(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321133
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】ヘッドスペースを減少させたコンタクトレンズパッケージ
(51)【国際特許分類】
B65D 75/36 20060101AFI20180423BHJP
G02C 7/04 20060101ALI20180423BHJP
B65D 85/38 20060101ALI20180423BHJP
A45C 11/04 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
B65D75/36
G02C7/04
B65D85/38 B
A45C11/04 B
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-501555(P2016-501555)
(86)(22)【出願日】2014年3月12日
(65)【公表番号】特表2016-514074(P2016-514074A)
(43)【公表日】2016年5月19日
(86)【国際出願番号】US2014024501
(87)【国際公開番号】WO2014150906
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2017年1月31日
(31)【優先権主張番号】61/788,952
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】バレ・ビンセント
(72)【発明者】
【氏名】カーニック・エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ゴード・ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ライラック・ダブリュ・ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】メドビッチ・チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】アダムス・ジョナサン
【審査官】
佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−110592(JP,A)
【文献】
特開2003−024123(JP,A)
【文献】
特開2009−067403(JP,A)
【文献】
特開2009−214944(JP,A)
【文献】
米国特許第05515964(US,A)
【文献】
米国特許第07398877(US,B1)
【文献】
米国特許第06276797(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/22
B65D 75/36
B65D 85/38
A45C 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズパッケージの形成方法であって、
前記レンズパッケージは、
体積と周縁を有する球形部と、
前記球形部に対してシールされたカバーと、
前記球形部内の溶液中に含まれるコンタクトレンズと、
を備え、
前記カバーはホイルであり、
前記方法は、前記球形部の前記周縁にヒートシールのリングを形成するためにヒートシールダイを用いて前記ホイルを前記球形部にヒートシールする工程を含み、
前記ヒートシールダイが前記球形部に前記ホイルを貼り付けるのに伴って前記ヒートシールダイの中央部分がホイルを押して前記ヒートシールされたホイルに凹面を形成するようにして、前記ホイルを前記球形部に接合する前記ヒートシールのリングの平面から前記ホイルが内側に突出するようにし、前記凹面が体積を前記球形部の前記体積から変位させる、レンズパッケージの形成方法。
【請求項2】
前記凹面が11〜20mmの直径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記凹面が13mmの直径を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記凹面が0.9〜2.2mmのたるみ深さを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記凹面が1.2〜1.9mmのたるみ深さを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記凹面が1.3mmのたるみ深さを有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記凹面が16mm×13mmの楕円外形を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記凹面が装飾用エンボス加工部を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許第号61/788,952,963号(2013年3月15日出願)の仮出願である。上記の関連する米国特許出願(単数又は複数)の完全な開示内容を全ての目的のために参照することにより、本明細書に援用するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、レンズパッケージの開封、出荷後及び保存後のユーザー・エクスペリエンスに関して、コンタクトレンズの能力を向上させる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
製造後、コンタクトレンズは、保存又は出荷中にそのパッケージングと相互作用する。様々な企業が、これらの相互作用を減少させようと努力してきた。一般に、レンズとパッケージの相互作用の最小化は、最適化されなければならない。場合によっては、眼に装着した場合に折れ曲がらない場合であっても、保存中にレンズが折れ曲がる(又は少なくともわずかに折れ曲がる)例があり得ることが疑われる。レンズ材料の種類に応じて、このような折れ曲がりの効果は、取り扱いの不便さからレンズの光学特性への影響までの範囲で変動する。
【0004】
この状態を再調査後、本発明者らは、パッケージ中のレンズのために「低ヘッドスペース」状態を上手く作製しながら、収率、スループット及び用いられる資本に関連した領域で高製造効率を保持してきた。言い換えれば、レンズとパッケージのカバーとの間に最小限のスペース(即ち、「低」「ヘッドスペース」)を提供することが、レンズが折れ曲がる又は上下が逆になる(即ち、レンズがひっくり返る)可能性を減少させるであろうと感じられる。
【0005】
「低ヘッドスペース」を提供するためのプロジェクトに伴うパラメータは、以下の通りである。
【0006】
レンズ設計の保護−レンズと製造後のパッケージングとの相互作用は、最小限に抑えられなければならない。
【0007】
顧客満足体験−いかなる否定的顧客満足体験も、避けるべきである。
【0008】
無菌−無菌バリア(即ち、ホイルとパッケージとの間のヒートシール)は、製造ライン上及び出荷中の両方で考慮されるべきである。
【0009】
以下の用語が使用されるであろう。
【0010】
窪みのついたパッケージ:用語「窪みのついたパッケージ」は、ホイルの平面がホイルをパッケージに結合するヒートシールリングの平面から内側へ突出するように、パッケージのホイルに凹形を付ける行為を指す。これは、所与の溶液用量体積での、パッケージ中の利用可能なヘッドスペースを減少させる。
【0011】
窪み:ヒートシールダイの中央部分が、ダイとしてホイル上を押し、ホイルをパッケージに貼り付ける場合、得られた凹面は、「窪み」と呼ばれる。
【0012】
たるみは、ヒートシールリングの上部によって画定される平面と窪みの頂点の間との距離を指す。
【0013】
変位量は、窪みの形状によって、ヒートシールリングの上部によって画定される基準面から変位した体積を指す。
【0014】
内径、又はID、又は直径は、ヒートシールリングの上部によって画定される平面に合致する、窪みの外径を指す。
【0015】
外径又はODは、窪みの最も外側の直径を指す。これは、窪みがIDより大きい直径を有するフランジを有する場合、IDと異なっていてもよい。
【0016】
取付特性は、窪みをヒートシールダイ内に固定することが可能である設計特性を指す。
【0017】
パターン又はエンボス加工部は、主要な凹形態を変化させない、窪みを形成するホイル上の形状を指す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
努力の結果として、2つの異なる技術を使用して、ヘッドスペースを減少させたレンズパッケージの配置が生み出された:
−パッケージの球形部中の溶液の用量体積を増加させ、その他のパッケージを変化させないことによって(「過充填」)、又は
−パッケージ上で特定の形状の窪みを作製するが、現在の用量を維持することによって、
−注意深く制御された両方の選択肢の組み合わせによって。
【0019】
以上のように、製造後の保存及び取り扱い中のレンズの折れ曲がりを、いずれかの方法を使用して減少させることができる。この改良は、製造中に物理的に実施するのにわずかな時間(最適には、30分未満)しかかからず、提供するための費用が非常に少なく、かつ実際的に製造への影響を有しない。
【0020】
本発明によって記載されたパッケージは、全てヘッドスペースが減少している。これらの種類のパッケージのユーザーにより提供された一般的なパラメータの入力から、その中で記載されている窪みと幾何学的に同値(あるいはそれほど侵入的でない)であろう窪みを含有するパッケージを有することが、選択された。そして具体的には、パッケージを、1.90mm以下のたるみ又は360μL以下の変位体積を考慮して設計した。既存の主要なパッケージングと組み合わせて、このような条件が出荷及び取り扱い中のレンズの折れ曲がり率の減少を提供する、ということが見出された。同様に、低ヘッドスペースパッケージ中に「ホイルを下ろした」配置で保存された又は長時間あったレンズは、ここで、「ホイルを上げた配置」で保存されたレンズに近い特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】球形部中に着座するコンタクトレンズの効果を示し、低ヘッドスペースを有さない(
図2)か、低ヘッドスペースを有する(
図3)。
【
図3】球形部中に着座するコンタクトレンズの効果を示し、低ヘッドスペースを有さない(
図2)か、低ヘッドスペースを有する(
図3)。
【
図4】レンズパッケージのカバーと共に使用され、上にエンボス加工されたパターンを有する20mmの直径の窪みを形成する、ダイを示す。
【
図5】より小型のレンズパッケージにおける変位体積の比較について、より大型のパッケージと比較して記載する、及び
【
図6】本発明を作製するのに有用なその他の種類の窪みのダイの図である。
【
図7】本発明を作製するのに有用なその他の種類の窪みのダイの図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明によって記載されたパッケージは、全てヘッドスペースが減少している。ヘッドスペースの減少は、生理食塩水溶液調整、主要なパッケージのボウル上のホイルの凹部、又はこれらの組み合わせのいずれかによって得られる。特に、低ヘッドスペースを得るために使用される方法にかかわらず、出荷及び取り扱い中に折れ曲がったレンズの比例寸法を管理することは、ヘッドスペース及び特定のパッケージの形状に関連しているという点を理解することが重要である。少ない折れ曲がりを得るために望ましい、全空洞体積のある割合として表されるヘッドスペースは、空洞の形状それ自体に依存する。したがって、本明細書に含まれる実施例は、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、むしろ関連性のある実施例として機能する。
【0023】
これらの種類のパッケージのユーザーにより提供された一般的な観察から、その中で記載されている窪みと幾何学的に同値(あるいはそれほど侵入的でない)であろう窪みを含有するパッケージを有することを、選択した。たるみは、球形部開口より非常に小さい直径(即ち、続く実施例の場合、13mm直径の寸法ファミリー)の窪みのためのホイルのたわみを画定する、最も関連性のある量であろうと判断した。たるみは、小径の変位量よりも良好な測定基準であることが判明したが、それは、ホイルが、窪みそれ自体の計算幾何学的変位量以上に変位量をよく増加させるからである。計算変位量は、他方では、球形部直径に近い寸法の直径(即ち、20mmのファミリー)の窪みのためのホイルのたわみを画定する、最も関連性のある量でなければならない。
【0024】
実験
標準ホイル配置による低ヘッドスペース及び生理食塩水用量体積の増加の評価
実験の第1セットでは、コンタクトレンズ製造ラインを実験条件下で使用して、全体積の34%(950μL、又はレンズパッケージのための典型的な量)と7%(1350μL、又はボウル一杯の充填量)との間に含まれる、様々な量のヘッドスペースを有するパッケージを作製した。これらの実験中、ヘッドスペースの影響対折れ曲がりが評価された。
【0025】
下のグラフは、異なる水準のボウル充填量(したがって、異なるヘッドスペース)のための、「出荷シミュレーション」(製造点から顧客への輸送を複製する)試験後に折れ曲がったレンズを示す。
【0027】
このグラフから、1150μL超の用量体積(又は21%のヘッドスペース)での、折れ曲がったレンズの減少が観察される。
【0028】
パッケージ中での窪みの形成による低ヘッドスペースの評価
実験の第2セットでは、レンズボウル上のホイルにおいて窪みのダイを使用して、低ヘッドスペースを有するパッケージを作製したが、その一例は、
図1に見られる。このダイにより、
図3に見られるようなものなどの、パッケージにおける窪みを作製した。
図3に見られるように、ホイルカバーのたるみSがあり、これは、
図2に見られるような以前の種類のコンタクトレンズパッケージにおいては容易に明らかではない。
【0029】
設計の第1段階中に、種々の窪み形状を、オフラインヒートシールユニットを使用して評価した。パッケージ及び中央の部品を適合するように変更したヒートシールダイを機械に供給し、ダイがホイルに接近したとき、ホイルを内側に押し込んだ。同様に、また、本発明者らは、異なる窪みと用量体積の組み合わせによって、ヘッドスペースを減少させた。それぞれの設計について、約30のレンズの量の取り扱いから、任意の種類のチャンバドーム型バスタブを有するレンズが面取りされ、楔が試験され(中央又は非中央)、約50%のレンズはホイルとボウルとの間にくっついたように見えた(浮遊物なし)。これらの選択肢は実行可能でないことが決定された。同様に、先細形状(楔)と共に製造されるパッケージは、ホイルに大量のしわを示し、これは、シール品質及び無菌性に影響を及ぼす。これらの形状もまた、選択肢から捨てられた。
【0030】
この第1スクリーニング後、スムーズに推移する形状が適用に最も良く適していると決定された。そのような形状の例としては、球形、放物線形、又は楕円形に成形された窪みが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0031】
下のグラフは、球形部分を使用してパッケージ上のホイルにへこみを付けた、窪みのためのヘッドスペースと折れ曲がったレンズとの間の関係を示す。窪みの基準は、わずかに異なる窪みの設計に対応し、類似した体積によってヘッドスペースが全て変化する。(表記法として、グラフのx軸は、「外径/内径/たるみ」を示す)。上記グラフより、より低いヘッドスペースをもたらす窪みは、出荷シミュレーション後試験の折れ曲がりの減少を促進することが非常に明白である。
【0033】
実験の第3セットでは、連続的な円形窪み形状のみが作製された。これらを標準の製造装置で測定した。パッケージは、13mmの窪みと20mmの窪みとの組み合わせに重点を置いた。20mmの窪みは、幾つかの種類のエンボス加工されたパターンを有し、レンズがホイルに張り付かないことを確認する。この研究で主に取り上げられたのは、単純なエンボス加工されたパターン対複雑な繰り返しパターンに注目することである。実際、しかし、これらのパターンは、主要ホイル表面からレンズの端部を持ち上げ、それによって、ホイル上へカップが吸着する可能性を除去することが見出された。
【0034】
ユーザーのための付加利益は、パッケージ上に審美的に望ましい形状を有するパターンを作製することが、以下によって可能となることである:
1−小さいパターンの場合、「光沢のない」ホイルを作製することによって。
2−ホイル上の幾つかの文字を強調することによって。特定の実施例は、ACUVUE(登録商標)の商標名で1本のエンボス加工された線を作製する能力を有し、これに下線を引く。ACUVUE(登録商標)
3−その他の審美的な心地よいパターンは、波、図案化された眼の形状である。これらの実施例は、本発明の原理を強調するように意図されており、これらの特定のパターンに限定されない。
【0035】
試験された窪み:
−20mmの直径を有する球体部分
−13mmの直径を有する球体部分
−1つのエンボス加工されたパターン、又は主要な窪み部分上の複数の線。ホイルに対してヘッドスペース及びレンズ配置を変化させることができる。
−ホイルの態様を変更する又はホイルに対してレンズの位置を変更する、エンボス加工された微細構造(光沢のない対光沢のある)
【0036】
図4は、レンズパッケージのカバーと共に使用され、その上にエンボス加工されたパターン(「単線」と呼ばれる)を有する20mmの窪みを形成する、ダイを示す。パターンを有するパッケージは、不規則なホイル表面をレンズに提供することにより、パッケージを「ホイルを下ろした」位置で保存した場合であっても、わずかにレンズの効果を変化させる場合があるカップ吸着を避けられる、という仮説を裏付けるものである。下表は、類似したヘッドスペースを有するパッケージ上の本発明の効果を示し、パッケージの1つのセットは、エンボス加工されたパターンを有する20mmの窪みを有し、その他のセットは、パターンを有さない20mmの窪みである。
【0038】
レンズとパッケージの相互作用を減少させることに加えて、これらの試験の結果として、幾つかの基本的機能設計についての考察を、窪みのついたパッケージングのために抽出した。これらの設計についての考察は、窪みの処理の更なる改善を強調するが、一般的な本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0039】
−取付及びセンタリング:窪みは、好ましくは、後面に取り付け、ヒートシールダイの中央に置かれるべきである。前面に取り付けた窪みでは、組み立てるのが困難であった。後面に取り付けた窪みは、前面の滑らかな窪みを可能にし、センタリングシステムは、ボウルの中央でホイルを窪ませることを可能にする。偏った窪みは、上記のように、レンズが挟まれてパッケージと相互作用する領域を生成する場合がある。
【0040】
−材料:窪みのダイのための最適な材料はステンレス鋼であるが、それは、ダイ材料と比較してより遅い熱伝達、並びにダイ材料と比較してより高い磨耗耐性があるためである。また、このような使用のために考えられ得るその他の窪みの材料は、セラミックス及びポリエーテルイミド若しくはポリエーテルエーテルケトンのような高耐熱プラスチックであろうが、これらに限定されない。
【0041】
−外径:20mm径の窪みの場合、窪み下の軸の直径が減少し、それによって熱伝達を制限するであろう。窪みとダイとの間のより低い熱伝達により、ヒートシール接触ゾーンの外側の領域においてホイルのポリマー層を溶解させるリスクを減少させることが望ましい。13mm径の窪みの場合、窪みは追加のフランジを有さず、またそれによって窪みとダイとの間により大きな空間を付与するであろうが、これは、熱伝達を制限するのに望ましく、洗浄時のアクセスを容易にするための、より大きな空間をも付与する。直径はヒートシール径及び形状に固有のものであろうことに、留意すべきである。ヒートシールと窪みとの間の任意の最適ギャップは、断熱性を高め、かつ取付/洗浄を容易にするが、これは、結果として生じる利益である。
【0042】
大きいたるみ/高い変位量の窪みは、パッケージ中のヘッドスペースを減少させるように設計されており、所望の範囲に対して気泡サイズを減少させるのに十分であり、900〜1000μLの現在の限定された用量体積を変化させることがない。これを得るために、使用された2つの窪みダイ設計は、
図6及び
図7に記載されている。
【0043】
用量体積の増加と組み合わされた窪みの評価
レンズとパッケージの相互作用を減少させるのに十分な生理食塩水用量体積の増加は、幾つかの開封技術下で若干の溶液が開封時にパッケージから押し出されるという、幾許かの欠点を有する。これは顧客満足体験のために最適ではない。また、同一の用量体積での、レンズとパッケージの相互作用を除去するのに十分なホイルの変形も、認識される欠点を有する。ホイル変形は、ヒートシール領域で生じるホイルの波うちのリスクを高めるほどに大きい。それぞれより低い程度のために使用された、両方の技術を使用して溶液を評価した。
【0044】
実験の第4セットでは、より低いたるみ及び低い変位量の窪みを設計し、わずかに増加させた用量体積と対にした。既に議論したように、
図3は、1つのこのような低いたるみ/低い変位量の窪みを示す。以下のグラフは、特定のヘッドスペース目標をもたらす用量体積と組み合わされた、2つの少ないたるみ/低い変位量の窪みの折れ曲がり率を示す。ヘッドスペースは、気泡直径によって定量化されている。これは、定量化の一例であり、本方法は、本発明の範囲を制限するものではない。全ての窪みは、有意な折れ曲がり率の改善を提供する。
【0046】
前述は、わずかな変更を受けたと理解されるべきであり、本発明の意図から逸脱せず、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物から理解されるべきである。
【0047】
〔実施の態様〕
(1) レンズパッケージであって、
体積を有する球形部と、
前記球形部に対して密閉されたカバーと、
前記球形部内の溶液中に含まれるコンタクトレンズと、
を備え、
前記密閉されたカバーが凹面を有する窪みを含有して、前記凹面が体積を前記球形部の前記体積から変位させるように、前記カバーが前記球形部に対して密閉される、レンズパッケージ。
(2) レンズパッケージであって、
体積を有する球形部と、
前記球形部に対して密閉されたカバーと、
前記球形部内の溶液中に含まれるコンタクトレンズと、
を備え、
前記ボウル中の前記溶液が最大化されて前記レンズを完全に被覆し、前記パッケージ内の前記レンズの折れ曲がりがないように、前記カバーが前記球形部に対して密閉される、レンズパッケージ。
(3) レンズパッケージであって、
体積を有する球形部と、
前記球形部に対して密閉されたカバーと、
前記球形部内の溶液中に含まれるコンタクトレンズと、
を備え、
前記密閉されたカバーがたるみを有する窪みを含有して、前記カバーと前記溶液との間の前記ヘッドスペースが、窪みを有さないカバーのヘッドスペース未満であるように、前記カバーが前記球形部に対して密閉される、レンズパッケージ。
(4) 前記窪みが11〜20mmの直径を有する、実施態様1に記載のパッケージ。
(5) 前記窪みが13mmの直径を有する、実施態様4に記載のパッケージ。
【0048】
(6) 前記カバーが11〜20mmの直径を有する窪みを含有する、実施態様2に記載のパッケージ。
(7) 前記窪みが13mmの直径を有する、実施態様6に記載のパッケージ。
(8) 前記窪みが11〜20mmの直径を有する、実施態様3に記載のパッケージ。
(9) 前記窪みが13mmの直径を有する、実施態様8に記載のパッケージ。
(10) 前記窪みが0.9〜2.2mmのたるみ深さを有する、実施態様1に記載のパッケージ。
【0049】
(11) 前記窪みが1.2〜1.9mmのたるみ深さを有する、実施態様1に記載のパッケージ。
(12) 前記窪みが1.3mmのたるみ深さを有する、実施態様11に記載のパッケージ。
(13) 前記カバーが0.9〜2.2mmのたるみ深さを有する窪みを含有する、実施態様2に記載のパッケージ。
(14) 前記窪みが1.2〜1.9mmのたるみ深さを有する、実施態様13に記載のパッケージ。
(15) 前記窪みが1.3mmのたるみ深さを有する、実施態様14に記載のパッケージ。
【0050】
(16) 前記窪みが0.9〜2.2mmのたるみ深さを有する、実施態様3に記載のパッケージ。
(17) 前記窪みが1.2〜1.9mmのたるみ深さを有する、実施態様16に記載のパッケージ。
(18) 前記窪みが1.3mmのたるみ深さを有する、実施態様17に記載のパッケージ。
(19) 前記窪みが16mm×13mmの楕円外形を有する、実施態様1に記載のパッケージ。
(20) 前記カバーが16mm×13mmの楕円外形を有する窪みを含有する、実施態様2に記載のパッケージ。
【0051】
(21) 前記窪みが16mm×13mmの楕円外形を有する、実施態様3に記載のパッケージ。
(22) 前記窪みが装飾用エンボス加工部を有する、実施態様1に記載のパッケージ。
(23) 前記カバーが装飾用エンボス加工部を有する窪みを含有する、実施態様2に記載のパッケージ。
(24) 前記窪みが装飾用エンボス加工部を有する、実施態様3に記載のパッケージ。