に装着して指定方向に回転させて走行する場合において、後から路面に接地したり後から路面から離れたりする側である。各ラグ溝15は、タイヤ赤道線CL側からタイヤ幅方向における外側に向かうに従って、タイヤ回転方向における後ろ側に向かう方向に傾斜している。即ち、ラグ溝15は、タイヤ周方向に延びつつ、タイヤ幅方向における内側から外側に向かうに従って、タイヤ回転方向における後ろ側に向かう方向に傾斜している。なお、ラグ溝15は、ブロック20のタイヤ周方向を区画する全ての位置でタイヤ幅方向に延びつつタイヤ周方向に傾斜していなくてもよい。ラグ溝15は、ブロック20のタイヤ回転方向における前側を区画する部分の少なくとも一部が、タイヤ赤道線CL側からタイヤ幅方向における外側に向かうに従ってタイヤ回転方向における後ろ側に向かう方向に傾斜していればよい。
【0024】
また、6列が設けられるブロック列25の各ブロック20には、細溝30が形成されている。この細溝30は、6列のブロック列25のうち、タイヤ幅方向外側の2列以外の4列のブロック列25では、各ブロック20を区画する周方向主溝10とラグ溝15とに開口している。また、6列のブロック列25のうち、タイヤ幅方向外側の2列のブロック列25では、各ブロック20を区画する周方向主溝10と、ブロック20のタイヤ幅方向外側に対して開口している。また、細溝30は、タイヤ幅方向外側の2列以外の4列のブロック列25が有するブロック20では、各ブロック20においてほぼ同じ形態でそれぞれ形成されており、タイヤ幅方向外側の2列のブロック列25が有するブロック20では、各ブロック20においてほぼ同じ形態で細溝30が形成されている。
【0025】
ここでいう細溝30は、溝幅が1mm以上2mm以下の範囲内になっており、溝深さが1mm以上15mm以下の範囲内になっており、サイプも含んでいる。ここでいうサイプは、トレッド面3に細溝状に形成されるものであり、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、正規内圧の内圧条件で、無負荷時にはサイプを構成する壁面同士が接触しないが、平板上で垂直方向に負荷させたときの平板上に形成される接地面の部分にサイプが位置する際、またはサイプが形成されるブロック20の倒れ込み時には、当該サイプを構成する壁面同士、或いは壁面に設けられる部位の少なくとも一部が、ブロック20の変形によって互いに接触するものをいう。正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、或いは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、或いはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。本実施形態でいう細溝30は、接地面に細溝30が位置する場合でも溝壁同士が離間した状態を維持するもの以外に、このようなサイプも含んでいる。
【0026】
図2は、
図1のA部詳細図である。ブロック20のタイヤ周方向における両側を区画するラグ溝15が、タイヤ赤道線CL側からタイヤ幅方向における外側に向かうに従って、タイヤ回転方向における後ろ側に向かう方向に傾斜しているため、ブロック20は、タイヤ回転方向における前側のエッジ部21では、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道線CL側の端部が、タイヤ回転方向において最も前側に位置している。また、ブロック20は、タイヤ回転方向における後ろ側のエッジ部21では、タイヤ幅方向における外側の端部が、タイヤ回転方向において最も後ろ側に位置している。
【0027】
また、タイヤ幅方向の両端側に位置する2列のブロック列25以外の4列のブロック列25を構成するブロック20では、細溝30は、タイヤ幅方向に延びる幅方向細溝31と、タイヤ周方向に延びる周方向細溝32とを有している。このうち、幅方向細溝31は、ブロック20を区画する周方向主溝10に対して少なくとも一端が開口している。また、周方向細溝32は、ブロック20を区画するラグ溝15に対して少なくとも一端が開口している。
【0028】
詳しくは、タイヤ幅方向に延びる幅方向細溝31は、一端がブロック20のタイヤ幅方向におけるタイヤ赤道線CL側を区画する周方向主溝10に開口しており、他端がブロック20のタイヤ幅方向における外側を区画する周方向主溝10に開口している。幅方向細溝31は、このように両端が、それぞれ周方向主溝10に開口する開口部34になっている。
【0029】
また、幅方向細溝31は、タイヤ幅方向に延びつつ2箇所で屈曲しており、2箇所の屈曲部35を有している。2箇所の屈曲部35は、幅方向細溝31における、屈曲部35よりタイヤ幅方向内側に位置する部分よりも、屈曲部35よりタイヤ幅方向外側に位置する部分の方が、タイヤ回転方向における後ろ側に位置する方向に屈曲している。この2箇所の屈曲部35は、タイヤ周方向における位置が互いに異なる位置で共にブロック20のタイヤ幅方向における中央付近に位置しており、幅方向細溝31における屈曲部35同士の間の部分は、短い長さでタイヤ周方向に延びている。換言すると、幅方向細溝31は、2箇所の屈曲部35で屈曲することにより、いわゆるクランク状の形状になっている。
【0030】
また、周方向細溝32は2本が設けられており、2本の周方向細溝32は、幅方向細溝31の屈曲部35よりもタイヤ幅方向におけるブロック20の外側に位置している。つまり、2本の周方向細溝32のうち、一方の周方向細溝32は屈曲部35よりもタイヤ幅方向内側に位置しており、他方の周方向細溝32は屈曲部35よりもタイヤ幅方向外側に位置している。このうち、屈曲部35よりもタイヤ幅方向内側に位置する側の周方向細溝32は、幅方向細溝31よりもタイヤ回転方向における前側に位置しており、屈曲部35よりもタイヤ幅方向外側に位置する側の周方向細溝32は、幅方向細溝31よりもタイヤ回転方向における後ろ側に位置している。
【0031】
周方向細溝32は、これらの位置でそれぞれ一端がラグ溝15に開口し、他端が幅方向細溝31に交差して幅方向細溝31に接続され、幅方向細溝31に開口している。詳しくは、屈曲部35よりもタイヤ幅方向内側に位置する側の周方向細溝32は、タイヤ回転方向における前側の端部がラグ溝15に開口する開口部34になっており、タイヤ回転方向における後ろ側の端部が幅方向細溝31に接続されている。また、屈曲部35よりもタイヤ幅方向外側に位置する側の周方向細溝32は、タイヤ回転方向における後ろ側の端部がラグ溝15に開口する開口部34になっており、タイヤ回転方向における前側の端部が幅方向細溝31に接続されている。
【0032】
周方向細溝32と幅方向細溝31とが交差する部分は交点37となっており、細溝30は、1本の幅方向細溝31に対して2本の周方向細溝32が交差することにより、2箇所の交点37を有している。つまり、細溝30は、一方の細溝30である周方向細溝32が2本設けられ、2本の周方向細溝32が他方の細溝30である幅方向細溝31と交差することにより、2つの交点37を有している。幅方向細溝31の屈曲部35は、タイヤ幅方向において2箇所の交点37同士の間に位置している。
【0033】
また、細溝30は、ラグ溝15に開口する2箇所の開口部34のうち、一方の開口部34と、タイヤ幅方向におけるブロック20の両端のうち当該開口部34に近い側の端部とのタイヤ幅方向における距離W3は、ブロック20のタイヤ幅方向における幅WBに対して0.15≦(W3/WB)≦0.40の範囲内になっている。具体的には、2本の周方向細溝32のうち、タイヤ回転方向における前側に位置する周方向細溝32の開口部34と、当該開口部34に近い側のタイヤ幅方向におけるブロック20の端部とのタイヤ幅方向における距離W3が、ブロック20の幅WBに対して0.15≦(W3/WB)≦0.40の範囲内になっている。
【0034】
同様に、細溝30におけるラグ溝15に開口する2箇所の開口部34のうち、他方の開口部34と、タイヤ幅方向におけるブロック20の両端のうち当該開口部34に近い側の端部とのタイヤ幅方向における距離W4は、ブロック20のタイヤ幅方向における幅WBに対して0.15≦(W4/WB)≦0.40の範囲内になっている。つまり、2本の周方向細溝32のうち、タイヤ回転方向における後ろ側に位置する周方向細溝32の開口部34と、当該開口部34に近い側のタイヤ幅方向におけるブロック20の端部とのタイヤ幅方向における距離W4が、ブロック20の幅WBに対して0.15≦(W4/WB)≦0.40の範囲内になっている。
【0035】
なお、距離W3、W4における開口部34の位置は、タイヤ幅方向における開口部34の開口幅の中心での位置になっている。また、距離W3と距離W4とは、同程度の大きさであるのが好ましい。
【0036】
また、細溝30は、2箇所の屈曲部35のうちの一方の屈曲部35における細溝30の屈曲角度α1と、他方の屈曲部35における細溝30の屈曲角度α2とが、それぞれ90°≦α1≦120°、90°≦α2≦120°の範囲内になっている。例えば、細溝30の2箇所の屈曲部35のうち、タイヤ回転方向における後ろ側に位置する屈曲部35の屈曲角度をα1とする場合、屈曲角度α1は、90°≦α1≦120°の範囲内になっている。同様に、2箇所の屈曲部35のうち、タイヤ回転方向における前側に位置する屈曲部35の屈曲角度をα2とする場合、屈曲角度α2は、90°≦α2≦120°の範囲内になっている。なお、この場合における屈曲角度α1、α2は、共に屈曲部35の劣角の角度になっている。
【0037】
また、細溝30は、2箇所の交点37のうちの一方の交点37において交差する細溝30同士の角度β1と、他方の交点37において交差する細溝30同士の角度β2とが、それぞれ70°≦β1≦90°、70°≦β2≦90°の範囲内になっている。例えば、細溝30は、2箇所の交点37のうち、タイヤ幅方向における外側に位置する交点37で交差する幅方向細溝31と周方向細溝32との角度β1が、70°≦β1≦90°の範囲内になっている。同様に、2箇所の交点37のうち、タイヤ幅方向における内側に位置する交点37で交差する幅方向細溝31と周方向細溝32との角度β2が、70°≦β2≦90°の範囲内になっている。なお、この場合における細溝30同士の角度β1、β2は、90°以外の場合は、共に交点37で交差する幅方向細溝31と周方向細溝32との鋭角側の相対的な角度になっている。
【0038】
図3は、
図2のB−B断面図である。細溝30は、溝深さd1が、周方向主溝10の溝深さd2に対して0.05≦(d1/d2)≦0.50の範囲内になっている。また、細溝30は、2種類以上の溝深さを有しており、本実施形態では、細溝30が有する幅方向細溝31と周方向細溝32とで、溝深さが互いに異なっている。具体的には、周方向細溝32の溝深さd3よりも、幅方向細溝31の溝深さd4の方が深くなっており、周方向細溝32の溝深さd3と幅方向細溝31の溝深さd4との関係は、0.5≦(d3/d4)≦0.8の範囲内になっている。
【0039】
ブロック20は、細溝30によって3つ以上の小ブロック40に区画されている。つまり、細溝30が有する幅方向細溝31や周方向細溝32は、周方向主溝10やラグ溝15に接続されており、幅方向細溝31と周方向細溝32も互いに接続されているため、ブロック20は、これらの細溝30によって平面視において複数の領域に分断されており、各領域がそれぞれ小ブロック40になっている。本実施形態では、1つのブロック20に4つの小ブロック40が形成されている。つまり、ブロック20は、幅方向細溝31によってタイヤ周方向に分離されており、タイヤ周方向に分離されたそれぞれの領域が、さらに周方向細溝32によってタイヤ幅方向に分離されることにより、4つの小ブロック40に区画されている。
【0040】
6列のブロック列25のうち、タイヤ幅方向の両端側に位置する2列のブロック列25以外の4列のブロック列25が有するブロック20には、上述した形態で細溝30が形成され、それぞれのブロック20が4つの小ブロック40に区画されている。6列のブロック列25のうち、タイヤ幅方向の両端側に位置する2列のブロック列25が有するブロック20には、周方向細溝32が形成されておらず、細溝30として幅方向細溝31のみが形成されている。
【0041】
これらのように構成される本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、用途が重荷重用空気入りタイヤになっている。この空気入りタイヤ1を車両に装着する際には、リムホイールにリム組みしてインフレートした状態で車両に装着する。リムホイールにリム組みした状態の空気入りタイヤ1は、例えばトラックやバス等の大型の車両に装着して使用される。
【0042】
空気入りタイヤ1を装着した車両が走行すると、トレッド面3のうち下方に位置するトレッド面3が路面に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。空気入りタイヤ1を装着した車両で乾燥した路面を走行する場合には、主にトレッド面3と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。また、濡れた路面を走行する際には、トレッド面3と路面との間の水が周方向主溝10やラグ溝15等に入り込み、これらの溝でトレッド面3と路面との間の水を排出しながら走行する。これにより、トレッド面3は路面に接地し易くなり、トレッド面3と路面との間の摩擦力により、車両は走行することが可能になる。
【0043】
また、氷雪路面を走行する際には、トレッド面3と溝との境界部分であるエッジが氷雪路面に引っ掛かることにより、トレッド面3と氷雪路面との間に抵抗が生じ、トラクションを発生させることができるが、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、ブロック20に細溝30が形成されている。これにより、各ブロック20のエッジ成分が増加し、トレッド面3全体のエッジ成分が増加するため、氷雪路面を走行する際におけるトラクション性能を確保することができ、氷雪上性能を確保することができる。また、ブロック20に形成される細溝30は、屈曲部35を2箇所有し、交点37も2箇所有している。このため、細溝30は十分なエッジ成分を確保することができ、様々な方向に対してエッジ効果を発揮することができるため、氷雪上性能を向上させることができる。
【0044】
また、空気入りタイヤ1が回転する際には、路面へのブロック20の接地時に打音が発生し、この打音が周囲に広がることが、騒音の原因になるが、ブロック20に形成される細溝30には屈曲部35が形成されているため、音によって圧縮された空気は、細溝30内に留まり易くなる。また、細溝30には、交点37が形成され、交点37で幅方向細溝31と周方向細溝32とが交差するため、細溝30内を流れる圧縮された空気は、交点37で分散し易くなる。これらにより、細溝30内を流れる圧縮された空気は、周方向主溝10には流れ難くなるため、接地面の外に流れる音の量が少なくなる。これらの結果、氷雪上性能の向上と低騒音化とを両立することができる。
【0045】
また、細溝30の屈曲部35は、タイヤ幅方向において交点37同士の間に位置しているため、細溝30内を流れる圧縮された空気の一部が屈曲部35を通過した場合でも、交点37の位置で分散させることができるため、細溝30内を流れる圧縮された空気を、より確実に周方向主溝10の方向に流れ難くすることができる。また、細溝30の周方向細溝32はラグ溝15に開口し、幅方向細溝31は周方向主溝10に開口しているため、細溝30は溝幅方向に開閉し易くなっている。このため、細溝30内に雪が入り込んだ場合でも、細溝30は溝幅方向に開くことにより、雪を排出することができ、雪上性能を維持することができる。また、細溝30がラグ溝15や周方向主溝10に開口することにより、細溝30内の水をラグ溝15や周方向主溝10側に排出し易くなるため、氷上性能を維持することができる。これらの結果、より確実に、氷雪上性能の向上と低騒音化とを両立することができる。
【0046】
また、細溝30は、周方向細溝32の開口部34とタイヤ幅方向におけるブロック20の端部とのタイヤ幅方向における距離W3、W4が、ブロック20の幅WBに対して0.15≦(W3/WB)≦0.40、0.15≦(W4/WB)≦0.40の範囲内になっているため、ブロック欠けを抑制しつつ氷雪上性能を向上させることができる。つまり、距離W3、W4とブロック20の幅WBとの関係が(W3/WB)<0.15、(W4/WB)<0.15である場合は、周方向細溝32の開口部34がブロック20の端部に対して近付き過ぎるため、ブロック欠けが発生し易くなる可能性がある。また、距離W3、W4とブロック20の幅WBとの関係が(W3/WB)>0.40、(W4/WB)>0.40である場合は、交点37と屈曲部35とが近付き過ぎることにより、交点37と屈曲部35とで独立したエッジ効果を発揮し難くなり、十分な氷雪上性能を得難くなる可能性がある。これに対し、距離W3、W4とブロック20の幅WBとの関係が、0.15≦(W3/WB)≦0.40、0.15≦(W4/WB)≦0.40の範囲内である場合は、周方向細溝32の開口部34とブロック20の端部との距離、及び交点37と屈曲部35との距離を、それぞれ適切な大きさにすることができる。これらの結果、ブロック欠けを抑制しつつ、より確実に氷雪上性能を向上させることができる。
【0047】
また、細溝30の溝深さd1が周方向主溝10の溝深さd2に対して0.05≦(d1/d2)≦0.50の範囲内であるため、細溝30に起因するノイズを抑えつつ、氷雪上性能を向上させることができる。つまり、細溝30の溝深さd1と周方向主溝10の溝深さd2との関係が(d1/d2)<0.05である場合は、細溝30の溝深さd1が浅過ぎるため、細溝30による氷雪上性能向上の効果を十分に得難くなる可能性がある。また、細溝30の溝深さd1と周方向主溝10の溝深さd2との関係が(d1/d2)>0.50である場合は、細溝30の溝深さd1が深過ぎるため、細溝30が形成されている位置が接地した際のノイズが大きくなる可能性がある。これに対し、細溝30の溝深さd1と周方向主溝10の溝深さd2との関係が0.05≦(d1/d2)≦0.50の範囲内である場合は、細溝30に起因するノイズを抑えつつ、氷雪上性能向上の効果をより確実に発揮することができる。この結果、より確実に、氷雪上性能の向上と低騒音化とを両立することができる。
【0048】
また、細溝30は、周方向細溝32の溝深さd3と幅方向細溝31の溝深さd4との関係が、0.5≦(d3/d4)≦0.8の範囲内であるため、クラックの発生を抑制しつつノイズを抑えることができる。つまり、周方向細溝32の溝深さd3と幅方向細溝31の溝深さd4との関係が、(d3/d4)<0.5である場合は、周方向細溝32の溝深さd3と幅方向細溝31の溝深さd4との差が大き過ぎるため、ブロック20に対して荷重が作用した際に応力集中が発生し易くなり、細溝30からクラックが発生する可能性がある。また、周方向細溝32の溝深さd3と幅方向細溝31の溝深さd4との関係が、(d3/d4)>0.8である場合は、周方向細溝32の溝深さd3が深過ぎるため、周方向細溝32が形成されている位置が接地した際のノイズが大きくなる可能性がある。これに対し、周方向細溝32の溝深さd3と幅方向細溝31の溝深さd4との関係が、0.5≦(d3/d4)≦0.8の範囲内である場合は、クラックの発生を抑制すると共に周方向細溝32に起因するノイズを抑えることができる。この結果、クラックの発生を抑制しつつ、より確実に低騒音化を図ることができる。
【0049】
また、2箇所の交点37で交差する幅方向細溝31と周方向細溝32との2箇所の角度β1、β2は、それぞれ70°≦β1≦90°、70°≦β2≦90°の範囲内であるため、より多くの方向に対してエッジ効果を発揮し、氷雪上性能を高めることができる。つまり、角度β1、β2が、β1<70°、β2<70°である場合は、交差する幅方向細溝31と周方向細溝32との相対的な角度が小さ過ぎるため、エッジ効果を発揮できる方向が制限され、氷雪上性能を十分に発揮し難くなる可能性がある。これに対し、2箇所の交点37で交差する幅方向細溝31と周方向細溝32との2箇所の角度β1、β2が、70°≦β1≦90°、70°≦β2≦90°の範囲内である場合は、より多くの方向に対してエッジ効果を発揮することができる。この結果、より確実に氷雪上性能を向上させることができる。
【0050】
また、細溝30は、2箇所の屈曲部35の屈曲角度α1、屈曲角度α2が、それぞれ90°≦α1≦120°、90°≦α2≦120°の範囲内になっているため、より確実に騒音の低下を図りつつ、エッジ効果によって氷雪上性能を向上させることができる。つまり、屈曲部35の屈曲角度α1、α2が、α1<90°、α2<90°である場合は、細溝30における屈曲部35を挟む両側の部分が近くなり、それぞれの部分で独立したエッジ効果を発揮し難くなるため、氷雪上性能を効果的に向上させ難くなる可能性がある。また、屈曲部35の屈曲角度α1、α2が、α1>120°、α2>120°である場合は、圧縮された空気が細溝30内を流れ易くなり、周方向主溝10に流れ易くなるため、騒音を低減し難くなる可能性がある。これに対し、屈曲部35の屈曲角度α1、α2が、90°≦α1≦120°、90°≦α2≦120°の範囲内である場合は、圧縮された空気が細溝30内を通って周方向主溝10に流れることをより確実に抑制しつつ、細溝30における屈曲部35を挟む両側の部分で、それぞれ独立してエッジ効果を発揮することができる。この結果、より確実に、氷雪上性能の向上と低騒音化とを両立することができる。
【0051】
また、細溝30は、複数のブロック列25のブロック20に形成されているため、トレッド面3におけるエッジ成分を、より確実に増加させることができる。この結果、より確実に氷雪上性能を向上させることができる。
【0052】
また、細溝30は、タイヤ幅方向の両端側に位置する2列のブロック列25以外の4列のブロック列25が有するブロック20に形成されるため、トレッド面3におけるより広い範囲で、十分なエッジ成分を確保しつつ、細溝30内の圧縮された空気が周方向主溝10側に流れ難くすることができる。この結果、より確実に、氷雪上性能の向上と低騒音化とを両立することができる。
【0053】
また、屈曲部35は、細溝30における、屈曲部35よりタイヤ幅方向内側に位置する部分よりも、屈曲部35よりタイヤ幅方向外側に位置する部分の方が、タイヤ回転方向における後ろ側に位置する方向に屈曲しているため、ブロック20の接地時に最初に接地し、且つ、接地圧が高くなり易くなる部分の面積を小さくすることができる。つまり、トレッド面3が路面に接地する際には、接地領域におけるタイヤ幅方向における中央付近の接地圧が高くなるため、各ブロック20の接地時は、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道線CL側の領域が接地した際に大きな打音が発生し易くなる。これに対し、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、細溝30における屈曲部35よりタイヤ幅方向内側に位置する部分が、タイヤ幅方向外側に位置する部分よりもタイヤ回転方向における前側に位置しているため、ブロック20の接地時に最初に接地し、且つ、接地圧が高くなり易くなる部分の面積を小さくすることができる。この結果、ブロック20の接地時の打音を低減することができ、より確実に低騒音化を図ることができる。
【0054】
なお、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1では、細溝30は、交点37同士の間に屈曲部35が位置しているが、細溝30はこれ以外の形態で形成されていてもよい。
図4は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、屈曲部が交点の外側に位置する場合の説明図である。細溝30は、例えば、
図4に示すように、2箇所の交点37が2箇所の屈曲部35同士の間に形成されていてもよい。細溝30の屈曲部35と交点37とは、それぞれが複数形成されていれば、上述した実施形態に示す形態以外で形成されていてもよく、屈曲部35と交点37との相対的な位置関係は問わない。
【0055】
また、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1では、屈曲部35は、幅方向細溝31に形成されているが、屈曲部35は幅方向細溝31以外に形成されていてもよい。
図5は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、屈曲部が周方向細溝に形成される場合の説明図である。細溝30の屈曲部35は、例えば、
図5に示すように、周方向細溝32に形成され、周方向細溝32に対して幅方向細溝31が接続されていてもよい。このように屈曲部35は、周方向細溝32に形成されていてもよく、また、周方向細溝32と幅方向細溝31との双方に形成されていてもよい。
【0056】
また、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1では、細溝30は、周方向細溝32の溝深さよりも幅方向細溝31の溝深さの方が深くなっているが、幅方向細溝31の溝深さよりも周方向細溝32の溝深さの方が深くなっていてもよい。また、細溝30の溝深さは、ブロック20ごとに異なっていてもよく、また、1つのブロック20内で3種類以上の深さで形成されていてもよい。また、細溝30は、例えば、幅方向細溝31はブロック20が接地しても溝壁が離間し続ける通常の溝で、周方向細溝32はサイプで形成される等、通常の溝とサイプとが混在していてもよい。
【0057】
〔実施例〕
図6A〜
図6Fは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1とについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、氷雪路面の走行時のトラクション性能である氷雪上性能と、空気入りタイヤ1の転動に伴って発生する音である通過騒音と、ブロック20の故障を示す細溝30からのクラック、またはブロック欠けについての試験を行った。
【0058】
性能評価試験は、ETRTOで規定されるタイヤの呼びが315/70R22.5サイズの空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みして、空気圧を900kPaに調整し、2−Dの試験車両に装着してテスト走行をすることにより行った。各試験項目の評価方法は、氷雪上性能については、評価試験を行う空気入りタイヤ1を装着した試験車両をパネラーが運転し、雪上、氷上路面を含むテストコースを走行した際におけるフィーリング評価を実施することにより行った。氷雪上性能は、後述する従来例を100とする指数で表し、数値が大きいほど氷雪上性能に優れていることを示している。また、通過騒音については、ECE R117−02(ECE Regulation No.117Revision 2)に定めるタイヤ騒音試験法に従って測定した車外通過音の大きさによって評価した。この試験では、試験車両を騒音測定区間の十分前から走行させ、当該区間の手前でエンジンを停止し、惰行走行させた時の騒音測定区間における最大騒音値dB(周波数800Hz〜1200Hzの範囲の騒音値)を、基準速度に対し±10km/hの速度範囲をほぼ等間隔に8以上に区切った複数の速度で測定し、平均を車外通過騒音とした。最大騒音値dBは、騒音測定区間内の中間点において走行中心線から側方に7.5m、且つ路面から1.2mの高さに設置した定置マイクロフォンを用いてA特性周波数補正回路を通して測定した音圧dB(A)である。また、細溝30からのクラックやブロック欠けについては、市場モニターにて50,000km走行後の細溝30からのクラックやブロック欠けの発生状況を、後述する従来例を100とする指数で表し、数値が大きいほどクラックやブロック欠けが少ないことを示している。
【0059】
評価試験は、従来の空気入りタイヤ1の一例である従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例1〜33との34種類の空気入りタイヤについて行った。これらの空気入りタイヤ1のうち、従来例の空気入りタイヤは、ブロック20には屈曲部35を有する細溝30が形成されているものの、細溝30は交点37を有していない。
【0060】
これに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例1〜33は、全て屈曲部35と交点37をそれぞれ2つずつ有する細溝30がブロック20に形成されている。また、実施例1〜33に係る空気入りタイヤ1は、細溝30が周方向主溝10へ開口しているか否かや、ブロック20の幅に対する細溝30の開口部34の位置、周方向主溝10の溝深さd2に対する細溝30の溝深さd1、幅方向細溝31の溝深さd4に対する周方向細溝32の溝深さd3、交点37での細溝30同士の角度β1、β2、屈曲部35の屈曲角度α1、α2、細溝30を配置したブロック列25の数、空気入りタイヤ1の回転方向性の有無が、それぞれ異なっている。
【0061】
これらの空気入りタイヤ1を用いて評価試験を行った結果、
図6A〜
図6Fに示すように、実施例1〜33の空気入りタイヤ1は、従来例に対して、氷雪上性能、通過騒音のいずれについても向上させることができ、細溝30からのクラックやブロック欠けについても従来例と同程度に抑えることができることが分かった。つまり、実施例1〜33に係る空気入りタイヤ1は、氷雪上性能の向上と低騒音化とを両立することができる、という効果を奏する。