(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
画像面から画像光を受光し、入射画像光を第1の偏光状態である透過画像光と、前記第1の偏光状態とは異なる第2の偏光状態である第1及び第2の反射画像光とに分割する光分割器と、
前記透過画像光と、前記第1及び第2の反射画像光とが投影されて結像面に一つの画像を形成するように、前記第1及び第2の反射画像光の光路を変更する第1及び第2の反射部材と、
を有する立体映像装置であって、
前記一つの画像は、前記透過画像光からの第1の画像と前記第1及び第2の反射画像光からの第2の画像とを、前記結像面の略同じ領域で重ね合わせることによって形成されており、
前記透過画像光と、前記第1及び第2の反射画像光とを同じ出力偏光状態となるように変調することが可能な第1、第2及び第3の偏光変調器を有する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来技術による光分割器の構造を示した図である。
【0003】
偏光方向として、例えば、P―偏光とS―偏光とが混在した光は、光分割器1(PBS(Polarizing Beam Splitter))でP―偏光を有する光は透過され、S―偏光を有する光は反射される。
【0004】
反射及び透過されたS―偏光とP―偏光の光は、菱状のプリズム2、3によって同一の方向に進行するようになる。
【0005】
例えば、P―偏光を有する光は、前記プリズムを透過した後、半波長プレート(リターダ)4によって偏光方向がP―偏光からS―偏光に変わる。
【0006】
結果的に、開示された光分割器によってP―偏光とS―偏光とが混在した光は、同一の偏光、例えば、S―偏光になり、同一の方向を有するようになる。
【0007】
従来において、前記の光分割器を用いた立体映像装置の作動原理は、次の通りである。米国登録特許US7,857,455に示した内容を参照する。
【0008】
図2に示したように、プロジェクター内の映像を発生させる画像面5から出る光は、プロジェクションレンズ6を経て光分割器7で二つの光に分けられる。
【0009】
すなわち、S―偏光及びP―偏光成分を有する光は、光分割器7で反射または透過される。
【0010】
透過または反射されたP―偏光成分を有する光は、半波長リターダ8を通過しながらS―偏光を有する光になり、反射部材9、10、偏光板11、及び変調器12を経てプロジェクションスクリーンに集束される。
【0011】
変調器12は、例えば、電気的な信号によって偏光方向を変えることができる。
【0012】
一方、前記光分割器7によって反射されたS―偏光された光は、反射部材13を経た後、プロジェクションスクリーンに到逹するとき、同一の偏光方向を維持する。
【0013】
したがって、画像面5から出た偏光方向が混在した光は、一つのS―偏光になる。
【0014】
一方、このような従来の光分割器を使用した従来の発明には、次のような問題がある。
【0015】
一般に、プロジェクターの垂直方向の出射角度は15゜程度である。
図3では、出射角度が15゜である場合を示しており、偏光板と変調器を省略して説明を簡単にする。
【0016】
光分割器と反射部材16との間の距離及び光分割器と他の反射部材17との間の距離をそれぞれh1とh2といい、それぞれの反射部材16、17とスクリーン18との間の距離をL1とL2というものとする。
【0017】
この場合、前記反射部材16と反射部材17から反射された光とプロジェクターから出射される光の光軸がなす角は、それぞれθ1=tan
−1(h1/L1)とθ2=tan
−1(h2/L2)になる。
【0018】
図面符号161は、反射部材16から反射された光を表示する。そして、図面符号171は、反射部材17から反射された光を表示する。
【0019】
θ1とθ2によるスクリーン18上での像の歪曲は、次の通りである。
図3の(A)部分を
図4に拡大して表示した。
【0020】
図4において、図面符号161は、反射部材16から反射された光を表示する。そして、図面符号171は、反射部材17から反射された光を表示する。
【0021】
そして、図面符号162は、反射部材16から反射された光の結像面を表示する。そして、図面符号172は、反射部材17から反射された光の結像面を表示する。
【0022】
反射部材16と反射部材17から反射された各光の結像面とスクリーン18での像との高さ差d1とd2は、スクリーン18の高さをHとしたとき、近似的に下記のように表現される。
【0023】
d1=H tan(θ1)、d2=H tan(θ2)
【0024】
したがって、前記反射部材16と反射部材17から反射された各光は、結像面で距離Δ=(H/2){tan(θ1)+tan(θ2)}だけ差を有して結像される。
【0025】
h1≒h2=340mm、L1≒L2=15000mm、H=8500mmである場合、θ1≒θ2=1.3゜であるので、Δ=193mmである。
【0026】
これは、前記反射部材16と反射部材17から反射された各光が結像面で最大193mmずれたことを意味し、通常、光のスポットサイズが数mmであることを考慮にすると、スクリーン18の中心から遠ざかるほど像が見えにくくなり、実質的な使用に制約がある。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下では、添付の図面を参照して本発明について説明する。
【0056】
図5は、本発明による立体映像装置の基本的な構造を示した図である。
【0057】
以下では、便宜上、映像信号を‘光'と表示し、‘光'と表示された単語は、‘映像信号'の意味を内包するものと見なす。
【0058】
図5に示したように、前記画像面19から放出されてプロジェクションレンズ20を通過した光は、P―偏光とS―偏光とが混在した状態で光分割器(PBS)21、22に入射する。
【0059】
便宜上、図面符号21で表示された光分割器を第1の光分割器と定義し、図面符号22で表示された光分割器を第2の光分割器と定義する。
【0060】
前記光分割器21、22は、一つの平らなプレート形態に具現されず、その断面が折り曲げられている状態を具現していることが好ましい。
【0061】
前記光分割器21、22の中心は、入射される光の光軸上に位置することが好ましく、前記第1の光分割器21と前記第2の光分割器22は、互いに連結されており、互いに異なる方向に向かうように配置されることが好ましい。
【0062】
すなわち、第1の光分割器21と前記第2の光分割器22は、それぞれプレート形態に設けられ、互いに異なる方向に傾斜した形態に配置される。
【0063】
このような構造下で、前記光分割器21、22に入射された光のうち、例えば、半分は第1の光分割器21に入射し、残りの半分は前記第2の光分割器22に到逹する。
【0064】
前記光分割器21、22は、特定の偏光成分(P―偏光成分)は透過させ、他の偏光成分(S―偏光成分)は、透過される光の方向と異なる方向に反射させ、光を多くの方向に分割する役割をする。
【0065】
したがって、前記第1の光分割器21に入射された光のうちP―偏光成分は、透過されてスクリーン方向に進行する。
【0066】
その一方、前記第1の光分割器21に入射された光のうちS―偏光成分は、反射されて第1の方向(本図面では上側方向)に進行する。
【0067】
また、前記第2の光分割器22に入射された光のうちP―偏光成分は、透過されてスクリーン方向に進行する。
【0068】
その一方、前記第2の光分割器22に入射された光のうちS―偏光成分は、反射されて第2の方向(本図面では下側方向)に進行する。
【0069】
すなわち、入射された光のうち一部は反射され、残りは透過される。
【0070】
そして、反射される光も分けられ、一部は第1の光分割器21によって反射され、残りは第2の光分割器22によって反射される。
【0071】
また、透過される光も分けられ、一部は前記第1の光分割器21を透過し、残りは前記第2の光分割器22を透過する。
【0072】
前記第1の光分割器21の上部と前記第2の光分割器22の下部にはそれぞれ、これらから離隔して配置される鏡のような反射部材23、24が設けられる。
【0073】
前記反射部材23、24としては、鏡が代表的であるが、これに限定されるものではなく、光の反射機能を具現できる全ての構成要素が適用可能である。
【0074】
前記反射部材のうち、図面番号23で表示される反射部材を第1の反射部材と定義し、図面番号24で表示される反射部材を第2の反射部材と定義する。
【0075】
前記第1の光分割器21と前記第1の反射部材23から反射された光と前記第2の光分割器22と前記第2の反射部材24から反射された光は、S―偏光を有してそれぞれスクリーンに向かうようになり、前記スクリーン上で合わせられる。
【0076】
前記の反射されて二つの方向に向かう光は、入射される光の断面を二等分するように設けられることが好ましい。そして、前記の反射されて二つの方向に向かう光の偏光成分は互いに同一になる。
【0077】
一方、前記第1の光分割器21及び前記第2の光分割器22を透過した光は、P―偏光を有し、そのまま光軸に沿って前記スクリーンに向かうようになる。
【0078】
このような構造下でプロジェクションレンズ20を通過した光の半分は、前記第1の光分割器21に到逹した後で反射または透過され、残りの半分は、前記第2の光分割器22に到逹した後で反射または透過され得る。
【0079】
したがって、同一のサイズの映像をスクリーンに投射させる場合は、従来技術に比べて前記各光分割器21、22と前記反射部材23、24との間の距離が著しく減少する。これにより、立体映像装置自体のサイズを減少させることができる。
【0080】
一方、前記各光分割器21、22と前記反射部材23、24との間の距離が従来技術と同一であると、このような構造によってスクリーンに投射される映像のサイズは従来技術より著しく増加し得る。
【0081】
以下では、前記のように立体映像装置自体のサイズが減少し得る理由について具体的に説明する。
【0082】
図6は、第1の光分割器21と前記第2の光分割器22を透過する光の実質的な経路を示す。
【0083】
図6に示したように、直径Dを有して第1の光分割器21と第2の光分割器22に入射した光は、傾斜した第1の光分割器21と第2の光分割器22を透過するときに屈折する。
【0084】
この場合、透過する光のほとんどは、前記第1の光分割器21と前記第2の光分割器22を透過し、その後側に移動する。しかし、中心部分にある光(直径dと表現された光)は、前記第1の光分割器21と前記第2の光分割器22の内部に進入した後、一地点に収斂される。
【0085】
したがって、直径dに該当する光は、スクリーンに向かわずに消滅される。
【0086】
すなわち、前記第1の光分割器21と前記第2の光分割器22との間の折り曲げられた部分に光が入射された後、一地点に集中しながら光消滅領域(DA:Dimming Area)が形成される。
【0087】
前記光分割器21、22を通過する光の一部は、前記光消滅領域DAを経ながらそのエネルギーが低減し、これは、スクリーン上で光度が低くなる結果をもたらし、スクリーンの全体領域で相対的に暗くなる結果として表れる。
【0088】
したがって、これに対する補正方法が必要である。
【0089】
図7は、このような補正方法と関連する構造を示した図である。
【0090】
図7に示したように、前記第1の光分割器21及び前記第2の光分割器22と類似する屈折率と厚さを有する屈折部材25、26が設置される。
【0091】
前記屈折部材25、26は、それぞれプレート形態に設けられてもよいが、これに限定されることはない。
【0092】
前記屈折部材25、26のうち、第1の光分割器21に対応する部分は第1の屈折部材25といい、第2の光分割器22に対応する部分は第2の屈折部材26と定義する。
【0093】
前記第1の屈折部材25と前記第2の屈折部材26の形態は、前記光分割器21、22の形状と類似する。
【0094】
すなわち、光軸の中心に、上側には第1の屈折部材25が位置し、下側には第2の屈折部材26が位置し、これらは連結されており、その中心部に折り曲げられた部分が形成される。
【0095】
そして、その配置形態は、前記光分割器21、22と向かい合う状態(対称状態)で具現されることが好ましい。
【0096】
前記第1の屈折部材25と前記第2の屈折部材26は、連結された状態で互いに異なる方向に傾斜して配置される。
【0097】
このような配置下で光経路を見ると、次の通りである。
【0098】
前記屈折部材25、26に入射された光は、屈折されてその経路が変更され、前記光分割器21、22に移動する。
【0099】
このとき、前記屈折部材25、26の中心部が折り曲げられているので、前記屈折部材25、26の中心部と前記光分割器21、22との間には、光が通過しない空の領域(EA:Empty Area)が形成される。
【0100】
図6に示した光消滅領域DAに入射される光の入射経路は、
図7に示した空の領域EAに対応するが、前記屈折部材25、26の屈折によって前記空の領域EAにこれ以上光が進行しないので、これ以上前記光消滅領域Dに光が入射されなく、光消滅による光損失を防止することができる。
【0101】
図8は、光分割器で表れ得る非点収差(Astigmatism)を減少させるための方法を示した図である。
【0102】
図8に示した構成要素である第1の光分割器21、第1の屈折部材25、第1の反射部材23やこれらに対する説明は、第2の光分割器22、第2の屈折部材26、第2の反射部材24にも適用される。
【0103】
第1の光分割器21に第1の屈折部材25を通過した光が到逹すると、P―偏光は前記第1の光分割器21を透過し、S―偏光は、前記第1の光分割器21の前面表面に当たって前記第1の反射部材23に反射される。
【0104】
このとき、透過した光の経路の長さは、反射された光の経路に比べて前記第1の光分割器21の厚さTだけ増加するが、これは、反射された光が前記第1の光分割器21の内部で移動しながら反射されるのではなく、表面から反射されるのに比べて、透過される光は前記第1の光分割器21を通過するためである。
【0105】
この場合、反射光と透過光の経路長さの差による光の非点収差が発生し得る。
【0106】
このような非点収差を補正するために、前記第1の光分割器21内で反射される光と透過する光の経路の長さを同一にする必要性がある。
【0107】
したがって、前記第1の光分割器21は、厚さが同一の二つの光透過部材211、212を重ね合わせて製造し、その間に光分割膜213を形成する。
【0108】
ここで、第1の光分割器21の厚さをTとすると、それぞれの光透過部材211、212の厚さはtといい、T=2tになる(光分割膜の厚さは無視する)。
【0109】
便宜上、前方側に位置した光透過部材211の厚さをt1といい、後方側に位置した光透過部材212の厚さをt2とする。
【0110】
入射された光のうちP偏光は、前方側の光透過部材211、光分割部材213、後方側の光透過部材212を通過する。このとき、前記第1の光分割器21内での透過光の経路長さはt1+t2になる。
【0111】
一方、入射された光のうちS偏光は、前方側の光透過部材211を通過した後、光分割膜213に到逹して反射され、再び前方側の光透過部材211を通過する。
【0112】
このとき、前記第1の光分割器21内での反射光の経路長さはt1+t1になる。前記でt1=t2としたので、結局、反射光と透過光の経路長さは同一になり、非点収差が発生することを防止することができる。
【0113】
ここで、反射光と透過光の入射角度、透過角度、反射角度が完全に0ではないが、前記第1の光分割器21及びこれらを構成する光透過部材211、212の厚さが非常に薄いので、角度による経路長さ変化の影響を無視することができる。
【0114】
図9は、本発明における偏光分割方法の基本的な構造を示した図である。
【0115】
反射されたS―偏光光は、半分に断面を分けて使用するようになり、プロジェクションレンズ20の光軸と第1の反射部材23との間の距離及び光軸と第2の反射部材24との間の距離が半分に減少し、実質的に75mmまでも可能になる。
【0116】
これは、
図2に示した従来方法での340mmの1/4水準に低くなるが、
図2でのスクリーン18での結像面との角度誤差θ1とθ2が従来の方法の使用時に比べて約1/4程度に減少することを意味する。
【0117】
次に、
図9に示した構造を、向上した明るさを有する立体映像装置に適用する場合を説明する。
【0118】
図10では、第1の反射部材23と第2の反射部材24から出るS―偏光の光は、それぞれ第1の変調器27aと第3の変調器27cによって変調される。
【0119】
一方、第1の光分割器21と第2の光分割器22を透過したP―偏光の光は、第2の変調器27bによって変調される。
【0120】
第1の変調器27aと第3の変調器27cは、同一の位相遅延機能を有するように設けられ、前記第2の変調器27bは、前記第1及び第3の変調器27a、27cとの間に半波長の位相差を発生させる。
【0121】
前記第1及び第3の変調器27a、27cは、前記S―偏光の状態を電気的信号などによって変換するが、線偏光から円偏光状態に変換させる。
【0122】
一方、光分割器21、22を透過したP―偏光は、前記第2の変調器27bを通過してS―偏光に変調されると同時に、線偏光状態から円偏光状態に変調される。
【0123】
前記第1及び第3の変調器27a、27cは、S―偏光状態を維持しながら線偏光を円偏光に変調するものであるので、1/4波長位相遅延(retardance)機能を行う。
【0124】
一方、第2の変調器27bは、P―偏光状態をS―偏光状態に変調させながら(1/2波長位相遅延機能遂行)、線偏光を円偏光に変調させるので(1/4位相遅延機能遂行)、合計3/4波長位相遅延機能を行う。
【0125】
図10に示した実施例において、第1〜第3の変調器27a〜27cは、互いに区分されて設置されるか、離隔して設置されることが好ましい。
【0126】
その理由は、第1の変調器27a―第2の変調器27b―第3の変調器27cの順に設置された状態で、第1及び第3の変調器27a、27cで起こる位相遅延の特性と、第2の変調器27bで起こる位相遅延の特性とが異なるためである。
【0127】
図11は、
図10に示した実施例に別途の構成を追加した他の実施例を示した図である。
【0128】
図11は、
図10の構成において半波長リターダ(Half wave retarder)28を追加的に使用して前記第1の光分割器21と前記第2の光分割器22を透過したP―偏光光をS―偏光光に変換させる構造である。
【0129】
すなわち、前記半波長リターダ28は、前記第1及び第2の光分割器21、22の後方に配置され、前記第2の変調器27bの前に配置される。
【0130】
すなわち、前記半波長リターダ28は、前記第1及び第2の光分割器21、22と前記第2の変調器27bとの間に設けられる。
【0131】
このような構造下で前記半波長リターダ28を通過した光や前記第1及び第2の反射部材23、24によって反射された光は、いずれも同一の偏光光、すなわち、S―偏光光の特性を有する。
【0132】
したがって、第1、第2及び第3の変調器27a、27b、27cの代わりに、大きな一つの変調器を使用し、これらを全て線偏光から円偏光に変換させることができ、このような大きな一つの変調器は、入射された光を1/4波長位相遅延させ、線偏光から円偏光に変換させることができる。
【0133】
一方、図面には示していないが、前記半波長リターダ28は、前記第1の反射部材23及び第1の変調器27aとの間に配置され、前記第2の反射部材24及び前記第3の変調器27cとの間に配置されてもよい。
【0134】
反射経路に沿って移動する偏光と透過経路に沿って移動する偏光がいずれもスクリーンに到逹する場合は、単一偏光(P―偏光またはS偏光)に変わるべきである。
【0135】
したがって、前記半波長リターダ28を前記透過経路上に配置する場合は、スクリーンに到逹する光がいずれもS―偏光状態になって結像され得る。
【0136】
一方、前記半波長リターダ28を前記反射経路上に配置する場合は、スクリーンに到逹する光がいずれもP―偏光状態になって結像され得る。
【0137】
このような本発明によると、スクリーンに投射されて重畳される光の経路は3個である。
【0138】
すなわち、光の経路は、前記第1の光分割器21と前記第2の光分割器22を透過してスクリーンに投射される第1の経路と、前記第1の光分割器21及び前記第1の反射部材23から反射されてスクリーンに投射される第2の経路と、前記第2の光分割器22及び前記第2の反射部材24から反射されてスクリーンに投射される第3の経路とで構成される。
【0139】
次に、前記第1の光分割器21と前記第2の光分割器22から反射された光の結像面と前記第1の光分割器21と前記第2の光分割器22を透過した光の結像面との差を克服し、スクリーン上で同一のサイズの画面を提供する方法を説明する。
【0140】
図12は、前記第1の光分割器21と前記第2の光分割器22から1次的に反射され、前記第1の反射部材23と前記第2の反射部材24から2次的に反射された光の結像面と、前記第1の光分割器21と前記第2の光分割器22を透過した光の結像面との間の高さ差Δを示した。
【0141】
一方、図面符号219は、前記第1の光分割器21を透過した光の結像面で、図面符号229は、前記第2の光分割器22を透過した光の結像面である。
【0142】
図面符号239は、第1の反射部材23から反射された光の結像面で、図面符号249は、第2の反射部材24から反射された光の結像面である。
【0143】
ここで、反射経路に沿って移動する光の結像面239、249は、透過経路に沿って移動する光の結像面219、229より前に位置し、このような位置の差によって高さ差Δが発生する。
【0144】
この差Δを減少させる方法としては、大きく、次の四つの方法がある。
【0145】
まず、第一の方法は、
図13に示したように、前記第1の光分割器21と前記第2の光分割器22を透過した光に対して、レンズ29を使用して透過光の発散角度を増加させることである。
【0146】
ここで、レンズ29は、発散角度を増加させなければならないので、凹レンズの特性を備えることが好ましい。
【0147】
これによると、レンズ29によって補正する前の光路298により、レンズ29によって補正された光路299はさらに発散された状態となり、スクリーン上での像のサイズが増加する。
【0148】
図13において、透過経路のうち、実線で表示された部分は、レンズ29によって補正される前の経路298で、点線で表示された部分は、レンズ29によって補正された後の経路299である。
【0149】
点線で表示された経路は、実線で表示された経路よりさらに発散された状態になったことが分かる。
【0150】
このように透過経路に沿って移動した光によってスクリーン上で形成された像のサイズは、反射経路に沿って移動した光によってスクリーン上で形成された像のサイズと同一になるので、上述した高さ差Δがなくなる。
【0151】
このとき、留意すべき点は、前記反射経路に沿って移動する光が前記レンズ29に干渉されないように、前記レンズ29が二つの反射経路間に配置されるべきであることである。
【0152】
高さ差Δをなくす第二の方法は、
図14に示したように、反射経路上に光の発散角度を減少させるレンズ30、31を設置することである。
【0153】
前記レンズ30、31は、光の発散角度を減少させなければならないので、凸レンズの特性をある程度備える必要がある。
【0154】
前記レンズ30、31は、前記第1の反射部材23と前記第2の反射部材24に隣接するように設置され、前記第1の反射部材23と前記第2の反射部材24から反射された光の進行経路上に配置されることが好ましい。
【0155】
これによると、レンズ30、31によって補正する前の光路308、318に比べて、レンズ30、31によって補正された光路309、319が少なく発散された状態になり、スクリーン上での像のサイズが縮小される。
【0156】
図14において、反射経路のうち、実線で表示された部分は、レンズ30、31によって補正される前の経路308、318で、点線で表示された部分は、レンズ30、31によって補正された後の経路309、319である。
【0157】
点線で表示された経路は、実線で表示された経路より少なく発散された状態になったことが分かる。
【0158】
このように反射経路に沿って移動した光によってスクリーン上で形成された像のサイズは、透過経路に沿って移動した光によってスクリーン上で形成された像のサイズと同一になるので、上述した高さ差Δがなくなる。
【0159】
このとき、留意すべき点は、前記透過経路に沿って移動する光が前記レンズ30、31に干渉されないように、前記レンズ30、31が透過経路を逸脱して配置されるべきであることである。
【0160】
一方、
図14のようにレンズ30、31で補正する方法もあるが、レンズ30、31の代わりに、
図15に示したように光の発散角度を減少させるプレートまたはプリズム32、33を使用して光路を補正する方法も可能である。
【0161】
これが、高さ差Δをなくすための第三の方法である。
【0162】
前記プレートまたはプリズム32、33は、光の発散角度を減少させなければならないので、凸レンズと類似する特性をある程度備える必要がある。
【0163】
前記プレートまたはプリズム32、33は、前記第1の反射部材23と前記第2の反射部材24に隣接するように設置され、前記第1の反射部材23と前記第2の反射部材24から反射された光の進行経路上に配置されることが好ましい。
【0164】
これによると、プレートまたはプリズム32、33によって補正する前の光路328、338に比べて、プレートまたはプリズム32、33によって補正された光路329、339が少なく発散された状態になり、スクリーン上での像のサイズが縮小される。
【0165】
図15において、反射経路のうち、実線で表示された部分は、プレートまたはプリズム32、33によって補正される前の経路328、338で、点線で表示された部分は、プレートまたはプリズム32、33によって補正された後の経路329、339である。
【0166】
点線で表示された経路は、実線で表示された経路より少なく発散された状態になったことが分かる。
【0167】
このように反射経路に沿って移動した光によってスクリーン上で形成された像のサイズは、透過経路に沿って移動した光によってスクリーン上で形成された像のサイズと同一になるので、上述した高さ差Δがなくなる。
【0168】
このとき、留意すべき点は、前記透過経路に沿って移動する光が前記プレートまたはプリズム32、33に干渉されないように、前記プレートまたはプリズム32、33が透過経路を逸脱して配置されるべきであることである。
【0169】
高さ差Δをなくすための第四の方法は、
図16に示したように、反射部材―プリズム組立体(ミラー―プリズムアセンブリ)34、35を使用することである。
【0170】
反射部材―プリズム組立体34、35は、
図14〜
図15に示したレンズ30、31/プレートまたはプリズム32、33が反射部材と離隔して配置されることをより簡便にするために設けられる。
【0171】
前記反射部材―プリズム組立体34、35は、光の発散角度を減少させることを特徴とする。
【0172】
反射部材―プリズム組立体34、35は、前記第1の光分割器21及び前記第2の光分割器22から反射された光の進行経路上に配置されることが好ましい。
【0173】
これによると、反射部材―プリズム組立体34、35によって補正される前の光路348、358に比べて、反射部材―プリズム組立体34、35によって補正された光路349、359が少なく発散された状態になり、スクリーン上での像のサイズが縮小される。
【0174】
図16において、反射経路のうち、実線で表示された部分は、反射部材―プリズム組立体34、35によって補正される前の経路348、358で、点線で表示された部分は、反射部材―プリズム組立体34、35によって補正された後の経路349、359である。
【0175】
点線で表示された経路は、実線で表示された経路より少なく発散された状態になったことが分かる。
【0176】
このように反射経路に沿って移動した光によってスクリーン上で形成された像のサイズは、透過経路に沿って移動した光によってスクリーン上で形成された像のサイズと同一になるので、上述した高さ差Δがなくなる。
【0177】
一方、
図17のように二つの光分割面36、37を有するプリズム38によって具現される光分割器を使用したときも、同一の効果を達成することができる。
【0178】
すなわち、前記光分割器は、互いに区分されて連結されるだけでなく、傾斜して設けられる光分割面36、37及びプリズム38を含むことが好ましい。
【0179】
前記光分割面36、37により、特定方向の偏光(例えば、P―偏光)特性を有する光は透過される。
【0180】
また、他の方向の偏光(例えば、S―偏光)特性を有する偏光は、前記光分割面36、37によって反射され、反射された光は、前記プリズム38によってその経路が補正される。
【0181】
すなわち、その経路は、少なく発散される形態に補正され得る。
【0182】
一方、前記光分割器の前には屈折部材39、40が配置されてもよい。前記屈折部材39、40の役割と構造は、
図7に示した屈折部材25、26の役割及び構造と同一である。
【0183】
したがって、前記屈折部材39、40に対する説明は、
図7の屈折部材25、26の説明と同一である。
【0184】
このように、本発明によって反射された光の進行経路と透過された光の進行経路との差を減少させることができ、より品質の高い立体映像を得ることができる。
【0185】
また、各構成要素間の配置間隔を従来より減少させることができ、製品全体のサイズをコンパクト化するのにも寄与することができる。
【0186】
本発明がその特徴を逸脱しない範囲で他の特定の形態に具体化され得ることは、当業者にとって自明である。したがって、前記の詳細な説明は、全ての面で制限的に解釈してはならなく、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的解釈によって決定しなければならなく、本発明の等価的範囲内での全ての変更は、本発明の範囲に含まれる。