(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第一の移動無線ネットワークにおける第一のユーザ装置を収容する第一の無線ネットワークノードにおいて、第二の移動無線ネットワークにおける第二の無線ネットワークノードに収容される第二のユーザ装置との無線リンクを介したD2D(デバイス−デバイス間)通信を可能ならしめる方法であって、前記方法は、
前記第二の無線ネットワークノードとコネクションを確立することと、
前記第一のユーザ装置から前記第二のユーザ装置との前記D2D通信を可能にするためのリクエストを受信することと、
前記受信したリクエストに応答して、前記第二のユーザ装置の設定のために前記第二の無線ネットワークノードによって使用されることになる第一のメッセージであって、前記第一のユーザ装置に関連した情報を含む当該第一のメッセージを、前記確立されたコネクションを介して前記第二の無線ネットワークノードへ送信することと、
前記第一のメッセージに応答して、前記第一のユーザ装置の設定のために前記第一の無線ネットワークノードによって使用されることになる第二のメッセージであって、前記第二のユーザ装置に関連した情報を含む当該第二のメッセージを、前記確立されたコネクションを介して前記第二の無線ネットワークノードから受信することと、
前記第二のユーザ装置に関連した前記受信された情報と前記第二のユーザ装置との前記D2D通信を可能にするビーコンを送信させるためのコマンドとを含む第三のメッセージを前記第一のユーザ装置へ送信することとを有し、
前記第一のメッセージは前記第一のユーザ装置から前記第二のユーザ装置への送信について使用される一つ以上のPRBについての情報を含み、前記第二のメッセージは前記第二のユーザ装置から前記第一のユーザ装置への送信について使用される一つ以上のPRBについての情報を含む、方法。
前記コネクションを確立することは、前記第一の無線ネットワークノードに関連した情報を含む第一のコンフィギュレーションメッセージを前記第二の無線ネットワークノードに送信することと、前記第二の無線ネットワークノードに関連した情報を含む第二のコンフィギュレーションメッセージを前記第二の無線ネットワークノードから受信することとを含む、請求項1に記載の方法。
第一の移動無線ネットワークにおける第一の無線ネットワークノードに収容される第一のユーザ装置において、第二の移動無線ネットワークにおける第二の無線ネットワークノードに収容される第二のユーザ装置との無線リンクを介したD2D(デバイス−デバイス間)通信を可能ならしめる方法であって、前記方法は、
前記第二のユーザ装置との前記D2D通信を可能にするためのリクエストを前記第一の無線ネットワークノードに送信することと、
前記送信したリクエストに応答して、前記第二のユーザ装置に関連した情報と前記第二のユーザ装置へビーコンを送信するためのコマンドとを含む第一のメッセージを前記第一の無線ネットワークノードから受信することと、
前記第一の無線ネットワークノードに関連した情報を含むビーコンを送信することと、
前記送信したビーコンに応答して、前記第二のユーザ装置がD2Dの無線リンクに参加する能力を有していることを示す第二のメッセージを前記第二のユーザ装置から受信することと、
前記第二のメッセージを受信すると前記D2D通信を開始するために前記第二のユーザ装置と同期することとを有し、
前記同期することは、第二の周波数バンドまたはチャネルで動作している前記第二のユーザ装置からタイミング補正を受信することと、第一の周波数バンドまたはチャネルで動作している前記第二のユーザ装置にタイミング補正を送信することとを含み、前記第一の周波数バンドまたはチャネルは前記第一のユーザ装置から前記第二のユーザ装置への送信について使用される周波数バンドまたはチャネルであり、前記第二の周波数バンドまたはチャネルは前記第二のユーザ装置から前記第一のユーザ装置への送信について使用される周波数バンドまたはチャネルであり、前記第二のユーザ装置から受信されるタイミング補正は前記第一の周波数バンドまたはチャネルの送信のタイミングを補正するために使用され、前記第一のユーザ装置から送信されるタイミング補正は前記第二の周波数バンドまたはチャネルの送信のタイミングを補正するために使用される、方法。
前記コネクションを確立することは、前記第一の無線ネットワークノードに関連した情報を含む第一のコンフィギュレーションメッセージを前記第二の無線ネットワークノードに送信することと、前記第二の無線ネットワークノードに関連した情報を含む第二のコンフィギュレーションメッセージを前記第二の無線ネットワークノードから受信することとを含む、請求項15に記載の第一の無線ネットワークノード。
前記コネクションを確立することは、前記第一のユーザ装置から前記リクエストを受信したことに応答して実行される、請求項15ないし17のいずれか一項に記載の第一の無線ネットワークノード。
一つ以上の処理ユニットにおいて実行されると請求項15に記載された第一の無線ネットワークノードに請求項1に記載されたプロシージャを実行させるコンピュータ可読コード手段を含むコンピュータプログラム。
一つ以上の処理ユニットにおいて実行されると請求項10に記載された第一のユーザ装置に請求項6に記載されたプロシージャを実行させるコンピュータ可読コード手段を含むコンピュータプログラム。
【背景技術】
【0002】
移動無線ネットワークがカバーする地理的なエリアは複数のセルエリアに分割されており、各セルエリアは一般に無線ネットワークノードによってサービスを提供される。無線ネットワークノードは無線基地局(RBS)でありうるが、採用される技術に依存して、たとえば、eNB、eNodeBまたはBTS(ベーストランシーバステーション)と呼ばれることもある。無線ネットワークノードまたはRBSは一つ以上のセルに対して無線カバレッジを提供する。さらに、各無線ネットワークノードは、たとえば、時分割複信(TDD)や周波数分割複信(FDD)など、異なる通信技術をサポートしていてもよい。無線ネットワークノードは無線ネットワークセル内に位置しているユーザ装置と通信するが、これは移動局、移動端末、移動電話機、セルラー電話機またはスマートフォンと呼ばれることもある。UEの他の例は、ラップトップデバイス、ノートブックデバイス、ハンドヘルドデバイス、ハンドヘルドデバイスなどである。これはすべて無線通信能力を有している。さらに、無線移移動通信は、二つ以上のUE、二つ以上の無線ネットワークノードおよび二つ以上の無線ネットワークコアノードの間で実行されてもよい。以上の説明のものは無線移動ネットワークの一部を構成している。
【0003】
二つのユーザ装置間で通信が実行されるとき、各ユーザ装置は無線ネットワーク内で一つのオペレータに割り当てられた周波数バンドやチャネル内で通信する。周波数バンドはスペクトラムチャンクの全体であり、チャネルはリソースマネージメントの目的で使用され、周波数バンドのスペクトラムリソースのサブセットであってもよい。
【0004】
さらに、ロングタームエボリューション(LTE)における周波数バンドはデュープレックス(複信)構成における柔軟性の必要性に応じて周波数バンドはペアのスペクトラムとされたり、非ペアのスペクトラムとされたりする。
【0005】
第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)はLTEとシステムアーキテクチャエボリューション(SAE)を提供するとともに、進化したパケットシステム(EPS)を定義している。EPSは進化型無線アクセスネットワーク(EUTRAN)と進化型パケットコア(EPC)とから構成されている。
【0006】
本明細書において、無線ネットワークノードは進化型パケットコア(EPC)におけるノードに関連していてもよい。これらノードは移動線管理エンティティ(MME)、サービングゲートウェイ(SGW)、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)、または、ホーム加入者サーバ(HSS)であってもよく、3GPP LTEでは無線ネットワークノードは一つ以上のネットワークコアノードに直接的に接続していてもよい。
【0007】
本明細書で使用されうる他の無線移動ネットワークは、たとえば、移動通信のためのグローバルシステム(GSM(登録商標))、GSM−進化型ユニバーサル地上移動通信システム(UMTS)、移動通信のためのワイドバンド符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))を基盤としたUMTS、HSPA、WiMaxなどである。
【0008】
セル接続性
3GPP LTEネットワークにおいて、UEは、適切なセルをサーチして選択し、基本的なシステム情報を取得し、ランダムアクセスを実行することで、このネットワークに対して情報を送信したり、ネットワークから情報を受信したりできるようになる。こうすることで、UEは、同期を獲得し、システムパラメータを取得し、システムリソースにアクセスできるようになる。
【0009】
デバイス−デバイス間通信
D2D通信によって、D2D通信能力を有したユーザ装置間で近接性を生かすことが可能となる。これは低消費電力化、エンドツーエンド遅延の削減、高速データレートに寄与し、これにより、D2D技術は、デバイス間でのビデオストリーミングやゲーミングアプリケーション、高速データ転送のような帯域幅デマンドサービスのために適切なものとなろう。さらに、D2Dは暗示的には近接ベースでのソーシャルネットワーキングサービスや情報ブロードキャスティングアプリケーションに向いているように設計されている。
【0010】
D2D通信が発生する場面は多様であり、そのいくつかが
図1に示されている。
【0011】
これらの中にはライセンスが必要なスペクトラムで通信するものとライセンス不要なスペクトラムで通信するものとがある。さまざまなアドホックネットワーク技術やパーソナルエリアネットワーク技術は、ブルートゥースやWiFiダイレクトを含むショートレンジ(近距離)通信で利用可能なインダストリアル、サイエンティフィックおよびメディカルバンド(産業科学医療用バンド)など、ライセンス不要バンドを利用する。
【0012】
一方で、ライセンスが必要なスペクトラムを用いるD2D通信はごく最近に提案され、研究がなされている。このコンセプトによれば、相互に近接しているUEは、無線基地局(eNB)や無線ネットワークノードを介して信号を送信したり、受信したりすることなく、ダイレクトリンクを介して情報を交換することができる。この技術の課題は、UEは無線セル(ここでは無線ネットワークとよばれる)内に位置している必要があり、他の通信事業の配下にあるライセンスが必要な周波数バンド/ライセンスが不要な周波数バンドへと境界を超えることができないことである。
【0013】
3GPP LTEのようなネットワークインフラにアシストされて直接的なD2D通信を確立することで、セルラースペクトラムリソースが改善をされ、ユーザ装置のエネルギー消費が削減される。アシスタンスは、隣接セルの探索、リソース割り当て、電力制御およびモード選択ポリシーが関与するかもしれない。D2D通信の潜在的な利得は、ペア化された周波数バンドだけでなくペア化されていない周波数バンドで運用されるセルラーネットワークにおいて魅力的なものである。3GPP LTEシステムでは、たとえば、FDDモードとTDDモードでは、UEとeNBとの両方についてそれぞれ同じ規格のセットが策定されている。すなわち、LTEベースのD2D通信は一般にどちらか一つのデュープレックスモードにより運用されているセルラーネットワークにおいてサポートされる。しかし、たとえば、X2インタフェースなど、いくつかの既存のロジカル(論理)インタフェースは、異なる通信事業者に属している無線ネットワークノード間での通信や、異なるデュープレックスモードを用いる無線ネットワーク間での通信を許容していない。一つの解決方法は、通信事業者または無線ネットワークにおけるUEについて、他の通信事業者または隣接した無線ネットワークへローミングさせ、当該ネットワーク内のUEとD2D通信を可能にすることである。しかし、国内ローミングは規制の理由のため一般には許可されていない。さらに、D2D能力を有し、ローミングを実行するほうのUEは他の無線ネットワークの無線ネットワークノードから潜在的に遠く離れており、接続が制限される恐れがある。
【発明を実施するための形態】
【0024】
手短に説明したように、異なるまたは同一のデュープレックスモードを用いる異なる無線ネットワークにそれぞれ位置するUE間でのD2D通信とその方法の実施形態が以下で提供される。TDD/FDD、FDD/FDD、TDD/TDDはデュープレックスモードの一例に過ぎない。
【0025】
図2は二つの無線ネットワーク210、270を示している。各無線ネットワークは無線ネットワークノード220、280を有し、これらは無線基地局であってもよいし、eNBと呼ばれてもよいが、各無線ネットワークはさらに対応するUE230、290を有している。無線ネットワークのボーダー(境界)を超えてD2D無線リンク250を確立するために、eNB220、280との間にまず無線ネットワークノードコネクション260が確立される。これはeNB220、280との間にロジカルインタフェースを確立することによって達成される。
【0026】
例示的な実施形態の一つは、第一の移動無線ネットワークにおける第一のユーザ装置を収容する第一の無線ネットワークノードにおいて、第二の移動無線ネットワークにおける第二の無線ネットワークノードに収容される第二のユーザ装置と無線リンクを介してD2D(デバイス−デバイス間)通信を可能ならしめる方法であって、前記第二の無線ネットワークノードとコネクションを確立することと、前記第一のユーザ装置から前記第二のユーザ装置との通信を可能にするためのリクエストを受信することと、前記リクエストを受信したことに応答して前記第二のユーザ装置の設定のために前記第二の無線ネットワークノードによって使用されることになる第一のメッセージであって、前記第一のユーザ装置に関連した情報を含む当該第一のメッセージを、前記確立されたコネクションを介して前記第二の無線ネットワークノードへ送信することと、前記第一のメッセージを受信したことに応答して前記第一のユーザ装置の設定のために前記第一の無線ネットワークノードによって使用されることになる第二のメッセージであって、前記第二のユーザ装置に関連した情報を含む当該第二のメッセージを、前記確立されたコネクションを介して前記第二の無線ネットワークノードから受信することと、前記第二のユーザ装置に関連した受信情報と前記第二のユーザ装置との通信を可能にするビーコンを送信させるためのコマンドとを含む第三のメッセージを前記第一のユーザ装置へ送信することとを有する。
【0027】
実施形態に従ったこの方法において確立されたコネクションは
図3、
図4に示すシナリオと信号シーケンスを参照することで説明される。
【0028】
図3において、eNB間で情報を交換するためのロジカルインタフェースを使用できるようにするコネクションが示されている。無線ネットワーク A 310に第一のeNB(以下eNB−Aと称す)320が位置しており、まず、無線ネットワーク B 370における第二のeNB(以下eNB−Bと称す)380と接続した第二のコアネットワークノード350と情報を交換する第一の無線ネットワークコアノード330と通信する。無線ネットワーク310、370のそれぞれは異なるかまたは同一のデュープレックスモード225、285(例:時分割複信(TDD)または周波数分割複信(FDD))を使用しうる。
【0029】
図4に示した信号シーケンスが示すように、eNB−A 420は、1:D2DインターオペレータコンフィギュレーションメッセージをEPC−AやMME−Aのような第一のネットワークコアノード430に送信するが、これはD2Dトラフィックに関与するこれらのUEを登録するためであり、また、課金プロセスのためにHSSに対してこの情報を通信するためもでもある。たとえば、MME−Aにおいて、UEコンテンツIDおよび/またはサービスIDプロファイルが登録されてもよい。これは、たとえば、UEがアイドルモードに遷移するときに利点がある。
【0030】
D2Dインターオペレータコンフィギュレーションメッセージは、D2Dを介したD2D無線リンクを使用する能力を有したUEのリストと、他のUEと共有するためにUEが利用可能なコンテンツやサービスのタイプとを含んでいてもよい。このメッセージはさらに、eNB−A 420のアドレスとその位置の情報を含んでいてもよい。上述したように、UEの識別情報とともに、そのような情報(たとえば、サービスIDおよび/またはコンテンツID)もMME−Aに記憶されてもよい。
【0031】
あるいは、eNB−A 420によって送信されるD2Dインターオペレータコンフィギュレーションメッセージは、インターオペレータコネクションについてのリクエストを含んでいなくてもよい。eNB−A 420によって送信されるD2Dインターオペレータコンフィギュレーションメッセージは、特定のコンテンツおよび/またはサービスの識別情報を含んでいてもよい。D2Dインターオペレータコンフィギュレーションメッセージを受信すると、EPC−AまたはMME−Aは当該メッセージに含まれている特定のコンテンツおよび/またはサービスの識別情報と、トラッキングエリア内で利用可能なコンテンツおよび/またはサービスとを比較するように構成されている。そのようなコンテンツおよび/またはサービスがトラッキングエリアでは提供されていなければ、EPC−A(他のMME)はD2Dインターオペレータリクエストメッセージを生成してもよい。
【0032】
さらに、第一の無線ネットワークコアノード430は(この場合に我々はこれをEPC−Aと呼ぶが)、インタフェースを介して、eNB−A 420のリクエストについてSGW−A(
図4では不図示)に通知してもよい。このインタフェースは、たとえば、S−11インタフェースであってもよい。
【0033】
SGW−Aは、他の無線ネットワークによって制御されている隣接したE−UTRANやEPCのリストを有しているため、SGW−Aはインタフェースを介してeNB−A 420のアドレスを、第二の無線ネットワークコアノード450(EPC−Bと称す)に通信して伝達する。EPC−BはPDNGW−Bであってもよく、インタフェースはたとえばS−8インタフェースであってもよく、これは一般的にインターPLMN通信(公衆地上移動ネットワーク)のために使用されている。
【0034】
EPC−B 450はSGW−Aによって受信されたeNB−A 420のアドレスと一に関連した情報だけでなく、eNB−B 480や無線ネットワークBによって制御されている他のeNBのアドレスやトンネルエンドポイント情報(TEID)含む情報を有している。これは、2:D2Dインターオペレータリクエストメッセージとして示されている。
【0035】
次に、メッセージ3:D2DインターオペレータセットアップがeNB−B 480に送信され、これによりeNB−A 420が必要としている情報がeNB−B 480に供給され、eNB−B 480や無線ネットワークBに属している他のeNBとのIPコネクティビティが確立可能となる。
【0036】
このメッセージを受信すると、eNB−B 480はEPC−B 450に対して、必要としている情報を持っていることを知らせるためにアクノレッジメント4:D2DインターオペレータセットアップACKを送信する。あるいは、D2Dインターオペレータセットアップメッセージは、EPC−B 450によって制御されるトラッキングエリアにおけるeNBに向けたページングメッセージであってもよい。このようなページングメッセージは、たとえば、eNB−Aによって必要とされているコンテンツIDおよび/またはサービスIDを含みうる。所望のコンテンツIDおよび/またはサービスIDを提供するように設定されているUEだけがページングメッセージに対して応答する。したがって、D2Dインターオペレータセットアップは、直前のステートメントに続くものであり、つまり、eNB−B 480はEPC−B 450に対して、所望された情報を保持していることを示すアクノレッジメント4:D2DインターオペレータセットアップACKメッセージを送信する。このようにアイドルモードに遷移しているUEがトリガーされてもよい。
【0037】
これを基本として、EPC−Bはこの情報をEPC−A 430に送信し、これによりEPC−A 430は、eNB−B 480とのIPコネクティビティを確立するために必要となるすべての情報をeNB−A 420に提供できるようになる。これは5:D2Dインターオペレータセットアップメッセージと、6:インターオペレータコンフィギュレーションACKメッセージとして示されている。
【0038】
eNB間でコネクションが一旦確立すると、UE−AとUE−Bとの間でD2D無線リンクを介した通信が設定可能となる。しかし、eNB間のコネクションが確立される前に、UE−AからのリクエストがeNB−Aに送信されてもよい。この場合、当該リクエストはeNB−AにeNB−BとのIP接続を開始することをトリガーしてもよい。
【0039】
いくつかのケースでは、eNB−Bは、特定のタイプのコンテンツ/サービスを提供可能なUEがトラッキングエリアには存在しないことをEPC−AまたはMME−Aによって通知されてもよい。したがって、EPC−AまたはMME−AはeNB−BとのIPコネクティビティのセットアップをトリガーしてもよい。たとえば、これは、特定のタイプのコンテンツ/サービスを提供可能なUEがトラッキングエリアには存在しないことをMMEによってeNB−Abに通知されるケースで発生しうる。このように、MME(またはeNB)はこの機能をトリガーし、つまり、インターオペレータD2D試行のセットアップが開始される。
【0040】
図5はeNB間のコネクションが確立された後、または、他のUEとのコネクションを確立するためのリクエストがUEから送信された直後のいずれかにおいて実行されるステップを記述した信号シーケンスを示している。
【0041】
この信号シーケンスはUE−A 530が、UE−A 530とのD2D無線リンクを確立する能力を有する他のUEとコンテンツ/サービスを共有するために、どのようにして1:D2DリクエストメッセージをeNB−A 520に対して送信するかを示している。eNB−A 520は、D2D能力を有するUEをサーチすることによって、自己のセルまたは無線ネットワーク内でD2Dディスカバリーを有効化し、他の無線ネットワークまたはオペレータによってサービスを提供されている隣接セルに対してD2Dサービスをリクエストする。
【0042】
eNB−A 520はさらにeNB−B 580に対して、2:インターオペレータD2Dリクエストメッセージを送信し、これには共有対象のサービスのタイプについての情報やUE−A 530についての関連した情報(C−RNTI、ショートMAC−I、位置情報その他など)と、物理リソースブロック(PRB)情報をともなうビーコン、無線ネットワークAまたはオペレータ(通信事業者)Aに関連した情報(例:D2D通信に使用されるバンドやタイムスロットなど)が含まれる。当該メッセージはD2D無線リンクを介してUE−Bと通信するためにUE−Aによって使用されることになる一つ以上のPRBについての情報を含んでもよい。
【0043】
eNB−B 580は提供された情報と共にメッセージ2を受信し、D2D無線リンクを介してD2D通信を実行可能なUEを選択するために、自己のセル内でD2Dディスカバリーを有効化する。無線ネットワークBにおいてこれらの選択されたUEはUE−Aによってリクエストされたコンテンツ/サービスのタイプを示す情報も提供される必要がある。この特別のケースでは、eNB−B 580は、アドミッション制御ポリシーを実行し、UE−B 590が実際にD2D通信に関与できるかどうかをチェックし、たとえば、利用可能なリソースの量やUE−A 530の位置および/またはUE−B 590の位置、UE−B 590の加入プランなどがチェックされてもよい。
【0044】
eNB−B 580はその後、3:インターオペレータD2DリクエストACKメッセージをeNB−A 520に送信し、UE−B 590に関連した情報(例:C−RNTI、ショートMAC−Iその他)と、無線ネットワークBに関連した情報(例:D2D通信によって使用される周波数バンドとタイムスロット)とを伝達する。3:インターオペレータD2DリクエストACKメッセージは、さらに、D2D無線リンクを介してUE−Aと通信するときにUE−Bによって使用される一つ以上のPRBについての情報を含んでいてもよい。
【0045】
さらに、eNB−B 580は4:D2DイネーブルリクエストメッセージをUE−B 590に対して送信し、UE−A 530に関連した情報(例:C−RNTI、ショートMAC−Iその他)と、無線ネットワークAまたは通信事業者Aに関連した情報(例:D2D通信によって使用される周波数バンド、LTE PRBおよびタイムスロット)と、UE−A 530からのビーコンメッセージのリッスン(受信)を開始させるためのコマンドなどを伝達する。4:D2DイネーブルリクエストメッセージはD2D無線リンクを介して通信するときにUE−A 530によって使用される一つ以上のPRBについての情報を含んでいてもよい。
【0046】
eNB−A 520はUE−A 530に対して5:D2Dビーコンオンメッセージを送信するが、これはビーコンの送信をスタートさせるためのメッセージである。メッセージ5は、ビーコンについての一つ以上のPRBを示している。eNB−B 580から受信した情報にしたがって一つまたは複数のPRBが選択され、これにより、UE−A 530はUE−B 590によってリッスン可能かまたは検知可能なビーコンを送信できるようになる。5:D2Dビーコンオンメッセージはさらに、D2D通信を可能にするときにUE−Bが使用するPRBについての情報を含んでいてもよい。ビーコンの送信を開始する前にUE−Aがこの情報を受信した場合、UE−Aはこの情報を用いることで、バッテリーの消費を削減するために、無線ネットワークBにおける周波数バンドやチャネルのすべてにわたってスキャンを実行してしまうことを防ぐことができ、PRBについて言及されている周波数レンジだけに限定してスキャンできるようになる。
【0047】
eNB−A 520からのメッセージ5:D2Dビーコンオンに応答して、UE−A 530はUE−B 590に対して、eNB−A 520のPLMN識別情報やセル識別情報、つまり、eNB−Aの動作周波数についての情報を含むビーコンを送信する。
図5においてビーコンの送信は6:ビーコンにより示されている。ビーコンに搭載されている情報は、さらに、UE−A 530がD2D送信のために使用する一つ以上のPRBの情報を含んでもよい。これらのPRBは一般に無線ネットワークA(無線事業者A)の周波数バンドに存在する。
【0048】
すでに説明したように、eNB−B 580は、UE−B 590に対して、無線ネットワークAに属している周波数バンドについてリッスンさせるためのコマンドを送信する。UE−A 530がビーコンメッセージ6を送信すると、UE−B 590は従来の方法を使用してこれを復号する。UE−B 590は、さらに、ビーコンから取得した情報と、eNB−B 580によって過去に送信された情報であってUE−A 530に関連した情報と比較し、UE−A 530をユニークに認識または認証し、自己のD2D受信機を設定する。
【0049】
A7:D2Dビーコン検知メッセージは、PRBを使用して周波数バンドBにおいてUE−Bによって送信され、ここでPRBは、4:D2Dイネーブルリクエストメッセージまたは2:インターオペレータD2Dリクエストメッセージのどちらかで指定されているものであり、UE−AにD2D送信を開始させるものである。UE−B 590からのメッセージは制限時間内に到着した場合、UE−A 530によって受信される。もし、制限時間が経過しても当該メッセージがUE−A 530によって受信されない場合、UE−A 530はビーコンを再送し、これらのプロシージャが繰り返される。
【0050】
UE−B 590からのメッセージを受信すると、UE−A 530は、UE−B 590との同期を開始するが、これはeNB−A 520とeNB−B 580とがそれぞれ異なる無線ネットワークに属しているためにeNB−A 520とeNB−B 580とが同期していないためである。同期処理には、UE−A 530に、D2D同期メッセージを周波数バンドAにおいて送信してUE−B 590に戻すこと含まれ、このメッセージには周波数バンドBにおいて使用されている送信についてのタイミング補正の情報が含まれている。UE−B 590は7:D2Dビーコン検知メッセージの送信を完了した後で、制限時間にわたり、周波数バンドAにおいてUE−A 530によって送信される8:D2D同期メッセージのリッスンを開始する。D2D同期メッセージが受信される場合、UE−B 590は、周波数バンドBにおいて、UE−A 530に対して、アクノレッジメント9:D2D同期ACK(これは無線バンドAにおいて使用されることになる送信についてのタイミング補正の情報を含む)をUE−A 530に対して返信する。ユーザ装置のバッテリー消費を低減するための解決方法は、同期の際に、UE−A 530が周波数バンドBの全域をスキャンしてしまうことを防ぎ、同様にUE−B 590が周波数バンドAの全域をスキャンしてしまうことを防ぐことである。D2D通信を可能ならしめるためにUE−A 530およびUE−B 590によって使用されるPRBについての情報がより前の段階で交換されるが、これは、たとえば、インターオペレータD2Dリクエスト2やインターオペレータD2DリクエストACK3で交換されてもよい。
【0051】
この段階で、同期が完了すると、D2D無線リンクを介した通信がUE−A 530とUE−B 590との間で実行可能となる。UE−A 530とUE−B 590との各UEは周波数バンドAと周波数バンドBとでそれぞれ情報を送信する。
【0052】
他の実施形態によれば、無線ネットワークノードにおける方法が
図6のフローチャートに示されている。
【0053】
無線ネットワークノードeNB−A 220は無線ネットワークAにおいてユーザ装置UE−Aを収容してサービスを提供するものであり、まず、無線ネットワークBにおいてユーザ装置UE−Bを収容してサービスを提供する他の無線ネットワークノードeNB−B 280とのコネクションを確立する(621)。このコネクションには
図3および
図4に示したようなロジカルインタフェースが使用されてもよい。eNB−AはUE−B 290への無線リンクを介したD2D通信を可能にするためにUE−Aからリクエストを受信する(622)。D2D無線リンクにはTDD/FDDデュープレックスをハイブリッドしたものが採用されてもよい。eNB−Aは、確立したコネクションを介してeNB−Bに対して、UE−Aに関連した情報を含む第一のメッセージを送信する(623)。UE−Aに関連した情報は、C−RNTI、ショートMAC−I、位置情報、共有対象となるサービスおよび/またはコンテンツのタイプについての情報、PRB情報を伴うビーコン、無線ネットワークAまたは通信事業者Aに関連した情報(例:D2D通信に使用される周波数バンドやタイムスロット)などのような情報である。この第一のメッセージはeNB−Bによって受信され、当該メッセージに含まれていた情報はUE−Bのコンフィギュレーション(設定)のためにUE−Bへ転送される。第一のメッセージはさらにD2D無線リンクを介してUE−Bと通信するためにUE−Aによって使用される一つ以上のPRBについての情報を含んでいてもよい。この場合、これらのPRBはeNB−Bによって受信され、eNB−BがこれらをUE−Bへと転送し、これによりUE−Aとの同期が容易になる。
【0054】
次のステップは、UE−Bに関連した第二のメッセージであって、C−RNTI、ショートMAC−I、無線ネットワークB(例:D2D通信に使用される周波数バンドやタイムスロット)に関連した情報などの情報を含む第二のメッセージをeNB−Bから受信することを含む(624)。第二のメッセージはさらに、D2D無線リンクを介してUE−Aと通信するときにUE−Bによって使用される一つ以上のPRBについての情報を含んでいてもよい。
【0055】
最後のステップで、eNB−A 220は、UE−Aに対して第三のメッセージを送信するが、このメッセージには、前のステップにおいて説明した第二のメッセージから取得した受信情報が含まれており、さらに、UE−B 290によってリッスンまたは検知可能なビーコンを送信させるためのコマンドを送信する(625)。第三のメッセージに含まれている情報は、D2D無線リンクを介してUE−Aがデータを受信/送信できるようにするために使用される。D2D無線リンクのコンフィギュレーションには、タイミングと周波数を設定することが含まれている。
【0056】
UE−Bによって一旦ビーコンが受信され、UE間での同期が獲得されると、無線リンクを介したD2D通信が可能となる。
【0057】
さらに、コネクションを確立する際に無線ネットワークノードにおいて実行される方法は、第一の無線ネットワークノード220に関連した情報を含む第一のコンフィギュレーションメッセージを第二の無線ネットワークノード280に送信することと、第二の無線ネットワークノード280に関連した情報を含む第二のコンフィギュレーションメッセージを第二の無線ネットワークノード280から受信することとを含む。さらに、上述した方法や装置にしたがって確立されることになるコネクションは、ロジカルインタフェースを利用してもよい。
【0058】
さらに、無線ネットワークノードによって実行される方法では、第一のユーザ装置230からのリクエストを受信したことに応答してコネクション260を確立することが実行されてもよい。この場合、D2D通信を確立する際の遅延を低減することができるため、ユーザ装置からのリクエストを用いて、無線ネットワークノード間でコネクションを確立するためのプロシージャを開始することができることが有利であろう。
【0059】
いくつかのケースでは、無線ネットワークノードは、特定のタイプのコンテンツやサービスを提供することが可能なUEがトラッキングエリアには一台も存在しないことを、EPC−AやMME−Aによって通知されてもよい。よって、EPC−AやMME−Aは無線ネットワークノードのIPコネクティビティのセットアップを開始する役割を果たしてもよい。
【0060】
さらに、無線ネットワークノードによって実行される方法で、第一のメッセージと第二のメッセージはそれぞれ、UE−AとUE−Bとによってそれぞれ使用される一つ以上のPRBの情報を含んでいてもよい。
【0061】
図7のフローチャートが示すように、他の例示的な実施形態に従って、第一の移動無線ネットワーク210における第一の無線ネットワークノード220に収容される第一のユーザ装置230において、第二の移動無線ネットワーク270における第二の無線ネットワークノード280に収容される第二のユーザ装置290と無線リンク250を介してD2D(デバイス−デバイス間)通信を可能ならしめる方法であって、前記第二のユーザ装置290との通信を可能にするためのリクエストを前記第一の無線ネットワークノード220に送信することと、前記リクエストを送信したことに応答して、前記第二のユーザ装置290に関連した情報と前記第二のユーザ装置290へビーコンを送信するためのコマンドとを含む第一のメッセージを前記第一の無線ネットワークノード220から受信することと、前記第一の無線ネットワークノード220に関連した情報を含むビーコンを送信することと、前記ビーコンを送信したことに応答して、D2D無線リンクに参加する能力を前記第二のユーザ装置290が有していることを示す第二のメッセージを前記第二のユーザ装置290から受信することと、前記第二のメッセージを受信すると前記D2D通信を開始するために前記第二のユーザ装置290と同期することとを有する。
【0062】
さらに、ユーザ装置で実行されるこの方法では、同期処理は、第二の周波数バンドまたはチャネルで動作している第二のユーザ装置290からタイムコレクション(タイミング補正)の情報を受信することと、第一の周波数バンドまたはチャネルで動作している第二のユーザ装置290に対してタイミング補正の情報を送信することとを含んでもよい。
【0063】
さらに、ユーザ装置または無線ネットワークノードで実行される本方法においてD2D無線リンク150は、TDD/FDDデュープレックスをハイブリッドしたものを使用してもよい。これにより、帯域幅を節約できるとともに、エンドユーザに対して干渉の制御された環境を経験させることが可能となる。
【0064】
ステップ701で、UE−A 230は、D2D無線リンクを確立する能力を有した他のUEといずれかのコンテンツ/サービスを共有するためのリクエストをeNB−A 220に対して送信する。この場合、UE−AはUE−Bに対してD2D通信を有効化するよう要求する。
【0065】
eNB−Aからの第一のメッセージはUE−Aによって受信され(702)、第一のメッセージはUE−Bに関連しており、C−RNTI、ショートMAC−I、無線ネットワークB(例:D2D通信に使用される周波数バンドやタイムスロット)に関連した情報などの情報を含む。第一のメッセージはさらに、D2D無線リンクを介してUE−Aと通信するときにUE−Bによって使用される一つ以上のPRBについての情報を含んでいてもよい。これらのPRBの情報は、各周波数バンドにおけるスキャン範囲を狭めることができるため、ユーザ装置間での同期が容易になる。
【0066】
UE−Aはさらに、ビーコンを送信するためのコマンドをeNB−Aから受信する。UE−Bがビーコンを受信可能なように当該ビーコンを送信するために、UE−Aは、D2D無線リンクを介した通信を可能にするために無線ネットワークBの周波数バンドやチャネルなど、UE−Bに関連した情報を必要とする。この情報は、一般に、第一のメッセージに含まれている。
【0067】
ステップ703で、UE−Aは、eNB−Aによってコマンドにより命令されたようにビーコンを送信する。このビーコンは、たとえば、PLMN−識別情報、eNB−Aのセル識別情報などを含む。この情報は、さらに、D2D送信のためにUE−A 230が使用することになる一つ以上のPRBの情報を含んでいてもよい。所定時間内にUE−Bからのメッセージが受信されない場合、UE−Aはビーコンを再度送信してもよい(704)。
【0068】
ステップ705で、UE−Aは、UE−BがD2D無線リンクに参加できることを示す第二のメッセージをUE−Bから受信する。
【0069】
そして、UE−AおよびUE−B間の同期が実行される。
【0070】
たとえば、UE−Bは、ビーコンについてのアクノレッジメントをUE−Aに送信すると、制限時間にわたり周波数Aにおいてリッスンを開始する。これと並行してUE−Aはアクノレッジメントを受信するために周波数Bにおいてリッスンを開始する。UE−Aはアクノレッジメントを受信するとすぐに、周波数Bでの送信についてのタイミング補正の情報を含む、同期メッセージを自己の周波数A上で送信する。ステップ706で示したように、制限時間内に同期メッセージを受信できない場合に、UE−Aは、UE−Bに対してビーコンを再送し、あるいは、UE−BはUE−Aに対して周波数Aでの送信のためのタイミング補正の情報を含むメッセージを返信する。UE−Bからのこのメッセージは、自己の周波数B上で送信される。
【0071】
同期が完了すると、D2D無線リンクを介したUE−Bとの通信を開始可能となる。D2D無線リンクはTDD/FDDデュープレックスをハイブリッドしたものを使用してもよい。
【0072】
図8において、実施形態に従ったユーザ装置830の例示的なブロック図が示されている。この実施形態では、第二の移動無線ネットワーク270における第二の無線ネットワークノード280に収容される第二のユーザ装置290と無線リンク250を介してD2D(デバイス−デバイス間)通信を可能ならしめる、第一の移動無線ネットワーク210における第一の無線ネットワークノード220に収容される第一のユーザ装置830であって、前記第二のユーザ装置290との通信を可能にするためのリクエストを前記第一の無線ネットワークノード220に送信する送信機と、前記リクエストを送信したことに応答して、前記第二のユーザ装置290に関連した情報と前記第二のユーザ装置290へビーコンを送信するためのコマンドとを含む第一のメッセージを前記第一の無線ネットワークノード220から受信する受信機とを有し、前記送信機は、前記第一の無線ネットワークノード220に関連した情報を含むビーコンを送信するようにさらに構成されており、前記受信機は、前記ビーコンを送信したことに応答して、D2D無線リンクに参加する能力を前記第二のユーザ装置290が有していることを示す第二のメッセージを前記第二のユーザ装置290から受信するようにさらに構成されており、前記第一のユーザ装置830は、前記第二のメッセージを受信すると前記D2D通信を開始するために前記第二のユーザ装置290と同期する同期部をさらに有する。
【0073】
ユーザ装置830は、メモリ805、プロセッサ806、アレンジメント800および他の機能部804を有する。アレンジメント800は、さらに、送信機801、受信機802および同期部803を有する。これのパーツのすべては
図6および
図7に示した実施形態および方法にしたがって機能するように適合している。
【0074】
さらに、ユーザ装置におけるD2D無線リンクのコンフィギュレーションは、タイミングと周波数の設定を含んでもよい。
【0075】
さらに、ユーザ装置によって送信されるビーコンは、識別情報および第一の無線ネットワークノード120の動作周波数についての情報を含んでもよい。
【0076】
図9は、無線基地局としての無線ネットワークノード920のブロック図を示している。第二の移動無線ネットワーク270における第二の無線ネットワークノード280に収容される第二のユーザ装置290と無線リンク250を介してD2D(デバイス−デバイス間)通信を可能ならしめる、第一の移動無線ネットワーク210における第一のユーザ装置230を収容する第一の無線ネットワークノード920であって、前記第二の無線ネットワークノード280とコネクション260を確立する処理ユニットと、前記第一のユーザ装置230から前記第二のユーザ装置290との通信を可能にするためのリクエストを受信する受信機と、前記リクエストを受信したことに応答して前記第二のユーザ装置290の設定のために前記第二の無線ネットワークノード280によって使用されることになる第一のメッセージであって、前記第一のユーザ装置830に関連した情報を含む当該第一のメッセージを、前記確立されたコネクション260を介して前記第二の無線ネットワークノード280へ送信する送信機とを有し、前記受信機は前記第一のメッセージを受信したことに応答して前記第一のユーザ装置830の設定のために前記第一の無線ネットワークノード220によって使用されることになる第二のメッセージであって、前記第二のユーザ装置290に関連した情報を含む当該第二のメッセージを、前記確立されたコネクションを介して前記第二の無線ネットワークノード280から受信するように構成されており、前記送信機は、前記第二のユーザ装置290に関連した受信情報と前記第二のユーザ装置290との通信を可能にするビーコンを送信させるためのコマンドとを含む第三のメッセージを前記第一のユーザ装置830へ送信するように構成されている。
【0077】
この例示的な実施形態において、無線ネットワークノード920は、メモリ905、受信機(RX)911、および、送信機(TX)912を有する。この特別なケースにおいて、RX911およびTX912は、処理ユニット906によって実行される異なるタスクにしたがって機能するように適合している。これらのパーツのすべては
図5および
図6に示した実施形態や方法にしたがって機能するように適合している。
図9が示すように、アンテナ、デコーダ、オーディオインタフェース、電源、エンコーダなど、無線ネットワークノードにはその他の機能部907が含まれているが、ここではその詳細についてはこれ以上は詳細に説明しない。無線ネットワークノードから送信される無線信号はユーザ装置内の受信機902に到達し、ユーザ装置は無線ネットワークノード920に対して送信機901を使用し、無線信号を返信し、これにより無線ネットワーク通信が形成される。
【0078】
図10は無線ネットワークノードにおけるアレンジメント1000の実施形態を示しており、たとえば、
図8に示したユーザ装置におけるアレンジメント800を開示する代替的な方法であってもよい。アレンジメント1000には、プロセッサ1006、および、たとえば、DSP(デジタル信号プロセッサ)が含まれる。プロセッサ1006は、上述したプロシージャにおける異なるアクションを実行する単一のユニットであってもよいし、複数のユニットであってもよい。アレンジメント1000は、他のエンティティから信号を受信する入力ユニット1002と、他のエンティティへ信号を提供する出力ユニット1004とを有していてもよい。入力ユニット1002および出力ユニット1004は統合されたエンティティとして配置されてもよい。
【0079】
さらに、アレンジメント1000は、たとえば、EEPROM(電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ)、フラッシュメモリおよびハードドライブなどの不揮発性メモリに記憶された少なくとも一つのコンピュータプログラムプロダクト1008を含む。コンピュータプログラムプロダクト1008は、コンピュータ可読コード手段を含みアレンジメント1000におけるプロセッサ1006のような一つ以上の処理ユニットにおいて実行されると、当該アレンジメントおよび/またはネットワークノードに、たとえば、
図8に関連して説明したプロシージャなどのアクションを実行させる。
【0080】
コンピュータプログラム1010はコンピュータプログラムモジュールにおいて構造化されたコンピュータプログラムコードとして構成されてもよい。ゆえに、例示的な実施形態において、アレンジメント1000のコンピュータプログラム1010内のコード手段は、第二の無線ネットワークノードとのコネクション260を確立するための処理モジュール1001を識別することを含む。コンピュータプログラムはさらに、第二のユーザ装置290と通信を可能ならしめるためのリクエストを第一のユーザ装置から受信する受信モジュール1002を含む。コンピュータプログラム1010はさらに、リクエストを受信したことに応答して第二のユーザ装置290の設定のために第二の無線ネットワークノード280によって使用されることになる第一のメッセージであって、前記第一のユーザ装置230に関連した情報を含む当該第一のメッセージを、前記確立されたコネクションを介して前記第二の無線ネットワークノード280へ送信する送信モジュール1003を含む。コンピュータプログラム1010の受信モジュール1002は第一のメッセージを受信したことに応答して前記第一のユーザ装置230の設定のために前記第一の無線ネットワークノード220によって使用されることになる第二のメッセージであって、前記第二のユーザ装置290に関連した情報を含む当該第二のメッセージを、前記確立されたコネクションを介して前記第二の無線ネットワークノード280から受信する。送信モジュール1003はさらに、前記第二のユーザ装置290に関連した受信情報と前記第二のユーザ装置290との通信を可能にするビーコンを送信させるためのコマンドとを含む第三のメッセージを前記第一のユーザ装置230へ送信する。コンピュータプログラム1010はさらに、所望の機能を提供するための他のモジュール1004を含む。
【0081】
モジュール1001−1004は
図6に示したフローチャートのアクションを実行してもよく、これにより、
図9に示したネットワークノードのアレンジメントがエミュレートされる。つまり、異なるモジュール1001−1004が処理ユニット1006で実行されるときに、
図9に示した受信機、送信機および処理ユニットに対応することになる。
【0082】
図10に関連して説明した実施形態におけるコード手段はコンピュータプログラムモジュールとして実装可能であり、これは処理ユニットにおいて実行されると、上記アレンジメントおよび/またはネットワークノードに、上述した図面に関連して説明したアクションを実行させるものであるが、他の実施形態においてこれらのコード手段の少なくとも一つはハードウエア回路として少なくとも部分的に実装されてもよい。
【0083】
プロセッサは単一のCPU(中央演算装置)であってもよいが、二つ以上の処理ユニットを含んでいてもよい。たとえば、プロセッサは、汎用のマイクロプロセッサ、インストラクションセットプロセッサ、および/または、関連チップセット、および/または、ASIC(特定用途集積回路)のような特定用途マイクロプロセッサを含んでいてもよい。プロセッサは、キャッシュ目的のボードメモリを有していてもよい。コンピュータプログラムは、プロセッサに接続されたコンピュータプログラムプロダクトによって実行されてもよい。コンピュータプログラムプロダクトは、コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ可読媒体を含んでいてもよい。たとえば、コンピュータプログラムプロダクトは、フラッシュメモリ、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)またはEEPROMであってもよく、上記のコンピュータプログラムモジュールは他の実施形態において、ネットワークノード内のメモリにおいて異なる複数のコンピュータプログラムプロダクトとして分散的に配置されてもよい。
【0084】
同様に、コンピュータプログラムプロダクトを含む例示的な実施形態は、
図6に示したユーザ装置のアレンジメントに適用されてもよい。
【0085】
相互に作用するユニットやモジュールの選択だけでなく、本明細書のユニットの命名はいずれも例示目的のものにすぎず、上述したいずれかの方法を実行するのに適したノードは、示唆したプロシージャのアクションを実行することができるように複数の異なる手法にしたがって設定されてもよい。
【0086】
本明細書において記述したユニットやモジュールはロジカル(論理的な)エンティティであると理解されてもよく、物理的にエンティティであることは必要とされない。
【0087】
アレンジメント1000は、たとえば、一つ以上のプロセッサまたはマイクロプロセッサと、メモリに記憶された適切なソフトウエアと、上述したアクションを実行するように構成されたプログラマブルロジックデバイス(PLD)または他の電子部品また処理回路とによって実装されてもよい。
【0088】
特定の例示的な実施形態を参照しながら解決手段が説明されたが、これらの説明は一般に発明的コンセプトを図解する目的で提供されているにすぎず、解決手段の範囲を限定するものと理解されるべきではない。たとえば、用語「無線ネットワークノード」、「無線ネットワークコアノード」、「無線ネットワーク」および「ユーザ装置」が本明細書では使用されてきたが、他の対応するノード、機能および/または、パラメータが、上述した特徴や機能を実現するために使用されてもよい。解決手段は添付の特許請求の範囲によって定義される。