特許第6321141号(P6321141)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321141
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】喫煙物品のための装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 13/22 20060101AFI20180423BHJP
   A24F 13/08 20060101ALI20180423BHJP
   A24F 7/02 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
   A24F13/22
   A24F13/08
   A24F7/02
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-512359(P2016-512359)
(86)(22)【出願日】2014年5月7日
(65)【公表番号】特表2016-517693(P2016-517693A)
(43)【公表日】2016年6月20日
(86)【国際出願番号】EP2014059321
(87)【国際公開番号】WO2014180893
(87)【国際公開日】20141113
【審査請求日】2017年5月1日
(31)【優先権主張番号】13166915.2
(32)【優先日】2013年5月7日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】飯田 朋子
【審査官】 宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−504175(JP,A)
【文献】 実公昭61−015754(JP,Y2)
【文献】 特許第007970(JP,C2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F1/00−17/00
A24D1/00−3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙物品の内部に配置された液体送達部材を持つ喫煙物品を保持するための装置であって、前記装置が、
前記喫煙物品の喫煙中に前記喫煙物品を支持する支持部分と、
前記喫煙物品中の前記液体送達部材に外力をかけるよう構成された粉砕機とを備える、装置。
【請求項2】
前記支持部分がマウスピースを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置が前記マウスピース用の取り外し可能なカバーを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記装置を別の物体に取り付けるための手段をさらに備えた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
請求項3に依存する時、前記装置を別の物体に取り付けるための前記手段が、前記マウスピース用の前記取り外し可能なカバーを備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記喫煙物品の喫煙後に前記喫煙物品を前記支持部分から取り出すための手段をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記支持部分が、前記喫煙物品の喫煙中に前記喫煙物品を受けるための管状部分と、前記管状部分内に延びるためのインサートとを備え、前記インサートが、前記管状部分から前記喫煙物品を移動させて前記喫煙物品を前記支持部分から取り出すように、前記喫煙物品の喫煙後に前記管状部分内に挿入されるように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記支持部分が少なくとも2つの異なるサイズの喫煙物品を支持するように配列されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記支持部分が、前記喫煙物品の最下流端を受けるように配列され、前記支持部分が、第一の内部寸法を持つ第一の上流管状部分と第二の内部寸法を持つ第二の下流管状部分を備え、前記第一の内部寸法が前記第二の内部寸法よりも大きい、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記粉砕機が前記液体送達部材に約5 N〜約24 Nの外力をかけるよう配列されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記粉砕機が、消費者によってかけられた力を増幅して前記喫煙物品内の前記液体送達部材に前記外力を供給する少なくとも一つのレバーを備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記粉砕機が、前記液体送達部材の向かい合ったそれぞれの側に力をかけるための向かい合った2つの部分を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記粉砕機が、前記外力を前記液体送達部材にかけるための少なくとも一つの突起を備える、請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記装置が、喫煙物品が前記喫煙物品の喫煙のために前記支持部分によって支持されている時、前記粉砕機が前記外力を前記液体送達部材にかける位置になるように配列されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
喫煙物品の内部に配置された液体送達部材を持つ喫煙物品を保持するための装置の使用であって、前記装置が、前記喫煙物品の喫煙中に前記喫煙物品を支持する支持部分と、前記喫煙物品中の液体送達部材に外力をかけるよう構成された粉砕機とを備える、装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は喫煙物品の内部に配置された液体送達部材を持つ喫煙物品を保持するための装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
喫煙物品、特に紙巻たばこは通常、端と端が接する関係で細かく切られたたばこロッドまたは別のエアロゾル形成基質と整列されたフィルターを備える。フィルターは通常、チッピングペーパーによってたばこロッドに取り付けられた酢酸セルローストウのプラグを含む。紙巻たばこは、その一方の端に点火し、細かく切られたたばこロッドを燃焼することにより、消費者によって使用される。消費者は紙巻たばこの反対側の端(口側の端またはフィルター端)で引き出すことによって主流煙を受ける。主流煙の換気はチッピングペーパー内のフィルターに沿った位置付近にある一列または複数列の穿孔によって達成できる。その他の公知の喫煙物品には、たばこ材料が燃焼されるのではなく加熱されることによってエアロゾルを形成する喫煙物品、および燃焼または加熱されずにたばこ材料、たばこ抽出物、またはその他のニコチン供与源からニコチン含有エアロゾルが生成される喫煙物品が含まれる。
【0003】
その喫煙特性を変化させるために燃焼中に喫煙物品の主流煙中に放出される風味剤を含む喫煙物品が、当該技術分野において公知である。風味剤は、たばこ材料の加熱または燃焼によって発生するたばこの風味を向上させるために、またはミントまたはメントールなどの追加的な非たばこ風味を提供するために、使用しうる。風味剤は風味剤を封じ込める構造材料を含む液体送達部材(例えば、カプセル)内に提供しうる。カプセルに封入された風味剤は例えば粉砕によって封入構造を変形または破壊することにより、喫煙物品の喫煙前または喫煙中に放出しうる。
【0004】
液体送達部材を含む喫煙物品を保持するための改良型装置が提供されることが望ましいであろう。
【0005】
本発明の第一の態様によれば、喫煙物品の内部に配置された液体送達部材を持つ喫煙物品を保持するための装置が提供されており、その装置は喫煙物品の喫煙中に喫煙物品を支持する支持部分と、喫煙物品中の液体送達部材に外力をかけるよう構成された粉砕機とを備える。
【0006】
装置は喫煙物品内の液体送達部材の簡単で一貫性があり信頼できる粉砕を提供する。本明細書において、「粉砕」という用語は外力を用いた圧縮または圧迫を意味するために使用される。粉砕の結果、液体送達部材の変形または破壊が起こる。液体送達部材は粉砕後にサイズが小さくなりうる。液体送達部材の変形は、ある一定範囲の外力で徐々に発生しうる。別の方法として、液体送達部材は急激に変形または破壊させうるが、例えば、外力が閾値に達した時に液体送達部材を破裂させることができる。
【0007】
粉砕機を提供することは喫煙物品内の液体送達部材に外力をかけるために消費者が喫煙物品に触れる必要がないことを意味する。これは消費者の指への汚れや匂いを減少させうる。さらに、粉砕機によって液体送達部材は消費者の指のみを使用して粉砕できる場合よりも簡単に粉砕されうる。粉砕機によって液体送達部材の操作が促進され、また消費者はより簡単に外力をかけることができる。支持部分を提供することは喫煙中に喫煙物品に触れる必要がないことも意味する。これもまた、消費者の指への汚れや匂いを減少させうる。
【0008】
液体送達部材は液体(単一または複数)を封じ込める構造材料を含むことが好ましい。液体は適切な任意の物質を含みうるが、喫煙物品の喫煙中に煙に風味を付けるための風味剤、または喫煙物品の喫煙中に煙を変質させるためのその他の任意の煙変質物質を含むことが好ましい。液体送達部材は喫煙物品に外力がかけられた時に液体の少なくとも一部を放出するよう配列されることが好ましい。喫煙前または喫煙中に外力をかけることができ、それによって液体が放出される。
【発明の概要】
【0009】
本発明による装置はフィルターたばこ、およびたばこ材料が燃焼されて煙を形成するその他の喫煙物品とともに有利に使用されうる。別の方法として、本発明による装置は、たばこ材料が燃焼ではなく加熱されてエアロゾルを形成する喫煙物品とともに使用しうる。本発明による装置はまた、燃焼または加熱なしに、たばこ材料、たばこ抽出物、またはその他のニコチン源からニコチン含有エアロゾルが生成される喫煙物品で使用しうる。本明細書で使用される「喫煙」という用語は同様の広範な方法で解釈されるべきである。
【0010】
本明細書では「上流」および「下流」という用語は、主流煙が喫煙物品の点火する端部から喫煙物品の口側の端に向けて引き出される時の主流煙の方向に対する、喫煙物品またはフィルターの要素間の相対的位置を描写するのに使用される。主流煙は喫煙物品の長さに対して一般的に平行に、長軸方向に流れる。喫煙物品の横断する方向は長軸方向と直角を成す。
【0011】
支持部分および粉砕機は互いに分離可能でも分離可能でなくてもよい。例えば、支持部分および粉砕機は、例えば射出成形プラスチックなど、単体の材料から製造されうる。別の方法として、支持部分および粉砕機は消費者によって互いに分離可能としうる。これにより、交換用または予備の支持部分または粉砕機が提供されうる。例えば、支持部分および粉砕機は、ねじによる取り付け、摩擦ばめ、スナップ式の取り付け、またはその他任意の適切なタイプの接続によって互いに取り付けうる。
【0012】
消費者が喫煙物品に触れる必要がないように、支持部分は喫煙中に喫煙物品を支持する。支持部分は喫煙物品の任意の部品を支持しうる。ただし、支持部分は喫煙物品の下流端を支持することが好ましい。
【0013】
支持部分はマウスピースを備えることが好ましい。マウスピースは喫煙物品の喫煙中に消費者の口内に保持される部品である。マウスピースは装置の部分を形成し、喫煙物品の部分ではない。マウスピースは喫煙物品(例えば、喫煙物品フィルター)の最下流端を受け、喫煙中に消費者の唇が喫煙物品ではなくマウスピースに触れることが好ましい。マウスピースは喫煙物品を受けるための上流開口部と、喫煙中に消費者の口に受けられる下流開口部または出口と、煙を喫煙物品の下流端から消費者の口内に運ぶための2つの開口部を連結する通路または管とを含むことが好ましい。
【0014】
装置はマウスピース用の取り外し可能なカバーを備えうる。カバーは装置が使用されていない時にマウスピースを保護する。カバーは消費者が装置を使用したい時に除去されうる。カバーは装置が使用されていない時に、マウスピースの口側の端(下流端)を覆うように配列されることが好ましい。追加的にまたは別の方法として、カバーは装置が使用されていない時に、マウスピースの上流端を覆うように配列されうる。これにより、ごみや破片がマウスピースに入り込む可能性を減少させうる。マウスピースが喫煙物品を受けるための上流開口部と、喫煙中に消費者の口内に受けられる下流開口部とを備える場合、カバーは装置が使用されていない時に、少なくとも下流開口部を覆うように配列されることが好ましい。
【0015】
装置は装置を別の物体に取り付けるための手段を含むことが好ましい。例えば、取付手段は装置が使用されていない時に、装置を喫煙物品のパックに取り付けるように配列されうる。喫煙物品は装置とともに使用しうる喫煙物品であることが好ましい。これは消費者にとって便利である。別の方法としてまたは追加的に、取付手段は装置を消費者に、例えば、消費者の手首の回りに、消費者の衣服に、またはその他の消費財商品または消費財商品のパック、例えばマッチ、ライター、消火手段、口臭消臭用品または電子機器などに取り付けるように配列されうる。
【0016】
取付手段は装置を別の物体に取り付けるのに適した任意の構造を持ちうる。取付手段は装置の一部分と一体的に形成することも、装置の一部分に固定される別個の構成要素にすることもできる。例えば、取付手段は、互いに対して旋回し、別の物体(例えば、喫煙物品のパックまたは消費者の衣服の一部分)を掴むように配列された2個以上の向かい合ったばねクリップを備えうる。別の方法として、取付手段は喫煙物品のパック、消費者の手首、または別の物体を取り囲むように配列されたバンド(例えばゴムバンド)を備えうる。別の方法として、取付手段は喫煙物品のパックの一面の下にスライドするように配列されたアームまたはプレートを備えうる。別の方法として、取付手段は、装置を宝飾品として装着するか、または装飾的な方法で衣服に取り付けることができるチェーンまたはその他の装飾的な接続具を備えうる。
【0017】
マウスピースカバーは装置の追加的な部品としうる。別の方法として、装置の別の部品はマウスピースカバーとしての役割を果たすこともできる。例えば、装置が使用されていない時に、粉砕機はマウスピースカバーとしての役割を果たしうる。
【0018】
ただし、一つの好ましい実施形態では、装置を別の物体に取り付けるための手段は、マウスピース用の取り外し可能なカバーを備える。
【0019】
別の方法として、支持部分はさらにマウスピース用の取り外し可能なカバーを備えうる。こうした一つの実施形態で、支持部分は喫煙物品を受けるための上流部分とマウスピースを含む下流部分とを含む。装置が使用されていない時、マウスピースは支持部分の上流部分から取り外し、180度回転させ、およびマウスピースの下流端が支持部分の上流部分によって覆われるように取り付け直すこともできる。
【0020】
一つの実施形態で、装置はさらに喫煙物品の喫煙後に喫煙物品を支持部分から取り出すための手段を備えうる。取り出し手段を提供することで、喫煙物品の喫煙が終わった後で消費者が使用済みの喫煙物品に触れる必要がなくなる。これは消費者の指への汚れや匂いを減少させうる。
【0021】
一つの好ましい実施形態で、支持部分は喫煙物品の喫煙中に喫煙物品を受けるための管状部分と、管状部分内に延びるためのインサートとを含むが、ここでインサートは、喫煙物品を管状部分から移動させ、喫煙物品を支持部分から取り出すように、喫煙物品の喫煙後に管状部分内に挿入されるよう構成される。これにより、喫煙物品の喫煙が終わった後で消費者が使用済みの喫煙物品に触れる必要がなくなる。消費者は喫煙物品を取り出すために、インサートを管状部分に単に押し込めばよい。その実施形態で、支持部分は管状部分とインサートの間の相対的な移動によって伸縮自在(すなわち、伸張・短縮が可能)であることが好ましい。支持部分は喫煙物品が管状部分内に受けられた時に、延びた構成を取り、インサートが管状部分から引き出されていることが好ましい。支持部分は装置が使用されていない時に、縮んだ構成を取り、インサートは管状部分に挿入されていることが好ましい。
【0022】
支持部分は少なくとも2つの異なるサイズの喫煙物品を支持するように配列されることが好ましい。例えば、支持部分は第一のサイズの喫煙物品を支持するように配列された第一の部分と、第二のサイズの喫煙物品を支持するように配列された第二の部分とを含みうる。消費者は喫煙物品のサイズに応じて、どちらの部分を使用するか選択しうる。別の方法として、支持部分は少なくとも第一のサイズと第二のサイズの間で調節しうる。消費者は次に、喫煙物品のサイズに応じて支持部分を手動で調節しうる。
【0023】
例えば、支持部分は直径が約7.0 mm〜約8.0 mmの喫煙物品、および直径が約5.0 mm〜約7.0 mmの喫煙物品を支持するように配列されうる。
【0024】
一つの好ましい実施形態で、支持部分は喫煙物品の最下流端を受けるよう配列され、また支持部分は第一の内部寸法を持つ第一の上流管状部分および第二の内部寸法を持つ第二の下流管状部分を含み、第一の内部寸法は第二の内部寸法よりも大きい。
【0025】
こうして、支持部分は2つの異なるサイズの喫煙物品を支持するように先細りになっていることが好ましい。第一の内部寸法は実質的に第一のサイズの喫煙物品の直径と同じであり、第二の内部寸法は実質的に第二のサイズの喫煙物品の直径と同じであることが好ましい。こうして、支持部分が第一の大きめのサイズの喫煙物品とともに使用される場合、喫煙物品の下流端は第一の上流管状部分内にのみ延びる。喫煙物品は摩擦ばめにより第一の上流管状部分内に固定されうる。第二の下流管状部分は喫煙物品を収容するには小さすぎる。一方、支持部分が第二の小さめのサイズの喫煙物品とともに使用される場合、喫煙物品の下流端は第一の上流管状部分を通して、第二の下流管状部分内に延びる。喫煙物品は摩擦ばめにより第二の下流管状部分内に固定されうる。
【0026】
粉砕機は喫煙物品に外力をかけ、その結果として喫煙物品内の液体送達部材に力がかかるように配列されている。粉砕機は消費者が手動で操作できることが好ましい。粉砕機は消費者によって力がかけられるまで、非粉砕位置に偏らせることが好ましい。粉砕機は液体送達部材に対して必要な外力をかけるのに適した任意の構造を持ちうる。粉砕機の構造、およびその結果としてかけられうる外力は、液体送達部材の形状、サイズ、位置および材料または材料の組み合せに依存しうる。
【0027】
粉砕機は液体送達部材に約5 N〜約24 Nの外力をかけるよう配列されることが好ましい。粉砕機は液体送達部材に約8 N〜約20 Nの外力をかけるよう配列されることがより好ましい。粉砕機は液体送達部材に約12 N〜約16 Nの外力をかけるよう配列されることがさらに好ましい。こうした力は液体送達部材の圧縮曲線に対する力のピークに対応しうる。
【0028】
外力は喫煙物品の喫煙前または喫煙中のいずれか望ましい時点で消費者がかけうる。外力は任意の方向に作用させうるが、喫煙物品の長軸方向と直角を成す方向に作用させることが好ましい。
【0029】
粉砕機は消費者によってかけられた力を増幅して、喫煙物品内の液体送達部材に外力を供給する少なくとも一つのレバーを備えることが好ましい。てこの作用を利用して外力をかけるこうした配列により、消費者によってかけられる必要のある力が低減される。これにより、そうでない場合に可能であるよりも簡単に液体送達部材が粉砕されるようになる。
【0030】
レバーは、消費者によってかけられる力を増幅するように、レバーアームがヒンジまたは支点の周りを旋回する任意の構造を持ちうる。例えば、最大の機械的な利点を提供するために、液体送達部材は一般にレバーの中央部と整列させ、消費者の力は液体送達部材の一方の側にかけ、かつレバーのヒンジは液体送達部材のもう一方の側に位置させうる。レバーの構造は消費者からの適度な力を使用して必要な外力を液体送達部材にかけるのに適切であるべきである。
【0031】
一つの好ましい実施形態で、粉砕機は液体送達部材の向かい合ったそれぞれの側に力をかけるための向かい合った2つの部分を含む。液体送達部材の向かい合った2つの側に力をかけることで、より簡単で、一貫し、かつ信頼できる液体送達部材の粉砕につながりうる。また、これにより喫煙物品の断面全体に均一の方法で液体が放出される。
【0032】
向かい合った2つの部分は消費者によって力がかけられるまで、非粉砕位置に偏らせることが好ましい。向かい合った2つの部分は消費者によってかけられた線形の圧縮力を液体送達部材に伝達するための向かい合った2つの部材を備えうる。こうして、消費者は液体送達部材を粉砕するために、喫煙物品に触れる必要がない。ところが、粉砕機は液体送達部材の向かい合ったそれぞれの側に力をかけるための向かい合った2つのレバーを含むことがより好ましい。レバーは消費者によりかけられたトルクを増幅する。レバーは共通のヒンジの周りを旋回するよう配列されることが好ましい。2つのレバーは消費者によってそれぞれのレバーにかけられた内向きの2つの力を増幅するよう配列されることが好ましい。
【0033】
ただし、別の方法として、粉砕機は外力を液体送達部材にかけるために単一部分のみを備えうる。例えば、粉砕機は片手または1本の指のみを使用した消費者による簡単な粉砕を許容しうる単一のレバーアームを備えうる。別の方法として、粉砕機は外力をかけるための複数の部分を備えうる。
【0034】
粉砕機は外力を液体送達部材にかけるための少なくとも一つの突起を備えることが好ましい。少なくとも一つの突起が液体送達部材と係合し、および粉砕機の内側(液体送達部材側)に位置する。少なくとも一つの突起は尖っていることが好ましい。外力が少なくとも一つの突起の小さな領域を介してかかる場合、液体送達部材に作用する圧力は増大しうる。これにより、消費者によってかけられる必要がある力が低減される。これにより、そうでない場合に可能であるよりも簡単に液体送達部材が粉砕されるようになる。またこれにより、特定の望ましい位置(単一または複数)に外力がかけられるようになる。
【0035】
粉砕機は少なくとも一つのレバーを備え、そのレバーは液体送達部材と係合するよう構成された少なくとも一つの突起を含むことが好ましい。少なくとも一つの突起は尖っていることが好ましい。てこの作用と突起との組み合わせにより、消費者によってかけられる必要のある力が低減される。最大の機械的な利点を提供するために、少なくとも1つの突起(液体送達部材と整列させるための突起)は一般にレバーの中央部と整列させ、消費者の力は突起の一方の側にかけ、かつレバーのヒンジは突起のもう一方の側に位置させうる。
【0036】
粉砕機は液体送達部材の向かい合ったそれぞれの側に力をかけるための、向かい合った2つのレバーを備え、各レバーが液体送達部材と係合するように構成された1つの突起を含むことがさらに好ましい。各突起は尖っていることが好ましい。レバーは共通のヒンジの周りを旋回するよう配列され、各突起が一般的にそれぞれのレバーの中央部と整列し、消費者の力が突起の一方の側にかけることができ、かつヒンジが突起のもう一方の側に位置することが好ましい。
【0037】
粉砕機の特定の構造にかかわらず、粉砕機は消費者の指と接触するための1つまたは複数の接触パッドを含みうる。これにより、消費者は粉砕機との確実な接触が可能となり、力をかけることが容易になりうる。接触パッドは消費者の指との適切な接触のためのサイズおよび形状であることが好ましい。
【0038】
装置に対する喫煙中の喫煙物品の位置は、装置に対する粉砕中の喫煙物品の位置と同じであることが好ましい。すなわち、装置は喫煙物品が喫煙物品の喫煙のために支持部分によって支持されている時、粉砕機が外力を液体送達部材にかけるような位置になるように配列されることが好ましい。その後、消費者は喫煙前または喫煙中のいずれかの望ましい時点で液体送達部材を粉砕しうる。
【0039】
ただし、そうである必要はない。例えば、装置は喫煙物品を喫煙のための第一の位置に、および外力を液体送達部材にかけるための第二の位置に保持するよう配列しうる。消費者が喫煙前に液体送達部材の粉砕を望む場合、消費者は粉砕機が液体送達部材と適切に整列した第二の位置に喫煙物品を配置しうる。次に、粉砕機によって液体送達部材に外力をかけうる。その後、消費者は喫煙物品が支持部分によって支持される第一の位置に喫煙物品を配置しうる。その後、消費者は喫煙物品を喫煙しうる。別の方法として、消費者が喫煙中に液体送達部材の粉砕を望む場合、消費者は喫煙物品が支持部分により支持される第一の位置に喫煙物品を配置しうる。その後、消費者は喫煙物品を部分的に喫煙しうる。その後、消費者は粉砕機が液体送達部材と適切に整列した第二の位置に喫煙物品を配置しうる。次に、粉砕機によって液体送達部材に外力をかけうる。その後、消費者は喫煙物品の喫煙を続けるために喫煙物品を第一の位置に戻しうる。
【0040】
本発明による装置は望ましい任意のサイズ、例えば、直径が約5.0 mm〜約8.0 mm、または約7.0 mm〜約8.0 mm(例えば、標準紙巻たばこ)、または約5.0 mm〜約7.0 mm(例えば、スリムまたはスーパースリム紙巻たばこ)の喫煙物品を含むがこれらに限定されない喫煙物品とともに使用しうる。喫煙物品は望ましい任意の長さ、例えば約70 mm〜約100 mmとしうる。
【0041】
液体送達部材は適切な任意の位置にある喫煙物品内に位置しうる。液体送達部材の位置および装置の配列は外力がかかりうるように、粉砕機が液体送達部材に対して適切に配置されうる位置・配列である。液体送達部材は喫煙物品の下流端に向けて配置されることが好ましい。液体送達部材は喫煙物品のフィルター内に配置されることがより好ましい。液体送達部材はフィルターのフィルター材料内に、例えばフィルター材料(酢酸セルローストウなど)のプラグ内に埋め込まれうる。別の方法として、液体送達部材はフィルター内のくぼみ内に、例えば「プラグ-スペース-プラグ」フィルター内に提供されうる。別の方法として、液体送達部材は喫煙物品のたばこロッド内に配置されうる。
【0042】
「液体送達部材」という用語は液体(単一または複数)を送達するための任意の送達システムを意味する。液体は適切な任意の物質を含みうるが、喫煙物品の喫煙中に煙に風味を付けるための風味剤、または喫煙物品の喫煙中に煙を変質させるためのその他の任意の煙変質物質を含むことが好ましい。液体送達部材は液体(単一または複数)を封じ込める構造材料を含むことが好ましい。喫煙物品に粉砕機からの外力がかけられる時、液体の少なくとも一部を放出する液体送達部材を提供することで、液体は消費者によって制御される形で放出されるようになる。喫煙物品の使用前または使用中に外力をかけることができ、それによって液体が放出される。液体送達部材に対する外力により、液体が液体送達部材から逃れ、喫煙物品と相互作用してその特性を変化させることができ、こうしてそこから煙が導き出される。液体は外力がかけられた時にのみ放出されるため、これによって、例えば保管中に液体が拡散または分解する可能性が低減される。
【0043】
液体が風味剤を含む場合、風味剤は液体送達部材の構造材料内に放出可能なように液体の形態で配置するのに適した任意の風味化合物を含みうる。適切な風味にはメントール、ミント(ハッカおよびオランダハッカなど)、ユーカリ、セージ、チョコレート、甘草、柑橘類およびその他の果物風味、γ八量体、バニリン、エチルバニリン、口臭消臭風味、スパイス風味(シナモンなど)、サルチル酸メチル、リナロール、ベルガモット油、ゼラニウム油、レモン油、ジンジャー油、およびたばこ風味などが含まれるが、これに限定されない。その他の適切な風味は酸、アルコール、エステル、アルデヒド、ケトン、ピラジン、その組み合わせまたは混合物およびそれに類するものを含めた群から選択される液体化合物を含みうる。
【0044】
液体送達部材は、好ましくは構造材料が液体を封じ込める、適切な任意の構造を持ちうる。液体送達部材は多数の領域を規定する基質構造を備えうるが、液体は喫煙物品に粉砕機を介して力がかけられた時に放出されるまで領域内に閉じ込められる。ただし、液体送達部材はカプセルを備えることがより好ましい。カプセルは外部シェルと、液体を含む内部コアとを備えることが好ましい。外部シェルは実質的に連続的であることが好ましい。外部シェルは外力がかけられる前にシールされることが好ましいが、外力がかけられた時に液体が放出されるように脆く壊れやすい。カプセルは物理的な様々な形成物で形成されうるが、これには単一部分から成るカプセル、複数部分から成るカプセル、単一壁から成るカプセル、複数壁から成るカプセル、大型カプセル、および小型カプセルなどが含まれるが、これに限定されない。
【0045】
液体送達部材が液体を封じ込める複数の領域を規定する基質構造を備える場合、液体送達部材は喫煙物品が粉砕機を介して少なくとも力の範囲5 Nを超える外力に晒される時に、液体を放出しうる。別の方法として、喫煙物品が外力に晒された時に(例えば、カプセルがシェルおよび内部コアを備える場合であるが、これに限定されない)液体送達部材が破裂または破壊して液体を放出するよう配列されているカプセルである場合、カプセルは望ましい破裂強度を持ちうる。破裂強度は(喫煙物品の外側から粉砕機を介してカプセルに作用する)カプセルが破裂する力である。破裂強度は圧縮曲線に対するカプセルの力におけるピークとしうる。カプセルは約5 N(0.5 kgf)〜約24 N(2.4 kgf)の破裂強度を持つことが好ましい。カプセルは約8 N(0.8 kgf)〜約20 N(2.0 kgf)の破裂強度を持つことがより好ましい。カプセルは約12 N(1.2 kgf)〜約16 N(1.6 kgf)の破裂強度を持つことがさらに好ましい。圧縮曲線に対する液体送達部材の力は約5 N〜約24 Nのピークを持ちうる。
【0046】
外力をかけることにより、好ましくはカプセルを破損する圧迫力または圧縮力が与えられ、これによって液体の少なくとも一部が喫煙物品内に放出される。別の方法として、圧迫または圧縮の力は、ある力の範囲にわたって液体の持続的な放出を提供しうる。次に、液体は喫煙物品を通過する煙に風味を付けるかまたはその他の方法でその煙を変化させうる。
【0047】
液体送達部材は適切な任意の形状、例えば球状、球状体、または楕円体を持ちうる。ただし、液体送達部材は一般的に球状であることが好ましい。
【0048】
液体送達部材は望ましい任意のサイズを持ちうる。例えば、液体送達部材は直径が約2.5 mm〜約4.5 mmの球状としうるが、約3.0 mm〜約3.5 mmであることが好ましく、約3.5 mmであることがより好ましい。喫煙物品の直径に対する液体送達部材のサイズは、外力が粉砕機によってかけられた時に液体が液体送達部材から放出されうるように適切であるべきである。例えば、装置は直径が約5.0 mm〜約8.0 mm、または約7.0 mm〜約8.0 mm(例えば、標準紙巻たばこ)、または約5.0 mm〜約7.0 mm(例えば、スリムまたはスーパースリム紙巻たばこ)の喫煙物品を含むがこれらに限定されない喫煙物品とともに使用するために適応させうる。
【0049】
液体送達部材は、例えば薬物送達用のカプセル、液体を封入したカプセル、またはその他の封入材料に使用されるものなど、適切な任意の物質または材料の組み合わせを備えうる。液体送達部材は適切な任意の方法に従い(例えば、同時押出し成形によって)製造されうるが、この点は当業者によって理解されるであろう。
【0050】
装置は適切な任意の材料または材料の組み合せを含むことができ、例えば、ポリプロピレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、金属、紙、ゴムおよびその組み合わせがあるが、これらに限定されない。一つの好ましい実施形態で装置のマウスピースは紙を含む。これにより、消費者の唇が紙のマウスピースに接する時、喫煙物品フィルターに直接接した時と同じ感覚を提供する。装置の全部または一部は製造元またはブランドのロゴ、商標、スローガンおよびその他の消費者情報およびしるしで、印刷、エンボス加工、デボス加工またはその他の方法で装飾しうる。
【0051】
装置は装置を携帯可能なものにし、かつ喫煙物品の中に配置された液体送達部材を持つ喫煙物品を支持するのに適した適切な任意のサイズとしうる。
【0052】
本発明の第二の態様は、喫煙物品の内部に配置された液体送達部材を持つ喫煙物品を保持するための装置の使用に関するもので、その装置は喫煙物品の喫煙中に喫煙物品を支持する支持部分と、喫煙物品中の液体送達部材に外力をかけるよう構成された粉砕機とを備える。
【0053】
本発明の一つの態様に関連して説明した特徴は、本発明の別の態様にも適用されうる。
【0054】
本発明は以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1図1は本発明の一つの実施形態による装置の側面図である。
図2図2図1の装置の端面図である。
図3図3図1および2の装置のカバーの側面図である。
図4図4は喫煙物品が装置内に受けられている図1および2の装置の断面図である。
図5図5は喫煙物品が装置内に受けられている図1および2の装置の端面図である。
図6図6は使用済みの喫煙物品が取り出される図1および2の装置の断面図である。
図7図7は使用済みの喫煙物品が取り出された時の図1および2の装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は本発明の一つの実施形態による喫煙物品のための装置の側面図である。図2図1の装置の端面図である。図1および2を参照するが、装置100は装置の下流端にある支持部分101および装置の上流端にある粉砕機103を備える。
【0057】
支持部分101は上流の管状部分105および下流のマウスピース107(図1および2で影付きで表示)を備える。マウスピース107は喫煙中に消費者の口に保持されるよう設計されている口側の端109と、管状部分105に延びるインサート111を備える。通路113はインサート111および口側の端109を通って延びる。
【0058】
粉砕機103はヒンジ117の周りを旋回するように配列されて向かい合った2つのレバーアーム115a、115bを備える。図1ではレバーアーム115bのみが表示されている。各レバーアーム115a、115bはヒンジ117から最も遠い端にそれぞれ接触パッド119a、119bを備える。図1ではレバーアーム115a、115bは閉位置で表示されており、また図2ではレバーアーム115a、115bは開位置で表示されている。各レバーアーム115a、115bはさらに、その内部表面にそれぞれ突起121a、121bを備える。突起121a、121bは図1には表示されていない。図1および2に示されている実施形態において、ヒンジ117は粉砕機103を支持部分101に連結する。
【0059】
図3図1および2の装置100のマウスピース107用のカバー300を示す。カバー300はまた、装置を別の物体に取り付けるための手段としての役目も果たす。カバー300はマウスピース107の口側の端109を受けるよう配列された閉じた管301を備える。これは図1図3の間の矢印で示されている。管301の内径はマウスピース107が摩擦ばめによってカバー300内に固定されうるように、実質的に口側の端109の直径と一致する。これは使用していない時にマウスピース107を保護する。カバー300はさらに、閉じた管301の外面上に2つのばねクリップ303を備える。ばねクリップ303は互いに対して旋回し、また別の物体を掴むように配列されている。こうして、ばねクリップ303は装置100が使用されていない時に装置100を別の物体に固定しうる。例えば、ばねクリップ303は喫煙物品のパック上または消費者の衣服上に装置100を固定しうる。
【0060】
図4は喫煙物品が装置100内に受け取られた図1および2の装置100を示す。この実施形態で、喫煙物品400はたばこロッド401と、たばこロッド401と軸方向に整列し、かつたばこロッド401の下流にあるフィルター403とを備える。風味カプセル405の形態の液体送達部材はフィルター403内に配置されている。風味カプセル405は喫煙物品400の喫煙中に主流煙の味覚を変化させるための液体風味剤(図示せず)を囲む。
【0061】
図4に示す通りに喫煙物品400を位置付けるために(消費者が喫煙物品の喫煙を望む時)、粉砕機103のレバーアーム115a、115bは図2に示す通り開位置に配置される。喫煙物品400の下流のフィルター端はレバーアーム115a、115bの間に挿入され、支持部分101の管状部分105に入る。喫煙物品400が管状部分105内に挿入されると、インサート111は管状部分105から下流方向に押し出される。喫煙物品400が正しく配置される時(図4に示す通り)、ストッパー(図示せず)は喫煙物品400がさらに管状部分105に延びないよう、またインサート111がさらに取り出されないように防止する。この時点で、喫煙物品400は消費者によって点火され、喫煙されうる。消費者は口側の端109を口内に保持し、通路113は点火された喫煙物品400の下流端から消費者の口に煙を移動させる。消費者は喫煙中に喫煙物品に触れる必要がない。
【0062】
図5図4の端面図である。図4から分かる通り、装置100内で喫煙物品400が正しく配置されている時、喫煙物品フィルター403内に配置された風味カプセル405は装置100の粉砕機103と整列される。消費者が望む時(喫煙前または喫煙中のいずれか)、消費者は粉砕機103を使用してカプセル405を粉砕しうる。これについて図5に概略的に示す。消費者の指はレバーアーム115a、115bの接触パッド119a、119bに配置される。消費者が圧迫力をかけると(図5に矢印で示す通り)、レバーアーム115a、115bはヒンジ117の周りを内側に旋回する。レバーアーム115a、115bが旋回すると、レバーアーム115a、115bの内部表面上の突起121a、121bが、カプセル405と整列したフィルター403の外面に方向性を持つ圧力をかける。カプセル405に対する外力によって、カプセルはカプセル内に封じ込められた液体風味剤の少なくとも一部を放出する。その後、消費者は喫煙を始めるかまたは継続することができ、ここで主流煙はカプセル405から放出された液体風味剤によって変化させられる。
【0063】
カプセル405を粉砕するために、消費者が喫煙物品400に触れる必要はない。さらに、レバーアーム115a、115bのレバー機構があるため、消費者はカプセル405を粉砕するために小さな力だけを必要とする。粉砕の結果、カプセルの変形または破壊が起こり、これによって液体風味剤が放出される。図1〜5に示す実施形態で、カプセルは外部シェルと、液体風味剤を含む内部コアを備える。液体風味剤は外側シェルが外力をかけられて破損すると急激に放出される。ただし、別の方法として、例えばカプセルが液体風味剤を封じ込める多数の領域を画定する基質構造を含む液体送達部材によって置き換えられた場合に、液体風味剤は、ある力の範囲で徐々に放出されうる。
【0064】
図6および7は使用済みの喫煙物品が喫煙後に装置100からどのように取り出されうるかを示す。消費者が喫煙物品400の喫煙を終了すると、使用済みの喫煙物品400は消費者が使用済みの喫煙物品400に触れる必要なく、装置100から取り出されうる。図6に示す通り、消費者は装置100を掴み、マウスピース107の口側の端109を管状部分105に向けて押す。これについて図6で矢印で示す。インサート111は管状部分105内に挿入され、使用済みの喫煙物品400は管状部分105から上流方向に押し出される。図7に示す通り、インサート111が管状部分105内に完全に延びると、使用済みの喫煙物品400はもはや装置100によって支持されなくなり、装置100から取り出される。使用済みの喫煙物品400の取り出しは消費者が喫煙物品に触れる必要なく実施できる。図6および7はフィルター紙巻たばこを示しており、喫煙後にたばこロッドの長さが短くなっていることに注目されたい。ただし、装置は使用済みの喫煙物品が未使用の喫煙物品と同じ長さであるような、たばこ材料が燃焼されないものを含めた任意の喫煙物品と併用しうる。
図1.3】
図2
図4
図5
図6
図7