(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記抗凝固剤が、ヒルジン、ベンジルスルホニル-d-Arg-Pro-4-アミジノベンジルアミド(BAPA)、ヘパリン、クエン酸ナトリウム、クエン酸塩、酸性クエン酸デキストロース(ACD)、クエン酸-テオフィリン-アデノシン-ジピリダモール(CTAD)またはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)カリウム塩から選択される、請求項1の(2)又は(3)又は請求項2に記載の管。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の詳細な説明
以下の段落で本発明に従う語の定義を提示し、それとは異なる明示的に設定された定義によりさらに広義の定義が提示される場合を除き、本明細書および請求項の全体を通じ、均一に適用することを意図している。
【0020】
「チキソトロピック」という表現は、攪拌または圧力により流動性が上昇するゲル、すなわち攪拌または圧力により粘度が低下するゲルを意味する。粘度という用語は指定された材料の特性であって、例えば材料の保形性または硬度などのゲル化の程度、すなわち材料が流体のように流れることに抵抗する程度を決定する特性を意味する。本発明に従うチキソトロピックゲルはポリエステルゲルまたはその混合を含み、水に対して不溶性であり、本発明に従い使用可能な血液成分との間で化学反応を起こさない。典型的なチキソトロピックゲルは、診断およびプロテオミクスを目的とする血球分離に使われる。チキソトロピックゲルは本明細書で「細胞セレクターゲル」とも呼ばれる。本発明では他のゲルを使用してもよい。
【0021】
「ポイントオブケア」という表現は、ベッドサイドで患者に提供されるすべてのサービスを意味する。
【0022】
「静脈切開用付属品」または「静脈穿刺用付属品」という表現は、採血を目的とする針による静脈穿刺を可能にする付属品を意味する。
【0023】
「創傷治癒剤」または「創傷密封材」または「組織治癒剤」または「組織密封材」または「創傷治癒組成物」または「組織治癒組成物」に代わる表現は、「生体接着密封材」または「フィブリン接着剤」である。
【0024】
「創傷治癒剤」または「創傷密封材」または「組織治癒剤」または「組織密封材」または「創傷治癒組成物」または「組織治癒組成物」または「生体接着密封材」または「フィブリン接着剤」という表現は、創傷の瘢痕化による治癒の速度および質またはそのいずれかを促進および増強する(またはそのいずれか)薬剤または組成物を意味する。創傷治癒剤または密封材は組織の再生を促進する。「創傷」という表現は、例えば外傷または手術後などの損傷を受けた組織を意味する。哺乳類における創傷は、例えば褥瘡、潰瘍、裂傷ならびに火傷、移植部位(移植のドナーおよびレシピエント部位)、瘻、歯周組織損傷、糖尿病性難治性創傷、外傷または手術の結果を含む。一般的な意味として、年齢に関係する組織の損傷(例えば皺)および、例えばざ瘡(特に皮膚切除術処置後)または風疹による瘢痕などのある種の瘢痕のように、必ずしも皮膚表面に切り傷はないが、何らかの陥没が存在する皮膚の損傷も、この表現に含むことを意図している。「PRP」という表現は多血小板血漿を意味し、それは好ましくは哺乳類由来またはヒト由来であり、より好ましくは自己由来であり、遠心分離にかけて赤血球を取り除き、未処理の全血と比較し、白血球、血小板、接着タンパク質中の血漿を濃縮するために、本発明の工程により調製される。「自己」または「内因的」または「自原的」という表現は、in-vivoの方法において、単一のドナーの血液、組織、細胞またはそのいずれかが使われ、同じドナーでの使用を意図して、このドナーから血液、組織、および細胞またはそのいずれかが抽出されることを意味する。それに対し、「同種異系」方法では、一以上の第三者から抽出した血液、組織、細胞またはそのいずれかをドナーで使用する(「同種」または「異種」)。自己由来物質では、例えばドナーと患者の間の生物学的または免疫学的な互換性を確認するため、および肝炎、HIV、プリオン、クロイツフェルト・ヤコブ病などの潜在的感染を調べるためのスクリーニングなど、第三者由来の生体材料の使用に伴う一般的な問題の一部を回避できる。「凝固活性化因子」という表現は、例えば酵素など、血漿の凝固および血小板凝集を誘導または活性化する作用因子を意味する。凝固活性化因子はトロンビン活性化因子、フィブリノーゲン活性化因子、トロンビン、自己トロンビン、自己トロンビン血清、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム、またはそのいずれかを含む。組成物の硬化度を変えるために凝固を利用することもできる。
【0025】
「トロンビン活性化因子」という表現は、トロンビンを活性化し、凝固を誘導する作用因子を意味する。典型的なトロンビン活性化因子としては、ナトリウムまたはカルシウムなどの特定の補助因子がある。本発明の実施にあたり、トロンビンの活性化は好ましくはカルシウムイオンの存在化で起きる。カルシウムイオンは通常、塩類溶液として血小板濃厚液に加えられ、最終濃度を通常、血小板濃厚液1 mLに対して約0.1 mg/mLとする。適切なカルシウム塩はCaCO
3、CaSO
4またはCaCl
2を含み、これらに限定されない。本発明で使用する好ましいカルシウム塩はグルコン酸カルシウム(CaGL)である。CaGLはUSP 10%のカルシウムゲル注射剤として入手できる(Regen Lab, Switzerland)。「フィブリノーゲン活性化因子」という表現は、フィブリノーゲンからフィブリンへの変換を活性化し、血塊の形成を誘導する作用因子を意味する。典型的なフィブリノーゲン活性化因子はトロンビンまたはバトロキソビンである。トロンビンという用語は、石灰化したトロンビン、特に、10%グルコン酸カルシウム水溶液1 mLあたり約10単位から約100単位までのトロンビンを含む。石灰化したウシ・トロンビン、同種トロンビン、または遺伝子組換えヒト・トロンビン、好ましくは自己トロンビンを含む。フィブリノーゲン活性化因子は、US 6,472,162に記述されたトロンビン組成物または本発明に従う自己トロンビン血清などの濃縮トロンビン組成物の場合がある。「治療有効量」という表現は、例えば創傷の体積または表面積の削減、コラーゲンの蓄積を促進する顆粒形成組織またはその他の生体材料の量の増加、血管新生、線維芽細胞増殖、または全体的な治癒など、創傷治癒の促進に必要な構成要素の量またはそれらを組み合わせた量を意味する。本明細書に記述する発明のすべてのバージョンは、治療有効量の構成要素またはそれらの組み合わせを有すると想定する。「薬学的に許容可能な担体」という表現は、安定剤、抗菌薬、緩衝剤、アジュバント、麻酔薬、副腎皮質ステロイド、その他同種のものなどの薬学的に許容できる追加成分を意味する。「美容的に許容可能な担体」という表現は、安定剤、緩衝剤、着色剤、調味料、アジュバント、その他同種のものなどの美容的に許容可能な追加成分を意味する。
【0026】
「環状オレフィンコポリマー」(COC)または「環状オレフィンポリマー」(COP)という表現は、非結晶性ポリマー、エチレンコポリマー、COC、COP、シクロオレフィンコポリマー、環状オレフィンエチレンポリマー、エチレンノルボルネンコポリマーを意味する。
COPは1タイプのモノマーを使用するのに対し、COCは複数タイプのモノマーを使用する。
本発明では、複数タイプの環状モノマーおよび重合方法に基づく環状オレフィンコポリマーを含む。本発明の環状オレフィンコポリマーまたはポリマーは、8,9,10-トリノルボルン-2-エン(ノルボルネン)または1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロ-1,4:5,8-ジメタノナフタレンなどの環状モノマーのエテン、Ticona社製TOPAS、三井化学社製APELとの共重合連鎖という方法、またはさまざまな環状モノマーの開環メタセシス重合後に水素を付加させるという方法で(例えば日本合成ゴム社製ARTON、Zeon Chemicals社製ZeonexおよびZeonor)合成できる。
【0027】
「ヒアルロン酸」(ヒアルロナンまたはヒアルロン酸塩とも呼ばれる)という表現は、結合組織、上皮組織、および神経組織に広く分布するアニオンの硫酸化されていないグリコサミノグリカンを意味する。硫酸化されておらず、ゴルジ体ではなく細胞膜中で形成され、分子量がしばしば百万にまで達するほど巨大な場合があるという点で、それはグリコサミノグリカン類の中で特異な存在である。細胞外マトリックスの主要成分の1つとして、ヒアルロナンは細胞の増殖および遊走に多大な影響を与える。
【0028】
「キトサン」という表現は、β-(1-4)-結合したD-グルコサミン(脱アセチル化部分)とN-アセチル-D-グルコサミン(アセチル化部分)がランダムに分布して構成される直鎖多糖を意味する。キトサンは商業的には、甲殻類(カニ、エビ等々)の外骨格および菌類の細胞壁中の構造成分であるキチン質を脱アセチル化して製造される。脱アセチル化(%DD)の程度はNMRスペクトロスコピーで確認できる。市販のキトサンにおける%DDは60〜100%の範囲である。市販のキトサンの平均分子量は3,800〜20,000ダルトンである。よく使われるキトサン合成方法では、反応物として過剰な水酸化ナトリウム、溶媒として水を使い、キチンを脱アセチル化する。この反応経路を完全に実行すると(完全な脱アセチル化)、最高98%の収率を達成できる。キトサンのアミノ基のpKa値は約6.5であり、酸性から中性の溶液中ではプロトン化し、電荷密度はpHおよび%DA値に従い決まる。このため、キトサンは水溶性で生体接着性があり、粘膜などの負に帯電した表面に接着する傾向がある。
キトサンは極性薬物の上皮表面を横断する輸送を促進し、生物適合性および生物分解性がある。
【0029】
一局面において、本発明は以下の段階を含め、トロンビン血清を調製するための工程または方法を提供する。
a)好ましくは、チキソトロピックゲルを含む管に、全血を採取する。
b)トロンビン血清が分離するまで、管を遠心分離にかける。
c)トロンビン血清を集める。
【0030】
血液採取後に凝固反応が始まり、その過程を止める行為を実行しない限り、自然に血塊が形成される。
【0031】
好ましくは、チキソトロピックゲルは管の底面近くに位置する。遠心分離中、赤血球はゲルの下に移動する。その間、フィブリノーゲンの重合が起き、ゲル上に血塊が形成される。十分な力および十分な遠心分離時間またはそのいずれかをかけることにより、この血塊はさらに沈殿してフィブリンメッシュを形成し、濃縮され活性化されたトロンビンを含む血清と呼ばれる液状の上澄みが生じる。トロンビンは凝固を刺激する酵素である。
【0032】
有利には、本発明に従うトロンビン血清を得るために必要なのは、単に全血およびチキソトロピックゲルを含む管を十分な時間、遠心分離にかけるという、わずか2〜3段階の作業である。有利には、本発明に従うトロンビン血清の調製方法は、直ちに使用可能なトロンビン血清を提供する。
【0033】
トロンビン血清は本明細書で、トロンビン濃縮製剤、トロンビン濃縮血清、濃縮活性化トロンビン血清、濃縮活性化トロンビン製剤、トロンビン濃縮活性化血清、トロンビン濃縮活性化製剤とも呼ばれる。
【0034】
別の局面において、本発明は以下の段階を含め、トロンビン血清を調製するための工程または方法を提供する。
a)好ましくはチキソトロピックゲルを含む、好ましくは管に、全血を採取する。
b)赤血球がチキソトロピックゲルの下に移動し、かつ、好ましくはチキソトロピックゲルの上にフィブリンメッシュが形成されるまで、管を遠心分離にかける。
c)上澄みまたはトロンビン血清を集める。
【0035】
本発明の好ましい一実施形態において、遠心分離段階は約1500g の力で約30分間実行される。さらに別の実施形態において、遠視分離段階は約1000gから約2000gまでの間の力で約20分から約40分までの間から選択した時間、好ましくは1500gで約25分から約35分までの間から選択した時間、好ましくは1500gで約30分間、実行される。
【0036】
好ましくは、遠心分離段階はトロンビン血清が分離するまでの十分な時間、実行される。
【0037】
有利には、本発明の方法では、トロンビンが可溶性を維持し、液体血清の保存が可能になる。
【0038】
標準的な方法では、トロンビン血清が分離するまで血塊を粉砕する。有利には、本発明に従うトロンビン血清の調製は、この段階を必要としない。この代替方法により得たトロンビン血清は、本発明の状況におけるトロンビン濃縮製剤としても使用できる。
【0039】
有利には、凝固因子が使用されず、自然に凝固が起きる。その結果、費用の節約および工程の単純化が可能になる。有利には、管内にクエン酸塩が存在しないため、凝固を開始するために凝固剤(凝固回復剤)を必要としない。有利には、エタノール溶液および塩化カルシウムまたはそのいずれかを必要としない。
【0040】
本明細書に記述するトロンビン血清調製のための工程または方法は単純に実行でき、血塊の粉砕を必要としないため、人が存在する時間を短縮でき、古い調製方法よりも経済的に有利である。
【0041】
本発明の状況においてトロンビン濃縮製剤として使われる代替自己トロンビン血清は古い工程で調製され、管に採取した患者の全血検体(例えば10 mL)に95体積%のエタノール溶液(例えば1 mL)および10%塩化カルシウム(例えば1 mL)を加える。次に、その混合液を室温で約30分間、放置して沈殿させる。30分後、ほぼ80%の抗トロンビン(フィブリノーゲンなどの他のタンパク質と共に)が沈殿する。次に、管を約1500gで約8〜10分間、遠心分離にかけ、血小板濃厚液と合わせて使用可能な自己トロンビン血清を得る。
好ましくは、本発明は自己トロンビン血清を調製するための工程または方法を提供する。好ましくは、本発明のすべての局面および実施形態またはそのいずれかが自己由来の用法である。それに応じ、本発明はドナーとレシピエントが同一のヒトまたは動物である完全自己由来のトロンビン血清を調製するための方法を提供する。
【0042】
本発明の一実施形態において、トロンビン血清を調製するための管はガラス製であり、好ましくはポリエステル製チキソトロピックゲルを含むガラス製の分離管である。
非常に好ましい実施形態において、トロンビン血清を調製するための方法において、クエン酸塩を加えずに、本発明に従う管を使用する。
【0043】
別の局面において、本発明は以下の段階を含め、創傷または組織治癒組成物を調製する工程または方法を提供する。
a)好ましくはチキソトロピックゲルを含む、好ましくは管に、全血を採取する。
b)好ましくはトロンビン血清が分離するまで、管を遠心分離にかける。
c)トロンビン血清の上澄みを集める。
d)トロンビン血清をPRP組成物または分離した血小板濃厚液組成物と混合する。
【0044】
別の局面において、本発明は以下の段階を含め、創傷または組織治癒組成物、細胞組成物および細胞製剤またはそのいずれかを調製するための工程または方法を提供する。
a)好ましくはチキソトロピックゲルを含む、好ましくは管に、全血を採取する。
b)好ましくはトロンビン血清が分離するまで、管を遠心分離にかける。
c)トロンビン血清を集める。
d)トロンビン血清をPRP組成物または分離した血小板濃厚液組成物と混合する。
e)段階d) で得た組成物を、細胞抽出物、細胞組成物、TCP、キトサン、ヒアルロン酸、クリーム、クリームマスク、脂肪細胞、脂肪組織、濃縮骨髄液、ラブリシン、cd-ゼラチン、ボツリヌス毒素および幹細胞またはそのいずれかと混合する。
【0045】
一実施形態において、全血を1本以上の管に採取する。本明細書ではその管を分離管と呼ぶことがある。好ましくは、本発明のすべての方法および工程またはそのいずれかにおいて、本発明に従う管を1本以上使用できる。
【0046】
一実施形態において、本発明に従う血液バッグシステムまたは血液採取管器具、またはそのような血液バッグシステムまたは血液採取管器具を含む器具またはキットに採取された全血を、本発明のすべての方法および工程またはそのいずれかに使用できる。
【0047】
本明細書で「空の」管とは、いかなる物質、組成物、またはそれ以外の物も挿入または追加されていない管を意味する。
【0048】
本発明の工程または方法では、本発明に従う1本以上の管を使用できる。
別の局面において、本発明は創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物を調製するための、以下の段階を含む工程または方法を提供する。
a)管に全血を採取する。
b)管を遠心分離にかける。
c)血塊を集める。
【0049】
有利には、創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物を調製するために凝固剤を使用しない。有利には、創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物は、直ちに使用可能な組成物である。そのような組成物は直接、糖尿病性潰瘍に応用できる。
【0050】
好ましくは、創傷治癒剤組成物または組織治癒組剤成物を調製するための工程または方法は、歯科学および整形外科学またはそのいずれかで使用する。
【0051】
別の局面において、本発明は歯科学、整形外科学、関節炎、偽関節炎またはそれ以外で使用するための、血塊を含む創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物を提供する。一実施形態において、血塊を含む創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物は、齲蝕窩、糖尿病性潰瘍、穿孔性潰瘍、糖尿病性穿孔性潰瘍、またはそれ以外に応用される。血塊を含む創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物の投与方法および使用方法も本発明に包含される。
【0052】
一実施形態において、創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物は、好ましくは血塊形成前に、リン酸三カルシウム(TCP)または任意の骨代用材と併用できる。
TCPを含む創傷治癒剤組成物は、好ましくはバイアルで調製する。
【0053】
一実施形態において、創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物は、好ましくは血塊形成前に、ヒアルロン酸(HA)と併用できる。
【0054】
別の局面において、本発明は血小板濃厚液組成物または多血小板血漿組成物を調製するための、以下の段階を含む方法または工程を提供する。
【0055】
a)好ましくはクエン酸ナトリウムおよびチキソトロピックゲルまたはそのいずれかを含む本発明に従う管に全血を採取し、遠心分離にかける。
b)多血小板血漿を集める。
【0056】
遠心分離段階で、血漿から赤血球(RBC)が除去される。上層は多血小板血漿(PRP)、下層は血液凝固を阻止された全血から多血小板血漿が除かれた部分である。
【0057】
好ましくは、遠心分離段階は約1500gから約2000gまでの力で実行される。好ましくは、遠心分離段階には、血小板、リンパ球、単球を含む血漿と赤血球を含むゲルの間に境界を形成するために十分な長さの時間をかける。
【0058】
好ましくは、分離段階b) は前記の境界の上から上澄みを集めることにより行われる。一実施形態において、血小板の少ない血漿を含む上澄みの半分を除去することにより、多血小板血漿を全血漿から分離する。好ましくは、濃縮血漿には、自然状態の全血と比較し、白血球、血小板および接着タンパク質(例えばフィブロネクチン(可溶性タンパク質)またはビトロネクチン(血小板により分泌されるタンパク質))が多い。
【0059】
一実施形態において、多血小板血漿の分離に使用する管として、以下の中からいずれかを選択する。
【0060】
i)ポリエステル製チキソトロピックゲルおよび0.10 Mクエン酸ナトリウム緩衝液を含むガラス製分離管
ii)ポリマー混合液および3.5 mg/mL無水クエン酸ナトリウムにより形成されるチキソトロピック性の高いゲルを含むポリエチレンテレフタレート製分離管
iii)ポルエステル製チキソトロピックゲルおよび0.10 Mクエン酸ナトリウム緩衝液を含む環状オレフィンコポリマー(COC)製または環状オレフィンポリマー(COP)製の分離管
iv)0.10 Mクエン酸ナトリウム緩衝液または3.5 mg/mL無水クエン酸ナトリウムを含む環状オレフィンコポリマー(COC)製または環状オレフィンポリマー(COP)製フィルターが付いた分離管
非常に好ましい実施形態において、血小板濃厚液を分離する方法で、本発明に従う管にクエン酸(例えば0.10 Mクエン酸ナトリウム緩衝液または3.5 mg/mL無水クエン酸ナトリウム)を追加して使用する。
【0061】
別の局面において、本発明は以下の段階を含む創傷治癒剤または組織治癒剤組成物を調製するための方法または工程を提供する。
【0062】
a)好ましくはクエン酸ナトリウムおよびチキソトロピックゲルまたはそのいずれかを含む本発明に従う管に採取された全血を遠心分離にかける。
b)多血小板血漿を集める。
c)多血小板血漿を細胞抽出物、細胞組成物、TCP、キトサン、ヒアルロン酸、クリーム、クリームマスク、脂肪細胞、脂肪組織、濃縮骨髄液、ラブリシン、cd-ゼラチン、ボツリヌス毒素および幹細胞またはそのいずれかと混合する。
別の局面において、本発明は以下を含む創傷治癒剤または組織治癒剤組成物を提供する。
【0063】
a)本発明に従う多血小板血漿または血漿濃縮物
b)TCP、キトサン、ヒアルロン酸、クリーム、クリームマスク、脂肪細胞、脂肪組織、濃縮骨髄液、ラブリシン、cd-ゼラチン、ボツリヌス毒素および幹細胞またはそのいずれか
別の局面において、本発明は以下を含む創傷治癒剤または組織治癒剤組成物を提供する。
【0064】
a)本発明に従うトロンビン血清
b)好ましくは本発明に従う多血小板血漿または血漿濃縮物
c)TCP、キトサン、ヒアルロン酸、クリーム、クリームマスク、脂肪細胞、脂肪組 織、濃縮骨髄液、ラブリシン、cd-ゼラチン、ボツリヌス毒素および幹細胞またはそのいずれか
血塊の形成は多段階の過程またはカスケード式の過程であり、その段階のいくつかでカルシウムイオンの存在を必要とする。クエン酸塩の存在下での採血のように、全血中に存在するカルシウムイオンを除去することにより、血液凝固を防ぐことができる。カルシウム・キレート化剤は血中に存在するカルシウムと反応し、血液凝固におけるカルシウムの機能を阻害する化学物質である。最も一般的なキレート化剤は、血液凝固システムの構成要素に対する副作用が最も少ないクエン酸塩である。採血した血液をクエン酸塩などのカルシウム・キレート化剤を含む溶媒に入れることにより、数時間をかけて検体採取およびその後のクエン酸塩処理した検体の調製を行うことができる。好ましいカルシウム・キレート化剤はクエン酸ナトリウムである。
【0065】
採血および血液の保存に最も頻繁に使われるのは3.5 mg/mLクエン酸ナトリウム採血用溶媒であるが、当業者の間で認知されるように、全血に対するクエン酸ナトリウムの割合の範囲が異なってもかまわない。
【0066】
別の局面において、本発明は以下を含む分離された血小板濃厚液組成物を提供する。
a)血漿
b)細胞数300X10
9 個/L以上の濃度の血小板
c)細胞数7X10
9 個/L以上の濃度の白血球
d)3 mg/L以上の濃度のフィブリノーゲン
および、ここで赤血球濃度は細胞数0.6X10
12 個/L未満である。
多血小板血漿組成物は本明細書で血漿濃縮物組成物とも呼ばれる。
【0067】
一実施形態において、本発明に従う血小板濃厚液組成物または多血小板血漿組成物は、リン酸三カルシウム(TCP)および代替物質またはそのいずれかと併用し、歯科学(10〜30ミクロンのTCP)および整形外科学(50ミクロンのTCP)における容積増大法に使用できる。
【0068】
別の局面において、本発明は創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物を調製するための、以下の段階を含む方法または工程を提供する。
【0069】
a)ヒアルロン酸を含む管に採取された全血を遠心分離にかける。
b)任意選択により、多血小板血漿およびヒアルロン酸を全血漿から分離する。
c)任意選択により、多血小板血漿とヒアルロン酸を混合する。
【0070】
好ましくは、ヒアルロン酸を管に、好ましくは管の底面に入れ、次に、チキソトロピックゲルを、その次に、好ましくはクエン酸ナトリウムである抗凝固剤を入れる(
図16)。
【0071】
好ましくは、分離段階b) は、前記の境界の上から多血小板血漿およびヒアルロン酸を含む上澄みを集めることにより行われる。一実施形態において、多血小板血漿およびヒアルロン酸は、血小板の少ない血漿を含む上澄みの半分を除去することにより分離する。好ましくは、多血小板血漿には、自然状態の全血と比較し、白血球、血小板および接着タンパク質(例えばフィブロネクチン(可溶性タンパク質)またはビトロネクチン(血小板により分泌されるタンパク質))が多い。
【0072】
別の局面において、本発明は以下の段階を含む創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物を調製するための工程または方法を提供する。
a)好ましくは、ヒアルロン酸、チキソトロピックゲルおよび好ましくはクエン酸ナトリウム、またはそのいずれかの血液凝固剤を含む管に全血を採取する。
b)好ましくは赤血球がチキソトロピックゲルの下に移動し、好ましくはヒアルロン酸が濃縮血漿の上に移動するまで、管を遠心分離にかける。
c)任意選択により、好ましくは管を逆さにして、ヒアルロン酸と濃縮血漿を混合する。
d)ヒアルロン酸および濃縮血漿を含む上澄みを集める。
e)任意選択により、前記のヒアルロン酸と前記の濃縮血漿をさらに混合する。
【0073】
別の局面において、本発明は以下の段階を含め、創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物を調製するための工程または方法を提供する。
a)好ましくは、ヒアルロン酸、チキソトロピックゲルおよび好ましくはクエン酸ナトリウム、またはそのいずれかの抗凝固剤を含む管に全血を採取する。
b)好ましくは、管の上面からの第1層としてヒアルロン酸の層、次に、濃縮血漿またはPRPで構成される第2層が形成されるまで、管を遠心分離にかける。
c)任意選択により、好ましくは管を逆さにして、ヒアルロン酸と濃縮血漿を混合する。
d)ヒアルロン酸および濃縮血漿を含む上澄みを集める。
e)任意選択により、前記のヒアルロン酸と前記の濃縮血漿をさらに混合する。
【0074】
遠心分離段階で、血漿から赤血球(RBC)が除去される。遠心分離後、最上層は下に多血小板血漿(PRP)が存在するヒアルロン酸の層であり、次にチキソトロピックゲル、最下層は赤血球を含む血液凝固を阻止された全血から多血小板血漿が除かれた部分である(
図16)。遠心分離中に、ヒアルロン酸は血漿の上に移動する(
図16)。
【0075】
好ましくは、管は約1 mLから約2 mLのヒアルロン酸、約2gの細胞選別剤すなわちチキソトロピックゲル、および約1mLの0.109Mクエン酸ナトリウムを含む。
ヒアルロン酸およびPRPを含む創傷治癒剤組成物を調製するための方法の概略図を
図16に示す。
【0076】
好ましくは、多血小板血漿とヒアルロン酸は、単純に管を逆さにして混合する。
有利には、多血小板血漿とヒアルロン酸を混合すると、ヒアルロン酸が血漿および細胞により膨張し、拡大する。
有利には、その結果として得られる創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物は、直ちに使用可能な組成物である。有利には、その創傷治癒剤結果として得られる組成物または組織治癒剤組成物は、注入に適した粘着性ゲルまたは生物学的接着剤であり、例えば機械的支持構造または充填剤として使用できる。
【0077】
有利には、創傷治癒剤組成物、組織治癒剤組成物または粘着性ゲルを調製するための方法または工程は、経済的、単純、かつ迅速である。
【0078】
好ましくは、赤血球がチキソトロピックゲルの下に移動し、好ましくはヒアルロン酸が濃縮血漿の上に移動するまでの十分な長さの時間、管を遠心分離にかける。
【0079】
好ましい一実施形態において、遠心分離段階は約1500gの力で、約5分間実行される。さらに別の実施形態において、遠心分離段階は約1000gから約2000gまでの間の力で、約3分間から約7分間の間で選択した時間、実行され、好ましくは、1500gで、約3分間から約7分間の間で選択された時間、実行される。
【0080】
別の局面において、本発明はヒアルロン酸および抗凝固剤を含む管を提供する。本発明の別の局面において、本発明はヒアルロン酸、抗凝固剤および全血を含む管を提供する。好ましくは、抗凝固剤はクエン酸ナトリウムである。
【0081】
別の局面において、本発明はヒアルロン酸および細胞選別ゲルを含む管を提供する。別の局面において、本発明はヒアルロン酸、細胞選別ゲル、および全血を含む管を提供する。好ましくは、細胞選別ゲルはチキソトロピックゲルである。
別の局面において、本発明はヒアルロン酸、抗凝固剤および細胞選別ゲルを含む管を提供する。別の局面において、本発明はヒアルロン酸、抗凝固剤、細胞選別ゲルおよび全血を含む管を提供する。好ましくは、抗凝固剤はクエン酸ナトリウムである。好ましくは、細胞選別ゲルはチキソトロピックゲルである。好ましくは、ヒアルロン酸は管の底面に位置し、次にチキソトロピックゲル、その上に、好ましくはクエン酸ナトリウムである抗凝固剤が位置する(
図16)。
【0082】
別の局面において、本発明はヒアルロン酸およびPRPを含む管を提供する。別の局面において、本発明はヒアルロン酸、PRPおよび細胞選別ゲルを含む管を提供する。別の局面において、本発明はヒアルロン酸、PRPおよび抗凝固剤を含む管を提供する。別の局面において、本発明はヒアルロン酸、PRP、抗凝固剤および細胞選別ゲルを含む管を提供する。好ましくは、抗凝固剤はクエン酸ナトリウムである。好ましくは、細胞選別ゲルはチキソトロピックゲルである。
【0083】
好ましくは、本発明に従う管は、本発明に従う方法または工程で使用される。
【0084】
別の局面において、本発明はヒアルロン酸およびPRPを含む組成物を提供する。別の局面において、本発明はヒアルロン酸およびPRPを含む組成物を提供し、その組成物は本発明に従い創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物を調製するための方法により得る。
【0085】
別の局面において、本発明は本発明に従う管を含むキットまたは医療機器を提供する。
【0086】
さらに別の実施形態において、本発明は創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物を調製するために使用可能な管を提供し、それは以下の中から選択する。
【0087】
i)ポリエステル製チキソトロピックゲル、0.10 Mクエン酸ナトリウム緩衝液およびヒアルロン酸を含むガラス製分離管
ii)ポリマー混合液、3.5 mg/mL無水クエン酸ナトリウムおよびヒアルロン酸により形成されるチキソトロピック性の高いゲルを含むポリエチレンテレフタレート製分離管
iii)ポリエステル製チキソトロピックゲル、0.10 Mクエン酸ナトリウム緩衝液およびヒアルロン酸を含む環状オレフィンコポリマー(COC)製または環状オレフィンポリマー(COP)製の分離管
iv)ヒアルロン酸および0.10 Mクエン酸ナトリウム緩衝液または3.5 mg/mL無水クエン酸ナトリウムを含む環状オレフィンコポリマー(COC)製または環状オレフィンポリマー(COP)製フィルターが付いた分離管
さらなる好ましい実施形態において、本発明は本発明に従う管を提供し、それは創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物を調製するために使用され、それらはさらにクエン酸塩およびヒアルロン酸を含む(例えばヒアルロン酸および0.10 Mクエン酸ナトリウム緩衝液または3.5 mg/mL無水クエン酸ナトリウム)。
【0088】
好ましくは、フタレートはヒトには使用しない。
【0089】
代替方法として、ヒルジン、ベンジルスルホニル-d-Arg-Pro-4-アミジノベンジルアミド(BAPA)、ヘパリン、クエン酸塩、酸性クエン酸デキストロース(ACD)、クエン酸-テオフィリン-アデノシン-ジピリダモール(CTAD)またはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)カリウム塩を抗凝固剤として使用してもかまわない。
【0090】
別の局面において、本発明は以下を含む創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物を提供する。
a)血漿
b)細胞数300X10
9 個/L以上の濃度の血小板
c)細胞数7X10
9 個/L以上の濃度の白血球
d)3 mg/L以上の濃度のフィブリノーゲン
e)約1 mLから約2 mLのヒアルロン酸
および、ここで赤血球濃度は細胞数0.6X10
12 個/L未満である。
【0091】
一実施形態において、本発明に従う創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物は、リン酸三カルシウム(TCP)および代替物質またはそのいずれかと併用し、歯科学(10〜30ミクロンのTCP)および整形外科学(50ミクロンのTCP)における容積増大法に使用できる。
【0092】
一実施形態において、本発明に従う創傷治癒剤組成物、組織治癒剤組成物、止血剤、血小板濃厚液組成物、多血小板血漿組成物は、血液採取管中でヒアルロン酸と組み合わせることができる。
【0093】
別の局面において、本発明は止血剤、創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物を調製するための工程または方法を提供し、それに含まれる段階として、トロンビン血清または本発明に従うトロンビン血清を、多血小板血漿組成物、創傷治癒組成物または組織治癒組成物と混合する。
【0094】
別の局面において、本発明は以下を含む創傷治癒剤組成物、組織治癒剤組成物または止血剤を調製するための工程または方法を提供する。
【0095】
a)血小板濃厚液または本発明の血小板濃厚液を提供する。
b)血小板濃厚液を凝固活性化因子、トロンビン血清または本発明に従うトロンビン血清と混合する。
c)任意選択により、角化細胞、骨髄、線維芽細胞、骨膜または角膜細胞、メラニン細胞およびランゲルハンス細胞、脂肪細胞、筋芽細胞および筋衛星細胞などの筋細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、血液前駆細胞、臍帯細胞、間葉系幹細胞(MSC)、脂肪前駆細胞、内皮前駆細胞、シュワン細胞、アキレス腱細胞の抽出物などの細胞抽出物を混合する。
【0096】
好ましくは、自己血小板濃厚液、自己トロンビンおよび自己細胞抽出物またはそのいずれかを使用する。さらに好ましくは、自己血小板濃厚液および自己トロンビンおよび自己細胞抽出物を使用する。好ましくは、本発明に従う管を使用する。
【0097】
別の局面において、本発明は以下を含む創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物または止血剤を調製するための工程または方法を提供する。
【0098】
a)本発明の任意の局面に従い、血小板濃厚液を自己トロンビン血清と混合する。
b)任意選択により、角化細胞、骨髄、線維芽細胞、骨膜または角膜細胞、メラニン細胞およびランゲルハンス細胞、脂肪細胞、筋芽細胞および筋衛星細胞などの筋細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、血液前駆細胞、臍帯細胞、間葉系幹細胞(MSC)、脂肪前駆細胞、内皮前駆細胞、シュワン細胞、アキレス腱細胞の抽出物などの自己細胞抽出物を一以上、混合する。
【0099】
別の局面において、本発明は以下を含む創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物または止血剤を調製するための工程または方法を提供する。
【0100】
a)自己血小板濃厚液をトロンビン血清と混合する。自己血小板濃厚液およびトロンビン血清またはそのいずれかは、本発明に従う管を使い調製する。
b)任意選択により、角化細胞、骨髄、線維芽細胞、骨膜または角膜細胞、メラニン細胞およびランゲルハンス細胞、脂肪細胞、筋芽細胞および筋衛星細胞などの筋細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、血液前駆細胞、臍帯細胞、間葉系幹細胞(MSC)、脂肪前駆細胞、内皮前駆細胞、シュワン細胞、アキレス腱細胞の抽出物などの自己細胞抽出物を一以上、混合する。
【0101】
別の局面において、本発明は以下を含む創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物または止血剤を調製するための工程または方法を提供する。
【0102】
a)血小板濃厚液、好ましくは本発明に従う自己血小板濃厚液を提供する。
b)血小板濃厚液をトロンビン血清、好ましくは本発明に従う自己トロンビンと混合する。
c)任意選択により、角化細胞、骨髄、線維芽細胞、骨膜または角膜細胞、メラニン細胞およびランゲルハンス細胞、脂肪細胞、筋芽細胞および筋衛星細胞などの筋細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、血液前駆細胞、臍帯細胞、間葉系幹細胞(MSC)、脂肪前駆細胞、内皮前駆細胞、シュワン細胞、アキレス腱細胞の抽出物などの細胞抽出物、好ましくは自己細胞抽出物を一以上、混合する。
【0103】
好ましくは、本発明は自己の創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物または止血剤を調製するための方法または工程を提供する。本明細書において自己の創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物または止血剤とは、血小板濃厚液またはトロンビン血清のいずれかが自己由来である組成物を意味する。
【0104】
非常に好ましい局面において、本発明は完全に自己の創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物または止血剤を調製するための方法または工程を提供する。本明細書において完全に自己の創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物または止血剤とは、血小板濃厚液またはトロンビン血清の両方が自己由来である組成物を意味する。この好ましい発明の局面では、創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物または止血剤の血液成分すべてが、創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物または止血剤の使用対象である同一の患者または動物に由来する。
【0105】
別の局面において、本発明は一以上の自己細胞抽出物と組み合わせ、完全に自己の創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物または止血剤を調製するための方法または工程を提供する。この局面において、血小板濃厚液、トロンビン血清および細胞抽出物はすべて自己由来であり、従って、すべてが同一の患者または動物に由来する。
【0106】
別の局面において、本発明は以下を含む自己の創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物または止血剤を調製するための工程または方法を提供する。
【0107】
a)自己血小板濃厚液、好ましくは本発明に従う自己血小板濃厚液を、自己トロンビン血清、好ましくは本発明に従う自己トロンビンと混合する。
【0108】
b)任意選択により、角化細胞、骨髄、線維芽細胞、骨膜または角膜細胞、メラニン細胞およびランゲルハンス細胞、脂肪細胞、筋芽細胞および筋衛星細胞などの筋細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、血液前駆細胞、臍帯細胞、間葉系幹細胞(MSC)、脂肪前駆細胞、内皮前駆細胞、シュワン細胞、アキレス腱細胞の抽出物などの細胞抽出物を一以上、混合する。
【0109】
ここで、自己血小板濃厚液および自己トロンビンの両方が、同一患者または同一動物に由来する。
【0110】
別の局面において、本発明は以下を含む自己創傷治癒剤組成物または自己組織治癒剤組成物または自己止血剤を調製するための工程または方法を提供する。
【0111】
a)自己血小板濃厚液、好ましくは本発明に従う自己血小板濃厚液を、自己トロンビン血清、好ましくは本発明に従う自己トロンビンと混合する。
b)任意選択により、角化細胞、骨髄、線維芽細胞、骨膜または角膜細胞、メラニン細胞およびランゲルハンス細胞、脂肪細胞、筋芽細胞および筋衛星細胞などの筋細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、血液前駆細胞、臍帯細胞、間葉系幹細胞(MSC)、脂肪前駆細胞、内皮前駆細胞、シュワン細胞、アキレス腱細胞の抽出物などの自己細胞抽出物を一以上、混合する。
【0112】
ここで、自己血小板濃厚液、自己トロンビンおよび自己細胞抽出物のすべてが、同一患者または同一動物に由来する。
【0113】
本発明の多血小板血漿、自己多血小板血漿、トロンビン血清、自己トロンビン血清、創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物または止血剤は、一以上の細胞抽出物と併用できる。一実施形態において、細胞抽出物は角化細胞、骨髄、線維芽細胞、骨膜または角膜細胞、メラニン細胞およびランゲルハンス細胞、脂肪細胞、筋芽細胞および筋衛星細胞などの筋細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、血液前駆細胞、臍帯細胞、間葉系幹細胞(MSC)、脂肪前駆細胞、内皮前駆細胞、シュワン細胞、アキレス腱細胞から選択される。
【0114】
本発明の創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物または止血剤は、細胞の再生を刺激し、組織接着を促進するための生物学的接着剤として作用する。
一実施形態において、トロンビン血清に代わり、塩化カルシウムなどの代替凝固活性化因子、好ましくはグルコン酸カルシウムを使用できる。
【0115】
一実施形態において、複数の凝固活性化因子、好ましくはトロンビン血清とグルコン酸カルシウムを併用できる。
【0116】
好ましくは、凝固活性化因子またはトロンビン血清は、約10:1から約10:3の容量比(血小板濃厚液:凝固活性化因子)で血小板濃厚液と混合される。
本発明の好ましい実施形態において、液体血清は多血小板血漿に対し、1:1、3:1または10:1の比で採取される。使用する特定の比により、止血剤の硬化度が変化する。3:1の比で強い止血剤が得られる。10:1の比では、それよりも柔らかい止血剤が得られる。
【0117】
一実施形態において、PRPもしくは血漿濃縮物は単独で、または細胞抽出物および本発明の製剤もしくは組成物と併用し、浸液無細胞マトリックスと組み合わせ、または一体化し、創傷に直接塗布するか、または実験室で培養した後に塗布することができる。例えばIntegraマトリックスなどのコラーゲンマトリックスまたは合成マトリックスを使用してもよい。
【0118】
別の実施形態では、ヒト由来遺伝子組換え型トロンボプラスチンと多血小板血漿を直接混合し、創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物または止血剤を形成することを想定している。代替方法として、ヒト由来遺伝子組換え型トロンボプラスチンを使い、血漿の一部でトロンビンを生成した後、生成されたトロンビンを多血小板血漿と組み合わせ、創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物または止血剤を形成する。
一実施形態において、使用する管は湿潤可能な表面(シリカ、珪藻土、カオリンなど)または湿潤不可能な表面(プラスチック、シリコン処理したガラスなど)を持つ。表面は血液凝固の活性化において役割を果たすため、選択される分離管の表面は、血塊の迅速な形成と遅い形成のどちらが望ましいかにより決まる。血塊形成を促進するために、カオリンなどの化学活性化因子を使用してもよい。ただし、後にそれらを除去する必要がある。
有利には、本発明の多血小板血漿、血小板濃厚液、トロンビン血清、創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物または止血剤の調製は、エタノールおよびカルシウムまたはそのいずれかの存在を必要としない。本発明に従う自己トロンビンを使用することにより、本発明では血塊形成過程を回復する必要がない。その結果、抗凝固剤の効果を逆転させる(クエン酸塩処理した血液の凝固活性を回復させる)ために、塩化カルシウムまたはグルコン酸カルシウムなどの薬剤(または回復剤)を必要としない。
回復剤として使用するカルシウム塩としてよく知られているのは塩化カルシウムであるが、塩化カルシウムと同様の機能を持つ任意のカルシウム塩を回復剤として考慮してもよい。同様に、現在、多数の血液凝固反応が補助因子としてカルシウムイオンを必要とすると考えられているが、これらの凝固反応の促進という点で、カルシウムと機能上同等であることが判明しているか、または後に同等であると判明する任意の物質を、単独で、またはカルシウムと併用して、回復剤と見なすことができる。使用する抗凝固剤がヘパリンの場合は、抗凝固剤の効果を逆転するために、ヘパリナーゼが回復剤として使われる。
【0119】
有利には、本発明は、ウシ由来トロンビンおよびヒト由来遺伝子組み換えトロンビンの使用に伴う危険性が排除された多血小板血漿、血小板濃厚液、トロンビン血清、創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物または止血剤を提供する。
【0120】
有利には、本発明の方法により、より高濃度のPRP、増殖因子、白血球、フィブリノーゲンおよび他のタンパク質またはそのいずれかが得られる。有利には、通常の血液学的レベルと比較し、2倍の濃度のPRP、増殖因子、白血球、フィブリノーゲンおよび他のタンパク質またはそのいずれかが得られる。
【0121】
有利には、本発明の方法は、細胞増殖のための最適な細胞生産性を付与する。
【0122】
有利には、本発明の方法により、血液採取から血液の操作、患者への投与または注入までの全工程を通じ、完全に閉じた回路で血液を操作できる。従って、血液と空気の直接の接触を避けるために、すべての器具とキットが、完全に閉じた回路内での操作に適合している。
【0123】
有利には、本発明の方法は、酸化ストレスを軽減し、生体外での操作時間を短縮する。
【0124】
有利には、本発明の方法により、凝集した血小板および活性化され重合したフィブリノーゲンで構成される固体で、縫合可能な自己由来の膜を形成することができる。
【0125】
本発明の製剤(例えば骨髄細胞製剤)は単独で使用するか、または本発明に従う血小板濃厚液と混合するか、またはグルコン酸カルシウムと共に再び遠心分離にかけ、縫合可能な膜を形成し、アプリケーターを使い、患者の損傷部位に塗布または注入することができる。
【0126】
本発明に従う骨髄細胞製剤は、骨欠損または軟骨欠損の治療に有用である。骨髄細胞製剤は単独で使用するか、または本発明に従う血小板濃厚液と併用できる。軟骨用の膜はグルコン酸カルシウムと併用してもよい。
【0127】
本発明の好ましい一実施形態において、遠心分離段階(例えば縫合可能な膜を得るための)は約3000gの力で、15〜25分間、実行される。一実施形態において、遠心分離段階は約2500gから約3500gの間の力で、約10分間から約30分間の長さから選択される時間、実行される。
【0128】
本発明の一実施形態において、ヒトまたは動物から全血を採取する。本発明の好ましい実施形態はヒトからの全血の採取である。
【0129】
別の局面において、本発明は以下を含め、本発明に従い調製される創傷もしくは組織治癒剤組成物または止血剤を提供する。
【0130】
a)血漿
b)細胞数300X10
9 個/L以上の濃度の血小板
c)細胞数7X10
9 個/L以上の濃度の白血球
d)3 mg/L以上の濃度のフィブリノーゲン
e)凝固活性化因子、自己トロンビン血清または本発明に従う自己トロンビン血清
f)任意選択により、角化細胞、骨髄細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、線維芽細胞、骨膜または角膜細胞、メラニン細胞およびランゲルハンス細胞、脂肪細胞、筋芽細胞および筋衛星細胞などの筋細胞、臍帯細胞、間葉系幹細胞(MSC)、脂肪前駆細胞、内皮前駆細胞、シュワン細胞、アキレス腱細胞または膵島細胞の抽出物などの自己細胞抽出物
および、ここで赤血球濃度は細胞数0.6X10
12 個/L未満である。
【0131】
別の局面において、本発明は以下を含む創傷もしくは組織治癒剤組成物または止血剤を提供する。
【0132】
a)血漿
b)細胞数300X10
9 個/L以上の濃度の血小板
c)細胞数7X10
9 個/L以上の濃度の白血球
d)3 mg/L以上の濃度のフィブリノーゲン
e)本発明に従う自己トロンビン血清
f)任意選択により、角化細胞、骨髄細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、線維芽細胞、骨膜または角膜細胞、メラニン細胞およびランゲルハンス細胞、脂肪細胞、筋芽細胞および筋衛星細胞などの筋細胞、臍帯細胞、間葉系幹細胞(MSC)、脂肪前駆細胞、内皮前駆細胞、シュワン細胞、アキレス腱細胞または膵島細胞の抽出物などの自己細胞抽出物
および、ここで赤血球濃度は細胞数0.6X10
12 個/L未満である。
【0133】
好ましくは、凝固活性化因子または自己トロンビン血清は、約10:1から約10:3の容量比(血小板濃厚液:凝固活性化因子)で血小板濃厚液と混合される。
有利には、本発明の血漿は既知の細胞培養液よりも優れた理想的な細胞培養液である。有利には、本発明の血漿は細胞の輸送のための理想的な媒体である。それに応じ、本発明の血漿は最適な細胞の増殖および生存のためのすべての細胞および増殖因子を含む。
【0134】
従って、本発明の血漿は、患者への細胞移植における例えば手術創などの非局所的適用、老化防止のための注射、関節内注射、筋肉内注射、または膵臓再生(膵島)のために非常に適した媒体である。
【0135】
別の局面において、本発明は、本発明に従う血小板濃厚液組成物または多血小板血漿組成物または止血剤または創傷もしくは組織治癒剤組成物または自己トロンビン血清を調製するための器具を提供する。
【0136】
別の局面において、本発明は、本発明に従う1本以上の管を含む器具を提供する。
好ましくは、その器具は前記の全血を導入するための導入口を備え、全血検体の吸引を意図して減圧下に置かれ、滅菌され、使用可能な真空容量は約8 mLから10 mLであり、遠心分離に適している。
【0137】
別の局面において、本発明は創傷治癒、骨もしくは歯周組織の成長、骨もしくは組織の再生のための薬物を製造するための、本発明に従う血小板濃厚液組成物または多血小板血漿組成物または止血剤または創傷もしくは組織治癒剤組成物またはトロンビン血清の用途を提供する。
【0138】
別の局面において、本発明は老化防止剤または瘢痕修復剤、皺の充填もしくは修復剤などの皮膚修復剤として使用する美容用製剤を製造するための、本発明に従う血小板濃厚液組成物または多血小板血漿組成物または止血剤または創傷もしくは組織治癒剤組成物またはトロンビン血清の用途を提供する。
【0139】
別の局面において、本発明は美容製剤、審美製剤、老化防止、容積増大法、皺充填剤、シミの削減または育毛剤として使用するための、本発明に従う血小板濃厚液組成物または多血小板血漿組成物または止血剤または創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物またはトロンビン血清を提供する。一実施形態において、本発明に従う血小板濃厚液組成物または多血小板血漿組成物または止血剤または創傷治癒剤組成物または組織治癒剤組成物は、目、唇、まぶた、顔、首、胸、頭皮、髪、手および残りの全身または男女の性器とその周囲に投与される。
別の局面において、本発明は靱帯および軟骨またはそのいずれかの再構成に使用するための、本発明に従う血小板濃厚液組成物または多血小板血漿組成物または止血剤、または創傷もしくは組織治癒剤組成物、またはトロンビン血清を提供する。有利には、本発明の組成物を使用する靱帯および軟骨またはそのいずれかの再構成に要する時間は、既知の方法と比較し、2分の1または3分の1である。
【0140】
一実施形態において、美容製剤および審美製剤またはそのいずれかは美容剤、美容クリーム、美容マスクと併用される。
別の局面において、本発明は、本発明に従う血小板濃厚液組成物または多血小板血漿組成物または止血剤または創傷もしくは組織治癒剤組成物またはトロンビン血清および薬学的に許容可能な基剤を含む医薬品組成物を提供する。
【0141】
別の局面において、本発明は、本発明に従う血小板濃厚液組成物または多血小板血漿組成物または止血剤または創傷もしくは組織治癒剤組成物またはトロンビン血清および美容的に許容可能な基剤を含む美容組成物を提供する。
【0142】
別の局面において、本発明は以下を含む組織再生で使用するための植え込み型の器具を提供する。
a)本発明に従う血小板濃厚液組成物または多血小板血漿組成物または止血剤または創傷治癒剤組成物を含み、任意選択によりヒアルロン酸と併用する透過性のコア。
b)任意選択により、前記のコアを囲む被覆層。この被覆層は生体適合材料、好ましくは生体吸収性材料、好ましくはヒアルロン酸を含む。
【0143】
別の局面において、本発明は、本発明に従う1本以上の管を含むキットを提供する。
【0144】
別の局面において、本発明は、本発明に従う血小板濃厚液を調製するための管および本発明に従うトロンビン血清またはそのいずれかを調製するための管を含むキットを提供する。
【0145】
別の局面において、本発明は、本発明に従う血小板濃厚液組成物または多血小板血漿組成物または止血剤または創傷もしくは組織治癒剤組成物またはトロンビン血清を調製するための1本以上の管を含むキットを提供する。
【0146】
一実施形態において、そのキットはさらに、本発明に従う血小板濃厚液組成物または多血小板血漿組成物または止血剤または創傷もしくは組織治癒剤組成物またはトロンビン血清を調製するための1本以上の管を含む。
【0147】
一実施形態において、そのキットはさらに、創傷または組織治癒剤を調製するための静脈切開術付属品および本発明に従う血小板濃厚液組成物または多血小板血漿組成物または止血剤または創傷もしくは組織治癒剤組成物またはトロンビン血清を創傷上に同時に投与するためのアプリケーター(例えば2本のシリンジが付いた器具)を含む。
【0148】
一実施形態において、キットは組織再生に適合している。
【0149】
別の局面において、本発明は以下を含め、ヒトまたは動物の創傷治癒または組織治癒、創傷または組織の密封、組織または骨の再生を促進するための方法を提供する。
【0150】
a)本発明に従う創傷治癒剤もしくは組織治癒剤組成物または止血剤を提供する。
b)創傷、損傷を受けた組織または損傷を受けた骨に、治療有効量の創傷もしくは組織治癒剤または止血剤を投与する。
別の局面において、本発明は以下を含む治療法を提供する。
【0151】
a)本発明に従う創傷治癒剤もしくは組織治癒剤組成物または止血剤を提供する。
b)創傷、損傷を受けた組織または損傷を受けた骨に、治療有効量の創傷もしくは組織治癒剤または止血剤を投与する。
【0152】
別の局面において、本発明は以下を含め、歯周疾患またはその他の歯周組織再生を必要とする疾患に罹患した哺乳類の創傷または歯周疾患において歯周組織再生を誘導するための方法を提供する。
【0153】
a)本発明に従う創傷もしくは組織治癒剤または止血剤を提供する。
b)創傷または損傷または歯周疾患または窩洞に、治療有効量の創傷もしくは組織治癒剤組成物または止血剤を投与する。
c)任意選択により、歯周バリアを挿入する。
d)創傷または組織を密封する。
好ましくは、バリアを歯肉組織とa) およびb) 段階に従い治療する創傷または組織の間に挿入する。一実施形態において、バリアは生体膜、生物分解可能ポリマーおよび生体適合多孔性材料、またはそのいずれかの中から選択される。
【0154】
生体膜はPRPおよび10%グルコン酸カルシウムを、それぞれ30対70または50対50の比で混合することにより得られる。遠心分離は約30分間実行する。
【0155】
別の局面において、本発明は以下を含め、ヒトまたは動物の瘢痕または皺における皮膚再生を促進するための方法を提供する。
【0156】
a)本発明に従う創傷もしくは組織治癒剤または止血剤を提供する。
b)前記の創傷もしくは組織治癒剤または止血剤で皮膚の瘢痕または皺を充填する。
【0157】
別の局面において、本発明は以下の段階を含め、細胞組成物を調製するための工程を提供する。
【0158】
a)本発明に従う管に採取した全血を遠心分離にかける。
b)任意選択により、多血小板血漿を全血漿から分離する。
c)濃縮血漿を再懸濁する。
d)角化細胞、線維芽細胞、メラニン細胞およびランゲルハンス細胞、脂肪細胞、骨髄細胞、筋芽細胞および筋衛星細胞などの筋細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、骨膜細胞、角膜細胞、臍帯細胞、間葉系幹細胞(MSC)、脂肪前駆細胞、内皮前駆細胞、シュワン細胞、アキレス腱細胞または膵島細胞などの皮膚細胞の抽出物などの細胞抽出物を提供する。
e)c) 段階で得た血小板濃厚液をd) 段階で得た細胞抽出物と混合する。
【0159】
好ましくは、遠心分離段階は約1500gから約2000gまでの力で実行する。好ましくは、血小板、白血球および単球を含む血漿と赤血球を含む細胞塊の間に境界が生じるために十分な長さの時間、遠心分離を実行する。
【0160】
好ましくは、分離段階b) は前記の境界の上から上澄みを集めることにより行われる。
一実施形態において、多血小板血漿は血小板の少ない血漿を含む上澄みの半分を除去することにより、多血小板血漿を全血漿から分離する。好ましくは、濃縮血漿には、元の全血と比較し、白血球、血小板および接着タンパク質(例えばフィブロネクチン)が多い。
【0161】
別の局面において、本発明は以下の段階を含め、創傷または組織治癒組成物を調製するための工程を提供する。
【0162】
a)本発明に従う管または分離管に採取した全血を遠心分離にかける。
b)任意選択により、多血小板血漿を全血漿から分離する。
c)濃縮血漿を再懸濁する。
d)c) 段階で得た血小板濃厚液を凝固活性化因子、トロンビン血清、自己トロンビン血清または本発明に従う自己トロンビン血清と混合する。
e)角化細胞、線維芽細胞、メラニン細胞およびランゲルハンス細胞、脂肪細胞、骨髄細胞、筋芽細胞および筋衛星細胞などの筋細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、骨膜細胞、角膜細胞、臍帯細胞、間葉系幹細胞(MSC)、脂肪前駆細胞、内皮前駆細胞、シュワン細胞、アキレス腱細胞または膵島細胞などの皮膚細胞の抽出物などの細胞抽出物を提供する。
f)d) 段階で得た血小板濃厚液混合液をe) で得た細胞抽出物と混合する。
好ましくは、遠心分離段階は約1500gから約2000gまでの力で実行する。好ましくは、血小板、白血球および単球を含む血漿と赤血球を含む細胞塊の間に境界が生じるために十分な長さの時間、遠心分離を実行する。
【0163】
好ましくは、分離段階b) は前記の境界の上から上澄みを集めることにより行われる。一実施形態において、多血小板血漿は血小板の少ない血漿を含む上澄みの半分を除去することにより、多血小板血漿を全血漿から分離する。好ましくは、濃縮血漿には、元の全血と比較し、白血球、血小板および接着タンパク質(例えばフィブロネクチン)が多い。
好ましくは、凝固活性化因子または自己トロンビン血清の容量比は、約10:1から約10:3(血小板濃厚液:凝固活性化因子)である。
【0164】
別の局面において、本発明は以下を含む本発明に従い調製された単離細胞組成物を提供する。
【0165】
a)血漿
b)細胞数300X10
9 個/L以上の濃度の血小板
c)細胞数7X10
9 個/L以上の濃度の白血球
d)3 mg/L以上の濃度のフィブリノーゲン
e)角化細胞、線維芽細胞、メラニン細胞およびランゲルハンス細胞、脂肪細胞、骨髄細胞、筋芽細胞および筋衛星細胞などの筋細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、骨膜細胞、角膜細胞、臍帯細胞、間葉系幹細胞(MSC)、脂肪前駆細胞、内皮前駆細胞、シュワン細胞、アキレス腱細胞または膵島細胞などの皮膚細胞の抽出物などの細胞抽出物を提供する。
【0166】
好ましくは、それらの細胞の血漿または濃縮血漿中での濃度は細胞数約10
5個から約10
6個/mL、および赤血球濃度は細胞数0.6X10
12個/L未満である。
【0167】
別の局面において、本発明は以下を含む本発明に従い調製された単離細胞組成物を提供する。
【0168】
a)血漿
b)細胞数300X10
9 個/L以上の濃度の血小板
c)細胞数7X10
9 個/L以上の濃度の白血球
d)3 mg/L以上の濃度のフィブリノーゲン
e)凝固活性化因子、トロンビン血清、自己トロンビン血清または本発明に従う自己トロンビン血清
f)角化細胞、線維芽細胞、メラニン細胞およびランゲルハンス細胞、脂肪細胞、骨髄細胞、筋芽細胞および筋衛星細胞などの筋細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、骨膜細胞、角膜細胞、臍帯細胞、間葉系幹細胞(MSC)、脂肪前駆細胞、内皮前駆細胞、シュワン細胞、アキレス腱細胞または膵島細胞などの皮膚細胞の抽出物などの細胞抽出物を提供する。
【0169】
好ましくは、凝固活性化因子または自己トロンビン血清の容量比は、約10:1から約10:3(血小板濃厚液:凝固活性化因子)である。
【0170】
好ましくは、それらの細胞の血漿または濃縮血漿中での濃度は細胞数約10
5個から約10
6個/mL、および赤血球濃度は細胞数0.6X10
12個/L未満である。
別の局面において、本発明は、本発明に従う単離細胞組成物を含む創傷もしくは組織治癒組成物または止血剤を提供する。
【0171】
別の局面において、本発明は以下を含め、ヒトまたは動物の組織、軟骨、骨、神経またはそのいずれかの創傷または組織の治癒、密封、再生を促進するための方法を提供する。
【0172】
a)本発明に従う創傷もしくは組織治癒組成物、止血剤または細胞組成物を提供する。
b)創傷、損傷を受けた組織または損傷を受けた軟骨または損傷を受けた骨に、治療有効量の創傷もしくは組織治癒組成物、止血剤または細胞組成物を投与する。
別の局面において、本発明は以下を含め、脂肪組織の再生を必要とする皮膚脂肪移植片または他の病状を有する哺乳類において脂肪組織容積を増大させる方法を提供する。
【0173】
a)本発明に従う脂肪細胞組成物を提供する。
b)脂肪組織の再生を必要とする皮膚脂肪組織片または脂肪組織に、本発明に従うPRPまたは血漿濃縮物と共に、治療または美容上の有効量の脂肪細胞組成物を投与する。
c)任意選択により、皮弁またはインプラントを挿入する。皮弁またはインプラントは再生または容積増大を必要とする部位に留置され、皮弁またはインプラントは本発明に従う脂肪細胞製剤およびPRP、血漿濃縮物または濃縮血漿材料を組み合わせたものを含む。
【0174】
別の局面において、本発明は以下を含め、心筋組織の再生を必要とする心筋欠損または他の病状を有する哺乳類において心筋再生を誘導するための方法を提供する。
【0175】
a)本発明に従う筋細胞または骨髄細胞組成物を提供する。
b)再生を必要とする心筋組織に、本発明に従うPRPまたは血漿濃縮物と共に、治療有効量の筋細胞組成物を投与する。
別の局面において、本発明は以下を含め、角膜再生を必要とする角膜欠損または他の病状または他の病状を有する哺乳類において角膜再生を誘導するための方法を提供する。
【0176】
a)本発明に従う角膜細胞組成物を提供する。
b)再生を必要とする角膜組織に、本発明に従うPRPまたは血漿濃縮物と共に、治療有効量の角膜細胞組成物を投与する。
別の局面において、本発明は以下を含め、関節または軟骨組織の再生を必要とする関節または軟骨欠損を有する哺乳類において関節または軟骨の再生を誘導するための方法を提供する。
【0177】
a)本発明に従う軟骨細胞または骨髄細胞組成物を提供する。
b)再生を必要とする関節または軟骨組織に、本発明に従うPRPまたは血漿濃縮物と共に、治療有効量の軟骨細胞組成物を投与する。
c)任意選択により、皮弁またはインプラントを挿入する。皮弁またはインプラントは軟骨の欠損部分内または骨膜パッチの下に留置され、皮弁またはインプラントは本発明に従う軟骨または骨髄細胞組成物およびPRP、血漿濃縮物または濃縮血漿材料の組合わせを含む。
別の局面において、本発明は以下を含め、ヒトまたは下位動物の瘢痕、皺、または脂肪欠損において皮膚再生を促進する方法を提供する。
【0178】
a)本発明に従うPRPまたは血漿濃縮物と共に、創傷または組織治癒組成物、止血剤または細胞組成物を提供する。
b)皮膚の瘢痕、皺、または脂肪欠損を、本発明に従うPRPまたは血漿濃縮物と共に、創傷または組織治癒組成物、止血剤または細胞組成物で充填する。
【0179】
別の局面において、本発明は以下を含め、末梢神経の再生を必要とする末梢神経損傷、神経縫合もしくは脊椎損傷、または他の病状を有する哺乳類において末梢神経の再生を誘導するための方法を提供する。
【0180】
a)本発明に従うPRPまたは血漿濃縮物と共に、シュワン細胞組成物を提供する。
b)再生を必要とする末梢神経に、PRPまたは血漿濃縮物と共に、治療有効量のシュワン細胞を投与する。
【0181】
別の局面において、本発明は以下を含め、骨の再生を必要とする骨損傷、骨欠損または他の病状を有する哺乳類において骨の再生を誘導するための方法を提供する。
【0182】
a)本発明に従うPRPまたは血漿濃縮物と共に、骨髄細胞または骨芽細胞組成物を提供する。
b)再生を必要とする骨に、本発明に従うPRPまたは血漿濃縮物と共に、治療有効量の骨髄細胞または骨芽細胞組成物を投与する。
【0183】
別の局面において、本発明は以下を含め、哺乳類における1型糖尿病、インスリン依存型糖尿病または高血糖症を治療するための方法を提供する。
【0184】
a)本発明に従うPRPまたは血漿濃縮物と共に、膵島細胞組成物を提供する。
b)患者に対し、例えば注入により、本発明に従うPRPまたは血漿濃縮物と共に、治療有効量の膵島細胞組成物を投与する。
【0185】
別の局面において、本発明は以下を含め、膀胱の再生を必要とする、哺乳類における尿失禁または他の病状を治療するための方法を提供する。
【0186】
a)本発明に従うPRPまたは血漿濃縮物と共に、筋芽細胞組成物を提供する。
b)再生を必要とする膀胱頸部に、本発明に従うPRPまたは血漿濃縮物と共に、治療有効量の筋芽細胞組成物を投与する。
【0187】
別の局面において、本発明は以下を含め、肛門筋の再生を必要とする、哺乳類における肛門失禁または他の病状を治療するための方法を提供する。
【0188】
a)本発明に従うPRPまたは血漿濃縮物と共に、筋芽細胞組成物を提供する。
b)再生を必要とする肛門近辺領域に、本発明に従うPRPまたは血漿濃縮物と共に、治療有効量の筋芽細胞組成物を投与する。
【0189】
別の局面において、本発明は以下を含め、食道括約筋の再生を必要とする、哺乳類における逆流性食道炎もしくは胃食道逆流障害または他の病状を治療するための方法を提供する。
【0190】
a)本発明に従うPRPまたは血漿濃縮物と共に、筋芽細胞組成物を提供する。
b)再生を必要とする食道括約筋に、本発明に従うPRPまたは血漿濃縮物と共に、治療有効量の筋芽細胞組成物を投与する。
【0191】
別の局面において、本発明は皮膚、軟骨、筋肉、腱、脂肪組織、角膜、末梢神経、脊椎または骨の再生などの創傷または組織の治癒、メソセラピー、筋肉内注射、または骨もしくは歯周組織の成長、および骨もしくは組織の再生を促進する薬物を製造するための、本発明に従う創傷もしくは組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤の用途を提供する。
【0192】
別の局面において、本発明は老化防止剤または瘢痕修復剤、脂肪組織萎縮修復剤、皺の充填または修復剤などの皮膚修復剤として使用する美容製剤を製造するための、本発明に従う創傷もしくは組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤の用途を提供する。
【0193】
別の局面において、本発明は、本発明に従う創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤を含む医薬品組成物および薬学的に許容可能な担体を提供する。
【0194】
別の局面において、本発明は、本発明に従う創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤を含む美容組成物および美容的に許容可能な担体を提供する。
【0195】
別の局面において、本発明は以下を含め、組織再生治療で使用するための植え込み型の器具を提供する。
【0196】
a)本発明の創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤を含み、任意選択によりヒアルロン酸と併用する透過性のコア
b)任意選択により、前記のコアを囲む被覆層。この被覆層は生体適合材料、好ましくは生体吸収性材料、好ましくはヒアルロン酸を含む。
【0197】
一実施形態において、本発明の組成物、創傷または組織治癒剤組成物、細胞抽出物、細胞組成物、血漿濃縮物およびトロンビン製剤は、同種の物質、組成物、血液または細胞を使用する。
【0198】
本発明に従う用途、方法および組成物は、組織、骨および軟骨またはそのいずれかの再生および若返りまたはそのいずれかに有用である。本発明に従う用途、方法および組成物は特に、糖尿病性ニューロパチー性潰瘍または褥瘡、深部関節軟骨などの骨および軟骨の損傷または断裂した腱の外科的修復などの軟骨の損傷、外傷または老化による関節炎、回旋筋腱板障害、例えばウマの下肢における脈管炎による創傷などの治癒が困難な創傷、歯周疾患、インプラント手術、心血管、胸部、移植、頭頸部、口腔、胃腸、整形外科、神経外科、形成外科手術、メソセラピーおよびメソセラピー注入、慢性心不全、心不全、虚血性または非虚血性障害、心筋症、胃食道逆流症、肛門または尿失禁、顔面手術による脱毛症(もみあげ部分の毛包消失による脱毛症)などの顔面手術、毛髪消失、脱毛症、皺取り手術(皺切除術)、鼻形成術、皮膚脂肪移植(顔面注入、鼻の先天性軟骨萎縮症などの顔面の先天性片側萎縮症、HIV/AIDS患者などの脂肪萎縮症、性器機能不全、糜爛の治療および関節鏡検査で)、眼瞼形成術後などの創傷治癒合併症、化学熱傷によるものなどの角膜混濁、スティーヴンス・ジョンソン症候群および角膜潰瘍などの角膜障害、角膜瘢痕形成、眼乾燥症候群、サラセミアなどの血液学的疾患、末梢神経損傷、神経縫合および脊椎損傷、骨移植または骨折などの骨の欠損、ざ瘡(特に皮膚切除術後)、熱傷、風疹または痘瘡の瘢痕などの皮膚の損傷または障害、白斑、脂肪萎縮症、カポジ肉腫、皮膚ケロイドまたはデュピュイトラン手掌線維腫症において有用である。
【0199】
本発明に従う用途、方法および組成物は、骨の再生および修復、有糸分裂生起、脈管形成およびマクロファージ活性化またはそのいずれかを含む組織治癒において有用である。
本発明のその他の利点および新規な特徴については、以下の説明で一部を明らかにし、当業者が以下の仕様を検討するか、または本発明の実施を通じて学ぶことにより、一部が明らかになる。本発明の目的および利点は、特に添付する請求項で指摘される手段、組合せ、組成物および方法を用いて実現および達成することができる。
【0200】
本発明に従う用途、方法および組成物は、生体接着剤、生体接着密封材または生体充填剤として、止血、組織の再生、回復、水分補給および刺激またはそのいずれかにおいて特に有用である。
【0201】
有利には、本発明の強力な生体接着剤は、特に侵襲的外科処置を目的とする場合などに、他の既知のものよりも機械的強度が高い。本発明の生体接着剤では、適切な細胞、血小板、白血球、増殖因子および最終的感染を削減または防止する他の要因を含むことにより、損傷を受けた組織を治癒する能力が向上している。
【0202】
本発明に従う組成物、用途および方法は、特に創傷治癒、外科手術、整形外科のための注入および審美的、美容的または容積増大のための注入に有用である。
【0203】
別の局面において、本発明に従う用途、方法および組成物は、皮膚組織の再生および若返りまたはそのいずれかに有用である。特に、皮膚の皺、深い皺、ざ瘡(特に皮膚切除術処置後)、熱傷、風疹または痘瘡の瘢痕、白斑ならびに脂肪萎縮症の軽減などの皮膚再生の促進および開始(例えば、老化防止組成物および皮膚再生組成物)、鼻唇溝の改善、および皮膚熱傷、カポジ肉腫、皮膚ケロイドもしくはデュピュイトラン手掌線維腫症などの皮膚の損傷または障害の治療、皮膚ならびに組織再生に伴う疼痛の軽減、直腸クッション、勃起障害、窩洞、海綿体線維症、ペイロニー病、膣および陰唇のために有用である。
【0204】
本発明に従う組成物、用途、方法は特に、創傷もしくは組織の治癒、再生治療、または膝、肘、(断裂した)筋肉、脊椎、椎間板、腱、靱帯に関するスポーツ医学、天然ならびに人工移植片の充填、留置、密封(特に皮膚、骨の移植、義歯もしくはインプラントまたは同類のものであって、移植片ドナー部位を含む)、関節炎、膝関節炎、腱炎、回旋筋腱板の治療、脈管炎の治療、糖尿病性ニューロパチー性潰瘍または褥瘡などの潰瘍、放射線皮膚炎(例えば、類表皮皮膚癌への放射線照射後)および瘻孔の閉鎖(サイクリストなどの)において有用である。
【0205】
さらに、本発明に従う組成物、用途、方法は特に、心障害の治療、心不全、慢性心不全、虚血性ならびに非虚血性障害および心筋症の治療などの心臓再生において有用である。さらに、本発明に従う組成物、用途、方法は特に、尿および肛門またはそのいずれかの失禁の治療において有用である。
【0206】
さらに、本発明に従う組成物、用途、方法は特に、逆流性食道炎または胃食道逆流障害の治療において有用である。
【0207】
さらに、本発明に従う組成物、用途、方法は特に、放射線による損傷を受けた皮膚(放射線皮膚炎または日射による損傷を受けた皮膚)、老化した皮膚もしくは熱傷を受けた皮膚などの皮膚損傷の治療、顔面の皺、皺、ざ瘡(特に皮膚切除術処置後)、熱傷、風疹または痘瘡の瘢痕、白斑、脂肪萎縮症またはリポジストロフィー、カポジ肉腫、皮膚ケロイドまたはデュピュイトラン手掌線維腫症の改善、皮膚を若返らせるための治療において有用である。
【0208】
さらに、本発明に従う組成物、用途、方法は特に、HIV/AIDS患者などにおける脂肪萎縮症および先天性鼻軟骨萎縮症などの他の顔面の先天性片側萎縮症の治療において有用である。さらに、本発明に従う組成物、用途、方法は特に、軟骨損傷、関節炎、軟骨深部の損傷および糜爛、関節鏡検査などの軟骨および骨またはそのいずれかの傷害、腱断裂、肩の回旋筋腱板などの骨、軟骨および関節の障害の治療において有用である。
【0209】
さらに、本発明に従う組成物、用途、方法は特に、サラセミアなどの血液学的疾患の治療において有用である。
【0210】
さらに、本発明に従う組成物、用途、方法は特に、眼乾燥症候群、化学熱傷によるものなどの角膜混濁、スティーヴンス・ジョンソン症候群による苦痛、角膜瘢痕形成および角膜潰瘍などの角膜障害の治療において有用である。
さらに、本発明に従う組成物、用途、方法は特に、末梢神経損傷、神経縫合および脊椎損傷の治療において有用である。
【0211】
さらに、本発明に従う組成物、用途、方法は特に、1型糖尿病、インスリン依存型糖尿病および高血糖症またはそのいずれかの治療において有用である。
【0212】
さらに、本発明に従う組成物、用途、方法は特に、骨移植または骨折などの骨の欠損または傷害の治療において有用である。
【0213】
本発明により得られる組成物の用法は、治療目的に従い、投与前にさらに変更してもよい。
【0214】
本発明の組成物は、骨充填材料、特にハイドロキシアパタイト(生体材料として使われるリン酸カルシウム系セラミックス)または脱塩骨などの可吸収性充填材料と併用するか、または、例えば頭蓋顔面および整形外科術における骨再生の過程において、骨抽出物と混合して使用できる。
【0215】
用途または疾患に従い、本発明の組成物は、10%ヒアルロン酸、20%ヒアルロン酸、30%ヒアルロン酸、40%ヒアルロン酸、および50%ヒアルロン酸またはそのいずれかと併用できる。
【0216】
本発明の組成物は、例えば腫瘍学における(新)血管新生の促進を含む組織再生の促進など、熱傷移植術その他の遊離皮膚移植術を含む形成外科において、創傷密封材として使用できる。本発明に従う組成物は特に、皮膚移植片ドナー部位における創傷治癒治療において有用である。健康な皮膚からの皮膚移植片の切除により、ドナー部位に新たな創傷が生じ、それは通常、12〜14日間で自然治癒する。しかし、この瘢痕化による治癒は、特にドナー部位が広範であるか、またはその人の抵抗力が低い場合(例えば、熱傷被害者、複数の外傷を受けた人、コルチコイド治療を受けている人、小児または高齢者)、身体に極度の負担をかけ、新たな創傷による体液流出が誘発するミネラル、微量元素およびタンパク質の損失により、エネルギー損失がむしろ増大する。さらに、しばしば最初の8日間、移植片ドナー部位に相当の痛みがある。鎮痛薬(例えばモルヒネ)およびハイドロセルラー被覆材などの疼痛緩和治療がしばしば使われるが、特に移植片切除後48時間から1週間目まで行わざるをえない被覆材の交換中などに、疼痛は残る。それに加え、ハイドロセルラー創傷被覆材には、かなり高価であることだけでなく、創傷上の湿度を維持し、乾燥を阻止すること、創傷の深さが増大すること、細菌感染を助長すること、見た目が良くない瘢痕ができることという欠陥がある。このため、皮膚移植片ドナー部位の治癒を刺激することが非常に望ましい。
【0217】
変発明の組成物は特に、創傷治癒カスケードを促進する十分な血液循環を欠く場合がある長期的な創傷に適合している。
【0218】
本発明に従う組成物および方法は、歯周組織の欠損および損傷またはそのいずれかが認められる歯周疾患の治療にも使用され、その治療は、例えば歯周組織再生を必要とするヒトまたは下位動物の歯周部位または窩洞に、本発明に従う組成物を配置することを含む。
【0219】
本発明に従う組成物は特に、自然治癒(すなわち、外来性薬剤が追加されない)または既知の方法により調製された他の血小板濃厚液の使用を通じて獲得される治癒と比較し、術後の出血および血管外漏出またはこれらの適用における重篤もしくはその他の液体の流出をなくすか、もしくは激減させること、大部分の細菌による感染の危険性を軽減すること、結合組織の形成を促進することにおいて有効である。本発明に従う組成物は、創傷治癒および組織再生またはそのいずれかを促進または開始するための医薬品の調製、または皮膚の皺、ざ瘡(特に皮膚切除術処置後)、風疹または痘瘡の瘢痕、白斑ならびに脂肪萎縮症の軽減などの皮膚再生のための美容用組成物(例えば老化防止組成物および皮膚再生組成物)の調製において有用である。
【0220】
本発明の組成物は、創傷内に、または移植臓器内もしくはその近傍に、局所的に投与するか、または注入するか、または皮下注射することができる。局所投与は、傷害もしくは欠陥の部位への注入によるか、部位への固体担体の注入もしくは接着によるか、またはクリームもしくは乳濁液との混合によるか、または組織もしくは紙もしくはハイドロゲル担体への封入によるか、または点眼液などの本発明の組成物の直接的かつ局所的な投与によって行うことができる。好ましくは、組成物は直ちに注入可能な組成物である。投与方式、1人に対して単回投与または反復投与する投与量は、薬物動態特性、患者の病状ならびに特徴(性別、年齢、体重、健康状態、サイズ)、症状の程度、併用治療、治療頻度および希望する効果を含む多種多様な要因に従い変動する。
【0221】
本発明の組成物は、治癒剤、皺充填材、老化防止ビタミン複合体などの老化防止剤、抗菌薬、抗生物質、コルチコステロイド剤、疼痛回避ならびに鎮痛剤、またはアドレナリンなどの麻酔薬などの組織再生治療に有用な併用剤と組み合わせて投与することができる。本発明は、創傷治癒、骨および歯周組織の成長の修復などの組織再生療法で同時、個別または順次に使用するための組織再生治療において有用な併用剤と組み合わせた組成物を含む。
【0222】
本発明の組成物、本発明の組成物の自己血小板濃厚液もしくは細胞組成物を調製するための器具および工程は特に、治療のための用途において有用であり、特に、例えばインプラント歯科学、皮膚ならびに骨の手術、軟骨ならびに腱の手術、角膜ならびに末梢神経の再生および心臓手術などの組織再生の生理学的過程を加速することを意図した止血システムにおける自己生体接着剤として有用である。本発明の組成物、本発明の組成物の自己血小板濃厚液もしくは細胞組成物を調製するための器具および工程は特に、美容上の用途において有用であり、特に、例えば皺、瘢痕または脂肪欠損の充填材として、単独で、または一以上の老化防止剤と組合せ、使用することを意図した自己若返り材料として有用である。
【0223】
本発明の血小板濃厚液は、例えば角化細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、線維芽細胞、骨膜、メラニン細胞およびランゲルハンス細胞、脂肪細胞、骨髄細胞、筋芽細胞および筋衛星細胞などの筋細胞、骨膜細胞、間葉系幹細胞(MSC)、脂肪前駆細胞、内皮前駆細胞、角膜細胞、臍帯細胞、シュワン細胞、アキレス腱細胞または膵島細胞などの抽出物などの自己細胞抽出製剤と併用できる。角化細胞はReinwald and Green, 1975, Cell, 6(3):331-43に記述された方法で採取する。前記の他の細胞は"Culture de cellules animales; methologies-applications", 2003, Ed. Barlovatz-Meimom and Adolphe, INSERM editions, Parisに記述された方法で採取する。代替方法として、細胞抽出物は細胞バンクもしくは細胞培養から取得するか、または後述の実施例に記述した方法で採取する。
【0224】
本発明の血小板濃厚液および細胞組成物は、創傷の治癒過程において、治癒が困難な長期の創傷においてさえ、治癒の加速および増強またはそのいずれかにおいて実際に有効であり、従来の療法による数週間の治療が失敗した例で創傷の閉鎖に成功し、感染の危険性を軽減し、患者の回復および快適さを改善し、医療費を削減し、美容上のより良い最終結果を達成することが証明されている。
本発明の組成物は、当然、複数の特定ドナーに由来する血漿から調製してもよい。本発明は、創傷を受けた人自身の生体材料に由来する濃縮血小板の採取などの自己生体材料のみに限定されない。本発明は一以上の第三者から得た生体材料の使用を包含し、その第三者の生体材料を使用した結果として生体不適合性が生じる場合を除き、その第三者は本明細書に記述する創傷治癒剤組成物による治療を受ける患者と同一の種である必要はない。一実施形態において、本発明は本明細書に記述する血小板濃厚液組成物または細胞組成物を調製するための工程を提供する。
別の実施形態において、本発明は本明細書に記述する全血から血小板濃厚液組成物を調製するための器具を提供する。
さらに別の実施形態において、本発明はトロンビン血清および血小板濃厚液組成物またはそのいずれかを調製するための工程を提供し、その工程の遠心分離段階は約1500gから約1700gで、約3分間から約15分間の中から選択した時間、実行され、好ましくは1500gで約8分間、実行される。
【0225】
さらに別の実施形態において、本発明は血小板濃厚液組成物を調製するための工程を提供し、その工程において、管は前記の全血を導入するための導入口を備え、全血検体の吸引を意図して減圧下に置かれ、滅菌され、使用可能な真空容量は約8 mLから10 mLであり、遠心分離をかけるために適している。
【0226】
さらに別の実施形態において、本発明は血小板濃厚液組成物を調製するための工程を提供し、その工程において、管はポリマー混合液および3.5 mg/mL無水クエン酸ナトリウムにより形成されるチキソトロピック性の高いゲルを含むポリエチレンテレフタレート製の管である。
【0227】
別の実施形態において、本発明は、本発明に従う工程により得られる分離された血小板濃厚液組成物を提供する。
【0228】
別の実施形態において、本発明は、本発明に従う工程により得られる、以下を含む分離された血小板濃厚液組成物を提供する。
【0229】
a)血漿
b)細胞数300X10
9 個/L以上、好ましくは350X10
9 個/L以上、より好ましくは400X10
9 個/L以上の濃度の血小板
c)細胞数7X10
9 個/L以上、好ましくは8X10
9 個/L以上の濃度の白血球
d)3 mg/L以上の濃度のフィブリノーゲン
好ましくは、赤血球濃度が細胞数0.4X10
12個/Lまたは0.5X10
12個/L未満である。
別の実施形態において、本発明は以下を含む創傷または組織治癒剤組成物を提供する。
【0230】
a)血漿
b)細胞数300X10
9 個/L以上、好ましくは350X10
9 個/L以上、より好ましくは400X10
9 個/L以上の濃度の血小板
c)細胞数7X10
9 個/L以上、好ましくは8X10
9 個/L以上の濃度の白血球
d)3 mg/L以上の濃度のフィブリノーゲン
e)本発明に従うトロンビン血清
f)任意選択により、角化細胞、骨髄細胞、線維芽細胞、骨膜、メラニン細胞およびランゲルハンス細胞、脂肪細胞、筋芽細胞および筋衛星細胞などの筋細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、間葉系幹細胞(MSC)、脂肪前駆細胞、内皮前駆細胞、骨膜細胞、角膜細胞、臍帯細胞、アキレス腱細胞または膵島細胞の抽出物などの自己細胞抽出物
好ましくは、凝固活性化因子またはトロンビン血清の容量比は、約10:1から約10:3(血小板濃厚液:凝固活性化因子)である。
【0231】
好ましくは、血漿または濃縮血漿中の細胞の濃度は約10
5個から約10
6個/mLであり、赤血球濃度は0.4X10
12 個/Lまたは0.5X10
12個/L未満である。
【0232】
別の実施形態において、本発明は本明細書に記述する創傷または組織治癒剤組成物を調製するための工程を提供する。
【0233】
別の実施形態において、本発明は本明細書に記述する創傷または組織治癒剤組成物を調製するための工程を提供し、その工程において、混合される凝固活性化因子はグルコン酸カルシウムまたは10%塩化カルシウムである。
【0234】
別の実施形態において、本発明は本明細書に記述する創傷または組織治癒剤組成物を調製するための工程を提供し、その工程において、血小板濃厚液(PRP)と混合される凝固活性化因子はトロンビン濃縮製剤であり、それにさらにグルコン酸カルシウムまたは10%塩化カルシウムを併用してもよい。生体接着剤で使用するトロンビンの調製方法はUS 6,472,162に記述されており、血漿に対して8〜20%体積濃度のETOHを加え、この製剤が本発明の状況におけるトロンビン濃縮製剤として使用される。代替方法として、自己トロンビン血清(ATS)を本発明の状況におけるトロンビン濃縮製剤として使用してもよい。本発明に従う代替自己トロンビン血清は、以下を含む工程により入手できる。(i) 本発明の分離管に採取した患者の全血検体(例えば8 mL)に対し、10%塩化カルシウムを最終体積濃度10%(例えば1 mL)および95%エタノール溶液を最終体積濃度10%(例えば1 mL)になるように加える。(ii) 室温で約30分間沈殿させる。30分後、約1500gで約8〜10分間、遠心分離にかける。さらに好ましい実施形態において、トロンビン濃縮製剤および好ましくは本発明に従う自己トロンビン血清は、創傷上で直接、血小板濃厚液(PRP)と混合される。
【0235】
さらに別の実施形態において、本発明は、本発明に従う創傷または組織治癒剤組成物を調製するための工程を提供し、その工程の段階b') では、段階b) で得た活性化された多血小板製剤組成物(血小板濃厚液を凝固活性化因子または自己トロンビン血清と混合して得た組成物)を、被覆材のマイクロストリングの混入を避けるために柔らかい疎水性層で覆った創傷被覆材と接触させて部分的に脱水することにより、半流動性ゲルが得られ、それは例えば窩洞もしくは組織欠損を充填するために、または自己細胞外マトリックスの再構成を待つ間の増殖基材(足場)として、適切な器具を使い操作できる。得られた創傷または組織治癒剤は特に、創傷、組織または歯周組織の欠損もしくは窩洞における歯周組織再生を誘導するための方法において有用である。
【0236】
さらに別の実施形態において、本発明に従う血小板濃厚液、創傷または組織治癒剤組成物、細胞組成物は、100%アルブミンのAlbugel(EP1543846)製剤などのハイドロゲルもしくはアルブミンの細網化により作られる他のハイドロゲルおよびポリエチレングリコールなどの他の化合物または他の任意の成分と組み合わせることができ、多血小板血漿が吸収されるまで皮膚と接触した状態を維持する担体として、親水性の高い紙基材を使用する。
【0237】
カルシウムイオンを加えることにより、本発明の創傷または組織治癒剤組成物の引っ張り強さを変えることができる。このため、より強い創傷または組織治癒剤組成物が望ましい場合は、血清を血小板濃厚液と混合する時点で、カルシウムイオンを追加できる。代替方法として、カルシウムイオンを血小板濃厚液に直接加えることにより、創傷または組織治癒剤組成物が形成される。
【0238】
以下にさらに詳細に論じるように、本発明の創傷または組織治癒剤組成物の形成に必要な時間は、加える血清の量により変わる。血清と血小板濃厚液の比が1:4、1:2、3:4の場合、それぞれ約90秒、55秒、30秒で創傷または組織治癒剤組成物が形成される。さらに、トロンビンは好ましくは調整後5時間以内に、好ましくは2時間以内に、理想的には直ちに使用する。トロンビンは10日後にも室温で活性を示すため、それよりも後の段階でトロンビンを使用してもよい。代替方法として、血清は無期限に冷却または冷凍することができ、好ましくは保存期間1カ月以内に使用する。
【0239】
本発明の創傷または組織治癒剤組成物は、ゲル化開始後、適量の血小板濃厚液を創傷に投与することにより、手術創を閉鎖するために使用できる。さらに、本発明の創傷または組織治癒剤組成物は、その創傷または組織治癒剤組成物の使用対象である患者に由来する血液成分のみから調整できるため、患者が新たに血液媒介感染症に罹患する確率はゼロである。
【0240】
本発明の方法は、形成される創傷または組織治癒剤組成物が止血剤としてだけでなく、創傷治癒の補助剤として、および他の生物学的活性を持つ薬剤およびタンパク質を送達するための基質としても機能するよう、さらに変更することができる。例えば、フィブリン接着剤は骨片を結合するための高い親和性を有することは周知であり、それは形成外科または重症の骨折の治療などにおける骨の再構成に有用である。従って、本発明の創傷または組織治癒剤組成物が有する自己材料的性質に合わせ、患者由来の自己骨を粉砕するか、または粉末もしくは類似物にし、本発明の血小板濃厚液と混合することができる。次に、トロンビンを含む血清を血小板濃厚液および骨片と混合し、混合する量は、形成したゲルを望ましい局所に投与し、そこで凝結させるために十分な量とする。
【0241】
本発明の望ましい創傷または組織治癒剤組成物が、他の生物学的活性を持つ薬剤およびタンパク質を送達するための基質としても機能するよう、本発明の方法を次のように変更できる。トロンビンを含む血清を加える前に、他の生物学的活性を持つ多様な薬剤およびタンパク質を血小板濃厚液に加えることができる。血清を加える前に血小板濃厚液に加える薬剤の例としては、鎮痛性化合物、殺菌性ならびに静菌性化合物を含む抗菌性化合物、抗生物質(例えば、アドリアマイシン、エリスロマイシン、ゲンタマイシン、ペニシリン、トブラマイシン)、抗真菌性化合物、抗炎症剤、抗寄生虫性化合物、抗ウイルス性化合物、酵素、酵素阻害剤、糖タンパク質、増殖因子、遺伝子組換え型増殖因子(例えば、リンフォカイン、サイトカイン)、ホルモン、ステロイド、糖質コルチコイド、免疫調節薬、免疫グロブリン、ミネラル、神経遮断薬、タンパク質、ペプチド、リポタンパク質、殺腫瘍性化合物、静腫瘍性化合物、毒素およびビタミン類(例えば、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、またはそれらの誘導体)が含まれ、ただし、それらに限定されない。上記の一部または全部の選択された断片、部分、誘導体、または類似体の使用も想定されている。
【0242】
血液の凝固および凝固関連活性を測定するための数種類の医療機器および検査方法が存在する。本発明の創傷または組織治癒剤組成物の形成に必要な活性化因子すなわちトロンビン、血小板濃厚液および血漿の最適な調合の決定を補助するために、これらの機器および方法を使用することができる。血液の凝血および凝固評価に関する優れた技法として、Cooper et al.のU.S. Pat. Nos. 4,599,219、Jackson et al.の4,752,449、およびSmithの5,174,961に記載されたプランジャー法があり、それらすべてが全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0243】
本発明の血漿濃縮物、PRP、組成物は、リン酸三カルシウム(TCP)、ヒアルロン酸(HA)、キトサン、クリーム、クリームマスク、細胞抽出物、脂肪細胞、ラブリシン、cd-ゼラチンおよびボツリヌス毒素またはそのいずれかと混合できる。
一実施形態において、本発明の血漿濃縮物またはPRP組成物は、リン酸三カルシウム(TCP)、ヒアルロン酸(HA)、キトサン、クリーム、クリームマスク、細胞抽出物、脂肪細胞、ラブリシン、cd-ゼラチンおよびボツリヌス毒素またはそのいずれかと混合できる。
【0244】
一実施形態において、血漿濃縮物またはPRP組成物、好ましくは本発明の血漿濃縮物またはPRP組成物は、リン酸三カルシウム(TCP)、ヒアルロン酸(HA)、キトサン、クリーム、クリームマスク、細胞抽出物、脂肪細胞、ラブリシン、cd-ゼラチンおよびボツリヌス毒素またはそのいずれかと混合できる。
【0245】
一実施形態において、血漿濃縮物またはPRP組成物、好ましくは本発明の血漿濃縮物またはPRP組成物は、トロンビン、好ましくは本発明のトロンビン血清と混合でき、さらに、リン酸三カルシウム(TCP)、ヒアルロン酸(HA)、キトサン、クリーム、クリームマスク、細胞抽出物、脂肪細胞、ラブリシン、cd-ゼラチンおよびボツリヌス毒素またはそのいずれかと混合できる。
【0246】
一実施形態において、血漿濃縮物またはPRP組成物、好ましくは本発明の血漿濃縮物またはPRP組成物は、トロンビン、好ましくは本発明のトロンビン血清と混合でき、さらに、細胞抽出物およびリン酸三カルシウム(TCP)、ヒアルロン酸(HA)、キトサン、クリーム、クリームマスク、他の細胞抽出物、脂肪細胞、ラブリシン、cd-ゼラチンおよびボツリヌス毒素またはそのいずれかと混合できる。
凝固および凝固関連活性を測定するためにプランジャー法を採用した自動装置は一般に、 一以上のプランジャーセンサーカートリッジおよびカートリッジを挿入するマイクロプロセッサ制御装置を含む。この装置はカートリッジおよびその中の血液検体に作用し、凝固関連事象を誘導し、検出する。カートリッジは複数の検査セルを含み、各セルが管状部材を特徴とし、プランジャー組立品が収納され、分析検査が実施される上部の反応区画および一以上の試薬を含む試薬区画がある。例えば、活性化凝固時間(ACT)検査では、試薬として血液凝固を活性化する活性化試薬を含む。試薬区画の底は栓部材で密封される。検査が始まると、試薬区画の内容物が反応区画に押し出され、普通は人血またはその成分である液体検体と混合される。装置の一部である作動装置がプランジャー組立品を上下に動かし、プランジャー組立品に反応区画内の液体プール中を往復させる。プランジャー組立品は重力により下降し、反応区画中の液体の粘性などの特性による抵抗を受ける。凝固関連活性の開始または発生の結果として、あらかじめ決められた様式で、検体の特性が変化すると、プランジャー組立品がその中を下降する速度が変化する。下降速度に十分な変化が起きると、凝固関連活性が検出され、装置により掲示される。
【0247】
本明細書に記述する創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物、分離した細胞組成物、細胞製剤または細胞抽出物は、血漿濃縮物(PRP)と組み合わせることができる。
さらに別の実施形態において、本発明は創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤を調製するための工程を提供し、その工程において細胞抽出物は角化細胞の抽出物である。
【0248】
さらに別の実施形態において、本発明は創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤を調製するための工程を提供し、その工程において細胞抽出物は角化細胞の自己抽出物である。
【0249】
さらに別の実施形態において、本発明は創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤を調製するための工程を提供し、その工程において細胞抽出物は筋前駆細胞または筋衛星細胞などの骨格筋細胞の抽出物である。
【0250】
さらに別の実施形態において、本発明は創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤を調製するための工程を提供し、その工程において細胞抽出物は線維芽細胞の抽出物である。
【0251】
さらに別の実施形態において、本発明は創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤を調製するための工程を提供し、その工程において細胞抽出物は脂肪細胞、脂肪前駆細胞、内皮前駆細胞、間葉系幹細胞の抽出物である。
【0252】
さらに別の実施形態において、本発明は創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤を調製するための工程を提供し、その工程において細胞抽出物は軟骨細胞の抽出物である。
【0253】
さらに別の実施形態において、本発明は創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤を調製するための工程を提供し、その工程において細胞抽出物は臍帯幹細胞などの幹細胞の抽出物である。
【0254】
さらに別の実施形態において、本発明は創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤を調製するための工程を提供し、その工程において細胞抽出物は腱細胞の抽出物である。
【0255】
さらに別の実施形態において、本発明は創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤を調製するための工程を提供し、その工程において細胞抽出物は骨膜細胞または歯肉細胞の抽出物である。
【0256】
さらに別の実施形態において、本発明は創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤を調製するための工程を提供し、その工程において細胞抽出物は角膜細胞の抽出物である。
【0257】
さらに別の実施形態において、本発明は創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤を調製するための工程を提供し、その工程において細胞抽出物は骨髄細胞の抽出物である。
【0258】
さらに別の実施形態において、本発明は創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤を調製するための工程を提供し、その工程において細胞抽出物は骨芽細胞の抽出物である。
【0259】
さらに別の実施形態において、本発明は創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤を調製するための工程を提供し、その工程において細胞抽出物はシュワン細胞の抽出物である。
【0260】
さらに別の実施形態において、本発明は創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物または細胞製剤を調製するための工程を提供し、その工程において細胞抽出物は膵島細胞の抽出物である。
【0261】
さらに別の実施形態において、本発明の分離された血小板濃厚液組成物、創傷または組織治癒剤組成物、トロンビン濃縮血漿、細胞抽出物、創傷または組織治癒組成物、止血剤、細胞組成物および細胞製剤またはそのいずれかは自己由来である。
【0262】
さらなる局面において、本発明は本発明に従う組織再生に適合されたキットを提供し、そのキットはさらに、グルコン酸カルシウム、アルブミン、キトサン、クリーム、ラブリシン、TCP、ETOH、CaCl2またはそのいずれかを含むそれぞれ別のバイアル、およびシリンジホルダー、締め具ならびに二重の出口が付いたティップアプリケーターを含む。本発明に従う自己トロンビン血清の用途には、創傷治癒剤またはPRP製剤を調製するために、ETOH、CaCl2などの添加剤が必要ないという利点がある。
【0263】
別の実施形態において、本発明は、本発明に従う細胞組成物を調製するための工程を提供し、その工程のd) 段階またはe) 段階で提供される細胞抽出物は以下の段階を含む工程により得られる。
(A)本発明に従う血小板濃厚液に含まれる前記の細胞を提供する。
(B)任意選択により細胞を培養する。
(C)(B)段階で得た培養細胞を、本発明に従う血小板濃厚液に再懸濁する。
【0264】
さらなる実施形態において、本発明は、本発明に従う細胞組成物を調製するための工程を提供し、その工程において (A) 段階での細胞増殖は、本発明に従う血小板濃厚液中で実行され、その血小板の最終濃度は培地の体積の約5%から約40%の間とする。
【0265】
さらなる実施形態において、本発明は、本発明に従う細胞組成物を調製するための工程を提供し、その工程において (B) 段階は、例えばシャーレまたは培養フラスコなどの細胞培養面上に細胞を播種するための一以上の段階を含む。
【0266】
さらに別の実施形態において、本発明は、本発明に従う細胞組成物を調製するための工程を提供し、その工程は細胞培養段階 (B) の後に一以上の細胞採取段階を含む。
【0267】
さらに別の実施形態において、本発明は、本発明に従う細胞組成物を調製するための工程を提供し、その工程において細胞培養段階 (B) は37℃で実行される。
【0268】
さらに別の実施形態において、本発明は、本発明に従う細胞組成物を調製するための工程を提供し、その工程において細胞培養段階 (B) は、酸素または空気および二酸化炭素を含む気流の下で実行され、通常、気流は酸素または空気95%および二酸化炭素5%を含む。
【0269】
さらに別の実施形態において、本発明は、本発明に従う細胞組成物を調製するための工程を提供し、その工程において細胞培養段階 (B) は約3週間から4週間続く。
【0270】
さらに別の実施形態において、本発明は、本発明に従う細胞組成物を調製するための工程を提供し、その工程の細胞培養段階 (B) において、インキュベーション中に細胞培地を典型的には約3日間ごとに、定期的に交換する。
【0271】
さらに別の実施形態において、本発明は、本発明に従う細胞組成物を調製するための工程を提供し、その工程において細胞培養段階 (B) は、細胞を典型的には約633 nmの可視光線に約10分間曝露する一以上の段階を含む。別の局面において、可視光線への曝露段階は、細胞のインキュベーション中、週に一度の頻度で繰り返される。
【0272】
さらに別の実施形態において、本発明は、本発明に従う細胞組成物を調製するための工程を提供し、その工程において細胞組成物は角化細胞または線維芽細胞の組成物であり、細胞培養段階 (B) は、細胞を典型的には約633 nmの可視光線に約10分間曝露する一以上の段階を含む。別の局面において、可視光線への曝露段階は、細胞のインキュベーション中、週に一度の頻度で繰り返される。
【0273】
さらに別の実施形態において、本発明は、本発明に従う細胞組成物を調製するための工程を提供し、その工程において細胞培養段階 (B) は、本発明に従う希釈された血小板濃厚液を加える一以上の段階を含み、その血小板の最終濃度は培地の体積の約5%から約40%の間とする。
【0274】
さらに別の実施形態において、本発明は、本発明に従う細胞組成物を調製するための工程を提供し、その工程において細胞組成物は角化細胞または線維芽細胞の組成物であり、細胞培養段階 (B) は、本発明に従う希釈された血小板濃厚液を加える一以上の段階を含み、その血小板の最終濃度は培地の体積の約5%から約40%の間とする。
別の実施形態において、本発明は本発明に従う工程から得られる、分離された細胞組成物を提供する。
【0275】
別の実施形態において、本発明は分離された細胞組成物を提供し、分離された細胞組成物は脂肪細胞組成物などの脂肪組織細胞の組成物である。
【0276】
別の実施形態において、本発明は分離された細胞組成物を提供し、分離された細胞組成物は筋芽細胞または筋衛星細胞組成物などの筋細胞組成物である。
【0277】
別の実施形態において、本発明は分離された細胞組成物を提供し、分離された細胞組成物は角膜細胞組成物である。
【0278】
別の実施形態において、本発明は分離された細胞組成物を提供し、分離された細胞組成物は軟骨細胞組成物などの軟骨組織細胞の組成物である。
【0279】
別の実施形態において、本発明は分離された細胞組成物を提供し、分離された細胞組成物は線維芽細胞または角化細胞組成物などの皮膚細胞組成物である。
【0280】
別の実施形態において、本発明は分離された細胞組成物を提供し、分離された細胞組成物は骨膜細胞または歯肉細胞組成物である。
【0281】
別の実施形態において、本発明は分離された細胞組成物を提供し、分離された細胞組成物は腱細胞組成物である。
【0282】
別の実施形態において、本発明は分離された細胞組成物を提供し、分離された細胞組成物は臍帯幹細胞組成物などの幹細胞組成物である。
【0283】
別の実施形態において、本発明は分離された細胞組成物を提供し、分離された細胞組成物は骨髄細胞組成物である。
【0284】
別の実施形態において、本発明は分離された細胞組成物を提供し、分離された細胞組成物はシュワン細胞組成物である。
【0285】
別の実施形態において、本発明は分離された細胞組成物を提供し、分離された細胞組成物は膵島細胞組成物である。
【0286】
別の実施形態において、本発明は分離された細胞組成物を提供し、分離された細胞組成物は骨芽細胞組成物である。
【0287】
別の実施形態において、本発明は分離された細胞組成物を提供し、血漿または濃縮血漿中の細胞の濃度は約3x10
5〜約10
6個/mLである。
【0288】
別の実施形態において、本発明は本明細書に記述するヒトまたは下位動物の創傷において、創傷または組織の密封、および組織または骨の再生、またはそのいずれかを促進するための組成物、方法および用途を提供する。
【0289】
さらに別の実施形態において、本発明は哺乳類、好ましくはヒトの創傷において、創傷または組織の密封、および組織または骨の再生、またはそのいずれかを促進するための組成物、方法および用途を提供する。別の実施形態において、本発明は本明細書に記述する歯周疾患または他の病状を有する哺乳類の創傷または歯周欠損において歯周組織の再生を誘導するための組成物、方法および用途を提供する。
【0290】
さらに別の実施形態において、本発明は歯周疾患または他の病状を有する哺乳類の創傷または歯周欠損または窩洞において歯周組織の再生を誘導するための方法を提供し、ここで哺乳類はヒトである。
【0291】
さらに別の実施形態において、本発明は、本発明に従う歯周欠損または窩洞において歯周組織の再生を誘導するための方法を提供し、その方法では、例えばGarg et al, 2000, Dental Implantology Update, 11(6), 41-44に記述されたような前記の創傷または前記の歯周欠損もしくは窩洞に、前記の治療有効量の前記の創傷または組織治癒剤組成物を、半流動性ゲルまたは増殖基質の形で投与する。
【0292】
別の実施形態において、本発明は本明細書に記述する瘢痕または皺において皮膚組織の再生を促進するための方法を提供する。
【0293】
別の実施形態において、本発明は、本発明に従う心筋再生を誘導するための方法を提供し、その方法では、心筋層に、典型的には左心室の心筋層に、本発明に従う前記の治療有効量の筋細胞組成物を血小板濃厚液(PRP)と組み合わせて注入する。注入は直接の注射または複数回のカテーテルによる注入により行う。筋芽細胞または筋衛星細胞は、本明細書の記述通りに生体外で、上皮を切除し、UV照射したヒト生体羊膜およびバイオ複合体構造上に、本明細書においては単層構造として培養できる。次に、心室壁および筋細胞の収縮力を改善するために、羊膜を虚血性の心外膜に縫合し、基礎を成す組織に幹細胞を生着させる。
【0294】
別の実施形態において、本発明は、本発明に従う心筋再生を誘導するための方法を提供し、その方法では、心筋層に、本発明に従う前記の治療有効量の筋細胞組成物を血小板濃厚液(PRP)と組み合わせて注入し、それと共に、本発明に従う前記の治療有効量の線維芽細胞を血小板濃厚液(PRP)と組み合わせて注入する。別の実施形態において、本発明は、本発明に従う心筋再生を誘導するための方法を提供し、その方法では、心筋層に、本発明に従う前記の治療有効量の筋細胞組成物を血小板濃厚液(PRP)と組み合わせ、好ましくはインキュベーションにより本発明に従う筋芽細胞および筋衛星細胞組成物が増殖した羊膜パッチの形で、心室表面に貼付する。
【0295】
別の実施形態において、本発明は、本発明に従う角膜の再生を誘導するための方法を提供し、その方法では、本発明に従う前記の治療有効量の角膜細胞組成物を血小板濃厚液(PRP)と組み合わせ、好ましくは溶解性のコンタクトレンズ上に展開した羊膜パッチの形で、角膜組織に貼付する。
【0296】
創傷、組織または疾患を治療する前記の方法には、本明細書に記述する任意の組成物を使用することができ、本明細書に記述する任意の方法により作製される任意の組成物を使用することもできる。
【0297】
本発明に従う方法、器具およびキットは、容易に実施でき、ポイントオブケアでの投与に適合した、一回の操作で血小板濃厚液を入手するための時間対効果が高く、比較的低コストの方法を提供するという利点を示す。本発明の方法は、血小板が高収率で濃縮されているだけでなく、赤血球の量が少ない濃縮製剤を調製できるという利点を示す。本発明の組成物は、血小板の量が多く、赤血球の量が少なく、その後のin vivoの治療用途のために完全な特性を維持するという利点を示す。特に、組織再生に関与する主な増殖因子(PDGF、TGF-β、IGF、VEGFおよびEGF)をある程度のレベルで数日間(赤血球の寿命である30日間)放出するための血小板の能力が維持される。さらに、本発明の組成物が自己血液から作製される限りにおいて、本明細書に記述する本発明は、一以上の第三者から得た生体材料から作製される治療材料の使用に伴う疾患の伝染および免疫反応のリスクを低減させる。従って、本発明は、好ましくは自己の、改善された生体創傷治癒および組織再生材料を提供し、皮膚、軟骨ならびに骨などの組織の再生、特に瘢痕化による治癒および若返りまたはそのいずれかを促進する。本発明の利点は、ポイントオブケア医療に適合した改善された創傷治癒および組織再生材料を調製するための単純で迅速な方法であって、治癒時間、治癒に伴う疼痛および医療費を削減できることが証明された方法を含む。さらに、この創傷治癒および組織再生材料は、移植片拒絶反応リスクを低減させ、移植成功率を改善する。さらに、この改善された創傷治癒および組織再生材料では、瘢痕の審美上の最終的な状態がはるかに良く、瘢痕および皺の充填に耐久性がある。
【0298】
典型的には、細胞抽出物は組織生検により得られ、生検は、好ましくは血小板濃厚液と混合する日と同日に実施する。生検のサイズは、治療目的および本発明に従う細胞組成物の調製に使用する細胞のタイプに適合させる。さまざまなタイプの組織に関し、以下の「実施例」に生検の実施例を掲げる。別の局面において、本発明は管を2つの部分に分ける 一以上のフィルターを含む管を提供する。
別の局面において、本発明は一以上の、好ましくは1つのフィルターにより2つの部分に分かれた管を提供する。
【0299】
一実施形態において、その管は液体検体の採取および分離、またはそのいずれかを行うために使用される。
【0300】
好ましくは、2つの部分はサイズおよび直径またはそのいずれかが異なる。
別の局面において、本発明は液体検体を採取および分離するための以下を含む管を提供する。
【0301】
i) サイズおよび直径が異なる2つの別々の部分
ii) 2つの部分を分ける一以上のフィルター
iii) 任意選択により、抗凝固剤
本発明の好ましい実施形態において、管は
図1から14に図解された特徴で構成される。
好ましい実施形態において、管は環状オレフィンポリマー(COP)または環状オレフィンコポリマー(COC)で作られている。
一実施形態において、管は抗凝固剤、好ましくはクエン酸ナトリウム緩衝液または無水クエン酸ナトリウムを含む。
【0302】
好ましい実施形態において、管は0.10 Mクエン酸ナトリウム緩衝液または3.5 mg/mL無水クエン酸ナトリウムを含む。
【0303】
好ましい実施形態において、フィルターが管に固定される。好ましくは、管との接触面積を拡大する(管の垂直軸に沿って拡大する)ために、フィルターが垂直方向に延長される。これには、フィルターの安定性を高め、フィルターが動かないようにするという利点がある。一実施形態において、管は2層で構成されたフィルターを含む。好ましくは、2層は重ねられる(1層がもう1層の上に乗る。
図4および
図10から14)。好ましくは、管との接触面積を拡大する(管の垂直軸に沿って拡大する。
図2、3および5A)ために、外層が垂直方向に延長される。好ましくは、外層と整合するよう、内層も延長される。一実施形態において、内層は延長されない(水平軸のみ)。一実施形態において、管は2、3、4、5、またはそれを超える数のフィルターが含まれる。
好ましい実施形態において、管の上部すなわち頂点部分に位置する管の第1部分は、管の下部すなわち基底部分に位置する第2部分よりも体積が大きい。別の好ましい実施形態において、フィルターを含む管の第1部分は約9.5 cm3の体積であり、管の第2部分は約3.5 cm3の体積である(
図5A)。
【0304】
好ましい実施形態において、フィルターを含む管の上部に位置する管の第1部分の体積は、管の全体積の約70%である。一実施形態において、フィルターを含む管の上部に位置する管の第1部分の体積は、管の全体積の約51%、55%、60%、65%、68%、70%、73%、75%、80%、90%、95%またはそれを超える。別の好ましい実施形態において、管の下部に位置する第2部分の体積は、管の全体積の約30%である。一実施形態において、管の下部に位置する管の第2部分の体積は、管の全体積の約49%、45%、40%、35%、32%、30%、27%、25%、20%、10%、5%またはそれ未満である。
【0305】
好ましい実施形態において、管の全体積は約13 cm3である(
図5A)。
【0306】
好ましい実施形態において、管の下部に位置する第2部分は、管の上部に位置する管の第1部分よりも直径が小さい。これには、フィルターが遠心分離その他の機械的応力下に置かれた場合に、その位置にとどまるという利点がある。
【0307】
好ましい実施形態において、管の上部に位置する管の第1部分の外径は、約15.5 mmまたは約15.4 mmである(
図3)。好ましい実施形態において、管の上部に位置する管の第1部分の内径は、約13.32 mmまたは約13.31 mmである(
図3)。
【0308】
好ましい実施形態において、管の下部に位置する第2部分の外径は、約13.7 mmである(
図5A)。好ましい実施形態において、管の下部に位置する第2部分の内径は、約11.6 mmである。
【0309】
好ましい実施形態において、2層で構成されるフィルターが、管の2つの部分を分ける。
好ましくは、2層は重ねられる(1層がもう1層の上に乗る。
図4および
図10から14)。
【0310】
好ましいフィルターを
図4および
図7から14までに示す。好ましくは、フィルターは内側の層および外側の層を含む(
図10、11および13)。
好ましい実施形態において、フィルターは管に固定される。別の実施形態において、フィルターは管に固定されない。
【0311】
一実施形態において、フィルターは
図7A、7B、8および9に示すように配列された開口部を含む対称的な一連の領域を含む。好ましくは、フィルターは対称的な4組の領域を含み、各領域が2列の領域で構成され、各領域に1つの開口部がある。管の中央に近い最初の開口部に関し、1つの開口部の内側部分から別の開口部の内側部分までの距離は約5.13 mmである(
図4の4番)。管の中央に近い最初の開口部に関し、1つの開口部の外側部分から別の開口部の外側部分までの距離は約5.67 mmである(
図4の3番)。管の辺縁に近い第2の開口部に関し、1つの開口部の内側部分から別の開口部の内側部分までの距離は約7.73 mmである(
図4の2番)。管の辺縁に近い第2の開口部に関し、1つの開口部の外側部分から別の開口部の外側部分までの距離は約8.27 mmである(
図4の1番)。一実施形態において、各開口部間の距離は約0.53または0.54 mmである(
図9および
図14の21番)。
【0312】
好ましくは、上層すなわち内側の層は4組の対称的な領域で構成され、各領域が2列の領域で構成され(
図9、13および14)、各領域は規則的に配列された適切な数の漏斗で構成される(
図13および14)。好ましくは、各漏斗の底に位置するギャップつまり開口部の長さは約0.27 mmである(
図14の26番)。好ましくは、漏斗の一端から他端までの距離は約1 mmであり、上層の厚みに対応する(
図14の24番)。好ましくは、上層の厚みは約1 mmである(
図12の34番および
図14の24番)。漏斗の数は層のサイズにより異なる。好ましくは、漏斗の底には閉じた孔がある(
図14の26番)。
【0313】
好ましくは、下層すなわち外側の層は4組の対称的な領域で構成され、1組が3列の領域で構成され(
図8、13および14)、各領域は規則的に配列された適切な数の台形で構成される(
図13および14)。台形の数は層のサイズにより異なる。好ましくは、各台形間の距離は約0.53 mmである(
図14)。各台形の基部の長さは約0.77 mmである(
図14)。好ましくは、各台形の高さは約0.5 mmである(
図14)。好ましくは、下層の厚みは約1 mmである(
図12および14)。
【0314】
好ましくは、上層と下層の領域は常に交互に並ぶ。好ましくは、下層で最初の台形領域の後に上層で最初の漏斗領域が続き、その後、下層で第2の台形領域、上層で第2の漏斗領域、最後に、下層で第3の台形領域が続く(
図4、13および14)。
【0315】
好ましくは、上層の各漏斗は、漏斗の中心を延長すると下層にある2つの台形のほぼ中間に位置するよう配置される(
図4、13および14)。より好ましくは、上層の各漏斗は、漏斗の中心を延長すると下層にある2つの台形の正確に中間に位置するよう配置される(
図4、13および14)。好ましくは、台形は連続的に漏斗と交互に並ぶ。
【0316】
本発明の管を遠心分離にかけると、漏斗の底にある閉じた孔(
図14の26番)が遠心力により開くことにより、赤血球が2つの台形の間で方向を定められて孔を通過し、最終的に管の下位部分に移動することができる。遠心分離が止まると、漏斗の孔が閉じるため、赤血球は管の上位部分に逆流しない。各漏斗の下に位置する下層の台形は、赤血球の管の下位部分への通過を補助し、赤血球の逆流を防ぐためにも役立つ。
【0317】
好ましくは、上層の体積は約0.26 cm3である。好ましくは、下層の体積は約0.29 cm3である。
【0318】
好ましくは、上層はポリプロピレン(PP)製である。好ましくは、下層は熱可塑性エラストマー(TPE)製である。本発明に記述されているか、または当業者により知られている他の構成要素を使用してもよい。
【0319】
好ましくは、フィルターの中央は湾曲する(
図4、10から13)。これには全血を漏斗に誘導するという利点がある。好ましくは、フィルターは管の中央から下層の基部までの長さが約0.5 mmになるように湾曲する(
図12の36番)。
好ましくは、下層の高さは約8 mmである(
図2および
図10の14番)。好ましくは、下層の外径は約12.74 mmである(
図10の17番)。好ましくは、上層の内径は約9.6 mmである(
図10の16番)。好ましくは、上層の湾曲していない上面からの層の高さは約6 mmである(
図10の9番)。好ましくは、上層の湾曲した上面からの層の高さは約5.5 mmである(
図10の11番)。
【0320】
一実施形態において、管は漏斗が付いたフィルターのみを含む。
【0321】
本発明の別の実施形態において、漏斗および台形またはそのいずれかの数は変更可能である。本発明の別の実施形態において、漏斗および台形またはそのいずれかの領域の数は変更可能である。本発明の別の実施形態において、漏斗および台形またはそのいずれかの対称的な領域の組の数は変更可能である。本発明の別の実施形態において、管は漏斗および台形またはそのいずれかの対称的な2組の領域で構成される。
【0322】
本発明は全構成要素の長さが本明細書に示した長さとは異なる管も含む。本発明は全構成要素の長さが本明細書に示した長さとは異なり、長さが約0.1 mm、0.2 mm、0.3 mm、0.5 mm、1 mm、1.5 mm、2 mm、5 mm、8 mm、10 mm、15 mm、20 mm、50 mm、75 mm、1 cm、2 cm、5 cm、10 cmまたはそれを超えるものも含む。
【0323】
一実施形態において、フィルターはレーザーで成形または作製される。
【0324】
本発明の管には、高効率で赤血球を血漿から分離するという利点がある。本発明の管を使用すると、血漿中のRBCの比率が、全血中のRBCの比率と比較し、99%を超える値、98%、95%、93%、90%、85%、80%、75%、70%、65%または60%減少する。
【0325】
COCまたはCOPには、費用の節約および硬くて強い医療用材料であること以外に、天然のガラスと透明性が同等であるという利点がある。典型的なCOC材料は、HDPE(高密度ポリエチレン(HDPE)またはポリエチレン高密度(PEHD)は、石油から作られるポリエチレン系熱可塑性樹脂である)およびPP(ポリプロピレンまたはポリプロペン(PP)は熱可塑性ポリマーである)よりも弾性率が高い。また、COCは低い吸収率に加え、クリアポリマーの中では防湿性が高い。医療用途において、COCは純度が高く、抽出可能物質が少ない製品として知られる。COCはハロゲンを含有しない製品でもある。
【0326】
COC材料は優れた光学的透明度と水蒸気に対する高い防湿性を持つ。型に忠実に細かい特徴まで成形でき、一般的なすべての滅菌法に耐え、加水分解および広範な化学物質に対する抵抗性を持つ。
【0327】
また、COC材料は優れた耐熱性、機械特性、硬さ、寸法安定性、電気絶縁特性を備えている。抽出可能物がきわめて少なく、in vivoおよびin vitroの生体適合性が優れているため、米国薬局方クラスVIおよびISO 10993の要件を満たし、FDA原薬および機器原簿に登録されている。
【0328】
それに加え、透明度、硬さ、軽さ、熱および化学物質に対する抵抗性、生体適合性、湿気に対する寸法安定性(湿気の浸透性が低い)、成形性、およびハロゲンの欠如という特徴を持つCOCは、使用における多数の利点を備えている。ガラスと比較して機器および包装材料の破損が少なく、医薬品の有効期間が延長され、UV波長における診断測定が可能になり、より小型で速い診断装置を作ることができる。さらに、COCの各種等級はガンマ線照射、蒸気、酸化エチレンによる滅菌を受けることができるため、一般的なすべての方法による滅菌が可能である。
【0329】
別の局面において、本発明は
図15に従う血液バッグシステムまたは血液採取管器具を提供する。
本発明に従う血液バッグシステムまたは血液採取管器具に採取され、貯蔵される血液は、本発明に従う任意の工程、組成物、製品、用途で使用できる。
【0330】
血液バッグシステムまたは血液採取管器具は、真空にし、密封することができる。血液採取管またはバッグには、チキソトロピックゲルおよび抗凝固剤またはそのいずれかを充填することができる。
【0331】
本発明の血液バッグシステムまたは血液採取管器具は、複数のバッグまたは管に血漿および細胞組成物を送達できるマルチチャンネル式の血液採取器具で構成される。
別の局面において、本発明は、1個の複数導管アダプタを含む1本の導入管を提供し、アダプタから伸びる導管は2個以上のバッグまたは管と接続され、複数導管アダプタの各アダプタ導管は1個のバッグまたは管と接続される。
【0332】
別の局面において、本発明は以下を含む血液バッグシステムまたは血液採取管器具を提供する。
【0333】
a)1本の導入管
b)複数のアダプタ導管が付いた1個の複数導管アダプタ
c)2個以上のバッグまたは管
ここで1本の導入管は複数導管アダプタと接続され、複数導管アダプタの各アダプタ導管は1個のバッグまたは管と接続される。
【0334】
一実施形態において、本発明は血液組成物を貯留するための本発明に従う血液バッグシステムまたは血液採取管器具を提供する。
【0335】
好ましくは、血液バッグシステムまたは血液採取管器具は、
図15に図解された導入管(1)、複数導管アダプタ(2)、アダプタ導管(3)、および2個以上のバッグまたは管(4)を含む。
【0336】
一実施形態において、血液バッグシステムまたは血液採取管器具はさらに、一以上の留め具(5)(
図15)を含む。好ましくは、各アダプタ導管に対して1個の留め具を提供する。一実施形態において、各アダプタ導管に対して2個以上の留め具が提供される。
好ましくは、血液バッグシステムまたは血液採取管器具の各バッグがさらに、キャップを含む。
図15に、各バッグ(4)が1個のキャップ(6)を含む血液バッグシステムまたは血液採取管器具を示す。好ましくは、無菌シリンジを接続するために、キャップはロック解除するか、またはねじって、外すことができる。このキャップには、無菌状態でバッグの内容を容易に吸引できるという利点がある。一実施形態において、ルーアーロックシリンジを使用できる。代替方法として、キャップの代わりに針を使用してもよい。
【0337】
好ましくは、導入管およびアダプタ導管は柔軟である。好ましくは、導入管およびアダプタ導管は管状である。
【0338】
一実施形態において、血液バッグシステムまたは血液採取管器具は、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、12個、14個、16個、18個、20個またはそれ以上のバッグまたは管を含む。好ましくは、血液バッグシステムまたは血液採取管器具は、8個のバッグまたは管を含む。
【0339】
好ましくは、本発明は一回のみ使用する使い捨てのバッグまたは管を提供する。
【0340】
一実施形態において、各バッグには約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16、18、20、25、30 mLまで、またはそれ以上の血液が入る。好ましくは、各バッグには約10 mLの血液が入る。好ましくは、各バッグの容量は一回の使用に合わせる。好ましくは、各バッグに集められる血液の量は、一回の使用に十分な量である。
好ましくは、血液バッグシステムまたは血液採取管器具は、密封された流路を提供する。さらに好ましくは、血液バッグシステムまたは血液採取管器具は、密封された無菌の流路を提供する。
【0341】
好ましくは、バッグまたは管が充満すると、各バッグを個別に密封できる。これには個別の、そのまま使用可能な、一回使用の使い捨てバッグまたは管という利点がある。
好ましくは、各バッグを真空処理する。好ましくは、血液バッグシステムまたは血液採取管器具を真空処理する。
【0342】
好ましい実施形態において、各バッグが第2の保護具または包装材に挿入される。これには包装に関するISO標準(ISO11607-1およびISO11607-2)に従い二重の保護を施すという利点がある。
【0343】
好ましくは、各バッグが真空処理後に第2の包装材に挿入される。好ましくは、第2の包装材を真空処理し、密封する。滅菌、真空処理および二重の保護により、非常に安全に使用できるバッグまたは管が得られる。
【0344】
一実施形態において、つまんで外せる栓、着脱式の栓、またはスライド締め具などの従来の流れを調節する手段により、液体の流れを調節できる。
【0345】
血液バッグまたは管システムとして、血液適合性、柔軟、半透明、および滅菌可能なプラスチック材料で作られた従来の構造を使用できる。プラスチックとしてポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン等々を使用でき、以上の材料の混合物を含む。導入管およびアダプタ導管は、血液バッグまたは管のプラスチック材料と同じ、または異なるプラスチック材料で作ることができる。
【0346】
一実施形態において、濾過器具を本発明の血液バッグシステムまたは血液採取管器具と一体化することができる。濾過器具には、硬質ポリ塩化ビニルまたはその類似物を原料とする容器および管状部品が含まれる。濾過器具には、綿もしくは酢酸セルロース、またはポリエステル、ポリアミド、その類似物などの他の合成繊維のような濾過材を充填できる。濾過媒体の量は濾過する赤血球の量により変化する。通常、200〜250 mLの赤血球濃縮液に対して約20〜50グラムの濾過材が使われる。
【0347】
一実施形態において、赤血球の貯蔵期間を延長するために、添加溶液が追加される。この添加溶液としては、例えば、Ginzburg et al, Bibl. Haemotol., 1971, No. 3, Pt. 2, 217-220; Wood et al, Blood, Vol. 42, No. 1, 1973, 17-25; Beutler, "The Red Cell in Vitro", Grum and Stratton, New York, N.Y., 1974, p. 201; Lovric et al, Medical Journal of Australia, Vol. 2, 183-186, 1977; U.S. Pat. No. 4,267,269に記述された従来の赤血球貯蔵溶液を、200〜250 mLの赤血球濃縮液に対して約50〜100 mL加える。
一実施形態において、本発明の血液バッグシステムまたは血液採取管器具のバッグまたは管は、アデニン-クエン酸-ブドウ糖(ACD)、クエン酸-リン酸-デキストロース(CPD)、クエン酸-リン酸-2-デキストロース(CP2D)、CPDにアデニンを添加、または他の従来の抗凝固剤などの抗凝固剤を含むことができ、採取した血液にそれらを混合する。次に、採取した血液を直接処理するか、または普通、約4°〜6℃で貯蔵する。処理にあたっては、当業者の間で普通に行われる方法により、バッグシステムを遠心分離にかけ、血中の赤血球をバッグの底に沈殿させる。血漿を従来の技法により絞り出し、新鮮血漿および血小板濃厚液を得る。
【0348】
バッグまたは管の中の血液は、本発明の任意の局面および実施形態またはそのいずれかで使用できる。
【0349】
血液バッグシステムまたは血液採取管器具は、製造および生産が容易であり、医療分野において非常に有用である。本発明を使用することにより、血液採取が容易になり、安全になり、効率が改善される。有利には、本発明により追跡が容易になる。有利には、本発明は血液バッグシステムもしくは血液採取管器具、血液バッグシステムもしくは血液採取管器具を含むキット、器具、またはそのいずれかを提供し、血液成分の容易、迅速かつ安全な採取、貯蔵および送達を可能にする。さらなる利点として、血液成分の採取、貯蔵および送達は、ISO標準に準拠する無菌条件下で実行される。さらなる利点として、血液バッグシステムもしくは血液採取管器具、キット、器具、またはそのいずれかは、ポイントオブケアでの使用に特に適合している。
好ましくは、血液成分の採取、貯蔵および送達は、無菌条件下で実行される。
【0350】
一実施形態において、製造にアクリル樹脂の材料を使用した、使い捨て可能なバルブが提供される。
【0351】
別の局面において、本発明は、本発明に従う一以上の血液バッグシステムもしくは血液採取管器具を含む無菌のキットおよび器具またはそのいずれかを提供する。血液成分を貯蔵するために必要な全用具が無菌キットで提供され、血液成分の著ZYVOX法が安全かつ経済的になる。
【0352】
本発明に従う血液バッグシステムもしくは採血管装置、キット、器具またはそのいずれかは、本明細書に記述する任意の局面および実施形態またはそのいずれかに従い、トロンビン、多血小板血漿、血小板濃厚液、細胞抽出物、細胞組成物、創傷治癒剤、組織治癒剤、止血剤、または生体接着剤を調製するために使用できる。
【0353】
本発明に従う血液バッグシステムもしくは採血管装置、キット、器具またはそのいずれかにより提供される血液は、本明細書に記述するすべての用途に使用できる。例えば、本発明に従う血液バッグシステムもしくは採血管装置およびキットまたはそのいずれかは、手術、外来診療、または慢性創傷で使用できる。
【0354】
本発明に従う血液バッグシステムもしくは採血管装置、キット、器具またはそのいずれかにより提供される血液は、同種または自己成分として使用できる。
同種成分として使用されるとき、本発明に従う血液バッグシステムもしくは採血管装置、キット、器具またはそのいずれかにより提供される血液および血液成分またはそのいずれかは、既知のシステムに代わる有利な、効率の良い、シンプルな、低コストの方法を意味する。それは自己血液の採取が不可能なときを意味する。
【0355】
以下に、本発明を例証する実施例を、より詳細に、図に示した実施形態を参照し、記述する。
実施例
以下の略語はそれぞれ次の定義を意味する。
ATS(自己トロンビン血清)、BU(Baxothrobin単位)、DMEM(ダルベッコ最小必須培地)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、EC(濃縮クロット)、FCS(ウシ胎児血清)、HT(治癒時間)、IU(国際単位)、PBS(リン酸緩衝食塩水)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PRP(多血小板血漿)、PPP(少血小板血漿)、USP(米国薬局方)、cm(センチメートル)、dL(デシリットル)、g(グラム)、Gy(グレイ)、J(ジュール)、L(リットル)、min(分)、mm(ミリメートル)、M(モル)、mL(ミリリットル)、nm(ナノメートル)、rpm(毎分回転数)、Vol.(体積)
全般的な手順および条件
創傷治癒、および骨または組織の再生を促進する上での本発明の組成物の有効性を決定するために、以下の実験を実施する。ヒト全血検体を本発明に従う分離管に採取する。使用可能な管として、例えば約10〜15 mLのガラス管(直径16 mm、長さ120〜130 mm)は、2〜3 mLのポリエステル製チキソトロピックゲル、1 mLの0.1 Mクエン酸ナトリウム溶液を含み、使用可能な真空容量は約8.0 mLから10 mLである。この管は本発明の血小板濃厚液組成物を調製するために直ちに使用可能な器具である。
【0356】
使用可能な管の別の例として、PET(ポリエチレンテレフタレート)製の約10 mLの管は、ポリマー混合物を含む2 mLのチキソトロピックゲルおよびクエン酸ナトリウム溶液(約0.1 M)を含み、使用可能な真空容量は約8.0 mLから10 mLであり、本発明の血小板濃厚液組成物を調製するために直ちに使用可能な器具である。使用可能な管の別の例は、本発明に従う管である。これらの管には2種類の成分が充填され、減圧され、放射線照射により滅菌され(ISO 11137, UNI EN ISO 11737-2, UNI EN 552, UNI EN 556の規定に従う方法など)、ガラス管用の普通のブロモブチルゴム栓およびクロロブチル栓などの従来のキャップで密封し、操作の安全性のためにポリエチレンのカバーが付いている。次に、スイングローター付きで半径14cmの遠心分離機で、管を約1500gから約2000g、すなわち約2,500rpmから約3,800 rpmで、約3分から10分、遠心分離にかける。約45°の固定角度のローター付きの遠心分離機の場合は、遠心分離に約5分から約15分かかる。代替方法として、管を本発明に従い遠心分離にかける。
【0357】
遠心分離後、血小板濃厚液を採取し、本発明の治療または美容用途に使用するか、または、細胞抽出物、好ましくは自己細胞抽出物(例えば角化細胞、線維芽細胞、骨髄細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、筋芽細胞、角膜細胞、シュワン細胞、脂肪細胞、臍帯幹細胞、腱細胞、膵島細胞、靱帯および歯肉細胞、骨膜細胞)、骨代用材、凝固活性化因子などのさらなる薬品との混合により、ここで得た血小板濃厚液を含むさらなる組成物を調製するために使用する。
【0358】
本発明の血漿濃縮物、PRP、組成物は、リン酸三カルシウム(TCP)、ヒアルロン酸(HA)、キトサン、クリーム、クリームマスク、細胞抽出物、脂肪細胞、ラブリシン、cd-ゼラチンおよびボツリヌス菌またはそのいずれかと混合できる。
【0359】
本発明に従う細胞組成物の調製のために、細胞は以下の一般的な実験計画に従い調製される。
a)生検
対応する組織の生検は、採取する特定の細胞に適合する標準的な方法を使い、無菌条件下で行う。細胞は洗浄、遠心分離または沈殿により精製できる。細胞は遠心分離、酵素消化(トリプシン、コラゲナーゼまたは組換えトリプシン)により分離できる。細胞は即時に使用するか、または任意選択により、以下のような生体外での培養および細胞増殖後に使用してもよい。
b)生体外の培養および細胞増殖
角化細胞、骨髄細胞、線維芽細胞、骨膜または角膜縁幹細胞などの角膜細胞、メラニン細胞およびランゲルハンス細胞、脂肪細胞、筋芽細胞および筋衛星細胞などの筋細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、臍帯細胞、シュワン細胞、間葉系幹細胞(MSC)、脂肪前駆細胞、内皮前駆細胞、腱または膵島細胞などの細胞組成物の調製に使用する細胞は、従来の方法により、血小板濃厚液、好ましくは自己由来の、フィブロネクチンを加えた血小板濃厚液でコーティングし、細胞担体培地(例えばDMEMまたはハム)を加えた培養プレート(例えばシャーレまたは培養フラスコ)で培養する。有利には、本発明の血漿濃縮物またはPRPを約5%から約20%の濃度で使用することにより、DMEMまたはハムなどの細胞担体培地が不要になる。さらに、有利には、これにより細胞製剤の有効性が20%上昇する。最終的に、細胞製剤にフィブロネクチンを加えてもよい。例えば角化細胞などの場合、培地に、好ましくはDMEMを加えてもよい。骨芽細胞、軟骨細胞および筋芽細胞などの細胞では、例えばコラゲナーゼまたはトリプシンの存在下で対応する組織を酵素消化した後に細胞を播種する必要がある。プレート上でのインキュベーションは、95%酸素または空気および5%二酸化炭素のガスフローを供給し、37℃で行う。
【0360】
典型的には、インキュベーション時間は10分から20分の間で変動する。最終的に、細胞増殖は光線療法(例えば、インキュベーション段階中に週1回の頻度で、633 nm の光線に約10分間、2J/cm2で曝露させる)により促進できる(例えば筋芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞などの場合)。
【0361】
外植片はシャーレまたは培養フラスコで、エアーリフティング法(Molnar et al., 1996, Tissue & Cell, 28:547-556)およびエアーインターフェース法(Meller et al, 2002, Br. J. Opht., 86, 463-471)を使い、外植片の半分を空気中に露出させた状態で培養する。インキュベーション中、培地は例えば3日に1回など、定期的に交換する。例えば筋芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞などの場合、2Dモードの平面状単分子膜として細胞が増殖する。例えば角膜細胞、筋芽細胞、線維芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞および角化細胞に、培地に対して約5%から約40%の血漿または濃縮血漿の体積濃度で、本発明に従う希釈した自己血小板濃厚液組成物を加えることにより、3Dの細胞増殖パターンが得られる。典型的には、本発明に従う希釈した自己血小板濃厚液組成物の追加は、インキュベーション時間中に2〜3回行う。その結果として得られる三次元の生体足場材料により、自己幹細胞の移植に有用な細胞外マトリックスを強化できる。
【0362】
インキュベーション後、細胞をトリプシンで穏やかに分解してプレートから遊離させ、細胞を浮き上がらせることにより、細胞をペレット状にすることができる。代替方法として、細胞を感熱性にし、熱により細胞を遊離させてもよい(感熱性ポリマーでコーティングしたシャーレを使用する)。
c)細胞の品質と安全性の確認
前記のように得た細胞製剤における細胞生存率は、顕微鏡による細胞計数、フローサイトメーターによる細胞計数と共に、標準的な技法による組織マーカーの免疫化学的検査により確認する。細胞生存率は、トリプシンによる細胞遊離の直後にトリパンブルーで染色するという方法で検査してもよい。微生物学的アッセイ法による混入検査で製剤の安全性を確認することにより、ウイルスまたは細菌の混入を排除し、動物由来感染症の導入を回避することができる。狂牛病の感染を防ぐために、ウシ胎児血清(FCS)の使用は避ける。
d)細胞製剤の管理
上記のように得た細胞製剤は、最終的な患者への導入前に、細胞を輸送する担体としての本発明に従う自己血小板濃厚液組成物に入れる。その後、上記の細胞製剤を患者に注入するか、または移植する。注入または移植の方法は、本発明に従う細胞製剤中に含まれる細胞のタイプおよび目的とする治療上または美容上の効果に適合させる必要がある。細胞のタイプおよび目的とする治療上または美容上の効果に従い、本発明に従う細胞組成物の調製および使用の方法に関する詳細を、より具体的に、以下の実施例で説明する。
【0363】
本発明に従う角化細胞または線維芽細胞製剤は、前記のように、採取後または細胞培養後に、そのまま使用できる。ただし、本発明に従う細胞製剤は、前記の細胞培養後に調製してもよい。
本発明に従う細胞製剤は、本発明に従う自己血小板濃厚液組成物を含まない培地で調製された細胞よりも、生存率と安定性(タンパク質を合成し、増殖因子を放出する能力などの細胞特性の完全性が維持されていることを含む)が優れている。さらに、細胞増殖が強化される。対照培地および無血清培地と比較し、細胞の増殖が加速され(約2〜5日速くなる)、細胞の密度が高い。本発明に従う細胞組成物を調製するための工程の利点は、同じ自己由来培地を細胞培養、細胞保存、細胞注入のための媒介物として、細胞の生物刺激および組織再生のための媒介物として使用できることである。
実施例1:本発明の自己血小板濃厚液の自己トロンビン濃縮血清と組み合わせた治療用途 トロンビン濃縮製剤として使用する自己トロンビン血清を、本発明に従い調製する。
【0364】
この工程の独創性の一つは、それぞれに自己トロンビン血清製剤および血小板濃厚液製剤を含む本発明の分離管を、同時に調製できることである。自己トロンビン血清(ATS)を調製するためのガラス管は、約8分間から約10分間、遠心分離にかける。血漿濃縮物またはPRP組成物を調製するためのプラスチック管(COCまたはCOP)またはガラス管は、約8分間から約10分間、遠心分離にかける。従って、有利には、ATSとPRP組成物が、ほぼ同時に使用可能になる。
【0365】
フィブリノーゲンからフィブリンメッシュへの重合化(凝固過程中に起きる)が、創傷に多血小板製剤を投与する瞬間にのみ起きるようにするために、血小板濃厚液組成物および自己トロンビン血清(凝固活性化因子)を、用途に従い、約10:1、10:3から10:10(濃厚液と凝固活性化因子の比)の体積比で、同時に創傷に投与する。比の違いにより、接着剤効果を目的とする凝固の速度が変化する。
両製剤を同時に送達するには、例えば2本のシリンジ(例えば血小板濃厚液組成物用に10 mLのシリンジ、トロンビン血清用に1 mLまたは3 mLのシリンジ)が付いた器具を使用し、両製剤を同時に放出させ、創傷と接触すると、それらが混合し、重合化するようにする。
実施例2:本発明の自己血小板濃厚液の美容用途
本発明の自己血小板濃厚液の美容用途の実施例を以下に挙げる。
【0366】
本発明に従う血小板濃厚液をクリーム、好ましくはエマルジョンと混合した後、術後または健康な皮膚の創傷に塗布する。保湿効果を強化し、皮膚の再生または若返りを生物学的に刺激するために、吸収過程の間に、血小板製剤はクリームまたはエマルジョンにより皮膚内へ運ばれる。針を使わずに手または器具により反復注入するメソセラピーという技法により、皮膚への注入が可能である。容積増大のために、皺の皮下への注入が可能である。充填効果および調和の取れた容積増大またはそのいずれかを目的として、皺、額、頬の下部、臼歯の周辺、頬、顎、首、胸またはそのいずれかに、血小板濃厚液を自己トロンビン血清と10:1または10:3の比で混合して注入することができる。適切な場合は、顔の重要な容積増大を目的として、新たに吸引した脂肪組織と約10:10の比で混合した血漿濃縮物を皮下に注入することができる。適切な場合は、胸の重要な容積増大または輪郭形成を目的として、新たに吸引した脂肪組織と約10:3または10:2の比で混合した血漿濃縮物を皮下に注入してもよい。
【0367】
100%アルブミンのAlbugel(EP 1 543 846)製剤のようなハイドロゲルまたはアルブミンの細網化により作られる他のハイドロゲル、およびポリエチレングリコールなどの他の化合物または他の任意の成分を使用し、高度に親水性の紙基材を使用し、多血小板血漿が吸収されるまで、担体を皮膚と接触させておくことができる。
【0368】
本発明は以下のメソセラピー注入法を含む。
【0369】
- 真皮乳頭層
- 真皮網状層への皮下注入
- 深いレベルで骨膜の上
「医療フェイスリフト」とも呼ばれるこれら3レベルの注入には、血漿のみ、血漿と脂肪組織の併用、血漿とリン酸三カルシウムの併用を使用する。
実施例3:自己筋細胞集合体製剤
本発明に従う自己細胞集合体の例は、本発明に従う工程により調製でき、その工程の(d)または(e)段階で骨格筋細胞(筋前駆細胞または筋衛星細胞)が提供される。
【0370】
a)筋芽前駆幹細胞
骨格筋生検材料は外側広筋から採取し、サイズは7x3 cmである。生検の前日に準備として、提案された生検部位(左右いずれかの大腿部の外側で、外側広筋と重なる膝関節のすぐ上の皮膚10 x 15 cm)にデカドロンおよびマーカイン(作用時間が長いリグノカイン)を筋肉内注射する。筋肉を細かく切り、コラゲナーゼ、プロナーゼおよびトリプシン(Worthington )を組み合わせ、酵素消化する。筋外植片は本発明に従う自己血小板濃厚液組成物でコーティングしたシャーレに播種し、95%酸素および5%二酸化炭素、37℃ の条件下で3〜4週間インキュベートする。筋芽細胞を線維芽細胞から識別するための筋芽細胞マーカーとして、デスミンまたはCD-56の発現を使用する。筋芽前駆細胞の3Dの増殖を
図3に示す。培養中に633 nmの可視光線に2J/cm
2で10分間曝露させ、細胞増殖を促進できる。移植の当日(例えば3〜4週間のインキュベーション後)、骨格筋細胞をトリプシンまたは本明細書に記述する任意の方法により遊離させ、本発明に従う自己血小板濃厚液組成物に入れる。心筋層への注入は、左心室の心筋層への直接の注射または複数回のカテーテルによる注入で行う。本発明に従う心筋細胞製剤は、心臓再生、心不全の治療、慢性心不全、虚血性ならびに非虚血性心不全、および非虚血性心筋症などの心臓障害に有用である。骨格筋芽細胞を移植した心臓病患者では、駆出率を9%改善できる。
【0371】
上記の細胞製剤は、尿失禁の治療(前記の方法で調整した筋芽細胞を膀胱頸部に注入する)、逆流性食道炎または胃食道逆流傷害の治療(前記の方法で調整した筋芽細胞を下部食道括約筋に注入する)および肛門失禁(前記の方法で調整した筋芽細胞を肛門近辺領域に注入する)にも有用な場合がある。
【0372】
代替方法として、線維芽細胞と筋芽細胞を組み合わせて調製してもよい(筋生検材料および筋周膜からの萌芽の中に、筋管細胞および筋衛星細胞と共に線維芽細胞が存在する)。心臓障害の治療の場合、線維芽細胞製剤と筋芽細胞製剤の混合物(前記の方法で得たもの)を、線維芽細胞と筋芽細胞の比率を約30:70にして、心筋層に挿入する。
【0373】
膀胱頸部失禁治療の場合、前記の方法で筋芽細胞を培養すると同時に、それとは別に線維芽細胞を培養し、超音波制御下で、線維芽細胞製剤を尿道近辺に注入し、筋芽細胞製剤を横紋括約筋に注入する。
【0374】
b)筋衛星細胞
筋芽細胞および筋衛星細胞を、本発明に従う自己血小板濃厚液組成物の存在下で、生体外で培養する。7日間の初代培養後、細胞増殖の刺激が観察される。
【0375】
次に、約3〜4週間のインキュベーション後、細胞を採取し、4x4 cm のヒト上皮切除羊膜パッチおよび本発明に従う自己血小板濃厚液組成物を含む組織培養培地(DMEMに5〜20%体積濃度の本発明に従う自己血小板濃厚液組成物を加える)に播種する。代替方法として、自己活性化フィブリンポリマーを使用してもよい。自己活性化フィブリンポリマーは、グルコン酸カルシウムを約10:3または約10:10の比で含む血漿を遠心分離にかけて調製する。次に、10分間、UV照射する。インキュベーション中に(典型的には約2週間から約3週間)、細胞は羊膜構造物の上に伸展し、単層を形成する。生存率および単層の伸展は、週2回のパッチ辺縁の生検および単層の厚みを測定する組織学的評価により評価する。
【0376】
移植の当日(例えば3〜4週間のインキュベーション後)、心室表面に本発明に従う自己血小板濃厚液組成物を展開し、次に、心室への注入後にパッチ上の幹細胞が虚血部分に定植できるよう、前記の方法で得たパッチを、細胞を下側にして虚血性心室の創傷に貼付する。不活性で免疫反応を誘発しない羊膜により、細胞保持率が維持される。
【0377】
本発明に従う血小板濃厚液筋衛星細胞は、心筋形成術のための組織工学製剤として、心臓再生および心不全の治療に有用である。
実施例4:自己線維芽細胞集合体製剤
本発明に従う自己線維芽細胞集合体の例は、本発明に従う工程により調製でき、その工程の(d)または(e)段階で皮膚線維芽細胞が提供される。
【0378】
皮膚線維芽細胞は以下の手順に従い単離され、増殖される。生検の1カ月前に、最適なドナー皮膚領域(耳または前腋窩ヒダの裏。例えば日光による老化を受けていない領域)をビタミンAクリームで処理し、皮膚線維芽細胞を活性化する。10x6 mmの全層の皮膚生検を実施し、顕微鏡下で切開し、すべての上皮を除去する。
【0379】
上皮を除去した生検材料(真皮)を3x3 mmのブロックに切り、外植片とする。次に、真皮乳頭層を上向きに置き、エアーリフティング法(前記のMolnar et ah, 1996)およびエアーインターフェース法(前記のMetier et al, 2002)を使い、外植片の半分が空中に露出した状態で培養する。外植片をDMEM中に播種し(例えば各ウェルに外植片6個など)、37℃ 、95%酸素および5%二酸化炭素の条件下で、シャーレまたは培養フラスコで約3〜5日間から約9日間まで培養する。培地は3日間ごとに交換する。インキュベーション中に、静的成長として、平面状の単層の2Dモードでの線維芽細胞の増殖が観察される。インキュベーション開始の7〜9日後に、本発明に従う5〜20%自己血小板濃厚液組成物を培地に加えることにより、増殖および表現型パターンの3Dへの変化が達成される。まず、基質を被覆するだけの量の(1ウェルあたり0.2 mL)自己血小板濃厚液組成物で細胞を刺激する。その後、細胞は3Dのフィブリンゲルマトリックスとして増殖する。次に、細胞はフィブリンゲル中で分化し、生体足場またはネットワークを形成する。細胞数は毎日、計数盤を使い計数し、アポトーシスの評価には倒立顕微鏡(Olympus(登録商標))を使用する。
3〜6週間インキュベートした後、フィブリンゲルから細胞を回収する。通常のトリパンブルー染色法およびウイルスの混入を含む細菌学的評価により、細胞の生存率を測定する。前記の方法で得た増殖後の線維芽細胞抽出物を、本発明に従う自己血小板濃厚液組成物の存在下でシリンジに入れ、その製剤を顔の皺に、より具体的には皺の下に注射する。注射は額、頬の下、臼歯の周辺、頬、顎および首を被覆するよう、顔全体に対して行う必要がある。細胞培養液を633 nmの可視光線に曝露することにより、細胞増殖を促進できる。
本発明に従う線維芽細胞製剤は、顔の若返り、顔の皺ならびに皮膚皺の改善、放射線による損傷を受けた皮膚(放射線皮膚炎または日光による損傷を受けた皮膚)、老化した皮膚または熱傷を受けた皮膚の治療、および顔の皺、皮膚皺、ざ瘡(特に皮膚切除術後)、熱傷、風疹もしくは痘瘡、白斑、脂肪萎縮症もしくはエイズ関連リポジストロフィーなどのリポジストロフィー、カポジ肉腫、皮膚ケロイドまたはデュピュイトラン手掌線維腫症の改善、および皮膚の若返る治療、またはそのいずれかにおいて有用である。
実施例5:自己脂肪組織および脂肪細胞集合体製剤
脂肪組織を好ましくは下腹部から吸引し、PBSで洗浄し、遠心分離にかけて沈殿させ、脂肪組織をトリグリセリドおよび細胞片から分離する。その間に、本発明に従う血漿濃縮物すなわちPRP組成物を調製するために、血液を採取し、遠心分離にかける。脂肪組織とPRP組成物の混合は、PRP組成物を吸引するための無菌移動器具を使い、トリグリセリドが減少した後の脂肪吸引に使用したシリンジ中で行う。血漿濃縮物と脂肪組織の比は、顔に対しては10:10、胸部および輪郭形成に対しては10:3とする。
【0380】
好ましくは、注入は即時に、両方の濃縮細胞を調製するための最短期間内に、および生体外で細胞を取り扱うための最短時間内に行う。
【0381】
本発明に従う自己細胞集合体の例は、本発明に従う工程により調製でき、その工程の(d)または(e)段階で、例えば脂肪幹細胞、間葉系幹細胞(MSC)が提供される。MSCはコラゲナーゼで分離し(脂肪前駆細胞、内皮前駆細胞)、PRPと共に懸濁し、皮下、関節内、または整形外科手術を含め、製剤を注入する。製剤に浸液無細胞マトリックスを併用し、創傷に直接投与するか、投与前に研究室内で培養する。成熟脂肪幹細胞は、本発明に従う5〜20%体積濃度の自己血小板濃厚液組成物中で標準培養方法を使い分離する。その後、外傷による欠損または40歳前後の患者での年齢に関連する欠損などの組織欠損の患者に、アプリケーターを使い、製剤を注入する。本発明に従う脂肪細胞製剤は、HIV/AIDS患者などの脂肪萎縮症および先天性顔面片側萎縮症の治療に有用である。
実施例6:自己軟骨細胞集合体製剤
本発明に従う自己細胞集合体の例は、本発明に従う工程により調製でき、その工程の(d)または(e)段階で軟骨細胞が提供される。
【0382】
軟骨をドナーの膝から分離し(生検材料サイズ10 x 5mm)、細かく切る。軟骨細胞は本発明に従う5〜20%体積濃度の自己血小板濃厚液組成物を加えた培地中で4〜6週間培養する。次に、軟骨細胞を酵素消化(コラゲナーゼおよびプロナーゼ)により遊離させる。深部軟骨障害および損傷の患者に細胞製剤を外科的に注入する。
【0383】
本発明に従う軟骨細胞製剤は、深部軟骨損傷および糜爛、または関節鏡検査後の治療に有用である。
【0384】
本発明に従う軟骨細胞製剤の用途の別の例は、先天性鼻軟骨萎縮症の患者において、外科手術ではなく1回の注入処置により行う鼻形成術での用途である。
【0385】
注入の前日に、耳の軟骨0.4 x 0.4 cmの生検を行い、DMEMおよび抗生物質を含む無菌容器に入れる。検体をトリプシンおよびコラゲナーゼで酵素消化する。遊離した軟骨を、本発明に従う自己血小板濃厚液組成物に再懸濁する。患者はまず局部麻酔と鼻の消毒を受ける。次に、前記の軟骨製剤を、容積の補充または懸垂を必要とする部位の軟骨表面および骨膜またはそのいずれかに注入する。第2段階では、皮膚の再生および若返りを生物学的に刺激するために、本発明に従う自己血小板濃厚液組成物を鼻の皮膚の表層部分に注入する。注入は1時間で終了し、患者は帰宅できる。生存細胞の高い回収率が観察される。回収され、注入された軟骨細胞および血漿中の細胞の量は約109個であった。従って、本発明に従う軟骨細胞製剤は、鼻の軟骨の欠損を外科手術ではなく注入によってのみ治療するために有用である。
実施例7:自己臍帯幹細胞集合体製剤
本発明に従う自己細胞集合体の例は、本発明に従う工程により調製でき、その工程の(d)または(e)段階で臍帯幹細胞が提供される。臍帯幹細胞は分離された後、冷凍保存され、血液疾患の治療に使われる。
【0386】
本発明に従う臍帯幹細胞製剤は血液学的疾患(地中海貧血症など)の治療に有用である。
【0387】
注入の手順としては、幹細胞を血漿濃縮物に再懸濁した後、再注入する。
実施例8:自己腱細胞集合体製剤
本発明に従う自己細胞集合体の例は、本発明に従う工程により調製でき、その工程の(d)または(e)段階で腱細胞が提供される。
【0388】
腱線維芽細胞は、5〜20%体積濃度の本発明に従う自己血小板濃厚液組成物中で、標準的な手順に従い単離する。腱線維芽細胞は、本発明に従う自己血小板濃厚液組成物を加えた培地中で約1週間から約3週間培養する。注入前に、新たに処理した血漿濃縮物に細胞を再懸濁する。その後、細胞製剤を患者の損傷部位(例えば断裂した腱、関節炎領域)に注入する。損傷部位の特定および移植した溶液の生着を改善するために、注入は超音波検査法で誘導して行う。
【0389】
腱線維芽細胞製剤の注入は、肩回旋筋腱板の隣に行ってもよい。まず、回旋筋腱板損傷を関節鏡手術で修復し、次に、腱線維芽細胞製剤を長いカテーテルで縫合部分に注入する。これは回旋筋腱板辺縁部での腱線維芽細胞の治癒を改善し、肩峰の下の閉鎖空間における血腫を防ぎ、および、治癒の促進、リハビリテーションの強化、関節の運動の改善により、凍結肩を防ぐ。本発明に従う腱細胞製剤は、腱の断裂、外傷または老化による関節炎、肩回旋筋腱板の治療に有用である。
実施例9:自己靱帯および歯肉細胞集合体製剤
本発明に従う自己細胞集合体の例は、本発明に従う工程により調製でき、その工程の(d)または(e)段階で骨膜および歯肉細胞が提供される。
【0390】
全身および局部麻酔下で、4頭の健康なメスのビーグル犬の下顎骨の頬側から、骨膜(約10x10 mm)を無菌的に採取する。採取した骨膜を3x3 mmの細片に切断する。組織を6ウェルのプレートに直接播種し、5%二酸化炭素および95%空気、37℃ の条件下で、5〜20%体積濃度の本発明に従う自己血小板濃厚液組成物組織を加えた培地で培養する(約3週間から約[beta]週間)。骨膜および歯肉細胞を酵素消化により単離し、静置方法で培養する。
【0391】
典型的には、6週間の培養は、移植に適切な厚さの骨膜を入手するために十分である。
【0392】
自己血小板濃厚液組成物および細胞製剤は再懸濁後、患者の損傷部位に注入される。
実施例10:自己角膜細胞集合体製剤
コラゲナーゼまたはトリプシンなどの酵素による方法を使わずに細胞を採取するために、温度感受性の膜でコーティングされたシャーレで調製する。
【0393】
本発明に従う自己細胞集合体の例は、本発明に従う工程により調製でき、その工程の(d)または(e)段階で角膜細胞が提供される。
【0394】
角膜の辺縁の眼角贅皮から生検材料を採取し、本発明に従う自己血小板濃厚液組成物で被覆したシャーレまたはフラスコ中で角膜辺縁幹細胞を4週間増殖させた後、同一人物に自己移植する。
【0395】
角膜培養幹細胞(角膜辺縁由来)は、培養された生存可能な本発明に従う角化細胞の懸濁液と共に構築物を播種した後、上皮を除去したヒト羊膜の表面で生体外細胞操作し、単層として増殖させることができる。播種には約500,000個の細胞が使用され、さらに約3週間のインキュベーション後、細胞が構造物の表面を覆う。細胞の操作は初代培養の開始後約3週間で起こり、再度の播種が必要な場合もある。その結果、コラーゲン、羊膜線維および角化細胞、膜、単層細胞で構成される生物学的バイオ複合材構成物が形成される。本発明に従う角膜細胞製剤は、溶解性コンタクトレンズ上に展開し、損傷を受けた角膜に使用できる。コンタクトレンズはなくなり、細胞が角膜欠損を埋める。本発明に従う角膜細胞製剤は、眼乾燥症候群の患者に、点眼液の形で局所的に投与できる。代替方法として、前記の羊膜それ自体を瘢痕のある角膜または構造物上で使用することができ、および、本発明に従う細胞組成物を生体または人工コンタクトレンズの内側に付着させた後、角膜に装着し、アイパッドでカバーする。
【0396】
代替方法として、新たに処理した血漿濃縮物に角膜細胞を再懸濁した後、使用する。
本発明に従う角膜細胞製剤は、眼乾燥症候群の疼痛の軽減、工業における酸および腐食性アルカリ熱傷によるスティーヴンス・ジョンソン症候群および角膜性失明、神経栄養性、ヘルペス性ならびに免疫学的に誘導される角膜潰瘍形成などの角膜潰瘍の治療に有用である。
実施例11:自己骨髄細胞集合体製剤
本発明に従う自己細胞集合体の例は、本発明に従う工程により調製でき、その工程の(d)または(e)段階で骨髄細胞が提供される。
股関節部の骨髄を吸引し、採取した後、骨髄濃縮物の調製にそのまま使用できる器具に入れ、赤血球を分離するための遠心分離にかける。
【0397】
骨髄細胞製剤は単独で使用するか、または本発明に従う血小板濃厚液と混合するか、またはグルコン酸カルシウムを加えて再び遠心分離にかけ、縫合可能な膜を形成し、アプリケーターを使い、患者の損傷部位に塗布または注入することができる。本発明に従う骨髄細胞製剤は、骨欠損または軟骨欠損の治療に有用である。骨髄細胞製剤は単独で使用するか、または本発明に従う血小板濃厚液と併用できる。軟骨用の膜はグルコン酸カルシウムとも併用できる。
実施例12:自己シュワン細胞集合体製剤
本発明に従う自己細胞集合体の例は、本発明に従う工程により調製でき、その工程の(d)または(e)段階でシュワン細胞が提供される。
局部麻酔下で、下肢の伏在神経または腓腹神経のいずれかの生検を行う。神経検体を小さいブロックに切断し、本発明に従う自己血小板濃厚液組成物を加えたシャーレで初代培養を誘導する。
【0398】
単層が3Dで増殖し、最終的に、細胞をトリプシン消化により採取し、シリンジ中で新たに採取した血小板濃厚液に再懸濁し、外科的に露出された損傷を受けた脊髄に局所的に浸潤させる。培養細胞はミエリンを含むことが明らかになっている。本発明に従うシュワン細胞製剤は、末梢神経損傷、神経縫合および脊髄損傷の治療に有用である。
実施例13:自己ヒト膵島細胞製剤
本発明に従う自己細胞集合体の例は、本発明に従う工程により調製でき、その工程の(d)または(e)段階で膵島細胞が提供される。
【0399】
膵島細胞は開放性生検により採取し、通常の酵素消化およびフィコール-ハイパック分離法(Page et ah, 2007, Diba. Vas. Dis. Res., 7-12)により分離した後、本発明に従う自己血小板濃厚液組成物を加えた培地に再懸濁する。
【0400】
次に、門脈を通じて肝臓に膵島細胞製剤を注入する。
【0401】
本発明に従う膵島細胞製剤は、1型糖尿病またはインスリン依存型糖尿病の治療、および真性糖尿病の高血糖症の回復に有用である。
実施例14:自己ヒト骨芽細胞製剤
本発明に従う自己細胞集合体の例は、本発明に従う工程により調製でき、その工程の(d)または(e)段階で骨芽細胞が提供される。
【0402】
局部麻酔下で、腸骨稜またはそれと同等の部位(上顎骨)から、皮質のパンチ骨生検を行う。骨生検材料を4℃で無菌的にDMEM培養液または生体外での骨および骨芽細胞の培養を熟知する当業者の間で知られる同等の輸送媒体に移す。骨生検材料を細かく切断し、10%に希釈したタイプIコラゲナーゼ(SigmaまたはBoehringer)を使い、層流フード下で37℃ 、15分間、酵素消化する。代替方法として、トリプシン(Worthington)による酵素消化を使用してもよい。酵素消化は4℃で、DMEM中で10%の自己血小板濃厚液組成物で3回洗浄して停止する。製剤は遠心分離にかけて沈殿させ、再懸濁する。骨の断片をシャーレまたはフラスコに外植片として、本発明に従う血小板濃厚液組成物中でエアーリフティング法を使い、播種する。製剤は95%空気および5%二酸化炭素の気流中で、抗生物質のゲンタマイシンおよびアンホテリシンと共に、37℃で培養する。培地は週3回交換し、毎回、DMEM培地に本発明に従う10〜20%体積濃度の自己血小板濃厚液組成物を追加する。細胞の生存率および形態を週3回検査し、細胞の爬行、アポトーシスおよび三次元の単層増殖を評価する。微小線維の形成および分化は倒立顕微鏡(Olympus(登録商標))で評価する。細菌およびウイルスの混入がないことを確認する。骨芽細胞は、グルコン酸カルシウムを約10:3または約10:10の比で含む血小板濃厚液を遠心分離して新たに調製された自己フィブリンポリマー膜の中で操作できる。フィブリンポリマーが縫合の役割を果たす。前記の方法で得た100,000個の細胞を膜に播種した後、ヒト羊膜上への骨芽細胞の細胞操作を行い、細胞のバイオ複合材料による足場および細胞単層担体/構築物を作り、単層膜を3〜4週間増殖させることにより、他に類のない骨芽細胞-羊膜-膜構築物を構築することができ、それは任意の部位における骨折の癒合不全後に、骨欠損または移植部分を被覆するために使用できる。代替方法として、骨芽細胞を新たに調製した骨髄濃縮物と混合して注入または塗布し、および、ソフトゲルが必要な場合は、さらに自己トロンビン血清と併用してもよい。
【0403】
本発明に従う骨芽細胞製剤は、骨欠損、骨移植または骨障害の治療に有用である。