特許第6320171号(P6320171)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6320171
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】情報システム及び無線通信管理装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20180423BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
   H04M1/00 U
   H04M11/00 302
【請求項の数】13
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-109264(P2014-109264)
(22)【出願日】2014年5月27日
(65)【公開番号】特開2015-226153(P2015-226153A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2017年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(72)【発明者】
【氏名】安本 貴史
【審査官】 松平 英
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−197696(JP,A)
【文献】 特開2010−093515(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0118222(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03J 9/00−9/06
H04B 7/24−7/26
H04M 1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04Q 9/00−9/16
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル装置と、当該モバイル装置と無線通信が可能な複数の情報装置と、当該モバイル装置と無線通信が可能な一つの管理装置とを有する情報システムであって、
前記管理装置は、
前記複数の情報装置の各々についての情報である情報装置情報を記憶した記憶部と、
前記モバイル装置から前記無線通信を介して受信した情報装置情報要求に応答して、前記複数の情報装置の各々についての前記情報装置情報を前記モバイル装置に送信する情報装置情報提供部と、
前記モバイル装置から接続確立対象情報装置として前記無線通信を介して通知された情報装置の状態を、当該情報装置において前記モバイル装置との間の前記無線通信を行う機能部が稼働している状態となるように制御する状態制御を行う状態制御部とを有し、
前記モバイル装置は、
前記管理装置に前記無線通信を介して前記情報装置情報要求を送信する情報装置情報要求部と、
前記管理装置から送信された前記情報装置情報に基づいて、前記複数の情報装置の各々についての情報を表す情報装置選択画面を表示すると共に、前記複数の情報装置のうちの一つの情報装置の選択をユーザから受け付け、選択を受け付けた情報装置を、前記接続確立対象情報装置として前記管理装置に前記無線通信を介して通知する情報装置選択部とを有し、
前記管理装置の状態制御部の状態制御によって前記モバイル装置との間の前記無線通信を行う機能が稼働している状態となるように制御された情報装置と、前記モバイル装置とは、当該情報装置と当該モバイル装置との間の前記無線通信の接続を確立することを特徴とする情報システム。
【請求項2】
請求項1記載の情報システムであって、
前記管理装置の状態制御部は、前記接続確立対象情報装置として通知された情報装置の電源の状態がオフ状態である場合には、前記状態制御において当該情報装置の電源の状態をオン状態に制御することを特徴とする情報システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の情報システムであって、
前記管理装置の状態制御部の状態制御によって前記モバイル装置との間の前記無線通信を行う機能部が稼働している状態となるように制御された情報装置と前記モバイル装置とは、ビデオ転送用の前記無線通信の接続を確立し、
前記管理装置の状態制御部は、前記状態制御において、前記接続確立対象情報装置として通知された情報装置の状態を、確立された前記ビデオ転送用の無線通信の接続でビデオが転送された場合に当該ビデオを表示する状態に制御し、
前記モバイル装置は、確立された前記ビデオ転送用の無線通信の接続でビデオを転送することを特徴とする情報システム。
【請求項4】
請求項3記載の情報システムであって、
前記モバイル装置は、確立された前記ビデオ転送用の無線通信の接続で、当該モバイル装置自身が表示しているビデオを転送することを特徴とする情報システム。
【請求項5】
モバイル装置と、当該モバイル装置と無線通信が可能な複数の情報装置と、当該モバイル装置と無線通信が可能な一つの管理装置とを有する情報システムであって、
前記管理装置は、
前記複数の情報装置の各々についての情報である情報装置情報を記憶した記憶部と、
前記モバイル装置から前記無線通信を介して受信した情報装置情報要求に応答して、前記複数の情報装置の各々についての前記情報装置情報を前記モバイル装置に送信する情報装置情報提供部と、
前記モバイル装置から接続確立対象情報装置として前記無線通信を介して通知された情報装置の状態を、確立されたビデオ転送用の無線通信の接続でビデオが転送された場合に当該ビデオを表示する状態に制御する状態制御を行う状態制御部とを有し、
前記モバイル装置は、
前記管理装置に前記無線通信を介して前記情報装置情報要求を送信する情報装置情報要求部と、
前記管理装置から送信された前記情報装置情報に基づいて、前記複数の情報装置の各々についての情報を表す情報装置選択画面を表示すると共に、前記複数の情報装置のうちの一つの情報装置の選択をユーザから受け付け、選択を受け付けた情報装置を、前記接続確立対象情報装置として前記管理装置に前記無線通信を介して通知する情報装置選択部とを有し、
前記管理装置の状態制御部の状態制御によって確立されたビデオ転送用の無線通信の接続でビデオが転送された場合に当該ビデオを表示する状態に制御された情報装置と、前記モバイル装置とは、前記ビデオ転送用の前記無線通信の接続を確立することを特徴とする情報システム。
【請求項6】
請求項5記載の情報システムであって、
前記管理装置の状態制御部は、前記接続確立対象情報装置として通知された情報装置の電源の状態がオフ状態である場合には、前記状態制御において当該情報装置の電源の状態をオン状態に制御することを特徴とする情報システム。
【請求項7】
請求項5または6記載の情報システムであって、
前記モバイル装置は、確立された前記ビデオ転送用の無線通信の接続で、当該モバイル装置自身が表示しているビデオを転送することを特徴とする情報システム。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6または7記載の情報システムであって、
前記情報装置と前記モバイル装置との間の無線通信の接続の確立は、前記情報装置が前記管理装置より前記モバイル装置の前記無線通信用の識別情報を取得し、取得した識別情報を用いて前記モバイル装置との間の前記無線通信の接続を確立することにより行われることを特徴とする情報システム。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6または7記載の情報システムであって、
前記情報装置と前記モバイル装置との間の無線通信の接続の確立は、前記モバイル装置が前記管理装置より取得した当該情報装置の前記無線通信用の識別情報を用いて前記情報装置との間の前記無線通信の接続を確立することにより行われることを特徴とする情報システム。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の情報システムであって、
前記管理装置は、前記複数の情報装置のうちの一つの情報装置として機能することを特徴とする情報システム。
【請求項11】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の情報システムであって、
前記情報装置情報は、前記複数の情報装置の各々の配置位置を示し、
前記情報装置選択画面は、前記複数の情報装置の各々についての情報として、少なくとも前記複数の情報装置の各々の配置位置を表すものであることを特徴とする情報システム。
【請求項12】
請求項11記載の情報システムであって、
前記情報装置選択画面は、前記複数の情報装置の各々をそれぞれ表す図形を、前記情報装置情報が表す前記複数の情報装置の配置位置を模擬する配置で表したものであり、
前記情報装置選択部は、前記情報装置選択画面上で前記図形の指定をユーザから受け付け、指定を受け付けた図形が表す情報装置を、ユーザが選択した情報装置として受け付けることを特徴とする情報システム。
【請求項13】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12記載の情報システムであって、
前記管理装置と前記複数の情報装置は、自動車の車内に配置されていることを特徴とする情報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル装置と、当該モバイル装置と無線通信可能な複数の情報装置とを備えた情報システムにおいて、ユーザが、モバイル装置と所望の情報装置との間の無線通信の接続を容易に行えるように支援する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モバイル装置とモバイル装置と無線通信可能な複数の情報装置とを備えた情報システムにおいて、ユーザが、モバイル装置と所望の情報装置との間の無線通信の接続を容易に行えるように支援する技術としては、モバイル装置と複数のモニタ装置とにより構成される情報処理システムにおいて、モバイル装置と、当該モバイル装置から映像を転送して表示させるモニタ装置との間の無線通信の接続を支援する技術が知られている。
【0003】
この技術では、モバイル装置において、無線通信可能なモニタ装置をサーチし、サーチによって発見したモニタ装置から当該モニタ装置の情報として当該モニタ装置の機種名と表示サイズを取得し、取得した各モニタ装置の情報の一覧を表示し、ユーザによって一覧中から選択されたモニタ装置との無線通信接続を確立し、モバイル装置から無線通信接続を確立したモニタ装置に映像を転送し、モニタ装置において転送された映像を表示する(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-94799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のようにモバイル装置と複数のモニタ装置とにより構成される情報処理システムにおいて、モバイル装置において、無線通信可能なモニタ装置をサーチして発見したモニタ装置の機種名と表示サイズといった情報の一覧を表示する技術によれば、電源がオフ状態にあるモニタ装置については、無線通信可能なモニタ装置としてモバイル装置のサーチによって発見できないため、当該モニタ装置との無線通信接続を支援することができなくなる。
【0006】
また、機種名や表示サイズといった情報のみからでは、当該情報が、複数の現実のモニタ装置のうちのいずれのモニタ装置の情報であるのかを、ユーザが識別することが困難な場合があり、このような場合にはユーザが目的とするモニタ装置を適切に選定することができないこととなる。
【0007】
よって、この技術によれば、ユーザは、所望の情報装置について、当該情報処理装置とモバイル装置との間の無線通信の接続を行うことができない場合がある。
そこで、本発明は、モバイル装置とモバイル装置と無線通信可能な複数の情報装置とを備えた情報システムにおいて、ユーザが、所望の情報装置について、当該情報処理装置とモバイル装置との間の無線通信の接続を、より確実に行えるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題達成のために、本発明は、前記課題達成のために、モバイル装置と、当該モバイル装置と無線通信が可能な複数の情報装置と、当該モバイル装置と無線通信が可能な一つの管理装置とを有する情報システムを提供する。ただし、前記管理装置は、前記複数の情報装置の各々についての情報である情報装置情報を記憶した記憶部と、前記モバイル装置から前記無線通信を介して受信した情報装置情報要求に応答して、前記複数の情報装置の各々についての前記情報装置情報を前記モバイル装置に送信する情報装置情報提供部と、前記モバイル装置から接続確立対象情報装置として前記無線通信を介して通知された情報装置の状態を、当該情報装置において前記モバイル装置との間の前記無線通信を行う機能部が稼働している状態となるように制御する状態制御を行う状態制御部とを備えている。また、前記モバイル装置は、前記管理装置に前記無線通信を介して前記情報装置情報要求を送信する情報装置情報要求部と、前記管理装置から送信された前記情報装置情報に基づいて、前記複数の情報装置の各々についての情報を表す情報装置選択画面を表示すると共に、前記複数の情報装置のうちの一つの情報装置の選択をユーザから受け付け、選択を受け付けた情報装置を、前記接続確立対象情報装置として前記管理装置に前記無線通信を介して通知する情報装置選択部とを備えている。そして、前記管理装置の状態制御部の状態制御によって前記モバイル装置との間の前記無線通信を行う機能が稼働している状態となるように制御された情報装置と、前記モバイル装置とは、当該情報装置と当該モバイル装置との間の前記無線通信の接続を確立するものである。
【0009】
ここで、このような情報システムは、前記管理装置の状態制御部において、前記接続確立対象情報装置として通知された情報装置の電源の状態がオフ状態である場合には、前記状態制御において当該情報装置の電源の状態をオン状態に制御するように構成してもよい。
【0010】
また、以上の情報システムにおいて、前記管理装置の状態制御部の状態制御によって前記モバイル装置との間の前記無線通信を行う機能部が稼働している状態となるように制御された情報装置と前記モバイル装置とは、ビデオ転送用の前記無線通信の接続を確立し、前記管理装置の状態制御部は、前記状態制御において、前記接続確立対象情報装置として通知された情報装置の状態を、確立された前記ビデオ転送用の無線通信の接続でビデオが転送された場合に当該ビデオを表示する状態に制御し、前記モバイル装置は、確立された前記ビデオ転送用の無線通信の接続でビデオを転送するようにしてもよい。
【0011】
また、この場合には、前記モバイル装置は、確立された前記ビデオ転送用の無線通信の接続で、当該モバイル装置自身が表示しているビデオを転送するものであってもよい。
また、前記課題達成のために、本発明は、モバイル装置と、当該モバイル装置と無線通信が可能な複数の情報装置と、当該モバイル装置と無線通信が可能な一つの管理装置とを有する情報システムにおいて、前記管理装置に、前記複数の情報装置の各々についての情報である情報装置情報を記憶した記憶部と、前記モバイル装置から前記無線通信を介して受信した情報装置情報要求に応答して、前記複数の情報装置の各々についての前記情報装置情報を前記モバイル装置に送信する情報装置情報提供部と、前記モバイル装置から接続確立対象情報装置として前記無線通信を介して通知された情報装置の状態を、確立されたビデオ転送用の無線通信の接続でビデオが転送された場合に当該ビデオを表示する状態に制御する状態制御を行う状態制御部とを備え、前記モバイル装置に、前記管理装置に前記無線通信を介して前記情報装置情報要求を送信する情報装置情報要求部と、前記管理装置から送信された前記情報装置情報に基づいて、前記複数の情報装置の各々についての情報を表す情報装置選択画面を表示すると共に、前記複数の情報装置のうちの一つの情報装置の選択をユーザから受け付け、選択を受け付けた情報装置を、前記接続確立対象情報装置として前記管理装置に前記無線通信を介して通知する情報装置選択部とを備えたものである。ただし、前記管理装置の状態制御部の状態制御によって確立されたビデオ転送用の無線通信の接続でビデオが転送された場合に当該ビデオを表示する状態に制御された情報装置と、前記モバイル装置とは、前記ビデオ転送用の前記無線通信の接続を確立するものである。
【0012】
ここで、このような情報システムは、前記管理装置の状態制御部において、前記接続確立対象情報装置として通知された情報装置の電源の状態がオフ状態である場合には、前記状態制御において当該情報装置の電源の状態をオン状態に制御するように構成してもよい。
【0013】
また、これらのような情報システムにおいて、前記モバイル装置は、確立された前記ビデオ転送用の無線通信の接続で、当該モバイル装置自身が表示しているビデオを転送するものであってもよい。
【0014】
また、以上の各情報システムにおいて、前記情報装置と前記モバイル装置との間の無線通信の接続の確立は、前記情報装置が前記管理装置より前記モバイル装置の前記無線通信用の識別情報を取得し、取得した識別情報を用いて前記モバイル装置との間の前記無線通信の接続を確立することにより行われるものであってもよいし、前記モバイル装置が前記管理装置より取得した当該情報装置の前記無線通信用の識別情報を用いて前記情報装置との間の前記無線通信の接続を確立することにより行われるものであってもよい。
【0015】
また、以上の各情報システムにおいて、前記管理装置は、前記複数の情報装置のうちの一つの情報装置として機能するものであってよい。
また、以上の各情報システムにおいて、前記情報装置情報は、前記複数の情報装置の各々の配置位置を示すものとし、前記情報装置選択画面は、前記複数の情報装置の各々についての情報として、少なくとも前記複数の情報装置の各々の配置位置を表すものとすることも好ましい。
【0016】
また、この場合には、前記情報装置選択画面を、前記複数の情報装置の各々を、それぞれ表す図形を、前記情報装置情報が表す前記複数の情報装置の配置位置を模擬する配置で表したものとし、前記情報装置選択部は、前記情報装置選択画面上で前記図形の指定をユーザから受け付け、指定を受け付けた図形が表す情報装置を、ユーザが選択した情報装置として受け付けるようにすることが好ましい。
【0017】
なお、以上の情報システムにおいて、前記管理装置と前記複数の情報装置は、自動車の車内に配置されているものであってもよい。
以上のような情報システムによれば、各情報装置の情報を管理装置に集約し、モバイル装置が管理装置から各情報装置の情報を取得して、情報装置の選択をユーザから受け付けるための情報装置選択画面を表示するようにしたので、電源がオフ状態にある情報処理装置についてもユーザは情報装置選択画面で選択することができるようになる。
【0018】
また、ユーザが選択した情報装置は、電源がオフ状態であるなど、モバイル装置との無線通信が行えない状態にあっても、管理装置によって、モバイル装置との間の前記無線通信を行う機能部が稼働している状態に制御されるので、選択した情報装置に対する電源オンなどのユーザの特段の操作を必要とすることなく、モバイル装置とユーザが選択した情報装置と無線通信の接続は支障なく確立できるようになる。
【0019】
また、情報装置がモバイル装置から転送されたビデオを表示するものである場合に、ユーザが選択した情報装置を、管理装置によって、確立された無線通信の接続でビデオが転送された場合に当該ビデオを表示する状態に制御する情報システムによれば、選択した情報装置に対する表示するビデオのソース切り替えなどのユーザの特段の操作を必要とすることなく、モバイル装置から転送したビデオをユーザが選択した情報装置に表示することができるようになる。
【0020】
また、情報装置選択画面において情報装置の各々の配置位置を表すようにした情報システムによれば、ユーザは情報装置の配置位置に基づいて所望の情報装置を適切に選定することができるようになる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、モバイル装置とモバイル装置と無線通信可能な複数の情報装置とを備えた情報システムにおいて、ユーザが、所望の情報装置について、当該情報処理装置とモバイル装置との間の無線通信の接続を、より確実に行えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る情報システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係るマスタ装置とスレーブ装置の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係るモバイル装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係るモニタ構成テーブルを示す図である。
図5】本発明の実施形態に係るミラーリング接続制御処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態に係るミラーリング制御処理を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態に係るモニタ選択画面を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係るモニタ選択画面の他の例を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係る情報システムの動作例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1aに、本実施形態に係る情報システムの構成を示す。
図示するように、情報システムは一つのマスタ装置1、複数のスレーブ装置2と、モバイル装置3より構成される。
マスタ装置1とスレーブ装置2は、自動車に搭載されており、車載通信バス4で接続されている。また、モバイル装置3は、マスタ装置1や複数のスレーブ装置2の各々と無線通信を接続することができる。
【0024】
ここで、図1bに示すように、マスタ装置1は、たとえば、自動車のダッシュボード内に設置される。また、スレーブ装置2の各々は、運転席/助手席前方のサンバイザや、運転席/助手席のヘッドレストの後部や、自動車内の座席2列目の上の天井などに適宜設置される。また、モバイル装置3は、スマートフォンやタブレット装置などのユーザによって携帯される装置であり、ユーザによって自動車車内に持ち込まれるものである。
【0025】
次に、図2に、マスタ装置1とスレーブ装置2の構成を示す。
図示するように、マスタ装置1は、入力装置101、表示装置102、マイクやスピーカなどを備えた音声入出力装置103、無線インタフェース104、バスインタフェース105、記憶装置106、TV受信機やGPS受信機や自動車の各種状態を検出するセンサなどの各種の周辺装置107、オペレーティングシステム110、オペレーティングシステム110上で稼働するアプリケーションを備えている。
【0026】
また、マスタ装置1は、上述したアプリケーションとして、ミラーリング接続制御アプリケーション111、スレーブ表示制御アプリケーション112、ミラーリング表示アプリケーション113、その他のアプリケーションを備えている。なお、その他のアプリケーションとしては、たとえば、マスタ装置1をTVやビデオプレイヤとして機能させるメディアプレイヤアプリケーションや、ナビゲーションアプリケーションなどを備える。
【0027】
次に、スレーブ装置2は、操作部201、ディスプレイ202、スピーカなどの音声出力装置203、無線インタフェース204、バスインタフェース205、外部ビデオ入力インタフェース206、オペレーティングシステム210、オペレーティングシステム210上で稼働するアプリケーションとを備えている。
【0028】
また、スレーブ装置2は、上述したアプリケーションとして、表示制御アプリケーション211、ミラーリング表示アプリケーション212、その他のアプリケーションを備えている。
【0029】
ここで、以上のようなマスタ装置1やスレーブ装置2や、ハードウエア的には、CPUやメモリなどを備えたコンピュータを用いて構成されるものであってよく、この場合、オペレーティングシステム110/オペレーティングシステム210や、アプリケーション/アプリケーションなどは、当該コンピュータが、所定のコンピュータプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0030】
さて、このようなマスタ装置1のバスインタフェース105とスレーブ装置2のバスインタフェース205は車載通信バス4に接続しており、車載通信バス4を介してマスタ装置1とスレーブ装置2は相互に通信を行うことができる。
【0031】
そして、マスタ装置1のスレーブ表示制御アプリケーション112は、マスタ装置1のメディアプレイヤやナビゲーションアプリケーションなどのマスタ装置1の各種アプリケーションが出力するビデオを車載通信バス4を介してスレーブ装置2へ転送する制御を行う。また、マスタ装置1のスレーブ表示制御アプリケーション112は、車載通信バス4を介してスレーブ装置2の表示制御アプリケーション211の動作の制御を行う。
【0032】
そして、スレーブ装置2の表示制御アプリケーション211は、マスタ装置1のスレーブ表示制御アプリケーション112の制御に従って、スレーブ装置2のディスプレイ202や音声出力装置203へのビデオの出力の有無の制御や、ディスプレイ202や音声出力装置203へ出力するビデオのソースを、マスタ装置1から送信されたビデオと、外部ビデオ入力インタフェース206を介してスレーブ装置2に外部から入力する、その他のビデオの間で切り替える制御などを行う。
【0033】
結果、本情報システムにおいては、スレーブ装置2に、マスタ装置1や、外部ビデオ入力インタフェース206に接続した外部装置からビデオを出力して、スレーブ装置2のディスプレイ202に表示することができる。
【0034】
次に、モバイル装置3の構成を図3に示す。
図示するように、モバイル装置3は、タッチパネル301、表示部302、マイクやスピーカなどを備えた音声入出力部303、無線インタフェース304、記憶部305、移動体通信網にアクセスするための移動通信装置306、その他の周辺デバイス307、モバイルオペレーティングシステム310、モバイルオペレーティングシステム310上で稼働するアプリケーションであるモバイルアプリケーションを備えている。
【0035】
また、モバイル装置3は、上述したモバイルアプリケーションとして、移動通信装置306や音声入出力部303やタッチパネル301を用いた移動電話機能を提供する移動電話アプリケーション311と、ミラーリング制御アプリケーション312と、ビデオプレイヤアプリケーション313と、その他のアプリケーションを備えている。
【0036】
ただし、モバイル装置3は、ハードウエア的には、CPUやメモリなどを備えたコンピュータを用いて構成されるものあり、モバイルオペレーティングシステム310やモバイルアプリケーションなどは、当該コンピュータが、所定のコンピュータプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0037】
ここで、以下では、マスタ装置1と各スレーブ装置2とを区別して説明する場合を除き、マスタ装置1と各スレーブ装置2とを「モニタ」との共通の名称で表して本実施形態の説明を行う。
【0038】
さて、次に、マスタ装置1が記憶装置106に格納するモニタ構成テーブルについて説明する。
図4に示すように、モニタ構成テーブルは、マスタ装置1と複数のスレーブ装置2との各々をモニタとして、各モニタの情報を登録したテーブルである。
また、各モニタの情報としては、モニタの名称、モニタのネットワークネットワークデバイス名などの無線通信用のID、モニタの設置場所、モニタのミラーリング機能の有無、モニタのディスプレイサイズ、状態とが登録される。
【0039】
ここで、モニタの設置場所としては、ダッシュボード、運転席/助手席前方のサンバイザ、運転席/助手席のヘッドレスト後部や、2列目天井といったモニタが設置されている自動車内の位置が登録される。
【0040】
また、モニタのミラーリング機能とは、モバイル装置3と無線通信を接続しモバイル装置3から無線接続によってミラーリング出力される映像を表示する機能である。
そして、本実施形態では、マスタ装置1のミラーリング表示アプリケーション113や、スレーブ装置2のミラーリング表示アプリケーション212がミラーリング機能を担っている。なお、マスタ装置1や一部のスレーブ装置2は、ミラーリング機能を備えていなくてもよい。すなわち、マスタ装置1はミラーリング表示アプリケーション113を備えていなくても良く、また、一部のスレーブ装置2は、ミラーリング表示アプリケーション212を備えていなくても良い。
【0041】
また、モニタのディスプレイサイズとは、モニタがマスタ装置1であれば表示装置102の画面のインチサイズや解像度であり、モニタがスレーブ装置2であればディスプレイ202の画面のインチサイズや解像度である。
【0042】
また、モニタの状態とは、モニタの電源のオン/オフの状態を登録する。また、ディスプレイ202が収容できるタイプのモニタについては収容中の有無もモニタの状態として登録する。
【0043】
ここで、以上のようなモニタ構成テーブルのモニタの状態を除く項目の内容は、予め設定するか、マスタ装置1のミラーリング接続制御アプリケーション111が車載通信バス4を介して各スレーブ装置2から各項目の情報を取得して設定する。
【0044】
また、モニタ構成テーブルのモニタの状態は、各スレーブ装置2が自身の状態が変化するときに、当該状態の変化をマスタ装置1に通知し、ミラーリング接続制御アプリケーション111において、通知内容に応じて、モニタ構成テーブルのモニタの状態を更新することにより設定する。
【0045】
以下、このような情報システムにおいて行うモバイル装置3のミラーリング表示の動作について説明する。
ここで、モバイル装置3のミラーリング表示の動作とは、モバイル装置3が表示部302に表示しているビデオをモニタにおいても表示する動作である。
そして、モバイル装置3のミラーリング表示の動作は、モバイル装置3とモニタとの間のミラーリング表示用の無線通信の接続を確立する第1段階の動作と、モバイル装置3からミラーリング表示用の無線通信の接続が確立したモニタに、ビデオプレイヤが再生しているビデオなどのモバイル装置3の表示部302に表示しているビデオを転送し、モバイル装置3とのミラーリング表示用の無線通信の接続が確立したモニタにおいて、モバイル装置3から転送されたビデオを表示する第2段階の動作とより実現される。
【0046】
ここで、第2段階の動作における、モバイル装置3からミラーリング表示用の無線通信の接続が確立したモニタへの表示部302に表示しているビデオの転送は、モバイルオペレーティングシステム310が備えるミラーリング出力機能によって実現される。また、第2段階の動作における、モニタのモバイル装置3から転送されたビデオの表示は、モバイル装置3とのミラーリング表示用の無線通信の接続が確立したモニタがマスタ装置1であれば、ミラーリング表示アプリケーション113が上述したミラーリング機能によって転送されたビデオを表示装置102に表示することによって行われ、モバイル装置3とのミラーリング表示用の無線通信の接続が確立したモニタがスレーブ装置2であれば、ミラーリング表示アプリケーション212が上述したミラーリング機能転送されたビデオをディスプレイ202に表示することによって行われる。
【0047】
以下、モバイル装置3のミラーリング表示の第1段階の動作である、モバイル装置3とモニタとの間のミラーリング表示用の無線通信の接続を確立する動作の詳細について説明する。
【0048】
図5に、モバイル装置3とモニタとの間のミラーリング表示用の無線通信の接続の確立のために、モバイル装置3のミラーリング制御アプリケーション312が行うミラーリング制御処理の手順を示す。なお、ミラーリング制御処理はモバイル装置3のミラーリング制御アプリケーション312が起動されたときや、ユーザからミラーリング制御処理の実行が指示されたときに実行される処理である。
【0049】
図示するように、モバイル装置3のミラーリング制御アプリケーション312はミラーリング制御処理において、まず、無線インタフェース304を介した無線通信によってマスタ装置1と接続可能であるかどうかを調べ(ステップ502)、接続可能でなければ処理を終了する。
【0050】
一方、マスタ装置1と無線インタフェース304を介した無線通信によって接続可能であれば(ステップ502)、マスタ装置1に無線インタフェース304を介した無線通信で、モニタサーチ要求を送信する(ステップ504)。ここで、モバイル装置3おけるマスタ装置1の識別は、マスタ装置1のネットワークデバイス名などの無線通信用のIDを予めモバイル装置3に登録しておくことにより行う。ただし、モバイル装置3おけるマスタ装置1の識別は、モバイル装置3とマスタ装置1との間で無線通信を介して所定のマスタ装置探索シーケンスを実行することにより行うようにしてもよい。
【0051】
そして、モニタサーチ要求に対する応答としてマスタ装置1からモニタ構成情報を受信したならば(ステップ506)、受信したモニタ構成情報に基づいてモニタ選択画面を生成し表示する(ステップ508)。ここで、モニタ構成情報とモニタ選択画面の詳細については後述する。
【0052】
そして、ユーザから、モニタ選択画面上でモニタの選択を受け付けたならば(ステップ510)、選択されたモニタの識別を表すモニタ選択情報をマスタ装置1に無線インタフェース304を介した無線通信で送信し(ステップ512)、無線インタフェース304の通信モードをミラーリング表示用の無線通信に用いる通信モードに設定する(ステップ514)。
【0053】
そして、ミラーリング表示用の無線通信の接続の確立を待ち(ステップ516)、モバイルオペレーティングシステム310にミラーリング出力モードを設定し(ステップ518)ミラーリング制御処理を終了する。
【0054】
ここで、ミラーリング出力モードは、ミラーリング表示用の無線通信の接続を用いて、表示部302に表示しているビデオのモニタへの転送を行うモードである。
以上、モバイル装置3のミラーリング制御アプリケーション312が行うミラーリング制御処理について説明した。
次に、モバイル装置3とモニタとの間のミラーリング表示用の無線通信の接続を確立のために、マスタ装置1のミラーリング接続制御アプリケーション111が行うミラーリング接続制御処理について説明する。
【0055】
図6に、このミラーリング接続制御アプリケーション111が行うミラーリング接続制御処理の手順を示す。
図示するように、ミラーリング接続制御アプリケーション111は、ミラーリング接続制御処理において、モバイル装置3からのモニタサーチ要求の受信を待ち(ステップ602)、モニタサーチ要求を受信したならば、モニタ構成テーブルに登録されている各モニタの情報をモニタ構成情報としてモバイル装置3に送信する(ステップ604)。すなわち、ステップ604では、情報システムに含まれるマスタ装置1と各スレーブ装置2の各々をモニタとして、各モニタの名称、ネットワークデバイス名などの無線通信用のID、設置場所、ミラーリング機能の有無、ディスプレイサイズ、状態を、モニタ構成情報としてモバイル装置3に送信する。
【0056】
そして、モバイル装置3からのモニタ選択情報を受信したならば(ステップ606)、モニタ選択情報が示すモニタを制御し、当該モニタの状態のミラーリング表示スタンバイ状態への遷移を制御する(ステップ608)。ここで、ミラーリング表示スタンバイ状態とは、ミラーリング表示用の無線通信の接続の確立や、ミラーリング表示に必要な機能が稼働しており、ミラーリング表示用の無線通信の接続を介してビデオが転送されたならば、転送されたビデオを表示する状態を指す。
【0057】
より具体的には、ステップ608では、モニタ選択情報が示すモニタがマスタ装置1であれば、ミラーリング表示アプリケーション113を起動する処理を行う。また、ステップ608では、モニタ選択情報が示すモニタが、電源の状態がオンのスレーブ装置2であれば、車載通信バス4を介して、スレーブ装置2に、無線インタフェース204とミラーリング表示アプリケーション212を起動させる処理を行う。また、ステップ608では、モニタ選択情報が示すモニタが、電源の状態がオフのスレーブ装置2であれば、車載通信バス4を介して、スレーブ装置2の電源のオンを制御し、その後、スレーブ装置2に、無線インタフェース204とミラーリング表示アプリケーション212を起動させる処理を行う。また、ステップ608では、モニタ選択情報が示すモニタが、ディスプレイ202が収容できるタイプのスレーブ装置2であり、スレーブ装置2がディスプレイ202の自動開閉機能を備えており、かつ、収容有無状態が収容中であれば、車載通信バス4を介して、スレーブ装置2に、ディスプレイ202を開かせる(非収容状態とする)処理も行う。
【0058】
なお、スレーブ装置2は、電源オフ状態でも、電源のオン/オフを制御する機能部は待ち受け電源で動作しており、マスタ装置1は、車載通信バス4を介して当該機能部を制御することにより、スレーブ装置2の電源をオンとすることができる。
【0059】
また、マスタ装置1において、ミラーリング表示アプリケーション113が起動されると、マスタ装置1にミラーリング表示用の無線通信の接続を介して転送されたビデオは、ミラーリング表示アプリケーション113によって表示装置102に表示されるようになる。また、スレーブ装置2においてミラーリング表示アプリケーション212が起動されると、スレーブ装置2にミラーリング表示用の無線通信の接続を介して転送されたビデオは、ミラーリング表示アプリケーション212によって表示装置202に表示されるようになる。
【0060】
そして、以上のようにモニタ選択情報が示すモニタを制御し、ミラーリング表示スタンバイ状態への遷移を制御したならば(ステップ608)、モニタ選択情報が示すモニタとモバイル装置3とのミラーリング表示用の無線通信の接続の確立を制御し(ステップ610)、ステップ602からの処理に戻る。
【0061】
ここで、ステップ610では、モニタ選択情報が示すモニタがマスタ装置1であれば、無線インタフェース104の通信モードをミラーリング表示用の無線通信に用いる通信モードとし、無線インタフェース104を介して当該通信モードによるモバイル装置3との無線通信の接続を、ミラーリング表示用の無線通信の接続として確立する処理を行う。
【0062】
また、ステップ610では、モニタ選択情報が示すモニタがスレーブ装置2であれば、車載通信バス4を介して、スレーブ装置2を制御し、スレーブ装置2の無線インタフェース204の通信モードをミラーリング表示用の無線通信に用いる通信モードに設定すると共に、車載通信バス4を介してモバイル装置3のネットワークデバイス名などの無線通信用のIDをスレーブ装置2に通知し、無線通信用のIDを通知したモバイル装置3との無線インタフェース204を介した無線通信の接続を、ミラーリング表示用の無線通信の接続としてスレーブ装置2に確立させる処理を行う。
【0063】
ただし、モニタ選択情報が示すモニタとモバイル装置3とのミラーリング表示用の無線通信の接続の確立は、モバイル装置3のミラーリング制御処理において、選択されたモニタとの無線インタフェース304を介した無線通信の接続を、モニタ構成情報が示すユーザによって選択されたモニタの無線通信用のIDを用いて確立することにより行うようにしてもよい。
【0064】
なお、本実施形態において、ミラーリング表示用の無線通信に用いる通信モードとしては、P2P(peer to peer)通信を行うWi-Fi Directなどのad hoc modeを用いることができる。
【0065】
また、ステップ610で通信モードをミラーリング表示用の無線通信に用いる通信モードに設定する前の、モバイル装置3とマスタ装置1との無線通信に用いる通信モードとしては、マスタ装置1の無線インタフェース104をWi-Fiのアクセスポイントとして機能させるinfrastructure modeを用いることができる。
【0066】
ただし、ステップ610で通信モードをミラーリング表示用の無線通信に用いる通信モードに設定する前の、モバイル装置3とマスタ装置1との無線通信に用いる通信モードとしては、ミラーリング表示用の無線通信に用いる通信モードと同じ通信モードを使用するようにすることもできる。
【0067】
以上、マスタ装置1のミラーリング接続制御アプリケーション111が行うミラーリング接続制御処理について説明した。
以下、上述したようにモバイル装置3のミラーリング制御アプリケーション312がマスタ装置1から取得したモニタ構成情報に基づいて生成し表示するモニタ選択画面について説明する。
【0068】
図7aに示すように、モニタ選択画面は、車内のようすを表した模擬した車内模擬画像701上に、モニタ構成情報に情報が含まれる各モニタをそれぞれ表すモニタ図形702を表示したものである。但し、各モニタ図形702は、当該モニタ図形702が表すモニタのモニタ構成情報が示す当該モニタの設置場所に相当する、車内模擬画像701上の位置に配置して表示する。
【0069】
ここで、モニタ選択画面においては、各モニタ図形702は、当該モニタ図形702が表すモニタのモニタ構成情報が示すミラーリング機能の有無や状態に応じた形態で表示するようにしてもよい。
【0070】
たとえば、図7bに示すように、ミラーリング機能が無のモニタのモニタ図形702aについては輝度を低下させて表示するようにしてもよい。
また、図7bに示すように、状態が収容中のモニタ702bについては、他のモニタとは異なる図形をモニタ図形として用いて表示するようにしてもよい。
また、たとえば、電源がオフのモニタ図形702については、電源がオンのモニタ図形702とは異なる色や装飾を付して表示するようにしてもよい。
なお、ミラーリング機能が無のモニタのモニタ図形702は、図7cに示すように、モニタ選択画面に表示しないようにしてもよい。
さて、このようなモニタ選択画面を用いて、モバイル装置3のミラーリング制御アプリケーション312は、図7cに示すように、タッチパネル301を用いたモニタ図形702のタッチまたはデタッチによる指定を受け付け、指定されたモニタ図形702が表すモニタの選択を受け付けて、選択を受け付けたモニタの識別を表すモニタ選択情報をマスタ装置1に無線インタフェース304を介した無線通信で送信する。但し、ミラーリング機能が無のモニタのモニタ図形702の指定は、これを受け付けないようにする。
【0071】
なお、モバイル装置3のミラーリング制御アプリケーション312は、モニタ図形702の選択をデタッチにより受け付けると共に、モニタ選択画面上のモニタ図形702のタッチが所定時間以上継続した場合には、図7dに示すように、タッチされているモニタ図形702が表すモニタの情報の内容703を表示するようにしてもよい。なお、この場合、当該所定時間以上継続したタッチのデタッチによるモニタ図形702が表すモニタの選択は受け付けないようにする。
【0072】
なお、モニタ選択画面としては、図8aに示すような、マスタ装置1から受信したモニタ構成情報が示す各モニタの情報をリスト表示した画面を用い、図8bに示すように、リスト上でのタッチに応じて、タッチされた位置に表示している情報に対応するモニタの選択を受け付けるようにしてもよい。
【0073】
なお、図8aに示すように、この場合にも、ミラーリング機能が無のモニタの情報は、他のモニタとは異なる形態で表示すると共に、ミラーリング機能が無のモニタの選択は受け付けないようにする。
【0074】
また、ミラーリング機能が無のモニタの情報は、モニタ選択画面に表示しないようにしてもよい。
また、図8aに示すように、ディスプレイ202の自動開閉機能を備えていない、ディスプレイ202が収容できるタイプのスレーブ装置2であるモニタについては、当該モニタの情報が状態が収容中であることを表している場合には、当該モニタの情報に、注意マーク801等を付して、手動でディスプレイ202を開かないと利用できない旨を表すようにしてもよい。
【0075】
以上、モニタ選択画面について説明した。
次に、以上のようなモバイル装置3のミラーリング表示の動作例を図9に示す。
図9に示した例は、モバイル装置3からスレーブ装置Aにビデオを転送して、スレーブ装置Aのディスプレイ202に転送したビデオを表示するミラーリング表示を行う場合の動作例である。
【0076】
図示するように、自動車内でモバイル装置3のビデオをスレーブ装置Aに表示するために、ユーザがモバイル装置3のミラーリング制御アプリケーション312を起動すると、モバイル装置3からマスタ装置1にモニタサーチ要求が送信(901)される。
【0077】
すると、モニタサーチ要求の応答としてマスタ装置1からモバイル装置3に、自動車内の各モニタの情報を含むモニタ構成情報が送信(902)される。
モバイル装置3は、受け取ったモニタ構成情報に基づいて図7、8に示したようなモニタ選択画面を表示し(903)、ユーザからモニタの選択を受け付ける。
ユーザが、モニタ選択画面でスレーブ装置Aを選択すると(904)、モバイル装置3は、スレーブ装置Aを示すモニタ選択情報をマスタ装置1に送信する(905)。
モニタ選択情報を受け取ったマスタ装置1は、モニタ選択情報が示すスレーブ装置Aのミラーリング表示スタンバイ状態への遷移を制御する(906)。
スレーブ装置Aは、マスタ装置1の制御に従って、ミラーリング表示に必要な機能を起動し、ミラーリング表示スタンバイ状態に遷移する(907)。
次にマスタ装置1は、スレーブ装置Aのモバイル装置3との間のミラーリング表示用接続の確立を制御し(908)、スレーブ装置Aはマスタ装置1の制御に従ってモバイル装置3との間のミラーリング表示用接続を確立する(909)。
【0078】
スレーブ装置Aとモバイル装置3との間のミラーリング表示用接続が確立すると、モバイル装置3はミラーリング出力モードを設定し(910)、以降、モバイル装置3に表示するビデオと同じビデオをスレーブ装置Aに転送し、スレーブ装置Aは転送されたビデオをディスプレイ202に表示する。
【0079】
すなわち、たとえば、モバイル装置3においてビデオのプレイが開始されたならば(911)、モバイル装置3はビデオを表示部302に表示する(912)と共に、ビデオをミラーリング表示用接続を用いてスレーブ装置Aに転送し(913)、スレーブ装置Aは転送されたビデオを自身のディスプレイ202に表示する(914)。
【0080】
結果、モバイル装置3からスレーブ装置Aにビデオを転送して、スレーブ装置Aのディスプレイ202に転送したビデオを表示するミラーリング表示が実現される。
以上、本発明の実施形態について説明した。
以上のように、本実施形態では、各モニタの情報をマスタ装置1に集約し、モバイル装置3がマスタ装置1から各モニタの情報を取得して、モニタの選択をユーザから受け付けるためのモニタ選択画面を表示するようにしたので、電源がオフ状態にある情報処理装置についてもユーザはモニタ選択画面で選択することができるようになる。
【0081】
また、ユーザが選択したモニタは、電源がオフ状態であるなど、モバイル装置3との無線通信が行えない状態にあっても、マスタ装置1によって、モバイル装置3との間の前記無線通信を行う機能部が稼働している状態に遷移するよう制御されるので、選択したモニタに対する電源オンなどのユーザの特段の操作を必要とすることなく、モバイル装置3とユーザが選択したモニタと無線通信の接続は支障なく確立できるようになる。
【0082】
また、マスタ装置1によって、ユーザが選択したモニタを、確立された無線通信の接続でビデオが転送された場合に当該ビデオを表示する状態に制御するので、ミラーリング表示アプリケーション113/212の起動などのユーザの特段の操作を必要とすることなく、モバイル装置3から転送したビデオをユーザが選択したモニタにおいて表示することができるようになる。
【0083】
また、モニタ選択画面において、モニタの各々の配置位置を表すようにしたので、ユーザは配置位置に基づいて、所望のモニタを適切に選定することができるようになる。
なお、以上の実施形態では、モニタにおいてモバイル装置3のミラーリング表示を行うために、モニタとモバイル装置3とで無線通信を接続する場合について説明したが、本実施形態における、モバイル装置3におけるモニタ選択受け付けの技術や、モバイル装置3と選択されたモニタとの無線通信の接続を確立する技術は、モバイル装置3と複数の任意の情報装置とを備えた情報システムにおいて、任意の用途のために、モバイル装置3において情報装置の選択を受け付け、モバイル装置3と選択された情報装置との無線接続を確立する場合について、同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0084】
1…マスタ装置、2…スレーブ装置、3…モバイル装置、4…車載通信バス、101…入力装置、102…表示装置、103…音声入出力装置、104…無線インタフェース、105…バスインタフェース、106…記憶装置、107…周辺装置、110…オペレーティングシステム、111…ミラーリング接続制御アプリケーション、112…スレーブ表示制御アプリケーション、113…ミラーリング表示アプリケーション、201…操作部、202…ディスプレイ、203…音声出力装置、204…無線インタフェース、205…バスインタフェース、206…外部ビデオ入力インタフェース、210…オペレーティングシステム、211…表示制御アプリケーション、212…ミラーリング表示アプリケーション、301…タッチパネル、302…表示部、303…音声入出力部、304…無線インタフェース、305…記憶部、306…移動通信装置、307…周辺デバイス、310…モバイルオペレーティングシステム、311…移動電話アプリケーション、312…ミラーリング制御アプリケーション、313…ビデオプレイヤアプリケーション。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9