(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321025
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】拡張可能なトランシーバおよびレシーバ
(51)【国際特許分類】
H04B 1/40 20150101AFI20180423BHJP
H04B 1/00 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
H04B1/40
H04B1/00 264
【請求項の数】18
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2015-542024(P2015-542024)
(86)(22)【出願日】2013年11月12日
(65)【公表番号】特表2016-504806(P2016-504806A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】US2013069751
(87)【国際公開番号】WO2014078332
(87)【国際公開日】20140522
【審査請求日】2016年10月12日
(31)【優先権主張番号】13/675,917
(32)【優先日】2012年11月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100194814
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 元宏
(72)【発明者】
【氏名】タシック、アレクサンダー・ミオドラグ
(72)【発明者】
【氏名】ナラソング、チューチャーン
【審査官】
大野 友輝
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0265407(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0041361(US,A1)
【文献】
特開2002−247461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路(IC)チップ上であって、第1の出力及び第2の出力を具備する低雑音増幅器(LNA)と、
前記ICチップ上であって、前記LNAのうちの前記第2の出力を受信し、前記ICチップの外部に増幅された無線周波数(RF)信号を供給するよう構成されたインタフェース回路と、
前記ICチップ上であって、前記LNAのうちの前記第1の出力に結合されるバッファと、前記バッファは、前記ICチップの外部から第2の増幅されたRF信号を受信するよう構成される、
を具備する装置。
【請求項2】
前記LNAのうちの前記第1の出力に結合される負荷回路と、
前記負荷回路に結合されるダウンコンバータ回路と
を更に具備する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記LNAのうちの前記第1の出力に結合される一次コイルと差動出力RF信号を供給する二次コイルとを有する変圧器を備える負荷回路を、更に具備する請求項1に記載の装置。
【請求項4】
集積回路(IC)チップ上であって、第1の出力及び第2の出力を具備する低雑音増幅器(LNA)と、
前記ICチップ上であって、前記LNAのうちの前記第2の出力を受信し、前記ICチップの外部に増幅された無線周波数(RF)信号を供給するよう構成されたインタフェース回路と、ここにおいて、前記インタフェース回路は、前記LNAのうちの前記第2の出力に結合される一次コイルと、前記増幅されたRF信号を供給する二次コイルとを有する変圧器を備える、装置。
【請求項5】
集積回路(IC)チップ上であって、第1の出力及び第2の出力を具備する低雑音増幅器(LNA)と、
前記ICチップ上であって、前記LNAのうちの前記第2の出力を受信し、前記ICチップの外部に増幅された無線周波数(RF)信号を供給するよう構成されたインタフェース回路と、
第2のICチップ上であって、第1の出力と第2の出力とを備える第2のLNAと、
前記第2のICチップ上であって、前記第2のLNAのうちの前記第1の出力に結合される出力と、前記ICチップ上の前記インタフェース回路に結合される入力とを備えるバッファと
を備える、装置。
【請求項6】
前記第2のICチップ上であって、前記第2のLNAのうちの前記第1の出力に結合されるダウンコンバート回路と、を更に備え、
前記ダウンコンバート回路は、前記ICチップから前記第2のICチップへインタフェース回路によって渡され、前記第2のICチップ上のバッファによってバッファされ、前記LNAのうちの前記第2の出力によって供給されるRF信号をダウンコンバートするように構成される、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第2のICチップ上であって前記第2のLNAのうちの前記第2の出力に結合された第2のインタフェース回路を更に具備し、前記第2のインタフェース回路は、前記第2のICチップの外部に第2の増幅されたRF信号を供給するよう構成される、
請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記ICチップ上であって、第1の出力と第2の出力とを備える第2のLNAを更に具備し、前記LNAは、第1の帯域群に関し、前記第2のLNAは、第2の帯域群に関する、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記インタフェース回路は、更に前記第2のLNAの前記第1の出力に結合され、前記第2のLNAからの第2の出力RF信号或いは前記LNAからの第1の出力RF信号を受信し、前記ICチップの外部に前記増幅されたRF信号を供給するよう構成される、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記LNAのうちの前記第1の出力及び前記第2のLNAのうちの前記第1の出力に結合され、前記ICチップの外部から第2の増幅されたRF信号を受信するよう構成され、バッファされたRF信号を前記第2のLNAのうちの前記第1の出力或いは前記LNAのうちの前記第1の出力に供給するバッファを、更に具備する請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記LNAは、
入力RF信号を受信し、前記LNAのうちの前記第1の出力に第1の出力RF信号を供給するよう構成された第1の増幅器回路と、
前記入力RF信号を受信し、第2の出力RF信号を前記LNAのうちの第2の出力に供給するよう構成される第2の増幅器回路と
を具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記LNAは、
第2の入力RF信号を受信し、第3の出力RF信号を前記LNAのうちの前記第1の出力に供給するよう構成された第3の増幅器回路を、
更に具備する請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記ICチップ上の電力増幅器を更に備える請求項1に記載の装置。
【請求項14】
集積回路(IC)チップ上であって、第1の出力と第2の出力とを備える低雑音増幅器(LNA)で入力無線周波数(RF)を増幅することと、
ICチップ上のインタフェース回路を有し、前記LNAのうちの前記第2の出力に結合される前記ICチップの外部に増幅されたRF信号を供給することと、
前記ICチップ上であって、前記LNAのうちの前記第1の出力に結合されるバッファを有する前記ICチップの外部から受信された第2の増幅されたRF信号をバッファすることと
を具備する方法。
【請求項15】
第2のICチップ上でバッファを有するICチップ上の前記インタフェース回路からの前記増幅されたRF信号をバッファすることと、
前記第2のICチップ上のダウンコンバート回路を有する前記バッファからのバッファされたRF信号をダウンコンバートすることと
を更に具備する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
集積回路(IC)チップ上に存在し、第1の出力及び第2の出力を具備する増幅手段と、
前記ICチップ上に存在し、前記増幅手段のうちの前記第2の出力に結合されたインタフェース手段と、
前記ICチップ上に存在し、前記増幅手段のうちの前記第1の出力に結合されるバッファ手段と、前記バッファ手段は、前記ICチップの外部から第2の増幅されたRF信号を受信するよう構成される、
を具備する装置。
【請求項17】
前記増幅手段のうちの前記第1の出力に結合されるバッファ手段、を更に具備する請求項16に記載の装置。
【請求項18】
第2のICチップ上に存在し、前記インタフェース手段からの前記増幅されたRF信号をバッファするよう構成されたバッファ手段と、前記バッファ手段からのバッファされたRF信号をダウンコンバートするよう構成されたダウンコンバート手段と
を更に具備する請求項16に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、一般的には電子機器、より具体的にはレシーバおよびトランスミッタに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]無線通信システムにおける無線デバイス(例えば、セルラ電話またはスマートフォン)は、双方向通信のためにデータを送信し、受信し得る。無線デバイスは、データ送信のための送信機およびデータ受信のための受信機を含み得る。データ送信のために、送信機は、変調された無線周波数(RF)信号を取得するために、データを用いてRFキャリア信号を変調し得、適切な出力電力レベルを持つRF信号を取得するための変調されたRF信号を増幅し、アンテナを介して基地局に送信RF信号を送信し得る。データ受信のために、受信機はアンテナを介して受信されたRF信号を取得し得、基地局によって送られたデータを再生するための受信されたRF信号を増幅および処理し得る。
【0003】
[0003]無線デバイスは、マルチプル(multiple)の周波数帯域および/またはマルチプルの無線技術上の通信をサポートし得る。無線デバイスは、キャリアアグリゲーションをもサポートし得、それはマルチプルのキャリア上で同時の動作である。キャリアは、通信に関して使用される周波数の範囲を指し、特定の特性と関連付けられ得る。例えば、キャリアは、キャリア上の動作を記述する制御情報および/またはシステムと関連付けられ得る。キャリアも、構成要素キャリア(CC)、周波数チャネル、セルなどとも呼ばれ得る。無線デバイスによる通信を効率的にサポートすることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】[0004]
図1は、無線システムと通信する無線デバイスを示す。
【
図2A】[0005]
図2A〜
図2Dは、キャリアアグリゲーション(CA)の4つの例を示す。
【
図2B】[0005]
図2A〜
図2Dは、キャリアアグリゲーション(CA)の4つの例を示す。
【
図2C】[0005]
図2A〜
図2Dは、キャリアアグリゲーション(CA)の4つの例を示す。
【
図2D】[0005]
図2A〜
図2Dは、キャリアアグリゲーション(CA)の4つの例を示す。
【
図3】[0006]
図3は、
図1における無線デバイスのブロック図を示す。
【
図4】[0007]
図4は、集積回路(IC)チップ上で履行された拡張可能なトランシーバを示す。
【
図5】[0008]
図5は、2つのICチップ上で履行された拡張可能なトランシーバを示す。
【
図7】[0010]
図7は、2つのICチップ上で履行された拡張可能なトランシーバを示す。
【
図8】[0011]
図8は、3つのICチップ上で履行された拡張可能なトランシーバおよびレシーバを示す。
【
図9A】[0012]
図9Aおよび
図9Bは、LNAとバッファの2つの典型的なデザインを示す。
【
図9B】[0012]
図9Aおよび
図9Bは、LNAとバッファの2つの典型的なデザインを示す。
【
図10】[0013]
図10は、マルチバンドインタフェースを備えた拡張可能なトランシーバを示す。
【
図11A】[0014]
図11A〜
図11Cは、2つのICチップ上で履行されるマルチバンドインタフェースを備えた2つの拡張可能なトランシーバの3つの動作モードを示す。
【
図11B】[0014]
図11A〜
図11Cは、2つのICチップ上で履行されるマルチバンドインタフェースを備えた2つの拡張可能なトランシーバの3つの動作モードを示す。
【
図11C】[0014]
図11A〜
図11Cは、2つのICチップ上で履行されるマルチバンドインタフェースを備えた2つの拡張可能なトランシーバの3つの動作モードを示す。
【
図12】[0015]
図12は、共有されるマルチバンドインタフェースを備えた拡張可能なトランシーバを示す。
【
図13】[0016]
図13は、RF受信を行なうプロセスを示す。
【0005】
[0017]以下に述べられる詳細な説明は、本開示の例示的な設計の説明を意図するものであり、本開示が実現され得る、唯一の構成を表すことを意図したものではない。「例示的」という用語は、本明細書において、「例、事例、または例示として提供する」という意味で使用される。「例示的」なものとしてここに説明される任意の設計は、必ずしも、他の設計よりも好ましい、または利点を有するものと解釈されるべきではない。詳細な説明は、本開示の例示的な設計の完全な理解を提供することを目的とした特定の詳細を含む。ここにおいて説明される例示的な設計が、これらの具体的な詳細なしに実現され得ることを当業者は理解するだろう。いくつかの事例では、周知の構造およびデバイスが、ここに提示される例示的な設計の新規性を曖昧にすることを避けるために、ブロック図形式で示される。
【0006】
[0018]マルチプルの周波数帯域、マルチプルのキャリア、マルチプルの無線技術および/またはマルチプルのアンテナ上のフレキシブルな動作をサポートし得る拡張可能なトランシーバおよびレシーバは、ここに示される。拡張可能なトランシーバおよびレシーバは、無線通信デバイスのような様々なタイプの電子デバイスに使用され得る。
【0007】
[0019]
図1は、無線通信システム120と通信する無線デバイス110を示す。無線システム120は、ロングタームエボリューション(LTE)システム、符号分割多元接続(CDMA)システム、グローバル移動体通信システム(GSM(登録商標))システム、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)システム、またはいくつかの他の無線システムであり得る。CDMAシステムは、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))、CDMA 1X、Evolution−Data Optimized(EVDO)、時分割同期CDMA(TD−SCDMA)、あるいはCDMAの他のあるバージョンを履行し得る。簡単にするために、
図1は、2つの基地局130及び132並びに1つのシステムコントローラ140を含む無線システム120を示す。一般に、無線システムは、任意の数の基地局および任意のセットのネットワークエンティティを含み得る。
【0008】
[0020]無線デバイス110は、ユーザー設備(UE)、移動局、端末、アクセス端末、加入者ユニット、ステーションなどとも呼ばれ得る。無線デバイス110は携帯電話、スマートフォン、タブレット、無線モデム、携帯情報端末(PDA)、携帯型のデバイス、ラップトップコンピュータ、スマートブック、ネットブック、コードレス電話機、ワイヤレスローカルループ(WLL)ステーション、ブルーツースデバイスなどになり得る。無線デバイス110は、ワイヤレスシステム120と通信し得る。無線デバイス110は、さらに放送局(例えば、放送局134)からの信号、1つまたは複数の全地球型衛星航法システム(GNSS)などにおける衛星(例えば、衛星150)からの信号などを受信し得る。無線デバイス110は、LTE、WCDMA、CDMA 1X、EVDO、TD−SCDMA、GSM、802.11などのような無線通信に関する1つまたは複数の無線技術をサポートし得る。
【0009】
[0021]無線デバイス110は、マルチプルのキャリア上での動作である、キャリアアグリゲーションをサポートし得る。キャリアアグリゲーションは、マルチキャリア動作とも称され得る。無線デバイス110は、1000メガヘルツ(MHz)未満の周波数をカバーする低帯域(LB)、1000MHzから2300MHzまでの周波数をカバーする中帯域(MB)、および/または2300MHzを超える周波数をカバーする高帯域(HB)中で作動し得る。例えば、低帯域は698〜960MHzをカバーし、中帯域は、1475〜2170MHzをカバーし、また高帯域は2300〜2690MHzおよび3400〜3800MHzまでをカバーし得る。低帯域、中帯域、および高帯域は、3つの帯域の群(または帯域群)を指し、各帯域群は、多数の周波数帯域(または、単に「帯域」)を含む。各帯域は、200MHzまでカバーし得、1つまたは複数のキャリアを含み得る。各キャリアは、LTEにおいて20MHzまでカバーし得る。LTEリリース11は、35帯域をサポートし、それらはLTE/UMTS帯域とも称され、3GPPTS36.101に記載されている。無線デバイス110は、LTEリリース11中の1つまたは2つの帯域において5つまでのキャリアによって構成され得る。
【0010】
[0022]一般的に、キャリアアグリゲーション(CA)は、帯域内CAおよび帯域間CAの2種類に分類され得る。帯域内CAは、同一の帯域内の複数のキャリア上の動作を指す。帯域間CAは、異なる帯域における複数のキャリア上の動作を指す。
【0011】
[0023]
図2Aは、隣接する帯域内CAの例を示す。
図2A中で示される例において、無線デバイス110は、低帯域における1つの帯域中に4つの隣接するキャリアを形成する。無線デバイス110は、同じ帯域内での4つの隣接するキャリア上での送信信号を送信および/または受信し得る。
【0012】
[0024]
図2Bは、隣接しない帯域内CAの例を示す。
図2B中で示される例において、無線デバイス110は低帯域中の1つの帯域における4つの隣接しないキャリアで形成される。キャリアは、5MHz、10MHz、またはいくつかの他の量によって分離されることができる。無線デバイス110は、同じ帯域内で4つの隣接しないキャリア上の送信信号を送信および/または受信し得る。
【0013】
[0025]
図2Cは、同じ帯域群中での帯域内CAの例を示す。
図2C中で示される例において、無線デバイス110は、低帯域における2つの帯域中の4つのキャリアで形成される。無線デバイス110は、同じ帯域群内の異なる帯域中の4つのキャリア上の送信信号を送信および/または受信し得る。
【0014】
[0026]
図2Dは、異なる帯域群内の帯域間CAの例を示す。
図2Dに示される例では、無線デバイス110は、異なる帯域群における2つの帯域中の4つのキャリアによって構成され、それは低帯域中の1つの帯域における2つのキャリア、および中帯域中の別の帯域における2つの追加のキャリアを含む。無線デバイス110は、異なる帯域群における異なる帯域中の4つのキャリア上の送信信号を送信しおよび/または受信し得る。
【0015】
[0027]
図2A〜
図2Dは、キャリアアグリゲーションの4つの例を示す。キャリアアグリゲーションは、帯域および帯域群の他の組み合わせに対してもサポートされ得る。
【0016】
[0028]
図3は、
図1中の無線デバイス110の典型的なデザインのブロック図を示す。例示的なデザインにおいて、無線デバイス110は、第1のアンテナ310に結合されたトランシーバ320、第2のアンテナ312に結合された受信機322、およびデータプロセッサ/コントローラ380を含む。トランシーバ320は、マルチプルの周波数帯、マルチプルの無線技術、キャリアアグリゲーションなどをサポートするためのマルチプルのK個のトランスミッタ350paから350pk及びマルチプルのK個のレシーバ330paから330pkを含む。トランシーバ322は、マルチプルの送信アンテナからマルチプルの受信アンテナなどへの、マルチプルの周波数帯域、マルチプルの無線技術、キャリアアグリゲーション、受信ダイバシティ、多入力多出力(MIMO)送信をサポートするためのL個のレシーバ330sa〜330sl、L個のトランスミッタ350sa〜350slを含む。
【0017】
[0029]
図3に示される典型的なデザインでは、レシーバ330はそれぞれLNA340及び受信回路342を含む。データ受信に関して、アンテナ310は、基地局および/または他の送信局から信号を受信し、受信RF信号を供給し、それはアンテナインタフェース回路324を通じて送信され、選択された受信機への入力RF信号として示される。アンテナインタフェース回路324は、スイッチ、送受切り替え器、送信フィルタ、受信フィルタ、整合回路などを含み得る。以下説明は、レシーバ330paが選択されたレシーバであると仮定する。レシーバ330pa内で、LNA340paは、入力RF信号を増幅し、出力RF信号を提供する。受信回路342paは、出力RF信号をRFからベースバンドへダウンコンバートし、ダウンコンバートされた信号を増幅しフィルタし、そして、データ処理装置380にアナログ入力信号を供給する。受信回路342paは、ミキサ、フィルタ、増幅器、整合回路、発振器、局部発振(LO)発生回路、位相ロックループ(PLL)などを含み得る。トランシーバ320及び322中の各々の残りのレシーバ330のそれぞれは、レシーバ330paのような同様の方法で動作し得る。
【0018】
[0030]
図3中に示される典型的な設計では、トランスミッタ350は、それぞれ送信回路352および電力増幅器(PA)354を含む。データ送信に関して、データプロセッサ380は、データが送信されるように処理(例えば、符号化および変調)し、アナログ出力信号を選択されたトランスミッタに供給する。下記説明は、トランスミッタ350paが選択されたトランスミッタであると仮定する。トランスミッタ350pa内で、送信回路352paは、増幅し、フィルタし、およびベースバンドからRFへアナログ出力信号アップコンバータし、調整されたRF信号を提供する。送信回路352paは、増幅器、フィルタ、ミキサ、整合回路、発振器、LO生成器、PLLなどを含み得る。PA354paは、調整されたRF信号を受信し増幅し、適切な出力電力レベルを有する送信RF信号を提供する。送信RF信号は、アンテナインタフェース回路324を通じて送信され、アンテナ310を介して送信される。トランシーバ320および322中の残りのトランスミッタ350はそれぞれ、トランスミッタ350paのような同様の方法で作動し得る。
【0019】
[0031]
図3は、レシーバ330およびトランスミッタ350の典型的な設計を示す。レシーバとトランスミッタは、さらにフィルタ、整合回路などのような
図3に示されない他の回路をも含み得る。トランシーバ320および322の全てあるいは一部は、1つまたは複数のアナログ集積回路(IC)、RFIC(RFIC)、混合信号のIC上などで履行され得る。例えば、トランシーバ320および322内のLNA340及び受信回路342は、下記に説明されるように、マルチプルのICチップ上で履行され得る。トランシーバ320および322における回路も、他の方法で履行され得る。
【0020】
[0032]データ処理装置/コントローラ380は、無線デバイス110のための各種機能を実行し得る。例えば、データプロセッサ380は、レシーバ330を介して受信されるデータ、およびトランスミッタ350を介して送信されるデータに関する処理を実行し得る。コントローラ380は、トランシーバ320および322内の様々な回路の動作を制御し得る。メモリ382は、データプロセッサ/コントローラ380のためのプログラムコードおよびデータを記憶し得る。データプロセッサ/コントローラ380は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)および/または他のIC上で履行され得る。
【0021】
[0033]無線デバイス110は、CAをサポートし得、そして(i)異なる周波数でマルチプルのダウンリンク・キャリア上の1つまたは複数のセルによって送信されたマルチプルのダウンリンク信号を受信し、および/または(ii)マルチプルのアップリンク・キャリア上の1つまたは複数のセルにマルチプルのアップリンク信号を送信し得る。CAをサポートするためのトランスミッタおよびレシーバは、単一のICチップ上で履行され得る。しかしながら、ICチップ上の限定された端子間アイソレーションに起因する、ある送信(TX)及び受信(RX)帯におけるトランスミッタとレシーバとの間のアイソレーションの必要条件を満たすことは、困難であり、不可能かもしれない。
【0022】
[0034]例えば、CA間モードにおいて、あるTXとRX帯(例えば、UMTS帯の4と17)間のアイソレーションの必要条件は、100デシベル(dB)となり得、それは端子間アイソレーションがアイソレーションの必要条件よりも劣っているため、達成するのには困難であり、不可能となり得る。オンチップ送信フィルタリングは、端子間RX/TXアイソレーションを改善し得るが、(i)トランスミッタの性能を悪化させ、(ii)同じICチップ上の他のRX/TX結合作用を低減し得ない。更に、同じICチップ上で同時に作動する、マルチプルのPLLおよびLO生成器からの擬似信号は、トランスミッタの性能を悪化させ得る。レシーバの感度も粗末な誤りとアイソレーション性能に起因して悪化され得る。
【0023】
[0035]本開示の観点において、マルチプルのICチップ上で履行された拡張可能なトランシーバおよびレシーバは、CAをサポートし、上で説明された問題を軽減するために使用され得る。マルチプルのICチップ上のトランスミッタとレシーバは、これらのトランスミッタとレシーバとの間の干渉が低減され得るように、使用のために選択され得る。例として、バンド間CAについては、1つのICチップ上のトランスミッタおよびレシーバは1つのバンド上での通信のために使用され得、別のICチップ上の別のトランスミッタおよび別レシーバは、別帯域上での通信のために使用され得る。これは、単一のチップの設計中で遭遇した誤ったアイソレーション問題を低減し得る。
【0024】
[0036]
図4は、ICチップ410上で履行された、拡張可能なトランシーバ420の典型的な設計のブロック図を示す。トランシーバ420は、拡張可能な(M、1)のレシーバ430およびトランスミッタ490を具備する。一般に、(M、L)のレシーバは、(i)同じICチップ上のダウンコンバータに結合されたM個の「オンチップ」出力、および(ii)1つまたは複数の他のレシーバオフチップに結合されたL個の「オフチップ」出力を含む。ここでの記述では、「オンチップ」は、ICチップ内での信号の意図された宛先を指し、「オフチップ」は、ICチップの外部での信号の意図された宛先を指す。「オンチップ出力」は、その信号がICチップ内での回路に関して意図される出力であり、そして「オフチップ出力」は、その信号がICチップの外部の回路に関して意図される出力である。オンチップ出力およびオフチップ出力は両者とも、物理的にICチップ上に配置され得るが、これら出力からの信号は、異なる意図された宛先を有する。
【0025】
[0037]
図4中に示される典型的な設計では、レシーバ430は、N個の入力(例えばN個の異なる帯域)を有するLNA440、同時に受信し得るキャリアのM個のセットに関するM個のオンチップ出力、および1つのオフチップ出力、を含み、そこで、一般的にはLNA440は、
図3中の任意のLNA330のために使用され得る。LNA440のN個の入力は、RFin1からRFinNの、N個の入力RF信号を受信する。LNA440のM個のオンチップ出力は、M個の負荷回路450〜452に結合され、それは更にM個のダウンコンバータ460〜462のそれぞれに結合される。M個のダウンコンバータ460〜462は、M個の負荷回路450〜452のそれぞれから出力RF信号を受信する。ダウンコンバータはそれぞれ、RFからベースバンドあるいは中間周波数までの、その出力RF信号について直交周波数逓降変換(quadrature downconversion)を行なうための2つのミキサを含み得る。インタフェース回路470は、LNA440のオフチップ出力と、別のICチップ(
図4に示されない)上の外部受信機に増幅されたRF信号RFampinを供給する出力と、に結合された入力を有する。バッファ480は、別のICチップ上の別のレシーバから、増幅されたRF信号RFampinを受信するその入力、およびLNA440の第1のオンチップ出力に結合されたその出力を有する。
【0026】
[0038]
図4中に示される一典型的なデザインにおいて、トランスミッタ490は、PA494に結合されるアップコンバータ回路492を含む。アップコンバータ回路492は、ベースバンドからRFへ出力ベースバンド信号の直交アップコンバータを実行するための2つのミキサを含み得る。PA494は、アップコンバータ492の出力に結合される。PA494は、アップコンバータ回路492から調整されたRF信号を受信し、増幅し、送信RF信号を提供する。
【0027】
[0039]
図4は、拡張可能なレシーバ430およびトランスミッタ490の一典型的なデザインを示し、これは、他方法でも履行され得る。別の典型的な設計において、(i)拡張可能なレシーバ430は、あらゆる外部受信機を駆動するためのインタフェース回路470を含まず、あるいは(ii)1以上の外部受信機を駆動するための1つ以上のインタフェース回路470を含み得る。更に別の典型的な設計において、拡張可能なレシーバ430は、(i)あらゆる外部受信機から増幅されたRF信号を受信するためのバッファ480を含まず、あるいは(ii)1つ以上の外部受信機からの増幅されたRF信号を受信するための1つより多くのバッファ480を含み得る。
【0028】
[0040]
図5は、ICチップ510および512上でそれぞれ履行される2つの拡張可能なトランシーバ520及び522の一典型的なデザインのブロック図を示す。トランシーバ520は、(i)2つのオンチップ出力および1つのオフチップ出力を有する拡張可能な(2、1)レシーバ530、および(ii)トランスミッタ590を備える。トランシーバ522は、(i)1つのオンチップ出力および2つのオフチップ出力を有する拡張可能な(1、2)レシーバ532、および(ii)トランスミッタ591を備える。
【0029】
[0041]
図5中に示される典型的な設計において、レシーバ530は、N個の入力(例えば、N個の異なる帯域)を有するLNA540、同時に受信し得る2セットのキャリアに関する2つのオンチップ出力、および1つのオフチップ出力を含み、ここにおいてLNA540は、
図3中の任意のLNA330のために使用され得る。LNA540のN個の入力は、N個の入力RF信号までを受信する。LNA540の2つのオンチップ出力は、2つの負荷回路550および552に結合され、それらは更に2つのダウンコンバータ560および562のそれぞれに結合される。
図5中に示される典型的な設計において、負荷回路はそれぞれ、一次コイルと二次コイルを備える変圧器を含む。負荷回路550および552に関する2つの変圧器は、LNA540の2つのオンチップ出力に結合されるそれらの一次コイル、および2つのダウンコンバータ560から562に結合されるそれらの二次コイル、を有する。各一次コイルの他端は電源VDDに結合される。負荷回路550および552も他の方法で履行され得る。例えば、負荷回路はインダクタ、および場合によってはLNAのオンチップ出力と電源との間で結合されるキャパシタを含み得る。ダウンコンバータ560および562は、負荷回路550および552のそれぞれからの差動出力RF信号をそれぞれ受信する。ダウンコンバータはそれぞれ、RFからベースバンドあるいは中間周波数にその差動出力RF信号について直交周波数逓降変換を行なうための2つのミキサを含み得る。
【0030】
[0042]インタフェース回路570は、LNA540のオフチップ出力に結合される入力、および別のICチップ512上の外部受信機532に増幅されたRF信号を供給する出力を有する。
図5中に示される典型的な設計において、インタフェース回路570は、LNA540のオフチップ出力に結合されるその一次コイル、および増幅されたRF信号を提供するその二次コイルを有する変圧器を具備する。別の典型的な設計において、インタフェース回路570は、インタフェース回路570の入出力間で結合されるキャパシタを具備し得る。インタフェース回路570も他の回路に履行され得る。バッファ580は、別のICチップ512上の外部受信機532からの増幅されたRF信号を受信するその入力、およびLNA540の第1のオンチップ出力に結合されるその出力を有している。従って、変圧器550の一次コイルは、LNA540の第1のオンチップ出力およびバッファ580の出力の両方に結合される。
【0031】
[0043]
図5に示される典型的な設計において、レシーバ532は、K個の入力(例えばK個のための異なる帯域)、1つのオンチップ出力および2つのオフチップ出力を有し、ここにおいて、LNA542は、
図3中の任意のLNAのために使用され得る。LNA542のK個の入力は、K個の入力RF信号までを受信する。LNA542のオンチップ出力は、負荷回路554に結合され、それは更にダウンコンバータ564に結合される。
図5に示される典型的な設計において、負荷回路554は、LNA542のオンチップ出力に結合された一次コイル、およびダウンコンバータ564に結合された二次コイルを具備する変圧器を含む。負荷回路554も他の方法で履行され得る。ダウンコンバータ564は、負荷回路554からの差動出力RF信号を受信し、差動出力RF信号の直交周波数逓降変換を行なう。
【0032】
[0044]2つのインタフェース回路572および574がLNA542の2つのオフチップ出力に結合される。
図5に示される典型的な設計において、インタフェース回路はそれぞれ、LNA542のそれぞれのオフチップ出力に結合されるその一次コイル、および増幅されたRF信号を提供するその二次コイルを有する変圧器を具備する。バッファ582は、別のICチップ510上の外部受信機530から増幅されたRF信号を受信するその入力、およびLNA542のオンチップ出力に結合されるその出力を有している。
【0033】
[0045]
図5に示される典型的な設計において、ICチップ510上のインタフェース回路570の出力は、信号線576を介して別のICチップ512上のバッファ582の入力に結合される。ICチップ512内のインタフェース回路572の出力は、信号線578を介して別のICチップ510上のバッファ580の入力に結合される。ICチップ512上のインタフェース回路574の出力は、別のICチップ上の別のバッファの入力に結合され得る。信号線576および578は、ICチップ510および512に関する良好な入力整合を提供するために設計され得、固有の特性インピーダンス(50オーム)を有し得る。
【0034】
[0046]
図5に示される典型的な設計において、トランスミッタ590は、ICチップ510上のアップコンバータ回路592およびPA594を含む。トランスミッタ591は、ICチップ512上のアップコンバータ回路593およびPA595を含む。トランスミッタのそれぞれは、さらに他の回路をも含み得る。
【0035】
[0047]
図6Aは、2つの帯域をサポートするための第1のオペレーティングモード中のレシーバ530および532の動作を示す。この例において、ICチップ510上のLNA540は、負荷回路550に第1の帯域に関する第1の出力RF信号を提供し、それはダウンコンバータ回路560に第1の差動出力RF信号を供給する。ICチップ512上のLNA542は、負荷回路554に第2の帯域に関する第2の出力RF信号を提供し、それはダウンコンバータ回路564に第2の差動出力RF信号を供給する。ICチップ510上のレシーバ530と、ICチップ512上のレシーバ532と、の間を通過するRF信号はない。
【0036】
[0048]
図6Bは、ICチップ510と512との間の相互接続を持った1つの帯域をサポートための第2のオペレーティングモード中のレシーバ530および532の動作を示す。この例において、ICチップ510上のLNA540は、ICチップ510上のインタフェース回路570を介して送られる出力RF信号を、ICチップ512上のレシーバ532に供給する。ICチップ512内では、出力RF信号は、ICチップ512上のバッファ582によってバッファされ、負荷回路554によって渡され、ダウンコンバータ回路564に供給される。ICチップ512上のLNA542は無効になる。
【0037】
[0049]2つの帯域をサポートするための第3のオペレーティングモードにおいて、
図6Aの中で示されるように、LNA540は、負荷回路550を介して第1の出力RF信号をダウンコンバータ回路560に供給する。
図6Bの中で示されるように、LNA540はさらに、インタフェース回路570を介してバッファ582、負荷回路554、及びダウンコンバータ回路564に第2の出力RF信号を提供する。LNA540は、このように2つのICチップ510および512上の両方のダウンコンバータ560及び564を駆動する。
【0038】
[0050]様々な他のオペレーティングモードもLNA540および542によってサポートされ得る。一般に、1つのLNAあるいは両方のLNAは、任意の所定の時点で使用可能とされ得る。使用可能とされたLNAはそれぞれ、1つまたは複数のオンチップ・ダウンコンバータ回路および/またはオフチップ・ダウンコンバータ回路を駆動し得る。1つまたは複数のオンチップおよび/またはオフチップ・ダウンコンバータ回路がアイソレーションおよび/または他の基準に基づいて選択され得る。
【0039】
[0051]
図7は、2つのICチップ710および712上でそれぞれ履行された、2つの拡張可能なトランシーバ720および722の典型的なデザインのブロック図を示す。
図7に示される典型的な設計において、トランシーバ720は、(i)低帯域、中帯域、広帯域に関する3つのトランスミッタ790a、790bおよび790c並びに3つの拡張可能な(2、1)レシーバ730a、730bおよび730cを具備する。レシーバ730はそれぞれ、LNA740、2つの負荷回路750および752、2つのダウンコンバータ回路760と762、インタフェース回路770およびバッファ780を含み、それらは、LNA540、負荷回路550及び552、ダウンコンバータ回路560及び562、インタフェース回路570、並びにバッファ580に関して記述したように結合される。トランスミッタ790はそれぞれ、PA794に結合されたアップコンバータ回路792を含む。
【0040】
[0052]
図7に示される典型的な設計において、トランシーバ722は、(i)低帯域、中帯域、及び広帯域のそれぞれに関するトランスミッタ791a、791bおよび791c、並びに3の拡張可能な(1、2)レシーバ732a、732bおよび732cを具備する。レシーバ732は、それぞれLNA742、負荷回路754、ダウンコンバータ回路764、2つのインタフェース回路772および774、並びにバッファ782を含み、それらは、
図5中のLNA542、負荷回路554、ダウンコンバータ回路564、インタフェース回路572および574並びにバッファ582に関して上述したように結合される。トランスミッタ791はそれぞれ、PA795に結合されたアップコンバータ回路793を含む。
【0041】
[0053]
図7は、各帯域群に関するレシーバ730と732との間の相互接続の典型的なデザインを示す。低帯域に関して、ICチップ710上のインタフェース回路770aの出力は、ICチップ712上のバッファ782aの入力に結合される。ICチップ712内のインタフェース回路772aの出力は、ICチップ710上のバッファ780aの入力に結合される。広帯域のためのインタフェース回路770c及び772c並びにバッファ780c及び782cだけでなく、中帯域のためのインタフェース回路770b及び772b並びにバッファ780b及び782bは、低帯域のためのインタフェース回路770a及び772a並びにバッファ780a及び782aのような同様の方法で結合される。
【0042】
[0054]レシーバ730a及び732a並びにトランスミッタ790a及び791a中の回路は、低帯域のために設計される。レシーバ730b及び732b並びにトランスミッタ790b及び791b中の回路は、中帯域のために設計される。レシーバ730c及び732c並びにトランスミッタ790c及び791c中の回路は、広帯域のために設計される。レシーバ730あるいは732のそれぞれは、その帯域群の中で1つまたは複数の帯域をサポートし得る。同様に、トランスミッタ790あるいは791のそれぞれは、その帯域群中で1つまたは複数の帯域をサポートし得る。
【0043】
[0055]
図8は、3つのICチップ710、712および714上でそれぞれ履行された、2つの拡張可能なトランシーバ720および722、ならびに拡張可能なレシーバ724の典型的なデザインのブロック図を示す。トランシーバ720および722は、
図7に関して上述される。
図8に示される典型的な設計では、レシーバ724は、低帯域、中帯域および高帯域に関する3の拡張可能な(1、2)レシーバ734a、734bおよび734cをそれぞれ含む。レシーバ734はそれぞれ、LNA744、負荷回路756、ダウンコンバータ回路766、2つのインタフェース回路776および778、ならびにバッファ784を含み、それは
図5中のLNA542、負荷回路554、ダウンコンバータ回路564、インタフェース回路572および574ならびにバッファ582のような同様の方法で結合される。ICチップ712上のインタフェース回路774a、774bおよび774cの出力は、ICチップ714上のバッファ784a、784bおよび784cのそれぞれの入力に結合される。ICチップ714上のインタフェース回路776a、776b、776c、778a、778bおよび778cは、他のICチップ上の、例えば他のレシーバに結合され得る。
【0044】
[0056]別の典型的な設計では、2つの拡張可能なトランシーバおよび拡張可能なレシーバが3つのICチップ上で履行され得る。第1の拡張可能なトランシーバは、(トランシーバ720の代わりに)
図7の中のトランシーバ722を含み得る。第2の拡張可能なトランシーバは、
図7の中のトランシーバ722を含み得る。拡張可能なレシーバは、
図8の中のレシーバ724を含み得る。さらに別の典型的な設計では、3つの拡張可能なトランシーバが3つのICチップ上で履行され得る。第1の拡張可能なトランシーバは、
図7の中のトランシーバ720を含み得、第2の拡張可能なトランシーバは、
図7の中のトランシーバ722を含み得、また、3番目の拡張可能なトランシーバは、
図7の中のトランシーバ722を含み得る。一般に、いかなる数の拡張可能なトランシーバおよびいかなる数の拡張可能なレシーバも、あらゆる数のICチップ上で履行され得る。拡張可能なトランシーバはそれぞれ、あらゆる数の帯域群、無線技術などに関するあらゆる数の拡張可能なレシーバを含み得る。拡張可能なレシーバはそれぞれ、あらゆる数のオンチップLNA出力およびあらゆる数のオフチップLNA出力を含み得る。拡張可能なトランシーバは、(i)同一か異なる数のオンチップLNA出力および(ii)同一か異なる数のオフチップLNA出力を有する多数の拡張可能なレシーバを含み得る。
【0045】
[0057]
図5〜8に示されるように、多数のキャリアを介した通信は、マルチプルのICチップ上に履行されたレシーバとトランスミッタがサポートされ得る。所定のRX帯域のために増幅されたRF信号は、対がないTXバンドからの誤った内容を減らすためにTX帯域と一致するためのマルチプル(multiple)のICチップ間で送信され得る。拡張可能なトランシーバのモジューラ設計は、互いに結合されるべきあらゆる数のICチップに、あらゆる数のキャリア、あらゆる数の帯域およびあらゆる数の帯域群のサポートすることを可能にする。LO漏れはICチップを横断してバッファされたインタフェースにより減少され得る。
【0046】
[0058]1つまたは複数のオンチップ出力および1つまたは複数のオフチップ出力を備えた多出力LNAは、様々な回路アーキテクチャで履行され得る。入って来る増幅されたRF信号を受信するためのバッファも様々な回路アーキテクチャで履行され得る。多出力LNAおよびバッファのいくつかの典型的なデザインが下記に述べられる。多出力LNAおよびバッファも様々なタイプのトランジスタで履行され得る。N型金属酸化膜半導体(NMOS)トランジスタで履行された、多出力LNAおよびバッファのいくつかの典型的なデザインが下記に述べられる。
【0047】
[0059]
図9Aは、多出力LNA940及び942並びにバッファ980及び982の典型的なデザインの概略図を示す。ICチップ910上で履行された拡張可能なレシーバ930は、LNA940、負荷回路950、インタフェース回路970およびバッファ980を含む。ICチップ912上で履行された拡張可能なレシーバ932はLNA942、負荷回路952、インタフェース回路972およびバッファ982を含む。
【0048】
[0060]
図9Aの中で示される典型的な設計では、LNA940は、2つの増幅器回路941および951を含む。増幅器回路941は、第1の入力RF信号(RFin1)を受信し、LNA940のオンチップ出力に第1の出力RF信号を供給する。増幅器回路951は、同じRFin1信号を受信し、LNA940のオフチップ出力に第2の出力RF信号を供給する。増幅器回路941は、利得トランジスタ946、カスコードトランジスタ948およびソース・デジェネレーションインダクタ944を含む。利得トランジスタ946は、インダクタ944の一端に結合されたそのソース及びRFin1信号を受信するそのゲートを有する。インダクタ944の他端は、回路接地に結合される。カスコードトランジスタ948は、利得トランジスタ946のドレインに結合されるそのソース、V1a制御信号を受信するそのゲート、および負荷回路950に第1の出力RF信号を供給するそのドレインを有する。増幅器回路951は、利得トランジスタ956、カスコードトランジスタ958およびソース・デジェネレーションコンダクタ954を含み、それは、増幅器回路941中の利得トランジスタ946、カスコードトランジスタ948およびソース・デジェネレーションインダクタ944のような同様の方法で結合される。利得トランジスタ956は、RFin1信号を受信するそのゲートを有する。カスコードトランジスタ958は、V2a制御信号を受信するそのゲート、およびインタフェース回路970に第2の出力RF信号を供給するそのドレインを有する。
【0049】
[0061]
図9A中で示される典型的な設計では、バッファ980は電流バッファトランジスタ986およびカスコードトランジスタ988を含む。トランジスタ986は、Vb2制御信号を受信するそのゲート、および入って来る増幅されたRF信号を受信するそのソースを有する。カスコードトランジスタ988は、トランジスタ986のドレインに結合されるそのソース、Vb1制御信号を受信するそのゲート、およびLNA940のオンチップ出力である、カスコードトランジスタ948のドレインに結合されたそのドレインを有する。
図9A中に示される典型的な設計では、インタフェース回路970は、(i)LNA940のオフチップ出力に結合された一次コイル、および(ii)増幅されたRF信号を供給する二次コイルを有する変圧器を含む。インタフェース回路970およびバッファ980は、レシーバ930のための低インピーダンス/広帯域のインタフェースを提供する。
【0050】
[0062]
図9A中に示される典型的な設計では、LNA942は、2つの増幅器回路941および951を含み、それはLNA940中の2つの増幅器回路941および951のような同様の方法で履行される。バッファ982は、バッファ980のような同様の方法で履行される。LNA940および942並びにバッファ980および982の中のトランジスタは、(
図9Aの中で示されたように)nMOSトランジスタ、あるいは他のタイプのトランジスタで履行され得る。
【0051】
[0063]
図9Aは、レシーバ930と932との間の典型的な相互接続を示します。ICチップ910上のインタフェース回路970の出力は、ICチップ912上のバッファ982の入力に結合され得る。同様に、ICチップ912上のインタフェース回路972の出力は、ICチップ910上のバッファ980の入力に結合され得る。あるいは、ICチップ912上のインタフェース回路972の出力は、第3のICチップ(
図9A中に図示せぬ)上のバッファに結合され得る。
【0052】
[0064]
図9Bは、多重入力多出力LNA944の典型的なデザインの概略図を示す。
図9B中に示される典型的な設計では、LNA944は、LNA944のM個のオンチップ出力に関するM個の増幅器回路943aから943mまでを含み、ここでMは、任意の整数値であり得る。
【0053】
増幅器回路943aは、第1の入力RF信号(RFin1)を受信し、LNA940のM個のオンチップ出力のうちの1つに第1の出力RF信号を供給する。増幅器回路943aは、利得トランジスタ946a、M個のカスコードトランジスタ948aから949a、並びにソース・デジェネレーションインダクタ944aを含む。利得トランジスタ946aは、インダクタ944aの一端に結合されたそのソース、及びRFin1信号を受信するそのゲートを有する。インダクタ944aの他端は、回路接地に結合される。カスコードトランジスタ948aから949aは、利得トランジスタ946aのドレインに結合されるそれらのソース、V1aからV1mの制御信号を受信するそれらのゲート、並びに負荷回路950aから950mにそれぞれ結合されたそれらのドレインを有する。LNA940の内の残りの増幅器回路943はそれぞれ、増幅器回路943aのような同様の方法で結合され得る。
【0054】
[0065]LNA944は、さらにLNA944のオフチップ出力に関するM個の増幅器回路953aから953mを含む。増幅器回路953aは、利得トランジスタ956a、カスコードトランジスタ958aおよびソース・デジェネレーションインダクタ954aを含み、それらは増幅器回路943a中の利得トランジスタ946a、カスコードトランジスタ948aおよびソース・デジェネレーションインダクタ944aのように同様の方法で結合される。利得トランジスタ956aは、RFin1信号を受信するそのゲートを有する。カスコードトランジスタ958aは、Vna制御信号を受信するそのゲート、およびインタフェース回路970に結合されるそのドレインを有する。残りの増幅器回路953はそれぞれ、増幅器回路953aのように同様の方法で結合され得る。
【0055】
[0066]
図9Aおよび9Bは、LNA940、942、944、並びにバッファ980および982の典型的なデザインを示す。LNA940、942および/または944は、追加のオンチップおよび/またはオフチップ出力に関する追加の増幅器回路を含み得る。
【0056】
[0067]LNA940、942、944およびバッファ980も他の方法で履行され得る。典型的な設計では、LNAの中の増幅器回路は、回路接地(ソース・デジェネレーションインダクタへの代わりに)に直接的に結合されたそのソースを有する利得トランジスタを含み得る。また別の典型的な設計では、LNA中のマルチプルの増幅器回路は、同じソース・デジェネレーションインダクタを共有し得る。
【0057】
[0068]別の典型的な設計では、増幅器回路は、増幅器回路の入出力間で結合された帰還回路を含み得る。帰還回路は、抵抗器、コンデンサ、スイッチ、ある他の回路部品あるいはそれらの組み合わせを含み得る。帰還回路は、増幅器回路の入力整合及び線形性を改善するために使用され得る。
【0058】
[0069]さらに別の例示的な設計において、増幅器回路は、並列に結合され、入力RF信号を受信するそれらのゲートを有する、2つの利得トランジスタを含み得る。
図9Aおよび9B中で示されるように、第1の利得トランジスタは、ソース・デジェネレーションインダクタに結合されるそのソースを有し得る。第2の利得トランジスタは、回路接地に直接結合されたそのソースを有し得る。第1又は第2のいずれか利得トランジスタは、入力RF信号の受信電力に依存して選択され得る。
【0059】
[0070]
図10は、ICチップ1010上で履行されたマルチバンド・インタフェースを備えた拡張可能なトランシーバ1020の典型的なデザインのブロック図を示す。トランシーバ1020は、第1の帯域群(例えば、低帯域)用の拡張可能なレシーバ1030a、第2の帯域群(例えば、中帯域)用の拡張可能なレシーバ1030b、両方の帯域群用のインタフェース回路1070および両方の帯域群用のバッファ1080を含む。レシーバ1030aは、第1の帯域群のためのダウンコンバータ回路1060a、負荷回路1050aおよびLNA1040aを含む。LNA1040aは、負荷回路1050aに結合されたオンチップ出力、およびインタフェース回路1070に結合されたオフチップ出力を含む。レシーバ1030bは、第2の帯域群用のダウンコンバータ回路1060b、負荷回路1050bおよびLNA1040bを含む。LNA1040bは、負荷回路1050bに結合されたオンチップ出力、およびインタフェース回路1070に結合されたオフチップ出力を含む。バッファ1080は、LNA1040aのオンチップ出力に結合された第1の出力、およびLNA1040bのオンチップ出力に結合された第2の出力を含む。
【0060】
[0071]
図10に示される典型的な設計では、インタフェース回路1070は、LNA1040aおよび1040bの両方によって共有される。インタフェース回路1070は、LNA1040aあるいは1040bのいずれかから出力RF信号を受け取り、別のICチップ上のレシーバに増幅されたRF信号を供給し得る。同様に、バッファ1080は、LNA1040aおよび1040bの両方によって共有される。バッファ1080は、別のICチップ上の外部受信機から増幅されたRF信号を受信し、LNA1040aおよび/またはLNA1040bのいずれか一方にバッファされたRF信号を供給し得る。
【0061】
[0072]
図11Aは、2つのICチップ1010および1012上にそれぞれ履行されたマルチバンド・インタフェースを備えた、2つの拡張可能なトランシーバ1020および1022の典型的なデザインのブロック図を示す。
図10に関してトランシーバ1020が記述される。トランシーバ1022は、第1の帯域群(例えば、低帯域)に関する拡張可能なレシーバ1032a、第2の帯域群(例えば、中帯域)に関する拡張可能なレシーバ1032b、両方の帯域群に関するインタフェース回路1072および両方の帯域群に関するバッファ1082を含む。レシーバ1032aは、LNA1042a、負荷回路1052aおよび第1の帯域群に関するダウンコンバータ回路1062aを含む。レシーバ1032bは、帯域群に関するダウンコンバータ回路1062b、負荷回路1052bおよびLNA1042bを含む。インタフェース回路1072は、LNA1042aおよび1042bの両方によって共有され、バッファ1082もLNA1042aおよび1042bの両方によって共有される。ICチップ1010上のインタフェース回路1070の出力は、別のICチップ1012上のバッファ1082の入力に結合される。ICチップ1012上のインタフェース回路1072の出力は、別のICチップ1010上のバッファ1080の入力に結合される。
【0062】
[0073]
図11Aは、2つのバンドをサポートするための第1のオペレーティングモードにおけるトランシーバ1020および1022の動作をも示す。この例において、LNA1040aは、負荷回路1050aに第1の帯域群に関する第1の出力RF信号を供給し、LNA1040bは、負荷回路1050bに第2の帯域群に関する第2の出力RF信号を供給する。LNA1042aおよび1042bは無効になる。ICチップ1012上のトランシーバ1022と、ICチップ1010上のトランシーバ1020との間では渡されるRFシグナルはない。
図11Aの中で図示されなかったが、ICチップ1010上の2つのトランスミッタが、第1及び第2のバンド上での送信のために使用され得る。
【0063】
[0074]
図11Bは、2つのバンドをサポートする第2のオペレーティングモードにおけるトランシーバ1020および1022のオペレーションを示す。この例において、LNA1040aは、ICチップ1010上の負荷回路1050aに、第1の帯域群に関する第1の出力RF信号を供給する。LNA1042bは、ICチップ1012上の負荷回路1052bに、第2の帯域群に関する第2の出力RF信号を供給する。LNA1040bおよび1042aは無効になる。ICチップ1010上のトランシーバ1020と、ICチップ1012上のトランシーバ1022との間で渡されるRFシグナルはない。
図11B中で図示されなかったが、ICチップ1010上の第1のトランスミッタは、第1の帯域群上での送信に使用され得、ICチップ1012上の第2のトランスミッタは、第2の帯域群上での送信に使用され得る。
【0064】
[0075]
図11Cは、ICチップ1010と1012との間の相互接続を持った2つのバンドをサポートための第3のオペレーティングモードにおけるトランシーバ1020および1022の動作を示す。この例において、ICチップ1010上のLNA1042aは、第1の帯域群に関する第1の出力RF信号を供給し、それはICチップ1010上の負荷回路1072を介してICチップ1010上の負荷回路1050a及びバッファ1080に送られる。ICチップ1010上のLNA1040bは、第2の帯域群に関する第2の出力RF信号を供給し、それは、ICチップ1012上のインタフェース回路1070を介して、ICチップ1012上の負荷回路1052b及びバッファ1082に送られる。
図11C中で図示されなかったが、ICチップ1010上の第1のトランスミッタは、第1の帯域群上での送信のために使用され得、ICチップ1012上の第2のトランスミッタは、第2の帯域群上での送信に使用され得る。
【0065】
[0076]様々な他のオペレーティングモードは、トランシーバ1020および1022によってサポートもされ得る。一般に、1つまたは複数のLNAは、あらゆる所定の時点(moment)でイネーブルになり得る。イネーブルとされたLNAのそれぞれは、1つまたは複数のオンチップ・ダウンコンバータ回路および/またはオフチップ・ダウンコンバータ回路を駆動し得る。オンチップおよび/またはオフチップ・ダウンコンバータ回路は、アイソレーションおよび/または他の基準に基づいて選択され得る。
【0066】
[0077]
図12は、2つの帯域群に関する2つのレシーバ中の2つのLNA1240aおよび1240bの典型的なデザインの回路図を示す。2つのレシーバは、インタフェース回路1270およびバッファ1280を共有する。
図12に示された典型的な設計において、利得トランジスタ1246aおよび1256aで履行された2つの増幅器回路1241a及び1251a、カスコードトランジスタ1248aおよび1258a及びソース・デジェネレーションインダクタ1244aおよび1254aを含み、それは
図12に示されるように結合される。カスコードトランジスタ1248aのドレインは、LNA1240aのオンチップ出力を形成し、負荷回路1250aに結合される。同様に、LNA1240bは、利得トランジスタ1246bおよび1256bで履行された、2つの増幅器回路1241bおよび1251b、カスコードトランジスタ1248bおよび1258b、並びにソース・デジェネレーションインダクタ1244b及び1254bを含み、それらは
図12に示されるように結合される。カスコードトランジスタ1248bのドレインは、LNA1240bのオンチップ出力を形成し、負荷回路1250bに結合される。
【0067】
[0078]
図9A中で示される典型的な設計では、バッファ1280は、電流バッファトランジスタ1286並びにカスコードトランジスタ1288aおよび1288bを含んでいる。トランジスタ1286は、入って来る増幅されたRF信号を受信するそのソースを有している。カスコードトランジスタ1288aおよび1288bは、トランジスタ1286のドレインに結合されるそれらのソース、およびカスコードトランジスタ1248aおよび1248bのドレインにそれぞれ結合されたそれらのドレインを有する。
【0068】
[0079]
図12は、2つの帯域群に関するバッファ1280並びにLNA1240aおよび1240bの典型的なデザインを示す。上述されたように、LNAとバッファは、他の方法でも履行され得る。
【0069】
[0080]ここに記述された拡張可能なトランシーバおよびレシーバは、様々な利点を備え得る。第1にマルチプルのICチップ上で履行された拡張可能なトランシーバおよびレシーバは、アイソレーションを改善し得る。厳格なRX/TXアイソレーションの必要条件は、チップ間アイソレーションが、端子間アイソレーションより典型的によいので、多数のICチップ間のレシーバ入力とトランスミット出力とを分割することにより満たされる。上述された単一のICチップ上で履行されたトランシーバ間のアイソレーションと関係する問題が緩和され得る。同じICチップ上において同じ帯域に関してダウンコンバージョンを受信し、アップコンバージョンを送信するように、同じ帯域に属するRX/TX信号は、同じICチップ上でペアになり得る。CA間モードにおいて、異なる帯域群に関するレシーバのためのマルチプルのPLLは、マルチプルのICチップ(例えば、
図11Bおよび11C中で示されるように)間で分離し得、別の帯域群に関するレシーバを阻害する1つの帯域群に関する1つのPLLからの誤トーン(spurious tones)を緩和し得る。ICチップ間のインタフェース回路およびバッファを備えた増幅されたRF信号をバッファすることは、1つのレシーバから別のレシーバへのLO漏れの量を減らし得る。第2に、異なるICチップ上で履行されたレシーバの感度は、単一のICチップ上で履行されたレシーバの感度と比較して下げられ得ない。
【0070】
[0081]第3に、拡張可能なトランシーバおよびレシーバのモジューラ設計は、任意の数のICチップに相互接続させることを可能にし得る。拡張可能なトランシーバおよびレシーバは、マルチプルのレシーバ間でより多くのアイソレーションを提示しているが、2つのICチップ上で履行され、少なくとも2つのキャリアのセット上での通信をサポートするために使用され得る。拡張可能なトランシーバおよびレシーバは、マルチプルのレシーバ間でより多くのアイソレーションを提示しているが、3つのICチップ上で履行され、少なくとも3つのキャリアのセット上での通信をサポートするために使用され得る。
【0071】
[0082]典型的な設計では、装置(例えば、無線デバイス、IC、回路モジュールなど)は、LNAとインタフェース回路を含み得る。LNA(例えば、
図5中のLNA540のうちの(of)
図4中のLNA440)は、ICチップ(例えば、
図4の中のICチップ410あるいは
図5中のICチップ510)上に存在し得、第1の/オンチップ出力および第2の/オフチップ出力を含み得る。インタフェース回路(例えば、
図4中のインタフェース回路470あるいは
図5中のインタフェース回路570)は、さらに同じICチップ上に存在し得及びLNAの第2の出力に結合され得、或いは受信し得る。インタフェース回路は、ICチップの外部の増幅されたRF信号を提供し得る。装置は、さらにバッファ、負荷回路およびダウンコンバータ回路を含み得る。バッファ(例えば、
図4中のバッファ480或いは
図5中のバッファ580)は、ICチップ上に存在し得、LNAの第1の出力に結合され得る。バッファは、ICチップの外部からの第2の増幅されたRF信号を受信し得る。負荷回路(例えば、
図4中の負荷回路450或いは
図5中の負荷回路550)は、LNAの第1の出力に結合され得る。ダウンコンバータ回路(例えば、
図4の中のダウンコンバータ回路460或いは
図5中のダウンコンバータ回路560)は、負荷回路に結合され得る。
【0072】
[0083]典型的な設計では、負荷回路は、LNAの第1の出力に結合された一次コイル、および差動出力RF信号を提供する二次コイルを有する変圧器を含み、例えば、
図5に示される。典型的な設計では、インタフェース回路は、例えば
図5に示されたように、LNAの第2の出力に結合された一次コイル、および増幅されたRF信号を提供する二次コイルを有する変圧器を含み得る。
【0073】
[0084]典型的な設計では、装置は第2のLNAおよび第2のバッファを含み得る。第2のLNA(例えば、
図5中のLNA542)は、第2のICチップ(例えば、ICチップ512)上に存在し得、第1の/オンチップ出力および第2の/オフチップ出力を含み得る。第2のバッファ(例えば、バッファ582)は、第2のICチップ上に存在し得、第2のLNAの第1の出力に結合された出力、およびICチップ上のインタフェース回路に結合された入力を含み得る。装置は、更に第2のICチップ上に存在し、第2のLNAのうちの第1の出力に動作可能なように結合された(例えば、直接あるいは間接的に)第2のダウンコンバータ回路(例えば、ダウンコンバータ回路564)を含む。第2のダウンコンバータ回路は、ICチップから第2のICチップへインタフェース回路によって渡され、また第2のCC上の第2のバッファによってバッファされた、LNAの第2の出力によって提供されるRF信号をダウンコンバートし得る。装置はまた、第2のICチップ上に存在し、第2のLNAのうちの第2の出力に結合された第2のインタフェース回路(例えば、インタフェース回路572)をも含む。第2のインタフェース回路は、第2のICチップの外部に第2の増幅されたRF信号を提供し得る。
【0074】
[0085]典型的な設計では、装置は、同一のICチップ上で第2のLNA(例えば、
図7中のLNA740bあるいは
図10中のLNA1040b)を含み、第1の/オンチップ出力および第2の/オフチップ出力を含み得る。第1の帯域群(例えば、低帯域)及び第2のLNAに関し得る(may be for)LNAは、第2の帯域群(例えば、中帯域)に関し得る。インタフェース回路(例えば、
図10中のインタフェース回路1070)は、LNAおよび第2のLNAの両方によって共有され得、第2のLNAのうちの第2の出力にさらに結合され得る。インタフェース回路は、LNAから第1の出力RF信号、或いは第2のLNAから第2の出力RF信号を受信し得、ICチップの外部に増幅されたRF信号を提供し得る。装置は、(i)LNAおよび第2のLNAの両方によって共有され、および(ii)第2のLNAのうちの第1の出力およびLNAのうちの第1の出力に結合されたバッファ(例えば、バッファ1080)を更に含む。バッファは、ICチップの外部から第2の増幅されたRF信号を受信し得、また第2のLNAのうちの第1の出力或いはLNAのうちの第1の出力にバッファされた(buffered)RF信号を供給し得る。
【0075】
[0086]典型的な設計では、LNAは、第1と第2の増幅器回路を含み得る。第1の増幅器回路(例えば、
図9B中の増幅器回路943a或いは
図9A中の増幅器回路941)は、入力RF信号を受信し、LNAのうちの第1の出力に第1の出力RF信号を供給し得る。第2の増幅器回路(例えば、
図9B中の増幅器回路953a或いは
図9A中の増幅器回路951)は、さらに入力RF信号を受信し、LNAのうちの第2の出力に第2の出力RF信号を供給し得る。LNAは、第3の増幅器回路(例えば、
図9B中の増幅器回路943m)を更に含み得、それは第2の入力RF信号を受信し、LNAのうちの第1の出力に第3の出力RF信号を供給し得る。LNAは、追加の増幅器回路を含み得る。
【0076】
[0087]典型的な設計では、装置は、さらにLNAと同じICチップ上で電力増幅器(例えば、
図4中の電力増幅器494)をも含み得る。
【0077】
[0088]
図13は、RF受信を行なうためのプロセス1300の典型的なデザインを示す。プロセス1300は、無線デバイス、あるいは他のある実体によって実行され得る。入力RF信号は、ICチップ上に存在するLNAで増幅され得、第1の/オンチップ出力および第2の/オフチップ出力(ブロック1312)を含み得る。増幅されたRF信号は、ICチップ上に存在し、LNA(ブロック1314)のうちの第2の出力に結合されたインタフェース回路を備えるICチップの外部に供給され得る。ICチップの外部から受信された第2の増幅されたRF信号は、ICチップ上に存在し、LNA(ブロック1316)のうちの第1の出力に結合されたバッファで(with)バッファされ得る。LNAのうちの第1の出力からの第1の出力RF信号は、ICチップ(ブロック1318)上のダウンコンバータ回路でダウンコンバートされ得る。
【0078】
[0089]代替案として或いは加えて、ICチップ上のインタフェース回路からの増幅されたRF信号は、第2のICチップ(ブロック1320)上の第2のバッファでバッファされ得る。第2のバッファからのバッファされたRF信号は、第2のICチップ(ブロック1322)上の第2のダウンコンバータ回路でダウンコンバートされ得る。
【0079】
[0090]ここに記述された拡張可能なトランシーバおよびレシーバは、1つまたは複数のIC、アナログIC、RFIC、混合信号IC、ASIC、プリント回路板(PCB)、電子デバイスなどの上で履行され得る。拡張可能なトランシーバおよびレシーバも、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、N型チャネルMOS(NMOS)、PチャネルMOS(PMOS)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、バイポーラCMOS(BiCMOS)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)、ヘテロ接合トランジスタ(HBT)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)などのような様々なICプロセス技術で作り上げられ得る。
【0080】
[0091]ここに記述された拡張可能なレシーバおよび/またはトランシーバを履行する装置は、スタンドアロンのデバイスになり得、あるいは大型装置の一部となり得る。デバイスは、(i)スタンドアロンIC、(ii)データおよび/または命令を記憶するためのメモリICを含みうる1つまたは複数のICのセット、(iii)RF受信機(RFR)またはRF送信機/受信機(RTR)のようなRFIC、(iv)移動局モデム(MSM)のようなASIC、(v)他のデバイス内に組み込まれうるモジュール、(vi)受信機、セルラ電話、無線デバイス、ハンドセット、またはモバイルユニット、(vii)その他、であり得る。
【0081】
[0092]1つまたは複数の典型的な設計において、説明される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、あるいはそれら任意の組み合わせで実現されうる。ソフトウェアでインプリメントされる場合、これら機能は、コンピュータ可読媒体上で、1つまたは複数の命令またはコードとして送信または記憶されうる。コンピュータ可読媒体は、1つの場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体とコンピュータ記憶媒体との両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスできるあらゆる利用可能な媒体でありうる。限定ではなく例として、このようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD−ROMまたは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶デバイス、あるいは、データ構造または命令の形式で所望のプログラムコードを記憶または伝送するために使用可能であり、かつコンピュータによってアクセスされうるその他任意の媒体を備えうる。また、任意の接続は、コンピュータ読み取り可能な媒体と厳密には称されうる。例えば、ソフトウェアがウェブサイト、サーバ、または他の遠隔ソースから、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、あるいは赤外線、無線、およびマイクロ波のようなワイヤレス技法を使用して送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、あるいは赤外線、無線、およびマイクロ波のようなワイヤレス技法は送信媒体の定義に含まれている。本明細書で使用されるようなディスク(disk)及びディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)(disc)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光学ディスク(disc)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)(disk)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)及びブルーレイ(登録商標)ディスク(disc)を含む。ここで、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生する一方、ディスク(disc)はレーザを用いてデータを光学的に再生する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ読取可能な媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0082】
[0093]本開示の先の説明は、当業者が本開示を行なうまたは使用することを可能にするために提供される。本開示への様々な修正は、当業者にとって容易に明らかであり、ここに定義された一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他のバリエーションにも適用され得る。よって、本開示は、本明細書において説明される実例および設計に限定されるように意図されたものではなく、本明細書において開示された原理および新規の特徴と矛盾しない最大範囲であると認められるべきである。
【0083】
[0094]要求されるものは次のとおりである。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
集積回路(IC)チップ上であって、第1の出力及び第2の出力を具備する低雑音増幅器(LNA)と、
前記ICチップ上であって、前記LNAのうちの前記第2の出力を受信し、前記ICチップの外部に増幅された無線周波数(RF)信号を供給するよう構成されたインタフェース回路と
を具備する装置。
[C2]
前記ICチップ上であって、前記LNAのうちの前記第1の出力に結合されるバッファを更に備え、前記バッファは、前記ICチップの外部から第2の増幅されたRF信号を受信するよう構成される、
C1に記載の装置。
[C3]
前記LNAのうちの前記第1の出力に結合される負荷回路と、
前記負荷回路に結合されるダウンコンバータ回路と
を更に具備するC1に記載の装置。
[C4]
前記LNAのうちの前記第1の出力に結合される一次コイルと差動出力RF信号を供給する二次コイルとを有する変圧器を備える負荷回路を、更に具備するC1に記載の装置。
[C5]
前記インタフェース回路は、前記LNAのうちの前記第2の出力に結合される一次コイルと、前記増幅されたRF信号を供給する二次コイルとを有する変圧器を備える、
C1に記載の装置。
[C6]
第2のICチップ上であって、第1の出力と第2の出力とを備える第2のLNAと、
前記第2のICチップ上であって、前記第2のLNAのうちの前記第1の出力に結合される出力と、前記ICチップ上の前記インタフェース回路に結合される入力とを備えるバッファと
を更に具備するC1に記載の装置。
[C7]
前記第2のICチップ上であって、前記第2のLNAのうちの前記第1の出力に結合されるダウンコンバート回路と、を更に備え、
前記ダウンコンバート回路は、前記ICチップから前記第2のICチップへインタフェース回路によって渡され、前記第2のICチップ上のバッファによってバッファされ、前記LNAのうちの前記第2の出力によって供給されるRF信号をダウンコンバートするように構成される、
C6に記載の装置。
[C8]
前記第2のICチップ上であって前記第2のLNAのうちの前記第2の出力に結合された第2のインタフェース回路を更に具備し、前記第2のインタフェース回路は、前記第2のICチップの外部に第2の増幅されたRF信号を供給するよう構成される、
C6に記載の装置。
[C9]
前記ICチップ上であって、第1の出力と第2の出力とを備える第2のLNAを更に具備し、前記LNAは、第1の帯域群に関し、前記第2のLNAは、第2の帯域群に関する、
C1に記載の装置。
[C10]
前記インタフェース回路は、更に前記第2のLNAの前記第1の出力に結合され、前記第2のLNAからの第2の出力RF信号或いは前記LNAからの第1の出力RF信号を受信し、前記ICチップの外部に前記増幅されたRF信号を供給するよう構成される、
C9に記載の装置。
[C11]
前記LNAのうちの前記第1の出力及び前記第2のLNAのうちの前記第1の出力に結合され、前記ICチップの外部から第2の増幅されたRF信号を受信するよう構成され、バッファされたRF信号を前記第2のLNAのうちの前記第1の出力或いは前記LNAのうちの前記第1の出力に供給するバッファを、更に具備するC9に記載の装置。
[C12]
前記LNAは、
入力RF信号を受信し、前記LNAのうちの前記第1の出力に第1の出力RF信号を供給するよう構成された第1の増幅器回路と、
前記入力RF信号を受信し、第2の出力RF信号を前記LNAのうちの第2の出力に供給するよう構成される第2の増幅器回路と
を具備する、C1に記載の装置。
[C13]
前記LNAは、
第2の入力RF信号を受信し、第3の出力RF信号を前記LNAのうちの前記第1の出力に供給するよう構成された第3の増幅器回路を、
更に具備するC12に記載の装置。
[C14]
前記ICチップ上の電力増幅器を更に備えるC1に記載の装置。
[C15]
集積回路(IC)チップ上であって、第1の出力と第2の出力とを備える低雑音増幅器(LNA)で入力無線周波数(RF)を増幅することと、
ICチップ上のインタフェース回路を有し、前記LNAのうちの前記第2の出力に結合される前記ICチップの外部に増幅されたRF信号を供給することと
を具備する方法。
[C16]
前記ICチップ上であって、前記LNAのうちの前記第1の出力に結合されるバッファを有する前記ICチップの外部から受信された第2の増幅されたRF信号をバッファすることと
をさらに具備するC15に記載の方法。
[C17]
第2のICチップ上でバッファを有するICチップ上の前記インタフェース回路からの前記増幅されたRF信号をバッファすることと、
前記第2のICチップ上のダウンコンバート回路を有する前記バッファからのバッファされたRF信号をダウンコンバートすることと
を更に具備するC15に記載の方法。
[C18]
集積回路(IC)チップ上に存在し、第1の出力及び第2の出力を具備する増幅手段と、
前記ICチップ上に存在し、前記増幅手段のうちの前記第2の出力に結合されたインタフェース手段と
を具備する装置。
[C19]
前記増幅手段のうちの前記第1の出力に結合されるバッファ手段、を更に具備するC18に記載の装置。
[C20]
第2のICチップ上に存在し、前記インタフェース手段からの前記増幅されたRF信号をバッファするよう構成されたバッファ手段と、前記バッファ手段からのバッファされたRF信号をダウンコンバートするよう構成されたダウンコンバート手段と
を更に具備するC18に記載の装置。