特許第6321024号(P6321024)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321024
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】繊維強化された複合材料物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/04 20060101AFI20180423BHJP
   B29C 39/10 20060101ALI20180423BHJP
   B29C 39/24 20060101ALI20180423BHJP
   B29C 70/48 20060101ALI20180423BHJP
   B29B 15/08 20060101ALI20180423BHJP
   B29K 105/08 20060101ALN20180423BHJP
【FI】
   C08J5/04CER
   C08J5/04CEZ
   B29C39/10
   B29C39/24
   B29C70/48
   B29B15/08
   B29K105:08
【請求項の数】23
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-540979(P2015-540979)
(86)(22)【出願日】2013年11月11日
(65)【公表番号】特表2015-535535(P2015-535535A)
(43)【公表日】2015年12月14日
(86)【国際出願番号】CH2013000194
(87)【国際公開番号】WO2014075198
(87)【国際公開日】20140522
【審査請求日】2016年11月9日
(31)【優先権主張番号】61/725,615
(32)【優先日】2012年11月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501485227
【氏名又は名称】ウッドウェルディング・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レーマン,マリオ
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー,ヨルク
【審査官】 増永 淳司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0047107(US,A1)
【文献】 特開平04−135720(JP,A)
【文献】 特開2007−276453(JP,A)
【文献】 国際公開第00/061363(WO,A1)
【文献】 英国特許出願公告第00898082(GB,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02228199(EP,A1)
【文献】 米国特許第06913666(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 5/04
B29B 15/08
B29C 39/10
B29C 39/24
B29C 70/48
B29K 105/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維強化された複合材料の物品を製造する方法であって、
繊維からなる構造を各々が含む第1の製品パーツおよび第2の製品パーツを提供するステップと、
前記第1および第2の製品パーツを、互いに関して、および支持体に対して配置するステップと、
熱可塑性材料を含む接続要素を提供するステップと、
前記接続要素を前記第1および第2の製品パーツに対して押圧することにより前記第1および第2の製品パーツを前記接続要素と前記支持体との間において圧縮し、前記接続要素にエネルギで衝撃を与え、それによって、前記接続要素の熱可塑性材料を流動可能にし、前記接続要素を前記第1および第2の製品パーツ内に押込めさせるステップと、
前記熱可塑性材料を再凝固させ、それによって前記第1および第2の製品パーツを互いと接続することにより、半製品を製造するステップと、
前記半製品を前記金型に置いた状態で、前記金型にマトリックス材料を加えるステップと、
前記金型を閉じた状態で前記マトリックス材料を硬化させるステップとを含む、方法
【請求項2】
前記押圧ステップおよび前記衝撃を与えるステップは少なくともある程度まで同時に行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接続要素を提供するステップ、前記押圧および衝撃を与えるステップ、ならびに前記熱可塑性材料を再凝固させるステップは、複数の接続要素を前記製品パーツに導入するよう繰返されてもよい、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記接続要素は少なくとも1つの突き通る先端を含む、請求項1〜のいずれか1に記載の方法。
【請求項5】
前記接続要素は少なくとも1つの遠位先端を有するピン形状である、請求項1〜のいずれか1に記載の方法。
【請求項6】
前記接続要素は近位ヘッド部分を有する、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記接続要素は、複数のピン部分と、前記ピン部分を接続する遠位ブリッジ部分とを有する、請求項1〜のいずれか1に記載の方法。
【請求項8】
前記接続要素は熱可塑性材料からなる、請求項1〜のいずれか1に記載の方法。
【請求項9】
前記接続要素は、非熱可塑性材料の芯を含む、請求項1〜のいずれか1に記載の方法。
【請求項10】
前記衝撃を与えるステップは、機械的振動を前記接続要素に結合することを含む、請求項1〜のいずれか1に記載の方法。
【請求項11】
前記製品パーツの繊維からなる構造は、繊維ファブリック、繊維タングル、繊維マット、または一方向に配向された繊維からなる層である、請求項1〜10のいずれか1に記載の方法。
【請求項12】
流動可能となった結果、前記接続要素の熱可塑性材料は前記繊維の部分を含浸し、繊維間の隙間を充填することによって、繊維を接続する、請求項1〜11のいずれか1に記載の方法。
【請求項13】
前記押圧および衝撃を与えるステップは、前記接続要素の遠位端部が前記支持体に到達
し、前記支持体に対して押圧されることによって、液化され、遠位脚部部分を形成するよ
うにされ、それによって、前記接続要素がリベットとしても作用するまで、継続される、
請求項1〜12のいずれか1に記載の方法。
【請求項14】
前記製品パーツは平坦であり、前記配置するステップにおいて前記第1および第2の製品パーツは重なり領域において重なるように配置され、前記押圧および衝撃を与えるステップにおいて、前記接続要素は前記重なり領域において前記製品パーツに対して押圧される、請求項1〜13のいずれか1に記載の方法。
【請求項15】
前記接続要素の長さは前記重なり領域における前記製品パーツの全体の厚みを超える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記製品パーツは平坦であり、前記配置するステップにおいて、前記第1および第2のパーツは小さい側が互いに隣接する状態で配置され、前記接続要素は、近位ブリッジ部分によって接続される少なくとも2つのピン部分を含み、前記押圧するステップにおいて、前記ピン部分の少なくとも一方は前記第1の製品パーツ内に押込まれ、前記ピン部分の少なくとも他方は前記第2の製品パーツ内に押込まれる、請求項1〜13のいずれか1に記載の方法。
【請求項17】
前記接続要素は、少なくとも2つの異なる熱可塑性材料からなる、異成分からなる組成物を含み、前記熱可塑性材料の第1の熱可塑性材料は溶媒によって可溶であり、前記方法は、さらに、前記材料を再凝固させるステップの後に、前記異成分からなる組成物を前記溶媒と接触させて前記第1の熱可塑性材料を溶解させるステップを含む、請求項1〜16のいずれか1に記載の方法。
【請求項18】
前記マトリックス材料は熱硬化性ポリマーである、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記マトリックス材料は熱可塑性物質である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記マトリックス材料は前記接続要素の前記熱可塑性材料と同じ構成を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記半製品を製造するステップの後、前記ポリマーマトリックス材料を加えるステップの前に、前記金型を閉じ、前記ポリマーマトリックス材料を加えるステップは、前記ポリマーマトリックス材料を前記金型に注入チャネルを介して注入するステップを含み、それによって、前記方法はトランスファー成形方法である、請求項1〜20のいずれか1に記載の方法。
【請求項22】
前記金型は、前記マトリックス材料を加えるステップの後、閉じられる、請求項1〜21のいずれか1に記載の方法。
【請求項23】
前記繊維の全体積は前記物品の体積の少なくとも20%に対応する、請求項1〜22のいずれか1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
この発明は、テキスタイルの分野、および繊維強化複合材料の分野にある。それは、特に、2つの繊維性の製品パーツを、それらを接続することにより製造すること、および複合材料からなる物品の形状化プロセスのための繊維プリフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
繊維強化を伴う複合材料からなる物品、特に連続繊維からなる物品を形状化する際には、しばしば、繊維強化のプリフォーム(繊維半製品)が形成され、次いで、その半製品を含浸するポリマーマトリックスが添加される。繊維半製品は、(織られた、編成された、編組された、縫合された)繊維ファブリック、繊維タングル、繊維マット、一方向に配向された繊維からなる層、または繊維アセンブリからなる他の構造の形式にあってもよい。いくつかの適用例に対しては、繊維半製品は、そのテキスタイルまたは繊維性の性質を保持したまま、予め含浸されてもよい。
【0003】
形状化プロセスに対しては、繊維半製品は、しばしば手動で金型に入れられる。次いで、金型を閉じ、次いで(トランスファー成形、特に樹脂トランスファー成形RTMにあるように)マトリックス材料を注入するか、またはマトリックス材料を添加し、次いで(圧縮成形におけるように)金型を閉じるか、もしくはマトリックスをマトリックス繊維として強化繊維と混合させておき、次いで、成形プロセスにおいて固体材料に固化する。
【0004】
より大きな要素−特に、より大きな領域またはより複雑な形状を有し、顕著なカッピングおよび/または特に巻戻しが可能(decoilable)でない表面形状を伴う、やや平らな要素−が形状化(成形)される必要がある場合、要素全体に対して1つの繊維半製品を与えることは可能でないことがしばしばあり、いくつかのプリフォームが金型を裏打ちする必要がある。それらが適所に安定して留まるため、および最終物品の均質な機械的強度を確実にするために、それらは互いに対して(仮に)留め付けられる。現状技術に従うと、これは、縫合すること(それは金型においては可能ではなく、大きな領域のパーツに対しては難しい)、ステープルで留めること(金属ステープルは腐食するかも知れず、複合材料とは異なる材料特性のため内部応力を引起すかも知れず、繊維の配向を歪めるかも知れない)、または樹脂接着剤を小さな針によって注入すること(これは局所的な厚み増大/結節を引起すかも知れず、せん断力に対して低減された安定性を有する)によってなされ得る。
【0005】
繊維強化された複合材料のための成形プロセスの目的で、繊維半製品パーツを接続するための改善された方法を有することは有利であろう。
【0006】
同様に、テキスタイル構造を接続するための方法が、他の適用例に対して、たとえばテキスタイル業界において、たとえば衣類またはリネンを製造するためのみならず、テキスタイルを建築材料として製造するためにも必要とされる。先行技術によれば、テキスタイル構造の接続は、主に、縫製または縫合またはおそらくはステープル留めによってなされる。これらの方法は、確立され、数多くの状況に対して十分な結果をもたらす一方で、欠点を有する。たとえば、十分に慎重な継ぎ目を与えることは難しいことがしばしばある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、この発明の目的は、先行技術方法の欠点を克服する方策を提供することである。特に、この発明の目的は、繊維強化された複合材料のための成形プロセスのために、またはテキスタイル物として、繊維半製品パーツを接続するための方法を提供することである。この発明のさらなる目的は、それに従った成形方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のある局面に従うと、製品を製造する方法が提供され、その方法は、
第1の製品パーツおよび第2の製品パーツを提供するステップを含み、各製品パーツは、連続繊維または不連続繊維からなる構造を含み、繊維は、たとえば少なくとも10mmまたは少なくとも20mmの平均長を有し、および/または、繊維は、これらの値より短いときには紡績糸において安定させられることによって、繊維ステープル構成物に属し、この方法はさらに、
第1および第2のパーツを、互いに関して、および支持体に対して配置するステップと、
熱可塑性材料を含む接続要素を提供するステップと、
接続要素を製品パーツに対して押圧することにより製品パーツを接続要素と支持体との間において圧縮し、接続要素にエネルギで衝撃を与え、それによって、接続要素の熱可塑性材料を流動可能にし、接続要素を製品パーツ内に押込めさせるステップと、
熱可塑性材料を再凝固させ、それによって第1および第2の製品パーツを互いと接続するステップとを含む。
【0009】
この製品は、繊維強化された複合材料の物品の成形プロセスのための半製品であってもよい。次いで、製品パーツは、繊維からなる半製品パーツである。
【0010】
代替的に、この製品は、たとえば、1つの衣類またはリネンのための、または建築産業における建設材料としての、他のテキスタイル製品であってもよい。
【0011】
製品パーツの材料は柔軟であり曲げやすい。それは非凝集性(non-coherent)の材料であり、つまり、それは、伝統的な固体力学に従わず、−したがって、糸または繊維のような単一の構造上の要素が、近接する要素に対する影響が非常にほんの僅かであるかまたは全くない状態で、変位され得る(局所的圧縮、局所的除去)。
【0012】
実施例では、この非凝集性の構造は、製造プロセスの終了後においてのみ、つまり接続要素を導入して第1および第2の製品パーツを互いに対して接続した後においてのみ最終特性を得る予め重合された材料によって結合され得る。
【0013】
製品パーツは、特に、テキスタイルのような、繊維タングルもしくは構造または規則的に配置された繊維であってもよい。特に、それらは、繊維が交差する多数の点があり、繊維が互いに対して可動であるように、互いに対して配置される繊維の構造であるかまたはそれらを含んでもよい。繊維構造内には、多数の実施例において、熱可塑性材料で充填され得る、空いている空間があることになる。製品パーツは、それら自体においては、たとえば室温においても可撓性であり、つまり、それらは変形され得、形状は、それらが載置される表面の形状に適合する。総じて、一般的に、繊維からなる複数の層が(順序付けられ識別可能であるにしろないにしろ)存在し、製品パーツの厚みは、繊維からなる構造の繊維の直径よりも、少なくとも1桁大きくなることがしばしばであり、少なくとも係数30(a factor 30)の分だけより大きいことがしばしばである。
【0014】
製品パーツは、やや平らな部分を含んでもよく、または完全にやや平らであってもよい。配置ステップでは、第1および第2の製品パーツは、たとえば、重なり領域において重なるよう配置されてもよい。次いで、接続要素を製品パーツに対して押圧するステップは、それを重なり領域において行なうことを含んでもよい。
【0015】
代替的に、製品パーツは、それらの縁部が当接するように互いの隣に配置されてもよく、接続要素は複数の部分を含んでもよく、それらの少なくとも1つは、押圧ステップにおいて、一方の製品パーツ内に押込められ、少なくとも他の1つは他方の製品パーツ内に押込められる。それらの部分は、寸法的に安定しているかまたは変形可能な材料からなる近位ブリッジによって接続される。
【0016】
押圧ステップおよび衝撃ステップは、完全に同時に、または部分的に同時に、たとえば、まず押圧し、次いで、圧力を維持したまま衝撃を開始することによって、行なわれ得る。
【0017】
接続要素を与えるステップ、押圧および衝撃ステップ、ならびに熱可塑性材料を再凝固させるステップを繰返すことによって、製品の接続点または接続領域を各々が規定する複数の接続要素を導入してもよい。
【0018】
接続要素は、連続繊維または不連続繊維からなる構造に対して押圧されると、たとえ衝撃エネルギがなくても、連続繊維または不連続繊維からなる構造内に突入するよう形状化されてもよい。特に、接続要素は1つ以上の突き通る先端を含んでもよい。
【0019】
この点において、接続要素は、ピン形状であってもよく、または少なくとも1つのピン形状の部分を含んでもよい。パーツが重なり、接続要素が重なり領域に挿入される場合、ピンまたはピン形状部分は、パーツの1つの厚みを超える長さを有するよう選択され、その長さは、たとえば、2つのパーツの少なくとも組合された厚みに対応する。接続要素は、遠位先端または複数の遠位先端と、たとえばヘッドまたは平坦な近位表面部分によって形成される、エネルギを内結合(coupling in)するための近位内結合(incoupling)表面とを有してもよい。
【0020】
ある代替的実施例では、結合要素は、近位ブリッジ部分によって接続される複数のピン部分を含んでもよい。各ピン部分は1つ以上の遠位先端を有する。
【0021】
この代替的実施例は、特に、製品パーツが互いの隣にあるプロセスに対して特に有利であってもよい。換言すれば、そのようなブリッジ部分を伴う実施例では、製品パーツは必ずしも重なる必要はなく、それらは、それらの端部面/縁部が互いの隣にあるように、互いに関して位置決めされ得、接続部分は、次いで、少なくとも1つのピン部分が製品パーツの1つを貫通し、少なくとも他のピン部分が他方の製品パーツを貫通するように、導入される。
【0022】
エネルギは、機械的エネルギ、放射エネルギ、または熱を含んでもよい。
エネルギは、ある実施例によれば、機械的振動、特に超音波振動の形式で供給されてもよい。振動は、近位側(もしあれば、先端とは反対側)から接続要素内に結合される。この目的のため、接続要素の近位側は、内結合表面、たとえば平坦な表面を含んでもよい。接続要素はヘッド部分を有し、内結合表面は、ヘッド部分の近位表面によって形成されてもよい。振動は、たとえば、対応するように適合された遠位表面を有するツール(ソノトロード)から接続要素内に結合される。
【0023】
この方法の局面に従う装置および方法に対して好適な機械的振動または周期的振動は、好ましくは、2〜200kHz(さらにより好ましくは10〜100kHz、または20〜40kHz)間の周波数、および活性表面の平方ミリメートル当たり0.2〜20Wの振動エネルギを有する。振動要素(ツール、たとえばソノトロード)は、たとえば、その接触面が、主に、要素軸の方向において振動し(長手方向振動)、および1〜100μm、好ましくは10〜30μm付近の振幅で振動するよう設計される。回転または径方向振動も可能である。
【0024】
具体的な装置の実施例に対しては、機械的振動の代わりに、固定材料の液化のために必要とされる必要な摩擦熱を生成するための回転運動を用いることも可能である。そのような回転運動は、好ましくは、10,000〜100,000rpmの範囲の速度を有する。所望の液化のための熱エネルギを生成するさらなる態様は、電磁放射を接続要素内に結合し、それを電磁放射を吸収可能なように設計することを含み、そのような吸収は、好ましくは、流動可能となる材料内で、またはその直近で生ずる。好ましくは、可視または赤外線周波数範囲における電磁放射が用いられ、好ましい放射源は対応するレーザである。装置パーツのうちの1つの電気加熱も可能であってもよい。
【0025】
本明細書において、「たとえば機械的振動によって流動可能とされることができる熱可塑性材料」または省略して「液化可能な熱可塑性材料」もしくは「液化可能な材料」もしくは「熱可塑性物質」という表現は、少なくとも1つの熱可塑性成分を含む材料を記載するために用いられ、その材料は、加熱されると、特に摩擦を介して加熱されると、つまり互いに対して接触し、振動または回転を介して互いに対して移動される表面(接触面)の対の一方において配置されると、液体(流動可能)となり、振動の周波数は2kHz〜200kHzの間であり、好ましくは20〜40kHzであり、振幅は1μm〜100μmの間であり、好ましくは10〜30μm付近である。そのような振動は、たとえば超音波溶接から公知の超音波装置によって生成される。材料が0.5GPaより大きい弾性係数を有する場合、有利であることが多い。
【0026】
材料の具体的な実施例は:ポリエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアミド、たとえばポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド6もしくはポリアミド66、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオキシメチレン、またはポリカーボネートウレタン、ポリカーボネートもしくはポリエステルカーボネート、またはさらにはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリルエステル−スチロール−アクリルニトリル(ASA)、スチレン−アクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリスチレン、またはこれらの共重合体もしくは混合物である。
【0027】
熱可塑性ポリマーに加えて、接続要素の材料は、たとえば、ガラスおよび/またはカーボンファイバのような強化繊維などの、好適な充填材を含んでもよい。これらの繊維は、短繊維、長繊維または連続繊維であってもよい。
【0028】
特に、接続材料の繊維充填材は配向されてもよく、たとえば、z方向(接続要素の遠近方向に対応し;平坦な半製品パーツによって規定される面に垂直である)において配向されてもよい。これにおいて、接続要素は、パーツを接続するためにのみ働くだけではなく、特に、最終物品に対するせん断力に対する補強としても働く。
【0029】
ある実施例のグループに従うと、接続要素は、熱可塑性材料、純粋なポリマーからなってもよく、または充填材を伴ってもよい。
【0030】
他の実施例のグループに従うと、接続要素は、熱可塑性材料を液化するのに十分なエネルギによって(およびたとえば、特に、350℃より低い温度または250℃より低い温度で)液化可能ではない材料の芯を含んでもよく;そのような芯は、たとえば、金属、セラミック、またはたとえば熱硬化プラスチックのような液化可能でないプラスチックからなる薄いペグを含んでもよい。特に、そのような芯は、後のステップにおいて、物品を成形するために用いられることになる材料、つまりマトリックス材料の芯であってもよく、その芯は硬化された状態である。
【0031】
さらなる実施例のグループに従うと、接続要素は、少なくとも2つの異なる熱可塑性材料からなる、異成分からなる組成物を含んでもよく、熱可塑性材料の一方は、熱可塑性材料の他方の融解温度において、そのガラス転移温度よりも十分に上である(たとえば、それは、そのガラス転移温度よりも少なくとも50℃上である)。たとえば、それら熱可塑性材料の融解温度は同様であってもよい。熱可塑性材料のうちの第1のものは、溶媒、たとえば水によって溶解可能であってもよい。この方法は、次いで、材料を再凝固させるステップの後、異成分からなる組成物を溶媒と接触させて第1の熱可塑性材料を溶解するさらなるステップを含んでもよい。この結果、より密度の低い、したがってよりよく圧縮可能であり、おそらくはより曲げやすい接続がもたらされることになる。これは、テキスタイル産業界における適用において有利であり得る。
【0032】
第2の熱可塑性材料は、第2の熱可塑性材料によって融合される、複数の本質的に平行なフィラメントの形式で存在してもよい。
【0033】
これにおいて第1の熱可塑性材料として働くのに適してもよい材料は、ポリビニルアルコール(PVA)である。そのような組成における第2の熱可塑性材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)であってもよい。第1の熱可塑性材料に対するある代替物は多糖類である。両方とも、アルコール、THF、アセトンなどのような、二次的構造物を除去するようテキスタイル業界において典型的に用いられる溶媒において可溶性がある。
【0034】
異なる実施例のグループにおいては、接続要素は、たとえば表面領域において、他の領域の熱可塑性材料と比較して、低減された強度(低減された弾性係数)および/または低減されたガラス転移温度を有する材料を含んでもよい。たとえば、そのような低減された強度の領域は、(たとえば接続要素の挿入前にモノマー溶液に浸漬されることによって)熱可塑性材料において局所的に吸収され、衝撃エネルギ中、またはその後、複合材料物品の浸透および固化プロセスにおいて重合され、したがって、マトリックス材料に対する重合性結合を形成する、複合マトリックス材料のモノマーまたはオリゴマーを含んでもよい。これに対して好適な例示的ピン材料は、ポリエステルまたはアクリレート系のポリマーである。
【0035】
そのような低減された強度/低減されたガラス転移温度の領域は、振動エネルギが接続要素に結合されると、増大された内部摩擦の対象となってもよく、したがって、これらの領域においてはさらなるエネルギの吸収があり、したがって、これらの領域における加熱は、少なくとも最初は、他の領域と比較して増大される。
【0036】
製品パーツは、複合材料からなる物品の形状化(たとえば成形)プロセスのための半製品パーツであってもよい。半製品パーツは、特に、繊維ファブリック、繊維タングル、繊維マット、または一方向に配向された繊維からなる層を含んでもよい。繊維材料は、繊維強化に対して公知である任意の材料、特にカーボン、ガラス、ケブラー、セラミック、たとえばムライト、シリコンカーバイドまたは窒化シリコン、高強度ポリエチレン(Dyneema)などであってもよい。
【0037】
代替的に、製品パーツは、たとえば、衣類またはリネンを製造するためのテキスタイルのような、テキスタイル産業における適用のための他のテキスタイル構造であるだけでなく、さらに、たとえば、機能性テキスタイル(遮光、通信、遮蔽;ジオテキスタイル)および/または建築における使用のためのテキスタイルとしての適用に対するテキスタイル構造であってもよい。さらに、これにおいて、製品パーツはファブリックまたはタングルを含んでもよく;たとえば、縦編みの編物、刺繍、不織布、たとえばフェルトを含んでもよい。繊維は、衣類に関して、ならびに/または高強度および/もしくは保護繊維として公知の繊維であってもよい。
【0038】
製品パーツの形状は、おおむね平坦であり、一定のまたは一定でない厚み、および製造されるべき物品の目的に対して好適に適合された任意の外側輪郭を伴う。これは、繊維撚糸の形状を有する、つまり細長い製品パーツを含む。
【0039】
製品パーツは、繊維からなってもよく、またはそれらは、(連続)繊維の構造に加えて、繊維材料とは異なる材料の糸のような、暫定的固定を含んでもよい。加えて、または代替物として、成形プロセスのための半製品としての適用例においては、それらは、寸法的な安定性を有することなく、およびそれらのテキスタイル/繊維性の特徴を維持しながら、マトリックス材料または他の材料を予め含浸されてもよい。
【0040】
WO98/42988およびWO00/79137においては、熱可塑性締結物を多孔性材料において係留するプロセスが記載され、そのプロセスは、熱可塑性材料を含む係留物を、それに振動エネルギで衝撃を与えながら、多孔性材料に対して押圧して、熱可塑性材料を少なくとも部分的に液化させ、孔内に貫通し、再凝固の後、堅固な係留を構成する。
【0041】
この発明は、対照的に、(必ずしも)互いに留付けられない繊維からなる非凝集性の構造に接続要素を挿入することを提案する。この発明は、記載される方法ステップによる繊維の構造の凝集性(coherence)の欠如にも係わらず、パーツの互いに対する締結をもたらす結果となる液化を引起すための条件が満たされるという、驚くべき洞察を提示した。
【0042】
実施例において、以下の条件の1つまたは組合せが、この相互貫入(interpenetration)が生ずるよう満たされる場合、有利であることがわかった:
−繊維構造の密度はある値よりも上であり;たとえば、(繊維構造の)繊維体積は、たとえば、繊維性の体積を取囲む体積の少なくとも20%であってもよく:繊維体積が周囲の/包囲する体積の30%と65%との間であれば有利であることが多く;
−ある状況では、たとえば、柔軟にされた表面層が用いられる場合、および/またはリベット効果が達成される場合(以下を参照)、密度はいくぶんより低く、最小密度はたとえば10%繊維性体積であり、特に20%〜65%間である。
【0043】
−高い繊維密度の場合、機械的振動(特に超音波)とゆっくりと溶解する先端(単数または複数)との組合せおよび/または分離する予め貫通するステップとの組合せの使用は、特に、有利である。これは、振動する先端の相互貫入によって、繊維の変位が、繊維の配向における最小の変化のみで生じ得、それによって、接続要素の挿入のための空間が形成される、という事実による。これは、繊維が、振動によって誘導される微小な運動によって(原末における粉末粒子と同様に)局所的に可動性を持たされ、最小限の摩擦でそのように局所的に変位され得、鋳込プロセス中に音によって流体化され得る粉末と同様に、非常に局所的に、より稠密に圧縮され得るからである。
【0044】
さらに、熱可塑性材料による繊維構造の相互貫入に加えて、パーツの厚みに対する接続要素の寸法に依存して、材料を流動可能にするプロセス中に、接続要素の遠位端部を支持体に押圧することによって、リベット効果を達成してもよい。それによって、脚部部分の遠位拡大が形成されてもよく、それは、ヘッド部分(リベット効果が達成される実施例において有利であってもよい)およびヘッド部分と脚部部分との間における軸部分とともに、接続要素をリベットとして作用させる。このリベット効果は、繊維構造の密度が、たとえば、周囲の体積の20%を下回る繊維体積に対してであるが;しかしながら、オプションとして、さらに、それより高い密度に対しても、相対的に低い場合に、特に有利であってもよい。
【0045】
この実施例、およびさらに別の実施例においては、ヘッド部分は予め製造されてもよく、したがって、最初の接続要素はそのようなヘッドを有する。加えて、または代替物として、ヘッド部分は、たとえばソノトロードによる、押圧および衝撃付与中における接続要素の近位端部の少なくとも部分的な液化の後に形成されてもよい。
【0046】
支持体は、作業台など、または後のステップで物品が鋳造される金型の一部などのような、非振動支持体であってもよい。代替的に、支持体は振動する支持体であってもよい。たとえば、適用可能である場合には、衝撃付与および押圧ステップは、パーツの重なり領域を、部分的に、2つのソノトロード間において導入された接続要素で圧縮することを含んでもよい。これにおいて、および非振動支持体を伴う実施例においては、いくつかの接続要素をエネルギの内結合前に部分的に挿入して、いくつかの接続要素を同時に締結してもよい。
【0047】
特に、後で物品を成形することを含む適用例に対しては、支持体(特に非振動支持体)の形状は、少なくとも部分的に、後のステップで物品が鋳造される金型の形状と対応すれば有利であるかも知れない。それによって、金型を鋳造ステップによって必要とされる最小限の時間中においてのみ用いながら、半製品を適合された態様において製造してもよい。この発明の実施例に従う方策は、したがって、金型に適合された態様におけるプリフォーム製造の恩恵を維持しながら、プリフォーム製造プロセスと鋳造ステップとの時間的および空間的分断をもたらす。
【0048】
樹脂などを、針によって、接続されるべきパーツ間の領域内に注入する先行技術の方法とは対照的に、この発明は、半製品を、膨張させる代わりに、重なり領域において圧縮する。これは、厚みの歪み、および繊維の順序/方向の歪みを低減する。
【0049】
さらに、この方法に従うと、任意の数の半製品パーツが、金型内または金型外の両方において組付けられ得る。これは、金型が製造サイクル毎に必要とされる時間を低減し、したがって、究極的には、製造サイクル時間を低減するという点において有利であろう。さらに、プロセスは、プロセス自動化の点においても可能性を有する。
【0050】
特に、プリフォーム(半製品)が別の金型で製造され、移送および/または保存され得、必要な場合には、成形プロセスが生じる金型に移され得るという点において、生産性が改善され得る。
【0051】
この方法は、比較的少量の熱可塑性材料に対しても(つまり比較的小さな接続要素が用いられる場合であっても)パーツ間において安定した接続を与える。これによって、製品パーツの繊維が非常に順序付けられている場合であっても、この方法によってはほんの僅かな、そして小さな局所的欠陥しか導入されない。
【0052】
さらに、(後で硬化されなければならない)接着剤の注入などのような他の方法とは対照的に、ここに記載される方法は、基本的に、操作者にとって1工程方法として実行されてもよく、操作者は、たとえば、振動発生装置によって接続要素をパーツ内に押込むだけでよく、その後、熱可塑性材料は冷却によって比較的早く再凝固する。
【0053】
稠密な繊維構造の場合、および機械的振動がエネルギ源として用いられる場合には、機械的振動は二重の機能を有してもよく:液化のためのエネルギ源であることに加えて、それらは、さらに、繊維を僅かに遠ざかるように緩やかに移動させることにより除去して、接続要素のための空間を形成し、これは、繊維および構造を破損するかも知れない単なるステープルの材料内への押込みとは対照的である。ある実施例では、したがって、振動は、接続要素の先端が繊維構造内に導入され始める前に始まる。これにおいて、オプションとして、機械的振動の印加は2つのステップで行なわれてもよく、たとえば、より低いパワーが第2の液化ステップにおいてよりも第1の除去ステップにおいて与えられる。
【0054】
繊維強化された複合材料からなる物品を成形する方法は、金型を与えるステップと、先に記載された、および/またはこの後に記載される方法によって半製品を製造するステップと、半製品を金型に置いたままマトリックス材料を金型に加えるステップと、マトリックス材料を硬化するステップとを含んでもよい。この後、(金型が製造されるべき物品の一部でない場合には)金型は取除かれ得る。
【0055】
マトリックス材料はポリマーマトリックス材料であってもよい。代替的に、他のマトリックス材料、たとえば金属製またはセラミックの材料を、セラミックマトリックス複合材料(CMC)、金属マトリックス複合材料(MMC)またはカーボン補強されたカーボン複合材料(CFC)を形成するための確立されたマトリックス浸透または生成方法を用いて、用いてもよい。
【0056】
半製品を製造するステップは金型において(たとえば金型が2つの金型部分を有する場合にはパーツが一方の金型部分に置かれた状態で)実行されてもよく、または金型の外側で実行されてもよく、その後、製品は金型に移される。
【0057】
(重合性)マトリックス材料を添加するステップは、たとえばトランスファー成形プロセス、特に樹脂トランスファー成形プロセスにおいて、マトリックス材料を閉じた金型内に注入することを含んでもよい。マトリックス材料を注入することに対する代替策として、マトリックス材料を金型部分に鋳込してもよく、その後、金型を閉じる(圧縮成形)。(熱硬化)樹脂に代えて、熱可塑性材料を添加(注入、鋳込)してもよく、(熱可塑性混維繊維が用いられる場合には、添加ステップは、パーツを与えてそれらを金型内に配置することによって行なわれる)、その場合には、硬化ステップは金型を冷却させることを含む。
【0058】
これにおける利点は、公知のプロセスと対比して、マトリックス浸透方法、固化技術、またはマトリックス材料のいずれも、必ずしも適合される必要はない、という点である。鋳造ステップに関して、十分に確立された概念が用いられてもよい。
【0059】
マトリックス材料は、それ自体は、短繊維または長繊維の強化のような、充填材を含んでもよい。
【0060】
一般的に、成形を含む適用例では、金型によって規定される物品の体積に関する繊維構造の体積は、プロセスによって究極的に形成される物品が、(繊維からなる構造の)長繊維または連続繊維の実質的な体積、たとえば少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、または少なくとも40%およびたとえば最大で65%または70%を含むようであってもよい。
【0061】
製品パーツが重なり領域を含む実施例では、さらなる品質制御および/または品質監視特徴が導入されてもよい。この品質制御特徴は、信号を接続要素を介して近位または遠位側から結合すること、およびそれをそれぞれの他方側を介して検出することを含んでもよい。たとえば、そのような信号は光信号であってもよく、つまり電磁放射を一方側において接続要素内に結合し、他方側において検出してもよい。これらの実施例では、信号に対する接続要素の材料組成の透過能力は、それを取囲む複合材料の対応する透過能力とは異なっている必要がある。たとえば、これにおける接続要素は透明であってもよく、一方製品パーツ(およびおそらくはマトリックス材料)は透明ではない。たとえば、使用中において、実質的なせん断力が接続に作用して、接続要素の破砕を引起した場合には、透過が変化することになる。そのような変化が検出されると、適切な警告が発せられてもよい。そのような適用例は、航空業界のような、接続の失敗が即座には可視ではなく、致命的な可能性を有する業界において、特に有用であろう。
【0062】
図面の簡単な説明
以下において、この発明および実施例を実施する態様が図面を参照して記載される。図面は概略的である。図面において、同じ参照番号は、同じであるかまたは同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】半製品に接続されるべき2つの半製品パーツを示す。
図2】重なるパーツを接続要素およびソノトロードとともに示す。
図3】接続要素が重なるパーツ内に挿入されるのを示す。
図4図3のセットアップの変形を示す。
図5】接続要素の異なる実施例を示す。
図6】接続要素の異なる実施例を示す。
図7】接続要素の異なる実施例を示す。
図8】接続要素の異なる実施例を示す。
図9】金型を半製品とともに示す。
図10】製品パーツを重なる領域なしに接続するのを示す。
図11】製品パーツを重なる領域なしに接続するのを示す。
図12】接続要素が、2つの異なる熱可塑性材料からなる、異成分からなる組成を含む変形例を示す。
図13】接続品質監視のための適用例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
好ましい実施例の説明
図1は、第1および第2の平坦な製品パーツ1、2を示す。製品パーツは、ここにおいては、成形プロセスにおいて物品を製造するための半製品パーツであるとして仮定される。しかしながら、図1および以下の図における教示は、異なる目的のための繊維性の製品パーツを接続することにも当てはまる。製品パーツは連続繊維3を含み、特に、織られるか、編成されるか、編組されるか、縫われるか、または他の態様で、テキスタイル状の構造、繊維タングル、一方向に配向された繊維のマットに、たとえばそれぞれの層内に均質な配向を有する異なる層とともに接続される繊維ファブリックであってもよい。製品パーツ1、2は重なり領域5において重なる。製品パーツ1、2は、オプションとして、連続繊維からなってもよく、またはさらなる要素/材料を含んでもよい。
【0065】
図2は、接続要素11が、製品パーツ1、2およびソノトロード14との関係において配置されるのを示す。接続要素11は、この示される実施例では、概してピン形状であり、ヘッド部分11.1と遠位先端11.7とを有する。その長さl(図示される構成においてはz寸法における延在に対応する)は、重なり領域の上側パーツを形成するパーツ1の厚みtuより大きい。それは、重なっているパーツの全体厚みtの大きさの厚みであってもよく、またはこの厚みを超えてさえいてもよい。ある実施例では、先端を除くピンの長さ−つまりヘッド部分と、ヘッド部分と先端との間の軸部分との長さ−は、おおよそ全体の厚みtに対応する。
【0066】
接続要素は、ここでは、熱可塑性材料からなる。
重なるパーツは非振動支持体15上に配置される。
【0067】
製品パーツ1、2を重なり領域において接続するために、ソノトロード14は接続要素11を製品パーツ1、2内に押込むようにされ、その間に機械的エネルギがソノトロード14によって接続要素11内に結合される。これは、機械的エネルギの吸収によって生成される摩擦熱の影響の下で、接続要素の熱可塑性材料が溶融し始めて繊維構造内に押込まれるまで、行なわれる。このプロセスは、たとえば、接続要素が構造において、本質的に十分に埋められて、たとえば、上側パーツ1の上側と面一になるまで継続される。
【0068】
考えられ得る結果を図3に示す。接続要素の材料は、上側製品パーツ1および下側製品パーツ2の両方の構造に相互貫入し、したがって、製品パーツを接続する。
【0069】
このプロセスは、さらなる接続要素を用いて、十分な接続点を形成して所望の機械的安定性が与えられるまで繰返される。
【0070】
支持体15−ここでは非振動支持体である−は、作業台または他の好適な表面によって構成されてもよい。それは、代替的には、後で物品を成形するために働くことになる金型の一部によって構成されてもよい。
【0071】
図4は、図3に示されるものの変形物を示す。図3の実施例とは対照的に、接続要素のサイズおよびソノトロードの動作パラメータの選択は、振動エネルギでの押圧および衝撃プロセス中に接続要素の遠位部分が支持体に到達して接続要素11の部分が支持体と接触して液化されるように、選択される。この結果、上に記載されるように、接続効果がリベット状に実施されてもよい。ここで、接続要素は、プロセスの後、残っているヘッド部分11.1に加えて、液化され再凝固された熱可塑性材料からなる脚部部分11.2も有する。
【0072】
図5は、接続要素21の他の実施例を示す。接続要素は、各々遠位先端を有する2つのピン部分21.2、21.3と、それらピン部分を接続する近位ブリッジ部分21.1とを有する。接続要素を繊維構造内に導入するプロセスは、上において単一のピンについて記載されたプロセスと同様である。
【0073】
近位ブリッジ部分として、図示される寸法的に固いブリッジ部分に対する代替物として、テキスタイルブリッジ部分のような可撓性のブリッジ部分を用いてもよい。特に、接続要素は、たとえば、複数の熱可塑性ピンを伴う、(近位ブリッジ部分を構成する)リボンまたは箔またはスラブであってもよい。
【0074】
図6および図7は、さらに、接続要素31;41の変形物を示し、3つのピン部分31.2、31.3、31.4;41.2、41.3、41.4がそれぞれの近位ブリッジ部分31.1;41.1によって接続されている。各ピン部分は遠位先端を有する。
【0075】
図5図7の概念も、もちろん、他の数のピン部分および任意のブリッジ部分の形状に拡張されてもよい。
【0076】
図8は、単一のピンである(つまり1つの軸を有する)が複数の先端51.7、51.7を伴う、接続要素51の変形例を示す。繊維構造への導入中において、繊維は、先端51.7、51.8間の窪み51.9に捕捉されてもよく、この結果、繊維のその元の状態からの歪みが低減されてもよい。これは、特に、繊維製織または一方向に配向された繊維からなる層/束のような、十分に順序付けられた繊維構造の場合に有利であろう。
【0077】
成形プロセスのために、製品パーツ1、2および接続要素11からなる半製品は金型内に置かれる。図9は、樹脂トランスファー成形(RTM)金型の下側金型部分61に置かれた半製品を示す。次いで、第2の金型部分62を第1の金型部分61に対して配置することによって金型を閉じ(もちろん、2つより多い金型部分を有する、より精巧な金型を用いてもよい)、液体樹脂が少なくとも1つの注入チャネル62.1、62.2を介して注入される。金型は、注入チャネルに加えて、さらに、空気を逃すための排気チャネルを含んでもよい。硬化プロセスの後、金型は開かれ、形状化された物品が金型から取除かれる。
【0078】
図10は、2つの製品パーツ1、2、たとえばテキスタイルが支持体15上において互いに対して配置されるのを示しており、製品パーツは、重なり領域なしに、互いに隣接している。製品パーツ1、2は、複数のピン部分と近位ブリッジ部分とを有する種類の少なくとも1つ(好ましくは複数)の接続要素21によって、互いに接続される。ある例では、製品パーツ1、2の縁部は互いに近接して配置され、複数の接続要素21は、縁部に沿って係留されて、それらを継ぎ留める。点線は、ソノトロード14がどのように配置され得るかを示し;プロセス中、ソノトロードは、1つの接続要素21から次の接続要素に移動される。代替的に、複数の接続要素を同時に覆うソノトロードが用いられてもよい。機械的振動以外のエネルギ源が用いられる場合でも、同様の考慮が当てはまる。
【0079】
重ならない製品パーツを伴う図10および図11のもののような適用例では、製品パーツの繊維が支持体の面に沿った移動に関して拘束されれば、有利であろう。これは、たとえば、編成物(たとえば縦編編成物)、刺繍または不織布に対して当てはまり、一方、従来のように織られたテキスタイルは、適用例、および接続に作用するよう予期される水平方向の力によっては、それほど適さないかもしれない。
【0080】
図12は、さらに、図10および図11のものと同様の構成について、代替的な接続要素71を示す。接続要素は、第1の熱可塑性材料からなる複数のフィラメント71.1、およびそれらが埋込まれた、第2の熱可塑性材料からなる材料71.2を含む。第1の熱可塑性材料は、ここにおいては、溶媒によって可溶性であってもよく、たとえば水溶性であってもよい。たとえば、第1の熱可塑性材料はPVAであってもよく、一方、第2の熱可塑性材料はPETである。
【0081】
図12を参照して記載されるもののような組成物からなる接続要素は、オプションとして、さらに、図12に示されるもの以外の構成、たとえば重なり領域を有する構成において適用されてもよい。
【0082】
図13は、半製品である製品パーツ1、2が熱可塑性物質からなるマトリックス81に埋込まれた、成形された物品を示す。接続要素11は透明である。光源91(たとえばLED;接続要素が透過性である波長で発光する)とセンサ92との組合せは、品質監視のために働く。矢印93、94によって示される水平方向の力によって引起される接続要素11の破砕は、透過の低減をもたらす結果となる。
【0083】
これにおいて、第1の可能性に従って、マトリックス材料81は、放射に対してある程度の透過性を有する。マトリックスは、さらには、製品パーツを構成する繊維性の構造が(十分に)透過性でない場合には、放射に対して十分に透過性でさえあってもよい。示される構成と対照的に第2の可能性に従って、関連するパラメータの選択を、接続要素11の近位端および遠位端がマトリックス材料によって被覆されないように行なう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13