(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1つ、2つ、3つ、4つ又はそれよりも多くの動作伝動ワイヤ体が設けられ、それらの第1の端は、互いに均等に離間させられ、前記制御要素に関節式に連結され、それらの反対側の第2の端は、対応する互いに均等に離間させられた方法において、前記撓まされるべき本体の遠位端部分に固定される、
請求項1乃至8のうちのいずれか1項に記載の撓み動作伝動装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を用いて、本発明の実施態様を詳細に記載する。
【0022】
先ず初めに、
図1−7を用いて、本発明の第1の実施態様を詳細に記載する。
【0023】
第1の実施態様は、内視鏡曲げ制御のために内視鏡において用いられる撓み動作伝動装置(deflection movement transmission device)を示している。
【0024】
本実施態様において、この撓み動作伝動装置は、制御要素1と、複数のワイヤ体2と、ベース要素としてのロッド要素3と、ロッド要素ホルダ4と、カテーテルチューブ5と、撓み部分(曲げ部分)6としての曲げられる本体(曲げ可能な本体)とで構成される。
【0025】
制御要素1は、制御ヘッド12を含む中空の円筒形の要素で構成され、その底側に、中空シャフト13が中心的に配置され、中空ボール部分11になり、その外面には、ワイヤ体2が固着される。ヘッド12から見て外方を向く側に、中空ボール部分11は開放している。具体的には、中空ボール部分11にある開口は、中空ボール部分11が、ボールの約9/10になるような開口であり、その約1/10は切り落とされる。
【0026】
制御要素1は、回転対称的な構造において構成され、ヘッド12、中空シャフト13、及び中空ボール部分11を通じて同心状に延びる、内側通路16を含む。内側通路16は、
図1に示すように、その内径が中空ボール部分11から見て外方を向くヘッド12の側に向かって増大するよう、ヘッド12内で拡張される。よって、ヘッド12の内側通路16は漏斗形状の入口開口を有し、それは
図1では内側通路16の左側に示されている。内側通路16の漏斗形状の入口開口は、内側通路16内への撓み部分6の挿入を容易化する。
【0027】
制御要素1は、プラスチック材料で作製される。
【0028】
制御要素1は、ロッド要素3のヘッド31の上にジョイスティックのように位置付けられる。具体的には、制御要素1の中空ボール部分11は、ロッド要素3のヘッドを形成する対向ボール部分31の上に位置付けられる。対向ボール部分31は、その上に位置付けられる中空ボール部分11が滑らかに移動可能であるような大きさのボール形状を有するように設計される。対向ボール部分31と中空ボール部分11との間の寸法関係は、ロッド要素3に対する制御要素1の動作が操作者の側の如何なる大きな努力を伴わずに可能であるが、他方では、中空ボール部分11が対向ボール部分31の上に緩く位置しないような、寸法関係である。
【0029】
ロッド要素3は、長手シリンダ32を有し、長手シリンダ32は、その遠位側で、対向ボール部分31になり、その遠位端部分に、ネジ端34を含み、ネジ端34は、本実施態様において、内側正方形として形成される。正方形端34から近位に、ロッド要素3は、その外側シリンダ表面に、外ネジ山付き部分33を有する。ロッド要素3は、回転対称的な構造を有し、ロッド要素3は、内側に、対向ボール部分31、長手シリンダ32、及び正方形端34を通じて同心状に延びる、内側通路35を含む。ついでながら、対向ボール部分31、長手シリンダ32、及び正方形端34は、一体的なロッド要素として形成される。ロッド要素3の長手シリンダ32は、その上に設けられるネジ山付き部分33を除き、滑らかな外面を有するシリンダとして設計される。
【0030】
内側通路35は、対向ボール部分31で、漏斗形状の入口開口を有し、それは
図1では内側通路35の左側に表されている。内側通路35の漏斗形状の入口開口は、中空ボール部分11にある内側通路16の出口開口の反対側にあり、内側通路35内への撓み部分6の挿入を容易化する。
【0031】
図面に示すように、ロッド要素3は、ロッド要素ホルダ4内に位置付けられる。ロッド要素ホルダ4は、回転対称的な構造を有するシリンダ要素42と、中心内側通路とで構成される。シリンダ要素42は、具体的には、制御要素1に面する中空空間と、制御要素1から見て外方を向くロッド要素ホルダ4の側にある底とを含む。より正確には、ロッド要素ホルダ4の底は、同心状の内側通路を含む。同心状の内側通路内に、内ネジ山41が形成される。図面に概略的に例示するように、ロッド要素3の外ネジ山33は、ロッド要素ホルダ4の内ネジ山41の上に位置付けられ、その場合には、ネジ動作によって、ロッド要素3をロッド要素ホルダ4に対して内に又は外に同心状にネジ式に回し得る。ネジ動作を実施する目的のために、適切な工具がロッド要素3の正方形端34に挿入される。本記述の終わりの部分に「代替的な実施態様」の下で提示するように、他の相対動作技法が可能である。
【0032】
ロッド要素ホルダ4のシリンダ要素42は、その外周側に、カテーテル接続要素43を有する。本実施態様において、カテーテル接続要素43は、図面から分かるように、ロッド要素ホルダ4のシリンダ要素42に対して鋭角に延びる。
【0033】
具体的には、カテーテル接続要素43は、シリンダ要素42の遠位中空空間からの通路分枝を基本的に提示する丸い中空プロファイルとして形成される。カテーテル接続要素43は円筒形に形成され、シリンダ要素42から離れる方向に先細る。カテーテル接続要素43は、内側に、同心状の通路を含み、ワイヤ体2が、同心状の通路内で案内される。カテーテル接続要素43は、その遠位端に、円形ポートを含む。
【0034】
カテーテルチューブ5は、カテーテル接続要素43の円形ポートに固定される。具体的には、カテーテルチューブ5の近位端51は、カテーテル接続要素43の円形ポートに位置付けられる。その遠位端に、カテーテルチューブ5は、その中に収容されるリング52を含む。リング52は、カテーテルチューブ5の遠位端及び撓み部分6への移行部を形成する。
【0035】
撓み部分6は、既知の方法においてプラスチック材料で作製される曲げられる本体(曲げ可能な本体)である。撓み部分6は、その近位端に、撓み接続部61を含み、撓み部分6は、撓み接続部61で、カテーテルチューブ5のリング52に接続される。撓み部分6は、遠位端に、撓みキャップ62を含み、撓みキャップ62には、カメラ、レーザ及び/又はカメラ等が配置される。更なる機能的ユニットを撓みキャップ62に統合し得る。
【0036】
概略的な部分斜視図において、
図4は、制御要素へのワイヤ体の接続の詳細及びワイヤ体がカテーテルチューブにどのように案内されるかを示している。明瞭性のために、正面左のワイヤ体2は、
図4において省略されている。
【0037】
図4に示すように、幾つかの吊下げキャビティ14(hang-in cavity)が、中空ボール部分11の赤道線(equatorial line)上で、中空ボール部分11の外周面に設けられる。本実施態様では、4つの吊下げキャビティ14が、中空ボール部分11の赤道(equator)上に設けられる。具体的には、吊下げキャビティ14は、中空ボール部分11に形成される凹部であり、凹部は、円形断面及び底を有し、底は吊下げキャビティ14のボア孔方向に対して略垂直に延び、赤道線に、より具体的には、中空ボール部分11の赤道に対して垂直に位置付けられる。吊下げキャビティ14を製造するときには、吊下げキャビティ14が側面にある盲孔として中空ボール部分11の外周面に形成されるよう、中空ボール部分11を近位側から穿孔し得る。ここでは、あらゆる他の製造方法が可能である。吊下げキャビティ14の外径は、ワイヤ体2のバレルニップル21(barrel nipple)が吊下げキャビティ14内に適合するように選択される。吊下げキャビティ14の底で、即ち、吊下げキャビティ14の遠位端で、通路15がワイヤ体吊下げ部(wire body hang-in)として設計され、通路は、制御要素1の長手方向延伸と同軸に延び、ワイヤ体2の外径よりも大きいがワイヤ体2のバレルニップル21の外径よりも小さい直径を有する。換言すれば、自転車でのボーデンケーブルと同様に、吊下げキャビティ14及びワイヤ体吊下げ部15は、ワイヤ体2のバレルニップル21をそこに吊り下げ得るように設けられる。ワイヤ体2の吊下げ状態において、バレルニップルは、ワイヤ体2の近位端を形成する。
【0038】
本実施態様では、4つのワイヤ体2が設けられ、それらのうちの2つのワイヤ体、即ち、ワイヤ体2a及びワイヤ体2bが、
図1乃至3の各々に表されている。ここでは、ワイヤ体の数は限定されない。1つのワイヤ体2が設けられてよく、2つ、3つ、4つ又はそれよりも多くのワイヤ体が設けられてよい。2つ又はそれよりも多くのワイヤ体2が設けられるならば、対応する吊下げキャビティ14が、互いに均等に離間させられる方法において、中空ボール部分11の赤道(equator)の上に配置される。
【0039】
図4に示すように、シリンダ要素42は、その近位端に、即ち、制御要素1に面するその端に、シリンダ要素の中空空間への開口を含む。近位面、即ち、制御要素1に面するワイヤ案内リング7の表面が、制御要素1に面するシリンダ要素42の近位正面と位置合わせされるよう、ワイヤ体案内リング7が、この開口内に挿入される。ワイヤ案内リング7は、
図4に示すように、ワイヤ体2と同じ数の接線スリットを備える。制御要素1、ロッド要素ホルダ4、及びロッド要素ホルダ4のシリンダ要素42の、共通軸と同軸に延びる、ワイヤ案内開口71が、スリット74内に穿孔される。より具体的には、各吊下げキャビティ14と制御要素1の中心軸との間の距離は、ワイヤ案内ボア71とワイヤ案内リング7の中心軸との間の径方向距離と全く同じである。
【0040】
ワイヤ体2は、カテーテルチューブ5を通じて並びにカテーテルチューブ5のリング52を通じて案内され、撓み部分6の撓みキャップ62に固着される。具体的には、ワイヤ体2は、それらが互いに均等に離間させられるよう、並びに中空ボール部分11上と同じ順序において配置される、即ち、固定されるよう、撓みキャップ62に固着される。
【0041】
リング52は、ワイヤ案内リング7の設計におけると対応する方法において、ワイヤ体2のための開口を含む。
【0043】
制御要素1をジョイスティックのように作動させることができ、その中空ボール部分11をロッド要素3の対向ボール部分31の上で移動させ得る。このようにして、あらゆる方向においけるロッド要素3に対するジョイスティック1の旋回動作が可能である。その場合には、撓みキャップ62に配置されるワイヤ体2を用いて、ロッド要素3に対するジョイスティック1の撓み動作の方向及び程度は、曲げられる本体として形成される撓み部分6に伝えられる。換言すれば、ジョイスティック1がロッド要素3に対して左に動かされると、撓み部分6は、
図2に示すように、左に向けられる動作を行う。ジョイスティック1がロッド要素3に対して右に動かされると、撓み部分6は、
図3における場合のように、右に向けられる動作を行う。
【0044】
撓み部分6が挿入される前に、撓み部分6及び撓み部分6に隣接するカテーテルチューブの部分が真っ直ぐに位置合わせされるよう、制御要素1は真っ直ぐに置かれる。撓み部分6の(撓みキャップ62にある)遠位端は、制御要素1内の内側通路16の漏斗形状の入口開口内に挿入され、内側通路16を通じて滑動させられ、ロッド要素3内の内側通路35の漏斗形状の入口開口内に挿入され、撓み部分6が内側通路35の漏斗形状の入口開口と反対側にある内側通路35の出口開口で現れるまで、内側通路35を通じて滑動させられる。
【0045】
撓み部分6がその意図される動作位置、即ち、撓み部分6が撓み動作伝動装置を通じて滑動させられた位置に達すると、制御要素1を所望の方向に所望の程度まで旋回させることによって、撓み部分6を所望の位置に導き得る。ジョイスティックとしての制御要素1は、全ての方向において旋回してよく、結果的に、撓み部分6は、右及び左に旋回し得るのみならず、全ての方向において旋回し得る。
【0047】
以下、
図8−10を用いて、本発明の第2の実施態様を詳細に記載する。
【0048】
第2の実施態様は、内視鏡曲げ制御のために内視鏡内でも用いられる撓み動作伝動装置を示している。
【0049】
本実施態様においても、この撓み動作伝動装置は、制御要素100と、第1の実施態様におけると同様の方法における複数のワイヤ体(図示せず)と、ベース要素としてのロッド要素300と、ロッド要素ホルダ400と、カテーテルチューブ500と、撓み部分600としての曲げられる本体(曲げ可能な本体)とで構成される。
【0050】
制御要素は、制御ヘッド120を含む円筒形要素で構成され、制御ヘッド120の底側には、シャフト部分13が中心的に配置される。シャフト部分130は、制御ヘッド120と反対側の端に、フット部分110を含む。シャフト部分130は、不変の外径を有する。フット部分110は、制御ヘッド120と反対の方向において増大する外径を有する。
【0051】
制御要素100は、回転対称的な構造を有し、ヘッド120、シャフト部分130、及びフット部分110を通じて同心状に延びる、内側通路160を含む。内側通路160は、
図9に示すように、その内径がフット部分110から見て外方を向く側に向かって増大するよう、ヘッド120内で拡張される。よって、ヘッド120の内側通路160は漏斗形状の入口開口を有し、それは
図9では内側通路160の左側に示されている。内側通路160の漏斗形状の入口開口は、内側通路160内への撓み部分600の挿入を容易化する。内側通路160の漏斗形状の入口開口は丸められ、結果的に、如何なる鋭利な縁をも有さない。
【0052】
制御要素100は、フット部分110で、ロッド要素300に対して旋回する。従って、制御要素100のフット部分110を、旋回部分110と呼ぶ。
【0053】
旋回部分110は、制御ヘッド120と反対の側に、フット面110Aとして形成される端面を有する。本実施態様において、フット面110Aは、外向きに湾曲させられる。即ち、フット面110Aは、内側通路160の漏斗形状の入口開口を含む制御ヘッド120の正面と反対に向かって湾曲させられる。換言すれば、フット面110Aとフットと反対の制御ヘッド120の正面との間で円筒形の制御要素100の長手方向において測定される距離は、外周から中央に向かって増大する。よって、フット面110Aは、所定の半径を有するボール面の部分を形成し、所定の半径の中心は、制御要素100の仮想の延長軸の上に位置する。
【0054】
内側通路160は、フット面110Aにその出口開口を有する。内側通路160は、フット部分110の領域において先細り、フット面110Aでその最小内径に達する。出口開口で、内側通路160は丸められ、結果的に、如何なる鋭利な縁をも有さない。
【0055】
この最狭位置で、内側通路160は、一方では、撓み部分600及びカテーテルチューブ500の安全な貫通滑動(sliding-through)を依然として可能にし、他方では、撓み部分600及びカテーテルチューブ500が通過させられるときに、撓み部分600及びカテーテルチューブ500のための案内を形成する、内径を有する。
【0056】
制御要素100は、
図9−11から明らかなように、回転対称的な構造を有する。制御要素100は、プラスチックで作製されるが、金属で作製されてもよい。
【0057】
旋回部分110のフット面110Aは、
図8−10に示すように、ロッド要素300のヘッド部分310の正面310Aに面する。
【0058】
ロッド要素300は、長手シリンダ320を有し、長手シリンダ320は、その近位側で、ヘッド部分310になり、その遠位端部分の近傍において、増大直径部分330(increased diameter portion)を有する。増大直径部分330は、ヘッド部分310と増大直径部分330との間の部分における外径よりも大きい外径を有する、シリンダ部分として提供される。ロッド要素300は、回転対称的な構造を有する。
【0059】
よって、ロッド要素300は、ヘッド部分310、長手シリンダ320、及び増大直径部分330を含む、一体的な細長い要素である。ロッド要素300の長手シリンダ320は、滑らかな外面を備えて形成される。
【0060】
ロッド要素300は、回転対称的な構造を有し、ヘッド部分310、長手シリンダ320、及び増大直径部分330を通じて同心状に延びる、内側通路350を含む。内側通路350は、ヘッド部分310で狭められる。ヘッド部分310の正面310Aで、内側通路350は、その入口開口を有し、内側通路350は、入口開口で、その最小の内径を有する。入口開口で、内側通路350は丸められ、結果的に、如何なる鋭利な縁をも有さない。入口開口の下流に、内側通路350は、ヘッド部分310での内径よりも大きい均一な内径を有する。内側通路350は、出口開口でも丸められ、結果的に、如何なる鋭利な縁をも有さない。他方、ヘッド部分310での内径の狭まりは、撓み部分600及びカテーテルチューブ500の安全な貫通滑動を依然として可能にし、他方では、撓み部分600及びカテーテルチューブ500が通過させられるときに、撓み部分600及びカテーテルチューブ500のための案内を形成する。
【0061】
本実施態様では、正面310Aも、制御要素100に向かって外向きに湾曲させられる。換言すれば、正面310Aは、制御要素100に向かう方向において、外周から中央に向かって上昇する。正面310Aは、所定の半径を有するボール面の部分を形成し、所定の半径の中心は、ロッド要素300の仮想の延長軸の上に位置する。
【0062】
フット面110A及び正面310Aは互いに面し合い、互いに接触し合う。故に、制御要素100の旋回部分110は、そのフット面110Aを用いて、ロッド要素300のヘッド部分310の正面310Aの上に旋回可能に位置付けられる。換言すれば、フット面110Aは、正面310Aの上で回転し得る。
【0063】
非旋回状態において、制御要素100の旋回部分110及びロッド要素300のヘッド部分310は、同じ中心軸の上に位置する。何故ならば、非旋回状態において、制御要素100及びロッド要素300は、互いに同軸に配置されるからである。故に、非旋回状態において、フット面110A及び正面310Aは、
図9に示すように、円形線で互いに接触する。
図10及び11に示すように、制御要素100が旋回させられるとき、即ち、旋回部分110がロッド要素300のヘッド部分310に対して傾けられるとき、フット面110Aは正面310Aの上で回転する。ここでは、図面中の表示は概略的に過ぎないことを記す。
【0064】
よって、制御要素100は、ロッド要素300のヘッド部分310の上にジョイスティックのように位置付けられる。
【0065】
ロッド要素300は、ロッド要素ホルダ400内に配置される。ロッド要素ホルダ400は、回転対称的な構造を有するシリンダ要素420として形成される。制御要素100に面する側に、シリンダ要素420は中空空間を有し、制御要素100から見て外方を向くロッド要素ホルダ400の側に、シリンダ要素420は底を有する。ロッド要素ホルダ400の底は、同心状の内側通路410を有する。同心状の内側通路400の部分に中空空間が形成され、ロッド要素300の増大直径部分330が中空空間内に位置付けられる。ロッド要素ホルダ400の底の近傍における中空空間の軸方向端面は、増大直径部分330の軸方向端面のためのそれぞれのストッパ(停止部)を形成する。よって、この実施態様において、ロッド要素300はロッド要素ホルダ400に対して軸方向に移動し得ないか或いは少量の遊びを伴って移動し得るのみである。
【0066】
ロッド要素ホルダ400のシリンダ要素420は、その外周側の部分に、カテーテル接続要素430を有する。本実施態様において、カテーテル接続要素430は、図面から明らかになるように、ロッド要素400のシリンダ要素420に対して鋭角に延びる。
【0067】
具体的には、カテーテル接続要素430は、シリンダ要素420の遠位中空空間からの通路分枝を基本的に提示する丸い中空プロファイルとして形成される。カテーテル接続要素430は円筒形に形成され、シリンダ要素420から離れる方向に先細る。カテーテル接続要素430は、内側に、同心状の通路を有し、ワイヤ体が同心状の通路内で案内される。カテーテル接続要素430は、その遠位端に、円形ポートを有する。
【0068】
カテーテルチューブ500は、カテーテル接続要素430の円形ポートに取り付けられる。具体的には、カテーテルチューブ500の近位端510は、カテーテル接続要素430の円形ポートに設けられる。
【0069】
その遠位端に、カテーテルチューブ500は、その中に収容されるリング520を含む。リング520は、カテーテルチューブ500の遠位端及び撓み部分600への移行部を形成する。
【0070】
カテーテルチューブ500及び撓み部分600は、第1の実施態様のカテーテルチューブ5及び撓み部分6と同様に構成される。
【0071】
図4と同様に、第2の実施態様においても、ワイヤ要素が制御要素の吊下げキャビティ内に吊り下げられる。第1の実施態様のワイヤ要素に関する記述は、第2の実施態様にも当て嵌まり、ここでは繰り返されない。ワイヤ要素の構造、案内、及び動作モードは、同じである。
【0072】
第2の実施態様では、単に、ワイヤ案内リング700は、第1の実施態様において記載されたその構造に加えて、更なる機能を有する。そのようなワイヤ案内リング700は、第1の実施態様におけるように設計される。第2の実施態様のワイヤ案内リング700は、ロッド要素ホルダ400のシリンダ要素420に対して長手方向に移動可能である。この目的のために、ロッド要素ホルダ400のシリンダ要素420は、図面に示されない軸方向長手スリットを含み、軸方向長手スリットに沿って、ネジ山付き孔72(
図4)内に係入する並びにワイヤ案内リング700をロッド要素ホルダ400のシリンダ要素420に固定し得る固定ネジを、異なる位置でしっかりと締め得る。
【0073】
この関係において、軸方向においてロッド要素ホルダ400のシリンダ要素420の中空空間内にシフトされ、次に、係止要素を用いて係止されることによって、ワイヤに張力をかけ得る。そのようにするときに、ワイヤの撓み部分の角度は、リング要素700の出口で、即ち、
図8中のリング要素700の右側で、変化する。換言すれば、ワイヤに張力がかけられるとき、リング要素700の下流出口にあるワイヤの撓み地点の鈍角は、吊下げ地点からリング要素700までのワイヤの延伸とリング要素700からカテーテルチューブ500までの延伸との間で減少させられる。このようにして、ワイヤの小さな張力長を実現し得る。
【0074】
ワイヤ体は、カテーテルチューブ500を通じて並びにカテーテルチューブのリング520を通じて案内され、撓み部分600の撓みキャップ620で固着される。具体的には、ワイヤ体は、それらが互いに均等に離間させられるよう、並びに旋回部分110での順序と同じ順序において配置されるよう、撓みキャップ620で固着される。
【0075】
リング520は、ワイヤ案内リング700の設計におけると対応する方法においてワイヤ体のための開口を含む。
【0076】
撓みキャップ620での固定地点から旋回部分110での固定地点までの各ワイヤ体の長さは、常に同じである。
【0078】
第1の実施態様におけると同様に、第2の実施態様の制御要素100もジョイスティックとして作動させことができ、中空ボール部分110のフット面11Aはヘッド部分310の正面310Aの上で転動する。このようにして、あらゆる方向におけるロッド要素300に対するジョイスティック100の旋回動作が可能である。その場合には、撓みキャップ620に配置されるワイヤ体を用いて、ロッド要素300に対するジョイスティック100の撓み動作の方向及び程度は、曲げられる本体(曲げ可能な本体)として形成される撓み部分600に伝えられる。
【0079】
ジョイスティック100がロッド要素300に対して左に動かされるならば、撓み部分600は、
図9に示すように、左に向けられる動作を行う。ジョイスティック100がロッド要素300に対して右に動かされるならば、撓み部分600は、
図10に示すように、右に向けられる動作を行う。
【0080】
撓み部分600が挿入される前に、制御要素100は、撓み部分600及び撓み部分600に隣接するカテーテルチューブ500の部分が真っ直ぐに位置合わせされるよう、真っ直ぐに置かれる。撓み部分600の(撓みキャップ620にある)遠位端は、制御要素100内の内側通路160の漏斗形状の入口開口内に挿入され、内側通路160を通じて滑動させられ、内側通路160の出口開口に隣接する、ロッド要素300内の内側通路350の入口開口内に挿入され、そして、撓み部分600が内側通路350の漏斗形状の入口開口と反対側の内側通路350の出口開口で現れるまで、内側通路350を通じて滑動させられる。
【0081】
撓み部分600が、その意図される動作位置、即ち、撓み部分が撓み動作伝動装置を通じて滑動させられた位置に達すると、制御要素100を所望の方向に所望の程度まで旋回させることによって、撓み部分600を所望の位置に導き得る。
【0083】
ワイヤ体2は吊下げキャビティ14内に吊り下げられ、それは
図4ではバレルニップル21の形態において示されている。本発明はバレルニップルに限定されない。ニップル21を既知の西洋ナシニップル(pear nipple)として設計することができ、如何なる類似のニップルを用いてもよい。吊下げキャビティ14の形状を選択されるニップル形状に適合させ得る。
【0084】
第1の実施態様において、中空ボール部分11の大きさは、ボールの約9/10になるように選択される。本発明はこれに限定されない。それが対向ボール部分31の上で旋回動作を依然として行い得る限り、中空ボール部分11のあらゆる中空ボール形状の大きさを選択し得る。中空ボール部分11は、赤道線の両側で制御要素1の軸方向と平行に所定の最小の量だけ延びる並びに赤道帯(equatorial band)を基本的に形成する、中空ボールリング部分の形状を有してもよい。
【0085】
第2の実施態様において、フット面110Aは、外向きに湾曲させられる。更に、ヘッド部分310の正面310Aは、外向きに湾曲させられる。本発明はこれに限定されない。本発明の原理を用いることによって、フット面110Aが平面的であるように設計され、正面310Aが外向きに湾曲させられるよう、撓み動作伝動装置を構成することもできる。他方、フット面110Aが外向きに湾曲させられ、正面310Aが平面的であるように設計されるよう、撓み動作伝動装置を構成することもできる。正面310Aの曲率半径がフット面110Aの曲率半径よりも大きい限り、フット面310Aが内向きに湾曲させられ且つフット面110Aが外向きに湾曲させられる構造も可能である。同様に、正面310Aの曲率半径がフット面110Aの曲率半径よりも小さい限り、正面310Aを外向きに湾曲させ得るし、フット面110Aを内向きに湾曲させ得る。フット面110Aが正面310Aの上で安全に且つ制御された方法において回転し得ることだけで十分である。
【0086】
第1の実施態様において、正方形端34は、ワイヤ体2に張力をかけるために、ネジ山付き部分33及び41でロッド要素ホルダ4に対するロッド要素3の移動を行うためのネジ動作を可能にする働きをする。本発明はロッド要素3の端34にある正方形の形状に限定されない。三角形、八角形、又は他の多角形も選択し得る。基本的には、端34でロッド要素の回転運動を生成するトルクの適用を可能にするあらゆる形状を選択し得る。
【0087】
第1の実施態様において、ロッド要素ホルダ4に対するロッド要素3の移動は、ネジ山付き部分33及び41によってもたらされる。ロッド要素ホルダ4に対するロッド要素3の移動を用いて、ワイヤ体2に張力がかけられる。この目的のために、ロッド要素ホルダ4に対するロッド要素3の移動のあらゆる他の方法を選択し得る。例えば、ロッド要素ホルダ4は連続的な内側シリンダ孔を有してよく、ロッド要素3は連続的な円筒形の長手シリンダ32を有してよく、引張装置がロッド要素3の端34に取り付けられる。ネジ山付き孔は、ロッド要素ホルダの軸に対して垂直にロッド要素ホルダ4内に設けられてよく、ネジ山付き孔内に位置付けられるロッド要素ホルダ4に対するいずれかの位置において長手シリンダ32を係止するように構成される係止ネジを備える。
【0088】
第1の実施態様では、ネジ動作によってロッド要素3をロッド要素ホルダ4に対して内に又は外に同心状にネジ式に回すことができ、その間に、ロッド要素ホルダ4の内ネジ山41は、ロッド要素3の外ネジ山33と螺合する。この設計では、ロッド要素ホルダ4に対して移動させられ且つ係止されるロッド要素3によって、ワイヤ2に張力をかけ得る。
【0089】
第2の実施態様において、ロッド要素300は、ロッド要素ホルダ400内に位置付けられ、増大直径部分330が、増大直径部分330のために設けられるロッド要素ホルダ400の中空空間内に配置される。ここで、増大直径部分330の遠位端面及び近位端面は、ロッド要素ホルダ400の中空空間でストッパ(停止部)をそれぞれ形成する。この設計では、ロッド要素ホルダ400のシリンダ要素420の中空空間内に軸方向にシフトさせられ、次に、係止要素を用いて係止されリング要素700によって、ワイヤに張力をかけ得る。
【0090】
本発明はこれに限定されない。第1の実施態様では、第2の実施態様のために提供されるワイヤ張力付け可能が適用されてよく、第2の実施態様では、第1の実施態様のために提供されるワイヤ張力付け可能性が適用されてよい。
【0091】
実施態様において、カテーテル接続要素43;430は、図面を考慮すると、ロッド要素ホルダ4;400に対して鋭角に延びる。本発明はこれに限定されない。ロッド要素ホルダに対するカテーテル接続要素のあらゆる延伸角(extension angle)を選択し得る。
【0092】
実施態様において、カテーテルチューブ5;500は、中空空間を有する伝動案内体(transmission guiding body)であり、動作伝動ワイヤ体(movement transmission wire body)は、中空空間内で案内される。制御要素の旋回動作中、動作伝動ワイヤ体2は、引張力及び押力に晒される。これらの引張力及び押力がそれらに対して加えられるとき、動作伝動ワイヤ体2は、伝動案内体の上で滑動するように構成されなければならない。ここで、伝動案内体は、カテーテルチューブ5;500の場合におけうように、閉塞断面を有してよい。本発明はこれに限定されない。伝動案内体は、動作伝動ワイヤ体をその上で案内するレール要素又はボックス要素であってよい。伝動案内体の断面は、動作伝動ワイヤ体2がその上で滑動しない側で開放してよい。
【0093】
制御要素1;100は、制御要素1;100の撓み位置を係止するために、係止可能であり得る。第1の実施態様において、係止は、係止ネジによって行われてよく、係止ネジは、例えば、中空ボール部分11を貫通して対向ボール部分31の表面と係合し、それにより、係止ネジは、制御要素1の、即ち、制御レバーの特定の撓み位置が、摩擦ブレーキによって係止可能であるような方法において、摩擦ブレーキとして作用する。その上、係止は、例えば、ワイヤ案内リング7;700で或いはロッド要素ホルダ4;400のシリンダ要素42;420で動作伝動ワイヤ体/複数の動作伝動ワイヤ体2を締め付けることによって、全ての実施態様において行われ得る。全てのワイヤ2が、例えば、ワイヤ案内リング7;700又はシリンダ要素42;420に取り付けられる係止クランプによって、係止される場合には、制御要素1;100の撓み位置の安全な係止が、それにより達成される。ワイヤ2を遮断する他の技術的可能性が選択されてよい。
【0094】
実施態様において、撓み動作伝動装置は、内視鏡内の内視鏡撓み制御に適用される。撓み動作伝動装置は、他の技術分野においても適用され得る。導水通路、採鉱トンネル等における使用が可能である。本発明は、旋回動作が撓み要素の撓み動作に変換される至る所で適用され得る。