特許第6320611号(P6320611)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6320611
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】傘カバー
(51)【国際特許分類】
   A47G 25/12 20060101AFI20180423BHJP
   A45B 25/24 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
   A47G25/12 H
   A45B25/24 A
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-195101(P2017-195101)
(22)【出願日】2017年10月5日
【審査請求日】2017年10月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514311449
【氏名又は名称】有限会社しをり
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】静間 玲
【審査官】 柿沼 善一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−032821(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3079843(JP,U)
【文献】 特開2003−250615(JP,A)
【文献】 特開平09−094113(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3194464(JP,U)
【文献】 特開2005−237572(JP,A)
【文献】 特開2001−120321(JP,A)
【文献】 特開平10−057129(JP,A)
【文献】 実開平07−005414(JP,U)
【文献】 特開2002−272516(JP,A)
【文献】 特開2015−058041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 25/12
A45B 25/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に所定の長さを有する円筒状のカバー部と、当該円筒状のカバー部の上端側及び下端側にそれぞれ取り付けられている上部リング体と、下部リング体とを備えている傘カバーであって、
前記上部リング体に長さ調節可能な接続部材を介して前記傘カバーが装着される傘の手元に取り付け、取り外し可能な係合手段が取り付けられており、
前記上部リング体と前記下部リング体とは、ワンタッチで脱着可能なワンタッチ固定構造によって組み合わされ、
前記円筒状のカバー部は上下方向に前記所定の長さにわたって伸びる蛇腹構造で、
前記上部リング体と前記下部リング体とが組み合わされている状態で、上下方向で縮められた前記蛇腹構造の前記円筒状のカバー部が、前記組み合わされている前記上部リング体及び、前記下部リング体の内側に収容され
すぼませている傘が石突きを先頭にして、前記上部リング体と前記下部リング体とが組み合わされている状態の前記上部リング体と前記下部リング体との内側に、前記上下方向における上から下方向に向かって挿入された際に、
前記上部リング体の位置が前記傘の手元に取り付けられている前記係合手段から伸びる前記長さ調節可能な接続部材の長さによって規定され
前記傘の外周に前記下部リング体の内径部が装着されて前記下部リング体が前記上部リング体から離れる前記上下方向における下方向に移動して前記上部リング体と前記下部リング体との間の前記ワンタッチ固定構造が解除され、
前記上部リング体と前記下部リング体とが上下に離れ、前記上下方向に伸びる前記円筒状のカバー部によって前記傘の外周が覆われる
傘カバー。
【請求項2】
上下方向に所定の長さを有する円筒状のカバー部と、当該円筒状のカバー部の上端側及び下端側にそれぞれ取り付けられている上部リング体と、下部リング体とを備えている傘カバーであって、
前記上部リング体に長さ調節可能な接続部材を介して前記傘カバーが装着される傘の手元に取り付け、取り外し可能な係合手段が取り付けられており、
前記上部リング体と前記下部リング体とは、ワンタッチで脱着可能なワンタッチ固定構造によって組み合わされ、
前記円筒状のカバー部は上下方向に前記所定の長さにわたって伸びる蛇腹構造で、
前記上部リング体と前記下部リング体とが組み合わされている状態で、上下方向で縮められた前記蛇腹構造の前記円筒状のカバー部が、前記組み合わされている前記上部リング体及び、前記下部リング体の内側に収容され、
前記ワンタッチ固定構造は、前記組み合わされている状態の前記上部リング体と前記下部リング体から、ワンタッチで、前記下部リング体が、前記上下方向において、前記上部リング体から離れる下側方向に向かって離脱する機構を備えていて、
すぼませている傘の露先部に当該傘の手元側から緩装した前記組み合わされている状態の前記上部リング体と前記下部リング体の前記露先部側の位置が前記傘の手元に取り付けられている前記係合手段から伸びる前記長さ調節可能な接続部材の長さによって規定され
前記ワンタッチ固定構造が備えている前記機構により、ワンタッチで、前記下部リング体が前記上部リング体から離れる前記上下方向における下方向に向かって離脱することで、前記カバー部が前記傘の外周に沿って前記露先部側から前記傘の石突きの側に向かって上下方向に伸び、当該上下方向に伸びた前記カバー部によって前記傘の外周が覆われる
傘カバー。
【請求項3】
前記上部リング体と前記下部リング体とが組み合わされている状態で、前記下部リング体が前記上部リング体の内側に位置し、上下方向で縮められた前記蛇腹構造の前記円筒状のカバー部は、前記下部リング体の内側に収容される
請求項1又は2記載の傘カバー。
【請求項4】
前記上部リング体と前記下部リング体とが組み合わされている状態で、前記上部リング体と前記下部リング体とが上下に積層される
請求項1又は2記載の傘カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、濡れた傘に外側から被せる傘カバーに関する。特に、普段は携行していても邪魔にならないで、持ち運びやすく、雨の日の電車の中などでは、他の乗客に迷惑を掛けないように、濡れている傘に簡単に装着することができる傘カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、雨の日の電車の中などで、他の乗客に迷惑を掛けないように、濡れている傘に簡単に装着することを目的にした傘カバーについては種々の提案がされている(特許文献1、2、3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−120321号公報
【特許文献2】特開2003−225110号公報
【特許文献3】特開2010−115387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、普段は携行していても邪魔にならないで、持ち運びやすく、雨の日の電車の中などでは、他の乗客に迷惑を掛けないように、濡れている傘に簡単に装着できる傘カバーを提案することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]
上下方向に所定の長さを有する円筒状のカバー部と、当該円筒状のカバー部の上端側及び下端側にそれぞれ取り付けられている上部リング体と、下部リング体とを備えている傘カバーであって、
前記上部リング体に長さ調節可能な接続部材を介して前記傘カバーが装着される傘の手元に取り付け、取り外し可能な係合手段が取り付けられており、
前記上部リング体と前記下部リング体とは、ワンタッチで脱着可能なワンタッチ固定構造によって組み合わされ、
前記円筒状のカバー部は上下方向に前記所定の長さにわたって伸びる蛇腹構造で、
前記上部リング体と前記下部リング体とが組み合わされている状態で、上下方向で縮められた前記蛇腹構造の前記円筒状のカバー部が、前記組み合わされている前記上部リング体及び、前記下部リング体の内側に収容され
すぼませている傘が石突きを先頭にして、前記上部リング体と前記下部リング体とが組み合わされている状態の前記上部リング体と前記下部リング体との内側に、前記上下方向における上から下方向に向かって挿入された際に、
前記上部リング体の位置が前記傘の手元に取り付けられている前記係合手段から伸びる前記長さ調節可能な接続部材の長さによって規定され
前記傘の外周に前記下部リング体の内径部が装着されて前記下部リング体が前記上部リング体から離れる前記上下方向における下方向に移動して前記上部リング体と前記下部リング体との間の前記ワンタッチ固定構造が解除され、
前記上部リング体と前記下部リング体とが上下に離れ、前記上下方向に伸びる前記円筒状のカバー部によって前記傘の外周が覆われる
傘カバー。
【0006】
[2]
上下方向に所定の長さを有する円筒状のカバー部と、当該円筒状のカバー部の上端側及び下端側にそれぞれ取り付けられている上部リング体と、下部リング体とを備えている傘カバーであって、
前記上部リング体に長さ調節可能な接続部材を介して前記傘カバーが装着される傘の手元に取り付け、取り外し可能な係合手段が取り付けられており、
前記上部リング体と前記下部リング体とは、ワンタッチで脱着可能なワンタッチ固定構造によって組み合わされ、
前記円筒状のカバー部は上下方向に前記所定の長さにわたって伸びる蛇腹構造で、
前記上部リング体と前記下部リング体とが組み合わされている状態で、上下方向で縮められた前記蛇腹構造の前記円筒状のカバー部が、前記組み合わされている前記上部リング体及び、前記下部リング体の内側に収容され、
前記ワンタッチ固定構造は、前記組み合わされている状態の前記上部リング体と前記下部リング体から、ワンタッチで、前記下部リング体が、前記上下方向において、前記上部リング体から離れる下側方向に向かって離脱する機構を備えていて、
すぼませている傘の露先部に当該傘の手元側から緩装した前記組み合わされている状態の前記上部リング体と前記下部リング体の前記露先部側の位置が前記傘の手元に取り付けられている前記係合手段から伸びる前記長さ調節可能な接続部材の長さによって規定され
前記ワンタッチ固定構造が備えている前記機構により、ワンタッチで、前記下部リング体が前記上部リング体から離れる前記上下方向における下方向に向かって離脱することで、前記カバー部が前記傘の外周に沿って前記露先部側から前記傘の石突きの側に向かって上下方向に伸び、当該上下方向に伸びた前記カバー部によって前記傘の外周が覆われる
傘カバー。
【0007】
[3]
前記上部リング体と前記下部リング体とが組み合わされている状態で、前記下部リング体が前記上部リング体の内側に位置し、上下方向で縮められた前記蛇腹構造の前記円筒状のカバー部は、前記下部リング体の内側に収容される
[1]又は[2]の傘カバー。
【0008】
[4]
前記上部リング体と前記下部リング体とが組み合わされている状態で、前記上部リング体と前記下部リング体とが上下に積層される
[1]又は[2]の傘カバー。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、普段は携行していても邪魔にならないで、持ち運びやすく、雨の日の電車の中などでは、他の乗客に迷惑を掛けないように、濡れている傘に簡単に装着できる傘カバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の一実施形態に係る傘カバーを表す図であって、(a)は上部リング体と下部リング体とが組み合わされている状態を表す側面図、(b)は図1(a)図示の状態から、上部リング体と下部リング体との間のワンタッチ固定構造が解除され、下部リング体が上部リング体から離れる方向に移動して上部リング体と下部リング体とが上下に離れ始め、カバー部が上下方向に伸び始めた状態を説明する側面図。
図2】この発明の他の実施形態に係る傘カバーを表す図であって、(a)は上部リング体と下部リング体とが組み合わされている状態を表す側面図、(b)は図2(a)図示の状態から、上部リング体と下部リング体との間のワンタッチ固定構造が解除され、下部リング体が上部リング体から離れる方向に移動して上部リング体と下部リング体とが上下に離れ始め、カバー部が上下方向に伸び始めた状態を説明する側面図。
図3図2図示の実施形態に係る傘カバーにおいて、カバー部が上下方向に伸びて、すぼませた傘の外周に装着されているときの状態を表す側面図。
図4】(a)この発明の図1図示の実施形態に係る傘カバーを、上部リング体と下部リング体とが組み合わされている状態で、接続部材、係合手段を介して傘の手元(ハンドル部)に係止している状態を説明する図、(b)他の係止状態を説明する一部を省略した図。
図5】この発明の図2図示の実施形態に係る傘カバーを、すぼませた傘の外周に装着して使用している状態を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この実施形態の傘カバー1は、上部リング体2、下部リング体3、カバー部4を備えている。
【0016】
カバー部4は上下方向(図1(b)の上下方向)に所定の長さを有する円筒状である。図示の実施形態では、図1(b)、図2(b)、図3図示のように、上下方向に所定の長さにわたって伸び、山折れ部4a、谷折れ部4bが上下方向で交互に存在する蛇腹構造になっている。
【0017】
カバー部4は、例えば、合成樹脂製の蛇腹構造部材にすることができる。この他にも、上下方向に所定の長さを有する円筒状で、図示したように、山折れ部4a、谷折れ部4bが上下方向で交互に存在し、図1(b)、図2(b)、図3図示のように、上下方向に伸ばしたり、図1(a)、図2(a)図示のように上下方向で縮めることが可能な蛇腹構造となるものであれば、種々の材質でカバー部を構成することができる。
【0018】
なお、この実施形態の傘カバー1は、雨の日の電車の中などで、他の乗客に迷惑を掛けないように、すぼめている状態の、濡れている傘8に装着して使用するもので、図3図示のようにカバー部4が上下方向に伸びた状態のカバー部4の内側に、雨に濡れていて、すぼませた傘が挿入される(図5)。そこで、透水性を有しない材質でカバー部4を構成することが望ましい。
【0019】
上部リング体2は、カバー部4の上端側に取り付けられている。下部リング体は3、カバー部4の下端側に取り付けられている。上部リング体2、下部リング体3は合成樹脂製あるいは、金属製にすることができる。
【0020】
上部リング体3には、長さ調節可能な接続部材を介して係合手段7が取り付けられている。図示の実施形態では紐部材5によって接続部材が構成されており、紐部材5の途中に長さ調節手段6が介装されている。この長さ調節手段6により、上部リング体3と係合手段7との間の紐部材5の長さを調節可能になっている。
【0021】
上部リング体2と下部リング体3とは、ワンタッチで脱着可能なワンタッチ固定構造によって組み合わされる。
【0022】
例えば、不図示の係合凸部が下部リング体3に、不図示の係合凹部が上部リング体2に備えられていて、下部リング体3の係合凸部を上部リング体2の係合凹部に挿入、係止することで、上部リング体2と下部リング体3とをワンタッチで組み合わせ、上部リング体2に備えられている不図示の押しボタン部を押し込むことで、下部リング体3の係合凸部と上部リング体2の係合凹部との間の係合状態を解除して、ワンタッチで両者を分離する構造などが採用されている。
【0023】
なお、ワンタッチで上部リング体2と下部リング体3とを分離する構造としては、例えば、上部リング体2の内部に、図1図示の上下方向で付勢力を発揮するスプリングのような弾性部材を内装しておき、上述したように、上部リング体2に備えられている不図示の押しボタン部を押し込むことで、下部リング体3の係合凸部と上部リング体2の係合凹部との間の係合状態を解除した際に、弾性部材の付勢力によって、組み合わされている状態の上部リング体2と下部リング体3から、ワンタッチで、下部リング体3が上部リング体2から離れる方向(図1(b)、図2(b)の下方向)に向かって離脱する機構を採用することができる。
【0024】
また、ワンタッチで両者を分離する構造の一例として、傘8が石突き9を先頭にして組み合わされている状態の上部リング体2と下部リング体3との内側に、上から下方向に向かって挿入されることで、すぼませている傘8の外周に下部リング体3の内径部3aが装着されて下部リング体3が上部リング体2から離れる方向に移動して上部リング体2と下部リング体3との間の上述したワンタッチ固定構造(例えば、下部リング体3の係合凸部と上部リング体2の係合凹部との間の係合で組み合わされるワンタッチ固定構造)が解除される構造にすることもできる。
【0025】
傘カバー1の上部リング体3と、紐部材5、長さ調節手段6を介してつながっている係合手段7は、図4に示したように、傘8の手元(ハンドル部)10などの部材に対して取り付け、取り外し可能な取り付け具にすることができる。雨の降る日などには、係合手段7を図4(a)図示のように、傘8の手元(ハンドル部)10に取り付けて、傘8と共に、傘カバー1を携行することができる。
【0026】
傘8の手元(ハンドル部)10に取り付けた係合手段7と上部リング体3との間の紐部材5の長さは、上述したように、長さ調節手段6によって調節できる。そこで、雨の中で傘8をさして使用しているときに、ワンタッチで脱着可能なワンタッチ固定構造によって上部リング体2と下部リング体3とが組み合わされている状態の傘カバー1を、図4(b)図示のように、傘8の手元(ハンドル部)10に緩装させておくこともできる。
【0027】
この実施形態の傘カバー1では、図1(a)、図2(a)図示のように、上部リング体2と下部リング体3とが組み合わされている状態で、上下方向で縮められた蛇腹構造の円筒状のカバー部4が、組み合わされている上部リング体2及び、下部リング体3の内側に収容される。
【0028】
図1(a)図示の状態では、上部リング体2と下部リング体3とが組み合わされている状態で、下部リング体3が上部リング体2の内側に位置し、上下方向で縮められた蛇腹構造の円筒状のカバー部4は、下部リング体3の内側に収容されることで、上部リング体2と下部リング体3とが組み合わされている状態で、上下方向で縮められた蛇腹構造の円筒状のカバー部4が、組み合わされている上部リング体2及び、下部リング体3の内側に収容される形態になっている。
【0029】
図2(a)図示の実施形態は、上部リング体2と下部リング体3とが組み合わされている状態で、上部リング体2と下部リング体3とが上下に積層される構造になるものである。
【0030】
この場合も、上部リング体2と下部リング体3とが組み合わされている状態(図2(a))で、上下方向で縮められた蛇腹構造の円筒状のカバー部4が、組み合わされている上部リング体2及び、下部リング体3の内側に収容される形態になる。
【0031】
いずれにしても、図1(a)、図2(a)図示のように、上部リング体2と下部リング体3とが組み合わされている状態で、上下方向で縮められた蛇腹構造の円筒状のカバー部4が、組み合わされている上部リング体2及び、下部リング体3の内側に収容される構造である。そこで、この状態の傘カバー1を、例えば、図4(b)図示のように、接続部材5、係合手段6を介して傘8の手元(ハンドル部)9に係止する、等、傘カバー1を携行する際に優れた構造になっている。
【0032】
上述したように、紐部材5の途中に長さ調節手段6を介装して、上部リング体3と係合手段6との間の紐部材5の長さを調節可能にして、種々の部材の任意の位置に傘カバー1を係止することで、携帯する際に便利な傘カバー1を提供することができる。
【0033】
図1図示の実施形態の場合、上部リング体2と下部リング体3とが組み合わされている状態で、下部リング体3が上部リング体2の内側に位置するので、下部リング体3の内径は、上部リング体2の内径より小さい。
【0034】
図2図示の実施形態のように、上部リング体2と下部リング体3とが組み合わされている状態で、上部リング体2と下部リング体3とが上下に積層される構造であっても、下部リング体3の内径R2が、上部リング体2の内径R1より小さい構造にすることができる。
【0035】
前述したように、すぼませている傘8が石突き9を先頭にして組み合わされている状態の上部リング体2と下部リング体3との内側に、上から下方向に向かって挿入されることで、すぼませている傘8の外周に下部リング体3の内径部3aが装着されて下部リング体3が上部リング体2から離れる方向に移動して上部リング体2と下部リング体3との間の上述したワンタッチ固定構造(例えば、下部リング体3の係合凸部と上部リング体2の係合凹部との間の係合で組み合わされるワンタッチ固定構造)が解除される構造を採用する場合、下部リング体3の内径R2が、上部リング体2の内径R1より小さい構造であると有利である。
【0036】
図4(b)図示のように、雨の中で傘8をさして使用しているときに、ワンタッチで脱着可能なワンタッチ固定構造によって上部リング体2と下部リング体3とが組み合わされている状態の傘カバー1を、傘8の手元(ハンドル部)10に緩装させて携行し、電車などに乗る、等で、傘カバー1によって、すぼませた傘8の外周を図5図示のように覆うときには次のようにすることができる。
【0037】
この場合、上部リング体2と下部リング体3とを組み合わせているワンタッチで脱着可能なワンタッチ固定構造として、組み合わされている状態の上部リング体2と下部リング体3から、ワンタッチで、下部リング体3が、上下方向において、上部リング体2から離れる下側方向に向かって離脱する機構を備えているものにすると有利である。
【0038】
例えば、上部リング体2の内部に、図1図示の上下方向で付勢力を発揮するスプリングのような弾性部材が内装されていて、上部リング体2に備えられている不図示の押しボタン部を押し込むことで、下部リング体3の係合凸部と上部リング体2の係合凹部との間の係合状態を解除した際に、弾性部材の付勢力によって、組み合わされている状態の上部リング体2と下部リング体3から、ワンタッチで、下部リング体3が、上下方向において、上部リング体2から離れる下側方向に向かって弾性部材の付勢力で付勢されつつ離脱する機構である。
【0039】
図4(b)図示のように、傘8の手元(ハンドル部)10に緩装されている傘カバー1を、すぼませている傘8の露先部11に傘8の手元(ハンドル部)10側から緩装する。
【0040】
この時、傘8の手元(ハンドル部)10に対して取り付け、取り外し可能な取り付け具からなる係合手段7は、傘8の手元(ハンドル部)10に取り付けられていることで位置が固定されている。そして、紐部材5の途中に介装されている長さ調節手段6により、傘カバー1の上部リング体2と係合手段7との間の紐部材5の長さを調節することで、すぼませている傘8の露先部11に手元(ハンドル部)10側から緩装した、組み合わされている状態の上部リング体2と下部リング体3の露先部10側の位置が、傘8の手元(ハンドル部)10に取り付けられている係合手段7伸びる紐部材5の長さによって規定される。
【0041】
この状態で、上述したワンタッチ固定構造が備えている機構により、ワンタッチで、下部リング体3が上部リング体2から離れる上下方向における下方向に向かって離脱することで、カバー部4が傘8の外周に沿って露先部11側から傘8の石突き9の側に向かって上下方向に伸び、上下方向に伸びたカバー部4によって傘8の外周が覆われる(図5)。
【0042】
このように、傘カバー1のカバー部4によって、すぼませた傘8の外周を図5図示のように覆おうとする場合、傘8の手元(ハンドル部)10に対して取り付け、取り外し可能な取り付け具からなる係合手段7と、すぼませている傘8の露先部11に手元(ハンドル部)10側から緩装した、上部リング体2と下部リング体3とを組み合わせた状態からなる傘カバー1の露先部11側の位置が長さ調節手段6によって長さ調節された紐部材5の長さによって規定されており、更に、ワンタッチで、下部リング体3が上部リング体2から離れる上下方向における下方向に向かって離脱し、カバー部4が傘8の外周に沿って露先部11側から傘8の石突き9の側に向かって上下方向に伸び、上下方向に伸びたカバー部4によって傘8の外周を覆うことができる。
【0043】
そこで、持ち運びやすく、雨の日の電車の中などでは、他の乗客に迷惑を掛けないように、濡れている傘8に簡単に装着することができる傘カバー1を提供することができる。
【0044】
以上、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られることなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 傘カバー
2 上部リング体
3 下部リング体
4 カバー部
4a 山折れ部
4b 谷折れ部
5 紐部材
6 長さ調節手段
7 係合手段
8 傘
9 石突き
10 手元(ハンドル部)
11 露先部
【要約】
【課題】普段は携行していても邪魔にならないで、持ち運びやすく、雨の日の電車の中などでは、他の乗客に迷惑を掛けないように、濡れている傘に簡単に装着することができる傘カバーを提供する。
【解決手段】上下方向に所定の長さを有する円筒状のカバー部と、当該円筒状のカバー部の上端側及び下端側にそれぞれ取り付けられている上部リング体と、下部リング体とを備えている傘カバー。前記上部リング体に長さ調節可能な接続部材を介して係合手段が取り付けられている。前記上部リング体と前記下部リング体とは、ワンタッチで脱着可能なワンタッチ固定構造によって組み合わされ、前記円筒状のカバー部は上下方向に前記所定の長さにわたって伸びる蛇腹構造で、前記上部リング体と前記下部リング体とが組み合わされている状態で、上下方向で縮められた前記蛇腹構造の前記円筒状のカバー部が、前記組み合わされている前記上部リング体及び、前記下部リング体の内側に収容される。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5