(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6319602
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】光学媒体のアレイリーダ及びアレイ読み取り
(51)【国際特許分類】
G11B 7/005 20060101AFI20180423BHJP
G11B 7/003 20060101ALI20180423BHJP
G11B 7/0033 20060101ALI20180423BHJP
G11B 20/10 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
G11B7/005 Z
G11B7/003
G11B7/0033
G11B20/10 321Z
【請求項の数】19
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-525067(P2016-525067)
(86)(22)【出願日】2014年10月29日
(65)【公表番号】特表2017-500681(P2017-500681A)
(43)【公表日】2017年1月5日
(86)【国際出願番号】US2014062967
(87)【国際公開番号】WO2015066216
(87)【国際公開日】20150507
【審査請求日】2016年4月20日
(31)【優先権主張番号】61/897,090
(32)【優先日】2013年10月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504257564
【氏名又は名称】ソニー コーポレイション オブ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】ガロ ニコライ
【審査官】
斎藤 眞
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−036069(JP,A)
【文献】
特開昭61−278038(JP,A)
【文献】
特開昭63−096746(JP,A)
【文献】
特開2005−141860(JP,A)
【文献】
特開2013−143177(JP,A)
【文献】
特開平06−325378(JP,A)
【文献】
特開2001−126267(JP,A)
【文献】
特開2006−286070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 5/00−5/024
G11B 5/09
G11B 7/00−7/22
G11B 20/10−20/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
筺体と、
コンピュータ可読記憶媒体を受け入れるように構成されるとともに、上側及び下側を有する空洞を定めるように構成された、前記筺体の第1の面における入力ポートと、
前記コンピュータ可読記憶媒体を読み取るように構成されたセンサアレイと、
を備え、前記センサアレイは、前記上側又は前記下側の少なくとも一方に配置されて、前記空洞に対する前記コンピュータ可読記憶媒体の進入中及び排出中に前記コンピュータ可読記憶媒体を読み取るように構成される、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記センサアレイを前記コンピュータ可読記憶媒体に対してオフセットするように構成されたシフト機構をさらに備え、前記コンピュータ可読記憶媒体は、前記空洞に対して第1の方向に出入りするように構成され、前記シフト機構は、前記第1の方向とほぼ直交する第2の方向に前記センサアレイをオフセットするように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
装置であって、
筺体と、
コンピュータ可読記憶媒体を受け入れるように構成されるとともに、上側及び下側を有する空洞を定めるように構成された、前記筺体の第1の面における入力ポートと、
前記コンピュータ可読記憶媒体を読み取るように構成されたセンサアレイと、
を備え、前記センサアレイは、前記上側又は前記下側の少なくとも一方に配置されて、前記空洞に対する前記コンピュータ可読記憶媒体の進入中及び排出中に前記コンピュータ可読記憶媒体を読み取るように構成され、
前記センサアレイを前記コンピュータ可読記憶媒体に対してオフセットするように構成されたシフト機構をさらに備え、前記コンピュータ可読記憶媒体は、前記空洞に対して第1の方向に出入りするように構成され、前記シフト機構は、前記第1の方向とほぼ直交する第2の方向に前記センサアレイをオフセットするように構成される、
ことを特徴とする装置。
【請求項4】
前記センサアレイは、前記空洞の前記上側及び前記下側の両方に設けられる、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記センサアレイは、前記コンピュータ可読記憶媒体の直線並進中に該コンピュータ可読記憶媒体を読み取るように構成される、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記センサアレイは、前記媒体の複数の直線状トラックを読み取るように構成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記コンピュータ可読記憶媒体は、光学媒体を含む、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記空洞内で前記コンピュータ可読記憶媒体を支持して動かすように構成されたトレイをさらに備える、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記センサアレイは、互いにオフセットされた複数のセンサ行を含む、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記センサアレイの出力を多重化し、前記装置の出力に多重化ストリームを供給するように構成されたマルチプレクサをさらに備える、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記コンピュータ可読記憶媒体は、光学リボンを含む、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記筐体の前記第1の面とは反対側の第2の面に、コンピュータ可読記憶媒体を受け入れるように構成された出力ポートをさらに備える、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
ドライブ内の光学媒体を走査する走査ステップを含み、該走査ステップは、複数の直線状のデータトラックを同時に走査するステップを含み、
前記走査ステップは、前記光学媒体の前記ドライブへの挿入中及び前記光学媒体の前記ドライブからの取り出し中に行われる、
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記光学媒体がドライブ内に進入した後に、前記光学媒体を前記ドライブへの進入方向と垂直にシフトさせるステップをさらに含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ドライブ内の光学媒体を走査する走査ステップを含み、該走査ステップは、複数の直線状のデータトラックを同時に走査するステップを含み、
前記走査ステップは、前記光学媒体の前記ドライブへの挿入中又は前記光学媒体の前記ドライブからの取り出し中の少なくとも一方に行われ、
前記光学媒体がドライブ内に進入した後に、前記光学媒体を前記ドライブへの進入方向と垂直にシフトさせるステップをさらに含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記光学媒体からのデータを前記ドライブの出力に提供するステップをさらに含む、
請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記ドライブの複数の光学センサからのデータを多重化するステップをさらに含む、
請求項13〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記走査ステップは、前記光学媒体の直線並進中に前記光学媒体を走査するステップを含む、
請求項13〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記走査ステップは、第1の複数のトラック行を第1の期間中に走査するステップと、前記第1の複数のトラック行とは異なる第2の複数のトラック行を第2の期間中に走査するステップとを含む、
請求項13〜18のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2013年10月29日に出願された米国仮特許出願第61/897,090号に関連するとともにその利益及び優先権を主張するものであり、この仮特許出願は、その全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
様々な装置及びシステムは、光学媒体の読み取りの強化から恩恵を受けることができる。例えば、いくつかのコンピュータシステムは、光学媒体のアレイ読み取りから恩恵を受けることができる。
【背景技術】
【0003】
従来、特にレーザーディスク(登録商標)、コンパクトディスク(CD)、CDリードオンリメモリ(CD−ROM)及びデジタル多用途ディスク(DVD)などの光学媒体は、ディスク内のトラックと呼ばれることもある螺旋状のピット片にデータを記憶する。このディスクが高速で回転している間に光学センサによってトラックが読み取られ、これを光学ピックアップと呼ぶ。
【0004】
1つのトラックの中心から次のトラックの中心までを測定した2つのトラック間の距離は、トラックピッチと呼ぶことができる。CD−ROMの場合、通常、トラックピッチは、1.5〜1.7ミクロンとすることができる。これに対し、DVDのトラックピッチは、通常、約740ナノメートルである。
【0005】
ピットは、CD−ROMで一般的なように単層の形を取ることができる。一方、ピットは、DVDで一般的なように複数層の形を取ることもできる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態によれば、装置が、筺体と、筺体の第1の面における入力ポートとを含むことができる。入力ポートは、コンピュータ可読記憶媒体を受け入れるように構成することができる。入力ポートは、上側及び下側を有する空洞を定めるように構成することができる。装置は、コンピュータ可読媒体を読み取るように構成されたセンサアレイを含むこともでき、このセンサアレイは、上側又は下側の少なくとも一方に配置され、コンピュータ可読記憶媒体の空洞への進入中又は空洞からの排出中の少なくとも一方の間にコンピュータ可読記憶媒体を読み取るように構成される。
【0007】
いくつかの実施形態では、方法が、ドライブ内の光学媒体を走査するステップを含むことができる。この走査は、複数の平行な直線状又はU字型データトラックを同時に走査するステップを含むことができる。
【0008】
本発明を正しく理解できるように、以下の添付図面を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】いくつかの実施形態による光学リーダを示す図である。
【
図2】いくつかの実施形態による別の光学リーダを示す図である。
【
図3】いくつかの実施形態による光学リーダアレイを示す図である。
【
図4】いくつかの実施形態による方法を示す図である。
【
図5】いくつかの実施形態によるシステムを示す図である。
【
図6】いくつかの実施形態による装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
様々な実施形態は、光学リーダ及び光学読み取りのための装置、システム及び方法を提供することができる。本明細書において説明及び図示する様々な実施形態は一例にすぎず、限定的なものとして捉えるべきではない。
【0011】
図1に、いくつかの実施形態による光学リーダを示す。断面図とすることができる
図1に示すように、光学リーダは、第1の側120及び第2の側130を含むことができる。第1の側120及び第2の側130は、これらの両側間を光学媒体110が通過できるように間隔を空けることができる。いくつかの実施形態では、光学媒体110が片面媒体であり、すなわち
図1に示す左側などの片側のみにデータが記憶される。この場合、例えば第1の側120などの片側に1又は2以上の光学センサを設けることができる。他の実施形態では、光学媒体120を両面媒体とすることができ、すなわちデータが両側に記憶される。このような場合、第1の側120及び第2の側130の両方に1又は2以上の光学センサを設けることができる。
【0012】
特定の断面では、第1の側120及び第2の側130が互いに完全に分離しているように示される。しかしながら、これらの2つの側は、様々な形で互いに接続することができる。例えば、C字型の断面を形成するように2つの側を接続し、その間に光学媒体110を通すことができる。矩形管形状を形成するように2つの側を接続し、その間に光学媒体110を通すこともできる。また、管又はC字型の一方又は両方の端部を閉じることもできる。(単複の)閉じられた側は、装置への光学媒体110の出入りを可能にするように構成されたドア又は他の入口を含むことができる。
【0013】
図2に、いくつかの実施形態による別の光学リーダを示す。
図2には、
図1に示す断面とほぼ直交することができる光学リーダの断面を示している。
図2に示すように、光学媒体110は、光学リーダの第1の側120を通過することができる。第1の側には、光学センサ又は光学ピックアップのアレイ210を設けることができる。
【0014】
光学媒体110は、複数のデータストリップアレイ220を有することができる。図示のように、これらのストリップは直線状とすることができるが、他の形状も可能である。ストリップアレイ220は、その数が光学センサアレイ210に対応することができる。ストリップは、広く分離するように示しているが、互いに密集させることもできる。各ストリップは、1又は複数のピット列、又はその他の光学データキャリアを含むことができる。
【0015】
図3に、いくつかの実施形態による光学リーダアレイを示す。
図3に示すように、光学リーダの第1の側120には、複数の光学リーダアレイ210a、210b、210c、210dが存在することができる。これらのアレイは、例えば光学リーダのサイズが対応するストリップのサイズよりも大きい場合、図示のように配置することができる。例えば、光学リーダの幅が1センチメートルで、各ストリップの幅が1ミリメートルしかない場合、ストリップの方向に互いにオフセットされた光学センサによって、隣接するストリップを読み取ることができる。このような場合、例えば10行のアレイが存在し、光学リーダの総数は、ストリップの総数に対応することができる。
【0016】
各光学リーダが複数の隣接するストリップに対応し、これらを同時に読み取ることも可能である。従って、例えば、各光学リーダは、複数の平行なストリップで構成されたストライプを読み取ることができる。
【0017】
場合によっては、光学媒体110が、複数の層を有することもできる。このような場合、各ストリップ又はストライプにつき、複数の光学リーダが存在することができる。或いは、各層において、各ストリップにつき1つの光学リーダが存在することもできる。従って、例えば10個のストリップと2つの層が存在する場合、20個の光学リーダが存在することができる。
【0018】
図1〜
図3に示すように、光学媒体110の形状は矩形とすることができ、例えば媒体の一方向に延びる直線状の列として配置されたデータのストリップ、ストライプ又はトラックなどを含むことができる。光学媒体110は、長さよりも幅の方を広く示しているが、正方形であっても、或いは幅よりも長さの方が長くてもよい。いくつかの実施形態では、光学媒体110を、長いリボン、レール又はベルトとすることができる。
【0019】
図示のような光学リーダは、光学媒体110全体を1回の通過で、又は装置への入出時に読み取るように構成することができる。光学媒体110が、一方向に装置に進入して別の方向に装置から排出される場合、光学リーダは、方向転換中に光学センサアレイの読み取りを変更するように構成することができる。この変更は、例えば、一方の側又は他方の側にわずかにアレイを動かすこと、一方の側又は他方の側にわずかに媒体を動かすこと、光学センサの読み取り角度を変更すること、或いは光学センサの焦点を異なる層に変更することなどを含むことができる。これにより、アレイリーダは、光学媒体の挿入中に1つのストリップ又はストライプを読み取り、光学媒体の排出中に別のストリップ又はストライプを読み取ることができる。
【0020】
他の形状の光学媒体110も可能である。例えば、光学媒体は、その向きを容易に識別できるように非対称形状を有することができる。さらに、光学媒体は、ピックアップ及び操作を容易にできるように、孔、切込み及び/又はビアを有することもできる。光学媒体は、他の形状とすることもできる。例えば、光学媒体は、ほぼ正六角形又は正三角形の形状を有することができる。光学媒体の形状は限定ではなく、あらゆる形状の光学媒体を用いることができる。同様に、様々な実施形態におけるストリップ及びストライプの形状も、望む通りに様々とすることができる。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、光学リーダに他の機能を追加することができる。例えば、光学リーダに、光学媒体110を保持するトレイを設けることができる。このトレイは、光学媒体110を第1の側120と第2の側130との間で適当な速度で動かすように構成することができる。このトレイは、光学媒体110を光学リーダに対して正確に位置付けるように構成することもできる。さらに、このトレイは、人物又はロボットが光学リーダから光学媒体110を容易に取り外せるように構成することができる。
【0022】
図4に、いくつかの実施形態による方法を示す。
図4に示すように、方法は、410において、ドライブ内の光学媒体を走査するステップを含むことができる。この走査は、複数の平行な直線状データトラックを同時に走査するステップを含むことができる。U字型トラックなどの他の形状のトラックも可能である。
【0023】
方法は、420において、光学媒体からのデータをドライブの出力に提供するステップをさらに含むことができる。任意の要件として、光学媒体からのデータをドライブの出力に提供することは、415において、複数の光学センサからのデータを多重化するステップを含むことができる。
【0024】
方法は、走査の前に、405において、光学媒体をドライブ内に供給するステップを任意に含むこともできる。この供給は、例えば光学媒体の端部を包み込むトレイ機構によって、或いは光学媒体が強磁性又はその他の磁化素子を含む場合には、磁力などの他の機構によって行うことができる。
【0025】
例えば、磁石を用いて光学媒体の一端を保持し、例えばロボットアームによって引き出し形状の開口部に対して光学媒体の挿入及び排出を行うことができる。光学媒体を保持するように構成された1又は2以上のスピンドルなどの他の機構も可能である。
【0026】
方法は、光学ドライブなどの特定の機械によって実行することもできる。光学ドライブは、光学センサアレイに加えて、光学センサアレイからの出力を多重化するように構成されたマルチプレクサを含むことができる。1又は2以上のコントローラなどの他の処理ハードウェアも可能である。さらに、バス、バッファメモリ及び長期メモリなどのさらなるデータハードウェアも可能である。メモリは、いずれかのランダムアクセスメモリ(RAM)又はリードオンリメモリ(ROM)の形を取ることができる。システムは、センサ、処理ハードウェア及びデータハードウェアに電力を供給できる電源を含むこともできる。システムは、ケース、並びにケーブル配線及びファンなどの支持ハードウェアをさらに含むことができる。他のハードウェアも可能である。
【0027】
システムは、コンピュータラックシステムの一部とすることができる。或いは、システムは、スタンドアロン型コンピュータシステムの一部とすることもできる。場合によっては、システムをデータサーバの一部とすることもできる。データサーバは、複数の光学媒体と、401において光学媒体を識別し、各光学媒体をドライブ内に配置して読み取り、430において読み取って光学ドライブから取り出した後に、440において光学媒体をストレージに戻すように構成されたロボットとを含むことができる。
【0028】
説明したステップは、動作順などを変更することができる。例えば、410における走査は、望む通りに、405における供給及び430における取り出しの両方の最中に行うことも、或いはこれらの期間の一方のみに行うことも、或いはこれら2つの期間の合間のみに行うことも、或いはこれらの期間を組み合わせて行うこともできる。
【0029】
複数の光学センサからのデータを多重化することは、バッファメモリにデータを記憶するステップと、光学媒体に記憶されたファイル又はトラックを再組み立て又は再構築するステップとを含むことができる。ドライブ出力へのデータの提供は、シリアルアドバンストテクノロジーアタッチメント(SATA)インターフェイス、又はスモールコンピュータシステムインターフェイス(SCSI)インターフェイスなどの、光学ドライブとコンピュータシステムとの間のシリアル又はパラレルインターフェイスを介してデータを提供するステップを含むことができる。
【0030】
図5に、いくつかの実施形態によるシステムを示す。
図5に示すように、システムは、光学ドライブ、又は光学ドライブを含むコンピュータなどの、光学媒体読み取りシステム510を含むことができる。システムは、例えば光学アーカイブとすることができる光学媒体記憶システム530を含むこともできる。システムは、光学媒体記憶システム530と光学媒体読み取りシステム510との間で光学媒体を移動させることができる光学媒体搬送システム520をさらに含むことができる。
【0031】
これらの各システムは、対応するメモリ512、522、532、及び対応するプロセッサ514、524、534を含むことができる。このメモリ及びプロセッサは、各事例において様々に実装することができる。例えば、プロセッサ及びメモリは、別個のチップとすることも、又は同じチップとすることもできる。さらに、プロセッサは、中央処理装置(CPU)又は特定用途向け集積回路(ASIC)などの1又は2以上のコントローラを含むことができる。
【0032】
光学媒体読み取りシステム510は、光学ドライブ516を含むことができる。光学ドライブ516は、上述した
図1〜
図3に示す種類の機能を含むことができる。光学ドライブ516は、片面ドライブとすることも、又は両面ドライブとすることもできる。
【0033】
光学媒体搬送システム520は、搬送ハードウェア526を含むことができる。この搬送ハードウェア526は、光学媒体記憶システム530と光学媒体読み取りシステム510との間でトラックに沿って移動するシャーシ上のロボットアームを含むことができる。他の実装も可能である。例えば、光学媒体搬送システム520は、光学媒体記憶システム530と光学媒体読み取りシステム510との間を自律的にナビゲートするように構成されたアンドロイドロボットシステムとすることができる。
【0034】
光学媒体記憶システム530は、記憶ハードウェア536を含むことができる。この記憶ハードウェア536は、例えば一連の引出しに光学媒体を格納するように構成することができる。記憶ハードウェア536は、格納されている光学媒体の正確な在庫を管理できるように、近距離無線周波数識別子(RFID)リーダなどの装置を含むこともできる。他の実装も可能である。例えば、光学媒体記憶システム530は、メモリ532又はプロセッサ534を含まなくてもよく、記憶ハードウェア536は、一群の光学媒体を受け取って適所に保管するだけの完全なパッシブハードウェアとすることもできる。
【0035】
図6に、いくつかの実施形態による装置を示す。
図6に示すように、装置は、筐体と、筐体の第1の面における入力ポートとを含むことができる。筐体は、完全な筐体とすることも、又は部分的な筐体とすることもできる。筐体は、1又は2以上の入力及び/又は出力ポートを含む箱の形に構造化することができる。筐体は、1又は2以上の側で開口することができる。いくつかの実施形態では、筐体の反対面に同様の出力ポートが存在することができる。
【0036】
入力ポートは、コンピュータ可読記憶媒体を受け入れるように構成することができる。例えば、入力ポートは、上述した矩形媒体のうちの1つを受け入れるように構成することができるが、他の形状も可能である。
【0037】
入力ポートは、上側及び下側を有する空洞を定めるように構成することができる。他の実施形態は、他の形状の媒体を取り扱うように構成することができる。例えば、三角柱のような形状の媒体を使用することができる。このような場合、互いに傾斜した複数の上側と1つの下側、又は互いに傾斜した複数の下側と1つの上側が存在することができる。円柱のような形状の媒体を使用することもできる。このような場合、上側は半円形状を有することができ、下側も同様に半円形状を有することができる。他の形状の媒体も可能である。
【0038】
装置は、コンピュータ可読媒体を読み取るように構成された(
図2及び/又は
図3に示すような)センサアレイを含むこともできる。センサアレイは、上側又は下側の少なくとも一方に配置することができる。センサアレイは、コンピュータ可読記憶媒体の空洞への進入中又は空洞からの排出中の少なくとも一方の間にコンピュータ可読記憶媒体を読み取るように構成することができる。
【0039】
センサアレイは、空洞の上側及び下側の両方に設けることもできる。従って、いくつかの実施形態では、装置が、両面媒体の両側を同時に読み取ることができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、センサアレイを、コンピュータ可読記憶媒体の直線並進中にコンピュータ可読記憶媒体を読み取るように構成することができる。この直線並進は、コンピュータ可読記憶媒体の入力ポート内への動き及び/又は入力ポートを通過する動き、或いはこのような動きに直交する動きとすることができる。
【0041】
センサアレイは、媒体の複数の直線状トラックを読み取るように構成することができる。これに加えて、又はこれとは別に、センサアレイは、媒体の複数のU字型トラックを読み取るように構成することもできる。
【0042】
コンピュータ可読記憶媒体は光学媒体とすることができるが、他の媒体も可能である。
【0043】
装置は、空洞内でコンピュータ可読記憶媒体を支持して動かすように構成されたトレイを含むこともできる。トレイの様々な実施形態については既に説明した。トレイは、コンピュータ可読記憶媒体をセンサアレイに対して動かすように構成することができる。
【0044】
センサアレイは、互いにオフセットされた複数のセンサ行を含むことができる。これに加えて、又はこれとは別に、センサアレイは、複数のトラックを同時に読み取るように、複数の可動レーザーピックアップ、又は複数のビームに分裂するように構成された少なくとも1つのレーザーを含むこともできる。
【0045】
装置は、センサアレイの出力を多重化し、装置の出力に多重化ストリームを供給するように構成されたマルチプレクサを含むこともできる。様々な多重化技術を使用することができる。いくつかの実施形態では、センサアレイの出力を複数の符号として符号化し、そのようなものとして出力することができる。
【0046】
コンピュータ可読記憶媒体は、上述したような他の種類の媒体の中でも特に、光学リボンとすることができる。
【0047】
装置は、アレイをコンピュータ可読記憶媒体に対してオフセットするように構成されたシフト機構を含むこともできる。シフト機構は、上述したようなトレイとすることも、又は空洞内の一連のトラックなどとすることもできる。コンピュータ可読記憶媒体は、第1の方向に空洞に出入りするように構成することができる。シフト機構は、第1の方向とほぼ直交する第2の方向にアレイをオフセットするように構成することができる。従って、アレイは、空洞への進入中に第1の平行トラックの組を読み取り、空洞からの排出中に第2の平行トラックの組を読み取ることができる。
【0048】
上記の実施形態には、様々な修正を加えることができる。例えば、いくつかの実施形態では、光学ドライブが、複数の個々のレーザーピックアップを含むことができるが、いくつかの実施形態では、光学ドライブが、可動レーザーとして動作する、又は複数のトラックを同時に別様にピックアップするように構成された1又は2以上のレーザーピックアップを含むことができる。
【0049】
当業者であれば、上述したような発明は、異なる順序のステップを用いて、及び/又は開示した構成とは異なる構成のハードウェア要素を用いて実施することもできると容易に理解するであろう。従って、これらの好ましい実施形態に基づいて本発明を説明したが、当業者には、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、いくつかの修正、変形及び代替構成が明白になることが明らかであろう。