(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポリマー(A)と、ポリマー(P)と、混合物(M)と、存在する場合にはすべての他の追加的な成分と、を混合することを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のフルオロポリマー組成物の製造方法。
前記乾燥コーティング層が、追加的なフルオロポリマーの層で更にコーティングされ、表面上の乾燥コーティング層の上に形成された外側フルオロポリマー層が得られる、請求項11に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
出願人は、DMSOと、上述したような少なくとも1種のジエステル(I
de)及びエステル−アミド(I
ea)との特定の組み合わせが、全体としてプラスの環境プロファイルを有することに加えて環境的にも毒性的にも懸念事項がない溶媒混合物であり、金属基材を含む基材に対して及びトップコートである付加的なフルオロポリマー層に対して優れた接着性を有するフルオロポリマー組成物を得るのに効果的であることを見出した。
【0014】
混合物(M)は、DMSOの他に、2種以上の式(I
de)のジエステルの混合物、2種以上の式(I
ea)のエステルアミドの混合物を含んでいてもよく、あるいは1種以上の式(I
de)のジエステルと1種以上の式(I
ea)のエステルアミドの混合物を含んでいてもよい。この理論に拘束されるものではないが、出願人は、1種以上のジエステル(I
ea)及び/又は1種以上のエステルアミド(I
ea)の混合物を用いることで組成物の乾燥性を向上させることができると考えている。
【0015】
式(I
de)及び(I
ea)において、R
1及びR
2は互いに同じ又は異なり、好ましくはC
1〜C
20のアルキル基、C
1〜C
20のアリール基、C
1〜C
20のアルキルアリール基、C
1〜C
20のアリールアルキル基、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0016】
式(I
de)及び式(I
ae)で用いられる表現「C
1〜C
20のアルキル」については、その通常の意味にしたがって使用され、これは、特には1〜20個の炭素原子、好ましくは1から又は2から10個の炭素原子を有する直鎖、環状、分岐の飽和炭化水素鎖を包含する。
【0017】
同様に、表現「C
1〜C
20のアリール」はその通常の意味にしたがって使用され、これは、特には芳香族モノ−又はポリ−環状基、好ましくは6〜12個の炭素原子を含むモノ−又はビ−環状基、好ましくはフェニル又はナフチルを包含する。
【0018】
更に、表現「C
1〜C
20のアリールアルキル」はその通常の意味にしたがって使用され、これは、置換基として1種以上の芳香族モノ−又はポリ−環状基、特にはベンジル基などを含む、直鎖、分岐、又は環状の飽和炭化水素鎖を包含する。
【0019】
最後に、表現「C
1〜C
20のルキルアリール」はその通常の意味にしたがって使用され、これは、置換基として1つ以上のアルキル基、例えば1〜14個の炭素原子好ましくは1から又は2から10個の炭素原子を有する1つ以上の直鎖、環状、分岐の飽和炭化水素鎖を含む芳香族モノ−又はポリ−環状基を包含する。
【0020】
より好ましくは、式(I
de)及び式(I
ae)のR
1及びR
2は互いに同じ又は異なり、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、terブチル、sec−ブチル、2−エチル−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、2−エチルヘキシル、sec−へプチル、3−メチル−ヘキシル、4−メチル−ヘキシル、1−エチル−ペンチル、2−エチル−ペンチル、3−エチル−ペンチル、n−オクチル、イソオクチル、3−メチル−へプチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、シクロヘキシル、フェニル、及びベンジルからなる群から選択される。
【0021】
式(I
ea)において、R
3及びR
4は互いに同じ又は異なり、好ましくはC
1〜C
20アルキル基、C
1〜C
20アリール基、C
1〜C
20アルキルアリール基、C
1〜C
20アリールアルキル基(全ての前記基は1つ以上のヘテロ原子を有していてもよい1つ以上の置換基を含んでいてもよい)からなる群、及びR
3とR
4の両方とこれらが結合している窒素原子とを含む環状部分(前記環状部分は、例えば酸素原子又は別の窒素原子などの1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよい)からなる群から選択される。
【0022】
式(I
ea)において、R
3及びR
4は互いに同じ又は異なり、より好ましくはメチル、エチル、ヒドロキシエチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、terブチル、n−ペンチル、イソペンチル、シクロヘキシルからなる群から選択され、最も好ましくはメチル、エチル、及びヒドロキシエチルからなる群から選択される。
【0023】
本発明の第一の実施形態によれば、式(I
de)及び式(I
ea)のAは、C
3〜C
10の分岐の二価アルキレンである。
【0024】
この第一の実施形態によれば、Aは好ましくは
− 式MG
a−CH(CH
3)−CH
2−CH
2−、又はMG
b−CH
2−CH
2−CH(CH
3)−のA
MG基、
− 式ES
a−CH(C
2H
5)−CH
2−、又はES
b−CH
2−CH(C
2H
5)−のA
ES基、及び
− それらの混合物、
からなる群から選択される。
【0025】
この第一の実施形態の1つのより好ましい変形例では、混合物(M)はDMSOに加えて、
(i)少なくとも1種の式(II
de)のジエステルと組み合わせてもよい、少なくとも1種のジエステル(I’
de)及び少なくとも1種のジエステル(I’’
de)、
(ii)少なくとも1種の式(II
ea)のエステルアミドと組み合わせてもよい、少なくとも1種のエステルアミド(I’
ea)及び少なくとも1種のエステルアミド(I’’
ea)、又は
(iii)(i)と(ii)の組み合わせ
(ここで、
− (I’
de)はR
1−OOC−A
MG−COO−R
2であり、
− (I’
ea)はR
1−OOC−A
MG−CO−NR
3R
4であり、
− (I’’
de)はR
1−OOC−A
ES−COO−R
2であり、
− (I’’
ea)はR
1−OOC−A
ES−CO−NR
3R
4であり、
− (II
ea)はR
1−OOC−(CH
2)
4−CO−NR
3R
4であり、
− (II
de)はR
1−OOC−(CH
2)
4−COO−R
2であり、
式中、
− A
MGは、式MG
a−CH(CH
3)−CH
2−CH
2−、又はMG
b−CH
2−CH
2−CH(CH
3)−であり、
− A
ESは、式ES
a−CH(C
2H
5)−CH
2−、又はES
b−CH
2−CH(C
2H
5)−であり、
− R
1及びR
2は互いに同じ又は異なり、独立にC
1〜C
20アルキル基、C
1〜C
20アリール基、C
1〜C
20アルキルアリール基、C
1〜C
20アリールアルキル基からなる群から選択され、
− R
3及びR
4は互いに同じ又は異なり、C
1〜C
20アルキル基、C
1〜C
20アリール基、C
1〜C
20アルキルアリール基、C
1〜C
20アリールアルキル基(全ての前記基は1つ以上のヘテロ原子を有していてもよい1つ以上の置換基を含んでいてもよい)からなる群、及びR
3とR
4の両方とこれらが結合している窒素原子とを含む環状部分(前記環状部分は、例えば酸素原子又は別の窒素原子などの1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよい)からなる群から選択される)を含有する。
【0026】
上述した式(I’
de)、(I’’
de)及び(II
de)、(I’
ea)、(I’’
ea)及び(II
ea)において、R
1及びR
2は好ましくはメチル基であり、R
3及びR
4は互いに同じ又は異なり、好ましくはメチル、エチル、ヒドロキシエチルからなる群から選択される。
【0027】
この変形例によれば、混合物(M)は、DMSOに加えて、
(j)
− 式(I’
de)のジエステル70〜95重量%、
− 式(I’’
de)のジエステル5〜30重量%、及び
− 式(II
de)のジエステル0〜10重量%、
から本質的になる上述したようなジエステル混合物、又は
(jj)
− 式(I’
ea)のエステルアミド70〜95重量%、
− 式(I’’
ea)のエステルアミド5〜30重量%、及び
− 式(II
ea)のエステルアミド0〜10重量%、
から本質的になる上述したようなエステルアミド混合物、又は、
(jjj)上述したような(j)と(jj)との混合物、
を含有していてもよい。
【0028】
Aが分岐である有用なジエステルベースの混合物の例は、Rhodiaから市販されているRHODIASOLV(登録商標)IRIS溶媒である。
【0029】
RHODIASOLV(登録商標)IRIS溶媒は、エチルコハク酸ジメチルと2−メチルグルタル酸ジメチルとを主成分(80重量%超)とするジエステル混合物である。
【0030】
ある別の実施形態では、式(I
de)及び(I
ea)中のAは、式(CH
2)
r(式中、rは2〜4の整数である)の直鎖二価アルキレン基である。
【0031】
この実施形態のある変形例では、混合物(M)は、DMSOに加えて、
(k)少なくとも1種のジエステル(III
4de)、少なくとも1種のジエステル(III
3de)、及び少なくとも1種の式(III
2de)のジエステル、又は
(kk)少なくとも1種のエステルアミド(III
4ea)、少なくとも1種のエステルアミド(III
3ea)、及び少なくとも1種の式(III
2ea)のエステルアミド、又は
(kkk)(k)と(kk)との組み合わせ、
(ここで、
− (III
4de)はR
1−OOC−(CH
2)
4−COO−R
2であり、
− (III
3de)はR
1−OOC−(CH
2)
3−COO−R
2であり、
− (III
2de)はR
1−OOC−(CH
2)
2−COO−R
2であり、
− (III
4ea)はR
1−OOC−(CH
2)
4−CO−NR
3R
4であり、
− (III
3ea)はR
1−OOC−(CH
2)
3−CO−NR
3R
4であり、
− (III
2ea)はR
1−OOC−(CH
2)
2−CO−NR
3R
4であり、
式中、
− R
1及びR
2は互いに同じ又は異なり、独立にC
1〜C
20のアルキル基、C
1〜C
20のアリール基、C
1〜C
20のアルキルアリール基、C
1〜C
20のアリールアルキル基であり、
− R
3及びR
4は互いに同じ又は異なり、C
1〜C
20のアルキル基、C
1〜C
20のアリール基、C
1〜C
20のアルキルアリール基、C
1〜C
20のアリールアルキル基(全ての前記基は1つ以上のヘテロ原子を有していてもよい1つ以上の置換基を含んでいてもよい)からなる群、及びR
3とR
4の両方とこれらが結合している窒素原子とを含む環状部分(前記環状部分は、例えば酸素原子又は追加的な窒素原子などの1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよい)からなる群から選択される)を含有する。
【0032】
上述の式(III
4de)、(III
3de)、(III
2de)、(III
4ea)、(III
3ea)、及び(III
2ea)において、R
1及びR
2は好ましくはメチル基であり、R
3及びR
4は互いに同じ又は異なり、好ましくはメチル、エチル、ヒドロキシエチルからなる群から選択される。
【0033】
この実施形態のある好ましい変形例によれば、混合物(M)は、DMSOに加えて、
(l)アジピン酸ジメチル(r=4)、グルタル酸ジメチル(r=3)、及びコハク酸ジメチル(r=2)から本質的になるジエステル混合物、又は
(ll)H
3COOC−(CH
2)
4−CO−N(CH
3)
2、H
3COOC−(CH
2)
3−CO−N(CH
3)
2、及びH
3COOC−(CH
2)
2−CO−N(CH
3)
2から本質的になるエステルアミド混合物、又は
(lll)アジピン酸ジエチル(r=4)グルタル酸ジエチル(r=3)、及びコハク酸ジエチル(r=2)のジエステル混合物、又は
(lv)H
5C
2OOC−(CH
2)
4−CO−N(CH
3)
2、H
5C
2OOC−(CH
2)
3−CO−N(CH
3)
2、及びH
5C
2OOC−(CH
2)
2−CO−N(CH
3)
2から本質的になるエステルアミド混合物、又は
(v)アジピン酸ジイソブチル(r=4)、グルタル酸ジイソブチル(r=3)、及びコハク酸ジイソブチル(r=2)の混合物、又は
(vl)H
9C
4OOC−(CH
2)
4−CO−N(CH
3)
2、H
9C
4OOC−(CH
2)
3−CO−N(CH
3)
2、及びH
9C
4OOC−(CH
2)
2−CO−N(CH
3)
2から本質的になるエステルアミド混合物、又は
(vll)これらの混合物、
を含有することができる。
【0034】
セクション(l)について上で列挙した変形例の代表的な実施形態は、
− アジピン酸ジメチル9〜17重量%、
− グルタル酸ジメチル59〜67重量%、
− コハク酸ジメチル20〜28重量%、
から本質的になるジエステル混合物である。
【0035】
Aが直鎖である有用なジエステルベースの混合物の例は、Rhodiaから市販されているRHODIASOLV(登録商標)RPDE溶媒である。
【0036】
RHODIASOLV(登録商標)RPDE溶媒は、グルタル酸ジメチルとコハク酸ジメチルとを主成分(70重量%超)とするジエステルの混合物である。
【0037】
本発明の組成物に使用することができる式(I
de)のジエステルは、特には欧州特許出願公開第1991519A号明細書(RHODIA OPERATIONS)19.11.2008の教示に従って合成することができる。本発明の組成物に使用することができる式(I
ea)のエステルアミドは、特には国際公開第2011/154661号パンフレット(RHODIA OPERATIONS)15.12.2011及び米国特許出願公開第20110166025号明細書(RHODIA OPERATIONS)07.07.2011の教示に従って合成することができる。
【0038】
本明細書の以降において、「フルオロポリマー」及び「ポリマー(A)」という表現は、本発明の目的のため、複数及び単一の両方と理解される。すなわち、本発明の組成物は1種以上のポリマー(A)を含有していてもよい。
【0039】
前述のとおり、混合物(M)は、ジメチルスルホキシド(DMSO)と、式(I
de)のジエステル及び式(I
ea)のエステル−アミドからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒とを含有する。
【0040】
式(I
de)及び(I
ea)の溶媒とDMSOとの間の重量比は、好ましくは1/99〜99/1、好ましくは20/80〜80/20、より好ましくは70/30〜30/70である。
【0041】
当業者であれば、本発明の組成物中の混合物(M)の特性を適切に調整するために、適切な重量比を選択するであろう。
【0042】
混合物(M)は、DMSOと式(I
de)及び(I
ea)の溶媒に加えて、少なくとも1種の更なる溶媒を含有していてもよい。
【0043】
使用する場合、前記更なる溶媒は、通常、DMSOの量及び式(I
de)と(I
ea)の溶媒の総量の両方よりも少ない。また、前記更なる溶媒の量は、存在する場合、DMSOの量と式(I
de)及び(I
ea)の溶媒の総量に対して、好ましくは25重量%未満、好ましくは20重量%未満、より好ましくは15重量%未満、更に好ましくは10重量%未満である。
【0044】
本発明の組成物の混合物(M)中に用いることのできる、更なる溶媒の代表的な実施形態としては、特には、
− 脂肪族炭化水素、より詳しくは、特にはペンタン、ヘキサン、へプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、又はシクロヘキサンなどのパラフィン;ナフタレン;芳香族炭化水素、より詳しくは、特にはベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、及びアルキルベンゼンの混合物からなる石油留分などの芳香族炭化水素、
− 脂肪族又は芳香族のハロゲン化炭化水素、より詳しくは、特にはテトラクロロエチレンやヘキサクロロエタンなどのパークロロ化炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ぺンタクロロエタン、トリクロロエチレン、1−クロロブタン、1,2−ジクロロブタンなどの部分的に塩素化された炭化水素;モノクロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、又は、異なるクロロベンゼン類の混合物、
− 脂肪族、脂環式、又は芳香族のエーテルオキシド、より詳しくは、ジエチルオキシド、ジプロピルオキシド、ジイソプロピルオキシド、ジブチルオキシド、メチルtertブチルエーテル、ジペンチルオキシド、ジイソペンチルオキシド、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルベンジルオキシド;ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、
− エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなどのグリコールエーテル、
− エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテルエステル、
− メチルアルコール、エチルアルコール、ジアセトンアルコールなどのアルコール、
− アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン、
− イソプロピルアセテート、n−ブチルアセテート、メチルアセトアセテート、ジメチルフタレート、γ−ブチロラクトンなどの直鎖又は環状のエステル、
− N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジエチルホルムアミド、又はN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの直鎖又は環状のカルボキサミド、
− 例えば炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジブチル、炭酸エチルメチル、炭酸エチレン、炭酸ビニレンなどの有機炭酸塩、
− リン酸トリメチル、リン酸トリエチルなどのリン酸エステル、
− テトラメチル尿素、テトラエチル尿素などの尿素、
が挙げられる。
【0045】
混合物(M)が更なる溶媒を含有する実施形態に関しては、混合物(M)は好ましくは化学物質安全性分類により発がん性、変異原性、又は生殖毒性であると認定されている溶媒(CMR溶媒)を含有しない。より具体的には、混合物(M)は有利には実質的にNMP、DMF、及びDMACを含有しない。
【0046】
しかし、更なる溶媒を実質的に全く含有しない混合物(M)、すなわち本質的にDMSOと式(I
de)及び(I
ea)の溶媒とから本質的になる混合物(M)が好ましい。
【0047】
式(I
de)及び(I
ea)の溶媒とDMSOの他に、混合物(M)の特性に影響を与えない少量の不純物、微量の溶媒、及び残留物が混合物(M)中に存在していてもよい。通常、混合物(M)の総重量基準で約1重量%までの総量の前記他の成分が許容される。
【0048】
好ましくは、本発明の組成物は1種のポリマー(A)のみを含有する。
【0049】
ポリマー(A)は、好ましくは「溶融加工可能な」ポリマーである。本発明において、「溶融加工可能な」という用語は、ポリマー(A)が、従来の溶融押出し、射出又は注入成形手段よって加工できる(すなわち、造形品(フィルム、繊維、チューブ、取り付け具、電線被覆など)に仕上げることができる)ことを意味する。このためには一般に、加工温度での溶融粘度が10
8Pa×秒、好ましくは10〜10
6Pa×秒を超えないことが必要である。
【0050】
ポリマー(A)の溶融粘度は、ASTM D−1238に従って測定可能であり、その場合、耐食合金性のシリンダーとオリフィスとピストン先端を使用し、融点を超える温度に維持された内径が9.5mmのシリンダーに試料を充填し、5kgの負荷(ピストンとおもり)をかけて、直径が2.10mmで長さが8.00mmのスクエアエッジオリフィスを通るように試料を押し出す。溶融粘度は、観察可能な押出速度(グラム/分)からPa×秒で計算する。
【0051】
また、ポリマー(A)は、試料に変形ひずみをかけるアクチュエータと、試料中で発生したひずみを測定するための分離型トランスデューサとを用い、平行平板固定具を使用する、ひずみ制御レオメーターで測定した場合、典型的には、せん断速度1rad×秒
−1かつ約30℃の融点を超える温度で、好ましくはT
m2+(30±2°C)の温度で、10〜10
6Pa×秒の間に含まれる動的粘度を有する。
【0052】
本発明のポリマー(A)はフルオロポリマーである。すなわち、少なくとも1種のフッ化モノマー由来の繰り返し単位を含むポリマーである。好適なフッ化モノマーの非限定的な例は、特には、
− テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)などの、C
2〜C
8のパーフルオロオレフィン、
− フッ化ビニル、1,2−ジフルオロエチレン、フッ化ビニリデン(VDF)、及びトリフルオロエチレン(TrFE)、ペンタフルオロプロピレン、及びヘキサフルオロイソブチレンなどの、C
2〜C
8の水素含有フルオロオレフィン、
− 式CH
2=CH−R
f0(式中、R
f0はC
1〜C
6の(パー)フルオロアルキル、又は1つ以上のエーテル基を有するC
1〜C
6の(パー)フルオロオキシアルキルである)を満たす(パー)フルオロアルキルエチレン、
− クロロトリフルオロエチレン(CTFE)などの、クロロ−及び/又はブロモ−及び/又はヨード−C
2〜C
6のフルオロオレフィン、
− 式CF
2=CFOR
f1(式中、R
f1は、例えば−CF
3、−C
2F
5、−C
3F
7などの、C
1〜C
6のフルオロ−又はパーフルオロアルキルである)を満たすフルオロアルキルビニルエーテル、
− 式CH
2=CFOR
f1(式中、R
f1は、例えば−CF
3、−C
2F
5、−C
3F
7などの、C
1〜C
6のフルオロ−又はパーフルオロアルキルである)を満たすヒドロフルオロアルキルビニルエーテル、
− 式CF
2=CFOX
0(式中、X
0はC
1〜C
12のオキシアルキル、又はパーフルオロ−2−プロポキシ−プロピルなどの1つ以上のエーテル基を有するC
1〜C
12の(パー)フルオロオキシアルキルである)を満たすフルオロ−オキシアルキルビニルエーテル、
− 式CF
2=CFOCF
2OR
f2(式中、R
f2は、例えば−CF
3、−C
2F
5、−C
3F
7などのC
1〜C
6のフルオロ−若しくはパーフルオロアルキル基、又は、−C
2F
5−O−CF
3などの1つ以上のエーテル基を有するC
1〜C
6の(パー)フルオロオキシアルキル基である)を満たすフルオロアルキル−メトキシ−ビニルエーテル、
− 式CF
2=CFOY
0(式中、Y
0はC
1〜C
12のアルキル若しくは(パー)フルオロアルキル、又はC
1〜C
12のオキシアルキル、又はC
1〜C
12の(パー)フルオロオキシアルキルであり、前記Y
0基は酸、酸ハライド、又は塩の形態のカルボン酸又はスルホン酸を有する)を満たす官能性フルオロ−アルキルビニルエーテル、
− 下記式のフルオロジオキソール:
(式中、R
f3、R
f4、R
f5及びR
f6のそれぞれは互いに同じ又は異なり、独立にフッ素原子、又は任意選択的に1個又は複数の酸素原子を含むC
1〜C
6のフルオロ−若しくはパー(ハロ)フルオロアルキル基、例えば−CF
3、−C
2F
5、−C
3F
7、−OCF
3、−OCF
2CF
2OCF
3である)、
である。
【0053】
本発明の組成物に特に好適であることが見出されたフルオロポリマーはパー(ハロ)フルオロポリマーであり、これらの材料はその有利な低い可燃性と優れた誘電性から、発泡絶縁体(例えばプレナムケーブルや同軸ケーブルの外被又はプライマリ)の製造のために用いられる発泡性組成物中で使用する場合に特に有利である。
【0054】
本発明においては、「パー(ハロ)フルオロポリマー」という用語は、実質的に水素原子を含まないフルオロポリマーを意味することを意図している。
【0055】
パー(ハロ)フルオロポリマーはフッ素とは異なる1種又は複数種のハロゲン原子(Cl、Br、I)を含むことができる。
【0056】
「実質的に水素原子を含まない」という用語は、パー(ハロ)フルオロポリマーが、少なくとも1個のフッ素原子を含みかつ水素原子を含まないエチレン性不飽和モノマー[パー(ハロ)フルオロモノマー(PFM)]由来の繰り返し単位から本質的になることを意味すると理解される。
【0057】
パー(ハロ)フルオロポリマーは、パー(ハロ)フルオロモノマー(PFM)のホモポリマーであっても、複数種のパー(ハロ)フルオロモノマー(PFM)由来の繰り返し単位を含むコポリマーであってもよい。
【0058】
好適なパー(ハロ)フルオロモノマー(PFM)の非限定例は特には、
− テトラフルオロエチレン(TFE)及びヘキサフルオロプロペン(HFP)などの、C
2〜C
8のパーフルオロオレフィン、
− 特にはクロロトリフルオロエチレンなどの、例えばCl、Br、Iなどのフッ素とは異なる少なくとも1種のハロゲン原子を有するC
2〜C
6のパーハロフルオロオレフィン、
− 一般式CF
2=CFOR
f1(式中、R
f1は、Fとは異なる1つ以上のハロゲン原子を有していてもよいC
1〜C
6のパー(ハロ)フルオロアルキルであり、R
f1の非限定例は特には−CF
3、−C
2F
5、−C
3F
7である)を満たすパー(ハロ)フルオロアルキルビニルエーテル、
− 一般式CF
2=CFOX
01(式中、X
01は、Fとは異なるハロゲン原子を有していてもよく、1つ以上のエーテル基を有するC
1〜C
12のパー(ハロ)フルオロ−オキシアルキルであり、特にはパーフルオロ−2−プロポキシ−プロピル基などである)を満たすパー(ハロ)フルオロ−オキシアルキルビニルエーテル、
− 一般式CF
2=CFOCF
2OR
f2(式中、R
f2は、−CF
3、−C
2F
5、−C
3F
7などの、Fとは異なるハロゲン原子を有していてもよいC
1〜C
6のパー(ハロ)フルオロアルキル、又は−C
2F
5−O−CF
3などの、Fとは異なるハロゲン原子を有していてもよく、1つ以上のエーテル基を有するC
1〜C
6のパー(ハロ)フルオロオキシアルキルである)のパー(ハロ)フルオロ−メトキシ−アルキルビニルエーテル、
− 下記式のパー(ハロ)フルオロジオキソール:
(式中、R
f3、R
f4、R
f5、R
f6のそれぞれは互いに同じ又は異なり、独立にフッ素原子、又は任意選択的に1個以上の酸素原子を有していてもよくFとは異なるハロゲン原子有していてもよいC
1〜C
6のパー(ハロ)フルオロアルキル基、例えば−CF
3、−C
2F
5、−C
3F
7、−OCF
3、−OCF
2CF
2OCF
3である);好ましくは上述の式を満たし、R
f3及びR
f4がフッ素原子であり、R
f5及びR
f6がパーフルオロメチル基(−CF
3)であるパー(ハロ)フルオロジオキソール[パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール(PDD)]、又は、上述の式を満たし、R
f3、R
f5、及びR
f6がフッ素原子であり、R
f4がパーフルオロメトキシ基(−OCF
3)であるパー(ハロ)フルオロジオキソール[2,2,4−トリフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジオキソール又はパーフルオロメトキシジオキソール(MDO)]
である。
【0059】
パー(ハロ)フルオロポリマーは、有利には、テトラフルオロエチレン(TFE)と、TFEとは異なる少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロモノマー(PFM)とのコポリマーから選択される。
【0060】
上で詳述したTFEコポリマーは、有利には、少なくとも1.5重量%、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも7重量%の、パー(ハロ)フルオロモノマー(PFM)由来の繰り返し単位を含む。
【0061】
上で詳述したTFEコポリマーは、有利には、30重量%以下、好ましくは25重量%以下、より好ましくは20重量%の、パー(ハロ)フルオロモノマー(PFM)由来の繰り返し単位を含む。
【0062】
少なくとも1.5重量%かつ30重量%以下のパー(ハロ)フルオロモノマー(PFM)由来の繰り返し単位を含む、上に詳述したTFEコポリマーで、良好な結果が得られた。
【0063】
好ましいパー(ハロ)フルオロポリマー[ポリマー(A)]は、以下からなる群から選択される少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロモノマー(PFM)由来の繰り返し単位を含むTFEコポリマーから選択される:
1.式CF
2=CFOR
f1’(式中、R
f1’は、例えば−CF
3、−C
2F
5、−C
3F
7などのC
1〜C
6のパーフルオロアルキルである)を満たすパーフルオロアルキルビニルエーテル、及び/又は、
2.一般式CF
2=CFOX
0(式中、X
0は、パーフルオロ−2−プロポキシ−プロピル基などの、1つ以上のエーテル基を有するC
1〜C
12のパーフルオロオキシアルキルである)を満たすパーフルオロ−オキシアルキルビニルエーテル、及び/又は、
3.ヘキサフルオロプロペン(HFP)などの、C
3〜C
8のパーフルオロオレフィン、及び/又は、
4.下記式のパーフルオロジオキソール
(式中、R
f3、R
f4、R
f5及びRf6のそれぞれは互いに同じ又は異なり、独立にフッ素原子、又は任意選択的に1個又は複数の酸素原子を含むC
1〜C
6のパーフルオロアルキル基、例えば−CF
3、−C
2F
5、−C
3F
7、−OCF
3、−OCF
2CF
2OCF
3である)。
【0064】
より好ましいパー(ハロ)フルオロポリマーは、以下のものからなる群から選択される少なくとも1種のパー(ハロ)フルオロモノマー(PFM)由来の繰り返し単位を含むTFEコポリマーから選択される:
1.一般式CF
2=CFOR
f1(式中、R
f1はC
1〜C
6のパーフルオロアルキルである)を満たすパーフルオロアルキルビニルエーテル、
2.一般式CF
2=CFOX
01(式中、X
01は1つ以上のエーテル基を有するC
1〜C
12のパーフルオロオキシアルキルである)を満たすパーフルオロ−オキシアルキルビニルエーテル、
3.C
3〜C
8のパーフルオロオレフィン、及び
4.これらの混合物。
【0065】
本発明の第一の実施形態によれば、ポリマー(A)は、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)由来の繰り返し単位を含み、任意選択的に少なくとも1種の上で定義したようなパー(ハロ)フルオロアルキルビニルエーテル由来の、好ましくは一般式CF
2=CFOR
f1’(式中、R
f1’はC
1〜C
6のパーフルオロアルキルである)を満たす少なくとも1種のパーフルオロアルキルビニルエーテル由来の繰り返し単位を含む、TFEコポリマーからなる群から選択される。
【0066】
この実施形態にかかる好ましいポリマー(A)は、3〜15重量%の量のテトラフルオロエチレン(TFE)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)由来の繰り返し単位を含み、任意選択的に0.5〜3重量%の少なくとも1種の上で定義したようなパーフルオロアルキルビニルエーテル由来の繰り返し単位を含む(好ましくは、それらから本質的になる)、TFEコポリマーから選択される。
【0067】
「から本質的になる」という表現は、本発明との関連において、ポリマーの構成成分を定義するために使用され、ポリマーの基本的特性を変えることなく、前記ポリマーに少量含まれていることがある末端鎖、欠陥、不規則部分(irregularities)及びモノマー再配列が考慮に入れられる。
【0068】
このようなポリマー(A)に関する記述は、特には米国特許第4029868号明細書(DUPONT)14.06.1977、米国特許第5677404号明細書(DUPONT)14.10.1997、米国特許第5703185号明細書(DUPONT)30.12.1997、及び米国特許第5688885号明細書(DUPONT)18.11.1997中で見ることができる。
【0069】
この実施形態にかかるポリマー(A)は、E.I.DuPont de Nemoursから商標TEFLON(登録商標)FEP 9494、6100及び5100として、又はDaikinから(例えばFEP NP−101材料)、又はDyneon LLCから(FEP 6322)、購入可能である。
【0070】
この実施形態での最も優れた結果は、4〜12重量%の量のテトラフルオロエチレン(TFE)及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)由来の繰り返し単位と、0.5〜3重量%の量のパーフルオロ(エチルビニルエーテル)又はパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)由来の繰り返し単位とを含む(好ましくは、それから本質的になる)TFEコポリマーを用いた場合に得られた。
【0071】
本発明の第二の実施形態によれば、ポリマー(A)は、少なくとも1種の上で定義したようなパー(ハロ)フルオロアルキルビニルエーテル由来の、好ましくは上で定義したような少なくとも1種のパーフルオロアルキルビニルエーテル由来の繰り返し単位を含み、任意選択的に少なくとも1種のC
3〜C
8のパーフルオロオレフィン由来の繰り返し単位を更に含む、TFEコポリマーからなる群から選択される。
【0072】
この第二の実施形態では、1種以上の上で規定したようなパーフルオロアルキルビニルエーテル由来の繰り返し単位を含むTFEコポリマーの場合に良好な結果が得られ、パーフルオロアルキルビニルエーテルがパーフルオロメチルビニルエーテル(式CF
2=CFOCF
3)、パーフルオロエチルビニルエーテル(式CF
2=CFOC
2F
5)、パーフルオロプロピルビニルエーテル(式CF
2=CFOC
3F
7)、及びこれらの混合物であるTFEコポリマーの場合に特に良好な結果が得られた。
【0073】
本発明の第二の実施形態の好ましい変形例によれば、ポリマー(A)は、有利には以下のものから本質的になるTFEコポリマーである:
(a)パーフルオロメチルビニルエーテル由来の繰り返し単位3〜13重量%、好ましくは5〜12重量%、
(b)パーフルオロメチルビニルエーテルとは異なり、一般式CF
2=CFOR
f1’(式中、R
f1’はC
1〜C
6のパーフルオロアルキルである)を満たすパーフルオロアルキルビニルエーテル及び一般式CF
2=CFOX
01’(式中、X
01’は1つ以上のエーテル基を有するC
1〜C
12のパーフルオロオキシアルキルである)を満たすパーフルオロオキシアルキルビニルエーテルからなる群から選択される1種以上のフッ化コモノマー由来の繰り返し単位、好ましくはパーフルオロエチルビニルエーテル及び/又はパーフルオロプロピルビニルエーテル由来の繰り返し単位、0〜6重量%、
(c)テトラフルオロエチレン由来の繰り返し単位(繰り返し単位(a)、(b)及び(c)の百分率の合計が100重量%となるような量)。
【0074】
本発明の組成物での使用に好適なMFA及びPFAは、Solvay Specialty Polymers Italy S.p.A.から、商標HYFLON(登録商標)PFA P及びMシリーズ、並びにHYFLON(登録商標)MFAとして購入可能である。
【0075】
本発明のこの第二の実施形態の別の好ましい変形例によれば、ポリマー(A)は、有利には、
(a)パーフルオロメチルビニルエーテル由来の繰り返し単位0.5〜5重量%、
(b)パーフルオロメチルビニルエーテルとは異なり、かつパーフルオロアルキルビニルエーテル(上で詳述したもの)及び/又はパーフルオロ−オキシアルキルビニルエーテル(上で詳述したもの)からなる群から選択される1種以上のフッ化コモノマー由来の繰り返し単位、好ましくは、パーフルオロエチルビニルエーテル及び/又はパーフルオロプロピルビニルエーテル由来の繰り返し単位、0.4〜4.5重量%、
(c)少なくとも1種のC
3〜C
8のパーフルオロオレフィン由来の、好ましくはヘキサフルオロプロピレン由来の繰り返し単位、0.5〜6重量%、及び
(d)テトラフルオロエチレン由来の繰り返し単位(繰り返し単位(a)、(b)、(c)及び(d)の百分率の合計が100重量%となるような量)、
から本質的になるTFEコポリマーである。
【0076】
本発明のポリマー(A)は有利には熱可塑性である。
【0077】
「熱可塑性」という用語は、本発明においては、室温(25℃)で、その融点未満(半結晶質である場合)で、又はそのT
g未満(非晶質の場合)で存在するポリマーを意味すると理解される。これらのポリマーは、明らかな化学変化なしに、加熱されると軟化し、冷却されると再び硬くなる性質を有する。このような定義は、例えば、1989年にElsevier Applied Scienceによって出版された、百科事典「Polymer Science Dictionary」,Mark S.M.Alger,London School of Polymer Technology,Polytechnic of North London,UKに見出すことができる。
【0078】
好ましくは、ポリマー(A)は半結晶性である。用語「半結晶性」は、ASTM D 3418に従って、10℃/分の加熱速度での示差走査熱量測定法(DSC)によって測定されるときに1J/g超の融解熱を有するポリマーを意味することを意図する。好ましくは、本発明の半結晶質ポリマー(A)は、少なくとも3J/g、より好ましくは少なくとも5J/g、最も好ましくは少なくとも10J/gの融解熱を有する。
【0079】
好適なポリマー(P)は完全にアモルファスな構造であっても、部分的に若しくは完全に結晶構造であっても、その間の状態であってもよい。これらの好適な熱可塑性ポリマーは加熱によって溶融可能であり、十分に自由流動して標準的な技術(成形、押出など)での加工を受けることが可能になる。ある実施形態では、アモルファスと少なくとも部分的に半結晶性の両方のポリマー(P)を使用することができる。
【0080】
本発明で使用される好適なポリマー(P)は、好ましくは芳香族ポリイミド(PI)(特にはポリエステル−イミド(PEI)及びポリアミド−イミド(PAI))及び芳香族スルホンポリマー(SP)からなる群から選択される。
【0081】
本発明の目的のため、「芳香族ポリイミド(PI)」は、少なくとも1つの芳香環と、そのままの形態(式1A)又はそのアミド酸形態(式1B)の少なくとも1つのイミド基とを含む繰り返し単位[繰り返し単位(R
PI)]を50%モル超含む任意のポリマーを意味することを意図する。
【0082】
イミド基は、そのままの形態又はその対応するアミド酸形態で、以下に図示されるように、有利には芳香環に結合している。
(式中、Ar’は、少なくとも1つの芳香環を有する部分を表す)
【0083】
イミド基は、有利には、縮合芳香族系として存在し、例えば、ベンゼンを有する(フタルイミド型構造、式3)及びナフタレンを有する(ナフタルイミド型構造、式4)などの、5員又は6員ヘテロ芳香環を形成する。
【0084】
以下の式は、繰り返し単位(R
PI)の例(式5A〜5C)を表している。
(式中、
Arは芳香族の四価の基を表し、典型的にはArは、以下の構造:
及び対応する任意選択的に置換されていてもよい構造からなる群から選択され、Xは−O−、−C(O)−、−CH
2−、−C(CF
3)
2−、−(CF
2)
n−であり、nは1〜5の整数であり、
Rは芳香族の二価の基を表し、典型的にはRは、以下の構造:
及び対応する任意選択的に置換されていてもよい構造からなる群から選択され、Yは−O−、−S−、−SO
2−、−CH
2−、−C(O)−、−C(CF
3)
2−、−(CF
2)
nであり、nは0〜5の整数である)
【0085】
VESPEL(登録商標)ポリイミドとしてDuPontによって又はAURUM(登録商標)ポリイミドとして三井化学によって販売されているポリイミドが、本発明の目的に好適である。
【0086】
芳香族ポリイミドの繰り返し単位(R
PI)は、そのままの形態で及び/又はそのアミド酸形態でのイミド基以外の1つ以上の官能基を含むことができる。この基準に適合するポリマーの非限定的な例は、芳香族ポリエーテルイミド(PEI)、芳香族ポリエステルイミド、及び芳香族ポリアミド−イミド(PAI)である。
【0087】
本発明の目的のためには、「芳香族ポリエステルイミド」は、繰り返し単位の50%モル超が、少なくとも1種の芳香環、そのままの形態で及び/又はそのアミド酸形態での少なくとも1種のイミド基、並びに少なくとも1種のエステル基を含む[繰り返し単位(R
PEI)]任意のポリマーを意味することを意図する。典型的には、芳香族ポリエステルイミドは、無水トリメリット酸及び無水トリメリット酸モノ酸ハロゲン化物から選択される少なくとも1種の酸モノマーを少なくとも1種のジオールと反応させ、引き続き少なくとも1種のジアミンと反応させることによって製造される。
【0088】
本発明の目的のためには、「芳香族ポリアミド−イミド(PAI)」は、繰り返し単位の50%モル超が、少なくとも1種の芳香環、そのままの形態で及び/又はそのアミド酸形態での少なくとも1種のイミド基、並びにイミド基のアミド酸形態に含まれない少なくとも1種のアミド基を含む[繰り返し単位(R
PAI)]任意のポリマーを意味することを意図する。
【0089】
繰り返し単位(R
PAI)は、有利には
(式中、
Arは三価芳香族基であり、典型的にはArは、以下の構造:
及び対応する任意選択的に置換されていてもよい構造からなる群から選択され、Xは−O−、−C(O)−、−CH
2−、−C(CF
3)
2−、−(CF
2)
n−であり、nは1〜5の整数であり、
Rは二価芳香族基であり、典型的にはRは、以下の構造:
及び対応する任意選択的に置換されていてもよい構造からなる群から選択され、Yは−O−、−S−、−SO
2−、−CH
2−、−C(O)−、−C(CF
3)
2−、−(CF
2)
nであり、nは0〜5の整数である)
から選択される。
【0090】
好ましくは、芳香族ポリアミド−イミドは、イミド基が繰り返し単位(R
PAI−a)中と同様にそのままの形態で、及び/又は、繰り返し単位(R
PAI−b)中と同様にそのアミド酸形態で、存在するイミド基を含む繰り返し単位(R
PAI)を50%超含む。
【0091】
繰り返し単位(R
PAI)は、それらのアミド−イミド(a)形態又はアミド−アミド酸(b)形態での、繰り返し単位(l)、(m)及び(n):
(I)
(式中、(l−b)に示されるように2つのアミド基と芳香環との結合は、1,3及び1,4ポリアミド−アミド酸配置を表すと理解される)、
(m)
(式中、(m−b)に示されるように2つのアミド基と芳香環との結合は、1,3及び1,4ポリアミド−アミド酸配置を表すと理解される)、並びに
(n)
(式中、(n−b)に示されるように2つのアミド基と芳香環との結合は、1,3及び1,4ポリアミド−アミド酸配置を表すと理解される)
から好ましくは選択される。
【0092】
非常に好ましくは、芳香族ポリアミド−イミドは90モル%超の繰り返し単位(R
PAI)を含む。更により好ましくは、これは、繰り返し単位(R
PAI)以外の繰り返し単位を全く含有しない。TORLON(登録商標)ポリアミド−イミドとしてSolvay Specialty Polymers USA,L.L.Cから市販されているポリマーがこの基準を満たしている。
【0093】
本発明の目的のためには、「芳香族スルホンポリマー(SP)」という表現は、その繰り返し単位の少なくとも50モル%が少なくとも1種の式(SP)の基[繰り返し単位(R
SP)]を含む、任意のポリマーを意味することを意図する。
−Ar−SO
2−Ar’−式(SP)
(式中、Ar及びAr’は互いに同じ又は異なる、芳香族基である)
繰り返し単位(R
SP)は、通常、式
−Ar
1−(T’−Ar
2)
n−O−Ar
3−SO
2−[Ar
4−(T−Ar
2)
n−SO
2]
m−Ar
5−O−
(式中、
Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
4、及びAr
5は各存在において互いに同じ又は異なり、独立に芳香族モノ−又は多核基であり、
T及びT’は各存在において互いに同じ又は異なり、独立に結合又は任意選択的に1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよい二価の基であり、好ましくはT’は結合、−CH
2−、−C(O)−、−C(CH
3)
2−、−C(CF
3)
2−、−C(=CCl
2)−、−SO
2−、
−C(CH
3)(CH
2CH
2COOH)−、及び下記式
の基からなる群から選択され、好ましくはTは結合、−CH
2−、−C(O)−、−C(CH
3)
2−、−C(CF
3)
2−、−C(=CCl
2)−、−C(CH
3)(CH
2CH
2COOH)−、及び式
の基から選択され、
n及びmは、互いに同じ又は異なり、独立してゼロ又は1〜5の整数である)
を満たす。
繰り返し単位(R
SP)は、とりわけ以下の式(S−A)〜式(S−D):
(式中、
R’のそれぞれは、互いに同じ又は異なり、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリ又はアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミン及び第四級アンモニウムからなる群から選択され、
j’は、ゼロ又は0〜4の整数であり、
T及びT’は互いに同じ又は異なり、結合、又は任意選択的に1種以上のヘテロ原子を含んでいてもよい二価の基であり、好ましくはT’は結合、−CH
2−、−C(O)−、−C(CH
3)
2−、−C(CF
3)
2−、−C(=CCl
2)−、−C(CH
3)(CH
2CH
2COOH)−、−SO
2−、及び下記式:
の基から選択され、好ましくはTは結合、−CH
2−、−C(O)−、−C(CH
3)
2−、−C(CF
3)
2−、−C(=CCl
2)−、−C(CH
3)(CH
2CH
2COOH)−、及び下記式
の基からなる群から選択される)
からなる群から選択される。
【0094】
芳香族スルホンポリマー(P)は、典型的には、有利には少なくとも150℃、好ましくは少なくとも160℃、より好ましくは少なくとも175℃のガラス転移温度を有する。
【0095】
本発明の第一の好ましい実施形態では、芳香族スルホンポリマー(SP)の繰り返し単位の少なくとも50モル%は、そのイミド形態(R
SP−1−A)及び/又はアミド酸形態[(R
SP−1−B)及び(R
SP−1−C)]である繰り返し単位(R
SP−1)である。
(式中、
→は、異性を示し、したがって、あらゆる繰り返し単位において、矢印が指し示す基は、図示する通り、又は入れ替えられた位置に存在する可能性があり、
A’’は
及び対応する任意選択的に置換されていてもよい構造からなる群から選択され、Yは−O−、−C(O)−、−(CH
2)
n−、−C(CF
3)
2−、−(CF
2)
n(nは1〜5の整数)、及びその混合物である)。
【0096】
本発明の好ましい第二の実施形態において、芳香族スルホンポリマー(SP)の繰り返し単位の少なくとも50モル%は、繰り返し単位(R
SP−2)及び/又は繰り返し単位(R
SP−3)である
(式中、
Q及びAr
*は、互いに各存在において同じ又は異なり、独立に二価の芳香族基であり、好ましくはAr
*及びQは、互いに各存在において同じ又は異なり、独立に以下の構造:
(Yは−O−、−CH=CH−、−C≡C−、−S−、−C(O)−、−(CH
2)
n−、−C(CF
3)
2−、−C(CH
3)
2−、−SO
2−、−(CF
2)
n−(nは1〜5の整数及びその混合)、及びその混合物である)、及び対応する任意選択的に置換されていてもよい構造からなる群から選択される。
【0097】
繰り返し単位(R
SP−2)は、好ましくは
及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0098】
繰り返し単位(R
SP−3)は、好ましくは
及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0099】
本発明の第二の好ましい実施形態にかかる芳香族スルホンポリマー(SP)は、少なくとも50モル%、好ましく70モル%、より好ましくは75モル%の繰り返し単位(R
SP−2)及び/又は(R
SP−3)を含み、更により好ましくは、これは、繰り返し単位(R
SP−2)及び/又は(R
SP−3)以外の繰り返し単位を含まない。
【0100】
繰り返し単位が(ii)である芳香族スルホンポリマー(SP)(以降ポリビフェニルスルホンという)、繰り返し単位が(j)である芳香族スルホンポリマー(SP)(以降ポリフェニルスルホン又はPPSUという)、繰り返し単位が(jj)である芳香族スルホンポリマー(SP)(以降ポリエーテルエーテルスルホンという)、繰り返し単位が(jjj)であり任意選択的に繰り返し単位(jjj)を更に含む芳香族スルホンポリマー(SP)(以降ポリエーテルスルホン又はPESという)、及び繰り返し単位が(jv)であり任意選択的に繰り返し単位(jj)を更に含む芳香族スルホンポリマー(SP)(以降ポリスルホン又はPSFという)、を用いた場合に良好な結果が得られた。
【0101】
ポリフェニルスルホン(PPSU)は特にはSolvay Specialty Polymers USA,L.L.C.からRADEL(登録商標)R PPSUとして入手可能である。ポリスルホン(PSF)は特にはSolvay Specialty Polymers USA,L.L.C.からUDEL(登録商標)PSFとして入手可能である。ポリエーテルスルホン(PES)は特にはSolvay Specialty Polymers USA,L.L.C.からRADEL(登録商標)A PES又はVIRANTAGE(登録商標)r−PESとして入手可能である。
【0102】
ポリエーテルスルホン(PES)、すなわち繰り返し単位が(jjj)であり任意選択的に繰り返し単位(jj)を更に含む芳香族スルホンポリマー(SP)を用いた場合に非常に良好な結果が得られた。
【0103】
本発明の組成物に特に適応することが見出されたPESは、ヒドロキシル末端基を少なくとも20μeq/g、好ましくは40μeq/g、より好ましくは50μeq/g有する上述のポリエーテルスルホン(PES)である。このタイプのPESは、特にはSolvay Specialty Polymers USA,L.L.C.からVIRANTAGE(登録商標)r−PESUとして市販されている。
【0104】
ある好ましい実施形態によれば、本発明の組成物は、上述したような少なくとも1種のポリイミド(PI)及び少なくとも1種の芳香族スルホンポリマー(SP)を含むポリマー(P)を含有する。
【0105】
また、ある更に好ましい実施形態によれば、本発明の組成物は、上述したような少なくとも1種のポリイミド(PI)と少なくとも1種の芳香族スルホンポリマー(SP)との混合物である、より好ましくは少なくとも1種のポリアミドイミド(PAI)と少なくとも1種の芳香族スルホンポリマー(SP)との混合物である、更に好ましくは上述したような少なくとも1種のポリアミドイミド(PAI)と少なくとも1種のポリエーテルスルホン(PES)との混合物である、ポリマー(P)を含有する。
【0106】
この組成物は、通常、ポリマー(類)(P)の総量対ポリマー(A)の総量の重量比が通常20:80〜70:30に含まれるような量で、ポリマー(A)及びポリマー(P)を含有する。
【0107】
組成物は更に少なくとも1種の顔料を含有していてもよく、本発明の組成物に有用な顔料としては、はとりわけ以下のもの、すなわちWhittaker,Clark & Daniels,South Plainfield,New Jersey,USAから入手可能である二酸化チタン;Shepard Color Company,Cincinnati,Ohio,USAから入手可能なArtic blue #3、Topaz blue#9、Olympic blue #190、Kingfisher blue #211、Ensign blue #214、Russet brown #24、Walnut brown #10、Golden brown #19、Chocolate brown #20、Ironstone brown #39、Honey yellow #29、Sherwood green #5、及びJet black #1;Ferro Corp.,Cleveland,Ohio,USAから入手可能なblack F−2302、blue V−5200、turquoise F−5686、green F−5687、brown F−6109、buff F−6115、chestnut brown V9186、及びyellow V−9404、並びにEngelhard Industries,Edison,New Jersey,USAから入手可能なMETEOR(登録商標)顔料、のうちの1つ以上を含む、又は含むであろう。
【0108】
更に、組成物は、
− 無機フィラー、好ましくはマイカフィラーから選択されるもの、より好ましくは金属酸化物で被覆されたマイカフィラーから選択されるもの(このタイプのフィラーは特にはMerkから商品名IRIODIN(登録商標)として入手可能である)、
− レオロジー調整剤、好ましくは変性ポリアミド、変性尿素、ポリエチレンワックス、ベントナイト粘土の有機誘導体から選択されるもの、
− 消泡剤、好ましくはポリジメチルシロキサン、特には変性ポリジメチルシロキサン、フッ化シリコーンから選択されるもの、及び、
− 界面活性剤、好ましくはアルキルエトキシ化アルコール、アルキルフェノールエトキシ化アルコールから選択されるもの、
のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0109】
したがって本発明の別の態様は、上述した組成物の製造方法である。
【0110】
本発明の組成物は、ポリマー(A)と、ポリマー(P)と、混合物(M)と、存在する場合にはすべての他の追加的な成分と、を混合することによって製造することができる。
【0111】
上述したような組成物は、通常は表面のコーティングに使用される。したがって本発明の更に別の態様は、上述のような組成物を表面にコーティングして前記表面上にウエットコーティング層を得る工程を含む、表面をコーティングする方法に関する。
【0112】
表面は通常は金属表面であり、特にはアルミニウム、銅、スズ、亜鉛、鉄、及びこれらの合金(鋼鉄やステンレス鋼を含む)が含まれる。
【0113】
コーティングは、特にはスプレーコーティング、スピンコーティング、刷毛塗りなどを含むいずれのコーティング法によっても行うことができる。
【0114】
コーティングの方法には、引き続き前記ウエットコーティング層を乾燥させて前記表面上に乾燥コーティング層を得る工程を含めることもできる。
【0115】
乾燥は、室温から約200℃の範囲の温度で行うことができ、有利には組成物に含まれる全ての揮発性物質を除去することが意図される。
【0116】
乾燥コーティング層又はウエットコーティング層は、付加的なポリマー層で、好ましくはフルオロポリマー層で更にコーティングし、表面上の乾燥コーティング層又はウエットコーティング層の上に形成された外側フルオロポリマー層を得ることもできる。このコーティング工程で使用されるフルオロポリマーは、通常上述したポリマー(A)から選択される。ポリマー(A)からなる前記外側コーティング層は、特にはパウダーコーティング、スプレーコーティング、又は他の任意のコーティング技術によって、前記乾燥コーティング層又はウエットコーティング層上に塗布することができる。
【0117】
通常、引き続いて表面、乾燥コーティング層、及び外側フルオロポリマー層を含む多層体の300〜400℃の温度での加熱を含む、焼結工程が行われる。
【0118】
参照により本明細書に援用される一切の特許、特許出願、及び刊行物の開示が、用語を不明確にさせ得る程度まで本出願の説明と矛盾する場合は、本説明が優先するものとする。
【0119】
本発明はこれから、以下の実施例を参照してより詳細に説明されるが、その目的は単に例証的なものであり、本発明の範囲を限定することは意図されない。
【実施例】
【0120】
組成物の製造の基本手順
20〜35℃の温度で、成分を瓶の中で混合及び振とうすることにより、DMSOと、少なくとも1種の式(I
de)のジエステル及び式(I
ea)のエステルアミドを含有する溶媒混合物(M)を製造する。
【0121】
芳香族重縮合ポリマー(類)(P)を室温で添加し、20〜90℃の温度でボトルローラー上で揺り動かすことで溶媒混合物中に溶解させる。前記ポリマー(類)(P)が完全に溶解した後、得られた透明溶液にフルオロポリマー(A)を添加し、瓶をボトルローラー上で更に10分間揺り動かす。同様の手順に従って(更に10分の混合を行い)、他の成分を、
− 顔料、
− 任意選択的な更なる溶媒、
− 界面活性剤、
− 消泡剤/脱気剤、
− 任意選択的なレオロジー調整剤
の順番で添加した。
【0122】
得られた混合物と同体積の量のガラスビーズを添加し、得られた分散液をDispermat CV3ミキサー中で10分間混合することにより、得られた混合物を最後にガラスビーズ式混合機で均質化及び粉砕した。5μmより大きい寸法の凝集体/粒子が存在するかを検出するために粒ゲージの溝で評価することによって、適切に均質化されていることを確認した。5μmより大きい寸法の粒子/凝集体が検出された場合、更に10分間粉砕を行った。組成物をスクレーパーで粒ゲージの溝に広げた後、5μmを超える擦り傷やフィルムの不連続が検出されなかった場合のみに配合が完結し、良好に分散したとみなした。
【0123】
コーティングの基本手順
上で詳述したように製造した配合物を、ダイ1.2mm、空気圧2.5barのガンを用いたスプレーコーティングによって炭素鋼製の基材(正方形パネル)に塗布した。
【0124】
ウエットプライマー上に、HYFLON(登録商標)PFA粉末(Solvay Specialty Polymers Italy,SPAから購入可能なテトラフルオロエチレン/パーフルオロプロピルビニルエーテルコポリマー)の層を、静電粉体コーティングによってトップコートとして塗布し、次いでこの積層体を380℃のオーブン中で20分処理した。コーティング全体(プライマー+トップコート)の厚さは50〜100μmであった。
【0125】
接着性(最初の接着性及び水蒸気暴露60日後の接着性を含む)の評価
基材上のコーティングの接着能をクロスカット試験によって測定した。コーティングを切断して、中央で約60°の角度で互いに交差する約20mm2つの切開線を形成した。交差する点の近傍のコーティングに傷をつけ、連続的なポリマーフィルムが基材から剥がれた場合、その接着は不十分であるとみなした。反対に、コーティングをはがすことができなかった場合、その接着は良好であるとした。
【0126】
接着力を評価するこの試験は、コーティング処理が完了してすぐ(約1時間)の少なくとも3つのコーティングしたパネルと、水蒸気に60日曝した少なくとも3つの別のコーティングしたパネルについて行った。この目的のために、熱水の自由表面から約3cmにパネルを水平に吊るして、試験を行うパネルのコーティングされた側を85℃に維持した水浴から発生する蒸気に接触させた。
【0127】
組成物製造の詳細及び得られた結果は以下の表に示されている。
【0128】
この表において、
− エステルアミド(EA)は、Rhodiaから商品名POLAR CLEAN(登録商標)として市販されている式MeO−C(O)−CH(Me)−CH
2CH
2C(O)−NMe
2(Me=メチル)のエステルアミドであり、
− ジエステル(DE)は、Rhodiaから商品名RHODIASOLV(登録商標) IRISとして市販されているエチルコハク酸ジメチルと2−メチルグルタル酸ジメチルとを主成分(80重量%超)とするジエステル混合物であり、
− MFA P6010は、Solvay Specialty Polymers Italy SpAから市販されているHYFLON(登録商標)MFA P6010(TFE/MVEコポリマー)を表し、
− VW10200RP PESは、Solvay Specialty Polymers USA,LLCから市販されているVirantage(登録商標)VW10200RP PES(ヒドロキシル基で官能化された分子量約45000のPES)を表し、
− PAI AI10は、Solvay Specialty Polymers USA,LLCから市販されているTorlon(登録商標)PAI AI10(ポリアミドイミド)を表し、
− 30C 965 Shepherdは、Shepherd Color CompanyからDYNAMIX(商標)BLACK 30C965として市販されている黒色顔料であり、
− BYK(登録商標)−431は、BYKから市販されている高分子量ウレア変性中間極性ポリアミドの溶液からなる液体レオロジー調整剤であり、
− Airex 931は、Evonik Tego Chemie GmbHから市販されているTEGO(登録商標) Airex 931(フッ化シリコーンを主成分とする、溶媒ベースのコーティング系用脱気剤/消泡剤)を表し、
− 15−S−5は、Dowから市販されているTergitol
TM15−S−5(2級アルコールエトキシレート界面活性剤)を表す。
【0129】
【0130】
上に示したデータは、溶媒混合物(M)が、NMP溶媒を用いて配合された従来のプライマー組成物と比較して優れた接着能を示すプライマー組成物を製造するために好適に使用できることをよく示している。