特許第6320194号(P6320194)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6320194
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】眼鏡
(51)【国際特許分類】
   G02C 3/02 20060101AFI20180423BHJP
   G02C 5/12 20060101ALI20180423BHJP
   G02C 1/00 20060101ALI20180423BHJP
   G02C 5/20 20060101ALN20180423BHJP
   G02C 11/00 20060101ALN20180423BHJP
【FI】
   G02C3/02
   G02C5/12
   G02C1/00
   !G02C5/20
   !G02C11/00
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-128678(P2014-128678)
(22)【出願日】2014年6月23日
(65)【公開番号】特開2016-9038(P2016-9038A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2017年5月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】399037933
【氏名又は名称】株式会社シャルマン
(74)【代理人】
【識別番号】100103805
【弁理士】
【氏名又は名称】白崎 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100126516
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 綽勝
(74)【代理人】
【識別番号】100132104
【弁理士】
【氏名又は名称】勝木 俊晴
(72)【発明者】
【氏名】奥田 勇治
【審査官】 植野 孝郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平6−88948(JP,A)
【文献】 特開2003−315742(JP,A)
【文献】 特開平8−211338(JP,A)
【文献】 国際公開第98/45748(WO,A1)
【文献】 特開平7−209616(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3177822(JP,U)
【文献】 国際公開第2009/090733(WO,A1)
【文献】 米国特許第2280666(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0258270(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 1/00−13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対のレンズと、
各レンズを支持するフロントフレーム部と、
該フロントフレーム部の中央に取り付けられたパッド部と、
該フロントフレーム部の一方側の端部から後方に延びるテンプル部と、
前記フロントフレーム部の他方側の端部に設けられた当接部と、
を備え、
前記当接部を顔の側面に当接した状態で前記テンプル部を耳に引掛けることにより着用される眼鏡。
【請求項2】
前記テンプル部には、該テンプル部の長手方向に沿って摘み部が設けられている請求項1記載の眼鏡。
【請求項3】
前記当接部が、前記フロントフレーム部の他方側の端部の内側に突出するように取り付けられた基部と、該基部に連結された円盤状の頭部とからなり、側面視でT字状となっている請求項1又は2に記載の眼鏡。
【請求項4】
前記頭部の前記基部とは反対側の周縁がテーパー状となっている請求項3記載の眼鏡。
【請求項5】
前記当接部が、フロントフレーム部の長手方向に沿って延びる多角柱状である請求項1又は2に記載の眼鏡。
【請求項6】
前記当接部が、前記フロントフレーム部に沿ってスライド可能となっている請求項1〜5のいずれか1項に記載の眼鏡。
【請求項7】
前記フロントフレーム部の他方側の端部が、先端を内側に折り返したJ字状となっている請求項1〜6のいずれか1項に記載の眼鏡。
【請求項8】
前記フロントフレーム部が、各レンズを支持する支持部と、
該支持部の一方側に延びる第1フレーム部と、
該支持部の他方側に延びる第2フレーム部と、
からなり、
前記パッド部が、前記支持部の中央に取り付けられ、
前記テンプル部が、前記第1フレーム部の端部から後方に延びており、
前記当接部が、前記第2フレーム部の端部に設けられ、
前記第2フレーム部がループ状となっている請求項1〜6のいずれか1項に記載の眼鏡。
【請求項9】
前記第2フレーム部の先端及び後端が前記支持部に挿入されており、且つ、
前記先端又は前記後端が、前記支持部内をスライド可能となっている請求項8記載の眼鏡。
【請求項10】
前記フロントフレーム部の他方側には、取付け部が設けられており、
該取付け部に外部テンプル部が着脱自在となっている請求項1〜9のいずれか1項に記載の眼鏡。
【請求項11】
前記外部テンプル部がモニタ付テンプル部である請求項10記載の眼鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡に関し、更に詳しくは、片手で簡単に着脱することができ、且つ、着用した際には眼鏡がずれることを防止できる眼鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、従来の眼鏡を示す斜視図である。
図8に示すように従来の眼鏡50は、一般に、左右一対のレンズRと、各レンズRを支持する枠体51と、該枠体51の両側に取り付けられたテンプル部55と、枠体51の中央のブリッジに取り付けられたパッド52と、を備える。
従来の眼鏡50は、両側のテンプル部55をそれぞれ手に持って、対応する左右の耳に掛けることにより着用される。
したがって、従来の眼鏡50においては、一方側の片手を使用している場合や汚れている場合等に、他方側の片手のみを使って着用することは困難である。
【0003】
これに対し、片方のテンプル部を有しない特殊形状の眼鏡が開発されている。
例えば、眼鏡のつるに髪止め状の器具を取り付け、該器具を髪に装着して、レンズやフレームを支える眼鏡が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−211338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1記載の眼鏡は、眼鏡を支える部分が、つると髪止め状の器具との二箇所であるので、着用した際には極めて不安定であり、ずれ易いという欠点がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、片手で簡単に着脱することができ、且つ、着用した際には眼鏡がずれることを防止できる眼鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、フロントフレーム部の一方側にのみテンプル部を備えるものとし、他方側に、顔の側面に当接する当接部を備えることにより、意外にも、上記問題点を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
本発明は、(1)左右一対のレンズと、各レンズを支持するフロントフレーム部と、該フロントフレーム部の中央に取り付けられたパッド部と、該フロントフレーム部の一方側の端部から後方に延びるテンプル部と、フロントフレーム部の他方側の端部に設けられた当接部と、を備え、当接部を顔の側面に当接した状態でテンプル部を耳に引掛けることにより着用される眼鏡に存する。
【0009】
本発明は、(2)テンプル部には、該テンプル部の長手方向に沿って摘み部が設けられている上記(1)記載の眼鏡に存する。
【0010】
本発明は、(3)当接部が、フロントフレーム部の他方側の端部の内側に突出するように取り付けられた基部と、該基部に連結された円盤状の頭部とからなり、側面視でT字状となっている上記(1)又は(2)に記載の眼鏡に存する。
【0011】
本発明は、(4)頭部の基部とは反対側の周縁がテーパー状となっている上記(3)記載の眼鏡に存する。
【0012】
本発明は、(5)当接部が、フロントフレーム部の長手方向に沿って延びる多角柱状である上記(1)又は(2)に記載の眼鏡に存する。
【0013】
本発明は、(6)当接部が、フロントフレーム部に沿ってスライド可能となっている上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の眼鏡に存する。
【0014】
本発明は、(7)フロントフレーム部の他方側の端部が、先端を内側に折り返したJ字状となっている上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の眼鏡に存する。
【0015】
本発明は、(8)フロントフレーム部が、各レンズを支持する支持部と、該支持部の一方側に延びる第1フレーム部と、該支持部の他方側に延びる第2フレーム部と、からなり、パッド部が、支持部の中央に取り付けられ、テンプル部が、第1フレーム部の端部から後方に延びており、当接部が、第2フレーム部の端部に設けられ、第2フレーム部がループ状となっている上記(1)〜()のいずれか1つに記載の眼鏡に存する。

【0016】
本発明は、(9)第2フレーム部の先端及び後端が支持部に挿入されており、且つ、先端又は後端が、支持部内をスライド可能となっている上記(8)記載の眼鏡に存する。
【0017】
本発明は、(10)フロントフレーム部の他方側には、取付け部が設けられており、該取付け部に外部テンプル部が着脱自在となっている上記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の眼鏡に存する。
【0018】
本発明は、(11)外部テンプル部がモニタ付テンプル部である上記(10)記載の眼鏡に存する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の眼鏡においては、フロントフレーム部の一方側のみをテンプル部とし、他方側を当接部とすることにより、片手で簡単に着脱することが可能となる。すなわち、当接部を顔の側面に当接した状態でテンプル部を耳に引掛けることにより着用することができる。
また、上記眼鏡は、テンプル部、パッド部及び当接部の三箇所で固定されるので、着用した際には眼鏡がずれることを防止できる。
【0020】
本発明の眼鏡においては、テンプル部に、テンプル部の長手方向に沿って摘み部が設けられているので、当該摘み部を把持することにより、より着用し易くなる。
例えば、テンプル部が細い棒状である場合、テンプル部を直接把持することにより、眼鏡がテンプル部を軸として不作為に回転してしまうという欠点があるが、摘み部を設け、該摘み部を把持することにより、これを防止することができる。
【0021】
本発明の眼鏡においては、当接部が、基部と頭部とからなり、側面視でT字状となっている場合、基部が比較的径小であるので、フロントフレーム部に取り付け易いという利点があり、一方で、頭部が比較的径大であるので、顔の側面に当接させた場合の顔への圧力負荷を軽減させることができるという利点がある。
また、円盤状の頭部の基部とは反対側の周縁がテーパー状となっているので、着用した眼鏡が仮にずれた場合であっても、当接部により顔の側面が傷付くことを抑制することができる。
【0022】
本発明の眼鏡においては、当接部が、フロントフレーム部の長手方向に延びる多角柱状である場合、顔の側面の形状に応じて当接させ易いという利点がある。
【0023】
本発明の眼鏡においては、当接部が、フロントフレーム部に沿ってスライド可能となっている場合、当接部の位置調整を行うことができる。
【0024】
本発明の眼鏡においては、フロントフレーム部の他方側の端部が、先端を内側に折り返したJ字状となっている場合、フロントフレーム部の他方側の端部の自由度が向上する。これにより、顔の側面の形状に応じて、当接部を確実に当接させることができる。
【0025】
本発明の眼鏡においては、フロントフレーム部が、各レンズを支持する支持部と、該支持部の一方側に延びる第1フレーム部と、該支持部の他方側に延びる第2フレーム部と、からなり、第2フレーム部がループ状となっている場合、第1フレーム部にはテンプル部があるのに対し、第2フレーム部にはテンプル部がないので、第2フレーム部をループ状とすることにより、全体的な重量バランスを均衡化させることができる。
このとき、第2フレーム部の先端及び後端が支持部に挿入されており、且つ、先端又は後端が、支持部内をスライド可能となっている場合、第2フレーム部の先端又は後端をスライドさせることにより、当接部の位置調整を行うことができる。
【0026】
発明の眼鏡においては、フロントフレーム部の他方側には、取付け部が設けられており、該取付け部に外部テンプル部が着脱自在となっているので、外部テンプル部を取り付けることにより、所望の機能を付加することができる。
例えば、外部テンプル部がモニタ付テンプル部である場合、モニタを介して映画等を視聴することも可能であり、モニタを介して外部テンプル部内に収納されたコンピュータによるインターネットを使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1の(a)は、第1実施形態に係る眼鏡を示す斜視図であり、(b)は、その平面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る眼鏡における摘み部を示す斜視図である。
図3図3の(a)は、第2実施形態に係る眼鏡を示す斜視図であり、(b)は、その平面図である。
図4図4の(a)は、第3実施形態に係る眼鏡を示す斜視図であり、(b)は、その平面図である。
図5図5は、第3実施形態に係る眼鏡の取付け部と外部テンプル部との取り付け構造を説明するための説明図である。
図6図6の(a)及び(b)は、他の実施形態に係る眼鏡を示す斜視図である。
図7図7の(a)及び(b)は、他の実施形態に係る眼鏡の当接部を示す斜視図である。
図8図8は、従来の眼鏡を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0029】
(第1実施形態)
図1の(a)は、第1実施形態に係る眼鏡を示す斜視図であり、(b)は、その平面図である。
図1の(a)及び(b)に示すように、第1実施形態に係る眼鏡100は、左右一対のレンズRと、各レンズRを支持するフロントフレーム部1と、該フロントフレーム部1の中央に取り付けられたパッド部2と、該フロントフレーム部1の一方側の端部に設けられたヒンジ部3と、該ヒンジ部3から後方に延びるテンプル部5と、フロントフレーム部1の他方側の端部に内側に突出するように設けられた当接部10とを備える。
【0030】
第1実施形態に係る眼鏡100においては、フロントフレーム部1の一方側のみがヒンジ部3を介したテンプル部5を有しており、他方側はヒンジ部及びテンプル部を有していない。
【0031】
フロントフレーム部1は、支持部1aと、該支持部1aから一方側に延びる第1フレーム部1bと、該支持部1aから他方側に延びる第2フレーム部1cとからなる。
なお、第1フレーム部1b及び第2フレーム部1cは、左右非対称となっている。
【0032】
ここで、第1フレーム部1b及び第2フレーム部1cの材質は、特に限定されないが、チタンやチタン合金、ステンレス鋼等が挙げられる。これらの中でも、材質は、弾性を有するβチタンやSUS304等であることが好ましい。
第1フレーム部1b及び第2フレーム部1cが弾性を有するものであると、当接部10を顔の側面に当接した状態でテンプル部5を外側に広げることができるので、より簡単に着用することが可能となる。
また、第1フレーム部1b及び第2フレーム部1cの復元力により当接部10又はテンプル部5を内側に押圧するので、着用した眼鏡がよりずれ難くなる。
さらに、レンズRが第1フレーム部1b及び第2フレーム部1cに嵌っていないので、第1フレーム部1b及び第2フレーム部1cを外側に広げ易い。
【0033】
フロントフレーム部1において、支持部1aは、左右方向に一対のレンズRをピン止めにより支持している。
また、支持部1aの中央には、内側に向けてパッド部2が取り付けられている。なお、パッド部2は、眼鏡100を着用する際に、鼻に引掛ける部分であり、公知のものが適宜用いられる。
【0034】
第1フレーム部1bは、支持部1aからレンズRの上面に沿って延び、レンズRを超えたところで、略直角に後方に屈曲した構造となっており、その端部にヒンジ部3が設けられている。
そして、ヒンジ部3には、テンプル部5が水平方向に回動可能となるように取り付けられている。
【0035】
テンプル部5は、顔の側面の輪郭に沿うように、水平方向に湾曲した構造となっており、後端部には耳に引掛けるループ状の引掛け部5b(モダン)が設けられている。なお、引掛け部5bは、下部が耳の付け根の形状に沿うように湾曲した形状となっている。
また、テンプル部5には、長手方向に沿うように摘み部5aが設けられている。
【0036】
図2は、第1実施形態に係る眼鏡における摘み部を示す斜視図である。
図2に示すように、摘み部5aは、指で摘まみ易くするために、水平方向に幅広となっており、且つ下側が凹部となっている。このため、眼鏡100においては、当該摘み部5aを把持することにより、片手であっても、簡単に着用することが可能となる。
【0037】
摘み部5aは、テンプル部5の長手方向に沿うように溝6が形成されている。
そして、当該溝6にテンプル部5を嵌め込むことにより、摘み部5aは、テンプル部5に取り付けられる。
また、摘み部5aは、テンプル部5の長手方向に沿ってスライド可能となっている。このため、摘み部5aを所望の位置に配置させることも可能である。
【0038】
図1に戻り、第2フレーム部1cは、支持部1aからレンズRの上面に沿って延び、レンズRを超えたところで、略直角に後方に屈曲し、その端部が、先端を内側に折り返したJ字状となっている。
そして、端部の先端部分には、当接部10が内側に向けて突出するように取り付けられている。
【0039】
ここで、当接部10は、ねじ止めにより端部の先端に取り付けられている。したがって、そのねじを取り外すことにより、容易に交換することができる。
【0040】
第1実施形態に係る眼鏡100においては、フロントフレーム部の他方側の端部(第2フレーム部1cの端部)が、先端を内側に折り返したJ字状となっているので、フロントフレーム部1の他方側の端部の自由度が向上する。すなわち、顔の側面の形状に応じて、角度や位置を適宜修正することができ、当接部10を確実に顔の側面に当接させることが可能となる。
【0041】
当接部10は、フロントフレーム部1の他方側の端部(第2フレーム部1cの端部)の内側に取り付けられた基部11と、該基部11に連結され、それより拡大された円盤状の頭部12とからなる。なお、かかる円盤状には、上面視で真円であるもののみならず、楕円形状であるものも含まれる。
ここで、頭部12の材質は、特に限定されないが、シリコーン又はラバーであることが好ましい。この場合、着用した際に、滑り難くなるという利点がある。
【0042】
当接部10において、頭部12は、比較的径大であるので、顔の側面に当接させた場合に顔と接触する表面積が大きくなり、その結果、当接による顔への圧力負荷を軽減させることができる。
頭部12は、基部11とは反対側の周縁がテーパー状となっている。このため、着用した眼鏡100が仮にずれた場合であっても、頭部12の周縁がテーパー状となっているので、顔の側面を滑るように移動することになる。その結果、顔の側面が傷付くことを抑制することができる。また、眼鏡100が上下左右にずれても方向性がないため、どの方向にも同じずれ難さとなる。
【0043】
第1実施形態に眼鏡100においては、摘み部5aを片手で摘まみ、当接部10を顔の側面の蟀谷辺りに当接した状態でテンプル部5を耳に引掛けることにより、簡単に着用することができ、逆の操作により、簡単に取り外すことができる。
そして、着用した場合には、眼鏡100は、テンプル部5、パッド部2及び当接部10の三箇所(A点、B点、C点)で顔に固定されるので、着用した際には眼鏡100がずれることを防止することができる。
【0044】
(第2実施形態)
図3の(a)は、第2実施形態に係る眼鏡を示す斜視図であり、(b)は、その平面図である。
図3の(a)及び(b)に示すように、第2実施形態に係る眼鏡101は、左右一対のレンズRと、各レンズRを支持するフロントフレーム部21と、該フロントフレーム部21の中央に取り付けられたパッド部2と、該フロントフレーム部21の一方側の端部に設けられたヒンジ部3と、該ヒンジ部3から後方に延びるテンプル部5と、フロントフレーム部21の他方側の端部の内側に突出するように設けられた当接部10とを備える。
そして、フロントフレーム部21は、支持部1aと、該支持部1aから一方側に延びる第1フレーム部1bと、該支持部1aから他方側に延びるループ状の第2フレーム部21cとからなる。
すなわち、第2実施形態に係る眼鏡101は、第2フレーム部21cが、ループ状になっていること以外は、第1実施形態に係る眼鏡100と同じである。
【0045】
第2実施形態に係る眼鏡101においては、第1フレーム部1bにはテンプル部5があるのに対し、第2フレーム部21cにはテンプル部5がないので、第2フレーム部21cをループ状とすることにより、全体的な重量バランスが図られている。
【0046】
第2フレーム部21cの材質は、特に限定されないが、チタンやチタン合金、ステンレス鋼等が挙げられる。これらの中でも、材質は、弾性を有するβチタンやSUS304等であることが好ましい。
第2フレーム部21cが弾性を有するものであると、当接部10を顔の側面に当接した状態でテンプル部5を外側に広げることができるので、より簡単に着用することが可能となる。
また、第2フレーム部21cの復元力により当接部10又はテンプル部5を内側に押圧するので、着用した眼鏡がよりずれ難くなる。
【0047】
第2フレーム部21cは、支持部1aからレンズRの上面に沿って延び、レンズRを超えたところで、略直角に後方に屈曲し、端部で折り返され、再び、レンズRの上面に沿って延び、支持部1aに取り付けられている。
したがって、第2フレーム部21cは、先端及び後端が支持部1aに挿入されて取り付けられた構造となっている。
【0048】
このとき、第2フレーム部21cは、先端又は後端が、支持部1a内をスライド可能となっている。このため、先端又は後端をスライドさせることにより、当接部10の位置を調整することが可能となっている。
【0049】
第2実施形態に係る眼鏡101においては、第1実施形態に係る眼鏡100と同様に、摘み部5aを片手で摘まみ、当接部10を顔の側面の蟀谷辺りに当接した状態でテンプル部5を耳に引掛けることにより、簡単に着用することができ、また、逆の操作により、簡単に取り外すことができる。
そして、着用した場合には、眼鏡101は、テンプル部5、パッド部2及び当接部10の三箇所で顔に固定されるので、着用した際には眼鏡100がずれることを防止することができる。
【0050】
(第3実施形態)
図4の(a)は、第3実施形態に係る眼鏡を示す斜視図であり、(b)は、その平面図である。
図4の(a)及び(b)に示すように、第3実施形態に係る眼鏡102は、左右一対のレンズRと、各レンズRを支持するフロントフレーム部1と、該フロントフレーム部1の中央に取り付けられたパッド部2と、該フロントフレーム部1の一方側の端部に設けられたヒンジ部3と、該ヒンジ部3から後方に延びるテンプル部5と、フロントフレーム部1の他方側の端部に内側に突出するように設けられた当接部10と、フロントフレーム部1の他方側の端部に外側に突出するように設けられた取付け部15と、該取付け部に着脱自在となるように取り付けられた外部テンプル部20とを備える。
すなわち、第3実施形態に係る眼鏡102は、取付け部15と、外部テンプル部20とを更に備えること以外は、第2実施形態に係る眼鏡101と同じである。
【0051】
第3実施形態に係る眼鏡102においては、第1フレーム部1bにはテンプル部5があるのに対し、第2フレーム部21cには外部テンプル部20があるので、全体的な重量バランスが概ね図られている。
また、外部テンプル部20は、外観がテンプル形状であり、耳に引掛けることが可能となっている。このため、取り付ける外部テンプル部20の種類によって重量が異なったとしても、着用した際に、眼鏡102を安定化させることができる。
【0052】
図5は、第3実施形態に係る眼鏡の取付け部と外部テンプル部との取り付け構造を説明するための説明図である。
図5に示すように、眼鏡102においては、取付け部15には第1貫通孔15aが設けられており、外部テンプル部20には第2貫通孔15bが設けられている。
そして、第1貫通孔15a及び第2貫通孔15bを重ね合わせ、両者をねじ止めすることにより、該取付け部15に外部テンプル部20を簡単に取り付けることができる。すなわち、ねじの着脱を行うことにより、外部テンプル部20の着脱が可能となっている。
【0053】
外部テンプル部20としては、例えば、モニタ付テンプル部が挙げられる。この場合、モニタを介して映画等を視聴することも可能であり、モニタを介して外部テンプル部内に収納されたコンピュータによるインターネットを使用することも可能である。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0055】
第1、第2及び第3実施形態に係る眼鏡100,101,102は、フロントフレーム部1の一方側の端部に設けられたヒンジ部3と、該ヒンジ部3から後方に延びるテンプル部5とを備えているが、ヒンジ部3は必須の構成要件ではない。
例えば、ヒンジ部を有さず、フロントフレーム部の一方側の端部から後方にテンプル部が直接設けられていてもよい。
【0056】
第1及び第2実施形態に係る眼鏡100,101は、フロントフレーム部1、パッド部2、ヒンジ部3、テンプル部5、当接部10を備えているが、これらの形状は図1の(a)及び(b)に示すものに限定されない。
図6の(a)及び(b)は、他の実施形態に係る眼鏡を示す斜視図である。
図6の(a)に示すように、眼鏡103のフロントフレーム部31は、レンズRの上面に沿って枠体が設けられていてもよい。
また、図6の(b)に示すように、眼鏡104のフロントフレーム部41は、レンズRの周囲に沿って枠体が設けられていてもよい。
【0057】
第1、第2及び第3実施形態に係る眼鏡100,101,102においては、テンプル部5の後端部にループ状の引掛け部5bが設けられているが、引掛け部5bの形状はこれに限定されない。例えば、テンプル部の後端部にいわゆるモダンが取り付けられていてもよい。
【0058】
第1、第2及び第3実施形態に係る眼鏡100,101,102において、当接部10は、ねじ止めにより端部の先端に取り付けられているが、取り付け方法はこれに限定されない。例えば、挿嵌により取り付けられていてもよい。
【0059】
第1実施形態に係る眼鏡100において、第2フレーム部1cの端部の先端部分には、当接部10が固定されているが、当接部10が第2フレーム部1cに沿ってスライド可能な構造であってもよい。この場合、当接部の位置調整を行うことができるという利点がる。
【0060】
第1実施形態に係る眼鏡100において、当接部10は、基部11と、頭部12とからなり、フロントフレーム部1の他方側の端部に内側に突出するように設けられているが、構造はこれに限定されない。
例えば、当接部10は、頭部12の高さが段階的に切り替え可能となっていてもよい。
【0061】
図7の(a)及び(b)は、他の実施形態に係る眼鏡の当接部を示す斜視図である。
図7の(a)に示すように、当接部10aは、第2フロントフレーム部21cの他方側の端部に設けられ、当該端部における第2フロントフレーム部21cの長手方向に沿って延びる多角柱状となっている。なお、かかる多角柱状には、円柱状も含まれる。
かかる当接部10aには、溝が形成されており、該溝を端部における第2フロントフレーム部21cに嵌め込むことにより取り付けられる。
ここで、当接部10aは、内側(顔の側面側)が肉厚となっており、顔の側面の形状に応じて当接させ易くなっている。
また、当接部10aは、第2フロントフレーム部21cの長手方向に沿ってスライド可能となっている。このため、顔の形状に応じて当接部10aの位置調整を行うことができる。
【0062】
図7の(b)に示すように、当接部10bは、同様に、第2フロントフレーム部21cの他方側の端部に設けられ、当該端部における第2フロントフレーム部21cの長手方向に沿って延びる多角柱状となっており、上面視でU字状となっている。なお、かかる多角柱状には、円柱状も含まれる。
かかる当接部10bには、中空部が形成されており、第2フロントフレーム部21cの端部を、当該中空部に嵌め込むことにより取り付けられる。
また、当接部10bは、第2フロントフレーム部21cの長手方向に沿ってスライド可能となっている。このため、顔の形状に応じて当接部10aの位置調整を行うことができる。
【0063】
第3実施形態に係る眼鏡102において、取付け部15には第1貫通孔15aが設けられ、外部テンプル部20には第2貫通孔15bが設けられ、第1貫通孔15a及び第2貫通孔15bを重ね合わせ、両者をねじ止めすることにより、該取付け部15に外部テンプル部20を取り付けているが、取り付け方法はこれに限定されない。例えば、挿嵌により取り付けてもよく、磁石を用いて取り付けてもよい。
【0064】
第3実施形態に係る眼鏡102において、外部テンプル部20として、モニタ付テンプル部を挙げているが、これに限定されず、例えば、カメラ付テンプル部等であってもよい。この場合、人の視線と同じ高さで風景等を撮影することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、片手で簡単に着脱することができ、且つ、着用した際にはずれることを防止できる眼鏡として利用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1,21,31,41・・・フロントフレーム部
1a・・・支持部
1b・・・第1フレーム部
1c,21c・・・第2フレーム部
2・・・パッド部
3・・・ヒンジ部
5,55・・・テンプル部
5a・・・摘み部
5b・・・引掛け部
6・・・溝
10・・・当接部
11・・・基部
12・・・頭部
15・・・取付け部
15a・・・第1貫通孔
15b・・・第2貫通孔
20・・・外部テンプル部
50,100,101,102・・・眼鏡
51・・・枠体
52・・・パッド
R・・・レンズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8