特許第6320004号(P6320004)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6320004自発光装置、自発光視線誘導標および照明装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6320004
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】自発光装置、自発光視線誘導標および照明装置
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/615 20160101AFI20180423BHJP
【FI】
   E01F9/615
【請求項の数】8
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-246811(P2013-246811)
(22)【出願日】2013年11月28日
(65)【公開番号】特開2015-105481(P2015-105481A)
(43)【公開日】2015年6月8日
【審査請求日】2016年9月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】391013531
【氏名又は名称】株式会社吾妻製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108372
【弁理士】
【氏名又は名称】谷田 拓男
(72)【発明者】
【氏名】堀江 修一
(72)【発明者】
【氏名】石川 正美
【審査官】 石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−060367(JP,A)
【文献】 特開2012−160705(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3033633(JP,U)
【文献】 特開2013−100651(JP,A)
【文献】 特開2010−054790(JP,A)
【文献】 特開2006−274685(JP,A)
【文献】 特開2007−173723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の基板部に形成された該基板部の両面から受光可能な太陽電池回路部と、
前記所定の基板部の少なくとも片面側に形成された発光回路部と、
前記所定の基板部に搭載可能な、前記太陽電池回路部及び前記発光回路部を制御する制御回路部とを備え、
前記太陽電池回路部と前記発光回路部とは前記制御回路部を介して接続されており、
前記所定の基板部は1枚のガラス・エポキシ基板であり、前記太陽電池回路部は該ガラス・エポキシ基板中に埋め込まれた両面受光型太陽電池であることを特徴とする自発光装置
【請求項2】
所定の基板部に形成された該基板部の両面から受光可能な太陽電池回路部と、
前記所定の基板部の片面側にのみ形成された発光回路部と、
前記所定の基板部に搭載可能な、前記太陽電池回路部及び前記発光回路部を制御する制御回路部とを備え、
前記太陽電池回路部と前記発光回路部とは前記制御回路部を介して接続されており、
前記所定の基板部は2枚の基板を備え、前記太陽電池回路部は、1枚の該基板上に形成された片面受光型太陽電池であって該所定の基板部の片面側から受光可能に設置されたものと、1枚の他の該基板上に形成された片面受光型太陽電池であって該所定の基板部の他の片面側から受光可能に設置されたものとを備えたことを特徴とする自発光装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の自発光装置において、前記発光回路部は同一の発光色を有する1個以上の単色発光ダイオード又は複色発光ダイオード、又は異なる発光色を有する2個以上の単色発光ダイオード若しくは1個以上の複色発光ダイオードであることを特徴とする自発光装置。
【請求項4】
請求項記載の自発光装置を用いた自発光視線誘導標であって、
前記制御回路部と接続された明暗を検出する明暗検出センサと、
前記制御回路部と接続された、前記太陽電池回路部により充電される二次電池又は電気二重層キャパシタとを備え、
前記制御回路部は、前記明暗検出センサにより暗と検出された場合、前記二次電池又は前記電気二重層キャパシタを放電させて前記単色発光ダイオード又は前記複色発光ダイオードを所定の輝度で発光させることを特徴とする自発光視線誘導標。
【請求項5】
請求項記載の自発光視線誘導標において、前記制御回路部は前記単色発光ダイオード又は前記複色発光ダイオードを点滅又は常灯させて発光させ、該単色発光ダイオード又は該複色発光ダイオードが2個以上の場合、複数個の該単色発光ダイオード又は該複色発光ダイオードを所定の形状に配置したことを特徴とする自発光視線誘導標。
【請求項6】
請求項記載の自発光視線誘導標において、前記単色発光ダイオード又は前記複色発光ダイオードの照射側を路上へ向けて配置したことを特徴とする自発光視線誘導標。
【請求項7】
請求項記載の自発光視線誘導標において、前記所定の形状はマトリックス型であり、前記制御回路部は記録された文字データに基づき該マトリックス型に配置された前記単色発光ダイオード又は前記複色発光ダイオードに文字を表示させることを特徴とする自発光視線誘導標。
【請求項8】
請求項記載の自発光装置を用いた照明装置であって、前記制御回路部は前記単色発光ダイオード又は前記複色発光ダイオードを常灯させて発光させ、該単色発光ダイオード又は前記複色発光ダイオードは所定の形状に配置された白色ダイオードであることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の基板部に形成された太陽電池回路部、発光回路部および制御部を備えた自発光装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
視線誘導標は車道の両方に沿って、路端および道路線形を示し、道路利用者の視線誘導を行う施設とされている(非特許文献1参照)。特に、自発光視線誘導標は太陽電池と発光部とが一体となった視線誘導標であり、事故の多発に繋がる夜間、または悪天候時、特に降雪または積雪時において、圧倒的な効果を発揮するとされている(非特許文献2参照)。
【0003】
図21(A)および(B)は、従来の自発光視線誘導標90Aを示す。図21(A)および(B)で、符号100Aは太陽電池パネル、101は太陽電池パネル100Aを構成する太陽電池ユニット、110Aは発光ダイオード(LED)表示部、111はLED表示部110Aを構成するLEDである。図21(A)は従来の自発光視線誘導標90Aの組立時の状態を示しており、太陽電池パネル100AとLED表示部110Aとは各々別々に製造した後、結線および組立を行っていた。図21(B)は従来の自発光視線誘導標90Aの設置時の状態を示しており、設置現場において太陽電池パネル100Aは充電効率を高める特定方向へ向くように設置され、一方、LED表示部110Aはドライバーに見えるように車両に正対して設置されていた。図22は、従来の自発光視線誘導標90Aが実際に設置された状態を示す。図22図21(A)および(B)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図22に示されるように、太陽電池パネル100Aは図22上で左方向(例えば南方向)を向くように設置され、一方、LED表示部110Aは図22上で正面方向(車両方向)を向くように設置していた。
【0004】
図23は、別の従来の自発光視線誘導標90Bが実際に設置された状態を示す。図23で、符号100Bは上述した特定方向を向いた太陽電池パネル、110Bは車両に正対したLED表示部である。図23に示されるように、降雪または積雪時においてもドライバーを誘導するためにLED表示部110Bを発光させる必要があった。
【0005】
図24は、従来の発光型視線誘導標90Ca等が実際に設置された状態を示す。図24で、符号90Ca、90Cb、90Cc等は矢羽根と言われる発光型視線誘導標であり、110Caは矢羽根90Caに散りつけられたLED表示部である。他の矢羽根90Cb、90Cc等のLED表示部は図面の都合上、明示されていないが備えられている。矢羽根90Ca等には自発光型の装置もある。図25に示されるように、矢羽根90Ca、90Cb、90Cc等は各々スライド式のアルミパイプ(または鋼管。以下「アルミパイプ等」と言う。)120a、120b、120cの先端に取付けられ、アルミパイプ等120a等は支柱(不図示)に取付けられている。矢羽根90Ca等は、積雪時において道路端を示すために効果的な発光型視線誘導標と言われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来の自発光視線誘導標90Aでは、太陽電池パネル100AとLED表示部110Aとを各々別々に製造した後、結線および組立を行っていた。この結果、製造に長時間を要することになり、製品コストの削減が困難であるという問題があった。さらに、設置現場において太陽電池パネル100Aは充電効率を高める特定方向のみへ向くように設置されていたため、設置に長時間を要すると共に、太陽電池パネル100Aの設置方向が特定方向のみに制限されるという問題があった。
【0007】
上述したように、自発光視線誘導標90Bは降雪または積雪時においてもドライバーを誘導するためにLED表示部110Bを発光させる必要があった。しかし、太陽電池パネル100Bは特定方向のみを向いているため、時間帯等により充電量が十分に得られない場合があった。この結果、LED表示部110Bが十分な輝度で発光せず、悪視程時における効果的な視線誘導が困難であるという問題があった。
【0008】
上述した矢羽根90Ca等は積雪時において道路端を示すために効果的な視線誘導標であるが、夏場のように積雪が無い時期では立ち並ぶ光景が異様であると言われ、周囲の景観と合わずに見苦しいという問題があった。
【0009】
そこで、本発明の目的は上記問題を解決するためになされたものであり、製造に長時間を要することなく製品コストの削減を容易とし、設置に長時間を要することなく且つ太陽電池パネルの設置方向が特定方向のみに制限されない自発光視線誘導標等の自発光装置を提供することにある。
【0010】
本発明の第2の目的は、降雪または積雪時等の悪視程時においても効果的な視線誘導ができる自発光視線誘導標を提供することにある。
【0011】
本発明の第3の目的は、夏場のように積雪が無い時期においても周囲の景観と合わせることができ、見苦しくない自発光視線誘導標を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の自発光装置は、所定の基板部に形成された該基板部の両面から受光可能な太陽電池回路部と、前記所定の基板部の少なくとも片面側に形成された発光回路部と、前記所定の基板部に搭載可能な、前記太陽電池回路部及び前記発光回路部を制御する制御回路部とを備え、前記太陽電池回路部と前記発光回路部とは前記制御回路部を介して接続されており、前記所定の基板部は1枚のガラス・エポキシ基板であり、前記太陽電池回路部は該ガラス・エポキシ基板中に埋め込まれた両面受光型太陽電池であることを特徴とする。前記制御回路部に接続された二次電池または電気二重層キャパシタも前記所定の基板部に搭載可能である。
【0014】
ここで、この発明の自発光装置において、所定の基板部に形成された該基板部の両面から受光可能な太陽電池回路部と、前記所定の基板部の片面側にのみ形成された発光回路部と、前記所定の基板部に搭載可能な、前記太陽電池回路部及び前記発光回路部を制御する制御回路部とを備え、前記太陽電池回路部と前記発光回路部とは前記制御回路部を介して接続されており、前記所定の基板部は2枚の基板を備え、前記太陽電池回路部は、1枚の該基板上に形成された片面受光型太陽電池であって該所定の基板部の片面側から受光可能に設置されたものと、1枚の他の該基板上に形成された片面受光型太陽電池であって該所定の基板部の他の片面側から受光可能に設置されたものとを備えることができる。
【0015】
ここで、この発明の自発光装置において、前記発光回路部は同一の発光色を有する1個以上の単色発光ダイオード又は複色発光ダイオード、又は異なる発光色を有する2個以上の単色発光ダイオード若しくは1個以上の複色発光ダイオードとすることができる。単色、複色の区別については後述する。
【0016】
この発明の自発光視線誘導標は、本発明の自発光装置を用いた自発光視線誘導標であって、前記制御回路部と接続された明暗を検出する明暗検出センサと、前記制御回路部と接続された、前記太陽電池回路部により充電される二次電池又は電気二重層キャパシタとを備え、前記制御回路部は、前記明暗検出センサにより暗と検出された場合、前記二次電池又は前記電気二重層キャパシタを放電させて前記単色発光ダイオード又は前記複色発光ダイオードを所定の輝度で発光させることを特徴とする。
【0017】
ここで、この発明の自発光視線誘導標において、前記制御回路部は前記単色発光ダイオード又は前記複色発光ダイオードを点滅又は常灯させて発光させ、該単色発光ダイオード又は該複色発光ダイオードが2個以上の場合、複数個の該単色発光ダイオード又は該複色発光ダイオードを所定の形状に配置することができる。
【0018】
ここで、この発明の自発光視線誘導標において、前記単色発光ダイオード又は前記複色発光ダイオードの照射側を路上へ向けて配置することができる。
【0019】
ここで、この発明の自発光視線誘導標において、前記所定の形状はマトリックス型であり、前記制御回路部は記録された文字データに基づき該マトリックス型に配置された前記単色発光ダイオード又は前記複色発光ダイオードに文字を表示させることができる。
【0020】
この発明の照明装置は、本発明の自発光装置を用いた照明装置であって、前記制御回路部は前記単色発光ダイオード又は前記複色発光ダイオードを常灯させて発光させ、該単色発光ダイオード又は前記複色発光ダイオードは所定の形状に配置された白色ダイオードであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の自発光装置は1枚の基板(好適にはガラス・エポキシ基板)と、基板中に埋め込まれ相互に接続された両面発電セルと、両面発電セルを覆って基板の両面に形成されたEVA樹脂と、両EVA樹脂上に形成された耐候性フィルムとからなる積層構造を有し、基板上に両面発電セルと制御回路部を介して接続されたLEDを備えている。制御回路部は基板上に搭載することが可能であり、基板上には制御回路部と接続された二次電池または電気二重層キャパシタも搭載可能である。以上のように、基板上に両面発電セルとLEDと制御回路部と二次電池または電気二重層キャパシタとを一体として装着することができる。この結果、両面発電セルとLEDと制御回路部とを各々別々に製造した後、結線および組立を行う作業を省略することができるため、製造に長時間を要することなく且つ構造が簡素化されるため、製品コストの削減を容易とすることができる自発光装置を提供することができるという効果がある。
【0022】
加えて、本発明の自発光装置は、組立時において基板上に両面発電セルとLEDと制御回路部と二次電池または電気二重層キャパシタとは一体構造となっている。このため、設置現場において従来のように太陽電池パネルの向きだけ特定方向に設置する手間が不要となり、設置に長時間を要することがない。この結果、設置に長時間を要することなく且つ発電セルの設置方向が特定方向のみに制限されない、言い換えれば基板を向ける方角(方向性)に関係なく設置可能な自発光装置を提供することができるという効果がある。自発光装置の基板を立てて設置する場合、両面発電セルは表面側が南で裏面側が北、または表面側が東で裏面側が西の2方向に向くことになるため、基板を向ける方角(方向性)に関係なく同じ発電量を一日の間に得ることができるという顕著な効果を奏することができる。反射光を基板の裏側から受光することができるため、裏面側の発電量も全発電量に加わることにより片面発電セルよりも発電量が増大することになる。特に、降雪地域では、強い反射光を基板の裏側から受光することができるため、自発光装置の裏面側の発電量をさらに増大させることが可能となるという効果がある。
【0023】
本発明の自発光装置を用いて自発光視線誘導標を実現することができる。自発光視線誘導標の制御部は、常夜点灯型の場合、昼夜(明暗)検出センサにより夜間(暗)と検出された場合、二次電池または電気二重層キャパシタを放電させて所定の輝度でLEDを発光させる。一方、昼夜検出センサにより夜間(暗)と検出されなかった場合、LEDを消灯させる。24時間型の場合、制御部は明暗検出センサにより夜間と検出された場合は所望の減光輝度でLEDを発光させ、夜間と検出されなかった場合は最大輝度でLEDを発光させる。制御部はLEDを点滅または常灯させて発光させることもできる。LEDを2個以上用いる場合、複数個のLEDを所定の形状に配置することもできる。自発光視線誘導標の両面ソーラー発光ユニットには両面発電セルとLEDとが一体構造となっている。両面ソーラー発光ユニットは透明な2つの筐体に挟まれており、両面ソーラー発光ユニットの受光面の設置方向は特定方向のみに制限されない。このため、設置現場では一方の筐体側をドライバーに見えるように車両に正対して路側等に設置するだけで済む。道路事情により、一方の筐体側を真北に向けて設置した場合であっても、当該筐体の裏面側である他の筐体(南)側の両面発電セルから受光できるため、発電量は午前12時(正午)頃をピークとする正規分布的な発電量となる。この結果、筐体を向ける方角(方向性)に関係なく同じ発電量を一日の間に得ることができるという効果がある。特に、降雪地域では、強い反射光を他の筐体側から受光することができるため、発電量をさらに増大させることが可能となる。この結果、降雪または積雪時においてもLEDは十分な輝度で発光するため、本発明の実施例は視線誘導標によれば、悪視程時においてもドライバーに対する効果的な視線誘導ができるという効果がある。
【0024】
本発明の自発光視線誘導標によれば、LEDの照射側を下側(路上側)へ向けて路側等に配置することもできるため、夏場のように積雪が無い時期においても周囲の景観と合わせることができ、従来の矢羽根のように見苦しくない自発光視線誘導標を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施例1における自発光装置1の積層構造例を示す図である。
図2】本発明の実施例1における自発光装置2の積層構造例を示す図である。
図3】両面発電セル12a等およびLED18−1等の模式的な回路図である。
図4】本発明の実施例1における自発光装置1または2の外観形状を示す図である。
図5】自発光装置1等および従来の片面発電セルに対する発電量等の測定方法および条件等を示す図である。
図6】片面発電セル100に対する発電量等の実測結果を表形式で示す図である。
図7】自発光装置1等(両面発電セル)に対する発電量等の実測結果を表形式で示す図である。
図8図6に示される片面発電セル100の最大出力Pm(W)の実測結果と図7に示される自発光装置1等の最大出力Pm(W)の実測結果との比較を示す図である。
図9図6に示された片面発電セル100に対する発電量等の実測結果に基づく発電特性のイメージを示す図である。
図10図7に示された自発光装置1等に対する発電量等の実測結果に基づく発電特性のイメージを示す図である。
図11】照射光Lが照射される照射面はそのままとし、裏面側を完全に覆った場合における片面(照射面)の発電量等を表形式で示す図である。
図12】自発光装置1等に対する反射光の役割を説明するための図である。
図13】本発明の実施例2における自発光装置3の積層構造例を示す図である。
図14】本発明の実施例3における自発光装置4の積層構造例を示す図である。
図15】本発明の実施例4における視線誘導標の回路ブロックを示す図である。
図16】本発明の実施例4における視線誘導標(常夜点灯型)の処理の流れを示すフローチャートである。
図17】本発明の実施例4における視線誘導標(24時間型)の処理の流れを示すフローチャートである。
図18】本発明の実施例4における視線誘導標60の外観図である。
図19図18(A)および(B)に示された視線誘導標60の外観断面図である。
図20図18および19に示された視線誘導標60のCGによる斜視図である。
図21】従来の視線誘導標90Aを示す図である。
図22】従来の自発光視線誘導標90Aが実際に設置された状態を示す図である。
図23】別の従来の自発光視線誘導標90Bが実際に設置された状態を示す図である。
図24】従来の発光型視線誘導標90Ca等が実際に設置された状態を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の自発光装置は、後述する実施例1および2に示される所定の基板部に形成された当該基板部の両面から受光可能な太陽電池回路部と、上記所定の基板部の少なくとも片面側に形成された発光回路部と、上記所定の基板部に搭載可能な、前記太陽電池回路部及び前記発光回路部を制御する制御回路部とを備えている。上記太陽電池回路部と上記発光回路部とは上記制御回路部を介して接続されており、上記制御回路部に接続された二次電池または電気二重層キャパシタも上記所定の基板部に搭載可能である。以下、各実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0027】
図1は、本発明の実施例1における自発光装置1の積層構造例を示す。図1で、符号10は1枚の基板(所定の基板部)、12a、12b、12cは基板10中に埋め込まれ相互に接続された両面発電セル(太陽電池回路部)、14は両面発電セル12a、12b、12c(以下、「両面発電セル12a等」と言う。)を覆って基板10の両面(図1に示される受光面表側および裏側)に形成されたエチレン−酢酸ビニル共重合(Ethylence-Vinyl Acetate : EVA)樹脂、16は両面のEVA樹脂14上に形成された耐候性フィルム、18−1は両面発電セル12a等と接続されたLED(発光回路部)である。基板10は好適にはガラス・エポキシ基板(正式には、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂プリント板。JIS C 6489規格)である。しかし、基板10はJIS C 6489規格に限定されるものではなく、他の規格のプリント板であってもよい。図1では両面発電セル12a等は3個のみ示されているが、これは図面の都合上の数であって3個に限定されるものではない。両面発電セル12a等は好適にはPVGSolution株式会社製のEarthON(登録商標)シリーズの単結晶両面受光セルである。しかし、両面発電セル12a等は当該単結晶両面受光セルに限定されるものではなく、他の両面受光型太陽電池であってもよい。図1に示されるように、両面発電セル12a等はガラス・エポキシ基板10中に埋め込まれている。埋め込みは、例えばルータエンドミル(ダイヤ目ルータ等)の回転切削工具を用いてガラス・エポキシ基板10に穴を加工し、その穴の中に埋め込む等の方法を用いることができる。通常の両面受光型モジュールは両面発電セルを2枚の白板強化ガラスの間に封止しているが、本発明の自発光装置1では両面発電セル12a等をガラス・エポキシ基板10中に埋め込んでいることが特徴である。EVA樹脂14に関しても他の透明な熱可塑性合成樹脂を用いてもよい。耐候性フィルム16は好適には旭硝子株式会社販売元のアフレックス(登録商標)である。しかし、耐候性フィルム16はアフレックス(登録商標)に限定されるものではなく、耐候性がある透明フィルムであれば他のフィルムであってもよい。
【0028】
図1に示されるように、LED18−1は基板10の片面側(図1に示される受光面表側)にのみ形成されている。しかし、LED18−1は基板10の他の片面側(図1に示される受光面裏側)にのみ形成してもよく、基板10の両面側(図1に示される受光面表側および裏側)に形成してもよい。図1ではLED18−1は1個のみ示されているが、これは図面の都合上の数であって1個に限定されるものではない。使用目的に応じて、LED18−1を複数個用いた縦列形、円形、その他所望の集合体形等を構成することが可能である。LED18−1自体の型はチップ型(表面実装型。SMD)であるが、基板10に装着するLEDはチップ型に限定されるものではない。図2は、本発明の実施例1における自発光装置2の積層構造を示す。図2図1と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図2に示されるように、LED18−2はディスクリート型(砲弾型)を用いている。LED18−1、LED18−2(以下、「LED18−1等」と言う。)の発光色は任意に選択可能であり、同一の発光色を有する1個以上のLED18−1等としてもよく、あるいは異なる発光色を有する2個以上のLED18−1等としてもよい。注意喚起、情報伝達、視線誘導等、使用目的等に応じて発光色の選択(組合わせ)を行うことができる。
【0029】
図1および2で、符号20は両面発電セル12a等およびLED18−1等と接続され、これらを制御する制御回路部である。両面発電セル12a等とLED18−1等とは制御回路部を介して接続されている。図1および2では制御回路部20は基板10から少し離した位置に取付けた例を示してあるが、制御回路部20は基板10上に搭載することが可能である。以上のように、基板10上に両面発電セル12a等とLED18−1等と制御回路部20とを一体として装着することができる。この結果、両面発電セル12a等とLED18−1等と制御回路部20とを各々別々に製造した後、結線および組立を行う作業を省略することができるため、製造に長時間を要することなく製品コストの削減を容易とすることができる。
【0030】
図3は、両面発電セル12a等およびLED18−1等の模式的な回路図を示す。図3図1と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図3に示されるように、両面発電セル12a等は9個直列接続されており、これらを電源とするLED18−1等が受光面表側に4個および裏側に4個、各々並列接続されている。両面発電セル12a等の直列接続の+側がLED18−1等の並列接続の+側に接続可能となっている。以上の両面発電セル12a等およびLED18−1等の個数は一例であって、当該個数に限定されるものではない。
【0031】
図4(A)および(B)は、本発明の実施例1における自発光装置1または2の外観形状を示す。図4(A)および(B)で図1と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図4で符号18a乃至18j(以下、「LED18a等」と言う。)はLED18−1等と同様のLED、12dは両面発電セル12a等と同様の両面発電セルである。図4(A)は自発光装置1または2(以下、「自発光装置1等」と言う。)の組立時の状態を示しており、上述したように基板10上において両面発電セル12a等とLED18a等と制御回路部20(不図示)とは一体構造となっている。図4(B)は自発光装置1等の設置時の状態を示しており、自発光装置1等の受光面(表側及び裏側)は矢印Aで示されるように全方位に向けて設置可能となっている。LED18a等をドライバーに見えるように車両に正対して設置した際に車両方向が北向き等である場合、従来は図22(B)に示されるように設置現場において太陽電池パネル100Aは充電効率を高める特定方向(例えば南向き)に設置させる手間を要していた。しかし、本発明の実施例1における自発光装置1等では両面発電セル12a等を用いているため、車両方向(北)の裏面側(南)からも太陽光を受光することができる。従って、従来のように設置現場において太陽電池パネル100Aの向きだけ特定方向に設置する手間が不要となり、設置に長時間を要することがない。即ち、自発光装置1等の受光面の設置方向は特定方向のみに制限されないため、設置現場ではLED18a等をドライバーに見えるように車両に正対して設置するだけで済む。
【0032】
発明者は、上述した自発光装置1等と従来の片面発電セルとについて発電量等の性能比較を行った。以下、性能比較の結果について説明する。測定はJIS C 8914に規定される地上用結晶系太陽電池モジュールの出力特性を測定する方法に準じて行った。測定対象となる従来の片面発電セルとしてはGintech Energy(登録商標) Corporation社製のDouroシリーズ 高効率単結晶シリコン太陽電池を用いた。測定器はウシオ電機株式会社製のFSS−5003Sを用いた。図5(A)および(B)は、自発光装置1等および従来の片面発電セルに対する発電量等の測定方法および条件等を示す。図5(A)で、符号100は測定対象となる従来の片面発電セルである。図5(A)に示されるように、自発光装置板1等、片面発電セル100の左側から照射光Lが照射され、照射光Lに対する自発光装置板1等、片面発電セル100の設置角度を0度から45度毎に360度回転させて各々の設置角度における発電量を測定した。図5(A)では図面の都合上、設置角度が0度、90度の場合のみ示す。図5(B)は片面発電セル100のメーカー保証規格を表形式で示す。図5(B)に示されるように、測定の基準状態(条件)はモジュール温度が25℃、エアマス(AM)が1.5、照射光Lの放射照度は1kW/mである。図5(B)に示される表で、最大出力はPm(W)欄、最大出力動作電流はIpm(A)欄、最大出力動作電圧はVpm(V)欄、短絡電流はISO(A)欄、開放電圧はVOC(V)欄で示される(以下の図6〜8に示される表でも同様)。図5(B)の表に示されるように、Pm(W)は0.90(W)、Ipmは0.20(A)、Vpmは4.50(V)、ISOは0.22(A)、VOCは5.60(V)である。
【0033】
図6は、片面発電セル100に対する発電量等の実測結果を表形式で示す。図6で、最左の角度欄は上述した設置角度および実際の方角を示し、Pm(W)欄、Ipm(A)欄、Vpm(V)欄、ISO(A)欄およびVOC(V)欄の意味は各々図5(B)と同様であるため、説明は省略する。図6の角度欄下から3行目〜5行目(各々、最大、最小、平均)に示されるように、最大出力(発電量)は設置角度が0度(南)の場合であり、最小出力は設置角度が90度(東)の場合であり、平均の出力は0.3456(W)となった。平均の出力を越える角度は0度(南)、45度(南東)、315度(南西)であり、片面発電セル100の場合、発電量を高くするためには設置方角が南側向きに制限されることがわかる。
【0034】
図7は、自発光装置1等(両面発電セル)に対する発電量等の実測結果を表形式で示す。図7で、各欄、各行の意味は各々図6と同様であるため、説明は省略する。図7に示されるように、最大出力は片面発電セル100と同様に設置角度が0度(南)の場合であり、最小出力は片面発電セル100と同様に設置角度が90度(東)の場合であった。一方、平均の出力は0.7374(W)であり、片面発電セル100の場合の約2.1倍と顕著に増加した。平均の出力を越える角度は片面発電セル100と同様の0度(南)、45度(南東)、315度(南西)に加えて、135度(北東)、180度(北)、225度(北西)も含まれる結果となった。特に180度(北)の場合の発電量は0度(南)に次ぐ値であり、自発光装置1等の片面を北側へ向けた場合であっても、反対側の片面は南側を向いているため、設置角度を振った場合、すべての設置角度において発電量は自発光装置1等が片面発電セル100より圧倒的に高いことが示された。即ち、自発光装置1等は設置角度に関わらず、片面発電セル100より極めて高い発電量を確保することができるため、設置角度が南側向き等の特定方向のみに制限されないという顕著な効果を奏している。
【0035】
図8(A)および(B)は、図6に示される片面発電セル100の最大出力Pm(W)の実測結果と図7に示される自発光装置1等の最大出力Pm(W)の実測結果との比較を示す。図8(A)は当該比較をグラフで示す。図8(A)で、横軸は設置角度および方角、縦軸は最大出力Pm(W)である。図8(A)の最大出力Pm(W)のグラフは原図では片面発電セル100側を青色(片面B)、自発光装置1等側を赤色(両面R)で表示してあるが、出願用の図面では白黒表示となるため、各々符号B、Rを付してある。図8(A)より、すべての設置角度において最大出力Pm(W)は自発光装置1等(両面R)が片面発電セル100(片面B)より圧倒的に高いことが明確に示されている。図8(B)は当該比較を表形式で示す。図8(B)で、各欄の意味は各々図6と同様であるため、説明は省略する。図8(B)の片面行が片面発電セル100の最大出力Pm(W)であり、両面行が自発光装置1等の最大出力Pm(W)である。図8(B)に示されるように、すべての設置角度において最大出力Pm(W)は自発光装置1等(両面R)が片面発電セル100(片面B)より圧倒的に高い。具体的には、0度(南)の場合約1.2倍、45度(南東)の場合約1.2倍、90度(東)の場合約2.9倍、135度(北東)の場合約16倍、180度(北)の場合約18倍、225度(北西)の場合約14倍、270度(西)の場合約1.5倍、315度(南)の場合約1.1倍高い。単純に平均すると、最大出力Pm(W)は自発光装置1等(両面R)が片面発電セル100(片面B)より約7倍高い値となることが示された。
【0036】
図9(A)、(B)および(C)は、図6に示された片面発電セル100に対する発電量等の実測結果に基づく発電特性のイメージを示す。図9(A)、(B)、(C)は片面発電セル100を各々真南、真東、真北に向けて設置した場合を示す。図9(A)、(B)、(C)で横軸は時間(日の出から日の入りまで。あるいは午前0時から、午前12時または午後0時(いずれも正午を指す。)を経て午後12時または午前0時(いずれも子夜を指す。)まで)、縦軸は発電量である。図9(A)に示されるように真南に向けて設置した場合、発電量は午前12時(正午)頃をピークとする正規分布的な発電量となる。図9(B)に示されるように真東に向けて設置した場合、発電量は午前中がピ−クとなり、その後は極めて低い発電量となる。図9(C)に示されるように真北に向けて設置した場合、発電量は終日極めて低い。
【0037】
図10(A)、(B)および(C)は、図7に示された自発光装置1等に対する発電量等の実測結果に基づく発電特性のイメージを示す。図10(A)、(B)、(C)は自発光装置1等を図9(A)、(B)および(C)と同様に各々真南、真東、真北に向けて設置した場合を示す。図10(A)、(B)、(C)で横軸および縦軸は図9(A)、(B)および(C)と同様であるため、説明は省略する。図10(A)に示されるように真南に向けて設置した場合、発電量は図9(A)と同様に午前12時(正午)頃をピークとする正規分布的な発電量となる。一方、図10(B)に示されるように真東に向けて設置した場合、発電量は午前中だけでなく午後にもピークがある。この理由は、自発光装置1等は両面発電セル12a等を用いていることにより、真東に向けて設置した場合でも午後には裏面側から受光できるためである。図10(C)に示されるように真北に向けて設置した場合、真南に向けて設置した場合と同様に午前12時(正午)頃をピークとする正規分布的な発電量となる。この理由も、自発光装置1等は両面発電セル12a等を用いていることにより、真北に向けて設置した場合でも裏面(南)側から受光できるためである。以上より明らかなように、自発光装置1等は基板10を向ける方角に関係なく同じ発電量を一日の間に得ることができる。
【0038】
図11は、自発光装置1等について照射光L(図5参照)が照射される照射面はそのままとし、裏面側を完全に覆った場合における片面(照射面)の発電量等を表形式で示す。自発光装置1等の片面を表(A面)とし、他の片面を裏(B面)とする。図11で、最左欄は照射面がどちらの面であるか等を意味し、その他の各欄の意味は各々図6と同様であるため、説明は省略する。図11に示されるように、A面とB面とは設置角度0度(南)において発電量に約5%程度の差異があることがわかった。さらに、図11図7の設置角度0度(南)における最大出力Pm(W)とを比較すると明らかなように、A面およびB面共、裏面(南)側を完全に覆った場合、発電量が低くなっていることがわかった。
【0039】
図12は、自発光装置1等に対する反射光の役割を説明するための図である。図12に示されるように、太陽光Fは自発光装置1等の基板10の表面側から入射する一方、基板10に入射しなかった太陽光Fは種々の物体および地表面に当たり、反射光Rとして自発光装置1等の基板10の裏面側から入射することになる。この結果、基板10の裏面側を完全に覆った場合、自発光装置1等は反射光Rを受光できなくなるため、上述した図11図7との比較が示すように、発電量が低くなると考えられる。逆に言うと、基板10の裏面側を覆わない自発光装置1等の通常の使用状態では、反射光Rを基板10の裏面側から受光することができるため、裏面側の発電量も全発電量に加わることにより片面発電セル100よりも発電量が増大することになる。特に、降雪地域では、強い反射光Rを基板10の裏面側から受光することができるため、自発光装置1等の裏面側の発電量をさらに増大させることが可能となる。
【0040】
以上のように、本発明の実施例1によれば、自発光装置1等は1枚の基板(好適にはガラス・エポキシ基板)10と、基板10中に埋め込まれ相互に接続された両面発電セル12a等と、両面発電セル12a等を覆って基板10の両面に形成されたEVA樹脂14と、両面のEVA樹脂14上に形成された耐候性フィルム16とからなる積層構造を有し、基板10上に両面発電セル12a等と接続されたLED18−1等を備えている。通常の両面受光型モジュールは両面発電セルを2枚の白板強化ガラスの間に封止しているが、本発明の実施例1における自発光装置1等では両面発電セル12a等をガラス・エポキシ基板10中に埋め込んでいることが特徴である。LED18−1等は基板10の他の片面側にのみ形成してもよく、基板10の両面側に形成してもよい。LED18−1等の型はチップ型(表面実装型。SMD)、ディスクリート型(砲弾型)を任意に選択することができる。LED18−1等の発光色は任意に選択可能であり、単一の発光色で纏めてもよく、あるいは複数の異なる発光色とすることもできる。LED18−1等は単色タイプのLED(1つのLEDで1色発光。赤、青、緑、白、橙等)、2色タイプのLED(1つのLEDで2色発光。赤と青、赤と緑、橙と緑等の7種類)、または3色タイプのLED(1つのLEDで3色発光。赤と緑と青)から任意のタイプのLEDを任意数個選択可能である。以下では、単色タイプのLEDを単色LEDと呼び、1つで複数の異なる発光色を有するタイプのLED(2色タイプのLED等)を複色LEDと呼ぶ。全体を単一の発光色とする場合、LED18−1等として同一の発光色を有する上記単色LEDまたは複色LEDを1個以上用いればよい。複数の異なる発光色とする場合、LED18−1等として異なる発光色を有する単色LEDを2個以上用いればよい。あるいは、LED18−1等として複色LEDを1個以上用いればよい。即ち、LED18−1等は、同一の発光色を有する1個以上の単色LEDまたは複色LEDとしてもよく、または異なる発光色を有する2個以上の単色LEDとしてもよく、若しくは1個以上の複色LEDとしてもよい。注意喚起、情報伝達、視線誘導等、使用目的等に応じて発光色の選択(組合わせ)を行うことができる。制御回路部20は基板10から少し離した位置に取付けた例を示したが、制御回路部20は基板10上に搭載することが可能である。両面発電セル12a等とLED18−1等とは制御回路部20を介して接続されている。後述するように、基板10上には制御回路部20と接続された二次電池または電気二重層キャパシタも搭載可能である。以上のように、基板10上に両面発電セル12a等とLED18−1等と制御回路部20と二次電池または電気二重層キャパシタとを一体として装着することができる。この結果、両面発電セル12a等とLED18−1等と制御回路部20とを各々別々に製造した後、結線および組立を行う作業を省略することができるため、製造に長時間を要することなく且つ構造が簡素化されるため、製品コストの削減を容易とすることができる自発光装置1等を提供することができる。
【0041】
本発明の実施例1における自発光装置1等は、組立時において基板10上に両面発電セル12a等とLED18a等と制御回路部20とは一体構造となっている。このため、設置現場において従来のように太陽電池パネル70Aの向きだけ特定方向に設置する手間が不要となり、設置に長時間を要することがない。即ち、自発光装置1等の受光面の設置方向は特定方向のみに制限されないため、設置現場ではLED18a等をドライバーに見えるように車両に正対して設置するだけで済む。この結果、設置に長時間を要することなく且つ発電セルの設置方向が特定方向のみに制限されない、言い換えれば基板10を向ける方角(方向性)に関係なく設置可能な自発光装置1等を提供することができる。
【0042】
発明者らが行った自発光装置1等と片面発電セル100とに対する発電量等の実測結果では、設置角度を振った場合、すべての設置角度において発電量は自発光装置1等が片面発電セル100より圧倒的に高いことが示された。即ち、自発光装置1等は設置角度に関わらず、片面発電セル100より極めて高い発電量を確保することができるため、設置角度が特定方向のみに制限されないという顕著な効果を奏することができる。一日の時間を通した発電量は、自発光装置1等を真南に向けて設置した場合、発電量は午前12時(正午)頃をピークとする正規分布的な発電量となる。真東に向けて設置した場合、発電量は午前中だけでなく午後にもピークがある。この理由は、自発光装置1等は両面発電セル12a等を用いていることにより、真東に向けて設置した場合でも午後には裏面側から受光できるためである。真北に向けて設置した場合、真南に向けて設置した場合と同様に午前12時(正午)頃をピークとする正規分布的な発電量となる。この理由も、自発光装置1等は両面発電セル12a等を用いていることにより、真北に向けて設置した場合でも裏面(南)側から受光できるためである。以上より明らかなように、自発光装置1等の基板10を立てて設置する場合、両面発電セル12a等は表面側が南で裏面側が北、または表面側が東で裏面側が西の2方向に向くことになるため、基板10を向ける方角(方向性)に関係なく同じ発電量を一日の間に得ることができるという顕著な効果を奏することができる。
【0043】
太陽光Fは自発光装置1等の基板10の表側から入射する一方、基板10に入射しなかった太陽光Fは種々の物体および地表面に当たり、反射光Rとして自発光装置1等の基板10の裏側から入射することになる。この結果、反射光Rを基板10の裏側から受光することができるため、裏面側の発電量も全発電量に加わることにより片面発電セル100よりも発電量が増大することになる。特に、降雪地域では、強い反射光Rを基板10の裏側から受光することができるため、自発光装置1等の裏面側の発電量をさらに増大させることが可能となるという顕著な効果を奏することができる。
【実施例2】
【0044】
実施例1では、所定の基板部は1枚の基板10とし、太陽電池回路部は基板10中に埋め込まれ相互に接続された両面発電セルとして構成された、基板10の両面から受光可能な自発光装置1等について説明した。実施例2では、所定の基板部は2枚の基板とし、太陽電池回路部は各基板上に設置され相互に接続された片面発電セルとして構成された、各基板の受光面から各々受光することにより両面から受光可能な自発光装置3について説明する。
【0045】
図13は、本発明の実施例2における自発光装置3の積層構造例を示す。図13図1と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図13で、受光面表側について符号34Fは保護材、30Fは保護材34F上に形成された1枚の基板、32aF、32bF、32cFは基板30F上に形成され相互に接続された片面発電セル(片面受光型太陽電池)であり、受光面裏側について符号34Bは保護材、30Bは保護材34B上に形成された1枚の基板、32aB、32bB、32cBは基板30B上に形成され相互に接続された片面発電セル(片面受光型太陽電池)である。図13に示されるように、実施例2における自発光装置3は通常の片面受光型太陽電池パネルを2枚用い、各基板30Fと30Bとを貼り合せた形態となっている。所定の基板部は詳しくは保護材34Fおよび34Bを介して貼り合せた2枚の基板30Fおよび30Bから構成されているが、保護材34Fと34Bとは単一の保護材としてもよい。従って、概念的には所定の基板部は貼り合せた2枚の基板30Fおよび30Bから構成されているものと考えてもよい。太陽電池回路部は1枚の基板30F上に形成された片面発電セル32aF、32bF、32cFであって当該所定の基板部の片面(受光面表)側から受光可能に設置されたものと、1枚の他の基板30B上に形成された片面発電セル32aB、32bB、32cBであって当該所定の基板部の他の片面(受光面裏)側から受光可能に設置されたものとから構成されている。
【0046】
図13で、基板30Fまたは30B、片面発電セル32aFまたは32aB等の各構成要素は符号F、Bを付すことにより受光面表側と裏側とを区別しているが、材料としては各々同じ物を用いている。以下では、特に受光面表側と裏側とを区別する場合を除き、基板30F等のように記載することにより、両者(30F、30B)を参照する。保護材34F等は従来技術の樹脂、ガラス等の保護材を用いることができる。基板30F等は従来技術の導電性基板、絶縁性基板、半導体基板、フレキシブル基板等を適宜用いればよく、実施例1と同様のガラス・エポキシ基板を用いてもよい。片面発電セル32aF等は従来技術のシリコン系または化合物半導体系のセルを適宜用いればよい。片面発電セル32aF等の数は図13に示される数に限定されるものではない。図13では、LED18−1等(LED18−1または18−2の意味)は基板30Fの片面(受光面表)側に形成され且つ基板30Bの片面(受光面裏)側に形成されている。しかし、LED18−1等は基板30Fの片面(受光面表)側にのみまたは基板30Bの片面(受光面裏)側にのみ形成してもよい。実施例1と同様に、LED18−1等の数は図13に示される数に限定されるものではなく、使用目的に応じて、LED18−1等を複数個用いた縦列形、円形、その他所望の集合体形等を構成することが可能である。実施例1と同様に、LED18−1等の発光色は任意に選択可能であり、LED18−1等は、同一の発光色を有する1個以上の単色LEDまたは複色LEDとしてもよく、あるいは異なる発光色を有する2個以上の単色LEDとしてもよく、または1個以上の複色LEDとしてもよい。注意喚起、情報伝達、視線誘導等、使用目的等に応じて発光色の選択(組合わせ)を行うことができる。
【0047】
図13で、符号40は片面発電セル32aF等およびLED18−1等と接続され、これらを制御する制御回路部である。実施例1と同様に、図13では制御回路部40は基板30F等から少し離した位置に取付けた例を示してあるが、制御回路部40は基板30Fまたは30B上に搭載することが可能である。両面発電セル32aF等とLED18−1等とは制御回路部40を介して接続されている。後述するように、基板30F等上には制御回路部40と接続された二次電池または電気二重層キャパシタも搭載可能である。
【0048】
以上のように、本発明の実施例2によれば、基板30F等上に片面発電セル32aF等とLED18−1等と制御回路部40とを一体として装着することができる。この結果、片面発電セル32aF等とLED18−1等と制御回路部40とを各々別々に製造した後、結線および組立を行う作業を省略することができる。この結果、製造に長時間を要することなく且つ構造が簡素化されるため、製品コストの削減を容易とすることができる自発光装置3を提供することができる。自発光装置3は、組立時において基板30F上に片面発電セル32aF、32bF、32cFとLED18−1等とが一体として形成され、且つ基板30B上に片面発電セル32aB、32bB、32cBとLED18−1等とが一体として形成され、基板30Fまたは30B上に制御回路部40が一体として形成されている。後述するように、基板30F等上には制御回路部40と接続された二次電池または電気二重層キャパシタも搭載可能である。さらに基板30Fと30Bとが貼り合わされ、全体として一体構造となっている。このため、設置現場において従来のように太陽電池パネル70Aの向きだけ特定方向に設置する手間が不要となり、設置に長時間を要することがない。即ち、自発光装置3の受光面の設置方向は特定方向のみに制限されないため、設置現場ではLED18−1等をドライバーに見えるように車両に正対して設置するだけで済む。この結果、設置に長時間を要することなく且つ発電セルの設置方向が特定方向のみに制限されない、言い換えれば基板30F等を向ける方角(方向性)に関係なく設置可能な自発光装置3を提供することができる。
【0049】
太陽光の反射光は、実施例1と同様に自発光装置3の基板30B(受光面裏)側から入射するため、裏面側の発電量も全発電量に加わることにより発電量が増大することになる。特に、降雪地域では、強い反射光を基板30B側から受光することができるため、自発光装置3の受光面裏側の発電量をさらに増大させることが可能となるという顕著な効果を奏することができる。
【実施例3】
【0050】
実施例2では、図13に示されるように基板30Fと30Bとが保護材34F等を介して貼り合わされ、全体として一体構造とした。しかし、基板30Fと30Bとは必ずしも保護材34F等を介して貼り合せる必要はない。図14は、本発明の実施例3における自発光装置4の積層構造例を示す。図14図13と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図14に示されるように、基板30F(および保護材34F)と基板30B(および保護材34B)とはアルミ枠42を介して一体として形成されている。従って、所定の基板部は詳しくは保護材34Fおよび基板30Fと保護材34Bおよび基板30Bとアルミ枠42とから構成されているが、概念的には所定の基板部は2枚の基板30Fおよび30Bから構成されているものと考えてもよい。その他の構成要素に関する説明は実施例2と同様であるため、省略する。
【0051】
以上のように、本発明の実施例3によれば、基板30F(および保護材34F)と基板30B(および保護材34B)とはアルミ枠42を介して一体として形成されている。このため、実施例2のように、基板30Fと30Bとは必ずしも保護材34F等を介して貼り合せる必要はない。この結果、実施例2の効果に加えて、基板30F(および保護材34F)と基板30B(および保護材34B)との間の空間に他の回路を設けることも可能である。
【実施例4】
【0052】
実施例4では上述した実施例1乃至3の自発光装置1乃至4の何れかを用いた自発光視線誘導標について説明する。図15は、本発明の実施例4における自発光視線誘導標の回路ブロックを示す。図15図1および図13と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図15で、符号50は制御部20または40と接続された昼夜(明暗)を検出する昼夜(明暗)検出センサ、52は制御部20または40と接続された、両面発電セル12a等または片面発電セル32aF等(太陽電池回路部)により充電される二次電池または電気二重層キャパシタである。図15に示されるように、自発光装置1乃至4は両面発電セル12a等または片面発電セル32aF等と制御部20または40とLED18−1等とから構成されている。しかし、広義の自発光装置1乃至4には二次電池または電気二重層キャパシタ52を含めてもよい。図15に示されるように、両面発電セル12a等または片面発電セル32aF等とLED18−1等とは制御部20または40を介して接続されている。
【0053】
図16は、本発明の実施例4における自発光視線誘導標(常夜点灯型)の処理の流れをフローチャートで示す。図16に示されるように、制御部20または40は、昼夜検出センサ50により夜間(暗)と検出された場合、二次電池または電気二重層キャパシタ52を放電させてLED18−1等を所定の輝度で発光させる(ステップS10、S12)。所定の輝度としては例えば最大輝度に対して所望の割合の輝度とすればよい。一方、昼夜検出センサ50により夜間(暗)と検出されなかった場合、LED18−1等を消灯させる(ステップS10、S14)。昼夜検出センサ50は明暗検出センサでもあるため、夜間ではなくても所定の暗さを検出した場合はLED18−1等を発光させる。自発光装置1乃至4を自発光視線誘導標で使用する場合、制御部20または40には上述した処理を実行できるように適宜回路を設ければよい。または、制御部20もしくは40にCPUとメモリとを設け(いずれも不図示)、メモリ内に上述した処理をソフトウェアとして記録しておき、CPUにより実行してもよい。あるいは、適宜回路(ハードウェア)とソフトウェアとを組み合わることにより、上記処理を実行することもできる。制御部20または40はLED18−1等を点滅または常灯させて発光させることもできる。LED18−1等を2個以上用いる場合、複数個のLED18−1等を所定の形状に配置することもできる。
【0054】
図17は、本発明の実施例4における自発光視線誘導標(24時間型)の処理の流れをフローチャートで示す。図17に示されるように、制御部20または40は、明暗検出センサ50により夜間と検出された場合、二次電池または電気二重層キャパシタ52を放電させてLED18−1等を所定の輝度で発光させる(ステップS20、S22)。所定の輝度としては、日中の発光輝度を100(最大輝度)とした場合、夜間は1/8(文字表示仕様。後述する実施例6参照)から1/4(点灯仕様)の減光を行う減光輝度でLED18−1等を発光させることが好適である。一方、明暗検出センサ50により夜間と検出されなかった場合、LED18−1等を最大輝度で発光させる(ステップS20、S24)。明暗検出センサ50が夜間ではなくても所定の暗さを検出した場合、LED18−1等を減光輝度で発光させることもできる。自発光装置1乃至4を自発光視線誘導標で使用する場合、制御部20または40には上述した処理を実行できるように適宜回路を設ければよい。または、制御部20もしくは40にCPUとメモリとを設け(いずれも不図示)、メモリ内に上述した処理をソフトウェアとして記録しておき、CPUにより実行してもよい。あるいは、適宜回路(ハードウェア)とソフトウェアとを組み合わることにより、上記処理を実行することもできる。制御部20または40はLED18−1等を点滅または常灯させて発光させることもできる。LED18−1等を2個以上用いる場合、複数個のLED18−1等を所定の形状に配置することもできる。
【0055】
図18(A)および(B)は、本発明の実施例4における自発光視線誘導標60の外観図を示す。図18(A)で、A−1図は平面図、A−2図は正面図、A−3は底面図であり、図18(B)は(左)側面図である。図18(A)および(B)で図4と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図18(A)のA−2図で、両面ソーラー発光ユニット1等は詳細には両面発電セル12bを指しているが、両面発電セル12a等とLED18a等と制御部20等(不図示)とを備えた一体構造の自発光装置1等を指しているものと考えられたい。図18(A)および(B)に示されるように、両面ソーラー発光ユニット1等は透明な筒状の筐体1(61)と筐体2(62)とに挟まれるように収納され、筐体1(61)、筐体2(62)の上部にはキャップ66が被されている。筐体1(61)、筐体2(62)の下端部分は反射フィルム63が巻かれており、続いて下部かぶせ金具64が被され、下部かぶせ金具64の下方は支柱65により支えられている。図18(A)のA−1図に示されるキャップ66の径φ、A−2図に示されるキャップ66の長さL1、上記筐体1(61)または筐体2(62)の長さL2、上記筐体1(61)または筐体2(62)の下端から下部かぶせ金具64下端までの長さL3、全体の長さL4は任意に設定可能である。
【0056】
図19(A)および(B)は、図18(A)および(B)に示された自発光視線誘導標60の外観断面図を示す。詳しくは、図19(A)は図18(A)のA−2図の垂直方向断面図であり、図19(B)は図18(B)の垂直方向断面図である。図19(A)および(B)で図18(A)および(B)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図19(A)および(B)に示されるように、自発光視線誘導標60では制御部20または40は基板10から離した位置に設けられた設計例であるため、両面ソーラー発光ユニット1等の下部には目隠しシール70が貼られ、目隠しシール70の下部に制御基板72が設けられている。制御基板72の下部には取付けパネル74が設けられ、取付けパネル74とネジ73とにより下部かぶせ金具64と筺体1(61)、筺体2(62)とがパッキン80を挟み込むように締着されている。下部かぶせ金具64は支柱65にボルト77により締着されている。キャパシタ76(二次電池または電気二重層キャパシタ52)はキャパホルダー75内に格納されている。図18(B)側に示されるように、キャップ66内にネジ78があり、制御基板72と取付パネル74との間にネジ79があり、取付けパネル74の下にはパッキン71がある。
【0057】
図20は、図18および19に示された自発光視線誘導標60のCGによる斜視図を示す。図20図18および19と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図20に示されるように、自発光視線誘導標60の両面ソーラー発光ユニット1等には両面発電セル12a等とLED18a等とが一体構造となっている。両面ソーラー発光ユニット1等は透明な筐体1(61)および筐体2(62)に挟まれており、両面ソーラー発光ユニット1等の受光面の設置方向は特定方向のみに制限されない。
【0058】
以上のように、本発明の実施例4によれば、実施例1乃至3の自発光装置1乃至4の何れかを用いて自発光視線誘導標60を実現することができる。自発光視線誘導標60の制御部20または40は、昼夜検出センサ50により夜間(暗)と検出された場合、二次電池または電気二重層キャパシタ52を放電させてLED18−1等を発光させる。一方、昼夜検出センサ50により夜間(暗)と検出されなかった場合、LED18−1等を消灯させる。制御部20または40はLED18−1等を点滅または常灯させて発光させることもできる。LED18−1等を2個以上用いる場合、複数個のLED18−1等を所定の形状に配置することもできる。自発光視線誘導標60の両面ソーラー発光ユニット1等には両面発電セル12a等とLED18a等とが一体構造となっている。両面ソーラー発光ユニット1等は透明な筐体1(61)および筐体2(62)に挟まれており、両面ソーラー発光ユニット1等の受光面の設置方向は特定方向のみに制限されない。このため、設置現場では筐体1(61)側をドライバーに見えるように車両に正対して路側等に設置するだけで済む。道路事情により、筐体1(61)側を真北に向けて設置した場合であっても、筐体1(61)の裏面側である筐体2(62)(南)側の両面発電セル12a等から受光できるため、発電量は午前12時(正午)頃をピークとする正規分布的な発電量となる。この結果、筐体1(61)を向ける方角(方向性)に関係なく同じ発電量を一日の間に得ることができるという効果がある。特に、降雪地域では、強い反射光を筐体1(61)側から受光することができるため、発電量をさらに増大させることが可能となる。この結果、降雪または積雪時においてもLED18−1等は十分な輝度で発光するため、悪視程時においてもドライバーに対する効果的な視線誘導ができる自発光視線誘導標60を提供することができる。LED18a等として緑色LEDを用いた場合でも、自発光視線誘導標60は十分な発電量があるため、当該発電量を発光へ回すことができる。この結果、緑色LEDを用いた場合であっても高い輝度を保つことができる。
【実施例5】
【0059】
上述した自発光視線誘導標60において、LED18a等の照射側を下側(路上側)へ向けて路側等に配置することができる。あるいは、下側へ向けた別のLEDを新たに自発光視線誘導標60に組み込んでもよい。路側等への配置は例えばスノーポールに自発光視線誘導標60をLED18a等の照射側が下側(路上側)へ向くように適宜取付ければよい。図19の斜視図に示されるように、本発明の自発光視線誘導標60は、図25に示される従来の矢羽根90Ca等よりデザイン性に優れている。この結果、夏場のように積雪が無い時期においても周囲の景観と合わせることができるため、従来の矢羽根90Ca等のように見苦しくない自発光視線誘導標60を提供することができる。
【0060】
以上のように、本発明の実施例5によれば、自発光視線誘導標60においてLED18a等の照射側を下側(路上側)へ向けて路側等に配置することにより、夏場のように積雪が無い時期においても周囲の景観と合わせることができ、従来の矢羽根90Ca等のように見苦しくない自発光視線誘導標60を提供することができる。
【実施例6】
【0061】
実施例4において、LED18−1等を2個以上用いる場合、複数個のLED18−1等を所定の形状に配置することもできると説明した。実施例6の自発光視線誘導標60では、当該所定の形状としてマトリックス型とすることが好適である。制御部20または40はメモリ(不図示)に記録された文字データに基づき、実施例4で説明したハードウェアおよびソフトウェアの組合せにより、当該マトリックス型に配置されたLED18a等に文字を表示させることができる。マトリックス型としては16ドットマトリックス型が好適である。
【0062】
以上のように、本発明の実施例6によれば、自発光視線誘導標60の複数個のLED18−1等を16ドットマトリックス型に配置することもできる。この結果、当該マトリックス型に配置されたLED18a等に文字を表示させることができる。
【実施例7】
【0063】
上述した実施例1乃至3の自発光装置1乃至4の何れかを用いて、照明装置を製造することもできる。この場合、自発光装置1乃至4の制御部20または40は、LED18−1等を常灯させて発光させ、当該発光ダイオードを基板10等上に円形または矩形等の所定の形状に配置し、集合球として使用する白色ダイオードとすることが好適である。
【0064】
以上のように、本発明の実施例7によれば、上述した実施例1乃至3の自発光装置1乃至4の何れかを用いた照明装置において、自発光装置1乃至4の制御部20または40がLED18−1等を常灯させて発光させ、当該発光ダイオードを基板10等上に円形または矩形等の所定の形状に配置し、集合球として使用する白色ダイオードとすることができる。この結果、両面発電セル12a等を備えた白色LED照明装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の活用例として、自発光製品、特に線形誘導標、自発光道路標識等に適用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1、2、3、4 自発光装置、 10、30B、30F 基板、 12a、12b、12c、12d 両面発電セル、 14 EVA樹脂、 16 耐候性フィルム、 18−1、18−2、18a、18b、18c、18d、18e、18f、18h、18i、18j、111 LED、 20、40 制御部、 32aB、32aF、32bB、32bF、32cB、32cF、100 片面発電セル、 34B、34F 保護材、 42 アルミ枠、 50 昼夜検出センサ、52 二次電池または電気二重層キャパシタ、 60 視線誘導標、 61 筐体1、 62 筐体2、 63 反射フィルム、 64 下部かぶせ金具、 65 支柱、 66 キャップ、 70 目隠しシール、 71、80 パッキン、 72 制御基板、 73、78、79 ネジ、 74 取付パネル、 75 キャパホルダー、 76 キャパシタ、 77 ボルト、 90A、90B 従来の自発光視線誘導標、 90Ca、90Cb、90Cc 矢羽根、 100A、100B 従来の太陽電池パネル、 101 従来の太陽電池ユニット、 110A、110B 従来のLED表示部、 120a、120b、120c アルミパイプ等。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0067】
【非特許文献1】“視線誘導標”、[online]、国土交通省北海道開発局、[平成25年10月22日検索]、インターネット、 <URL:http://www.hkd.mlit.go.jp/zigyoka/z_doro/download/pdf/02/2-1-3.pdf>
【非特許文献2】“自発光製品”、製品情報、[online]、株式会社吾妻製作所、[平成25年10月22日検索]、インターネット、 <URL:http://www.azuma-ss.co.jp/product/led/index.html>
図1
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