【実施例】
【0026】
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
実施例1〜8及び比較例1〜8:油性液状口紅
下記表1及び2に示す処方の油性液状口紅を調製し、イ.のび広がりの軽さ、ロ.膜の均一さ、ハ.膜厚さ、ニ.負担感のなさ、ホ.製剤の安定性について下記評価方法により評価した。その結果も併せて表に示す。
【0027】
【表1】
【表2】
※1:KF−96−100cs(信越化学工業社製)
※2:KF−96−1000cs(信越化学工業社製)
※3:KF−96−10万cs(信越化学工業社製)
※4:KF−54(信越化学工業社製)
※5:PLANDOOL−S(日本精化社製)
※6:レオパール KL2(千葉製粉社製)
※7:LIALCARB SR−1000/R(三井化学ファイン社製)
※8:AEROSIL R976S(日本アエロジル社製)
【0028】
(製造方法)
A:成分(1)〜(13)を85〜95℃にて均一に溶解する。
B:Aに成分(14)〜(20)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、加熱して容器に充填し、冷却後、油性液状口紅を得た。
【0029】
(評価方法)
下記評価項目について各々下記方法により評価を行った。
(評価項目)
イ.のび広がりの軽さ
ロ.膜の均一さ
ハ.膜厚さ
ニ.負担感のなさ
ホ.製剤の安定性
イ〜ニの項目について、各試料について専門パネル20名による使用テストを行った。パネル各人が下記評価基準にて7段階に評価し評点をつけ、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記判定基準により判定した。尚、評価項目イは試料を唇に塗布する際の使用感から評価してもらい、ロ、ハは各試料を2度唇に塗布した直後に評価してもらった。評価項目ニについては、試料を口唇に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらった後8時間後に評価した。また、評価項目ホについては、容器に充填した口紅の40℃、1ヶ月後の状態を観察し、顔料の凝集や分離が見られていないかを評価し、下記安定性判定基準により判定した。
【0030】
<評価基準>
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
<判定基準>
(判定):(評点の平均点)
◎ :5点を超える :非常に良好
○ :3.5点を超え5点以下 :良好
△ :1点を超え3.5点以下 :やや不良
× :1点以下 :不良
<安定性判定基準>
◎ :顔料の凝集及び分離がまったく見られない
○ :目立たないが僅かに顔料の凝集または分離が見られる
△ :顔料の凝集または分離が見られる
× :顕著な顔料の凝集及び分離が見られる
【0031】
表1及び2の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜8の油性液状口紅は、比較例1〜8の油性液状口紅に比べ、のび広がりの軽さ、膜の均一さ、膜厚さ、負担感のなさ、製剤の安定性に優れたものであった。
一方、成分(A)の量が多すぎる比較例1では、系の安定性を保つことができず、40℃1ヶ月後に顕著な分離や顔料の凝集が見られた。逆に成分(A)の量が少なすぎる比較例2では、シリコーン特有の軽い伸び広がりが得られず、良好な使用感が得られなかった。成分(A)の粘度が高い比較例3においては、塗布時の感触が重く軽いのび広がりが得られなかった。逆に成分(A)の粘度が低い比較例4では、粘度が低すぎて均一に塗布出来ず、化粧膜が薄く、満足のいくツヤ感が得られなかった。成分(B)を抜いた比較例5においても、膜の均一性・厚みが不十分であり、ツヤ感の足りない仕上がりであった。成分(B)の代わりに、成分(B)と同じ半固形状のワセリンを含有した比較例6においても、やはり膜の均一性・厚みが不十分であったため、十分なツヤ感が得られなかった。また成分(B)の代わりに、屈折率が高く単体でのツヤ感にはすぐれる酢酸ラノリンを含有した比較例7では、十分な膜厚が得られず、製剤としてはツヤのある仕上がりとならなかった。成分(B)を抜き、ポリブテンを増量することで膜厚さを確保し、ツヤ感の向上を狙った比較例8では、のび広がりが重くなってしまい、使用感に劣っていた。
【0032】
実施例9:液状リップグロス
(成分) (%)
1.ジメチコン(1000mPa・s)※1 10
2.ジメチコン(10万mPa・s)※3 1
3.メチルフェニルポリシロキサン(400mPa・s)※4 7
4.メチルフェニルポリシロキサン(15mPa・s)※9 5
5.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル
/セチル/ステアリル/ベヘニル)※5 5
6.ポリブテン 20
7.重質流動イソパラフィン※10 20
8.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
9.リンゴ酸ジイソステアリル 10
10.パルミチン酸デキストリン※6 2
11.ミリスチン酸デキストリン※11 3
12.2,6−ジ−ターシャリーブチル−パラクレゾール 0.1
13.シリル化処理無水ケイ酸※8 1
14.赤色202号 0.05
15.酸化チタン被覆ホウケイ酸(Ca/Al)※12 5
16.ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・
エポキシ積層末※13 1
17.雲母チタン※14 1
18.ベンガラ被覆雲母チタン※15 1
19.酢酸トコフェロール 0.1
20.香料 0.1
※9:KF−56A(信越化学工業社製)
※10:パールリーム18(日油社製)
※11:レオパール MKL2(千葉製粉社製)
※12:メタシャイン1080RC−Y(日本板硝子社製)
※13:アルミフレークシルバー0.15mm(角八魚燐箔社製)
※14:TIMICA EXTRA BRIGHT 1500(BASF社製)
※15:クロイゾネルージュフランベ(BASF社製)2%パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩処理
(製造方法)
A:成分(1)〜(12)を100〜110℃にて均一に溶解する。
B:Aに成分(13)〜(20)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、加熱して容器に充填し、冷却後、液状リップグロスを得た。
実施例9のリップグロスは、のび広がりが軽く、膜の均一さ、膜厚さに優れツヤ感に優れる仕上がりであった。また口唇への負担感もなく、製剤の安定性にも優れていた。
【0033】
実施例10:液状リップエッセンス
(成分) (%)
1.ジメチコン(100mPa・s)※1 7
2.ジメチコン(1000mPa・s)※2 3
3.メチルフェニルポリシロキサン(400mPa・s)※4 15
4.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル
/セチル/ステアリル/ベヘニル)※5 10
5.ポリブテン 45
6.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
7.ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/
フィトステリル/ベヘニル)※16 3
8.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5
9.パルミチン酸デキストリン※6 3
10.(パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸)デキストリン※16 1
11.2,6−ジ−ターシャリーブチル−パラクレゾール 0.1
12.シリル化処理無水ケイ酸※8 1
13.フェノキシエタノール 0.1
14.ローズマリーエキス 0.1
15.精製水 0.1
※16:エルデュウ PS−306(味の素社製)
※17:レオパール TT2(千葉製粉社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(11)を100〜110℃にて均一に溶解する。
B:Aに成分(12)〜(15)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、加熱して容器に充填し、冷却後、液状リップエッセンスを得た。
実施例10のリップエッセンスは、のび広がりが軽く、膜の均一さ、膜厚さに優れツヤ感に優れる仕上がりであった。また口唇への負担感もなく、製剤の安定性にも優れていた。
【0034】
実施例11:液状口紅オーバーコート
(成分) (%)
1.ジメチコン(100mPa・s)※1 6
2.ジメチコン(1000mPa・s)※2 4
3.メチルフェニルポリシロキサン(400mPa・s)※4 13
4.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル
/セチル/ステアリル/ベヘニル)※5 10
5.ポリブテン 40
6.流動パラフィン 10
7.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
8.トリメリト酸トリトリデシル※18 5
9.パルミチン酸デキストリン※6 5
10.2,6−ジ−ターシャリーブチル−パラクレゾール 0.1
11.シリル化処理無水ケイ酸※8 5
12.フェノキシエタノール 0.1
13.メチルシロキサン網状重合体※19 3
14.天然ビタミンE 0.1
15.アルニカエキス 0.1
※18:LIPONATE TDTM(LIPO CHEMICALS INC社製)
※19:トスパール2000B(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(10)を100〜110℃にて均一に溶解する。
B:Aに成分(11)〜(15)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、加熱して口紅容器に流し込み、冷却後、液状口紅オーバーコートを得た。
実施例11の口紅オーバーコートは、のび広がりが軽く、膜の均一さ、膜厚さに優れツヤ感に優れる仕上がりであった。また口唇への負担感もなく、製剤の安定性にも優れていた。