(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下で本発明の、アムロジピンベシル酸塩である原薬と特定の崩壊剤を含む配合錠の処方及び製造方法、を詳細に説明する。但し以下の記載は本発明を説明するための例示であり、本発明をこの記載範囲にのみ特別限定する趣旨ではない。
【0012】
<錠剤の形態>
本発明の錠剤は、2以上の原薬を含む配合錠であり、素錠(フィルムコーティング層や糖衣層等で覆われていない、打錠等により成形したままの錠剤を指す。以下同じ。)であることが好ましく、特に好ましくは素錠である口腔内崩壊錠である。本発明の錠剤に係る素錠は、フィルムコーティング層で被覆することでフィルムコーティング錠とすることが可能である。
また、本発明に係る口腔内崩壊錠は口腔内崩壊時間が60秒未満のものであり、40秒未満であるものが特に好ましい。
本発明に係る錠剤の形状は特に限定されず、円形錠{円形平錠(隅角錠等含む)、円形R錠(隅角錠、2段R錠等含む)等}や異形錠等のいずれの形状でもよいが、円形R錠であることが好ましい。
【0013】
<原薬の物性>
本発明の錠剤は原薬として、アムロジピンベシル酸塩と、アムロジピンベシル酸塩でない原薬を一以上含む。アムロジピンベシル酸塩でない原薬の例としては、オルメサルタンメドキソミル、イルベサルタン、バルサルタン等が挙げられるが、特に好ましくはイルベサルタンである。
本発明の錠剤の製造に使用されるアムロジピンベシル酸塩のメディアン径(d
50)は0.1〜100.0μmが好ましく、より好ましくは1.0〜50.0μmである。アムロジピンベシル酸塩は、必要に応じて適宜乾式又は湿式粉砕を行い、任意の粒子径に調整することも可能である。アムロジピンベシル酸塩は錠剤全重量に対して好ましくは1.0〜15.0重量%の範囲で素錠中に含有され、より好ましくは2.0〜10.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
本発明の錠剤の製造に使用されるイルベサルタンのメディアン径(d
50)は1.0〜100.0μmが好ましく、より好ましくは5.0〜50.0μmである。イルベサルタンは、必要に応じて適宜乾式又は湿式粉砕を行い、任意の粒子径に調整することも可能である。イルベサルタンは錠剤全重量に対して好ましくは25.0〜70.0重量%の範囲で素錠中に含有され、より好ましくは35.0〜65.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
【0014】
<錠剤の製造に使用可能な医薬添加剤>
本発明の錠剤の製造に用いられる、医薬的に許容可能な医薬添加剤としては、通常使用されている賦形剤、崩壊剤、結合剤、可塑剤、滑沢剤、矯味剤、界面活性剤、着色剤、コーティング剤等が使用できる。
【0015】
<賦形剤>
本発明に係る賦形剤は、例えば、乳糖水和物、結晶セルロース、無水乳糖、D−マンニトール、トウモロコシデンプン等から選ばれ、好ましくはD−マンニトール、トウモロコシデンプンから選ばれる。賦形剤は素錠の全重量に対して好ましくは25.0〜60.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
【0016】
<崩壊剤>
本発明に係る崩壊剤は、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、結晶セルロース等から選ばれ、好ましくはカルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムから選ばれる。崩壊剤は素錠の全重量に対して好ましくは2.0〜30.0重量%、より好ましくは8.0〜25.0重量%、さらに好ましくは12.0〜20.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
本発明の錠剤に含まれる特定の崩壊剤は、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウムから選ばれるが、好ましくはカルメロース又はカルメロースカルシウムであり、最も好ましくはカルメロースである。特定の崩壊剤は素錠の全重量に対して1.0〜15.0重量%、好ましくは2.0〜10.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
【0017】
<結合剤>
本発明に係る結合剤は、例えば、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、糊化デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体等から選ばれ、好ましくはポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体である。結合剤は素錠の全重量に対して0.05〜10.0重量%の範囲で素錠中に含有されることが好ましい。
【0018】
<滑沢剤>
本発明に係る滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム等から選ばれ、好ましくはステアリン酸マグネシウムである。滑沢剤は素錠の全重量に対して0.5〜3.0重量%の範囲で素錠中に含有されることが好ましい。
【0019】
<矯味剤>
本発明に係る矯味剤は、例えばスクラロース、ソルビトール、トレハロース、フマル酸、フマル酸一ナトリウム等から選ばれ、好ましくはスクラロースである。矯味剤は素錠の全重量に対して1.0〜10.0重量%の範囲で素錠中に含有されることが好ましい。
【0020】
<コーティング剤>
本発明に係るコーティング剤は、ヒプロメロース、エチルセルロース、エチルセルロース分散液、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、ジメチルアミノメタアクリレート・メチルメタアクリレートコポリマー等から選ばれ、好ましくはエチルセルロース又はエチルセルロース水分散液である。コーティング剤は錠剤の全重量に対して0.05〜10.0重量%の範囲で錠剤中に含有されることが好ましい。
【0021】
<着色剤>
本発明に係る着色剤は、酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、赤色3号、黄色4号、黄色5号、赤色3号アルミニウムレーキ、黄色4号アルミニウムレーキ、黄色5号アルミニウムレーキ等から選ばれ、好ましくは酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄又は黄色4号アルミニウムレーキである。着色剤は錠剤の全重量に対して0.01〜10.0重量%の範囲で錠剤中に含有されることが好ましい。
【0022】
<造粒物の構成及び製造方法>
本発明の錠剤は造粒物を含む場合があり、造粒物は結合剤を含有する溶液を用いて攪拌造粒や流動層造粒、噴霧乾燥造粒等の方法によって製造することが可能である。本発明の錠剤に係る造粒物は、アムロジピンベシル酸塩又はアムロジピンベシル酸塩でない原薬を含む。アムロジピンベシル酸塩を含む造粒物においてはコーティング剤で被覆した被覆造粒物とすることが可能であり、其の具体的な製造方法例として流動層コーティング法(ワースター法を含む)等が挙げられる。造粒物(好適にはアムロジピンベシル酸塩でない原薬を含むもの)には崩壊剤(カルメロースは除く。)を適量(好適には造粒物全重量に対して10.0〜20.0重量%)含むことが好ましく、特に結晶セルロース又はクロスポピドンである崩壊剤を含むことが好ましい。カルメロース等の特定の崩壊剤は錠剤中において造粒物中又は造粒物外のどちら側に含有されていても構わない。
【0023】
<錠剤の製造方法>
本発明の錠剤である素錠は、一般的な製造方法によって作成することが可能であり、例えば以下の製造方法によって作成することが可能である。
まず、イルベサルタン、賦形剤、崩壊剤、矯味剤を混合した粉末に水に溶解した結合剤を加えて湿式高速撹拌造粒を行って造粒物を製造する。本発明で使用する高速撹拌造粒機は、例えば、バーチカルグラニュレーター(株式会社パウレック)やハイスピードミキサー(アーステクニカ)である。更に、前記造粒物を、アムロジピンベシル酸塩(又は、アムロジピンベシル酸塩を含有する造粒物)、崩壊剤及び滑沢剤等と混合した後に打錠機によって圧縮成形して錠剤とする。さらに、得られた錠剤に通気型パン式コーティング装置等によってフィルムコーティング層の被覆を施してもよい。
【0024】
以下に実施例等により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
【実施例1】
【0025】
<イルベサルタン造粒物の製造>
イルベサルタン150.0g(HUAHAI製)、D−マンニトール59.7g(マンニットC/三菱商事フードテック製)、トウモロコシデンプン30.0g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)及びクロスポビドン15.0g(CL−SF/BASF製)を高速撹拌造粒機(VG−01型/パウレック製)に投入し、PVA共重合体0.3g(POVACOAT Type F/大同化成工業製)を精製水65gに溶解した液を滴下して造粒した。引き続き、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度80℃で排気温度が35℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕してイルベサルタン造粒物品を得た。
【実施例2】
【0026】
実施例1で得られたイルベサルタン造粒物品170.0g、アムロジピンベシル酸塩13.87g(Moehs製)、トウモロコシデンプン4.13g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)、カルメロース10.0g(NS−300/ニチリン化学工業製)及びステアリン酸マグネシウム2.0g(太平化学産業製)と共に混合し、打圧800kgfで打錠して1錠質量200.0mg、直径8mmの錠剤(円形R錠)を得た。
【実施例3】
【0027】
イルベサルタン150.0g(HUAHAI製)、D−マンニトール59.7g(マンニットC/三菱商事フードテック製)、トウモロコシデンプン30.0g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)及びカルメロース15.0g(NS−300/ニチリン化学製)を高速撹拌造粒機(VG−01型/パウレック製)に投入し、PVA共重合体0.3g(POVACOAT Type F/大同化成工業製)を精製水65gに溶解した液を滴下して造粒した。引き続き、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度80℃で排気温度が35℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕してイルベサルタン造粒物品を得た。得られた造粒物品170.0g、アムロジピンベシル酸塩13.87g(Moehs製)、トウモロコシデンプン4.13g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)及びステアリン酸マグネシウム2.0g(太平化学産業製)と共に混合し、打圧800kgfで打錠して1錠質量190.0mg、直径8mmの錠剤(円形R錠)を得た。
【実施例4】
【0028】
イルベサルタン150.0g(HUAHAI製)、D−マンニトール59.7g(マンニットC/三菱商事フードテック製)、結晶セルロース30.0g(UF−711/旭化成ケミカルズ製)及びカルメロース15.0g(NS−300/ニチリン化学製)を高速撹拌造粒機(VG−01型/パウレック製)に投入し、PVA共重合体0.3g(POVACOAT Type F/大同化成工業製)を精製水65gに溶解した液を滴下して造粒した。引き続き、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度80℃で排気温度が35℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕してイルベサルタン造粒物品を得た。得られた造粒物品170.0g、アムロジピンベシル酸塩13.87g(Moehs製)、トウモロコシデンプン4.13g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)及びステアリン酸マグネシウム2.0g(太平化学産業製)と共に混合し、打圧800kgfで打錠して1錠質量190.0mg、直径8mmの錠剤(円形R錠)を得た。
【実施例5】
【0029】
イルベサルタン150.0g(HUAHAI製)、D−マンニトール59.7g(マンニットC/三菱商事フードテック製)、クロスポビドン30.0g(CL−SF/BASF製)及びカルメロース15.0g(NS−300/ニチリン化学製)を高速撹拌造粒機(VG−01型/パウレック製)に投入し、PVA共重合体0.3g(POVACOAT Type F/大同化成工業製)を精製水65gに溶解した液を滴下して造粒した。引き続き、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度80℃で排気温度が35℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕してイルベサルタン造粒物品を得た。得られた造粒物品170.0g、アムロジピンベシル酸塩13.87g(Moehs製)、トウモロコシデンプン4.13g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)及びステアリン酸マグネシウム2.0g(太平化学産業製)と共に混合し、打圧800kgfで打錠して1錠質量190.0mg、直径8mmの錠剤(円形R錠)を得た。
【実施例6】
【0030】
イルベサルタン150.0g(HUAHAI製)、D−マンニトール67.2g(マンニットC/三菱商事フードテック製)、結晶セルロース30.0g(UF−711/旭化成ケミカルズ製)及びカルメロース7.5g(NS−300/ニチリン化学製)を高速撹拌造粒機(VG−01型/パウレック製)に投入し、PVA共重合体0.3g(POVACOAT Type F/大同化成工業製)を精製水65gに溶解した液を滴下して造粒した。引き続き、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度80℃で排気温度が35℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕してイルベサルタン造粒物品を得た。得られた造粒物品170.0g、アムロジピンベシル酸塩13.87g(Moehs製)、トウモロコシデンプン4.13g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)及びステアリン酸マグネシウム2.0g(太平化学産業製)と共に混合し、打圧800kgfで打錠して1錠質量190.0mg、直径8mmの錠剤(円形R錠)を得た。
【実施例7】
【0031】
イルベサルタン150.0g(HUAHAI製)、D−マンニトール71.7g(マンニットC/三菱商事フードテック製)、トウモロコシデンプン30.0g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)、クロスポビドン15.0g(CL−SF/BASF製)、カルメロース15.0g(NS−300/ニチリン化学工業製)及びスクラロース15.0g(スクラロース(P)/三栄原エフ・エフ・アイ製)を高速撹拌造粒機(VG−01型/パウレック製)に投入し、PVA共重合体0.3g(POVACOAT Type F/大同化成工業製)を精製水65.0gに溶解した液を滴下して造粒した。引き続き、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度80℃で排気温度が35℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕してイルベサルタン造粒物品を得た。
アムロジピンベシル酸塩346.75g(Moehs製)及びトウモロコシデンプン73.25g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)を流動層造粒機(MP−01型/パウレック製)に投入し、PVA共重合体12.5g(POVACOAT Type F/大同化成工業製)を精製水300gに溶解した液を噴霧し、給気温度75℃で造粒した。引き続きエチルセルロース水分散液150.0g(アクアコートECD/FMC製)、D−マンニトール11.25g(マンニットC/三菱商事フードテック製)及びクエン酸トリエチル11.25g(シトロフレックス2 SC−60/森村産業製)を分散した液を噴霧し、給気温度75℃でコーティング(被覆)した。引き続き、給気温度85℃で排気温度が35℃になるまで乾燥した後、網目30meshのステンレス製篩で篩過してアムロジピンベシル酸塩被覆造粒物品を得た。
上記によって得られたイルベサルタン造粒物品198.0g、アムロジピンベシル酸塩被覆造粒物品20.0g、クロスポビドン10.0g(CL−SF/BASF製)及びステアリン酸マグネシウム2.0g(太平化学産業製)と共に混合し、ロータリー式打錠機(VIRGO型/菊水製作所製)にて、打圧600kgfで打錠して1錠質量230.0mg、直径9.5mm、硬度39N、口腔内崩壊時間36秒の口腔内崩壊錠(円形2段R錠)を得た。
【実施例8】
【0032】
イルベサルタン150.0g(HUAHAI製)、D−マンニトール71.7g(マンニットC/三菱商事フードテック製)、トウモロコシデンプン30.0g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)、クロスポビドン15.0g(CL−SF/BASF製)及びスクラロース15.0g(スクラロース(P)/三栄原エフ・エフ・アイ製)を高速撹拌造粒機(VG−01型/パウレック製)に投入し、PVA共重合体0.3g(POVACOAT Type F/大同化成工業製)を精製水65.0gに溶解した液を滴下して造粒した。引き続き、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度80℃で排気温度が35℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕してイルベサルタン造粒物品を得た。
アムロジピンベシル酸塩346.75g(Moehs製)及びトウモロコシデンプン73.25g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)を流動層造粒機(MP−01型/パウレック製)に投入し、PVA共重合体12.5g(POVACOAT Type F/大同化成工業製)を精製水300gに溶解した液を噴霧し、給気温度75℃で造粒した。引き続きエチルセルロース水分散液150.0g(アクアコートECD/FMC製)、D−マンニトール11.25g(マンニットC/三菱商事フードテック製)及びクエン酸トリエチル11.25g(シトロフレックス2 SC−60/森村産業製)を分散した液を噴霧し、給気温度75℃でコーティング(被覆)した。引き続き、給気温度85℃で排気温度が35℃になるまで乾燥した後、網目30meshのステンレス製篩で篩過してアムロジピンベシル酸塩被覆造粒物品を得た。
上記によって得られたイルベサルタン造粒物品188.0g、アムロジピンベシル酸塩被覆造粒物品20.0g、カルメロース10.0g(NS−300/ニチリン化学工業製)、クロスポビドン10.0g(CL−SF/BASF製)及びステアリン酸マグネシウム2.0g(太平化学産業製)と共に混合し、ロータリー式打錠機(VIRGO型/菊水製作所製)にて、打圧600kgfで打錠して1錠質量230.0mg、直径9.5mm、硬度43N、口腔内崩壊時間32秒の口腔内崩壊錠(円形2段R錠)を得た。
【実施例9】
【0033】
イルベサルタン1,200.0g(HUAHAI製)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース228.84g(LH−11/信越化学工業製)、クロスカルメロースナトリウム48.0g(ND−2HS/ニチリン化学製)及びカルメロースカルシウム15.0g(ECG−505/ニチリン化学製)を高速撹拌造粒機(パウレック製/VG−10型)に投入し、PVA共重合体48.0g(POVACOAT Type F/大同化成工業製)を精製水432gに溶解した液を滴下して造粒した。引き続き、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度85℃で排気温度が40℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕してイルベサルタン造粒品を得た。
得られたイルベサルタン造粒物品1452.77gとアムロジピンベシル酸76.23g(Moehs製)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース330.0g(NBD−021/信越化学工業製)、クロスカルメロースナトリウム44.0g(ND−2HS/ニチリン化学製)及びステアリン酸マグネシウム22.0g(太平化学産業製)と共に混合し、打圧1000kgfで打錠して1錠質量175.0mg、直径8mmの錠剤(円形R錠)を得た。
【実施例10】
【0034】
イルベサルタン1,200g(HUAHAI製)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース145.56g(LH−11/信越化学工業製)、クロスカルメロースナトリウム48.0g(ND−2HS/ニチリン化学製)及びカルメロースカルシウム15.0g(ECG−505/ニチリン化学製)を高速撹拌造粒機(パウレック製/VG−10型)に投入し、PVA共重合体48.0g(POVACOAT Type F/大同化成工業製)を精製水432gに溶解した液を滴下して造粒した。引き続き、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度85℃で排気温度が40℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕してイルベサルタン造粒品を得た。
得られたイルベサルタン造粒物品1376.43gとアムロジピンベシル酸152.57g(Moehs製)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース330.0g(NBD−021/信越化学工業製)、クロスカルメロースナトリウム44.0g(ND−2HS/ニチリン化学製)及びステアリン酸マグネシウム22.0g(太平化学産業製)と共に混合し、打圧1000kgfで打錠して1錠質量175.0mg、直径8mmの錠剤(円形R錠)を得た。
【実施例11】
【0035】
イルベサルタン1,200g(HUAHAI製)、アムロジピンベシル酸塩83.16g(Moehs製)及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース228.84g(LH−11/信越化学工業製)を高速撹拌造粒機(VG−10型/パウレック製)に投入し、PVA共重合体48.0g(POVACOAT Type F/大同化成工業製)を精製水432gに溶解した液を滴下して造粒した。引き続き、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度85℃で排気温度が40℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕しイルベサルタン造粒品を得た。
得られたイルベサルタン造粒品1430.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース330.0g(LH−B1/信越化学工業製)、クロスカルメロースナトリウム88.0g(ND−2HS/ニチリン化学製)、カルメロースカルシウム55.0g(ECG−505/ニチリン化学製)及びステアリン酸マグネシウム22.0g(太平化学産業製)と共に混合し、打圧1000kgfで打錠し1錠質量175.0mg、直径8mmの錠剤(円形R錠)を得た。
【実施例12】
【0036】
イルベサルタン1,200g(HUAHAI製)、アムロジピンベシル酸塩166.44g(Moehs製)及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース145.56g(LH−11/信越化学工業製)を高速撹拌造粒機(パウレック製/VG−10型)に投入し、PVA共重合体48.0g(POVACOAT Type F/大同化成工業製)を精製水432gに溶解した液を滴下して造粒した。引き続き、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動相乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度85℃で排気温度が40℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕しイルベサルタン造粒品を得た。
得られたイルベサルタン造粒品1430.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース330.0g(LH−B1/信越化学工業製)、クロスカルメロースナトリウム88.0g(ND−2HS/ニチリン化学製)、カルメロースカルシウム55.0g(ECG−505/ニチリン化学製)及びステアリン酸マグネシウム22.0g(太平化学産業製)と共に混合し、打圧1000kgfで打錠し1錠質量175.0mg、直径8mmの錠剤(円形R錠)を得た。
【0037】
[比較例1]
D−マンニトール170.0g(グラニュトールS/フロイント産業製)、アムロジピンベシル酸塩13.87g(Moehs製)、トウモロコシデンプン4.13g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)、クロスポビドン10.0g(CL−SF/BASF製)及びステアリン酸マグネシウム2.0g(太平化学産業製)と共に混合し、打圧800kgfで打錠して1錠質量200.0mg、直径8mmの錠剤(円形R錠)を得た。
【0038】
[比較例2]
実施例1で得られたイルベサルタン造粒物品170.0g、アムロジピンベシル酸塩13.87g(Moehs製)、トウモロコシデンプン4.13g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)、クロスポビドン10.0g(CL−SF/BASF製)及びステアリン酸マグネシウム2.0g(太平化学産業製)と共に混合し、打圧800kgfで打錠して1錠質量200.0mg、直径8mmの錠剤(円形R錠)を得た。
【0039】
[比較例3]
実施例1で得られたイルベサルタン造粒物品170.0g、アムロジピンベシル酸塩13.87g(Moehs製)、トウモロコシデンプン4.13g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース10.0g(LH−B1/信越化学工業製)及びステアリン酸マグネシウム2.0g(太平化学産業製)と共に混合し、打圧800kgfで打錠して1錠質量200.0mg、直径8mmの錠剤(円形R錠)を得た。
【0040】
[比較例4]
実施例1で得られたイルベサルタン造粒物品170.0g、アムロジピンベシル酸塩13.87g(Moehs製)、トウモロコシデンプン4.13g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)、デンプングリコール酸ナトリウム10.0g(GLYCOLYS/Roquette製)及びステアリン酸マグネシウム2.0g(太平化学産業製)と共に混合し、打圧800kgfで打錠して1錠質量200.0mg、直径8mmの錠剤(円形R錠)を得た。
【0041】
[比較例5]
実施例1で得られたイルベサルタン造粒物品170.0g、アムロジピンベシル酸塩13.87g(Moehs製)、トウモロコシデンプン4.13g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)、結晶セルロース10.0g(UF−702/旭化成ケミカルズ製)及びステアリン酸マグネシウム2.0g(太平化学産業製)と共に混合し、打圧800kgfで打錠して1錠質量200.0mg、直径8mmの錠剤(円形R錠)を得た。
【0042】
[比較例6]
イルベサルタン150.0g(HUAHAI製)、D−マンニトール59.7g(マンニットC/三菱商事フードテック製)、トウモロコシデンプン30.0g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)及びクロスポビドン15.0g(CL−SF/BASF製)を高速撹拌造粒機(VG−01型/パウレック製)に投入し、PVA共重合体0.3g(POVACOAT Type F/大同化成工業製)を精製水65gに溶解した液を滴下して造粒した。引き続き、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度80℃で排気温度が35℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕してイルベサルタン造粒物品を得た。得られた造粒物品170.0g、アムロジピンベシル酸塩13.87g(Moehs製)、トウモロコシデンプン4.13g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)、及びステアリン酸マグネシウム2.0g(太平化学産業製)と共に混合し、打圧800kgfで打錠して1錠質量190.0mg、直径8mmの錠剤(円形R錠)を得た。
【0043】
[比較例7]
イルベサルタン150.0g(HUAHAI製)、D−マンニトール59.7g(マンニットC/三菱商事フードテック製)、トウモロコシデンプン30.0g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)及びクロスポビドン15.0g(CL−SF/BASF製)を高速撹拌造粒機(VG−01型/パウレック製)に投入し、PVA共重合体0.3g(POVACOAT Type F/大同化成工業製)を精製水65gに溶解した液を滴下して造粒した。引き続き、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度80℃で排気温度が35℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕してイルベサルタン造粒物品を得た。得られた造粒物品170.0g、トウモロコシデンプン18.0g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)及びステアリン酸マグネシウム2.0g(太平化学産業製)と共に混合し、打圧800kgfで打錠して1錠質量190.0mg、直径8mmの錠剤(円形R錠)を得た。
【0044】
[比較例8]
アムロジピンベシル酸塩346.75g(Moehs製)及びトウモロコシデンプン73.25g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)を流動層造粒機(MP−01型/パウレック製)に投入し、PVA共重合体12.5g(POVACOAT Type F/大同化成工業製)を精製水300gに溶解した液を噴霧し、給気温度75℃で造粒した。引き続きエチルセルロース水分散液150.0g(アクアコートECD/FMC製)、D−マンニトール11.25g(マンニットC/三菱商事フードテック製)及びクエン酸トリエチル11.25g(シトロフレックス2 SC−60/森村産業製)を分散した液を噴霧し、給気温度75℃でコーティング(被覆)した。引き続き、給気温度85℃で排気温度が35℃になるまで乾燥した後、網目30meshのステンレス製篩で篩過してアムロジピンベシル酸塩被覆造粒物品を得た。
上記によって得られたアムロジピンベシル酸塩被覆造粒物品20.0g、D−マンニトール198.0g(グラニュトールS/フロイント産業製)、クロスポビドン10.0g(CL−SF/BASF製)及びステアリン酸マグネシウム2.0g(太平化学産業製)と共に混合し、ロータリー式打錠機(VIRGO型/菊水製作所製)にて、打圧600kgfで打錠して1錠質量230.0mg、直径9.5mm、硬度48N、口腔内崩壊時間23秒の口腔内崩壊錠(円形2段R錠)を得た。
【0045】
[比較例9]
イルベサルタン150.0g(HUAHAI製)、D−マンニトール86.7g(マンニットC/三菱商事フードテック製)、トウモロコシデンプン30.0g(日局コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)、クロスポビドン15.0g(CL−SF/BASF製)及びスクラロース15.0g(スクラロース(P)/三栄原エフ・エフ・アイ製)を高速撹拌造粒機(VG−01型/パウレック製)に投入し、PVA共重合体0.3g(POVACOAT Type F/大同化成工業製)を精製水65.0gに溶解した液を滴下して造粒した。引き続き、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径4mmのスクリーンを用いて湿式整粒した後、流動層乾燥機(MP−01型/パウレック製)に投入して給気温度80℃で排気温度が35℃になるまで乾燥した。乾燥後、解砕機(コーミルQC−197S/パウレック製)にて直径1mmのスクリーンを用いて乾式解砕してイルベサルタン造粒物品を得た。
アムロジピンベシル酸塩346.75g(Moehs製)及びトウモロコシデンプン73.25g(局方コーンスターチホワイト/日本コーンスターチ製)を流動層造粒機(MP−01型/パウレック製)に投入し、PVA共重合体12.5g(POVACOAT Type F/大同化成工業製)を精製水300gに溶解した液を噴霧し、給気温度75℃で造粒した。引き続きエチルセルロース水分散液150.0g(アクアコートECD/FMC製)、D−マンニトール11.25g(マンニットC/三菱商事フードテック製)及びクエン酸トリエチル11.25g(シトロフレックス2 SC−60/森村産業製)を分散した液を噴霧し、給気温度75℃でコーティング(被覆)した。引き続き、給気温度85℃で排気温度が35℃になるまで乾燥した後、網目30meshのステンレス製篩で篩過してアムロジピンベシル酸塩被覆造粒物品を得た。
上記によって得られたイルベサルタン造粒物品198.0g、アムロジピンベシル酸塩被覆造粒物品20.0g、クロスポビドン10.0g(CL−SF/BASF製)及びステアリン酸マグネシウム2.0g(太平化学産業製)と共に混合し、ロータリー式打錠機(VIRGO型/菊水製作所製)にて、打圧600kgfで打錠して1錠質量230.0mg、直径9.5mm、硬度33N、口腔内崩壊時間31秒の口腔内崩壊錠(円形2段R錠)を得た。
【0046】
実施例2〜12及び比較例1〜9で得られた各々の錠剤の処方を下記の表1〜5に一覧して示す(各添加剤の含量及び錠剤の重量の単位はmgである。)。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
(試験例1)
実施例2〜12及び比較例1〜9で得られた各々の錠剤について、第16改正日本薬局方・一般試験法の溶出試験法により試験開始5分後、10分後、15分後、30分後及び45分後のアムロジピンベシル酸塩の溶出率を求め、結果(n=3)を下記の表6〜10に示した。
使用した装置:溶出試験機/NTR‐6100型(富山産業製)
紫外線吸光光度計/UV‐1600型(島津製作所製)
測定条件:試験液:日局第2液
試験液量:900mL
パドル回転数:50rpm
液温:37℃
測定波長(アムロジピンベシル酸塩):360nm
測定波長(イルベサルタン):272nm
【0053】
【表6】
【0054】
【表7】
【0055】
【表8】
【0056】
【表9】
【0057】
【表10】
【0058】
表6において、カルメロースを含有する実施例2の配合錠は、カルメロースを含有しない比較例2〜5の配合錠と比べて試験開始15分後の溶出率が約30〜43%程高く、アムロジピンベシル酸塩の溶出速度が有意に早いことがみられた。よって、カルメロースが配合錠中のアムロジピンベシル酸塩の溶出速度を顕著に早めることが示された。
尚、カルメロースを含有する比較例1の錠剤及びカルメロースを含有しない比較例8の錠剤では、アムロジピンベシル酸塩の溶出速度がどちらも同程度に早いことがみられた。比較例1及び比較例8の錠剤はどちらも原薬としてアムロジピンベシル酸塩のみを含む単剤であるため、上記のカルメロースによる溶出性の改善効果は配合錠の場合にのみ見られる効果であると考えられる。
【0059】
表7において、カルメロースを造粒物中に含有する実施例3〜6は、カルメロースを造粒物中に含有しない比較例6と比べて試験開始15分後の溶出率が約16〜30%程高く、アムロジピンベシル酸塩の溶出速度が優れて早いことがみられた。よって、カルメロースによる溶出性の改善効果は造粒物中に含有された場合にも発揮される効果であることが考えられる。
また、結晶セルロース又はクロスポピドンを造粒物中に含有しない実施例3は結晶セルロース又はクロスポピドンを造粒物中に含有する実施例4〜6と比較して、溶出速度が若干遅いことがみられたため、造粒物中の結晶セルロースやクロスポピドン等の崩壊剤がアムロジピンベシル酸塩の溶出速度を高めることが考えられる。尚、カルメロースの錠剤中の含有量が異なる実施例4、5と実施例6で溶出速度が同程度の早さであったことから、カルメロースは少ない含有量でアムロジピンベシル酸塩の溶出速度を十分に改善する効果をもつことが示唆された。
【0060】
表8において、カルメロースを造粒物中に含有する実施例7の配合口腔内崩壊錠とカルメロースを造粒物中に含有しない実施例8の配合口腔内崩壊錠はアムロジピンベシル酸塩の溶出速度はどちらも同程度に高いことがみられた。よって上記の結果と同様に、カルメロースによるアムロジピンベシル酸塩の溶出性の改善効果は造粒物中外を問わずに発揮される効果であることが考えられる。また、カルメロースを含有しない比較例9の配合口腔内崩壊錠と比べると、実施例7、8の錠剤は試験開始15分後の溶出率が約95〜100%程高く、驚くべきほど有意に改善されることが明らかになり、カルメロースによるアムロジピンベシル酸塩の溶出性改善方法は配合口腔内崩壊錠において適用されることが特に望まれる技術であることが考えられる。
【0061】
以上より、本発明により得られるカルメロース等の特定の崩壊剤とアムロジピンベシル酸塩を含有する配合錠は、アムロジピンベシル酸塩の溶出速度が有意に改善された錠剤であることが示された。